JP2006153624A - 漏洩試験用プラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】主翼内に設けられた燃料タンクの漏洩試験を主翼単体で行う際に、翼根部のリブと周囲の部材との間の開口部を閉塞する。
【解決手段】嵌合部材2が、具備する係止板13によって第1又は第2主翼リブR1,R2の壁面又はこの壁面に延設されたフランジFに係止支持されると共に、嵌合部材2と押圧部材21との間に変形する封止部材23を配置し、ボルトで嵌合部材2と押圧部材21とを締め付けて封止部材23を変形させ嵌合部材2とリブ開口部Oとの間に形成された間隙を閉塞する。
【選択図】図1
【解決手段】嵌合部材2が、具備する係止板13によって第1又は第2主翼リブR1,R2の壁面又はこの壁面に延設されたフランジFに係止支持されると共に、嵌合部材2と押圧部材21との間に変形する封止部材23を配置し、ボルトで嵌合部材2と押圧部材21とを締め付けて封止部材23を変形させ嵌合部材2とリブ開口部Oとの間に形成された間隙を閉塞する。
【選択図】図1
Description
本発明は、漏洩試験用プラグに係り、特に固定翼機の主翼内部に搭載された燃料タンクの漏洩試験に使用される漏洩試験用プラグに関する。
従来、大型の航空機の製造においては、多数の会社が製造を分担することで、機体を複数の部分に分割し、各部分を平行して製造する場合が多い。このうち、燃料タンクは、内部燃料タンクが搭載された主翼と、同様に内部燃料タンクが搭載された中央翼(胴体)とに分割して製造され、これら主翼と、中央翼とを結合させることで完成する。
上述した内部燃料タンクに対する燃料の漏洩試験は、一般的に、主翼と、中央翼とを結合させた後に行われているが、分割して製造された主翼の内部燃料タンク(以下、主翼内燃料タンク)の密閉性を確保することは、結合後における燃料タンク全体の密閉性を確保するために非常に重要であるため、燃料タンクの品質を保証する観点から、結合前の主翼内燃料タンクに対して、燃料の漏洩試験が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、主翼内燃料タンクは、図14に示すように、第1主翼内燃料タンク100と、第2主翼内燃料タンク101とに分かれて構成されており、これら各主翼内燃料タンク100,101との間の接合面にあたる第1主翼リブR1及び第2主翼リブR2には、図15に示すように、これら各主翼リブR1,R2と、主翼の上面外板U及び下面外板Lとに固定されることで主翼の強度を補強するストリンガーSが配設されているため、図16及び図17に示すように、特殊な形状に形成された複数の開口部(以下、リブ開口部O)が配設されている。
また、上述した漏洩試験の際には、上記した各主翼内燃料タンク100,101の両側、すなわち、第2主翼内燃料タンク101にあっては、図18に示すように、内部に流入される燃料によって、第1主翼リブR1の外面側及び第2主翼リブR2の内面側から加圧される。
このため、一般的なパッキンや、シール材では、リブ開口部Oに対する取り付けの利便性や、加圧に対する耐圧性の観点から問題が生じていた。
また、上述した漏洩試験の際には、上記した各主翼内燃料タンク100,101の両側、すなわち、第2主翼内燃料タンク101にあっては、図18に示すように、内部に流入される燃料によって、第1主翼リブR1の外面側及び第2主翼リブR2の内面側から加圧される。
このため、一般的なパッキンや、シール材では、リブ開口部Oに対する取り付けの利便性や、加圧に対する耐圧性の観点から問題が生じていた。
そこで、主翼内燃料タンクに対する漏洩試験には、ゴム製プラグ(図示せず)が用いられており、例えば第2主翼内燃料タンク101にあっては、第2主翼リブR2に形成された複数のリブ開口部Oを閉塞するようになっている。このゴム製プラグに類似したプラグとして、容易に水漏れ確認作業を行うことができる水圧試験プラグが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
上述したゴム製プラグは、図17に示すようなリブ開口部OにおけるストリンガーSの板厚、リベット頭H及びナットNとの接触を回避するような形状に形成されると共に、漏洩試験時において加圧された際のゴム製プラグ自体の飛び出しを防止するため、第2主翼リブR2のリブフランジFと係合するように、リブ開口部Oの寸法よりも若干大きい寸法に成型されている。このような形状に形成されたゴム製プラグは、所定の位置で締め付けることによってゴム製プラグの一部が突出変形することにより、ゴム製プラグとリブ開口部Oとの間に形成された間隙を閉塞するようになっている。さらに、ゴム製プラグの変形突出によっても閉塞が困難である間隙を閉塞するために、ゴム製プラグに封止部材(図示せず)が巻かれている。
