実施例1では、ディジタルカメラ用の無線通信アダプタを例に、無線通信媒体として、例えばIEEE 802.11b/a/g等のIEEE 802.11x準拠の無線LANを用い、ディジタルカメラとの有線接続インタフェースとして、例えばIEEE1394を用いて、ディジタルスチルカメラ内の電子情報(撮影画像データなど)を、無線LANを介してインターネットなどのネットワーク上の電子情報格納サーバにアップッロードする場合の処理について説明する。
図1は、実施例1における通信ネットワークシステムの構成を示す概念図である。図1において、100はスポットサービスエリアであり、後述するアクセスポイントによってネットワークへの接続サービスがサポートされる。101はディジタルカメラ、102は無線通信アダプタ、103は有線接続ケーブルである。104は無線アクセスポイントであり、無線アクセスと有線ネットワークとのインタフェース機能や無線信号の送受信機能を有し、更に無線信号制御等のファームウェアやMACアドレス認証機能等も搭載する。110はインターネットなどのネットワーク、120はネットワーク110に接続されている電子情報格納サーバである。
以上の構成において、ディジタルカメラ101のユーザが撮影した画像データをネットワーク110上の電子情報格納サーバ120へアップロードする場合、無線通信アダプタ102が有線接続ケーブル103を介してディジタルカメラ101のメモリから電子情報(撮影画像データなど)を読み出し、無線LANによりアクセスポイント104を介してネットワーク110上の電子情報格納サーバ120へアップロードする。
ここで、図2及び図3を用いて、上述したアップロードを行うディジタルカメラ101及び無線通信アダプタ102の詳細な構成について説明する。
図2は、実施例1におけるディジタルカメラの構成の一例を示す機能ブロック図である。図2において、200はディジタルカメラの内部バス、201は撮像部、202は映像処理部、203はIEEE1394インタフェース(I/F)、204はIEEE1394インタフェース(I/F)で接続される外部情報機器、205は機器全体の制御を司るCPU、206は各種制御プログラム等を格納するフラッシュROMである。
207は表示部、208は表示部207の表示を制御する表示処理部、209は一時的な利用データを格納するRAM、210はユーザ操作部、211はユーザ操作部210の操作内容を解析するシステムコントローラ、212は着脱可能なメモリカードをサポートするメモリカードインタフェース(I/F)、213は着脱可能なメモリカード、214はオーディオインタフェース(I/F)、215は外部機器との間の有線通信を制御するUSBインタフェース(I/F)である。
尚、上述のIEEE1394インタフェース203で接続される外部情報機器204としては、通常パーソナルコンピュータ(PC)であるが、実施例1ではディジタルカメラ101を無線LANに接続するために無線通信アダプタ102が接続されるものとする。
図3は、実施例1における無線通信アダプタ102の構成の一例を示す図である。図3に示すように、無線通信アダプタ102はIEEE1394インタフェース301を介してディジタルカメラ101に接続され、無線通信制御を司るCPU302、RAM303、ROM(フラッシュROM)304と、無線通信媒体の制御を司るMAC305、BBP306、PHY307とから構成されている。
図4は、実施例1におけるメモリカードの論理(ディレクトリ)構造の一例を示す図である。図4に示す例では、メモリカード213内にディジタルカメラ用フォルダ400とネットワークアダプタ用フォルダ410が配置されている。ここで、ディジタルカメラ用フォルダ400の下にはツリー状に、ディジタルカメラ101で撮影された静止画や動画などのデータファイル集を格納する画像格納フォルダ401−1〜401−nと、各画像を管理する画像管理フォルダ402とが配置されている。一方、ネットワークアダプタ用フォルダ410の下にはツリー状に、通信媒体毎のパラメータ情報を格納するフォルダとして、実施例1では、IEEE802.11用フォルダ411と、3G携帯電話用フォルダ412と、無線通信アダプタ102の無線通信制御に関して必要な情報を格納する通信パラメータ管理フォルダ413とが配置されている。
このように、メモリカード213に通信媒体毎のパラメータを情報を格納しておくことにより、IEEE1394インタフェース203を介して種々の外部機器と容易に接続することが可能となる。
次に、ディジタルカメラ101用の無線通信アダプタ102を用いてディジタルカメラ101内の電子情報(撮影画像データなど)を、無線LAN(アクセスポイント104)を介してネットワーク110上の電子情報格納サーバ120にアップッロードする処理を、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、無線通信アダプタがディジタルカメラ内の電子コンテンツ情報を、無線LANを介してネットワーク上の電子情報格納サーバにアップッロードするシーケンスを示す図である。図6は、無線通信アダプタが電子画像ファイルの転送要求を受け付けた際の処理を示すフローチャートである。
