JP2006151533A - 超音波センサを備えたエレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータ装置において、超音波センサを備え、より正確かつ短い人検知時間で人を個別に識別して人数カウントを行い、効率的なエレベータ運転を実現する。
【解決手段】エレベータ装置1は、エレベータ籠11の内部及びエレベータ籠11が停止する各階のエレベータ乗降口に備えられて間欠的に超音波の送波と受波を繰り返えして反射超音波信号を出力する超音波センサ2と、超音波センサ2が出力する信号を処理することにより人Mを検知する信号処理手段30と信号処理手段30から出力される人Mの検知結果に基づいてエレベータ籠11の昇降制御を行うエレベータ制御手段10と、エレベータ籠11の内部及び各階のエレベータ乗降口に配置されエレベータ制御手段10に対して人Mが直接エレベータ籠11の停止等の指示入力をするため操作盤12と、を備えている。信号処理手段30は、距離画像を用いて人Mを検知し、検知した人Mの人数をカウントする。
【選択図】図1
【解決手段】エレベータ装置1は、エレベータ籠11の内部及びエレベータ籠11が停止する各階のエレベータ乗降口に備えられて間欠的に超音波の送波と受波を繰り返えして反射超音波信号を出力する超音波センサ2と、超音波センサ2が出力する信号を処理することにより人Mを検知する信号処理手段30と信号処理手段30から出力される人Mの検知結果に基づいてエレベータ籠11の昇降制御を行うエレベータ制御手段10と、エレベータ籠11の内部及び各階のエレベータ乗降口に配置されエレベータ制御手段10に対して人Mが直接エレベータ籠11の停止等の指示入力をするため操作盤12と、を備えている。信号処理手段30は、距離画像を用いて人Mを検知し、検知した人Mの人数をカウントする。
【選択図】図1
Description
本発明は、超音波センサを備えたエレベータ装置に関する。
従来、エレベータ装置において、利用者の便宜とエレベータの無駄運転を抑えるため、例えば、昼時の食堂階のような混雑階へのエレベータの運転を規制するようにしたエレベータ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この文献によると、エレベータ籠内の人員検出には籠内床に設けた荷重検出装置、籠出入口における光電装置、籠に設けた超音波センサなどの出力を用いるとし、階床毎の人員検出には食堂階や催し物会場における人員カウント装置からの出力を用いるとしている。
また、従来から、障害物や人を検知する技術として、超音波送波素子と複数の超音波受波素子を1次元又は2次元に配列した受波素子アレイとを用いた超音波センサの技術に関連して種々の提案が成されている。例えば、発熱部の温度変化を発熱部に接している空気の膨張収縮に変換することにより空気中を伝播する粗密波(超音波)を発生する送波素子と、ピエゾ素子を備えた複数の受波素子とを同一基板上に半導体製造プロセスを用いて製造した3次元センサ(例えば、特許文献2参照)や、複数の受波素子と各受波素子からの受波信号を遅延加算する回路をチップ化した半導体装置(例えば、特許文献3参照)が知られている。
特開平1−162687号公報
特開2004−180262号公報
特開2002−156451号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示されるようなエレベータ装置においては、主に、混雑回避などの目的のため概算的な人員検出に基づく制御が行われており、きめ細かくエレベータの制御を行うことができない。例えば、エレベータ籠内の人数と待ち人数を的確に認識できていないため、不要な階に停止するなどの無駄な動きが発生するという問題がある。
また、特許文献2,3に示される技術は、複数の受波素子を集積して小型かつ安価に、送波素子及び受波素子アレイから成る超音波センサを形成することを示すに過ぎない。
