JP2006156014A - 燃料電池用燃料シート及び燃料電池用燃料シート包装体並びに燃料電池用燃料シートを用いた燃料電池発電システム - Google Patents

燃料電池用燃料シート及び燃料電池用燃料シート包装体並びに燃料電池用燃料シートを用いた燃料電池発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】 安全に持ち運びが可能な、特に小型機器の電源として有用な小型燃料電池に適した燃料電池用燃料、およびこの燃料電池用燃料を用いた出力の安定した信頼性の高い燃料電池を提供することにある。また、燃料を燃料電池の燃料収容容器から着脱するときにも、燃料の漏出が起こらず信頼性の高い燃料電池発電システムを提供すること。
【解決手段】 シート中に液体燃料を5質量%以上99質量%未満含有する燃料電池用燃料シート。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池用燃料シート及び燃料電池用燃料シート包装体並びに燃料電池用燃料シートを用いた燃料電池発電システムに関する。
燃料電池にはいくつもの種類があるが、直接メタノール燃料電池は、燃料としてのメタノール水溶液を改質して水素ガスを取り出すこと無く、液体のまま直接供給することによって発電出来るという特徴を持っている。そのため、燃料をガス化または改質して供給する従来からの固体高分子型燃料電池と比べて、発電システムとしての構造がシンプルで、小型化、軽量化が容易であり、分散型電源、ポータブル電源としての用途が注目されている。
この様な直接メタノール燃料電池は、電解質膜にプロトン伝導性固体高分子膜を用い、この電解質膜を介して、拡散層となる多孔性カーボンペーパー上に触媒を塗布してなるカソード極とアノード極を接合し、アノード極側には燃料としてのメタノール水溶液を供給するための流路溝を有するアノード極側セパレータが設けられ、カソード極側には酸化剤ガスとしての空気を供給するための流路溝を有するカソード極側セパレータが設けられた構造を取っている。
アノード極にメタノール水溶液を供給し、カソード極に空気を供給すると、アノード極ではメタノールと水との酸化反応によって炭酸ガスが生成すると共に水素イオンと電子が放出され(CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-)、カソード極では電解質膜を通過してきた前記水素イオンと空気との還元反応によって水が生成する(6H++(3/2)O2+6e-→3H2O)。カソード極とアノード極を繋ぐことにより外部回路に電気エネルギーを得ることが出来る。従って、直接メタノール燃料電池の全反応は、メタノールと酸素から水と二酸化炭素が生成する反応である。
燃料の酸化剤としては、一般に空気が用いられている。一方、燃料としては、天然ガス、メタノール等と水との反応で得られる水素イオンを用いるものと、水素ガスから直接水素イオンを発生させるものとがあるが、いずれも可燃性ガスを用いる問題点があり、燃料の貯蔵方法に関する工夫が鋭意検討されてきた。
水素ガスの例では、高圧ガスボンベに水素を気体として貯蔵する方法がある。しかし、このような高圧で貯蔵する方法は、単純ではあるが、厚肉の容器が必要であり、そのため容器の質量が重く、貯蔵・運搬効率が低いために、例えば軽量化が重視される自動車等やモバイル用情報機器への適用は困難である。一方、水素を液体として貯蔵する場合には、気体水素に比較して貯蔵・運搬効率は向上する。しかし、液体水素の製造には高純度の水素が必要であること、また、液化温度が−252.6℃という低温であり、このような超低温用の特殊な容器が必要であることなど、経済的に問題がある。
また、水素貯蔵合金を用いることも提案されているが、合金自体の質量が重い、マグネシウム系の軽量な水素貯蔵合金では水素を放出させる使用温度が300℃近い高温である、などの問題がある。更には、カーボンナノチューブなどの多孔性炭素素材などを用いることも提案されているが、水素貯蔵の再現性が低い、高圧条件下で貯蔵する必要がある、など多くの問題がある。
