JP2006152071A - 放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク及びこれを用いた平版印刷版作製方法 - Google Patents

放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク及びこれを用いた平版印刷版作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線の照射に対して高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインクジェット記録用インク及びこのインクを使用した画像形成方法、並びに現像処理が不要であり、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能な平版印刷版の作製方法を提供すること。
【解決手段】ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の樹脂を含むことを特徴とする、放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクを使用する。また、このインクを支持体上に射出し、放射線を照射することにより画像を得る画像形成方法及び平版印刷版の作製方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク及びこれを用いた平版印刷版の作製方法に関する。詳しくは、放射線の照射に対して高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインクジェット記録用インク及びこのインクを使用した画像形成方法、並びに現像処理が不要であり、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能な平版印刷版の作製方法に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの支持体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。中でもインクジェット方式は、必要とされる画像部のみにインクを射出し支持体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用できる。さらに、装置が簡易でかつ騒音が少ないという点で優れている。
インクジェット方式の画像記録方法では、射出したインクを支持体上に固定するために、インクを空気中で乾燥して溶媒を除去する方法、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクを使用する方法などが採用されている。なかでも、紫外線のような放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク(放射線硬化型インクジェット記録用インク)は、比較的低臭気でかつ速乾性であり、インク吸収性の無い、通常直接記録することが困難な支持体に対しても、滲みがなく、高感度で、支持体への密着性が高い画像を得ることができる。例えば、特許文献1では、かつ皮膚に適用しても刺激性や感作性が少なく安全性が高いインクジェット記録用インクを提供している。このような放射線硬化型インクジェット記録用インクを採用する場合、放射線に対する十分に高い感度と、固定したインクにより形成される画像の高画質化が求められている。放射線に対する感度が十分に高ければ、高い硬化性、放射線源の消費電力の低減、放射線源への負荷軽減による高寿命化、不十分硬化に基づく低分子物質の発生の防止等、多くの利益が生じる。また、高感度化は、特にインクジェット記録用インクをオフセット印刷用の平版印刷版の画像部として使用した場合、画像部の硬化強度が高まることになり、高耐刷性の平版印刷版が得られることになる。
一般に、放射線硬化型の重合性化合物における、放射線に対する感度を高める方法として、種々の光重合開始剤を使用することが開示されている(非特許文献1)。特に、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ミヒラーケトン、アントラキノン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン等が一般的に用いられてきた(例えば、非特許文献1)。しかしながら、これらの光重合開始剤を用いた場合、この光重合開始剤を含むインクジェット記録用インクのような重合性組成物の硬化の感応度が低くなり、画像形成における像露光に長時間を要した。このため細密な画像の場合には、操作にわずかな振動があると良好な画質の画像が再現されず、さらに放射線源のエネルギー放射量を増大しなければならないためにそれに伴なう多大な発熱の放射を考慮する必要があった。加えて熱による組成物の皮膜の変形および変質も生じ易い等の問題があった。
特開2003−192943号公報 ブルース M.モンロー(Bruce M. Monroe)ら著,ケミカル レビュー(Chemical Revue),第93巻,(1993年),pp.435−448.
したがって本発明の目的は、低出力の放射線に対しても高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインクジェット記録用インク及びこのインクを使用した画像形成方法を提供することである。
また、本発明の目的は、現像処理が不要であり、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能な平版印刷版の作製方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、重合性化合物を含むインクを放射線により重合して得た画像の膜の強度が高く、このような画像を使用して得られるオフセット印刷用の平版印刷版の印刷時の耐刷性を改善することである。
本発明者らは検討を重ねた結果、特定の樹脂を重合性化合物と共に使用することにより、低出力の放射線の照射に対しても高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインクジェット記録用インクが得られることを見出した。また、平版印刷版へと応用した時に、高耐刷、かつ高画質の画像形成、保存安定性を満たすことを見出した。
即ち、本発明は、
ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の樹脂を含むことを特徴とする、放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクに関する。
また、本発明は、支持体と、該支持体上に形成された画像とを有する平版印刷版の作製方法であって、
(1)上記インクジェット記録用インクを前記支持体上に射出する工程;及び
(2)前記インクを射出した支持体上に放射線を照射して前記インクを硬化し、前記インクが硬化してなる画像を前記支持体上に形成する工程、
とを有する方法、に関する。
さらに、本発明は、支持体上に画像を形成する方法であって、
(a)前記支持体上に上記インクジェット記録用インクを適用する工程;
(b)前記インクジェット記録用インクに350〜420nmにピーク波長を有する放射線で2000mJ/cm2以下の照射エネルギーで照射して前記インクジェット記録用インクを硬化する工程;及び
(c)前記硬化したインクジェット記録用インクが前記支持体上に画像を形成する工程、
を含む方法、に関する。
本発明のインクジェット記録用インクは、インク中に存在する酸素によりインク中の重合性化合物の硬化反応が阻害されることを回避できるものである。具体的に、インクジェット記録用インク中に本発明の樹脂を添加することにより、インク中に存在する酸素濃度を低下させることができ、ひいてはインク中の重合性化合物が好適に硬化することができ、十分に高硬度のインク被膜を形成することができる。従って、本発明のインクジェット記録用インクは、放射線の照射に対して高感度であり、高画質の画像を形成することができる。
また、本発明のインクジェット記録用インクは、重合終了後もインクジェット記録用インクの硬化物中にとどまり、重合性化合物と良好な相溶性を保持する。従って、従来の光重合開始剤のようなものと異なり、重合終了後も重合性化合物と本発明の樹脂との相分離を生じることなく、保存安定性の良好なインクジェット記録用インクの硬化物を提供する。
さらに、本発明の上記インクジェット記録用インクは、得られた硬化物が優れた強度を有するため、直接平版印刷版を作製することができる。本発明のインクジェット記録用インクを硬化させて平版印刷版として利用した場合、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能な平版印刷版を得ることができる。
本発明により、短波長の放射線照射に対して高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインクジェット記録用インクが提供される。また、本発明により、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能な平版印刷版の作製方法が提供される。
上記のように、本発明は、(1)ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の樹脂を含み、任意に(2)重合性化合物、(3)色材及び(4)その他の添加剤を含むことを特徴とする、放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクに関する。以下、本発明について詳細に説明する。
(1)樹脂
本発明の樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂及びポリエステル樹脂から選択される。本発明の樹脂は、これらの樹脂単独でも、2種以上の混合物であってもよい。また、いずれの樹脂も、側鎖に重合性基を有していてもよい。ここで、重合性基とは、例えば、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基をいい、具体的には、エチレン性不飽和基(例えば、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基等)、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基が挙げられる。
本発明の樹脂の作用は明確ではないが、本発明の上記樹脂を重合性化合物を含むインクジェット記録用インク中に添加することにより、上記樹脂に存在するウレタン基、アミド基、ウレア基、エステル基間の水素結合によって、上記樹脂同士は高い凝集性を有することとなり、ひいては、上記樹脂を含む本発明のインクジェット記録用インクが硬化して成る膜の機械的強度が向上することとなる。また、本発明の樹脂を含むことによって、本発明のインクジェット記録用インクが硬化して成る膜の被膜強度が向上し、被膜形成性に優れるものとなり、膜中の溶存酸素量を低減することができる。
一般的に、このインクジェット記録用インク中に酸素が含まれると、インク中の重合性化合物の重合においてラジカル活性種が失活しやすくなる。従ってインクジェット記録用インク中に溶存酸素量が多いと、酸素がラジカルを失活し易くなり、重合性化合物の重合反応に十分な量のラジカルを供給できなくなる。結果として、インクジェット記録用インクの硬化反応が十分に行われないこととなる。本発明においては、このような問題を回避するため、上記特定の樹脂をインクジェット記録用インクに添加することに関する。添加された本発明の樹脂は、溶存酸素量を良好に低減することができる。従って、酸素による重合阻害を効果的に抑制することができ、インクジェット記録用インクの安定した硬化反応を実現することができる。また、重合性化合物を含むインクジェット記録用インクに放射線を曝露して発生したラジカルは、酸素で失活することなく重合性化合物の重合性基に効率的に作用し、また、重合性化合物の重合反応時も酸素による失活が低減され、重合反応がすみやかに生起・進行し、高硬化度なインクジェット記録用インクの硬化被膜を形成し得るものと推測される。
以上のような理由により、本発明のインクジェット記録用インクを用いて直接平版印刷版を作製した場合においても、インクジェット記録用インクを硬化して成る膜(平版印刷版の記録層)は良好な被膜強度を有し、かつ、高硬度であるので、得られた平版印刷版は、優れた耐刷性を実現するものと考えられる。
また、本発明のインクジェット記録用インクは、高感度であり、且つ、硬化前後において保存安定性に優れたものとなり、ひいては、形成された本発明のインクジェット記録用インクの硬化被膜の強度が高く、このような硬化物を記録層として適用した平版印刷版は、印刷時の耐刷性に優れるものと考えられる。
以下、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂及びポリエステル樹脂について詳細に説明する。
(1-1)ポリウレタン樹脂
本発明で使用するポリウレタン樹脂について説明する。
(i)本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、下記式(1)’で表されるジイソシアネート化合物の少なくとも1種と式(1)”で表されるジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物で表される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂である。
OCN−X0−NCO (1)’
HO−Y0−OH (1)”
(式中、X0、Y0は2価の有機残基を表す。)
本発明のポリウレタン樹脂で、好ましいポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を0.4meq/g以上有するポリウレタン樹脂である。好適に使用されるポリウレタン樹脂は、下記式(1)で表されるジイソシアネート化合物と、式(2)、(3)、(4)のジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物で表される構造単位および/または、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物から由来される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂である。


































