JP2006162665A - 電源回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラスト調整にかかわらず最適バイアスを維持することができ、しかも、消費電力が小さく、負荷変動による電圧値の変動も少なく、耐圧の高いトランジスタを用いることもなく多種の液晶駆動電圧を生成することができる電源回路を提供する。
【解決手段】本発明の電源回路は、単純マトリクス液晶をマルチラインアドレッシング方式で駆動するための複数種類の電圧を発生するもので、外部から供給される電源電圧を昇圧して、電源電圧の整数倍の電圧値を持つ複数種類の昇圧電圧を発生する第1の昇圧回路と、外部から供給される電源電圧および第1の昇圧回路によって発生される複数種類の昇圧電圧のいずれかを電源として動作し、基準電圧から複数種類のセグメント電圧を発生する複数個のオペアンプと、単純マトリクス液晶における最適なバイアスに応じて、複数種類のセグメント電圧を組合せて昇圧することによってコモン電圧を発生する第2の昇圧回路とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の電源回路は、単純マトリクス液晶をマルチラインアドレッシング方式で駆動するための複数種類の電圧を発生するもので、外部から供給される電源電圧を昇圧して、電源電圧の整数倍の電圧値を持つ複数種類の昇圧電圧を発生する第1の昇圧回路と、外部から供給される電源電圧および第1の昇圧回路によって発生される複数種類の昇圧電圧のいずれかを電源として動作し、基準電圧から複数種類のセグメント電圧を発生する複数個のオペアンプと、単純マトリクス液晶における最適なバイアスに応じて、複数種類のセグメント電圧を組合せて昇圧することによってコモン電圧を発生する第2の昇圧回路とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、単純マトリクス液晶をマルチラインアドレッシング方式で駆動するための複数種類の電圧を発生する電源回路に関するものである。
単純マトリクス液晶の駆動方式としては、例えばコモン電極(行電極)を1本ずつ順番に選択する線順次走査方式や、複数行を同時選択するマルチラインアドレッシング方式などの駆動方式が知られている。
単純マトリクス液晶では、どの駆動方式においても、コモン電極に所定の電圧(コモン電圧)を与えて選択し、セグメント電極(列電極)に表示データに対応する電圧(セグメント電圧)を与えることによって、両者の交点に位置する液晶のオン/オフを制御する。また、液晶がオン状態となる電圧とオフ状態となる電圧との比を大きくすることによって、液晶表示のコントラストを高くすることができる。
例えば、バイアス(セグメント電圧とコモン電圧との比)Bを1/5として、コモン電圧を+5V、セグメント電圧を+1Vもしくは−1Vとする場合、セグメント電圧を−1Vにすると、両者の交点にある液晶には+5V−(−1V)=+6Vの電圧が印加され、オン状態となる。一方、セグメント電圧を+1Vとすると、両者の交点にある液晶には+5V−(+1V)=+4Vの電圧が印加され、オフ状態となる。
また、液晶がオン状態となる電圧+6Vとオフ状態となる電圧+4Vとの比を大きくすることによって、すなわちセグメント電圧の絶対値を大きくすることによって、液晶表示のコントラストを高くすることができる。なお、バイアスBは、1/5に限られるわけではなく、液晶に応じた最適値が決定され、例えば1/4、1/5、1/6、1/7などの値に設定される。
従来、液晶を駆動するための電圧(セグメント電圧およびコモン電圧)を発生する電源回路として、例えば特許文献1の図6や図1に記載の方式が知られている。
特許文献1の図6に記載の電源回路は、ロジック回路の電源電圧VDDを4倍チャージポンプ回路でマイナス方向に4倍の電位レベルに昇圧してVEEを生成し、V0(=VDD)とVEE間を可変抵抗R16も含めて抵抗R11〜R15で抵抗分割し、各分割箇所からそれぞれオペアンプ回路を介してV00〜V05の6種類の電位レベルを発生させ、これらの電位をコモン電圧およびセグメント電圧として用いる。
また、特許文献1の図1に記載の回路は、オペアンプ回路を用いて構成された非反転増幅器の基準電圧VSに対して、可変抵抗R1を変えることで、V0より低い任意のV1を生成し、反転チャージポンプ回路で−V1を発生させ、これらをセグメント電圧とする。また、4倍チャージポンプ回路で電源電圧VDDの4倍の電圧V0を生成し、これを反転チャージポンプ回路で反転して−V0を発生させ、これらをコモン電圧とする。