これらの問題を解決するため、特許文献1では、ホスト分子と水素分子との接触反応により水素分子を包接した水素分子包接化合物を用いた提案がなされている。しかし、この技術では室温より僅かに高い50℃という比較的低温度でも、燃料である水素ガスが放出されるといった安全性に問題があるだけではなく、水素ガスを包接するために大量の包接化合物が必要であるといった問題もある。このように、室温でホスト分子に結合することなく弱い相互作用によって燃料である水素ガスをホスト分子に物理吸着させる考え方には、燃料を安全に持ち運びが可能となる小型化技術に限界があった。
ガス燃料以外にアルコールなどの液体燃料を用いる研究開発も盛んに行われている。液体燃料電池としては、燃料気化供給型や毛管力を利用した方法など種々のタイプが知られている。従来の燃料気化供給型の燃料電池は、高濃度の液体燃料を直接用いることが出来るため、燃料部のコンパクト化に関しては有利である。しかし、システムが複雑であり、そのままの構成では小型化することが困難であるという問題に加え、可燃性の液体燃料を使用するため、安全な持ち運びという観点からは問題がある。
一方、毛管力を利用した従来の液体燃料電池は、構成上は小型化に適するものの、接液体状の燃料が直接に燃料極に供給されるため、低濃度の燃料を使わざるを得ない。したがって、結果的に燃料部の容積が大きくなり、システム全体としての小型化が困難である。この問題を回避するために、高濃度の液体燃料と希釈剤とに分けて、使用時に両者を混合する方法が考えられる。しかし、この方法であっても、やはり可燃性の液体燃料を使用するので、安全な持ち運びという観点からは問題がある。
特開2004−119276号公報
上述したように、燃料の形態の問題は燃料電池を小型化し、小型機器の電源として実用化するうえでは極めて重要な課題である。
特許文献1は、燃料電池用燃料である水素ガスを水素分子包接化合物とすることで、燃料の貯蔵・運搬効率を改良したものであるが、前記したような問題がある。
本発明は、従来の燃料電池における燃料の形態の問題および弱い相互作用によって燃料である水素ガスをホスト分子に物理吸着させる考え方の問題を解決し、小型機器の電源として有用な小型燃料電池に適した燃料電池用燃料を提供するために行われたものである。すなわち、本発明の目的は、安全に持ち運びが可能な、特に小型機器の電源として有用な小型燃料電池に適した燃料電池用燃料、およびこの燃料電池用燃料を用いた出力の安定した信頼性の高い燃料電池を提供することにある。また、液体燃料を燃料電池の燃料収容容器から着脱するときにも、液体燃料の漏出が起こらず信頼性の高い燃料電池発電システムを提供することにある。
上記目的は以下の手段により達成することが出来る。
請求項1に係る燃料電池用燃料シートは、シート中に液体燃料を5質量%以上99質量%未満含有するものである。
請求項2に係る燃料電池用燃料シートは、請求項1に記載の燃料電池用燃料シートにおいて、液体燃料を含有するシートの両面を前記液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートで被覆してなるものである。
請求項3に係る燃料電池用燃料シートは、液体燃料の蒸気が不透過性の支持体上に前記液体燃料を5質量%以上99質量%未満含有する層を有するものである。
請求項4に係る燃料電池用燃料シートは、請求項3に記載の燃料電池用燃料シートにおいて、液体燃料を含有する層の面を前記液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートで被覆してなるものである。
請求項5に係る燃料電池用燃料シート包装体は、請求項2又は4に記載の燃料電池用燃料シートの複数枚を、前記燃料電池用燃料シートに含まれる液体燃料の蒸気が不透過性の包装材料に内包されてなるものである。
請求項6に係る燃料電池発電システムは、電解質膜の両側にそれぞれ設けられたアノード極とカソード極及びアノード極側に配置された液体燃料浸透板を有する燃料電池、並びに燃料容器及び前記燃料容器内で前記液体燃料浸透板に接して配置された請求項1又は3に記載の燃料電池用燃料シートを備えて成るものである。