本発明は、上記課題を解消するものであって、超音波センサを備えて人を個別に識別して人数カウントを行い、効率的な運転を実現するエレベータ装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、超音波を送波する1つの送波素子及び前記送波素子から送波されて超音波反射物体によって反射される超音波を受波するため所定の波長間隔以下で1次元又は2次元に配列された複数の受波素子を有する超音波センサと、前記超音波センサが出力する信号を処理する信号処理手段と、エレベータ籠の昇降を制御するエレベータ制御手段と、を備えたエレベータ装置において、前記超音波センサは、エレベータ籠の内部及びエレベータ籠が停止する各階のエレベータ乗降口に備えられて間欠的に超音波の送波と受波を繰り返えして反射超音波信号を出力し、前記信号処理手段は、前記反射超音波信号に対し、各受波素子が臨む前方方向に略垂直かつ互いに交わる2方向について角度分解能に応じた遅延加算処理を行うことにより距離画像を生成する手段と、前記により生成された距離画像を用いて人を検知する手段と、前記により検知した人数をカウントする手段と、を備え、前記エレベータ制御手段は、前記信号処理手段から出力される人数のカウント結果に基づいてエレベータ籠の昇降制御を行うものである。
請求項2の発明は、請求項1において、前記信号処理手段による前記エレベータ籠内の人数カウントは、エレベータ籠の扉の開閉と同期して行うものである。
請求項1の発明によれば、角度分解能を人検知環境に合わせて設定して距離画像を生成し、その生成した距離画像を用いて人を検知するとともに人数カウントを行うので、人をより精度良く個別に識別して、より確実かつ短い人検知時間でエレベータ籠内の人数やエレベータ昇降口における人数を認識でき、これらの認識結果に基づいて、エレベータ籠の昇降制御を行い、停止不要な階に停止するなどといったエレベータの無駄な動きを防止して効率的なエレベータの運転が実現される。
請求項2の発明によれば、不要な検知動作をなくして人検知周期を最小限にできるので、信号処理手段における演算量を減らすことができる。また、超音波センサの寿命を延ばすことができ、従って、効率的なエレベータ制御ができる。
以下、本発明の一実施形態に係る超音波センサを備えたエレベータ装置について、図面を参照して説明する。図1は、エレベータ装置1を示す。エレベータ装置1は、エレベータ籠11の内部及びエレベータ籠11が停止する各階のエレベータ乗降口に備えられて間欠的に超音波の送波と受波を繰り返えして反射超音波信号を出力する超音波センサ2と、超音波センサ2が出力する信号を処理することにより人Mを検知する信号処理手段30と信号処理手段30から出力される人Mの検知結果に基づいてエレベータ籠11の昇降制御を行うエレベータ制御手段10と、エレベータ籠11の内部及び各階のエレベータ乗降口に配置されエレベータ制御手段10に対して人Mが直接エレベータ籠11の停止等の指示入力をするため操作盤12と、を備えている。
上述の信号処理手段30は、後述する距離画像を用いて人Mを検知し、検知した人Mの人数をカウントする。また、信号処理手段30によるエレベータ籠11内の人Mのカウントは、少なくともエレベータ籠11の扉の開閉時に行われる。エレベータ籠11の天井中央部には、超音波センサ2が取り付けられている。この超音波センサ2は、エレベータ籠11内の人数をカウントする。人の乗降が伴う場合の通常のエレベータ籠の動作シーケンスは、例えば、「エレベータ籠11が、ある階で停止し、ドアが開き、エレベータ籠の中の人が降り、乗降口の人が乗り込み、ドアが閉まり、エレベータ籠11が他の階へと移動する」、という風に行われる。このようなシーケンスの中で、「ドアが閉まった」という信号と同期をとって、エレベータ籠11の中の人数を超音波センサ2でカウントする。また、これ以外のときには、超音波センサ2が動作しないようにすることで、最小限の検知動作で人数を把握することができる。
また、各階のエレベータ乗降口の超音波センサ2は、エレベータ乗降口の人を検知できるように、天井や側壁上部のように、人の略頭上方向から検知動作を行える位置に取り付けられている。このようなエレベータ乗降口における超音波センサ2は、主にエレベータ待ちの人をカウントするためのものである。そこで、この乗降口の超音波センサ2は、一定の周期で、人検知動作を行い、時々刻々の人数をカウントする。また、エレベータ装置1に用いる超音波センサ2は、人Mを検知するのが目的であるので、壁や床からの超音波反射を防止すると検出効率が良い。そこで、エレベータ籠11の中の壁と床、及びエレベータ乗降口の床に、吸音シートSを貼っておくのが好ましい。