特開2001−336183号公報
翼漏洩試験
しかしながら、上述したゴム製プラグの場合、封止部材を併用することによって十分な密閉性を確保することが可能であるが、ゴム製プラグの寸法がリブ開口部Oの寸法よりも若干大きく成型されているため、取り付けの際に、翼構造に損傷を与えるといった問題が生じている。
また、ゴム製プラグを取り外した後に、封止部材の粘着物が剥離することで、リブ開口部Oの近傍に付着してしまうため、この粘着物の除去に労力を要するといった問題も生じている。
さらに、ゴム製プラグを製造するに際し、特殊な設備や、ノウハウを必要とするため、特定の業者に依頼しなければならないといった問題も生じている。
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、製造コストの抑制と共に、着脱作業に対する作業者負担の軽減を図ることが可能な漏洩試験用プラグを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る漏洩試験用プラグは、
航空機の主翼燃料タンクの漏れを検出する際に主翼内のリブに形成されたリブ開口部を閉塞する漏洩試験用プラグにおいて、
基板とこれに固定され前記リブ開口部に係合する係止手段とを備え、前記リブ開口部の一側から前記基板を前記リブ開口部に嵌合させる嵌合部材と、
前記リブを挟んで前記リブ開口部の他側に前記嵌合部材と対向して配置され前記リブ開口部周辺まで広がる押圧部材と、
前記押圧部材に当接するように配置された圧縮変形する封止部材と、
前記嵌合部材と前記押圧部材とを連結する連結手段とを具備し、
前記嵌合部材は、前記係止手段によって前記リブに係止支持され、前記封止部材は、前記押圧部材に押圧されて変形し、前記嵌合部材と前記リブ開口部との間に形成された間隙を閉塞することを特徴とする。
航空機の主翼燃料タンクの漏れを検出する際に主翼内のリブに形成されたリブ開口部を閉塞する漏洩試験用プラグにおいて、
基板とこれに固定され前記リブ開口部に係合する係止手段とを備え、前記リブ開口部の一側から前記基板を前記リブ開口部に嵌合させる嵌合部材と、
前記リブを挟んで前記リブ開口部の他側に前記嵌合部材と対向して配置され前記リブ開口部周辺まで広がる押圧部材と、
前記押圧部材に当接するように配置された圧縮変形する封止部材と、
前記嵌合部材と前記押圧部材とを連結する連結手段とを具備し、
前記嵌合部材は、前記係止手段によって前記リブに係止支持され、前記封止部材は、前記押圧部材に押圧されて変形し、前記嵌合部材と前記リブ開口部との間に形成された間隙を閉塞することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、基板とこれに固定されリブ開口部に係合する係止手段とを備え、リブ開口部の一側から基板をリブ開口部に嵌合させる嵌合部材と、リブを挟んでリブ開口部の他側に嵌合部材と対向して配置されリブ開口部周辺まで広がる押圧部材と、押圧部材に当接するように配置された圧縮変形する封止部材と、嵌合部材と押圧部材とを連結する連結手段とを具備し、嵌合部材は、係止手段によってリブに係止支持され、封止部材が、押圧部材に押圧されて変形し、嵌合部材とリブ開口部との間に形成された間隙を閉塞するので、漏洩試験において嵌合部材が加圧された際に、リブ開口部からの飛び出しを防止すると共に、各構成部品を特殊な形状に成型する必要がなくなるため、漏洩試験用プラグの密閉性を維持しながら構成の簡素化を図ることができる。
請求項2に記載の発明に係る漏洩試験用プラグは、前記連結手段が、1又は複数の締付部材からなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、連結手段が、1又は複数の締付部材からなるので、簡易な構造によって、嵌合部材と押圧部材とを強固に連結することができる。
請求項3に記載の発明に係る漏洩試験用プラグは、前記封止部材が、剥離可能な粘着部材であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、封止部材が、剥離可能な粘着部材であるので、封止部材のみを交換することにより、押圧部材及び嵌合部材を繰り返し使用することができる。