まず、ディジタルカメラ101と無線通信アダプタ102を有線接続ケーブル103で接続することにより、IEEE1394インタフェースの通信リンク(501)が確立する。
尚、この例では、無線通信アダプタ102側がIEEE1394のホスト側インタフェースを、ディジタルカメラ101側がIEEE1394のスレーブ側インタフェースを具備しているものとする。
次に、ユーザがディジタルカメラ101のユーザインタフェースを利用して所望の電子画像ファイルのアップロード操作(510)を行うと、無線通信アダプタ102に対してIEEE1394インタフェース203,301で伝送されるメッセージ通信を用いて、画像ファイル転送要求メッセージ(502)を送信する。
一方、画像ファイル転送要求メッセージ(502)を受信した無線通信アダプタ102は、ディジタルカメラ101のメモリカード213内で管理されるIEEE802.11用フォルダ411内に格納されている、IEEE802.11系通信路を用いて、電子情報格納サーバ120に接続するのために必要な設定情報が記録されているファイルを、IEEE1394インタフェース203,301を介して読み出し、その設定情報に従ってIEEE802.11系無線通信機能ブロックの起動(511)を行う(ステップS601)。
次に、無線通信アダプタ102は、アクセスポイント104との間の無線区間のリンク(504)の完了を確認し(ステップS602)、電子情報格納サーバ120とのリンク(505)の完了を確認し(ステップS603)、何れかに失敗した場合は、ディジタルカメラ101に対してIEEE1394インタフェース203,301を介して画像ファイル転送失敗ステータスをセットし(ステップS607)、当該処理に失敗した旨を通知する。これにより、ディジタルカメラ101側でユーザインタフェースに失敗した旨が表示される。
また、無線通信アダプタ102は、上述のリンク完了で何れにも成功した場合は、画像ファイル転送要求メッセージ(502)で指定された画像ファイル(401−1〜401−n内に格納されている)を、IEEE1394インタフェース203,301を介して読み出し(506)、内部のRAM303に一時記憶させる処理(512)を開始する(ステップS604)。
ここで、無線通信アダプタ102がディジタルカメラ101から画像ファイルの読み出しを行っているときに、ディジタルカメラ101の撮影操作(シャッター押下等)が発生した場合の処理を、図7及び図8を用いて説明する。
図7は、ディジタルカメラのシャッター押下時のメモリカードに接続されたデータバスの制御処理を示すフローチャートである。図8は、無線通信アダプタの電子画像ファイル読出し処理を示すフローチャートである。
一般的に、ディジタルカメラ101は、撮影操作を最優先で受け付ける必要がある。そのため、外部情報機器204からの撮影画像ファイルの読出し処理のために確保している、外部情報機器204、IEEE1394インタフェース203、内部バス200、メモリカードインタフェース212、メモリカード213の接続系統のうち、外部インタフェース機能であるIEEE1394インタフェース203の機能を停止させる(ステップS701)。そして、映像処理部202から、メモリカード213より書込み速度の速い内部RAM209への情報転送のための経路を確保する(ステップS702)。
次に、撮影画像情報を内部RAM209へ転送する画像情報の転送完了を確認した後(ステップS703のYES)、撮影操作(シャッター押下等)の操作が継続(ステップS704のYES)、かつ、内部RAM209の残量が規定値(一般的に、撮影モード毎の1電子画像のデータサイズと同等量)未満でなければ(ステップS705のNO)、映像処理部202から、メモリカード213より書込み速度の速い内部RAM209への情報転送のための経路を確保し(ステップS702)、連続撮影に備える。
また、撮影操作(シャッター押下等)の操作が解除(ステップS704のNO)或いは内部RAM209の残量が規定値未満になった場合には(ステップS705のYES)、内部RAM209からメモリカード213への情報転送のための経路を確保し(ステップS706)、メモリカード213への情報転送を行う。その後、情報転送完了を確認した後(ステップS707のYES)、メモリカード213への情報転送のための経路を開放する(ステップS708)。そして、外部情報機器204との外部インタフェース機能であるIEEE1394インタフェース203の機能を再開させ(ステップS709)、1処理単位を終了する。
上述したディジタルカメラ101側の制御に合わせて、無線通信アダプタ102の内部RAM303に指定電子画像ファイルを一時記憶させる処理が起動されると、まずメモリカード213のファイルアロケーションテーブルと電子画像管理フォルダ402内に格納されている電子画像管理ファイルとを参照し、指定画像ファイルの格納セクタ情報を読み出す(ステップS801)。この読出し処理中に、規定時間以上IEEE1394インタフェース301のポーリングに対してディジタルカメラ101側から応答がない場合は(ステップS802のYES)、ディジタルカメラ101側の連続撮影に起因するメモリアクセスが継続していると判断し、対象画像ファイルの内部RAM303への展開・記憶処理の失敗ステータスをセットし(ステップS810)、1処理単位を終了する。