ところが、特許文献1の図6に記載の回路では、多数(5つ)のオペアンプを使用するため、消費電流が多い。また、全てのオペアンプの電源電圧として、電源電圧VDDを6倍ないし7倍に昇圧した電圧を必要とするため、同じ消費電流であっても消費電力が大きい。また、液晶が必要とする最大電圧よりもさらに高い電圧を使用するため、より耐圧の高いトランジスタを必要とするなどの問題がある。
また、特許文献1の図1に記載の回路では、電源電圧VDDを昇圧してコモン電圧V0、−V0を生成するため、最適なバイアスB(=V1/V0)を選択できない。従って、コントラスト調整のためにセグメント電圧V1の電位を変えると、バイアスが変わって最適バイアスからずれて画質が低下する。さらに、セグメント電圧−V1をチャージポンプ回路で生成するため、セグメントの負荷変動によって、セグメント電圧−V1が変動するなどの問題がある。
また、特許文献1は、線順次走査方式で液晶を駆動するための電圧を発生する電源回路に関するものであって、マルチラインアドレッシング方式で液晶を駆動するための複数種類の電圧を発生する電源回路に関するものではない。通常のマルチラインアドレッシング方式では、(同時選択行数+1)種類のセグメント電圧を必要とするが、特許文献1では、この点について全く考慮されていない。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、コントラスト調整にかかわらず最適バイアスを維持することができ、しかも、消費電力が小さく、負荷変動による電圧値の変動も少なく、耐圧の高いトランジスタを用いることもなく多種の液晶駆動電圧を生成することができる電源回路を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、単純マトリクス液晶をマルチラインアドレッシング方式で駆動するための複数種類の電圧を発生する電源回路であって、
外部から供給される電源電圧を昇圧して、前記電源電圧の整数倍の電圧値を持つ複数種類の昇圧電圧を発生する第1の昇圧回路と、前記外部から供給される電源電圧および前記第1の昇圧回路によって発生される複数種類の昇圧電圧のいずれかを電源として動作し、基準電圧から複数種類のセグメント電圧を発生する複数個のオペアンプと、前記単純マトリクス液晶における最適なバイアスに応じて、複数種類の前記セグメント電圧を組合せて昇圧することによってコモン電圧を発生する第2の昇圧回路とを備えることを特徴とする電源回路を提供するものである。
外部から供給される電源電圧を昇圧して、前記電源電圧の整数倍の電圧値を持つ複数種類の昇圧電圧を発生する第1の昇圧回路と、前記外部から供給される電源電圧および前記第1の昇圧回路によって発生される複数種類の昇圧電圧のいずれかを電源として動作し、基準電圧から複数種類のセグメント電圧を発生する複数個のオペアンプと、前記単純マトリクス液晶における最適なバイアスに応じて、複数種類の前記セグメント電圧を組合せて昇圧することによってコモン電圧を発生する第2の昇圧回路とを備えることを特徴とする電源回路を提供するものである。
ここで、前記マルチラインアドレッシング方式が、7本のコモン電極を同時に選択し、4種類のセグメント電圧を使用するFLA7方式であるのが好ましい。線順次走査方式や、小数のコモン電極を同時に選択するマルチラインアドレッシング方式では、コモン電圧が高いため、セグメント電圧を昇圧してもコモン電圧に届かないが、FLA7方式を採用することによりコモン電圧を低くすることができる。
また、前記第2の昇圧回路が、前記コモン電圧の中央の電圧をグランドとして前記コモン電圧を発生するものである、もしくは複数種類の前記セグメント電圧のうちの1つの電圧をグランドとして前記コモン電圧を発生するものであるのが好ましい。
本発明によれば、第1の昇圧回路内に含まれる平滑コンデンサとオペアンプによって安定化されたセグメント電圧を使用するため、負荷電流の変動によるセグメント電圧の変動を極力少なくすることができる。また、個々のオペアンプに最適な電圧範囲の狭い電源を使用するため、消費電流は同じであっても、その消費電力を従来よりも小さくすることができる。また、オペアンプを使用せず、第2の昇圧回路で発生される昇圧電圧をコモン電圧として使用するため、トランジスタの耐圧は、液晶が必要とする最大電圧よりも高くする必要がない。