請求項4に記載の発明に係る漏洩試験用プラグは、前記嵌合部材が、接触に起因する損傷を防止する保護部材を具備することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、嵌合部材が、接触に起因する損傷を防止する保護部材を具備するので、嵌合部材をリブ開口部に嵌合させる際に、リブ開口部の周辺の翼構造と接触した場合であっても、翼構造及び嵌合部材自体の損傷を防止することができる。
本発明によれば、本発明に係る漏洩試験用プラグによれば、基板とこれに固定されリブ開口部に係合する係止手段とを備え、リブ開口部の一側から基板をリブ開口部に嵌合させる嵌合部材と、リブを挟んでリブ開口部の他側に嵌合部材と対向して配置されリブ開口部周辺まで広がる押圧部材と、押圧部材に当接するように配置された圧縮変形する封止部材と、嵌合部材と押圧部材とを連結する連結手段とを具備し、嵌合部材は、係止手段によってリブに係止支持され、封止部材が、押圧部材に押圧されて変形し、嵌合部材とリブ開口部との間に形成された間隙を閉塞するので、漏洩試験において嵌合部材が加圧された際に、リブ開口部からの飛び出しを防止すると共に、各構成部品を特殊な形状に成型する必要がなくなるため、漏洩試験用プラグの密閉性を維持しながら構成の簡素化を図ることができる。
また、連結手段が、1又は複数の締付部材からなるので、簡易な構造によって、嵌合部材と押圧部材とを強固に連結することが可能となり、着脱作業に対する作業者負担の軽減を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1から図3を参照しながら、本発明に係る漏洩試験用プラグについて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態における漏洩試験用プラグ1には、リブ開口部Oに嵌合させるための断面形状コ字状の嵌合部材2が具備されている。
図1から図3を参照しながら、本発明に係る漏洩試験用プラグについて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態における漏洩試験用プラグ1には、リブ開口部Oに嵌合させるための断面形状コ字状の嵌合部材2が具備されている。
嵌合部材2には、図2に示すように、略矩形状の基板3が具備されており、この基板3の面上には、長手方向に沿って等間隔に離間した位置に、複数の第1ボルト挿入孔4が穿設されている。また、基板3の長手方向に沿って平行な両縁端には、等間隔に離間した位置に、複数の第2ボルト挿入孔5と、複数の第3ボルト挿入孔6とがそれぞれ穿設されている。これら第2ボトル挿入孔5及び第3ボルト挿入孔6には、図1に示すように、他面側から面取り加工が施されると共に、円錐面を除いた内周壁面には、雌ねじが螺刻されている。
基板3の一面には、図1に示すように、断面形状L字状の固定板7が設けられている。固定板7には、図2に示すように、略矩形状の基部8が具備されており、この基部8の長手方向と直交する方向の一縁端に沿って固定部9が延設されている。また、固定板7の固定部9であって、第2ボルト挿入孔5と同一間隔に離間した位置には、複数の第2ボルト挿通孔10が穿設されており、これら第2ボルト挿通孔10の内周壁面には、雌ねじが螺刻されている。
このように構成された固定板7は、基板3の固定板7が設けられた面と反対側の面から挿入された固定ボルト11を、第2ボルト挿入孔5及び第2ボルト挿通孔10に螺合させ、その先端部をかしめることにより、基板3に固定されている。また、固定板7の基板の一面側には、接触による損傷を防止するための保護部材12が設けられている。
また、基板3の固定板7が設けられた面と同一面上には、図1に示すように、断面形状クランク状の係止板13が設けられている。係止板13には、図2に示すように、略長方形状の基部14が具備されており、この基部14の長手方向と直交する方向の両縁端には、固定部15及び係止部16が延設されている。この係止板13の固定部15には、第3ボルト挿入孔6と同一間隔に離間した位置に、複数の第3ボルト挿通孔17が穿設されており、これら第3ボルト挿通孔17の内周壁面には、雌ねじが螺刻されている。