Figure 2006152071
式中、L8は置換基を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。必要に応じ、L8中はイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。
1は水素原子、置換基(例えば、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子、(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR113、−OR113、−NHCONHR113、−NHCOOR113、−NHCOR113、−OCONHR113(ここで、R113は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。
10、L11、L12はそれぞれ同一でも相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また必要に応じ、L10、L11、L12中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。なおR1、L10、L11、L12のうちの2または3個で環を形成してもよい。
Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
イ)ジイソシアネート化合物式(1)で示されるジイソシアネート化合物として、具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
ロ)カルボキシル基を含有するジオール化合物また式(2)、(3)または(4)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエリア)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
本発明において、ポリウレタン樹脂の合成に用いられる好ましいテトラカルボン酸2無水物としては、式(5)、(6)、(7)で示されるものが挙げられる。





















Figure 2006152071
式中、L21は単結合、置換基(例えばアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノ、エステル、アミドの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族または芳香族炭化水素基、−CO−、−SO−、−SO2−、−O−または−S−を示す。好ましくは単結合、炭素数1〜15個の二価の脂肪族炭化水素基、−CO−、−SO2−、−O−または−S−を示す。R2、R3は同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、またはハロゲノ基を示す。好ましくは、水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール、炭素数1〜8個のアルコキシ、またはハロゲノ基を示す。またL21、R2、R3のうちの2つが結合して環を形成してもよい。R4、R5は同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル、アラルキル、アリールまたはハロゲノ基をを示す。好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、または炭素数6〜15個のアリール基を示す。またL21、R4、R5のうちの2つが結合して環を形成してもよい。L22、L23は同一でも相違していてもよく、単結合、二重結合、または二価の脂肪族炭化水素基を示す。好ましくは単結合、二重結合、またはメチレン基を示す。Aは単核または多核の芳香環を示す。好ましくは炭素数6〜18個の芳香環を示す。
式(5)、(6)または(7)で示される化合物としては、具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4’−[3,3’−(アルキルホスホリルジフェニレン)−ビス(イミノカルボニル)]ジフタル酸二無水物、ヒドロキノンジアセテートとトリメット酸無水物の付加体、ジアセチルジアミンとトリメット酸無水物の付加体などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンB−4400)、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などの脂環族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環された化合物から由来する構造単位をポリウレタン樹脂中に導入する方法としては、例えば以下の方法がある。
a)テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させて得られたアルコール末端の化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法。
b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法。
またこのとき使用されるジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
ハ)その他のジオール化合物本発明に使用されるポリウレタン樹脂は、より好ましくはさらに、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、またはポリカーボネートジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物で表される構造を有するポリウレタン樹脂である。
ポリエーテルジオール化合物としては、式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)で表される化合物、および、末端に水酸基を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体が挙げられる。







Figure 2006152071

式中、R6は水素原子またはメチル基、Xは、以下の基を表す。

Figure 2006152071

a,b,c,d,e,f,gはそれぞれ2以上の整数を示す。好ましくは2〜100の整数である。
式(A)、(B)で表されるポリエーテルジオール化合物としては具体的には以下に示すものが挙げられる。
すなわち、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、テトラ−1,2−プロピレングリコール、ヘキサ−1,2−プロピレングリコール、ジ−1,3−プロピレングリコール、トリ−1,3−プロピレングリコール、テトラ−1,3−プロピレングリコール、ジ−1,3−ブチレングリコール、トリ−1,3−ブチレングリコール、ヘキサ−1,3−ブチレングリコール、平均分子量1000のポリエチレングリコール、平均分子量1500のポリエチレングリコール、平均分子量2000のポリエチレングリコール、平均分子量3000のポリエチレングリコール、平均分子量7500のポリエチレングリコール、平均分子量400のポリプロピレングリコール、平均分子量700のポリプロピレングリコール、平均分子量1000のポリプロピレングリコール、平均分子量2000のポリプロピレングリコール、平均分子量3000のポリプロピレングリコール、平均分子量4000のポリプロピレングリコール等。
式(C)で示されるポリエーテルジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。三洋化成工業(株)製PTMG650,PTMG1000,PTMG20000,PTMG3000等。
式(D)で示されるポリエーテルジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。三洋化成工業(株)製ニューポールPE−61,ニューポールPE−62,ニューポールPE−64,ニューポールPE−68,ニューポールPE−71,ニューポールPE−74,ニューポールPE−75,ニューポールPE−78,ニューポールPE−108,ニューポールPE−128,ニューポールPE−61等。
式(E)で示されるポリエーテルジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。三洋化成工業(株)製ニューポールBPE−20、ニューポールBPE−20F、ニューポールBPE−20NK、ニューポールBPE−20T、ニューポールBPE−20G、ニューポールBPE−40、ニューポールBPE−60、ニューポールBPE−100、ニューポールBPE−180、ニューポールBP−2P、ニューポールBPE−23P、ニューポールBPE−3P、ニューポールBPE−5P等。
末端に水酸基を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体としては、異体的には以下に示すものが挙げられる。三洋化成工業(株)製ニューポール50HB−100,ニューポール50HB−260,ニューポール50HB−400,ニューポール50HB−660,ニューポール50HB−2000,ニューポール50HB−5100等。
ポリエステルジオール化合物としては、式(8)、(9)で表される化合物が挙げられる。

Figure 2006152071
式中、L1、L2およびL3はそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、L4は2価の脂肪族炭化水素基を示す。好ましくは、L1、L2、L3はそれぞれアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基を示し、L4はアルキレン基を示す。またL1、L2、L3、L4中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフイン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n1、n2はそれぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜100の整数を示す。
ポリカーボネートジオール化合物としては、式(10)で表される化合物がある。

Figure 2006152071
式中、L5はそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは、L5はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基を示す。またL5中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフイン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n3はそれぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜100の整数を示す。
式(8)、(9)または(10)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。具体例中のnは2以上の整数である。

Figure 2006152071








Figure 2006152071







Figure 2006152071




































Figure 2006152071
また更に、カルボキシル基を有せず、イソシアネートと反応しない他の置換基を有してもよいジオール化合物を併用することもできる。
このようなジオール化合物としては、以下に示すものが含まれる。
HO−L6−O−CO−L7−CO−O−L6−OH (11)
HO−L7−CO−O−L6−OH (12)
式中、L6、L7はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L6、L7中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基などを有していてもよい。なおL6、L7で環を形成してもよい。
また式(11)または(12)で示される化合物の具体例としては以下に示すものが含まれる。













































Figure 2006152071













Figure 2006152071










Figure 2006152071











Figure 2006152071
下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。












Figure 2006152071
式中、R7、R8はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、置換基を有してもよいアルキル基、cは上記と同義であり、それぞれ2以上の整数を示し、好ましくは2〜100の整数である。
式(15)、(16)、(17)または(18)で示されるジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
すなわち、式(15)としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール等、式(16)としては、下記に示す化合物等、















Figure 2006152071
式(17)としては、2−ブテン−1,4−ジオール、式(18)としては、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、trans−2−ブテン−1,4−ジオール等。
また、下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。
HO−L6−NH−CO−L7−CO−NH−L6−OH (19)
HO−L7−CO−NH−L6−OH (20)
式中、L6、L7はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L6、L7中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基などを有していてもよい。なおL6、L7で環を形成してもよい。
また式(19)または(20)で示される化合物の具体例としては以下に示すものが含まれる。


Figure 2006152071










Figure 2006152071
さらに、下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。
HO−AR2−(L16−AR3)n−OH (21)
HO−AR2−L16−OH (22)
式中、L16は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を示す。必要に応じ、L16中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。
AR2、AR3は同一でも相違していてもよく、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
nは0〜10の整数を示す。
また式(21)または(22)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、4−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−アセチルカテコール、3−メトキシカテコール、4−フェニルカテコール、4−メチルレゾルシン、4−エチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシン、4−ヘキシルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、4−ベンジルレゾルシン、4−アセチルレゾルシン、4−カルボメトキシレゾルシン、2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、テトラメチルハイドロキノン、テトラクロロハイドロキノン、メチルカルボアミノハイドロキノン、メチルウレイドハイドロキノン、メチルチオハイドロキノン、ベンゾノルボルネン−3,6−ジオール、ビスフェノールA、ブスフェノールS、3,3’−ジクロロビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−チオジフェノール、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4−ビス(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒドロキシエチルエーテル等が挙げられる。下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。






















Figure 2006152071
式中、R1は水素原子、置換基(例えば、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR113、−OR113、−NHCONHR113、−NHCOOR113、−NHCOR113、−OCONHR113、−CONHR113(ここで、R113は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L10、L11、L12はそれぞれ同一でも相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲンの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。必要に応じて、L10、L11、L12中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。なお、R1、L10、L11、L12のうちの2または3個で環を形成してもよい。
Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。Z0は下記の基を示す。