また、本発明によれば、セグメント電圧とコモン電圧とを、それぞれ独立した回路で発生するのではなく、液晶における最適なバイアスに応じて、セグメント電圧からコモン電圧を発生するので、マルチラインアドレッシング駆動方式において、駆動誤差が少ない多種の電圧を簡単な回路で実現することができる。また、コントラスト調整でセグメント電圧が変わっても、セグメント電圧の変化に応じてコモン電圧が変化するため、常に最適なバイアスから変動しないという利点もある。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の電源回路を詳細に説明する。
本発明の電源回路は、単純マトリクス液晶をマルチラインアドレッシング方式で駆動するための複数種類の電圧を発生するものである。マルチラインアドレッシング駆動方式は、複数のコモン電極を同時に選択する駆動方式である。
以下、マルチラインアドレッシング駆動方式について簡単に説明する。
マルチラインアドレッシング駆動方式では、液晶全体でN本のコモン電極をL本ずつのコモン電極を含むM個(M=N/L)のグループに分ける。そして、同時には1つのグループ内に含まれるL本のコモン電極に所定のコモン電圧を順次与えて選択し、かつセグメント電極に表示データに対応するセグメント電圧を与えることによって、両者の交点に位置する液晶のオン/オフを制御する。上記動作を全てのグループについて順次行うことを繰り返すことで画面表示を更新する。
ここで、それぞれのグループにおいて、同時に選択されるL本のコモン電極には、例えば非選択時間にグランド電位が与えられ、選択時間には+VRまたは−VRのコモン電圧が与えられる。この時、コモン電圧として、行方向に互いに直交する直交行列の列成分に対応する電圧が使用される。
一方、各々のセグメント電極には、(L+1)種類の電圧の中から、表示データに対応する電圧が与えられる。この時、セグメント電圧として、コモン電圧を決定する時に用いられる直交行列の各々の列成分と表示データの各々の行成分との排他的論理和の算術和(グループ内の全てのコモン電極における積の総和)に対応する電圧が、各々のセグメント電極に与えられる。
ところで、本出願人は、特開2003−66411号公報において、マルチラインアドレッシング駆動方式を基礎として、7本のコモン電極を同時に選択し、4種類のセグメント電圧を使用してセグメント電極を駆動するFLA7(Four-Level Addressing 7)駆動方式を提案している。本発明の電源回路は、従来の一般的なマルチラインアドレッシング駆動方式はもちろん、本出願人に係るFLA7駆動方式にも適用可能なものである。
従来のマルチラインアドレッシング駆動方式では、7本のコモン電極を同時に選択する場合に、7+1=8種類のセグメント電圧(例えば、±7Vc、±5Vc、±3Vc、±1Vcの8種類)が必要である。これに対し、FLA7駆動方式は、−7Vcおよび−5Vcを+3Vc、−3Vcおよび−1Vcを+Vc、+1Vcおよび+3Vcを−Vc、+5Vcおよび+7Vcを−3Vcに置き換えて、セグメント電圧の電圧レベルを4値化する方式である。
以下、本明細書において、FLA7駆動方式という場合には、特開2003−66411号公報において開示されているFLA7駆動方式に関する全ての記載内容を含むものとする。
次に、本発明の電源回路の構成および作用について説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の電源回路の構成を表す一実施形態の概略図である。図1(a)および(b)に示す電源回路は、前述の通り、単純マトリクス液晶をマルチラインアドレッシング方式で駆動するための複数種類の液晶駆動電圧(セグメント電圧およびコモン電圧)を発生するもので、同図(a)に示すセグメント電圧の発生回路12と、同図(b)に示すコモン電圧の発生回路14とを備えている。
図1(a)に示すセグメント電圧の発生回路12は、セグメント電圧+V、−Vを発生するもので、+側の昇圧電圧+VUPを発生する昇圧回路16aと、安定化された+側のセグメント電圧+Vを発生するオペアンプ18aと、−側の昇圧電圧−VDOWNを発生する昇圧回路16bと、安定化された−側のセグメント電圧−Vを発生するオペアンプ18bとを備えている。
