JP2006159033A - 流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼却灰の表面に付着している塩素化合物を常温の乾式操作で効率良く分離する。【解決手段】逆円錐台形の胴部28を有する被処理灰分級器21の下部に設けたノズル34から噴射する空気aによって被処理灰分級器21内の被処理灰f’を上部に噴き上げる工程と、被処理灰分級器21の上部に噴き上げられた被処理灰f’を前記胴部28の傾斜壁面に沿って降下させる工程と、前記噴き上げ及び降下工程中に被焼却灰f’の表面から剥離した塩素化合物や被焼却灰中の微粒子灰を前記ノズル34から噴射する空気を利用して被処理灰分級器21外に排除する工程と、塩素化合物が除去されたクリーンな粗粒子灰を被処理灰分級器21の底部から回収する工程とからなる。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
本発明は、流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法、より詳しくは、流動層ボイラで発生した焼却灰の表面に付着している塩素化合物を常温の乾式操作で効率良く分離する流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法に関するものである。
流動層ボイラ1は、図4に示すように、流動用の空気aによってベッド材bを流動化させた流動層c内で燃料dを燃焼させる火炉2と、火炉2の頂部から流出する燃焼ガスeと焼却灰fとを分離するサイクロン3と、サイクロン3によって分離された焼却灰fを貯留して焼却灰fが保有している熱エネルギーを回収する外部熱交換器(過熱器)4と、サイクロン3によって焼却灰fが除去された燃焼ガスeを導入して燃焼ガスeが保有している熱エネルギーを回収する対流伝熱部(蒸発部および節炭器)5を備えている。
この流動層ボイラは、外部熱交換器4内の焼却灰fをリサイクルライン6を経て流動層cに戻すようになっている。なお、流動層cのベッド材bが不足する場合には、不足分を外部熱交換器4に供給するようになっている。
更に、この流動層ボイラ1は、対流伝熱部5を経た燃焼ガスe中の粒子サイズが細かいためサイクロン3を通過した焼却灰f’を捕捉するバグフィルタ7と、バグフィルタ7によって捕捉された焼却灰f’を貯蔵する灰サイロ8と、バグフィルタ7から排出された焼却灰f’を灰サイロ8に移送する灰コンベア9と、バグフィルタ7によって浄化された排気ガスgを大気中に放出する煙突10を備えている。
なお、図中、11は流動層cに流動用空気aを供給する押し込みファン、12は排気ガスを誘引する誘引ファンである。
そして、灰サイロ8内に貯蔵された焼却灰f’は、従来、加湿後、埋め立てに供されていたが、埋立地不足などの諸事情により、上記焼却灰の有効利用が望まれていた。
他方、流動層ボイラは、当初、主として石炭を燃料としていたが、昨今、石炭以外の燃料、すなわち、一般家庭からでる一般ごみ、産業廃棄物、建築廃材チップなどの各種のごみ類が燃料として使用されるようになった。
ところで、建築廃材チップなどのバイオマス燃料を上記の流動層ボイラで燃焼した時にでる焼却灰の成分を分析したところ、その成分は、SiO2 が46.2wt%、CaOが27.1wt%、Al2 O3 が7.71wt%、TiO2 が5.23wt%、Fe2 O3 が0.69wt%、MgOが1.22wt%、K2 Oが0.23wt%、Na2 Oが0.41wt%、SO3 が3.59wt%、Clが0.51wt%、未燃炭素が1.58wt%であり、ポルトランドセメントの原料である粘土に類似していることが分かった。
そこで、バイオマス燃料などの比較的不純物の少ない燃料からでる焼却灰をセメント原料に適用することを考えたが、この焼却灰には、塩素が重量割合で0.5〜2.0%程度含まれているため、セメント会社の焼却灰引き取り条件、すなわち、塩素含有率0.05〜0.2wt%以下を満たすことができず、セメントの原料に適用する上で大きな障害となっていた。
他方、建築廃材チップなどのバイオマス燃料を上記の流動層ボイラで燃焼した場合には、バグフィルタ7によって捕捉された焼却灰f’の中に流動層cのベッド材bや循環粒子として使用されている硅砂が20〜40%含まれていることも分かったので、これを流動層ボイラのベッド材や循環粒子として再利用することも考えた。
ところが、この硅砂hには、図5に示すように、硅砂hのアルカリ成分と反応した塩素がKaCl、KCl、CaCl2 などが塩素化合物iとなって付着しているため、流動層ボイラのベッド材や循環粒子としても再利用するには、これらの塩素化合物を除去する必要があった。