Figure 2006152071
式中、R107、R108はそれぞれ同一でも相違していてもよく、水素原子、ナトリウム、カリウム、アルキル基、アリール基を示し、好ましくは水素原子、炭素原子1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。
式(23)、(24)または(25)で示されるホスホン酸、リン酸および/またはこれらのエステル基を有するジオール化合物は、例えば以下に示す方法により合成される。
以下の式(26)、(27)、(28)で示されるハロゲン化合物のヒドロキシ基を必要に応じて保護した後、式(29)で表されるMichaelis-Arbuzov反応によりホスホネートエステル化し、さらに必要により臭化水素等により加水分解することにより合成が行われる。





















Figure 2006152071
式中、R1、L10、L11、L12およびArは式(23)、(24)、(25)の場合と同義である。R109はアルキル基、アリール基を示し、好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基を示す。R110は式(26)、(27)、(28)のX01を除いた残基であり、X01はハロゲン原子、好ましくはCl、Br、Iを示す。
また、式(30)で表されるオキシ塩化リンとの反応後、加水分解させる方法により合成が行われる。

Figure 2006152071
式中、R110は式(29)の場合と同義であり、Mは水素原子、ナトリウムまたはカリウムを示す。
本発明のポリウレタン樹脂がホスホン酸基を有する場合、式(1)で示されるジイソシアネート化合物と、式(23)、(24)または(25)で示されるホスホン酸エステル基を有するジオール化合物を反応させ、ポリウレタン樹脂化した後、臭化水素等により加水分解することで合成してもよい。
さらに、下記に示すアミノ基含有化合物も、ジオール化合物と同様、式(1)で表されるジイソシアネート化合物と反応させ、ウレア構造を形成してポリウレタン樹脂の構造に組み込まれてもよい。

Figure 2006152071
式中、R106、R108はそれぞれ同一でも相違していてもよく、水素原子、置換基(例えばアルコキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、エステル、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール基を示し、好ましくは水素原子、置換基としてカルボキシル基を有していてもよい炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L17は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L17中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド基などを有していてもよい。なおR106、L17、R108のうちの2個で環を形成してもよい。
また式(31)、(32)で示される化合物の具体例としては以下に示すものが含まれる。
すなわち、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、プロパン−1,2−ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−アミノ−2,2−6,6−テトラメチルピペリジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、リジン、L−シスチン、イソホロンジアミン等のような脂肪族ジアミン化合物;o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、ベンジジン、o−ジトルイジン、o−ジアニシジン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン、ビス−(4−アミノフェニル)スルホン、4−カルボキシ−o−フェニレンジアミン、3−カルボキシ−m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、1,8−ナフタレンジアミン等のような芳香族ジアミン化合物;2−アミノイミダゾール、3−アミノトリアゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、4−アミノピラゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−アミノ−5−カルボキシ−トリアゾール、2,4−ジアミノ−6−メチル−S−トリアジン、2,6−ジアミノピリジン、L−ヒスチジン、DL−トリプトファン、アデニン等のような複素環アミン化合物;エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−アミノエトキシエタノール、2−アミノチオエトキシエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、4−メチル−2−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−メトキシ−3−アミノフェノール、4−ヒドロキシベンジルアミン、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノサリチル酸、4−ヒドロキシ−N−フェニルグリシン、2−アミノベンジルアルコール、4−アミノフェネチルアルコール、2−カルボキシ−5−アミノ−1−ナフトール、L−チロシン等のようなアミノアルコールまたはアミノフェノール化合物。
本発明のポリウレタン樹脂は、上記イソシアネート化合物およびジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知の触媒を添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネートおよびジオール化合物のモル比は好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類またはアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
本発明のポリウレタン樹脂は、カルボキシル基が0.4meq/g以上含まれていることが必要であり、特に0.4〜3.5meq/gの範囲で含まれていることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは質量平均で1000以上であり、さらに好ましくは5000〜50万の範囲である。
これらの高分子化合物は単独で用いても混合して用いてもよい。感光性組成物中に含まれる、これら高分子化合物の含有量は約5〜95質量%、好ましくは約10〜90質量%である。
(ii)ポリウレタン樹脂のより好ましい具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。具体例の大部分は、使用したジイソシアネート化合物とジオール化合物との組合せで示している。また、カルボキシル基含有量を酸価として示す。
Figure 2006152071




Figure 2006152071




























Figure 2006152071


























Figure 2006152071
Figure 2006152071









Figure 2006152071






























Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071
Figure 2006152071









Figure 2006152071
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Figure 2006152071
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Figure 2006152071
Figure 2006152071

















Figure 2006152071
Figure 2006152071









Figure 2006152071
Figure 2006152071














Figure 2006152071





























Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071













Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071
(iii)ポリウレタン樹脂の合成例
<合成例1>
500mlの3つ口フラスコに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート125gと2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸67gをジオキサン290mlに溶解した。N,N−ジエチルアニリンを1gを入れた後ジオキサン還流下6時間攪拌した。反応後、水4L、酢酸40ccの溶液に少しずつ加えポリマーを析出させた。この固体を真空乾燥させることにより185gのポリウレタン樹脂(1)を得た。酸含有量は2.47meq/gであつた。GPCにて分子量を測定したところ質量平均(ポリスチレン標準)で28,000であった。
<合成例2〜13>
上記合成例1において、出発物質を下記表39のジイソシアネート化合物及びジオール化合物に代えた以外は、合成例1と同様にして、ポリウレタン樹脂(2)〜(13)を合成した。









































Figure 2006152071






Figure 2006152071
(1-2)ポリアミド樹脂
本発明で使用し得るポリアミド樹脂は、側鎖にカルボキシ基を有するものが好ましい。より好ましくは、側鎖にカルボキシ基を有するポリアミド樹脂は、以下の(1)又は(2)の方法等により合成することができる。
(1)ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物を反応させる。
(2)ジアミン化合物とジカルボン酸またはその誘導体とを過剰に反応させて末端にアミノ基を有するポリアミド樹脂を合成し、次いでテトラカルボン酸二無水物を反応させる。
前記方法(1)又は(2)において使用されるジアミン化合物としては、以下に示すものを例として挙げる事ができる。
エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,5−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデセン、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、2,2'−(エチレンジオキシ)−ビス(エチレンアミン)、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、などの脂肪族ジアミン、1,2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4,5−ジメチル−1,2−フェニレンジアミン、4,5−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン、4,4‘−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアミン、2,3−ジアミノナフタレン、1,5―ジアミノナフタレン、p−キシレンジアミン、4−アミノベンジルアミン、2−(4−アミノフェニル)エチレンアミン、ビス(4−アミノフェニルメタン)、ビス(4−アミノフェニル)エーテルなどの芳香族ジアミン等が挙げられ、中でも、芳香族を有するジアミン化合物、炭素数2〜10の脂肪族ジアミン化合物が特に好ましい。
前記方法(1)または(2)において使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。

Figure 2006152071
一般式(I)中、Rは少なくとも2個の炭素原子を有する4価の有機基を表す。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−{3,3’(アルキルホスホリルジフェニレン)−ビス(イミノカルボニル)}ジフタル酸二無水物、ヒドロキノンジアセテートとトリメリット酸無水物の付加体、ジアセチルジアミンとトリメリット酸無水物の付加体などの芳香族テトラカルボン酸二無水物。ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族または脂環族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、中でも、芳香族テトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
前記方法(2)において使用されるジカルボン酸またはその誘導体としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、カルボキシノルボルナン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ヒドロキシベンジリデンマロン酸、3−ヒドロキシフタル酸などのジカルボン酸またはその誘導体等が挙げられ、中でも、芳香族を有するジカルボン酸またはその誘導体、炭素数2〜10の脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体が特に好ましい。
本発明で使用し得るポリアミド樹脂は、例えば「新高分子実験学3 高分子の合成・反応(2)」高分子学会 編 共立出版株式会社発行に記載されている方法により容易に製造することができる。
本発明で使用し得るポリアミド樹脂中のカルボキシ基含有量としては、本発明のポリアミド樹脂1g中、0.4meq/g以上有しているものが好ましく、0.8〜2.0meq/g有しているものがより好ましい。含有量がこの範囲内において、本発明のインクジェット記録用インクのような重合性組成物を平版印刷版の記録層として適用した場合、優れた現像性および耐刷性を得ることができる。
また、本発明のポリアミド樹脂は、側鎖に炭素−炭素不飽和結合を有することが好ましい態様である。炭素−炭素不飽和結合とは、エチレン性およびアセチレン性結合の両者を指すが、好ましくはエチレン性結合である。中でも下記一般式(II)〜(V)で表される結合が好ましい。