本発明によれば、液体燃料をシートの形で提供出来るので、安全に持ち運びが可能となり、また取り扱いが容易となる。また、液体燃料がシートに含まれる形状であるので、燃料を燃料電池の燃料収容容器から着脱するときにも、燃料の漏出が起こらず信頼性の高い燃料電池発電システムを提供することが出来る。
初めに、本発明に係る燃料電池用燃料について説明する。
本発明に係る燃料電池用の液体燃料(以下、本発明に係る液体燃料という)は、例えば共立出版、高橋武彦著「燃料電池」などの著書に記載された公知の燃料であれば何でも良い。特に、シートとしたときの安定性を考慮すると、水素結合などを生ずる官能基又は結合基、例えば、水酸基、アミノ基、アミン、エーテル結合基を有する化合物が好ましい。具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ヒドラジンなどが挙げられる。本発明においては、水酸基を有するアルコール類が好ましく、メタノールが特に好ましい。本発明に係る液体燃料は、気体という性状以外に官能基を有しない水素ガスなどのガス燃料とは本質的に異なるものである。
本発明に係る燃料電池用燃料シートの製造方法としては、
1)本発明に係る液体燃料の必要十分な量を吸収出来るシートに本発明に係る液体燃料を含浸させる方法、
2)支持体上に設けられた本発明に係る液体燃料の必要十分な量を吸収出来る層中に、本発明に係る液体燃料を含浸させる方法、
3)本発明に係る液体燃料と、それの必要十分な量を吸収出来る高分子とを混練し、シート化する方法、
4)本発明に係る液体燃料と高分子のモノマーを混合した後、モノマーを重合し、本発明に係る液体燃料で膨潤したシートを製造する方法、
などがある。
本発明の目的を達成出来る方法であればこれを制限しない。しかし、本発明に係る燃料電池用燃料シートの製造時の安全性と経済性などを考慮すると、(1)乃至(3)の燃料電池用燃料シートの製造方法が好ましい。
本発明に係る燃料電池用燃料シートは、本発明に係る液体燃料を5質量%以上99質量%未満含有するものである。下限については、本発明に係る液体燃料の含有量が5質量%未満では、燃料電池の運転時間があまりにも短かいという観点で選択したものである。シートの厚みや燃料電池の使用目的などによっても異なるが、好ましくは20質量%以上である。また、上限は、99質量%以上では、シートが液体で膨潤し過ぎて取り扱いに不便であるといった観点で選択したものである。シートの厚みや材質などによっても異なるが、好ましくは90質量%以下である。
本発明に係る液体燃料をシートに含浸させる、又は、液体燃料の蒸気が不透過性の支持体上に設けた層に含浸させる場合、本発明に係る液体燃料を5質量%以上99質量%未満含有出来るものであれば、シートないしは層の素材の選択は任意である。また、シートの形態も任意である。さらには、シートを複数枚重ねて使用することも出来る。
シートの形態を例示すれば、
1)本発明に係る液体燃料を空孔に取り込める多孔質体をシート状に成形したもの、
2)本発明に係る液体燃料を空孔に取り込める多孔質体の層を、液体燃料の蒸気が不透過性の支持体上に設けてシートとしたもの、
3)本発明に係る液体燃料を吸収して膨潤する素材をシート状に成形したもの、
4)本発明に係る液体燃料を吸収して膨潤する層を、液体燃料の蒸気が不透過性の支持体上に設けてシートとしたもの、
5)本発明に係る液体燃料をゲル化させてシート状に成形したもの、
などである。
本発明に係る液体燃料を空孔に取り込める多孔質体及び多孔質体の層となり得る素材としては、講談社刊「ゼオライトの科学と応用」に記載されている結晶性のゼオライト群を挙げることができる。また、種々の非晶質の有機質又は無機質多孔体を用いることも出来る。
本発明に係る液体燃料を吸収して膨潤する素材及び膨潤する層となり得る素材としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース等の水溶性高分子を挙げることが出来る。