エレベータ制御手段10は、従来のような概算的な人員検出結果ではなく、人を個別に識別して個々に人Mの員数を検知した結果に基づいてエレベータ籠11の昇降制御を行うので、きめ細かく、かつ無駄のない効率的なエレベータ籠11の昇降制御を行うことができる。次に、超音波センサ2の構造と動作、及び距離画像について一連の説明を行う。
まず、図2を参照して、超音波センサ2と信号処理手段30を説明する。超音波センサ2は、駆動回路20によって駆動されて超音波を送波する1つの送波素子21と、送波素子21から送波されて超音波反射物体22によって反射される超音波を受波するため所定の波長間隔以下で1次元又は2次元に配列された複数の受波素子31とを有している。各受波素子31は、基板上に配置一体化されて受波素子アレイ3を構成している。各受波素子31が出力するアナログ形式の受波信号は、アンプ32で増幅され、A/D変換手段33によってディジタル信号とされて、後続の信号処理手段30に送られる。
信号処理手段30は、超音波センサ2からのディジタル信号を記憶するフレームメモリ34と、フレームメモリ34に記憶された信号を処理して人検知を行う人検知手段35と、人検知手段35のもとで距離画像を生成する距離画像生成手段36と、距離画像生成手段36により生成された距離画像を用いて人を検知するとともに、その人数をカウントする人数カウント手段37と、を備えている。
上述の超音波センサ2と信号処理手段30の動作を説明する。信号処理手段30の人検知手段35は、超音波センサ2の駆動回路20に駆動信号を送って送波素子21による超音波の送波を行わせる。送波素子21から送波された送波WSは、前方の超音波反射物体22により反射され、その反射波WRが受波素子31により受波される。人検知手段35は、送波から受波までの送受波時間をもとに超音波反射物体22までの距離と方向とを求め、それらに基づいて人を検知する(詳細後述)。
人検知手段35は、このような人検知動作を、間欠的に行って、その検知結果をエレベータ制御手段10に送り、エレベータ制御手段10は受け取った人検知結果を基にエレベータ籠の昇降制御を行う。
次に、図3乃至図5を参照して送波素子21と駆動回路20を説明する。図3は送波素子の構造を示し、図4は送波素子21が送波する超音波波形を示し、図5は駆動回路20を示す。送波素子21は、図3に示すように、単結晶Si等でなる基板21bと、この基板21b上に設けられたナノ結晶Si等でなる絶縁層21cと、この絶縁層21c上に成膜されたアルミニウム等の発熱体金属薄膜21dとを有する熱励起式超音波素子である。基板21bは、実装用基板21aに実装されている。金属薄膜21dには、通電電極端子21eを設けて、ここに交流電圧を印加することにより、その周波数に応じた粗密波USWを発生させることができる(特許文献2参照)。
上述の送波素子21は、印加電圧の周波数に応じた周波数の音波を放射するので、共振点をもたない平坦は周波数特性をもつ、いわゆる非共振型の送波素子である。ここで、図4に示すガウス波形に従って時間変化する電圧を通電電極端子21eの両端に印加する場合を考える。ガウス波形は、フーリエ変換してもガウス波形という特徴があるので、ガウス波形の電圧変化により、ガウス波形の周波数スペクトルを有する粗密波を生成することができる。また、ガウス波形の周波数スペクトルを有する粗密波は、特定の周波数帯域を有する音波といえる。そこで、ガウス波形電圧を用いて、送波素子21から放射する超音波として、例えば、40kHz〜60kHzの周波数を有する超音波を人検知用として送波することができる。このような周波数スペクトルの超音波によると、送波信号の残響を小さくでき、より正確に人の位置を検知できる。