Figure 2006152071
一般式(II)において、R5〜R7はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R5としては、好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。また、R6、R7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R17)−を表し、R17は、水素原子、又は1価の有機基を表す。ここで、R17は、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
上記一般式(III)において、R8〜R12はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R8〜R12は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、反応性の点で好ましい。
ここで導入し得る置換基としては、一般式(II)と同様のものが例示される。また、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R17)−を表す。R18は、一般式(II)のR17の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
上記一般式(IV)において、R13〜R15はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R13としては、好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。R14、R15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、一般式(II)と同様のものが例示される。また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R18)−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R18は、一般式(II)のR17の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(V)において、R16は、水素原子又は1価の有機基を表す。R16で表される1価の有機基としては、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基などが挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、置換基を有していてもよいフェニル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。また、Aは、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。中でも、メチレン基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、一般式(II)と同様のものが例示される。
炭素−炭素不飽和結合は、以下の(3)、(4)の方法などにより導入することが可能である。
(3)前記(1)または(2)の方法において使用した、ジカルボン酸またはその誘導体として、炭素−炭素不飽和結合を有するジカルボン酸またはその誘導体を使用する、或いは、併用する。
(4)前記(1)または(2)の方法により合成された側鎖にカルボキシ基を有する特定ポリアミド樹脂のカルボキシ基の一部を、炭素−炭素不飽和結合を有するハロゲン化物またはエポキシ化合物と反応させる。
前記方法(3)において使用される炭素−炭素不飽和結合を有するジカルボン酸またはその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ハイミック酸、p−フェニレンジアクリル酸、m−フェニレンジアクリル酸、シンナミリデンマロン酸、p−カルボキシ桂皮酸、等のジカルボン酸またはその無水物、エステル誘導体などが挙げられ、中でも、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、p−フェニレンジアクリル酸、m−フェニレンジアクリル酸のジカルボン酸またはその無水物、エステル誘導体などが特に好ましい。
前記方法(4)において使用される炭素−炭素不飽和結合を有するハロゲン化物またはエポキシ化合物としては、例えば、アリルブロミド、2−ブテニルブロミド、1−フェニル−1−プロペニル−3−ブロミド、2−ブロモエチルシンナメート、ブロモメチルスチレン、クロロメチルスチレン、プロパルギルブロミド、ブロモ−2−ブチン等のハロゲン化合物、アリルグリシジルエーテル、2−ブテニルグリシジルエーテル、1−フェニル−プロペニルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、プロパルギルグリシジルエーテル、下記化合物等の環状エポキシ化合物が挙げられ、中でも、アリルブロミド、クロロメチルスチレン、プロパルギルブロミドのハロゲン化合物、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、下記化合物等の環状エポキシ化合物が特に好ましい。






















Figure 2006152071
本発明のポリアミド樹脂中の炭素−炭素不飽和結合の含有量としては、特定ポリアミド樹脂1gに対して、0.1meq/g以上含有していることが好ましく、0.5meq/g以上3.0meq/g以下がより好ましい。含有量がこの範囲内において、本発明のインクジェット記録用インクは保存安定性に優れたものとなり、また、本発明のインクジェット記録用インクを平版印刷版原版の記録層として適用した場合、耐刷性に優れたものとなる。
また、本発明のポリアミド樹脂は、その分子内に芳香族基を10質量%以上有することが好ましく、20質量%以上有することが特に好ましい。
本発明のポリアミド樹脂の質量平均分子量としては、好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは3万〜15万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは30,000〜12万の範囲である。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。質量平均分子量がこの範囲内において、本発明のインクジェット記録用インクは保存安定性に優れたものとなり、また、本発明のインクジェット記録用インクを平版印刷版原版の記録層として適用した場合、耐刷性に優れたものとなる。
また、本発明のポリアミド樹脂の鎖中には、他の結合、例えば、ウレタン、エステル、ウレイド、エーテル結合などを有してもよい。
本発明のポリアミド樹脂は単独で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、本発明のポリアミド樹脂の他に、例えば後述する(E)他のバインダーポリマーなどの他の高分子化合物を混合して使用することができる。この場合、他の高分子化合物は、特定ポリアミド樹脂を含む全高分子化合物中で90質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60質量%以下である。
本発明のインクジェット記録用インク中に含まれるポリアミド樹脂の含有量は固形分で約5〜95質量%であり、好ましくは、約10〜70質量%である。添加量がこの範囲内において、本発明のインクジェット記録用インクは保存安定性に優れたものとなり、また、本発明のインクジェット記録用インクを平版印刷版の記録層として適用した場合、耐刷性に優れたものとなる。
<ポリアミド樹脂の合成例>
下記表41に記載の配合において、ジアミノ化合物[表中(a)成分に該当]をN,N−ジメチルアセトアミドで30wt%になるように溶解し、窒素気流下、0℃に冷却し、カルボン酸誘導体[表中(b)成分に該当]を加えた。3時間攪拌した後に、テトラカルボン酸二無水物[表中(c)成分に該当]を攪拌しながら加え、60℃で3時間反応させた。室温まで冷却した後に、メチルエチルケトンを加え10wt%に希釈した。不飽和基含有エポキシ化合物[表中(d)成分に該当]あるいは不飽和基含有ハロゲン化アルキル化合物[表中(e)成分に該当]、p-メトキシフェノール500ppm、テトラブチルアンモニウムブロミド5wt%を加えた後に、80℃に加熱して、10時間反応させて、側鎖に炭素-炭素不飽和結合を導入した。N,N−ジメチルアセトアミドの10倍量の水に注ぎ、特定ポリアミド樹脂を得た。なお、ここで用いた(a)〜(e)成分の構造についても下記表41に示す。





















Figure 2006152071











Figure 2006152071













Figure 2006152071
(1-3)ポリエステル樹脂
本発明で使用し得るポリエステル樹脂は、好ましくは、次の(1)又は(2)の方法等により合成できる。
(1)前記(1-1)ポリウレタン樹脂の項で述べた式(1)”、好ましくは式(2)、(3)、(4)のジオール化合物と、ジカルボン酸又はその誘導体と、を反応させる。
(2)ジオール化合物と、ジカルボン酸又はその誘導体と、を過剰に反応させて末端に水酸基を有するポリエステル樹脂を合成し、次いでテトラカルボン酸二無水物を反応させる。
方法(1)においては、更にカルボキシル基を有しないジオール化合物を併用することもできる。該ジオール化合物としては、方法(2)において使用されるジオール化合物と同様のものが使用できる。
方法(1)において併用されるジオール化合物、及び方法(2)で使用されるジオール化合物としては、例えば、以下に示すものを挙げることができる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β?ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレートなどが挙げられる。
これらの中でも、方法(1)又は(2)に併用されるジオール化合物としては、芳香族基を有するジオール化合物、炭素数2〜10の脂肪族ジオール化合物が特に好ましい。
方法(1)又は(2)において使用される、ジカルボン酸又はその誘導体としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、カルボキシノルボルナン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ヒドロキシベンジリデンマロン酸、3−ヒドロキシフタル酸などのジカルボン酸又はその誘導体等が挙げらる。
これらの中でも、方法(1)又は(2)において使用されるジカルボン酸又はその誘導体としては、芳香族基を有するジカルボン酸又はその誘導体、炭素数2〜10の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体が特に好ましい。
前記方法(2)法において使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物を挙げることができる。

Figure 2006152071
一般式(II)中、Rは少なくとも2個の炭素原子を有する4価の有機基を表す。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−{3,3’(アルキルホスホリルジフェニレン)−ビス(イミノカルボニル)}ジフタル酸二無水物、ヒドロキノンジアセテートとトリメリット酸無水物の付加体、ジアセチルジアミンとトリメリット酸無水物の付加体などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの中でも、芳香族テトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、例えば、緒方 著「講座 重合反応論9 重縮合」化学同人社発行、或いは、特開昭60−165646号公報、米国特許3,622,320号明細書に記載されている方法により容易に製造することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、耐刷性の観点からは、芳香族基を5質量%以上含むことが好ましく、10質量%以上含むことがより好ましく、20質量%以上含むことが特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂中のカルボキシル基含有量としては、ポリエステル樹脂1g中、0.4meq/g以上であることが、現像性の点で好ましく、0.8meq/g〜2.0meq/gであることが、インクジェット記録用インクは保存安定性に優れたものとなり、また、本発明のインクジェット記録用インクを平版印刷版原版の記録層として適用した場合、耐刷性に優れたものとなる。
方法(1)又は(2)においては、末端水酸基となるように側鎖カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成し、更に、このポリエステル樹脂に当該末端水酸基と反応しうる官能基を分子中に2個以上有する化合物(鎖延長剤と呼ぶ)を反応させて高分子量化することも可能である。
末端水酸基と反応しうる官能基を有する鎖延長剤としては、例えば、ジアリールオキザレート化合物、ジアリールフタレート化合物、ジアリールカーボネート化合物、ビス(N-アシルラクタム)化合物、ビス(N-アシルイミド)化合物、ビスベンゾオキサジノン化合物、ポリイソシアネート化合物、ビスオキサゾロン化合物、ビス(N−アシルイミダゾール)化合物、アルコキシシラン化合物、シラノール化合物、フロキサン化合物、ビスアジリジン化合物、ポリイソチオシアネート化合物、ジビニルエーテル化合物、ジケテンアセタール化合物、不飽和シクロアセタール化合物、ビスカルボジイミド化合物等の化合物が挙げられる。
鎖延長剤との反応による高分子量ポリエステル樹脂は、例えば、特開昭60−191244号公報に記載されている方法により容易に合成することができる。
また、本発明のポリエステル樹脂は、側鎖に炭素−炭素不飽和結合を有することが好ましい態様である。炭素−炭素不飽和結合とは、エチレン性及びアセチレン性結合の両者を指すが、好ましくはエチレン性結合である。中でも下記一般式(III)〜(VI)で表される結合が好ましい。

