このように構成された係止板13は、上述した固定板7と同様に、基板3の係止板13が設けられた面と反対側の面から挿入された固定ボルト18を、第3ボルト挿入孔6及び第3ボルト挿通孔17に螺合させ、その先端部をかしめることにより、基板3に固定されている。また、係止板13の係止部16の一面側には、主翼の下面外板Lとの接触による損傷を防止するための保護部材20が設けられている。
固定板7及び係止板13に用いられる固定ボルト11,18は、図1に示すように、頭部が皿状に形成されており、皿頭の円錐面には、密閉性を確保するためのパッキン又はシール材(共に図示せず)が取り付けられている。
一方、基板3であって、上述した固定板7及び係止板13が配設された面と反対側の面には、図3に示すように、板状の押圧部材21が設けられている。この押圧部材21は、略矩形状に形成されているが、押圧部材21の四隅のうち、対角線上に沿って対向する2つの角は、略矩形状に切除された形状となっている。また、押圧部材21には、基板3に穿設された第1ボルト挿入孔4と同一間隔に離間した位置に、第1ボルト挿通孔22が穿設されている。
また、押圧部材21の基板3と対向する側の面上には、封止部材23が貼り付けられている。この封止部材23には、押圧部材21に穿設された第1ボルト挿通孔22と同一間隔に離間した位置に、第1ボルト貫通孔(図示せず)が穿設されている。
このように形成された押圧部材21は、嵌合部材2の一面側から第1ボルト挿入孔4、第1ボルト貫通孔及び第1ボルト挿通孔22に、連結ボルト24を挿入し、押圧部材21の一面上に配置されたナット25と螺合させることにより、上述した嵌合部材2と固定されている。
なお、本実施形態における嵌合部材2及び押圧部材21を構成する部品は、全て金属により成型されているが、所定の強度を有していればよく、本実施形態に限定されず、例えば、プラスチック等の合成樹脂により成型されていてもよい。
次に、本実施形態における漏洩試験用プラグの作用について説明する。
まず始めに、図4から図7を参照しながら、本実施形態における漏洩試験用プラグの取り付け方法について説明する。
図4に示すように、漏洩試験用プラグ1の嵌合部材2を、第2主翼リブR2のリブフランジFが延在する側に、また、封止部材23が貼り付けられた押圧部材21を、第2主翼リブR2を挟んで嵌合部材2と対向する側に配置させる。係止板13のフランジの内表面から基板3の外表面(係止板13の固定面の裏面)までの距離はリブR2のフランジFの高さと等しいかそれより短くされていて、これら嵌合部材2及び押圧部材21を、リブ開口部Oに向って移動させると、嵌合部材2における係止板13の係止部16が、第2主翼リブR2のリブフランジFに、また、押圧部材21の一部が、第2主翼リブR2の壁面に当接されると共に、押圧部材21の封止部材23が貼り付けられた面が、ストリンガーSに設けられたリベット頭H及びナットNと接触することなく、嵌合部材2の固定板7及び係止板13が配設された面と反対側の面に当接する。
まず始めに、図4から図7を参照しながら、本実施形態における漏洩試験用プラグの取り付け方法について説明する。
図4に示すように、漏洩試験用プラグ1の嵌合部材2を、第2主翼リブR2のリブフランジFが延在する側に、また、封止部材23が貼り付けられた押圧部材21を、第2主翼リブR2を挟んで嵌合部材2と対向する側に配置させる。係止板13のフランジの内表面から基板3の外表面(係止板13の固定面の裏面)までの距離はリブR2のフランジFの高さと等しいかそれより短くされていて、これら嵌合部材2及び押圧部材21を、リブ開口部Oに向って移動させると、嵌合部材2における係止板13の係止部16が、第2主翼リブR2のリブフランジFに、また、押圧部材21の一部が、第2主翼リブR2の壁面に当接されると共に、押圧部材21の封止部材23が貼り付けられた面が、ストリンガーSに設けられたリベット頭H及びナットNと接触することなく、嵌合部材2の固定板7及び係止板13が配設された面と反対側の面に当接する。
その後、図5に示すように、連結ボルト24を、嵌合部材2の基板3における第1ボルト挿入孔4及び押圧部材21の第1ボルト挿通孔22に螺合させ、ナット25に締め込む。さらに、連結ボルト24の締め込みが進むと、図6に示すように、押圧部材21が移動方向Xに変位され、これに伴って封止部材23が嵌合部材2との間で押圧される。
このとき、封止部材23は圧縮変形し、押圧部材21の移動方向Xと直交する方向にも変形し、リブ開口部Oと、漏洩試験用プラグ1との間に形成された間隙が閉塞される。最後に、目視によって、間隙の有無を確認し、間隙が形成されていないことを確認して、図7に示すように、一連のプラグ取り付け作業が完了する。