従って、流動層ボイラの焼却灰をセメント原料に適用するには、塩素濃度を0.05%以下にする必要があり、流動層ボイラの焼却灰を流動層ボイラのベッド材や循環粒子に再利用するには、50ミクロン以上の粗粒子で、なおかつ、KaCl、KCl、CaCl2 などの塩素化合物を除去する必要があった。
そこで、焼却灰の塩素除去及び粒子選別方法について調査してみると、従来、湿式水洗浄法によって燃焼灰の塩素除去および比重選別する方法が提案されていた。この方法は、水槽内の水を上下に運動させることにより、水槽内に供給した都市ごみ燃焼灰を上下に躍動させて、都市ごみ燃焼灰中の塩素分を水洗すると同時に、比重の差を利用した比重選別によって都市ごみ燃焼灰のうち、比較的比重の小さい灰成分を分離するとともに、比較的比重の大きな金属類成分を除去するというものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−90408号公報(第5−6頁、図1)
しかしながら、上記の発明のように、水槽内の水を上下させるのみでは、都市ごみ焼却灰を十分に水洗することが困難であり、都市ごみ燃焼灰の塩素含有率を、セメント会社の引き取り条件を満たすようにすることが難しい。また、特許文献1の発明は、都市ごみ燃焼灰の水洗に用いた水を処理するための排水処理設備が必要になるため、灰処理に要する費用が大幅にアップするという問題がある。
また、上記の発明のように、比重の差を利用した比重選別では、比重の小さい灰成分と、比重の大きな金属類成分とを分離することができでも、粒径の微細な微粒子と、粒径の大きな粗粒子とを分離することが困難である。
そこで、本発明者は、上記焼却灰の浄化および分級について、鋭意、検討したところ、次のような問題があることが分かった。
すなわち、
(1)流動層ボイラの焼却灰は、粒子径が10〜100ミクロンの微粒子のため、従来の流動層分級設備では、均一な流動化が達成できないため、粗粒子だけを選択的に分級することが困難である。そこで、微粒子の流動化を達成するため、流動層自体に振動や攪拌を加えることも考えたが、装置が複雑になるのみならず、動力費が高くなるという問題があった。
(1)流動層ボイラの焼却灰は、粒子径が10〜100ミクロンの微粒子のため、従来の流動層分級設備では、均一な流動化が達成できないため、粗粒子だけを選択的に分級することが困難である。そこで、微粒子の流動化を達成するため、流動層自体に振動や攪拌を加えることも考えたが、装置が複雑になるのみならず、動力費が高くなるという問題があった。
(2)既に説明したように、焼却灰の表面には、KaCl、KCl、CaCl2 などの塩素化合物となって付着しているが、鋭意、検討の結果、これらの塩素化合物は、焼却灰を流動化させて焼却灰どうしを接触させることで剥離することが分かったが、粒子どうしの接触や摩擦を促進するために、流動化の空気流速をアップすると、微粒子のため、装置からすぐに飛び出してしまうという問題があった。
係る問題を解消するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、逆円錐台形の縦長の胴部を有する被処理灰分級器の下部に設けたノズルから噴射する空気によって被処理灰分級器内の被処理灰を被処理灰分級器内の上部に噴き上げる工程と、被処理灰分級器内の上部に噴き上げられた被処理灰を前記胴部の傾斜壁面に沿って降下させる工程と、前記噴き上げ及び降下工程中に被焼却灰の表面から剥離した塩素化合物や被焼却灰中の微粒子灰を前記ノズルから噴射する空気を利用して被処理灰分級器外に排除する工程と、塩素化合物が除去されたクリーンな粗粒子灰を被処理灰分級器の底部から回収する工程とからなる流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法である。
請求項2に記載の発明は、胴部の傾斜角度θを、75〜80度の急傾斜にして被処理灰の降下を促進させることを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法である。
請求項3に記載の発明は、被処理灰分級器下部のノズルに対向する整流板を被処理灰分級器内の上部に設け、該整流板によって被処理灰分級器内の空気流速を均一化することを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法である。
請求項4に記載の発明は、被処理灰を、被処理灰分級器内に空気流を利用して供給することを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法である。
請求項5に記載の発明は、被処理灰分級器を、被処理灰の圧力損失分が200〜400mmAq程度になるように運転することを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法である。