上述のガウス波形の電圧を発生する回路は、例えば、図5に示す駆動回路20で構成できる。駆動回路20の1次側のスイッチSWがONされると、充電用コンデンサCに電荷が充電され、この充電された電荷は、2次側のスイッチ(トライアック)TRのゲートGへの信号入力により、負荷(送波素子21)に供給される。送波素子21に印加される電圧波形は、2次側のコイルL1のインダクタンスと抵抗R1の抵抗値を変更することより、ガウス波形となるように設定される。抵抗R2は保護抵抗であり、この回路の負荷である熱励起式の送波素子21が短絡するのを防止するため、送波素子21と並列に挿入されている。
次に、図6、図7を参照して、受波素子31と受波素子アレイ3、及び信号処理回路を説明する。受波素子31は、図6(a)に示すように、シリコンダイアフラム(メンブレン部)31a上にギャップ31bを有する静電容量型のマイクロフォンである。メンブレイン部31aに圧力波(反射超音波)を受けると、ギャップ31bの隙間間隔が変動してこの空間で形成された静電容量が変動する。この静電容量の変動を、電圧変動として電極31cを介して外部に取り出すことにより、圧力波を検出することができる。
上述の受波素子31を、例えば、図6(b)に示すように、X方向に5個、これに垂直なY方向に5個配置して受波素子アレイ3を形成する。このとき、受波素子31の間隔は、受波する超音波の波長以下、好ましくはその半波長以下として配列する。このような受波素子アレイ3は、後述する電子スキャンの方法により受波素子31の配列された方向、例えばX方向に沿って角度スキャンをすることができる。そして、電子スキャンによってある特定角度方向からの反射波超音波を受波する場合、その特定角度方向において得られる超音波信号強度を0dBとすると、特定角度方向に対して角度5°偏向した方向では、例えば、−3dBの信号強度となる。つまり受波素子アレイ3は、鋭い指向性を示す。受波する音波の周波数は、送波素子に合わせて、40kHz〜60kHzとする。このような受波素子アレイ3を備えた超音波センサ2は、電子スキャンに由来する広い視野とともに、高い指向性、従って高い角度分解能を有しているので、人を個別に認識して人数をカウントするのに好適であり、また、人検知の時間を短くできる。
受波素子31から出力される微小な電気信号は、図7に示すように、アンプ32で増幅されて、A/D変換手段33によりデジタルデータに変換され、フレームメモリ34に格納される。このデータは、人検知手段35により読み出されて演算処理される。
ところで、受波素子31を、その周波数特性が平坦な領域である非共振領域を有する受波特性を有するものとし、受波素子31が受波して出力する反射超音波信号に対し波形処理を行うフィルタを後段に設けるようにしてもよい。この場合、受波素子31における受信信号への残響ノイズを低減でき、より正確に人の位置を検知することができる。
次に、図8を参照して、送波素子21と受波素子アレイ3とを一体化した超音波センサ2を説明する。送波素子21と受波素子31とは、別々の基板にそれぞれ実装して、送波素子21の音波の放射にともなう振動を受波素子31側に伝えないようにする。ここで、受波素子アレイ3は、前出の図6(b)に示した受波素子アレイ3である。また、送波素子21の駆動回路20と受波素子31の信号処理回路(アンプ32とA/D変換手段33)とも別々の基板に実装して、駆動回路20のノイズが信号処理回路に影響を及ぼさないようにする。また、送波素子21から受波素子31への直接波の影響を最小限にするため、送波素子21と受波素子31との間に、隔壁24を設ける。隔壁24は、吸音材で構成することが望ましい。このような配慮をした上で、送波素子21と受波素子アレイ3とを一体化することにより、設置利便性に優れた超音波センサ2を形成できる。
なお、受波素子アレイ3による角度分解能は、配列した受波素子の個数に依存する。そこで、例えば、角度分解能が必要な方向では受波素子数を5個とし、低い分解能でよい方向では受波素子数を減らして3個として、演算処理量や記憶容量を下げることができる。
次に、図9乃至図12を参照して、信号処理手段30における一連の信号処理と距離測定を説明する。ここで、まず、前出の図2を参照して、単一の受波素子31による反射超音波受信について説明する。人検知手段35から駆動回路20に送波開始信号が送られ、駆動回路20によって駆動された送波素子21から、バースト又は波数が少数の音波が送波される。人検知手段35は、送波開始とともに反射超音波の受信を開始する。