本発明に係る液体燃料をゲル化させることの出来る化合物としては、種々の糖類の化合物を挙げることが出来る。
上記のシート状に形成した場合における、シートの厚みは、厚みが薄すぎるとシートが破壊したり取り扱い性に不便であったり、本発明に係る液体燃料を多く含ませることが出来ないので、少なくとも1μm以上の厚みが必要である。シートの厚みは、好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上である。1mm程度の厚みがあると、液体燃料を多く含ませることができ長時間の運転可能な燃料シートとなるので好ましい。しかし、シートの厚みが厚すぎるとシート内部に未使用の燃料が残留する可能性があるので、1cm程度の厚みが限界である。本発明にでは、取り扱い性と液体燃料の量を検討したところ、シートの厚みは、1mmから5mm程度のシートが好適である。
また、上記の本発明に係る液体燃料の蒸気が不透過性の支持体上に設けた層の厚みに関しては、上記シート状に形成した場合と同様に、層の厚みは1mmから5mm程度が好ましい。
シートの面積は、適用する燃料電池の大きさ、適用する燃料電池の単電池の数によって適宜に決めることが出来る。通常は、10〜1000mm×10〜1000mm、好ましくは、10〜500mm×10〜500mmである。
本発明に係る液体燃料の蒸気が不透過性の支持体の素材としては、アルミニウムや鉄等の金属箔、セラミックで表面加工されたプラシチックシート、層状粘土鉱物を練り込んだ材料等を挙げることが出来る。
本発明に係る燃料電池用燃料シートは、本発明に係る液体燃料を含有する層の面を、その液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートで被覆して保存することが好ましい。本発明に係る燃料電池用燃料シートは鞄に入れて携帯することがあるが、このような場合であっても、液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートで被覆することにより、液体燃料の蒸気が漏れ出ることを回避出来るので、鞄の中を汚すことがない、といった効果もある。
本発明に係る液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートの素材としては、アルミニウムや鉄等の金属箔、セラミックで表面加工されたプラシチックシート、層状粘土鉱物を練り込んだ材料等を挙げることが出来る。
また、本発明に係る燃料電池用燃料シートを流通経路にのせる際には、上記のように液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートで被覆した燃料電池用燃料シートの複数枚を、その液体燃料の蒸気が不透過性の包装材料に内包することが好ましい。流通経路では、他の商品等とも一緒に陳列される場合が多い。本発明に係る燃料電池用燃料シートを、液体燃料の蒸気が不透過性の包装材料に内包することにより、液体燃料が漏れ出て、他の商品を汚すといった好ましくない事態を防ぐことが出来る。
次に、図面を参照して本発明の燃料電池用燃料を適用する燃料電池について説明する。
図1は、本発明に係るシート状燃料電池用燃料を適用する燃料電池の単電池Iの構成の一例を示す概略図である。図示するように、燃料気化層2、アノード極(燃料極ともいう)3、電解質膜4、カソード極(酸化剤極ともいう)5、ガスチャネル6が、液体燃料浸透板1とセパレータ7の間に配置されて、単電池Iが構成されている。液体燃料浸透板1は多孔質体であることが好ましい。
図2は、燃料電池及び燃料電池のアノード極側に、本発明に係る燃料電池用燃料シートを配置した、本発明に係る燃料電池発電システムの概略図である。燃料電池の単電池Iのアノード極3側にある液体燃料浸透板1に、本発明に係る燃料電池用燃料シート8を収容した燃料容器9がセットされている。本発明に係る燃料電池用燃料シート8は、液体燃料を含有する層が液体燃料浸透板1に接するように配置されている。液体燃料浸透板1を多孔質体とすることにより、液体燃料浸透板1の毛細管力を利用して燃料容器9から液体燃料浸透板1に液体燃料を供給することが出来る。この方法を用いれば、液体燃料を供給するためのポンプ等の送気もしくは送液手段が不要になり、燃料供給系のシステムを極めてコンパクトにすることが可能である。