セグメント電圧の発生回路12において、昇圧回路16aは、外部から供給される電源電圧VLCDを+側に昇圧して、電源電圧VLCDの整数倍の電圧値を持つ昇圧電圧+VUPを発生する。オペアンプ18aは、昇圧回路16aによって発生される昇圧電圧+VUPを電源として動作し、基準電圧VBから+側のセグメント電圧+Vを発生する。
また、昇圧回路16bは、電源電圧VLCDを−側に昇圧して、電源電圧VLCDの逆極性の整数倍の電圧値を持つ昇圧電圧−VDOWNを発生する。オペアンプ18bは、昇圧回路16bによって発生される昇圧電圧−VDOWNを電源として動作し、基準電圧VBから−側のセグメント電圧−Vを発生する。
なお、マルチラインアドレッシング駆動方式では、同時選択行数L+1種類のセグメント電圧を必要とする。また、本出願人に係るFLA7駆動方式では、前述の通り、7本のコモン電極を同時に選択し、4種類のセグメント電圧を必要とする。従って、実際には、必要とするセグメント電圧の種類に対応した個数のオペアンプを使用して、それぞれの種類の安定化されたセグメント電圧を発生することになる。
また、オペアンプ18aの電源電圧は、その出力電圧+Vよりも高い電圧値を必要とし、オペアンプ18bの電源電圧は、その出力電圧−Vよりも低い電圧値を必要とする。従って、実際には、昇圧回路16a、16bで発生される昇圧電圧も、必要とするセグメント電圧の種類に対応した個数の昇圧電圧を発生する。また、昇圧電圧として、それぞれの種類のセグメント電圧に最も近い電圧を発生するのが好ましい。
セグメント電極は、消費電流が多いので、セグメント電圧+V、−Vとして、上記のように、昇圧回路16a、16bで発生される昇圧電圧+VUP、−VDOWNそのものではなく、昇圧回路16a、16b内に含まれる平滑コンデンサとオペアンプ18a、18bによって安定化された電圧を使用する。これにより、負荷電流の変動によるセグメント電圧+V、−Vの変動を極力少なくすることができる。
既に述べたように、特許文献1の図6に記載の従来技術では、全てのオペアンプの電源として、電源電圧VDDを6倍ないし7倍に昇圧した電圧を必要とするため消費電力が大きいという問題がある。これに対し、図1(a)に示すセグメント電圧の発生回路12では、個々のオペアンプ18a、18bに最適な電圧範囲の狭い電源を使用するため、消費電流は同じであっても、その消費電力を小さく抑えることができる。
続いて、図1(b)に示すコモン電圧の発生回路14は、単純マトリクス液晶における最適なバイアスBに応じて、セグメント電圧+V、−Vからコモン電圧VRH、VRLを発生する昇圧回路20を備えている。VRMを中心として、VRHは高電位ないしプラス側、VRLは低電位ないしマイナス側の電圧である。昇圧回路20は、最適なバイアスBに応じて、複数種類のセグメント電圧+V、−Vを適宜組合せて昇圧することによってコモン電圧VRH、VRLを発生する。
コモン電極は、セグメント電極と比べて消費電流が少ないので、昇圧回路20で発生される昇圧電圧をそのまま使用しても負荷電流の変動によるコモン電圧の変動は少ない。従って、コモン電圧VRH、VRLは、昇圧回路20で発生される昇圧電圧を使用し、昇圧回路20内のトランジスタのサイズ、昇圧周波数、平滑コンデンサの容量等を適正にして、負荷電流による変動を小さくするだけで十分である。
コモン電圧の発生回路14では、セグメント電圧とコモン電圧とを、それぞれ独立した回路で発生するのではなく、上記の通り、最適なバイアスBに応じて、セグメント電圧+V、−Vからコモン電圧VRH、VRLを発生するので、マルチラインアドレッシング駆動方式において、駆動誤差が少ない多種の電圧を簡単な回路で実現することができる。
また、昇圧回路20で発生された昇圧電圧を使用するので、言い換えると、セグメント電圧の発生回路12のようにオペアンプ18a、18bを使用しないので、トランジスタの耐圧は、液晶が必要とする最大電圧よりも高くする必要がない。また、コントラスト調整によりセグメント電圧が変わっても、セグメント電圧の変化に応じてコモン電圧が変化するため、常に最適なバイアスから変動しないという利点もある。
以下、単純マトリクス液晶を、FLA7駆動方式で駆動するための複数種類の電圧を発生する電源回路を例に挙げて具体的に説明する。
マルチラインアドレッシング駆動方式において同時選択行数が7本の場合、液晶のオン/オフ比を最大にする理想的なバイアスBiは、次式で表される。
Bi=Vc/Vr=√{7/(2×N)}