送波素子21が送波した送波WSは、超音波反射物体22に到達して反射するまでに、距離による減衰、空気への吸収による減衰を受けて、電波距離とともに次第に減衰する。さらに、反射するときにおいても、反射減衰がある。このような反射波(エコー波)WRは、復路において距離減衰と吸収減衰を受けて、受波素子31に到達する。受波素子31に到達した反射波WRは、例えば超音波反射物体22までの距離が1m(往復2m)の場合、送波したときの音圧に比べ45dB程度減衰した音圧となっている。
ここで、検知範囲について述べる。距離d=1mを音波が音速V=340m/sで往復する時間tは、t=2×d/V=6msである。従って、最大1mの距離までの物体を検知するとした場合、送波開始信号の発生から、6msの間、エコー波をサンプリングすればよい。受波した超音波による音圧変動は、受波素子31により電気信号に変換され、アンプ32で増幅される。このときのアンプ32の増幅率は、40dB〜60dBとする。また、S/N比は、60dB程度となる。
アンプ32で増幅したアナログ信号は、12ビット又は16ビットのA/D変換手段33によりディジタル信号に変換され、フレームメモリ34に格納される。サンプリング周波数が1MHz、A/D変換が12ビットの場合、1ビット=2.4mm、また、A/D変換が16ビットの場合、1ビット=0.15mmの距離分解能となる。受波素子31からフレームメモリ34に至る間の各信号とデータの処理、すなわち超音波受波と電気信号変換、電気信号増幅、A/D変換、及びフレームメモリ格納は、それぞれ受波素子31毎に独立に行われる。受波時間t=6msの間におけるデータを、サンプリング周波数1MHz、16ビットA/D変換で処理した場合、1つの受波素子31について、6ms×1MHz×16ビット×10素子=120kbyteのフレームメモリを必要とする。各受波素子31について処理されてフレームメモリ34に格納されたデータは、人検知手段35によって、互いに遅延加算され、物体の距離と方向が求められる。
ここで、図9に示すように、水平面内に分布した超音波反射物体(以下物体)22a,22bの水平距離と方向を超音波センサ2を用いて認識する例を説明する。物体22a,22bは、超音波センサ2の前方右方角度θ1、左方角度θ2の方向に存在する。物体22a,22bからの反射波は、図10に示すように、水平方向に1列に配列した受波素子31の法線方向Nに対して、それぞれ右側に角度θ1振れた方向n1、及び左側に角度θ2振れた方向n2から受波素子31に入射する。このとき、入射する反射波は、平面波であると想定できる。
つまり、物体22aから各受波素子31に入射する反射波のグループAの波面は平面であり、同様にグループBの波面も平面である。以下、グループAについて述べる。同一波面すなわち同一位相面が各受波素子31に入射する時刻は、角度θ1に依存した時間遅延が発生する。言い換えると、各受波素子31から出力された信号に遅延処理を施して加算することにより、特定の角度方向から入射する超音波信号を抽出することができる。すなわち複数の受波素子31を配列した受波素子アレイ3を用いると、角度走査を機械的な走査によらずに電子的な処理(電子スキャン)により行うことができる。図10における遅延手段DLと加算手段ADDは、人検知手段35が、このような処理を行うことを模式的に示している。
上述の電子スキャン(遅延加算処理)を行って、物体22aに対応する超音波信号を抽出した場合、その結果は、図11の右上段に示すように、グループAによる集中した波形とグループBによる分散した波形からなる出力が得られる。遅延加算によって集中した波形を取り出すと、図12(a)(b)に示すようになる。送波時刻を時間計測の原点t=0とした場合、波形出現時間t1,t2は、超音波が送波素子と物体22a,22bとの間を往復する時間となる。つまり、t1,t2から物体22a,22bの距離が求められる。また、遅延加算の処理内容、すなわち、どのような遅延処理を行ったかによって、物体22a,22bの方向(角度θ1,θ2)を求めることができる。