上記のように、請求項1に記載の発明は、逆円錐台形の縦長の胴部を有する被処理灰分級器の下部に設けたノズルから噴射する空気によって被処理灰分級器内の被処理灰を被処理灰分級器内の上部に噴き上げる工程と、被処理灰分級器内の上部に噴き上げられた被処理灰を前記胴部の傾斜壁面に沿って降下させる工程と、前記噴き上げ及び降下工程中に被焼却灰の表面から剥離した塩素化合物や被焼却灰中の微粒子灰を前記ノズルから噴射する空気を利用して被処理灰分級器外に排除する工程と、塩素化合物が除去されたクリーンな粗粒子灰を被処理灰分級器の底部から回収する工程とから構成されているので、被処理灰分級器内に供給された被処理灰は、噴き上げ工程中の被焼却灰どうしの接触、あるいは、降下工程中の被焼却灰どうしの接触や、被焼却灰と被処理灰分級器壁面との接触により、被焼却灰の表面から塩素化合物が剥離する。
その結果、塩素化合物が剥離したクリーンな粗粒子灰は、塩素含有率がセメント会社の引き取り条件である0.05〜0.2wt%以下となり、セメント原料として有効利用することができる。
他方、被処理灰の表面から剥離した塩素化合物や被焼却灰中の微粒子灰は、前記ノズルから噴射する空気を利用して被処理灰分級器外に排除されるので、塩素化合物が除去されたクリーンな粗粒子灰を被処理灰分級器の底部から回収することにより、流動層ボイラのベッド材や循環粒子として再利用することができる。
請求項2に記載の発明は、胴部の傾斜角度θを、75〜80度の急傾斜にして被処理灰の降下を促進させるので、被処理灰分級器内における被処理灰の上下方向の循環が促進され、以て、被処理灰の浄化および分級を促進させることができる。
請求項3に記載の発明は、被処理灰分級器下部のノズルに対向する整流板を被処理灰分級器内の上部に設け、該整流板によって被処理灰分級器内の空気流速を均一化するので、被処理灰分級器内における被処理灰の循環が促進され、以て、被処理灰の浄化および分級を促進させることができる。
請求項4に記載の発明は、被処理灰を、被処理灰分級器内に空気流を利用して供給するので、被処理灰を、被処理灰分級器内に空気流を利用して分散供給することができる。その結果、被処理灰の上下方向の循環が均一化する。
請求項5に記載の発明は、被処理灰分級器を、被処理灰の圧力損失分が200〜400mmAq程度になるように運転するので、被処理灰分級器内の被処理灰量が適正に保持され、被処理灰どうしの接触による表面剥離作用が促進される。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明方法に適用する焼却灰分級設備の概略構成図である。
この焼却灰分級設備は、図1に示すように、原料灰サイロ20と、被処理灰分級器である流動層分級器21と、微粒子灰サイロ22と、粗粒子灰サイロ23とを備えている。
流動層分級器21の分級器本体24は、円筒形の原料導入部25と、その上部に設けた円錐台形の頭部26と、この頭部26の上部に設けた円筒形の微粒子灰排出部27と、前記原料導入部25の下部に設けた逆円錐台形の胴部28と、この胴部28の下部に接続した円筒形の空気導入部29により形成されている。
更に、流動層分級器21は、胴部28と空気導入部29との境界部に仕切板33を設けるとともに、仕切板33に、該仕切板33を貫通する上向きの空気噴出ノズル34を複数本設けている。また、原料導入部25と胴部28との境界部分に複数の整流板35および36を設けている。
上段の整流板35は、横断面円弧状の樋型部材を凸側を上にして円環状に成形したものであり、原料導入部25の下部部分にほぼ水平に設けられている。他方、下段の整流板36は、陣笠状のものであり、円環状の上段整流板35の中央空間部の下方に位置するように設けられている。これらの整流板35および36は、図示しない支持部材によって分級器本体24に取り付けられている。
また、流動層分級器21は、流動化ファン37によって分級器本体24の下部にある空気導入部29に空気を供給するようなっている。また、この流動層分級器21は、胴部28の下部部分に下り勾配の粗粒子抜き出し用ダクト38を設けている。その上、粗粒子抜き出し用ダクト38と粗粒子灰サイロ23との間に粗粒子抜き出しフィーダ39を渡し、流動層分級器21の胴部28から抜き出した粗粒子灰D2を粗粒子灰サイロ23に移送するようになっている。
ここで、粗粒子抜き出しフィーダとしては、スクリュー式フィーダなどが好ましい。
更に、流動層分級器21は、分級器本体24の上部に設けた微粒子灰排出部27と微粒子灰サイロ22との間にダクト41を渡すとともに、微粒子灰サイロ22の上部に誘引ファン42およびバグフィルター43を設け、分級器本体24から流動化空気や微粒子灰D1などを誘引するようになっている。