Figure 2006152071
一般式(III)において、R5〜R7は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R5としては、好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。また、R6、R7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R17)−を表し、R17は、水素原子、又は1価の有機基を表す。ここで、R17は、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
上記一般式(IV)において、R8〜R12は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R8〜R12は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、反応性の点で好ましい。
ここで導入し得る置換基としては、一般式(III)と同様のものが例示される。また、Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R17)−を表す。R18は、一般式(III)のR17の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
上記一般式(V)において、R13〜R15は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R13としては、好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。R14、R15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、一般式(III)と同様のものが例示される。また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R18)−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R18は、一般式(III)のR17の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(VI)において、R16は、水素原子又は1価の有機基を表す。R16としては、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族基などが挙げられる。これらの中でも、水素原子、メチル基、置換基を有していてもよいフェニル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
Aは、置換基を有してもよいアルキレン基、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。これらの中でも、メチレン基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
炭素−炭素不飽和結合は、以下の(3)、(4)の方法などにより導入することが可能である。
(3)前記(1)又は(2)の方法において使用した、ジカルボン酸又はその誘導体として、炭素−炭素不飽和結合を有するジカルボン酸又はその誘導体を使用する、或いは、併用する。
(4)前記(1)又は(2)の方法により合成された側鎖にカルボキシ基を有する特定ポリエステル樹脂のカルボキシ基の一部を、炭素−炭素不飽和結合を有するハロゲン化物又はエポキシ化合物と反応させる。
前記方法(3)において使用される炭素−炭素不飽和結合を有するジカルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ハイミック酸、p−フェニレンジアクリル酸、m−フェニレンジアクリル酸、シンナミリデンマロン酸、p−カルボキシ桂皮酸、等のジカルボン酸又はその無水物、エステル誘導体などが挙げられ、中でも、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、p−フェニレンジアクリル酸、m−フェニレンジアクリル酸のジカルボン酸又はその無水物、エステル誘導体などが特に好ましい。
前記方法(4)において使用される炭素−炭素不飽和結合を有するハロゲン化物又はエポキシ化合物としては、例えば、アリルブロミド、2−ブテニルブロミド、1−フェニル−1−プロペニル−3−ブロミド、2−ブロモエチルシンナメート、ブロモメチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン、プロパルギルブロミド、ブロモ−2−ブチン等のハロゲン化合物、アリルグリシジルエーテル、2−ブテニルグリシジルエーテル、1−フェニル−プロペニルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、プロパルギルグリシジルエーテル、下記化合物等のエポキシ化合物が挙げられ、中でも、アリルブロミド、クロロメチルスチレン、プロパルギルブロミドのハロゲン化合物、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、下記化合物等の環状エポキシ化合物が特に好ましい。

Figure 2006152071
本発明のポリエステル樹脂中の炭素−炭素不飽和結合の含有量としては、ポリエステル樹脂1gに対して、0.1meq/g以上含有していることが好ましく、0.5meq/g以上3.0meq/g以下がより好ましい。0.1meq/g以上であれば、炭素-炭素不飽和結合導入による高耐刷化効果が充分に得られ、3.0meq/g以下であれば十分な保存安定性が得られる傾向にある。
本発明のポリエステル樹脂の質量平均分子量としては、好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは4万〜15万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは30,000〜12万の範囲である。
多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲である。質量平均分子量がこの範囲内において、本発明のインクジェット記録用インクは保存安定性に優れたものとなり、また、本発明のインクジェット記録用インクを平版印刷版の記録層として適用した場合、耐刷性に優れたものとなる。
また、本発明のポリエステル樹脂の鎖中には、他の結合、例えば、ウレタン、エステル、ウレイド、エーテル結合などを有してもよい。
本発明のポリエステル樹脂は単独で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記ポリエステル樹脂の他に、例えば後述する(E)他のバインダーポリマーなどの他の高分子化合物を混合して使用することができる。この場合、他の高分子化合物は、本発明のポリエステル樹脂を含む全高分子化合物中で90質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60質量%以下である。
本発明のインクジェット記録用インク中に含まれるポリエステル樹脂の含有量は固形分で約10〜95質量%であり、好ましくは、約30〜85質量%である。添加量がこの範囲内において、本発明のインクジェット記録用インクは保存安定性に優れたものとなり、また、本発明のインクジェット記録用インクを平版印刷版原版の記録層として適用した場合、耐刷性に優れたものとなる。
<ポリエステル樹脂1〜12の合成例>
ジカルボン酸成分及びジオール成分の混合物(下記表42及び43に記載の各組成)に、ジブチル錫ジラウリレート0.5wt%を加え、窒素ガス雰囲気下で、180℃に加温して3時間攪拌反応させた。同温度で反応器内の圧力を減圧して、50mHgとして、更に3時間加熱攪拌しながら、留出物を留去した。反応器を室温に戻した後に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを加えて60wt%溶液とした後に、表42及び43に記載のテトラカルボン酸二無水物を攪拌しながら加えた。110℃に昇温して、8時間反応させた後、メチルエチルケトンで希釈して20wt%溶液とした。
以上のようにして、ポリエステル樹脂1〜12を得た。




























Figure 2006152071










Figure 2006152071
(1-4)ポリウレア樹脂
本発明に用いられるポリウレア樹脂は、水不溶性且つアルカリ可溶性であることが好ましく、そのポリマー主鎖に尿素結合を有するものであれば特に制限はない。
ここで、尿素結合とは、一般的には「−NH−CO−NH−」のことを指すが、本発明における尿素結合とは、上記「−NH−」の水素部分が任意の置換基により置換されている構造も包含するものと定義する。
本発明における尿素結合としては、例えば、下記一般式(a)で表されるものが挙げられる。

Figure 2006152071
式(a)中、Ra、Ra'は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。ここで、本発明においては、Ra、Ra'の双方が水素原子であるものが好ましい。
ここで、Ra、Ra'がアルキル基である場合には、炭素数1〜20程度のものが好ましく、炭素数1〜6程度のものがより好ましい。Ra、Ra'がアリール基である場合には、炭素数6〜24程度のものが好ましく、炭素数6〜15程度のものがより好ましい。Ra、Ra'がアラルキル基である場合には、炭素数7〜24程度のものが好ましく、炭素数7〜15程度のものがより好ましい。また、RaおよびRa'で表される置換基の少なくとも一方と、該置換基が結合している窒素原子の他方の結合手と、が互いに結合して環構造を形成していてもよく、例えば下記式で表される如き結合もまた、本発明における尿素結合に包含される。
Figure 2006152071
このような尿素結合をポリマー主鎖に導入する方法の1つとしては、イソシアネート基と1級あるいは2級アミンとを反応させる方法が挙げられる。本発明においては、下記一般式(I)で表されるジイソシアネート化合物の少なくとも1種と、下記一般式(II)、(III)および(IV)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物の少なくとも1種と、1級あるいは2級アミンを有する化合物などのポリマー主鎖に尿素結合を導入しうる化合物の少なくとも1種と、からなる反応生成物を基本骨格とする高分子化合物が好ましい。