ここで、Vc:最小のセグメント電圧、Vr:コモン電圧、N:液晶全体の行数である。すなわち、理想的なバイアスBiは、液晶全体の行数によって変わる。
Bi=Vc/Vr=√{7/(2×N)}
ここで、Vc:最小のセグメント電圧、Vr:コモン電圧、N:液晶全体の行数である。すなわち、理想的なバイアスBiは、液晶全体の行数によって変わる。
例えば、携帯電話の表示部に使用される液晶全体の行数N=64、94、128、168に応じて、理想的なバイアスBiは、1/4.3、1/5.2、1/6.0、1/6.9となる。なお、実際の電源回路では、上記液晶全体の行数N=64、94、128、168に対して、最適なバイアスBは、1/4、1/5、1/6、1/7とし、理想的なバイアスBiにより近いバイアス値を選択することになる。
同時選択行数が7本の場合、従来のマルチラインアドレッシング駆動方式では、8種類のセグメント電圧が必要であるが、FLA7駆動方式では、+3Vc、+Vc、−Vc、−3Vcの4種類のセグメント電圧のみを必要とする。Vcは、下記式で表される。
Vc=B×Vth×√N/√{(2×N×B×B−7×B+7)}
ここで、Vth:液晶のスレッショルド電圧であって、液晶毎に異なるものである。
Vc=B×Vth×√N/√{(2×N×B×B−7×B+7)}
ここで、Vth:液晶のスレッショルド電圧であって、液晶毎に異なるものである。
上記式で示したように、Vcは、種々のパラメータ(B、Vth、N)によって決定されるが、液晶全体の行数Nに応じて理想的なバイアスBiから最適なバイアスBが決定され、コントラスト調整によって、結果的にVcが決定される。しかし、前述の通り、本発明の電源回路では、セグメント電圧Vcが変更されても、それに応じてコモン電圧が変化するため、最適なバイアスBは常に一定値となる。
また、本発明の電源回路では、グランド電位GNDを、液晶駆動電圧のどこに設定するかによって、種々の方式を採用することができる。以下の説明では、コモン電圧VRM(コモン電圧の中央の電圧)をグランド電位GNDとするVRMセンター方式と、セグメント電圧V1をグランド電位GNDとするV1センター方式を例に挙げて、本発明の電源回路で発生される電圧の関係について具体的に説明する。
図2は、本発明の電源回路において、コモン電圧VRMをグランド電位GNDとするVRMセンター方式を採用した場合に発生される電圧の関係を表す。同図において、VLCDは、外部から供給される電源電圧を表す。また、2×VLCD、−VLCDおよび−2×VLCDは昇圧電圧、V3(=+3Vc)、V2(=+Vc)、V1(=−Vc)、V0(=−3Vc)はセグメント電圧、VRH、VRMおよびVRLはコモン電圧を表す。
図3は、図2に係る電源回路で用いられるセグメント電圧の発生回路の構成を表す一実施形態の概略図である。図3に示すセグメント電圧の発生回路22は、オペアンプ24a、24b、24c、24dと、抵抗素子R1〜R6とを備えている。なお、図3では、電源電圧VLCDから、昇圧電圧2×VLCD、−VLCD、−2×VLCDを発生する昇圧回路は省略してある。
ここで、オペアンプ24aの+側電源には昇圧電圧2×VLCDが供給され、−側電源はグランド電位とされている。また、オペアンプ24aの+側入力端子には基準電圧VBが入力され、−側入力端子には、抵抗素子R1とR2との接続点の電位が入力されている。オペアンプ24aの出力端子からはセグメント電圧V3が出力され、その出力端子とグランドとの間に抵抗素子R1とR2が直列に接続されている。
また、オペアンプ24bの+側電源には電源電圧VLCDが供給され、−側電源はグランド電位とされている。また、オペアンプ24bの+側入力端子には抵抗素子R3とR4との接続点の電位が入力され、−側入力端子には、その出力端子の電位すなわちセグメント電圧V2が入力されている。抵抗素子R3とR4は、オペアンプ24aの出力端子とオペアンプ24dの−側入力端子との間に直列に接続されている。
オペアンプ24cの+側電源はグランド電位とされ、−側電源は昇圧電圧−VLCD(または−2×VLCD)とされている。また、オペアンプ24cの+側入力端子には抵抗素子R5とR6との接続点の電位が入力され、−側入力端子には、その出力端子の電位すなわちセグメント電圧V1が入力されている。抵抗素子R5とR6は、オペアンプ24dの−側入力端子とその出力端子との間に直列に接続されている。