上記原料灰サイロ20は、その下方に灰抜き出しフィーダ46を設置し、原料灰サイロ20の焼却灰f’を抜き出すようになっている。灰抜き出しフィーダ46によって抜き出された焼却灰f’は、搬送コンベア47によって流動層分級器21に供給するようになっている。この搬送コンベア47は、流動層分級器21の手前に原料灰分散用ダクト48を備え、そこから導入した空気a’によって原料灰f’を分級器本体24内に分散するようになっている。
ここで、灰抜き出しフィーダとしては、スクリュー式フィーダなどが好ましい。また、搬送コンベアとしては、フレクスベルコンベヤベルト、パイプコンベヤ、モノコンシリンバヤ、ポットコンベヤなどが好ましい。
更に、流動層分級器21は、制御装置50を備え、空気導入部29に設置した第1圧力計51と、微粒子排出部27に設置した第2圧力計52との差圧ΔPが設定値を満たすように原料灰サイロ20の灰抜き出しフィーダ46の電動モータ53と、搬送コンベア47の電動モータ54とを制御するようになっている。
ここで、10〜100ミクロンの焼却灰の中から粒子径50ミクロン以上の粗粒子灰を分級するには、流動層分級器21を、次のように運転する必要がある。
すなわち、
(1)流動層分級器21の底部では、50ミクロン粒子が飛び出す流速とする。つまり、ボトム空気流速U1(m/sec)が(1)式を満たすようにする。
U1=3×Ut ・・・・・ (1)
(1)流動層分級器21の底部では、50ミクロン粒子が飛び出す流速とする。つまり、ボトム空気流速U1(m/sec)が(1)式を満たすようにする。
U1=3×Ut ・・・・・ (1)
(2)流動層分級器21の胴部では、50ミクロン粒子が飛び出し速度の半分の速度とする。これにより、50ミクロン粒子は、分級器内部で上下に循環し、相互の接触により粒子表面に付着した塩素化合物が剥離される。つまり、胴部空気流速U2(m/sec)が(2)式を満たすようにする。
U2<0.5×Ut ・・・・・ (2)
U2<0.5×Ut ・・・・・ (2)
(3)50ミクロン以下の粒子は、流動層から速やかに飛び出す。つまり、出口空気流速U3(m/sec)が(3)式を満たすようにする。
U3>3×U1 ・・・・・ (3)
ここで、Ut(m/sec)は、50ミクロン粒子の飛び出し空気流速である。
U3>3×U1 ・・・・・ (3)
ここで、Ut(m/sec)は、50ミクロン粒子の飛び出し空気流速である。
また、分級器内の内部循環を促進し、分級効率をアップさせるため、以下の条件を設定している。
すなわち、
(1)胴部28の傾斜角度θを80度の急傾斜とし、粒子の降下を促進する。
(1)胴部28の傾斜角度θを80度の急傾斜とし、粒子の降下を促進する。
つまり、水平面31に対する胴部側面32の角度θは、80°、就中、75〜80°の範囲が好ましい。この胴部側面32の角度θが75°未満の場合は、50ミクロン以下の微粒子が粗粒子中に混合する割合が増加するなどの問題があり、この胴部側面32の角度θが80°を超える場合は、75°未満の場合と同様の問題を生ずる。
(2)胴部28の空気流速を均一にするため、整流板35,36を設ける。
(3)原灰を空気によって分級器21内に吹き込むことにより、分級器21内の分散を促進する。
(4)分級器21の運転条件として、分級器21内の粒子量が圧力損失分として、200〜400mmAq程度に保持して運転する。これにより、分級器21内の粒子ホールド量が適正に保持され、粒子どうしの接触による表面剥離作用が促進される。
次に、この流動層分級器の作用について説明する。
図1に示すように、流動化ファン37を稼働し、流動層分級器胴部26の下部に設けた空気噴出ノズル34から空気aを上向きに噴出させながら、原料灰サイロ20の灰抜き出しフィーダ46および搬送コンベア47を稼働させると、原料灰サイロ20内に貯蔵されていた焼却灰、すなわち、流動層ボイラに付随するバグフィルタによって捕捉された微細な焼却灰(粒子径:10〜100ミクロン)f’が、灰抜き出しフィーダ46および搬送コンベア47によって分級器本体24内に導入される。
このとき、搬送コンベア47に付随する原料灰分散用ダクト48から供給された空気a’によって焼却灰f’が、分級器本体24内にほぼ均一に分散される。
分級器本体24内に供給された焼却灰f’は、分級器本体24の下部に設けた空気噴出ノズル34から噴出する空気aによって噴き上げられ、その間に焼却灰f’どうしが接触して焼却灰f’の表面に付着しているKaCl、KCl、CaCl2 などの塩素化合物iが剥離する。
また、分級器本体24内の上部に噴き上げられた焼却灰f’は、胴部28の急斜面に沿って降下するが、その間に焼却灰f’どうしや、焼却灰f’と胴部28の壁面とが接触して焼却灰f’の表面に付着しているKaCl、KCl、CaCl2 などの塩素化合物iが剥離する。
しかして、焼却灰f’の表面から剥離した塩素化合物iや、粒子径が50ミクロン未満の微粒子灰D1は、流動化用空気aによって微粒子灰サイロ22に排出される。
