JP2006158194A - 発電プラント - Google Patents

Abstract

【課題】端子コンパートメントから発電機補助設備コンパートメント内への水素ガスが漏洩するのを防止する。
【解決手段】発電プラント１０は水素ガスによって冷却される発電機１２と、発電機１２の固定子端子１００と、発電プラント１０から電力を取り出す主母線１８の導体１０４接続とを収容する端子コンパートメント１４と、この端子コンパートメント１４と別個の発電機補助設備コンパートメント１６とを有する。発電機補助設備コンパートメント１６は、主母線１８から電力を導くタップ接続２００を受ける。主母線１８は、分離された相母線ダクト２０を各相に１つ備える。電気絶縁封止ブッシング１１０が、分離された相母線ダクト２０の各相に、固定子端子１００を伴う接続とタップ接続２００の間に置く。
【選択図】図２

Description

本発明は、発電プラントに関し、且つ特に発電プラントにおける発電機および補助発電機設備のレイアウトに関する。

発電プラントにおいて利用される補助発電機設備は、一般に、発電機が停止した場合に発電機にエネルギーを供給して発電機を再始動する機構が設けられるように、計器用変成器に接続されたローカル母線(bus)に接続する。そのような発電機補助設備は、一般的に計器用変圧器、変流器、中性点接地機器、負荷整流インバータ三極開閉器、開閉器、避雷器、およびキャパシタを備える。従来、この発電機補助設備は別個にパッケージ化されていた。この設備を別個にパッケージ化するコストは、高価とされる。

より最近には、発電機端子および発電機端子から補助設備までのリード線を収容する端子コンパートメントが、発電機補助設備を収容するためにも使用されている。それによって、発電機補助設備のパッケージ化に関係するコストが削減される。しかし、発電機ブッシングが通常は水素ガスにより冷却されるため、端子コンパートメント内に水素ガスの蓄積が生じる可能性がある。端子コンパートメント内で相間障害もしくは切換によりアークが生じた場合には、端子コンパートメント内で爆発が生起する可能性があるため、そのような水素ガスの蓄積は危険となる。
米国特許第５７８３９３２号 米国特許第４０７１８８２号 米国特許第２５４８５６６号

したがって、発電機補助設備を別個にパッケージ化することを要せず、それと同時に水素ガスが端子コンパートメントから漏れる可能性を減少する発電機端子および補助設備のレイアウトを開発する必要がある。また、発電機補助設備の各相について相間障害を防止する、分離された相配置を開発する必要がある。

本発明は、水素ガスにより冷却される発電機を有する発電プラントに関する。発電プラントは、発電機の固定子端子および発電プラントから電力を取り出す主母線の導体接続を収容するための端子コンパートメントを有する。発電プラントは、端子コンパートメントと別個の発電機補助設備コンパートメントを有する。発電機補助設備コンパートメントは、主母線から電力を導くタップ接続を受ける。主母線は、分離された相母線ダクトを各相に１つ備える。電気絶縁封止ブッシングが分離された相母線ダクトの各相に、固定子端子を伴う接続とタップ接続の間に置かれ、それによって端子コンパートメントから発電機補助設備コンパートメント内への水素ガスの漏洩が封止される。

発電機補助設備コンパートメントが端子コンパートメントと別個とされ、且つ電気絶縁封止ブッシングが主母線の分離された相母線ダクト沿いの水素ガス漏洩を封止するため、発電機補助設備コンパートメント内への水素ガス漏洩が防止される。さらに、発電機補助設備を１つのコンパートメントにパッケージ化することにより、コンパートメントを別々にするよりコスト節減になる。また、端子コンパートメントと発電機補助設備コンパートメントとを、共通の分割壁を共有して相互に隣り合わせに置くか、あるいは空間により分離して置くことも考えられる。

１つの実施形態においては、各第１導線が端子コンパートメントから出るところに電気絶縁封止ブッシングが位置し、それによって端子コンパートメントから第１導線近傍への水素ガスの進行が封止される。