最後に、オペアンプ24dの+側電源には電源電圧VLCDが供給され、−側電源には昇圧電圧−2×VLCDが供給されている。また、オペアンプ24dの−側入力端子には、セグメント電圧V3が直列に接続された抵抗素子R3とR4を介して入力され、+側入力端子はグランド電位とされている。オペアンプ24dの出力端子からはセグメント電圧V0が出力されている。
前述の通り、図3では、昇圧回路を省略しているが、図2に示すように、昇圧電圧2×VLCDは、この図示していない昇圧回路により、電源電圧VLCDを+側に2倍に昇圧することで発生され、昇圧電圧−VLCDは、電源電圧VLCDを−側に昇圧することで相補的に発生される。また、昇圧電圧−2×VLCDは、昇圧電圧2×VLCDを−側に昇圧することで発生される。
続いて、セグメント電圧V3は、オペアンプ24aにより、昇圧電圧2×VLCDおよびグランド電位GNDを電源として基準電圧VBから発生される。V3=VB×(R1+R2)/R2の関係がある。
また、セグメント電圧V2は、オペアンプ24bにより、電源電圧VLCDおよびグランド電位GNDを電源としてセグメント電圧V3から発生される。また、セグメント電圧V1は、オペアンプ24cにより、グランド電位GNDおよび昇圧電圧−VLCDを電源としてセグメント電圧V3から発生される。セグメント電圧V0は、オペアンプ24dにより、電源電圧VLCDおよび昇圧電圧−2×VLCDを電源としてセグメント電圧V3から発生される。なお、R3=R6=2×R4=2×R5の関係がある。
また、セグメント電圧V1は、昇圧電圧−2×VLCDおよびグランド電位GNDを電源としてセグメント電圧V3から発生することもできる。この場合、オペアンプ24cで使用する電圧範囲が大きくなる分だけ消費電力は増加するが、昇圧電圧−VLCDを発生する回路を省略することができるため、その分だけ昇圧回路の回路規模を削減することができる。
続いて、+側のコモン電圧VRHは、例えば最適なバイアスBが1/4である場合、図示していない昇圧回路により、コモン電圧VRM(=GND)を基準として、V3(=+3Vc)と、セグメント電圧V2(=+Vc)と、を加算することによって、Vcの4倍の電圧値(=+4Vc)を持つ+側のコモン電圧VRHが発生される。一方、−側のコモン電圧VRLも、コモン電圧VRMを基準として、セグメント電圧V0(=−3Vc)からV2(=+Vc)を減算することによって、Vcの逆極性の4倍の電圧値(=−4Vc)を持つ−側のコモン電圧VRLが相補的に発生される。
また、例えば最適なバイアスBが1/5である場合、コモン電圧VRMを基準として、セグメント電圧V3(=+3Vc)と、セグメント電圧V2(=+Vc)からV1(=−Vc)を減算して得られる電位差(=+2Vc)と、を加算することによって、Vcの5倍の電圧値(=+5Vc)を持つ+側のコモン電圧VRHが発生される。一方、コモン電圧VRMを基準として、セグメント電圧V0(=−3Vc)から前述の電位差(=+2Vc)を減算することによって、Vcの逆極性の5倍の電圧値(=−5Vc)を持つ−側のコモン電圧VRLが相補的に発生される。
なお、最適なバイアスBが1/6および1/7の場合の+側および−側のコモン電圧VRHおよびVRLの発生方法も同様である。ただし、上記は一例を示すものであって、どのようなセグメント電圧の組合せ(加算、減算)によって昇圧してコモン電圧を発生させてもよい。
次に、図4は、V1をグランドとするV1センター方式を採用する電源回路で発生される電圧の関係を表す一実施形態の概念図である。図4に係る電源回路は、セグメント電圧V3が、昇圧電圧2×VLCDを電源として動作するオペアンプにより発生され、セグメント電圧V2が、電源電圧VLCDを電源として動作するオペアンプにより発生される点は図2に係る電源回路と同じである。
一方、図4に係る電源回路では、コモン電圧VRMが、昇圧回路により電源電圧VLCDから発生され、セグメント電圧V0が、昇圧電圧−VLCDを電源として動作するオペアンプによって発生される点で図2に係る電源回路とは異なる。すなわち、図4に係る電源回路では、オペアンプの電源電圧を発生する昇圧回路において、昇圧電圧−2×VLCDを発生する回路を省略することができ、その分だけ回路規模を削減することができるという利点がある。