他方、循環運動によって塩素化合物が除去された50ミクロン以上、つまり、50〜100ミクロンの粗粒子灰D2は、粗粒子抜き出しフィーダ39によって粗粒子灰サイロ23に移送される。
微粒子灰サイロ22に貯蔵された塩素化合物iや、粒子径が50ミクロン未満の微粒子灰D1は、埋め立てに給され、粗粒子灰サイロ23に貯蔵されたクリーンな粗粒子灰D2は、セメント原料や、流動層ボイラのベッド材や循環粒子として再利用される。
以上の説明では、バグフィルタ7で捕捉された焼却灰の分級および浄化について説明したが、本発明によれば、外部熱交換器4から排出された焼却灰の分級および浄化についても適用することができる。
(実施例)
図1に示す焼却灰分級設備を用いて建築廃材チップ焼却灰の塩素除去および分級を行った。
ここで、
・焼却灰分級設備のボトム流速U1:0.3m/sec
・焼却灰分級設備の胴部流速U2:0.05m/sec
・焼却灰分級設備の出口流速U3:1m/sec
・焼却灰分級設備の胴部の傾斜角度θ:80度
とした。
図1に示す焼却灰分級設備を用いて建築廃材チップ焼却灰の塩素除去および分級を行った。
ここで、
・焼却灰分級設備のボトム流速U1:0.3m/sec
・焼却灰分級設備の胴部流速U2:0.05m/sec
・焼却灰分級設備の出口流速U3:1m/sec
・焼却灰分級設備の胴部の傾斜角度θ:80度
とした。
その結果を「表1」および「表2」に示す。
「表2」から粗粒子灰中の塩素濃度が0.03%となり、セメント会社の焼却灰納入基準以下になっていることが分かる。また、「表2」によれば、粗粒子灰の成分の組成は、SiO2 が78.2wt%、CaOが2.1wt%、Al2 O3 が12.6wt%、TiO2 が2.23wt%、Fe2 O3 が1.80wt%、MgOが0.41wt%、K2 Oが0.07wt%、Na2 Oが0.12wt%、SO3 が1.21wt%、Clが0.03wt%、未燃炭素が0.10wt%であり、ポルトランドセメントの原料である粘土に類似した成分であることから、セメントの原料に供給できることが分かった。
21 被処理灰分級器
34 ノズル
a 空気
f’ 被処理灰
i 塩素化合物
D1 微粒子灰
D2 粗粒子灰
34 ノズル
a 空気
f’ 被処理灰
i 塩素化合物
D1 微粒子灰
D2 粗粒子灰
Claims (5)
- 逆円錐台形の縦長の胴部を有する被処理灰分級器の下部に設けたノズルから噴射する空気によって被処理灰分級器内の被処理灰を被処理灰分級器内の上部に噴き上げる工程と、被処理灰分級器内の上部に噴き上げられた被処理灰を前記胴部の傾斜壁面に沿って降下させる工程と、前記噴き上げ及び降下工程中に被焼却灰の表面から剥離した塩素化合物や被焼却灰中の微粒子灰を前記ノズルから噴射する空気を利用して被処理灰分級器外に排除する工程と、塩素化合物が除去されたクリーンな粗粒子灰を被処理灰分級器の底部から回収する工程とからなる流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法。
- 胴部の傾斜角度θを、75〜80度の急傾斜にして被処理灰の降下を促進させることを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法。
- 被処理灰分級器下部のノズルに対向する整流板を被処理灰分級器内の上部に設け、該整流板によって被処理灰分級器内の空気流速を均一化することを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法。
- 被処理灰を、被処理灰分級器内に空気流を利用して供給することを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法。
- 被処理灰分級器を、被処理灰の圧力損失分が200〜400mmAq程度になるように運転することを特徴とする請求項1記載の流動層ボイラ焼却灰からの塩素除去方法。
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JP2011056454A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Nagata Engineering Co Ltd | 乾式分離方法及び乾式分離装置 |
JP2013176740A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-09 | Taiheiyo Cement Corp | ごみ焼却灰の処理方法及び処理装置 |
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2004
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