また１つの実施形態においては、水素ガスにより冷却され且つ固定子端子を各相に１つ備える発電機を備える発電プラントが提供される。発電プラントは、発電機に隣接して位置し且つ固定子端子を収容するための端子コンパートメントと、端子コンパートメントと別個の発電機補助設備コンパートメントとを備える。発電機補助設備コンパートメントは、発電機補助設備を収容する。発電プラントは、端子コンパートメントから延在する主母線を備える。主母線は、分離された相母線ダクトを各相に１つ備え、各分離された相母線ダクトは、第１導線と、端子コンパートメントの外部に延在する第１導線を囲繞するエンクロージャとを有する。第１導線は、端子コンパートメント内部の固定子端子の対応する１つに接続される。発電プラントは、第１電気絶縁封止ブッシングであって、そのそれぞれが各分離された相母線ダクトのエンクロージャ内に第１導線の１つを囲繞し、それによって端子コンパートメントから分離された相母線ダクト沿いへの水素ガスの漏洩を封止する第１電気絶縁封止ブッシングを備える。発電プラントは、主母線と発電機補助設備の間に、電力を主母線から発電機補助設備に導くための電気的タップ接続を各相に１つ備え、タップ接続は第１電気絶縁封止ブッシングの下流側に位置する。

また、発電機には、端子コンパートメント内に収容された中性端子を各相に１つ備えることが考えられる。発電プラントは、端子コンパートメント内に延在する３つの中性線を有する、中性端子の対応する１つに接続するための中性母線を備える。第２電気絶縁封止ブッシングが、各中性線を同中性線が端子コンパートメントから出るところで囲繞し、それによって端子コンパートメントから中性線近傍への水素ガスの進行が封止される。そのような封止材は、発電機補助設備コンパートメントが端子コンパートメントに隣接して位置し、共通の分割壁を共有するときに特に有利とされる。

別の実施形態においては、発電機補助設備が避雷器と降圧変圧器とを各相に備え、発電機補助設備コンパートメントが発電機補助設備の各相の間に延在し且つ各相を分離する金属バリアを備える。金属バリアの使用は、相間の電気的障害を防止するように作用する。

１つの実施形態においては、端子コンパートメントが発電機の上に位置する。

また１つの実施形態においては、発電機補助設備コンパートメントが発電機に隣接して位置する。別の実施形態においては、発電機補助設備コンパートメントが発電機の上に位置する。

本発明の本質および目的がよりよく理解されるように、例として、添付の概略図を参照する。

本発明は、発電プラントに関し、特に発電機および発電プラントにおける補助発電機設備のレイアウトに関する。

図１から３に、発電機１２を有する発電プラント１０を示す。発電機１２は、一般的に火力、蒸気、水力もしくはガスにより駆動されるモータに連結された同期機械を備える。本願の実施形態においては、駆動モータは、ガスタービンを備える。

発電機１２の上には端子コンパートメント１４が位置し、同コンパートメントから発電機１２の固定子に接続を行うことによって発電機１２から電力が導出される。図２において、端子コンパートメント１４には、各相につき１つの、３つの固定子端子１００が収容される。各固定子端子１００は、指状のコネクタ１０２を介して導線１０４の端部に接続される。導線１０４は、端子コンパートメント１４の壁１０６を貫通して主母線１８の一部となる。発電機ブッシング（図示せず）が通常、水素ガスによって冷却されるが、水素ガスは端子コンパートメント１４内に漏れる潜在性を有する。導線１０４は、壁１０６からの水素ガス漏れを封止する電気絶縁封止ブッシング１１０に囲繞され、壁１０６から導線１１０が端子コンパートメント１４を出る。端子コンパートメント１４内には、中性線１１２を各相に１つ有する中性母線も接続される。中性線１１２は、発電機１２の各相の中性点１１５に接続される。中性線１１２は、端子コンパートメント１４の側壁１１４を貫通する。中性線１１２は、水素ガスの側壁１１４からの漏洩を封止する電気絶縁封止ブッシング１１６に囲繞される。封止ブッシング１１０および１１６は、端子コンパートメント１４に隣り合わせもしくは同端子コンパートメントの壁に置かれている。これらの電気絶縁封止ブッシングは、主母線からのタップのいずれも上流側に置かれている限り、母線ダクトの下流側に端子コンパートメントから離間して置いてよいとして当然なところである。しかし、封止ブッシングを端子コンパートメント壁に置けば、封止ブッシングの設置および保守がし易い。