なお、封止部材23による間隙の閉塞が不完全である場合には、残存する間隙にシール材を注入することで対応する等してもよい。
次に、図18を参照しながら、主翼内燃料タンクの漏洩試験方法について説明する。
まず始めに、第1主翼リブR1及び第2主翼リブR2に配設されたリブ開口部Oを、漏洩試験用プラグ1で閉塞させる。この際、各主翼リブR1,R2におけるいずれかのリブ開口部Oは閉塞せず、この開口部Oには、接続器具(図示せず)を嵌合させる。ここで、第1主翼リブR1において、嵌合された接続器具の接続口を、流入口30とする。さらに、流入口30には、チューブを介してテストスタンド31の導入口32と接続する。
まず始めに、第1主翼リブR1及び第2主翼リブR2に配設されたリブ開口部Oを、漏洩試験用プラグ1で閉塞させる。この際、各主翼リブR1,R2におけるいずれかのリブ開口部Oは閉塞せず、この開口部Oには、接続器具(図示せず)を嵌合させる。ここで、第1主翼リブR1において、嵌合された接続器具の接続口を、流入口30とする。さらに、流入口30には、チューブを介してテストスタンド31の導入口32と接続する。
そして、テストスタンド31の電源をONにすると、ヘリウムガスがテストスタンド31の導入口32からチューブを介して第1主翼リブR1の流入口30に導入され、第2主翼内燃料タンクが加圧される。その後、燃料タンク圧力が計測される。
このとき、燃料タンク内の圧力値が所定の数値範囲内で減少していれば、主翼単品では水密性は良好に仕上げられており燃料の漏洩は発生しないと判断される。
以上より、本実施形態における漏洩試験用プラグ1によれば、基板3とこれに固定されリブ開口部Oに係合する係止板13とを備え、リブ開口部Oの一側から基板3をリブ開口部Oに嵌合させる嵌合部材2と、第1主翼リブR1又は第2主翼リブR2を挟んでリブ開口部Oの他側に嵌合部材2と対向して配置されリブ開口部Oの周辺まで広がる押圧部材21と、押圧部材21に当接するように配置された圧縮変形する封止部材23と、嵌合部材2と押圧部材21とを連結する連結ボルト24及びナット25とを具備し、嵌合部材2は、係止板13によって第1主翼リブR1又は第2主翼リブR2に係止支持され、封止部材23が、押圧部材21に押圧されて変形し、嵌合部材2とリブ開口部Oとの間に形成された間隙を閉塞するので、漏洩試験において嵌合部材が加圧された際に、リブ開口部Oからの飛び出しを防止すると共に、各構成部品を特殊な形状に成型する必要がなくなるため、漏洩試験用プラグの密閉性を維持しながら構成の簡素化を図ることができる。
また、連結手段が、1又は複数の連結ボルト24及びナット25からなるので、簡易な構造によって、嵌合部材2と押圧部材21とを強固に連結することが可能となり、着脱作業に対する作業者負担の軽減を図ることができる。
[変形例1]
本実施形態では、漏洩試験用プラグが使用されるリブ開口部Oが略矩形状に形成されているが、リブ開口部Oの形状に応じて設計変更であり、第1変形例として、図8に示すように、リブ開口部Oにおける開口面と平行してリベット40が突出し、リブフランジFがリブ開口部Oの下面側に存在する場合には、図9に示すように、押圧部材21と、嵌合部材2における基板3の形状を変更すると共に、嵌合部材2における固定板7及び係止板13の位置を変更することにより、間隙を閉塞することができる。
本実施形態では、漏洩試験用プラグが使用されるリブ開口部Oが略矩形状に形成されているが、リブ開口部Oの形状に応じて設計変更であり、第1変形例として、図8に示すように、リブ開口部Oにおける開口面と平行してリベット40が突出し、リブフランジFがリブ開口部Oの下面側に存在する場合には、図9に示すように、押圧部材21と、嵌合部材2における基板3の形状を変更すると共に、嵌合部材2における固定板7及び係止板13の位置を変更することにより、間隙を閉塞することができる。
[変形例2]
また、第2変形例として、図10に示すように、リブ開口部Oにおける開口面の形状が略三角形状であって、リブフランジFがリブ開口部Oの下面側に存在する場合には、図11に示すように、押圧部材21と、嵌合部材2における基板3の形状を変更すると共に、嵌合部材2における固定板7及び係止板13の位置を変更することにより、間隙を閉塞することができる。
