JP2006162306A - 温度測定表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 全体に亘って連続部位が段階的に様々な温度変化を呈する被測定体であっても、画素数に制限されることなく、画像認識を容易にしつつ被測定体全体の温度分布の状況を正確に把握し得るように温度表示できるようにする。
【解決手段】 可視画像を撮像する撮像装置2と、この撮像装置2の視野内の多点温度を非接触で計測可能な赤外線二次元放射温度計3と、可視画像を表示する表示器4とを備え、表示器4画面に表示された可視画像上で赤外線二次元放射温度計3による計測温度領域に、計測温度値に対応して予め設定されているR,G,B三原色成分の割り振り配色を基にした階調表示を行なうように構成している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人体や各種物体の表面温度を測定して、液晶モニタやCRT等の表示器の画面上に表示するようになされている温度測定表示装置に関する。
人体等の被測定体の表面温度を測定し表示する一般的な装置として、従来より、被測定体から放射される赤外線の量を二次元に検出し、その検出赤外線量の差異が被測定体の表面温度の差異であることを利用して、表面温度の高い部分と低い部分とを画面上で色分け表示するようにしたものが知られているが、この場合は、被測定体のどの部位の表面温度が高いのか、どの部位の表面温度が低いのかを、視覚で認識することが困難である。
また、サーモグラフィーと称呼される熱画像装置を用いて比較的分解能の高い熱画像を画面上に表示させるようにした装置も知られているが、この場合は、被測定体の表面温度の高い部位、低い部位を視覚的に概ね認識することが可能であるものの、可視画像とは異なり、被測定体の熱分布等に起因して熱画像に歪みやにじみを生じるために、被測定体表面の測定位置の判別が困難で、被測定体全体における温度分布を正確に表示することができない。また、分解能を高くすればするほど装置自体が高価になるという問題がある。
このような従来一般的な温度測定表示装置の有する問題を解消するものとして、従来、可視画像を撮像する撮像装置と、この撮像装置の視野内の多点温度を非接触で計測可能な赤外線二次元放射温度計と、前記撮像装置により撮像した可視画像を表示する表示器とを備え、撮像装置により撮像した可視画像を碁盤目状に区画して表示するとともに、それら碁盤目状の区画線を、二次元放射温度計によって計測された各区画領域内の測定温度値に応じて色分け表示したり、区画領域内に測定温度値を数値表示したり、区画領域内を測定温度値に相当する色で点滅表示したりすることにより、温度測定位置の視認を容易に行なえるようにしたもの(以下、従来技術1という)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、赤外線カメラを一定速度で走査させて被測定体から放射される赤外線の強度を検出して被測定体の温度分布を測定し、赤外線領域で得られる像を、例えば20℃以下の場合は緑色、20℃〜30℃の場合は青色、50℃〜60℃の場合は赤色で表示するといったように、測定絶対温度に対応して予め定められた赤、緑、青(以下、R,G,Bという)の色相で表示するとともに、前記赤外線カメラと同一視野内でテレビカメラ等により撮像された可視画像を白黒の輝度で表示し、それら両画像を表示器の画面上に重畳させることにより、被測定体表面の温度分布の状況や相対的な位置、さらには、被測定体の各部位の絶対温度も測定可能としたもの(以下、従来技術2という)も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開JP WO2002/023142公報 特公昭54−6386号公報
上記した従来提案の温度測定表示装置のうち、従来技術1では、二次元放射温度計の画素数が例えば8×8クラス程度の少ないものである場合は、可視画像を碁盤目状に区画するための区画線が可視画像に重ねて表示されても、画像上に占める区画線の面積が小さいために、実用上ほとんど問題が生じないものの、二次元放射温度計の画素数が16×16クラス以上に多い場合は、画像上に占める区画線の面積が非常に大きくなり、さらに、そのような状況下で区画線を色分け表示したり、区画領域内に数値表示したり、区画領域内全体を塗り潰した色を点滅表示したりすると、可視画像全体あるいは例えば人の顔など特定部位の像の認識が非常に困難となり、実用上使用できなくなるという問題がある。
また、従来技術2は、画面上に被測定体全体を白黒の像で表示し、この白黒画像の中で温度上昇のある部分を、三つの温度範囲に対応して予め定められているR,G,Bの色相で表示させるものであって、中間色については表示させないものであるから、画像中の複数の部位が断片的で、かつ、それら複数の部位の温度上昇に格差があるような被測定体を測定対象とする場合は、それら複数の部位の表示色を視認することで、各部位の温度状況や相対位置関係を把握できるものの、全体に亘って部位が連続性を有し、かつ、その連続する部位が段階的に様々な温度変化を呈する被測定体を測定対象とする場合は、R,G,Bの各色相区画の輪郭線が被測定体の実温度とは異なった状態で画像上に表示されることになり、そのために、可視画像自体の視認性が劣化するばかりでなく、被測定体の温度分布の状況を正確に把握することができないという問題があった。