Figure 2006152071
式(I)中、R1は二価の連結基を表す。そのような連結基としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または、芳香族炭化水素が挙げられ、好ましくは、炭素数2〜12のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられる。アリーレン基としては、2つ以上の環構造が単結合またはメチレン基などの2価の有機連結基により結合されたものや、縮合多環構造を形成したものであってもよい。また、必要に応じ、R1は式(I)におけるイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド基を有していてもよい。
さらに、R1は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)などが好ましい。
また、本発明に用いられるジイソシアネート化合物としては、上記一般式(I)で表される範囲のもの以外にも、例えば、後述するジオール化合物からなるオリゴマーまたはポリマーなどの高分子化合物の両末端に、イソシアネート基を有する高分子量のジイソシアネート化合物などを用いることもできる。
このようなジイソシアネート化合物の具体例としては以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の如き脂肪環ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等の如きジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネートが耐刷性、耐薬品性の観点より好ましい。
式(II)中、R2は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基を表す。ここで、R2は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR6、−OR6、−NHCONHR6、−NHCOOR6、−NHCOR6、−OCONHR6、−CONHR6(ここで、R6は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などが挙げられる。
好ましいR2としては水素原子、炭素数1〜8個の無置換のアルキル基、炭素数6〜15個の無置換のアリール基が挙げられる。
式(II)、(III)又は(IV)中、R3、R4、R5はそれぞれ同一でも相異していてもよく、単結合、または二価の連結基を表す。そのような二価の連結基としては、脂肪族炭化水素、または、芳香族炭化水素が挙げられる。ここで、R3、R4、R5は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)などが挙げられる。
好ましいR3、R4、R5としては、炭素数1〜20個の無置換のアルキレン基、炭素数6〜15個の無置換のアリーレン基が挙げられ、更に好ましいものとしては炭素数1〜8個の無置換のアルキレン基が挙げられる。また、必要に応じて、R3、R4、R5は上記式(I)におけるイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。
また、上記R2、R3、R4、R5は、これらのうち2つあるいは3つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
式(II)、(III)又は(IV)中、R7は、水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR6、−OR6、−NHCONHR6、−NHCOOR6、−NHCOR6、−OCONHR6、−CONHR6(ここで、R6は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などが挙げられる。アルミ基板との密着性向上の観点から、上記R7としてカルボキシル基(−COOH)が好ましい。
式(III)中、Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を表し、好ましくは炭素数6〜15個のアリーレン基を示す。
このような一般式(II)、(III)又は(IV)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物の具体例としては以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン等が挙げられる。中でも、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が合成上の観点から好ましい。
本発明に用いられる、ポリウレア樹脂としては特に制限はないが、例えば、脂肪族ジアミン化合物、芳香族ジアミン化合物、複素環アミン化合物、アミノアルコールまたはアミノフェノール化合物等の1分子中に少なくとも1つ以上の1級あるいは2級アミンを有する化合物や、あらかじめ分子内に尿素結合を有する化合物(以下、適宜「ウレア化合物」と称する)などが挙げられる。中でも、1級の脂肪族ジアミン、1級の芳香族ジアミンが耐刷性の観点から特に好ましい。
このような化合物の具体例としては、以下に示すものが挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。
脂肪族ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、プロパン−1,2−ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、リジン、L−シスチン等が挙げられ、中でも、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが特に好ましい。
芳香族ジアミン化合物としては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、、2,4−トリレンジアミン、ベンジジン、o−ジトルイジン、o−ジアニシジン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン、ビス−(4−アミノフェニル)スルホン、4−カルボキシ−o−フェニレンジアミン、3−カルボキシ−m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,8−ナフタレンジアミン等が挙げられ、中でも、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルが特に好ましい。
複素環アミン化合物としては、2−アミノイミダゾール、3−アミノトリアゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、4−アミノピラゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−アミノ−5−カルボキシ−トリアゾール、2,4−ジアミノ−6−メチル−S−トリアジン、2,6−ジアミノピリジン、L−ヒスチジン、DL−トリプトファン、アデニン等が挙げられる。
アミノアルコール又はアミノフェノール化合物としては、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−アミノエトキシエタノール、2−アミノチオエトキシエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、4−メチル−2−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−メトキシ−3−アミノフェノール、4−ヒドロキシベンジルアミン、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノサリチル酸、4−ヒドロキシ−N−フェニルグリシン、2−アミノベンジルアルコール、4−アミノフェネチルアルコール、2−カルボキシ−5−アミノ−1−ナフトール、L−チロシン等が挙げられ、中でも、m−アミノフェノール、4−アミノフェネチルアルコールが特に好ましい。
本発明に用いられるウレア化合物とは、1分子中に、少なくとも1つ以上の尿素結合を有する化合物であり、且つ、ポリマー合成時にポリマーの主鎖に尿素結合を導入しうるものであれば特に制限はない。
具体的には、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、m−キシリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ヘキサメチレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、4,4′−ジフェニルメタン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、1,5−ナフタレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)等が挙げられ、中でも、ヘキサメチレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、4,4′−ジフェニルメタン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)が特に好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記一般式(II)〜(IV)以外のジオール化合物を主鎖中に導入しても良い。
具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
本発明のポリウレア樹脂は、上記成分を非プロトン性溶媒に溶解し、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒を添加し、加熱することにより合成することができる。
使用するジイソシアネート化合物に対する、一般式(II)〜(IV)で表されるジオール化合物と、1級あるいは2級アミンを有する化合物および/または尿素結合を有する化合物との合計のモル比は、好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
また、一般式(II)〜(IV)で表されるジオール化合物に対する、1級あるいは2級アミンを有する化合物および/またはウレア化合物のモル比は、95:5〜0:100であることが好ましく、90:10〜10:90であることがより好ましく、80:20〜20:80であることがさらに好ましい。
本発明のポリウレア樹脂の分子量は、好ましくは質量平均で1000以上であり、更に好ましくは3000〜20万の範囲である。これらのポリウレア樹脂は単独で用いても混合して用いてもよい。
本発明のインクジェット記録用インクに含まれる全樹脂中のポリウレア樹脂の含有量は、10質量%を超えることが好ましく、さらに50質量%を超えることが好ましい。
<ポリウレア樹脂の合成例>
<合成例1>
コンデンサー、撹拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸13.4g(0.10モル)、1,6−ヘキシレングリコール7.1g(0.060モル)、エチレンジアミン2.4g(0.040モル)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド120mlに溶解した。これに4,4′−ジフェニルアミンジイソシアネート50.1g(0.20モル)を添加し、100℃にて6時間、加熱撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド200mlおよび酢酸50mlにて希釈した。反応溶液を水4l中に撹拌しながら投入し、白色のポリマーを析出させた。このポリマーを濾別し、水で洗浄後、真空下乾燥させることにより75gのポリマーを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、質量平均(ポリスチレン標準)で42,000であった。更に滴定により、カルボキシル基含有量(酸価)を測定したところ1.22meq/gであった[本発明のポリウレア樹脂(a)]。
<合成例2>
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸13.4g(0.10モル)、ジエチレングリコール4.2g(0.04モル)、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)17.8g(0.060モル)および4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート35.1g(0.14モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート10.1g(0.060モル)を用い、合成例1と同様にして反応、後処理を行なった。白色のポリマー76gを得た。GPCにより分子量を測定したところ質量平均(ポリスチレン標準)で37,000であった。また滴定により、カルボキシル基含有量を測定したところ、1.20meq/gであった[本発明のポリウレア樹脂(b)]。
<合成例3〜13>
ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物と、1級または2級アミンを有する化合物またはウレア化合物と、下記表44〜46のものに代えた以外は、上記合成例1と同様にして、本発明のポリウレア樹脂(c)〜(m)を得た。更にGPCにより分子量を測定し、滴定によりカルボキシル基含有量を測定した。測定したカルボキシル基含量(酸価)は表44〜46に併記する。また分子量はいずれも質量平均(ポリスチレン標準)で15,000〜65,000であった。
なお、下記表中の( )内の数字は、それぞれのポリウレア樹脂における組成比(モル%)を表す。






























Figure 2006152071






Figure 2006152071






Figure 2006152071
(2)重合性化合物
本発明の重合性化合物は、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特願平7−231444号等の各号及び特願平7−231444号に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合性化合物、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も、例えば特開平6−43633号、特開平8−324137号等に公開されている。
(2-1-1)ラジカル重合性化合物
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
(2-1-2)カチオン重合性化合物
カチオン重合性化合物としては、各種公知のカチオン重合性化合物(モノマー)が使用出来る。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。本発明のカチオン重合性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、若しくはこれらの組み合わせが挙げられる。
(2-1-3)好ましい重合性化合物
本発明の重合性化合物としては、(メタ)アクリル系モノマー或いはプレポリマー、エポキシ系モノマー或いはプレポリマー、ウレタン系モノマー或いはプレポリマー等が好ましく用いられる。更に好ましくは、下記化合物である。
2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート等。
これらのアクリレート化合物は、従来UV硬化型インクに用いられてきた重合性化合物より、皮膚刺激性や感作性(かぶれ)が小さく、比較的粘度を下げることが出来、安定したインク射出性が得られ、重合感度、記録媒体との密着性も良好である。本発明においては、重合性化合物として上記アクリレート化合物を使用する場合、アクリレート化合物の含有量を、本発明の上記インクジェット記録用インクの全質量に対して、例えば、20〜95質量%、好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは70〜95質量%とすることが適当である。
本発明においては、上述した重合性化合物として列挙されているモノマーは、低分子量であっても感作性が小さいものであり、尚かつ反応性が高く、粘度が低く、記録媒体への密着性に優れる。
更に感度、滲み、記録媒体との密着性をより改善するためには、上記モノアクリレートと、分子量400以上、好ましくは500以上の多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーを併用することが感度、密着性向上の点で好ましい。更に、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーを併用することが特に好ましい。安全性を維持しつつ、更に、感度、滲み、記録媒体との密着性をより改善することが出来る。オリゴマーとしてはエポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
PETフィルムやPPフィルムといった柔軟な記録媒体への記録では、上記化合物群の中から選ばれるモノアクリレートと、多官能アクリレートモノマー又は多官能アクリレートオリゴマーとの併用が膜に可撓性を持たせられ密着性を高めつつ、膜強度を高められるため好ましい。モノアクリレートとしてはステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミスチルアクリレート、イソステアリルアクリレートが感度も高く、低収縮性でカールの発生を防止出来るとともに、滲み防止、印刷物の臭気、照射装置のコストダウンの点で好ましい。
尚、メタクリレートは、皮膚低刺激性がアクリレートより良好である。
尚、上記化合物の中でもアルコキシアクリレートを70質量%未満の量で使用し、残部をアクリレートとする場合、良好な感度、滲み特性、臭気特性を有するため好ましい。
(2-1-4)重合性化合物の添加量
本発明の重合性化合物の添加量は、例えば、本発明の上記インクジェット記録用インクの全質量に対し、1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
(3)色材
本発明の色材としては、特に制限はないが、耐候性に優れた顔料が好ましく、溶解性染料及び油性染料等の任意の公知の色材が使用できる。従来、インクジェット記録用インクに使用し得る色材として、一般的な染料を使用することができなかった。これは、染料は、重合反応において重合禁止剤として機能するため、放射線の感度が低下するという問題があるからである。しかし、本発明の重合開始系では、発生する活性種の量が多くなるので、このような色材も使用することができる。
本発明の色材としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
即ち、赤あるいはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26、白色顔料としては、PigmentWhite 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
本発明の色材は、本発明のインクジェット記録用インクに添加された後、適度に当該インク内で分散されることを要する。色材の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
また、色材の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることであり、高分子分散剤としては、例えば、Zeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、本発明の色材100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
色材は、本発明のインクジェット記録用インクに直接添加してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又は本発明に係る重合性化合物のような分散媒体に添加してもよい。溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、色材は、本発明の重合性化合物に添加することが好ましい。さらに使用する重合性化合物としては、最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
本発明の色材粒子の平均粒径は、例えば、0.08〜0.5μm、好ましくは0.1〜0.45μm、より好ましくは、0.15〜0.4μmであることが適当である。また、色材の最大粒径は、例えば0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmであることが適当である。このような最大粒径となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが適当である。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明の色材は、全インク質量に対し、例えば、1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%含有することが適当である。
(4)その他の添加剤
本発明のインクジェット記録用インクには、必要に応じて、重合開始剤、増感色素、共増感剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、溶剤、カチオン重合性モノマー等のその他の添加剤を加えてもよい。
(4-1)重合開始剤
本発明の重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤及びカチオン重合開始剤を使用することができる。
(4-1-1)ラジカル重合開始剤
本発明で使用され得る好ましいラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(l)アルキルアミン化合物等が挙げられる。 これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(l)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。さらに好ましい例としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、チタノセン化合物、トリハロメチル−S−トリアジン化合物を挙げることができる。 本発明におけるラジカル重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
(4-1-2)カチオン重合開始剤
本発明で使用され得る好ましいカチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654−、PF6−、AsF6−、SbF6−、CF3SO3−塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
本発明における重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。これらのラジカル重合開始剤は、本発明の重合性化合物100質量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは、0.5〜10質量部の範囲で含有されるのが適当である。また、本発明の重合開始剤は、上記増感色素に対して、重合開始剤:増感色素の質量比で200:1〜1:200、好ましくは、50:1〜1:50、より好ましくは、20:1〜1:5の量で重合開始系に含まれることが適当である。
(4-2)増感色素
本発明のインクジェット記録用インクには、特定の放射線を吸収して上記重合開始剤の分解を促進させるために増感色素を添加してもよい。増感色素は、特定の放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸或いは塩基を生成する。
好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7―ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
より好ましい増感色素の例としては、下記一般式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。