燃料容器9にセットした本発明に係る燃料電池用燃料シート8から供給される液体燃料は、液体燃料浸透板1を浸透し、次いで、燃料気化層2に送られる。燃料気化層2に送られてきた液体燃料はここで気化し、アノード極で触媒の作用を受けてプロトンとエレクトロンを発生する。
図3は、燃料電池の単電池Iの複数個を直列に接続した状態を示した本発明に係る燃料電池発電システムの概略図である。適宜の面積の本発明に係る燃料電池用燃料シート8を、単電池Iを複数個接続した燃料電池に適用することによって、所望の出力の燃料電池発電システムを組み上げることが出来る。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
〈燃料電池用燃料シートの作製〉
(試料1の作製)
QPペーパー(コニカミノルタ株式会社製)の受像層側にメタノール水溶液(メタノール20%含有)を含浸させ、燃料電池用燃料シートを作製した。次いで、これを32mm×32mmの大きさのシートに切り出した。これを試料1とした。
(試料2の作製)
60℃の水24gにゼラチン6gを分散し、ゼラチン水溶液Aを作製した。ゼラチン水溶液A10g、メタノール1gと10%ホルマリン水溶液5mlを混合した。混合溶液を面積が50cmx50cm、厚みが100μmのTAC(トリアセチルセルロース)シートに含浸透させた。次いで、このTACシートを直径3cm、長さ30cmの丸棒でシート状に引き伸ばして、燃料電池用燃料シートを作製した。厚みは、平均3.2mmであった。試料1と同様に、実施例1と同様に32mm×32mmの大きさのシートに切り出した。これを試料2とした。
(試料3の作製)
ポリウレタン発泡体(化粧品に使用されているパフを使用)を厚さ1mm、11cm×11cmの大きさに切り出し、20%メタノール水溶液中に浸漬することにより、燃料電池用燃料シートを作製した。これを試料3とした。
(試料4の作製)
ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールLW−300)15gと水50gを乳鉢で混合し、ポリビニルアルコール水溶液を作製した。厚み200μmの和紙を11cm×11cmの大きさのシートに切り出し、作製したポリビニルアルコール水溶液を含浸させた後、風乾した。このポリビニルアルコールを含浸したシートを、20%メタノール水溶液中に1時間浸漬することにより、燃料電池用燃料シートを作製した。これを試料4とした。
〈燃料電池の運転〉
(燃料電池の作製)
燃料電池本体内部の単電池を、以下の手法により作製した。
カーボンクロス上にPt−Ru系触媒層を塗布した32mm×32mmの燃料極と、カーボンクロス上にPtブラック触媒層を塗布した32mm×32mmの酸化剤極とを用意した。これらの燃料極および酸化剤極の触媒層が電解質膜と接するように、パーフルオロスルホン酸膜(ナフィオン112:デュポン社製)からなる電解質膜を挟持した。これらを、120℃で5分間、9.8×106Paの圧力でホットプレスして接合し、起電部を作製した。
得られた起電部と、燃料気化層としてのカーボン多孔質板(平均孔径85μm、気孔率73%)と、燃料浸透層としてのカーボン多孔質板(平均孔径5μm、気孔率40%)とを積層し、酸化剤ガス供給溝(深さ2mm、幅1mm)を設けた酸化剤極側ホルダー(図1におけるセパレータ7に相当する)と燃料極側ホルダー(図1における液体燃料浸透板1に相当)との間に配置して、反応面積10cm2の単電池を作製した。
(燃料電池の運転1)
試料1の燃料電池用燃料シートを燃料容器9に装填した。試料1の受像層が、上記で作製した燃料電池の単電池の液体燃料浸透板1に接触するように配置して、燃料電池発電システムを組み上げた。発電が始まり、電圧0.4V、電流130mA/cm2の出力を取り出すことができた。