また、指定画像ファイルの格納セクタ情報が正常に読み出せた場合(ステップS802のYES)、読み出したセクタ情報の有効性(セクタ情報に矛盾がないか等)を判定する(ステップS804)。ここで、有効でなければ(ステップS804のNO)、対象画像ファイルの内部RAM303への展開・記憶処理の失敗ステータスをセットし(ステップS810)、1処理単位を終了する。
また、読み出したセクタ情報が有効であれば(ステップS804のYES)、対象電子画像ファイルを記憶セクタ毎に読み出し、内部RAM303に展開記憶する(ステップS806)。この読出し処理と展開・記憶処理中に、規定時間以上IEEE1394インタフェース301のポーリングに対してディジタルカメラ101側から応答がない場合は(ステップS807のYES)、ディジタルカメラ101側の連続撮影に起因するメモリアクセスが継続していると判断し、所定時間、待ち(ステップS811)、上述のステップS806に戻る。
また、対象画像ファイルが正常に読み出せた場合は(ステップS807のNO)、内部RAM303への展開・記憶処理の成功ステータスをセットし(ステップS809)、1処理単位を終了する。
ここで図6に戻り、図8を用いて説明した無線通信アダプタ102の内部RAM303に転送対象画像ファイル情報を展開・記憶処理した後、展開・記憶完了の成否を判定する(ステップS605)。ここで、成功した場合には(ステップS605のYES)、画像ファイル転送完了ステータスをセットする(ステップS606)。そして、画像ファイル転送完了ステータスのセットをトリガとして、無線通信アダプタ102から電子情報格納サーバ120へ内部RAM303に展開・記憶している画像情報ファイルをアップロードする(507)。そして、ディジタルカメラ101に対して画像ファイル転送完了メッセージ(508)を送信する。また、失敗した場合には(ステップS605のNO)、画像ファイル転送失敗ステータスをセットする(ステップS607)。
上述のステータスをセット後(転送完了ステータスの場合は、画像ファイルの転送処理完了後)、設定された規定時間「新たな画像ファイルの転送要求を受付けているか?」の判定を行い(ステップS608)、受け付けていれば(ステップS608のYES、再度IEEE1394インタフェース203,301を介して読み出し、内部RAM303に一時記憶させる処理を行う(ステップS604及び図8)。また受け付けていなければ(ステップS608のNO)、IEEE802.11系無線通信機能ブロックの停止要求ステータス(513)をセットし(ステップS609)、1処理単位を終了する。
上述した処理により、外部通信インタフェース経由で内部の記憶媒体に記憶されている電子情報へのアクセス機能を備えたディジタルカメラにおいて、外部通信インタフェースを介して本体側の電子情報を読み出し、無線ネットワークを介して転送する際に本体側で優先処理(撮影画像の書込み等)が生じた場合、外部有線通信インタフェース(IEEE1394,USB等)の機能停止といった、単純な処理を本体側に具備するのみで、本来優先度の高い書込み要求を実行させることができる。
また、電子情報格納サーバの挙動を無線通信アダプタで擬似し、サーバに適切なサイズの情報を無線通信路のデータレートに影響を受けない一意的な最短時間で対象電子情報を読み出すことが可能となり、本体側の優先処理(撮影画像の書込み等)との衝突の可能性を引き下げることが可能となる。
次に、図面を参照しながら本発明に係る実施例2について詳細に説明する。
図9は、実施例2における通信ネットワークシステムの構成を示す概念図である。図9において、901はディジタルカメラであり、その詳細な構成は図10を用いて説明する。尚、アクセスポイント902、ネットワーク910及び電子情報格納サーバ920は、実施例1で用いた図1に示すアクセスポイント104、ネットワーク110及び電子情報格納サーバ120にそれぞれ相当するものであり、ここでの説明は省略する。
図10は、実施例2におけるディジタルカメラの構成の一例を示す機能ブロック図である。図10に示すように、ディジタルカメラ901は、カメラ処理部1000と無線処理部1010とで構成されている。
カメラ処理部1000において、1001はカメラ制御部であり、ディジタルカメラのシャッタースイッチや各種キー制御機能、シャッターが押下されたときに画像を撮影する機能、撮影した画像を画像データとして処理する機能など、主に撮影の機能を制御する。1002はカメラ処理部1000に電力を供給する電源部である。1003はカメラ制御部1001で撮像された画像データを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)である。
1004はIEEE1394インタフェース(I/F)であり、無線処理部1010とケーブルを用いて接続するためのインタフェースである。1005はCPUであり、カメラ処理部1000を制御する。1006はフラッシュROMであり、カメラ制御部1001で撮像された画像データを蓄積する。1007はデータバスである。