図4に示すように、+側のコモン電圧VRHは、例えば最適なバイアスBが1/4である場合、コモン電圧VRM(=(V2−V1)/2)を基準として、V3(=+3Vc)と、セグメント電圧V2(=+Vc)と、を加算することによって、Vcの4倍の電圧値(=+4Vc)を持つ+側のコモン電圧VRHが発生される。一方、−側のコモン電圧VRLも、コモン電圧VRMを基準として、セグメント電圧V0(=−3Vc)からV2(=+Vc)を減算することによって、Vcの逆極性の4倍の電圧値(=−4Vc)を持つ−側のコモン電圧VRLが相補的に発生される。
なお、最適なバイアスBが1/5、1/6および1/7の場合の+側および−側のコモン電圧VRHおよびVRLの発生方法も同様である。同様に、上記は一例を示すものであって、どのようなセグメント電圧の組合せ(加算、減算)によって昇圧してコモン電圧を発生させてもよい。また、セグメント電圧の組合せでは足りない場合、オペアンプを追加して、最適な電圧を1個追加すればよい。
また、コモン電圧VRMおよびセグメント電圧V1をグランド電位GNDとして、コモン電圧を発生する例を挙げて説明したが、上記は一例であって、どの液晶駆動電圧をグランド電位GNDとしてコモン電圧を発生させてもよい。なお、上記例では、FLA7駆動方式を例に挙げて説明したが、前述の通り、本発明の電源回路は、従来のマルチラインアドレッシング駆動方式にも適用可能である。
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明の電源回路について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
以上、本発明の電源回路について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
12、22 セグメント電圧の発生回路
14 コモン電圧の発生回路
16a、16b、20 昇圧回路
18a、18b、24a、24b、24c、24d オペアンプ
R1〜R6 抵抗素子
14 コモン電圧の発生回路
16a、16b、20 昇圧回路
18a、18b、24a、24b、24c、24d オペアンプ
R1〜R6 抵抗素子
Claims (4)
- 単純マトリクス液晶をマルチラインアドレッシング方式で駆動するための複数種類の電圧を発生する電源回路であって、
外部から供給される電源電圧を昇圧して、前記電源電圧の整数倍の電圧値を持つ複数種類の昇圧電圧を発生する第1の昇圧回路と、前記外部から供給される電源電圧および前記第1の昇圧回路によって発生される複数種類の昇圧電圧のいずれかを電源として動作し、基準電圧から複数種類のセグメント電圧を発生する複数個のオペアンプと、前記単純マトリクス液晶における最適なバイアスに応じて、複数種類の前記セグメント電圧を組合せて昇圧することによってコモン電圧を発生する第2の昇圧回路とを備えることを特徴とする電源回路。 - 前記マルチラインアドレッシング方式が、7本のコモン電極を同時に選択し、4種類のセグメント電圧を使用するFLA7方式である請求項1に記載の電源回路。
- 前記第2の昇圧回路が、前記コモン電圧の中央の電圧をグランドとして前記コモン電圧を発生するものである請求項1または2に記載の電源回路。
- 前記第2の昇圧回路が、複数種類の前記セグメント電圧のうちの1つの電圧をグランドとして前記コモン電圧を発生するものである請求項1または2に記載の電源回路。
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JP2004349829A JP2006162665A (ja) | 2004-12-02 | 2004-12-02 | 電源回路 |
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Citations (4)
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JP2001075536A (ja) * | 1999-09-03 | 2001-03-23 | Nec Corp | 昇圧回路、電源回路及び液晶駆動装置 |
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-
2004
- 2004-12-02 JP JP2004349829A patent/JP2006162665A/ja active Pending
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