特に、黒あるいは黒系統の部位を撮像した部分については色相による温度表示ができず、白黒画像の黒画像部分と区別できないために、被測定体の温度分布状況の把握に一層正確性を欠くという問題がある。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、全体に連続性があり、かつ、段階的に様々な温度変化を呈する被測定体を測定対象とする場合であっても、画素数に制限されることなく、可視画像の視認性を良好に保ちつつ、被測定体全体の温度分布の状況を正確に把握し得るように表示することができる温度測定表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る温度測定表示装置は、可視画像を撮像する撮像装置と、この撮像装置の視野内の多点温度を非接触で計測可能な赤外線二次元放射温度計と、前記撮像装置により撮像した可視画像を表示する表示器とを備え、前記表示器の画面に表示された可視画像上で前記赤外線二次元放射温度計による計測温度領域に、計測温度値に対応して予め設定されている赤、緑、青の三原色成分が割り振りされた配色を基にした階調表示を行なうように構成されていることを特徴としている。
上記構成の本発明によれば、可視画像上で赤外線二次元放射温度計による計測温度領域に、計測温度値に対応して予め設定されているR,G,Bの三原色成分が割り振りされた配色を基にした階調表示を行なうことにより、全体に亘り部位が連続性を有し、かつ、その連続部位が段階的に様々な温度変化を呈するような被測定体を測定対象とする場合であっても、可視画像の全体をその被測定体における温度分布が忠実に反映される状態で、中間色も含めた階調に変換してカラー表示することができるので、可視画像自体の視認性を劣化することなく、被測定体の温度分布の状況が正確に把握できるような温度情報を表示することができる。しかも、画像上に二次元放射温度計の画素数に相当する数の区画線が一切表示されることがないので、画素数が多い場合でも、可視画像の全体はもとより、例えば顔など特定部位の認識を容易なものにすることが可能である。したがって、可視画像の視認性を確保しつつ、被測定体の全域を忠実かつ正確に温度表示することができるという効果を奏する。
上記した本発明に係る温度測定表示装置において、特に、請求項2に記載のように、前記可視画像の輝度を、前記撮像装置により撮像された可視画像のうちの黒い部分も前記の階調表示範囲となるような下限値に設定することが望ましい。この場合は、黒あるいは黒系統の部位を撮像した部分もその部分の計測温度値に対応した階調色で表示することができるために、黒あるいは黒系統の部位を含む被測定体を測定対象とする場合であっても、その黒あるいは黒系統の部位を色相によって温度表示することができるので、白黒画像の黒画像部分とを明確に区別することが可能であり、被測定体の温度分布の状況を一層正確に把握するような温度情報を表示することができる。
なお、本発明においては、前記の階調表示が、前記表示器の画面をなんら区画しないで行なわれるようにすることが望ましいが、請求項3に記載のように、階調表示が、前記表示器の画面を碁盤目状に区画した領域単位で行なわれるように構成した場合であっても、画面上に区画線の表示を伴わない限り、画素数に関係なく、可視画像の視認性を確保しつつ、被測定体全体を温度表示できるので、大きい被測定体の温度測定表示に有効に利用することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る温度測定表示装置全体の概略構成を示すブロック図であり、この温度測定表示装置1は、例えばCCDエリアカメラやレンズ系及びCMOSエリアカメラなど可視画像を撮像する撮像装置2と、例えば所定のレンズ系及び8×8画素の二次元サーモパイルアレイセンサやサーモパイル素子を配列したものなどから構成されて前記撮像装置2の視野内にある多点温度を非接触で計測可能であるように前記撮像装置2に近接配置された二次元放射温度計3と、例えば液晶モニタやCRTなど前記撮像装置2により撮像した可視画像を表示する表示器4とを備え、これらが図示省略した筐体内に設置されている。
ここで、前記撮像装置2の光軸と前記二次元放射温度計3の光軸とは、例えば約25mmの距離を隔てて略平行に配置されており、その関係から発生する光軸のずれに起因して両者2,3の視野にはずれが生じているが、この視野のずれは、撮像装置2及び二次元放射温度計3から被測定体までの距離を適切に設定することにより同一の視野になるように補正されている。
前記二次元放射温度計3は、該二次元放射温度計3から出力されるアナログデータをデジタルデータに変換するA/Dコンバータ5とそのデジタルデータと予め設定されている基準温度とを比較して被測定体各部位の温度を計測しその温度データを出力する比較器6とその出力温度データに対応して予め割り振り設定されているR,G,B三原色の配色の色データ及びそのアドレスを記憶するグラフィックスメモリ7が内蔵されたCPU8に接続されている。
一方、前記撮像装置2には、該撮像装置2から出力される可視画像を表わすデジタルYUV信号が入力されるオーバーレイ処理部9が接続されており、このオーバーレイ処理部9には、前記CPU8に内蔵のグラフィックスメモリ7に記憶されている色データ及びアドレスが入力されて前記可視画像を表わすデジタルYUV信号がオーバーレイ(重畳)処理される。そして、このオーバーレイ処理部9と前記表示器4との間には、オーバーレイ処理された信号を一定の規則に従ってコード化するエンコーダ10が設けられている。