次に、図13、図14(a)(b)を参照して、距離画像について説明する。距離画像は、2次元座標上に距離情報を表示した画像であり、従って、3次元空間における位置情報を有している。このような距離画像によると、上述の超音波センサ2による超音波反射物体22の(超音波反射点の)位置、すなわち、超音波センサ2から見たその物体の方向と距離を表示することができる。距離画像は、例えば図13に示すように、X方向とY方向における各±45゜の視野角度を、19×19分割した距離画像表示画面を用いて表示される。この画面設定は、超音波センサ2が望む視野の2方向について、例えば、図5(b)におけるX、Y方向について、それぞれの視野角度を所定の角度分解能に応じた角度分割数mx,myを用いて分割して設定される。
例えば、X方向の視野角度θが、超音波センサ2の中心方向をθ=0゜として、θ=−45゜〜45゜であるとする。以下Y方向の視野角度φも同様とする。θ方向、φ方向ともに角度分解能を5°とすると、分割数mx=(45゜−(−45゜))÷5゜(角度分解能)+1=19となる。分割数myも同様に、my=19となる。距離は、所定の距離測定範囲(最大検知距離)を所定の分割数で分割して、表示画面の各画素に濃淡表示(グレイティング表示)を行って表示される。例えば、最大検知距離を5m、距離分割数を50とすると、距離分解能が0.1mとなる。
なお、片方の方向における受波素子31の数を減らして、角度分解能を10°とすることもできる。この場合、必要な分解能は確保し、その上で記憶及び演算の対象となるデータ量を削減して、より高速に人検知を行うことができる。また、近距離と遠距離とで距離分解能を変えることもできる。同様に、角度分解能についても、例えば、正面方向に近いほど分解能を高くすることもできる。
ここで、距離画像の例を示す。図14(a)に示す状況に対応する距離画像を、±45゜の視野角度を19×19分割した表示画面に表示すると、図14(b)に示す距離画像G1となる。短距離ほど明るく、遠距離ほど暗くした距離濃淡スケールに基づいて距離が表示されている。
次に、人数のカウントについて説明する。エレベータ籠11の内部及び各階のエレベータ乗降口に備えられた超音波センサ2の出力は、信号処理手段30によって各超音波センサ2毎に遅延加算処理され、3次元空間における超音波反射物体の位置と方向が距離画像生成手段36に対して出力される。距離画像生成手段36は、超音波反射物体の位置と方向を、各超音波センサ2が臨む前方視野の2方向について角度分解能に応じた表示画面を生成し、その表示画面に距離画像を生成する。人数カウント手段37が、生成された距離画像に表示された人の形状を識別してカウントする。人の形状の識別は、例えば、距離画像に対して、所定の濃度閾値以上の画素の中からピーク画素を抽出し、そのピーク画素数をカウントして人数のカウント値とする。
この場合、ピーク画素と人Mとの1対1の対応を前提としている。人の略頭上方向に設置した超音波センサ2によって人検知を行うことにより、人が物理的に可能な距離以上に接近した状態に対応して接近した2つのピーク画素は、1つのピーク画素としてカウントできる。また、通常の画像処理技術において行われる背景との差分をとる処理によって、距離画像におけるノイズを減らして、より正確な人の個別識別と人数カウントができる。また、濃淡表示された距離画像に対して、通常の画像処理技術による形状認識や、これらの技術の組合せによって人数のカウントをすることができる。
次に、図15を参照して、エレベータ乗降口における人数カウントの結果をエレベータの効率的な運転に用いる例を説明する。図15において、エレベータ籠11が、4階から3階へと降りつつある。このとき、3階における操作盤12の「下降ボタン」が押されて点灯している。また、エレベータ籠11の中の人は3階で降りる予定はない。このとき、エレベータ制御手段10は、エレベータ籠11を3階に停止予定である。しかしながら、乗降口における超音波センサ2を用いた人検知の結果、人のカウント数がゼロ、つまり、エレベータ待ちの人は居ないとの結果になっている。この人数カウント結果は、信号処理手段30からエレベータ制御手段10に通知され、エレベータ制御手段10はエレベータ籠11を3階に停止させることなく下降させる。これにより、3階における無駄な停止が回避され、効率的なエレベータ運転が実現する。