Figure 2006152071

Figure 2006152071

Figure 2006152071

Figure 2006152071

Figure 2006152071
(式(IX)中、A1は硫黄原子またはNR50を表し、R50はアルキル基またはアリール基を表し、L2は隣接するA2及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子または硫黄原子を表す。)
(式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−または−S−を表す。また、Wは一般式(IX)に示したものと同義である。)
(式(XI)中、A2は硫黄原子またはNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基またはアリール基を表す。)
(式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−または−NR62−または−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4び隣接炭素原子と共同してして色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。)
(式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子または−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。)
一般式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2006152071
(4-3)共増感剤
本発明の共増感剤は、増感色素の放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としてはチオールおよびスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
(4-4)重合禁止剤
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、本発明のインクジェト記録用インクは、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインクジェット記録用インク全量に対し、200〜20000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
本発明に用いるインクジェット記録用インクが放射線硬化型インクであることに鑑み、インク着弾直後に速やかに反応しかつ硬化し得るよう、溶剤を含まないことが好ましい。しかし、インクの硬化速度等に影響がない限り、所定の溶剤を含めることができる。本発明において、溶剤としては、有機溶剤、水が使用できる。特に、有機溶剤は、被記録媒体(紙などの支持体)との密着性を改良するために添加され得る。高沸点の有機溶剤を添加すると、VOCの問題が回避できるので有効である。有機溶剤の量は、本発明のインクジェット記録用インク全体の質量に対し、例えば、0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
インク色材の遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、カチオン重合性モノマー、開始剤とラジカル重合性モノマー、開始剤を併用したラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとしてもよい。
この他に、必要に応じて公知の化合物を本発明のインクジェット記録用インクに添加することができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して添加することができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6頁に記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
(4-5)その他の添加剤の成分含有量
本発明の添加剤は、本発明のインクジェット記録用インクの全質量に対し、0.1〜40質量%、好ましくは、0.5〜30質量%の重合開始剤、0〜40質量%、好ましくは、1〜30質量%の増感色素、0〜40質量%、好ましくは、1〜30質量%の共増感剤、0〜40質量%、好ましくは、1〜30質量%の連鎖移動剤、0〜40質量%、好ましくは、1〜30質量%の重合禁止剤等を含むことが適当である。
(5)インクジェット記録用インクの性質
本発明のインクジェット記録用インクは、上述のように、(1)ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の樹脂を含み、任意に(2)重合性化合物、(3)色材及び(4)その他の添加剤を含むものである。これらの成分は、インクジェット記録用インク全体の質量に対して、樹脂が3〜60質量%、好ましくは、5〜50質量%、重合性化合物が、5〜80質量%、好ましくは、10〜70質量%、色材が、1〜40質量%、好ましくは、5〜30質量%、任意のその他の添加剤が、0〜30質量%、好ましくは、1〜20質量%の量であって各成分の合計の質量%が100質量%となるように含有することが適当である。
得られたインクジェット記録用インクは、射出性を考慮し、射出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜30℃)において、粘度が、例えば、7〜30mPa・s、好ましくは7〜20mPa・sであることが好ましい。例えば、本発明のインクジェット記録用インクの室温(25〜30℃)での粘度は、35〜500mPa・s、好ましくは35〜200mPa・sである。本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明のインクジェット記録用インクの表面張力は、例えば20〜30mN/m、好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
(6)インクジェット記録方法及び装置
本発明に好適に採用され得るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
(6-1)インクジェット記録方法
本発明は、上記インクジェット記録用インクを、支持体(記録材料)上に噴射し、支持体上に着弾したインクに放射線を照射し、もってインクを硬化して画像を形成する方法を提供する。即ち、本発明は、
(a)支持体上に上記インクジェット記録用インクを適用する工程;
(b)上記インクジェット記録用インクに200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは350〜420nmのピーク波長を有する放射線で、2000mJ/cm2以下、好ましくは、10〜2000mJ/cm2、より好ましくは、20〜1000mJ/cm2さらに好ましくは、50〜800mJ/cm2の出力で照射して上記インクジェット記録用インクを硬化する工程;及び
(c)硬化したインクジェット記録用インクが支持体上に画像を形成する工程、
を含む方法に関する。
さらに、本発明のインクジェット記録方法について、平版印刷版にインクジェット記録用インクを射出して画像を形成することを含む平版印刷版の作製方法を例に説明する。
本発明の平版印刷版は、支持体と、該支持体上に形成された画像とを有する。この平版印刷版の作製方法は、以下の工程;
(1)本発明のインクジェット記録用インクを前記支持体上に射出する工程;及び
(2)前記インクを射出した支持体表面に放射線を照射して前記インクを硬化し、以て前記インクが硬化してなる画像を前記支持体上に形成する工程、
とを有する。
(6-1-1)平版印刷版
ここで、平版印刷版は、支持体、好ましくは親水性支持体と、該支持体上に形成された画像、好ましくは疎水性画像とを有する。
従来、平版印刷版としては、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するいわゆるPS版が広く用いられてきた。このPS版の製造方法としては、通常、リスフィルムを介してマスク露光(面露光)した後、非露光部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。しかし、近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力するディジタル化技術が広く普及し、それに対応した新しい画像出力方式が求められるようになった。特に、リスフィルムを使用することなく、レーザー光のような嗜好性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、直接印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が開発されている。
このような走査露光を可能にする平版印刷版を得るための方式として、インクジェット記録用インクによって直接平版印刷版を作製する方法が挙げられる。これは、支持体、好ましくは親水性の支持体上にインクジェット方式等によってインクを吐出し、これを放射線に露光することにより、インクジェット記録用インクの部分が露光して所望の画像(好ましくは、疎水性画像)を有する印刷版を得るものである。このような方式に適したインクジェット記録用インクが本件発明のインクジェット記録用インクである。
本発明のインクジェット記録用インクが射出される支持体(被記録媒体)としては、特に限定されず、寸度的に安定な板状の支持体であればよい。支持体は、親水性の支持体であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクが射出される支持体(被記録媒体)としては、特に限定されず、寸度的に安定な板状の支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いてもかまわない。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成
される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでも良いが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろんこれら拡大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られたものではなく従来公知の何れも方法も行うことができる。
〔封孔処理〕
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。以下にそれぞれ説明する。
<無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理>
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。なかでも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、陽極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を十分に行う点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上であるのがより好ましく、また、耐汚れ性の点で、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液は、更に、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい。リン酸塩化合物を含有すると、陽極酸化皮膜の表面の親水性が向上するため、機上現像性および耐汚れ性を向上させることができる。
リン酸塩化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸塩が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。なかでも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組み合わせは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有するのが好ましい。
水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、機上現像性および耐汚れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、また、溶解性の点で、20質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
水溶液中の各化合物の割合は、特に限定されないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合
物の質量比が、1/200〜10/1であるのが好ましく、1/30〜2/1であるのがより好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回又は複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<水蒸気による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧又は常圧の水蒸気を連続的に又は非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×105 〜1.043×105Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
<熱水による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸漬させる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)又は有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
本発明に用いられる親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウムなどの水溶液で浸漬処理し、又は電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが挙げられる。
本発明の支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
(6-1-2)インクジェット記録用インクを前記支持体上に射出する工程
本発明のインクジェット記録用インクを上記支持体の表面上に射出する場合、インクジェット記録用インクを40〜80℃、好ましくは25〜30℃に加熱して、インクの粘度を7〜30mPa・s、好ましくは7〜20mPa・sに下げた後に射出することが好ましい。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500MP・sのインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。この方法を用いることにより、高い射出安定性を実現することができる。本発明のインクのような放射線硬化型インクジェット記録用インクは、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴射出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、印字時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明温度の制御幅は、設定温度の±5℃、好ましくは設定温度の±2℃、より好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
(6-1-3)インクを射出した支持体上に放射線を照射して前記インクを硬化する工程
支持体の表面上に射出された上記インクは、放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明の上記インクジェット記録用インクに含まれる重合開始系中の重合開始剤が本発明の共増感剤の補助によって分解し、もって重合性化合物がラジカル重合して硬化するためである。
ここで、使用される放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。放射線の波長は、例えば、200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは、350〜450nmであることが適当である。また、本発明の重合開始系は、低出力の放射線であっても十分な感度を有するものである。従って、放射線の出力は、例えば、10〜2000mJ/cm2、好ましくは、20〜1000mJ/cm2、より好ましくは、50〜800mJ/cm2であることが適当である。また、放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2000mW/cm2、好ましくは、20〜1000mW/cm2で照射されることが適当である。
本発明の上記インクジェット記録用インクは、このような放射線に、例えば、0.01〜120秒、好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの射出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明の上記インクジェット記録用インクは、放射線の照射により硬化し、画像を前記支持体表面上に形成する。
(6-2)インクジェット記録装置
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体へ記録することができる。
本発明のインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、放射線源を含む。
インク供給系は、例えば、本発明の上記インクジェット記録用インクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、放射線硬化型インクは、射出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱および加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェットには、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
<色材分散物の調製>
下記に記載の方法に従って、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各顔料を用い、各色材の分散物を調製した。各顔料は、高分子分散剤を用いて分散し、顔料分散物とした。なお、分散条件は、各顔料粒子の平均粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置(ペイントシェーカー)を用いて、分散条件を適宜調整して行い、次いで加熱した後、フィルター濾過を行って調製した。
(イエロー色材分散物1)
Figure 2006152071
(マゼンタ色材分散物1)
Figure 2006152071
(マゼンタ色材分散物2)
Figure 2006152071
(シアン色材分散物1)
Figure 2006152071
(ブラック色材分散物1)
Figure 2006152071
[実施例1]
<インクジェット記録用インクの調製>
上記のように調製した各色材分散物1を用いて、下記に記載の方法に従い各色のインクジェット記録用インクを調製した。