また、前記表示器4は、その画面に前記撮像装置2により撮像した被測定体の可視画像を表示するとともに、この画面表示された可視画像上で前記赤外線二次元放射温度計3による計測温度領域に、計測温度データに対応して予め割り振り設定されグラフィックスメモリ7に記憶されている色データ及びアドレスを読み出して各領域を計測温度データに対応する色で階調表示するように構成されている。例えば、R,G,B三原色を各々8ビット(256階調)で表示する表示器4を例にすると、計測温度領域の計測温度データがX℃の場合はR成分及びG成分が0で、B成分のみ255の配色Rを基にして、かつ、計測温度データがY℃の場合はR成分及びB成分が0で、G成分のみ255の配色Gを基にして、また、計測温度データがZ℃の場合はB成分及びG成分が0で、R成分のみ255の配色Rを基にして、それぞれの領域を階調表示し、さらに、上述した計測温度データX,Y,Z℃以外の温度データの場合はR、G,B各成分比率を変えた中間色を基にして、それら各計測温度領域を階調表示するように構成されている。
上記のように構成された温度測定表示装置1においては、図2に示すように、撮像装置2により撮像された被測定体の可視画像11が表示器4の画面上に一定輝度の白黒で表示されると共に、その白黒の可視画像上で赤外線二次元放射温度計3による温度計測領域12には、図2に例示するように、その領域12各部の計測温度データに対応して、予め割り振り設定されているR,G,B三原色の配色、例えばオレンジ色(図2では白黒で表しているが、実際にはオレンジ色系のカラーである)を基にした階調表示が行なわれる。
したがって、表示器4の画面には、白黒の可視画像11と同時に、その白黒の可視画像11上で赤外線二次元放射温度計3による温度計測領域12の各部がそれぞれ計測温度値に対応する配色を基にして階調表示されるので、全体に連続性を有し、かつ、段階的に様々な温度変化を呈するような被測定体を測定対象とする場合であっても、可視画像11の全体を被測定体における温度分布を忠実に反映する状態で、中間色も含めてカラー表示することができるので、可視画像11自体の視認性を劣化することなく、被測定体の温度分布の状況を正確に把握することが可能である。また、画像上には二次元放射温度計3の画素数に相当する数の区画線が一切表示されることがないので、画素数が多い場合でも、例えば顔など特定部位を容易に認識することが可能であり、可視画像11の視認性を確保しつつ、被測定体全体の温度を正確に表示することができる。
なお、上記実施の形態では、可視画像11の輝度を、前記撮像装置2により撮像された可視画像11のうちの黒い部分(これは、R,G,B成分ともに0である)も前記の階調表示範囲となるような下限値に設定することが望ましい。例えば、R,G,B三原色を各々8ビット(256階調)で表示する場合、上記実施の形態では、R,G,B成分の配合比率を均一にして0〜255の間で階調表示しているが、黒い部分を含んだ可視画像11の場合、可視画像11の輝度の下限値をR,G,B成分の配合比率が一定のままで100、好ましくは、150に設定することによって、黒あるいは黒系統の部位を撮像した部分もその部分の計測温度値に対応した階調色で表示することが可能となり、黒あるいは黒系統の部位を含む被測定体を測定対象とする場合であっても、その黒あるいは黒系統の部位を白黒画像の黒画像部分と明確に区別された色相によって温度表示することができ、被測定体の温度分布の状況を一層正確に表示し把握することができる。
また、上記実施の形態では、前記の階調表示を、表示器の画面をなんら区画しないで行なう場合について説明したが、階調表示を、前記表示器の画面を碁盤目状に区画した領域単位で行なうように構成してもよい。この場合であっても、画面上に区画線の表示を伴わない限り、画素数に関係なく、可視画像の視認性を確保しつつ、被測定体全体を温度表示できるので、大きい被測定体の温度測定表示に有効に利用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る温度測定表示装置全体の概略構成を示すブロック図である。 同上温度測定表示装置による画像表示例を示す図である。
符号の説明
1 温度測定表示装置
2 撮像装置
3 二次元放射温度計
4 表示器
11 可視画像
12 温度計測領域

Claims (3)

  1. 可視画像を撮像する撮像装置と、この撮像装置の視野内の多点温度を非接触で計測可能な赤外線二次元放射温度計と、前記撮像装置により撮像した可視画像を表示する表示器とを備え、前記表示器の画面に表示された可視画像上で前記赤外線二次元放射温度計による計測温度領域に、計測温度値に対応して予め設定されている赤、緑、青の三原色成分が割り振りされた配色を基にした階調表示を行なうように構成されていることを特徴とする温度測定表示装置。
  2. 前記可視画像の輝度が、前記撮像装置により撮像された可視画像のうちの黒い部分も前記の階調表示範囲となるような下限値に設定されている請求項1に記載の温度測定表示装置。
  3. 前記の階調表示が、前記表示器の画面を碁盤目状に区画した領域単位で行なわれるように構成されている請求項1または2に記載の温度測定表示装置。
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