図１で分かるように、主母線ダクト１８は、発電機補助設備コンパートメント１６上部を通り、直角右折して終わっている。しかし、図１の主母線１８の終端は図解のためにすぎない。実際には、主母線１８は、発電プラント内もしくは別のサブステーションに続き、そこで主母線１８の電圧が１つまたは複数の昇圧変圧器によって上昇され、配電網の配電系統に送電が行われる。主母線ダクト１８は、３つの分離された相母線ダクトを備える。分離された各相母線ダクト２０は、概ね円筒形状の金属コンパートメント１３０に囲繞された導線１０４（図２）の１つを備える。図示の実施形態においては、金属コンパートメント１３０はアルミニウム製とされる。１つのそのような母線ダクト２０が生成電流の１つの相のために使用され、それによって相同士が互いに分離され、相間放電が防止される。

図２に関し、母線ダクト２０の各相は、これに関係する１つまたは複数の変流器１４０を有する。計量および制御される電流を搬送する導線１０４が変流器１４０の窓を貫通する。

二次巻線がこのようにして高電圧から絶縁され、低圧計量回路に接続される。制御パネル１１１（図３参照）が、端子コンパートメントに隣接して取り付けられ、発電プラントを制御するのに使用される計量回路、制御スイッチおよび記録計器が制御パネルに内蔵される。

発電機補助設備コンパートメント１６は発電機１２の上に置かれ、発電プラントに動力を与え、且つ発電機が停止した場合に発電プラントを再始動させるのに使用される発電機補助設備３００（図２および３）を収容する。図２で分かるように、電力は発電機補助設備コンパートメントに各相につき１つのタップ２００により供給される。

各相のタップ２００は、発電機補助設備３００の各対応する避雷器２１０に接続される。避雷器２１０は、発電機補助設備コンパートメント１６内の他の補助設備を雷放電や他の偶然の電気的サージによる損傷から保護する。取り出された電気は次いで、各相の電圧を計量および保護のために下降させる補助設備３００の降圧変圧器２２０に送られる。

発電機補助設備コンパートメント内の各相間には、各相を分離し且つ相間の電気的障害を防止する金属バリア２３０が置かれる。

発電機補助設備コンパートメント１６内には、リード２４０に接続された、補助設備３００の三極負荷整流インバータ断路器２５０も収容される。前述のように、発電機１２は本実施形態のガスタービンに連結された同期発電機を備える。発電機１２の停止時に、これを再始動するには、インバータがスイッチ２５０を介して電気を同期発電機に供給するようにスイッチ２５０を閉じなければならない。その結果、同期発電機が同期モータとして駆動される。この始動器による始動操作は、ガスタービンがその燃焼エネルギーにより速度を持続可能となるまで続行される。その後、同期発電機および始動器が、開閉器もしくは断路器を開くことによりインバータ２５０から分離される。そのとき、同期機械は発電機に復帰する。

発電機補助設備コンパートメント１６内には、１つのレール２６０で合同する３つのバス接続として示す補助設備２６０の中性母線２２も置かれる。各母線２２は、それに関係する、補助設備３００の１つまたは複数の変流器２６５を有し、それによって中性母線情報が制御パネル１１１に供給される。発電プラントおよび発電機に中性接地接続を与えるため、中性接地設備３３０が発電機補助設備コンパートメント１６内に収容される。

端子コンパートメント１４は、本実施形態においては発電機１２の上に置くとして示しているが、このコンパートメントは発電機１２に隣り合ういずれの好都合な位置にも置くことができることはいうまでもない。さらに、発電機補助設備コンパートメント１６は、本実施形態においては発電機上に置くとして示しているが、このコンパートメントは発電プラントのいずれの好都合な位置にも置くことができることはいうまでもない。

本実施形態は、端子コンパートメントから補助設備コンパートメント内への水素ガスの漏洩を防止する封止ブッシングにより相互に分離された、それぞれ別のコンパートメント内に発電機端子および発電機補助設備を収容するためのレイアウトを提供するものである。

以上、本発明の様々な具体的実施形態について説明したが、当業者には本発明について可能な変更は請求項の精神と範囲内に属することが認識されるであろう。

本発明の発電プラントの斜視図である。 前記発電プラントの側部断面図である。 図２の発電プラントのＩＩＩ−ＩＩＩ線断面の上面図である。

符号の説明

１０ 発電プラント
１２ 発電機
１４ 端子コンパートメント
１５ 中性端子
１６ 発電機補助設備コンパートメント
１８ 主母線
２０ 相母線ダクト
１００ 固定子端子
１０４ 第１導線
１１０ 第１電気絶縁封止ブッシング
１１２ 中性線
１３０ エンクロージャ
２００ タップ接続
２１０ 避雷器
２２０ 降圧変圧器
２３０ 金属バリア
２５０ 断路器
２５６ 変流器
３００ 発電機補助設備