次に、図16を参照して、他の例を説明する。図16において、エレベータ籠11が、4階から3階へと降りつつある。このとき、3階における操作盤12の「下降ボタン」が押されて点灯している。また、エレベータ籠11の中の人数は定員に達しており、かつ誰も3階で降りる予定はない。このとき、エレベータ制御手段10は、エレベータ籠11を3階に停止予定である。ところが、エレベータ籠11内の超音波センサ2を用いたエレベータ籠11内の人数カウントの結果は、エレベータ籠11内の人員が定員に達していることを示している。この人数カウント結果は、信号処理手段30からエレベータ制御手段10に通知され、エレベータ制御手段10はエレベータ籠11を3階に停止させることなく下降させる。これにより、3階における無駄な停止が回避され、効率的なエレベータ運転が実現する。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、受波素子アレイ3は、図6(b)に示すものの他に、1次元に配列された複数の受波素子31を有するものとして構成でき、このような受波素子アレイ3を、縦横に組み合わせて用いることができる。また、受波素子31を2次元に配列する場合、図6(b)に示すような縦横それぞれ一列づつ9個(5+5−1=9)配列する以外に、縦横の全面に25個(5×5=25)配列してもよい。このような多数の受波素子31を有する受波素子アレイを用いる場合、適宜必要な受波素子31を選択して電子スキャンを行うことにより、センサの使用状況に即して効率的な人検知を行うことができる。
1 エレベータ装置
2 超音波センサ
10 エレベータ制御手段
11 エレベータ籠
21 送波素子
30 信号処理手段
31 受波素子
22 超音波反射物体
35 人検知手段
36 距離画像生成手段
37 人数カウント手段
G1 距離画像
2 超音波センサ
10 エレベータ制御手段
11 エレベータ籠
21 送波素子
30 信号処理手段
31 受波素子
22 超音波反射物体
35 人検知手段
36 距離画像生成手段
37 人数カウント手段
G1 距離画像
Claims (2)
- 超音波を送波する1つの送波素子及び前記送波素子から送波されて超音波反射物体によって反射される超音波を受波するため所定の波長間隔以下で1次元又は2次元に配列された複数の受波素子を有する超音波センサと、前記超音波センサが出力する信号を処理する信号処理手段と、エレベータ籠の昇降を制御するエレベータ制御手段と、を備えたエレベータ装置において、
前記超音波センサは、エレベータ籠の内部及びエレベータ籠が停止する各階のエレベータ乗降口に備えられて間欠的に超音波の送波と受波を繰り返えして反射超音波信号を出力し、
前記信号処理手段は、前記反射超音波信号に対し、各受波素子が臨む前方方向に略垂直かつ互いに交わる2方向について角度分解能に応じた遅延加算処理を行うことにより距離画像を生成する手段と、前記により生成された距離画像を用いて人を検知する手段と、前記により検知した人数をカウントする手段と、を備え、
前記エレベータ制御手段は、前記信号処理手段から出力される人数のカウント結果に基づいてエレベータ籠の昇降制御を行うことを特徴とするエレベータ装置。 - 前記信号処理手段による前記エレベータ籠内の人数カウントは、エレベータ籠の扉の開閉と同期して行うことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
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JP2004341292A JP2006151533A (ja) | 2004-11-25 | 2004-11-25 | 超音波センサを備えたエレベータ装置 |
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- 2004-11-25 JP JP2004341292A patent/JP2006151533A/ja not_active Withdrawn
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