燃料電池用燃料シートを取り去ることにより、発電は終了した。このように、燃料電池の運転終了を簡便に行うことが出来る。
(燃料電池の運転2)
試料2の燃料電池用燃料シートを燃料容器9に装填した。試料2のゼラチン層が、上記で作製した燃料電池の単電池の液体燃料浸透板1に接触するように配置して、燃料電池発電システムを組み上げた。発電がはじまり、電圧0.2V、電流130mA/cm2の出力を取り出すことができた。
燃料電池用燃料シートを取り去ることにより、発電は終了した。このように、燃料電池の運転終了を簡便に行うことが出来る。
(燃料電池の運転3)
燃料電池としては、図3に示すように複数個の単電池を直列に接続した燃料電池を適用した。試料3の燃料電池用燃料シートを図3に示すような燃料容器9に装填した。燃料電池としては、9個の単電池を直列に接続したものを用いた。
1分が経過すると発電が始まり、電圧3.6V、電流230mA/cm2の出力を取り出すことができた。また、この発電を1時間継続して行った際にも、出力は低下することはなく安定していることが確認できた。
さらに、燃料電池として稼働しているときだけでなく、燃料容器の着脱時にも液体燃料(メタノールと水混合溶液)の漏出は全く起こらなかったため、信頼性の高い小型の燃料電池であることが確認できた。
(燃料電池の運転4)
燃料電池の運転3において、試料3の燃料電池用燃料シートに代えて、試料4の燃料電池用燃料シートを用いた以外は、燃料電池の運転3と同様の操作を行った。
1分が経過すると発電が始まり、電圧3.1V、電流230mA/cm2の出力を取り出すことができた。また、この発電を1時間継続して行った際にも、出力は低下することはなく安定していることが確認できた。
さらに、燃料電池として稼働しているときだけでなく、燃料容器の着脱時にも液体燃料(メタノールと水混合溶液)の漏出は全く起こらなかったため、信頼性の高い小型の燃料電池であることが確認できた。
本発明の燃料電池用燃料シートを適用する燃料電池の単電池の構成の一例を示す概略図である。 本発明の燃料電池発電システムの一実施形態の概略図である。 本発明の燃料電池発電システムの別の実施形態の概略図である。
符号の説明
I 単電池
1 液体燃料浸透板
2 燃料気化層
3 アノード極
4 電解質膜
5 カソード極
6 ガスチャネル
7 セパレータ
8 燃料電池用燃料シート
9 燃料容器

Claims (6)

  1. シート中に液体燃料を5質量%以上99質量%未満含有することを特徴とする燃料電池用燃料シート。
  2. 液体燃料を含有するシートの両面を前記液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートで被覆してなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用燃料シート。
  3. 液体燃料の蒸気が不透過性の支持体上に前記液体燃料を5質量%以上99質量%未満含有する層を有することを特徴とする燃料電池用燃料シート。
  4. 液体燃料を含有する層の面を前記液体燃料の蒸気が不透過性のカバーシートで被覆してなることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用燃料シート。
  5. 請求項2又は4に記載の燃料電池用燃料シートの複数枚を、前記燃料電池用燃料シートに含まれる液体燃料の蒸気が不透過性の包装材料に内包されてなることを特徴とする燃料電池用燃料シート包装体。
  6. 電解質膜の両側にそれぞれ設けられたアノード極とカソード極及びアノード極側に配置された液体燃料浸透板を有する燃料電池、並びに燃料容器及び前記燃料容器内で前記液体燃料浸透板に接して配置された請求項1又は3に記載の燃料電池用燃料シートを備えて成ることを特徴とする燃料電池発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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