Claims (10)

1. 水素ガスにより冷却され且つ固定子端子（１００）を各相に１つ備える発電機（１２）と、
   前記発電機（１２）に隣接して位置し、前記固定子端子（１００）を収容するための端子コンパートメント（１４）と、
   前記固定子端子コンパートメント（１４）と別個の発電機補助設備コンパートメント（１６）であって、発電機補助設備（３００）を収容する発電機補助設備コンパートメント（１６）と、
   前記端子コンパートメント（１４）から延在する主母線（１８）であって、前記主母線（１８）が、分離された相母線ダクト（２０）を各相に１つ備え、各分離された相母線ダクト（２０）が第１導線（１０４）と、前記端子コンパートメント（１４）の外部に延在する前記第１導線（１０４）を囲繞するエンクロージャ（１３０）とを有し、前記第１導線（１０４）が前記端子コンパートメント（１４）内部の前記固定子端子（１００）の対応する１つに接続された主母線（１８）と、
   第１電気絶縁封止ブッシング（１１０）であって、そのそれぞれが各分離された相母線ダクト（２０）の前記エンクロージャ（１３０）内に前記第１導線（１０４）の１つを囲繞し、それによって前記端子コンパートメント（１４）から前記分離された相母線ダクト（２０）沿いへの水素ガスの漏洩を封止する第１電気絶縁封止ブッシング（１１０）と、
   前記主母線（１８）と前記発電機補助設備（３００）の間の、電力を前記主母線（１８）から前記発電機補助設備（３００）に導くための電気的タップ接続（２００）であって、前記タップ接続（２００）が前記第１電気絶縁封止ブッシング（１１０）の下流側に位置する、各相に１つのタップ接続（２００）とを備える発電プラント（１０）。
2. 前記発電機（１２）がさらに前記端子コンパートメント（１４）内に収容された中性端子（１５）を各相に１つ備え、前記発電プラント（１０）がさらに、
   前記端子コンパートメント（１４）内に延在する３つの中性線（１１２）を有し、前記中性端子（１５）の対応する１つに接続するための中性母線と、各中性線（１１２）を同中性線が前記端子コンパートメント（１４）から出るところで囲繞して前記端子コンパートメント（１４）から前記中性線（１１２）近傍への水素ガスの進行を封止するための第２電気絶縁封止ブッシング（１６）とを備える請求項１記載の発電プラント（１０）。
3. 前記第１電気絶縁封止ブッシング（１１０）のそれぞれが前記第１導線（１０４）が前記端子コンパートメント（１４）から出るところに位置し、それによって前記端子コンパートメント（１４）から前記第１導線（１０４）近傍への水素ガスの進行を封止する請求項１記載の発電プラント（１０）。
4. 前記発電機補助設備（３００）が避雷器（２１０）と降圧変圧器（２２０）とを備え、前記発電機補助設備コンパートメント（１６）が前記発電機補助設備（３００）の各相の間に延在し且つ各相を分離する金属バリア（２３０）を備える請求項１記載の発電プラント（１０）。
5. 前記発電機補助設備（３００）が避雷器（２１０）と降圧変圧器（２２０）とを備え、前記発電機補助設備コンパートメント（１６）が前記発電機設備（３００）の各相の間に延在し且つ各相を分離する金属バリア（２３０）を備える請求項２記載の発電プラント（１０）。
6. 前記発電機補助設備（３００）がさらに変流器（２５６）と、断路器（２５０）とを備える請求項４記載の発電プラント（１０）。
7. 前記発電機補助設備（３００）がさらに変流器と、断路器とを備える請求項５記載の発電プラント（１０）。
8. 前記端子コンパートメント（１４）が前記発電機の上に位置する請求項１記載の発電プラント（１０）。
9. 前記発電機補助コンパートメントが前記発電機に隣接して位置する請求項１記載の発電プラント（１０）。
10. 前記端子コンパートメント（１４）と、前記発電機補助コンパートメントとが、前記中性母線が前記端子コンパートメント（１４）から前記発電機補助コンパートメント内に貫通する共通の分割壁を共有する請求項２記載の発電プラント（１０）。

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