また、第2変形例として、図10に示すように、リブ開口部Oにおける開口面の形状が略三角形状であって、リブフランジFがリブ開口部Oの下面側に存在する場合には、図11に示すように、押圧部材21と、嵌合部材2における基板3の形状を変更すると共に、嵌合部材2における固定板7及び係止板13の位置を変更することにより、間隙を閉塞することができる。
[変形例3]
さらに、第3変形例として、図12に示すように、リブ開口部Oにおける開口面の形状が複雑な多角形状であって、リブフランジFがリブ開口部Oの近傍に存在しない場合には、図13に示すように、押圧部材21と、嵌合部材2における基板3の形状を変更すると共に、係止板13の形状をクランク状から板状に変更し、係止板13を直接リブ開口部Oの近傍の壁面に係止することにより、間隙を閉塞することができる。
さらに、第3変形例として、図12に示すように、リブ開口部Oにおける開口面の形状が複雑な多角形状であって、リブフランジFがリブ開口部Oの近傍に存在しない場合には、図13に示すように、押圧部材21と、嵌合部材2における基板3の形状を変更すると共に、係止板13の形状をクランク状から板状に変更し、係止板13を直接リブ開口部Oの近傍の壁面に係止することにより、間隙を閉塞することができる。
1 漏洩試験用プラグ
2 嵌合部材
3 基板
7 固定板
12,20 保護部材
13 係止板
16 係止部
21 押圧部材
24 連結ボルト
25 ナット
23 封止部材
100 第1主翼内燃料タンク
101 第2主翼内燃料タンク
F リブフランジ
L 下面外板
O リブ開口部
R1 第1主翼リブ
R2 第2主翼リブ
U 上面外板
2 嵌合部材
3 基板
7 固定板
12,20 保護部材
13 係止板
16 係止部
21 押圧部材
24 連結ボルト
25 ナット
23 封止部材
100 第1主翼内燃料タンク
101 第2主翼内燃料タンク
F リブフランジ
L 下面外板
O リブ開口部
R1 第1主翼リブ
R2 第2主翼リブ
U 上面外板
Claims (4)
- 航空機の主翼燃料タンクの漏れを検出する際に主翼内のリブに形成されたリブ開口部を閉塞する漏洩試験用プラグにおいて、
基板とこれに固定され前記リブ開口部に係合する係止手段とを備え、前記リブ開口部の一側から前記基板を前記リブ開口部に嵌合させる嵌合部材と、
前記リブを挟んで前記リブ開口部の他側に前記嵌合部材と対向して配置され前記リブ開口部周辺まで広がる押圧部材と、
前記押圧部材に当接するように配置された圧縮変形する封止部材と、
前記嵌合部材と前記押圧部材とを連結する連結手段とを具備し、
前記嵌合部材は、前記係止手段によって前記リブに係止支持され、前記封止部材は、前記押圧部材に押圧されて変形し、前記嵌合部材と前記リブ開口部との間に形成された間隙を閉塞することを特徴とする漏洩試験用プラグ。 - 前記連結手段は、1又は複数の締付部材からなることを特徴とする請求項1に記載の漏洩試験用プラグ。
- 前記封止部材は、剥離可能な粘着部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の漏洩試験用プラグ。
- 前記嵌合部材は、接触に起因する損傷を防止する保護部材を具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の漏洩試験用プラグ。
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JP2004343770A JP2006153624A (ja) | 2004-11-29 | 2004-11-29 | 漏洩試験用プラグ |
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---|---|---|---|
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WO2015037660A1 (ja) | 2013-09-11 | 2015-03-19 | 三菱重工業株式会社 | 燃料タンク用ダム、及び閉塞方法 |
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2004
- 2004-11-29 JP JP2004343770A patent/JP2006153624A/ja active Pending
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