(イエローインク1:実施例1−1)
Figure 2006152071
ここで、樹脂A:

Figure 2006152071
2官能芳香族ウレタンアクリレートA(分子量1500):

Figure 2006152071





6官能脂肪族ウレタンアクリレートB(分子量1000):

Figure 2006152071
である。
(マゼンタインク1:実施例1−2)
Figure 2006152071
ここで、樹脂B:

Figure 2006152071

である。
(シアンインク1:実施例1−3)
Figure 2006152071
ここで、樹脂C:

Figure 2006152071
である。
(ブラックインク1:実施例1−4)
Figure 2006152071







ここで、樹脂D:

Figure 2006152071
である。
以上の様にして調製した粗製の各色のインク1は、絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過し、各色のインク1とした。
[実施例2〜5]
<インクの調製>
マゼンタ色材分散物1及び2を使用し、以下に記載の方法に従って、マゼンタインク2〜5を調製した。
(マゼンタインク2:実施例2)
Figure 2006152071









ここで、樹脂E:

Figure 2006152071
である。
(マゼンタインク3:実施例3)
Figure 2006152071
ここで、樹脂F:

Figure 2006152071
ラクトン変性アクリレートA(分子量458):

Figure 2006152071

である。
(マゼンタインク4:実施例4)
Figure 2006152071
ここで、樹脂G:

Figure 2006152071
である。
(マゼンタインク5:実施例5)
Figure 2006152071
ここで、樹脂H:

Figure 2006152071
である。
[比較例1〜2]
<インクの調製>
以下に記載の方法に従って、マゼンタインク6〜7を調製した。
(マゼンタインク6:比較例1)
Figure 2006152071
(マゼンタインク7:比較例2)
Figure 2006152071
上記実施例および比較例で作成したインク組成物において、射出温度でのインク粘度は、7〜20mPa・sの範囲内であった。
<インクジェット画像記録>
以上のようにして調製した実施例及び比較例のインクを用いて、画像印字を行った。
画像印字は、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、支持体(被記録媒体)へ記録することにより行った。
使用した支持体(被記録媒体)としては、砂目立てしたアルミニウム支持体、印刷適性を持たせた表面処理済みの透明二軸延伸ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルシート、キャストコート紙、市販の再生紙を使用した。
インクジェット記録装置のインク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はピーク波長395nmのUV―LED光を露光面照度100mW/cm2、に集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
実施例及び比較例の各インクを用い、環境温度25℃にて、インクを射出し、上記UV−LED光を照射した。実施例1−1〜1−4については、ブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順に射出し、1色毎にUV−LED光を照射した(これらをまとめて実施例1とする)。触診で粘着性が無くなる様、完全に硬化するエネルギーとして、1色あたりのトータル露光エネルギーが一律300mJ/cm2で露光した。
<インクジェット画像の評価>
各形成した画像について、下記に記載の方法に準じて、硬化に必要な感度、市販の再生紙における浸透性、砂目立てしたアルミニウム支持体でのインク滲み、密着性、耐刷性、保存安定性の評価を行った。
(硬化感度の測定)
紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
(市販の再生紙に対する浸透性評価)
市販の再生紙に対し印字した画像について、下記の基準に従い浸透性の評価を行った。
○:殆ど浸透せず、残留モノマー臭もしない
△:僅かに浸透し、残留モノマー臭も僅かに認められる
×:明らかにインクが裏面側に浸透し、残留モノマー臭も強い
(砂目立てしたアルミニウム支持体におけるインク滲み評価)
砂目立てしたアルミニウム支持体上に印字した画像について、下記の基準に従いインク滲みの評価を行った。
○:隣接するドット間の滲みが無い
△:僅かにドットが滲む
×:ドットが滲み、明らかに画像がぼやける
(砂目立てしたアルミニウム支持体における密着性の評価)
上記作成した印字画像について、全く印字面に傷をつけない試料と、JISK 5400に準拠して、印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個作った試料を作製し、各印字面上にセロテープ(登録商標)を貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
○:碁盤目テストでも、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干のインク剥がれが認められるが、インク面に傷をつけなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロテープ(登録商標)での剥がれが認められる
(耐刷性の評価)
上記で作成した砂目立てしたアルミニウム支持体上に印字した画像を印刷版として、ハイデルKOR−D機で印刷後、刷了枚数を耐刷性の指標として相対比較した(実施例1を100とした)。数値が大きいものほど高耐刷であり好ましい。
(保存安定性の評価)
作成したインクを75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。粘度が変化せず1.0に近いほうが保存安定性良好であり、1.5未満であれば保存安定性があると判断した。
これらの評価結果を表47に示す。








Figure 2006152071
表47より、本発明における樹脂を用いたインクジェット記録用インクは、放射線の照射に対して高感度であり、紙への画像形成性においても高画質の画像を形成することができ、保存安定性も良好であり、また印刷版の作製に用いた場合であっても、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能であることが分かる。
特に実施例1−1〜1−4のインクを組み合わせた実施例1においては、いずれの色もドットの滲みの無い高解像度の画像が得られた。更に、上質紙においてもインクが裏周りすることなく、十分にインクが硬化し、未反応モノマーによる臭気が殆どしなかった。また、フィルムに記録したインクには十分な可とう性があり、折り曲げてもインクにクラックが入ることは無く、セロテープ(登録商標)剥離による密着性テストにおいても問題無かった。

Claims (3)

  1. ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の樹脂を含むことを特徴とする、放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク。
  2. 支持体と、該支持体上に形成された画像とを有する平版印刷版の作製方法であって、
    (1)請求項1に記載のインクジェット記録用インクを前記支持体上に射出する工程;及び
    (2)前記インクを射出した支持体上に放射線を照射して前記インクを硬化し、前記インクが硬化してなる画像を前記支持体上に形成する工程、
    とを有する方法。
  3. 支持体上に画像を形成する方法であって、
    (a)前記支持体上に請求項1に記載のインクジェット記録用インクを適用する工程;
    (b)前記インクジェット記録用インクに350〜420nmにピーク波長を有する放射線で2000mJ/cm2以下の照射エネルギーで照射して前記インクジェット記録用インクを硬化する工程;及び
    (c)前記硬化したインクジェット記録用インクが前記支持体上に画像を形成する工程、
    を含む方法。
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