無線処理部1010において、1011は無線処理部1010に電源を供給する電源部である。尚、この電源部1011はカメラ処理部1000の電源部1002から無線処理部1010への電源供給が可能であれば存在しなくても良い。
1012は無線通信部であり、例えばIEEE 802.11b/a/g等の規格に準拠した無線LANを実現する。1013はIEEE1394インタフェース(I/F)であり、カメラ処理部1000とケーブルを用いて接続するためのインタフェースである。1014はCPUであり、無線処理部1010を制御する。1015はRAMであり、無線で伝送する画像データを格納する。
以上のような構成において、カメラ処理部1000で撮像した画像データを無線処理部1010から無線通信によってネットワーク110上の電子情報格納サーバ120へ送信する基本的な動作を、図11を用いて説明する。図11は、一般的な撮像画像データ転送処理を示すフローチャートである。
ユーザがディジタルカメラ901で撮影を実行し(ステップS1101)、カメラ制御部1001で撮影されて生成された画像データがカメラ処理部1000のRAM1003に一時的に格納され(ステップS1102)、その後、フラッシュROM1006に格納される(ステップS1103)。
次に、ユーザが撮影した画像データを無線通信により電子情報格納サーバ920へ転送を試みる場合(ステップS1104のYES)、無線処理部1010の電源部1011をONにする(ステップS1105)。これにより、この無線処理部1010に電源が投入されたディジタルカメラ901は、予め無線部1012の内蔵ROM等に記憶されているアクセスポイント識別符号などの無線通信パラメータを用いてアクセスポイント902の検索を開始する。そして、アクセスポイント902を検知したディジタルカメラ901はアクセスポイント902に対して認証確認、接続処理などのネゴシエーション処理を行い、ディジタルカメラ901とアクセスポイント902との間の無線通信が可能なる。更にディジタルカメラ901はアクセスポイント902を介してネットワーク910上の電子情報格納サーバ920と接続状態になることができる(ステップS1106)。
この状態で、ユーザが不図示の無線送信ボタンを押下すると(ステップS1107)、撮像データがフラッシュROM1006からIEEE1394インタフェース1004,1013を経由して無線処理部1010のRAM1015へ転送される(ステップS1108)。そして、RAM1015に撮像データが格納されると、その旨をCPU1014が無線部1012へ通知する。これにより、無線部1012ではアクセスポイント902を介してネットワーク910上の電子情報格納サーバ920とデータ通信を開始し、撮像データを転送することができる(ステップS1109)。
上述したように、撮影された画像データの無線通信を実施する場合、動作中データバス1007,1016を占有し、フラッシュROM1006に格納された画像データはIEEE1394インタフェース1004,1013を経由してRAM1015に格納される。
ここで、このデータ転送処理中にディジタルカメラ901でシャッターを切られた場合を考える。ディジタルカメラ901においては、撮影動作が最優先である。従って、この転送処理で確保されていたデータバス1007は、撮影処理により生成された画像データの転送に使用するために強制的に解放される。そして、データバス1007が解放されると、IEEE1394インタフェース1004,1013を経由した転送処理が中断されるため、RAM1015への画像データの蓄積も行われない。従って、無線通信によるデータ通信は不可となる。
このような状況がディジタルカメラ901で撮影処理が繰り返される度に発生すると、無線処理部1010はデータ転送が不可であるにもかかわらず、電力だけが消費していくという不具合が生じる。
そこで、実施例2では、撮像装置としてのディジタルカメラ901と画像データを蓄積する電子情報格納サーバ920との間を無線で接続し、撮像画像の保存を行う場合の無線処理部1010における省電力化についての技術を提供することを目的とする。
以下、図12を用いて、ディジタルカメラ901から電子情報格納サーバ920へ無線通信により撮像画像データをアップロードする際に、ディジタルカメラ901の撮影操作(シャッター押下等)が行われた場合の制御手順について説明する。図12は、実施例2におけるディジタルカメラの処理を示すフローチャートである。
尚、実施例2では、実施例1と同様にカメラ処理部1000による撮影画像の書込み等の処理を優先させ、更にその優先処理を実行中は無線処理部1010の無線部1012への電源供給を行わないように制御し、省電力化を図るものである。
ユーザがディジタルカメラ901で撮影を実行し(ステップS1201)、カメラ制御部1001で撮影されて生成された画像データがカメラ処理部1000のRAM1003に一時的に格納され(ステップS1202)、その後、フラッシュROM1006に格納される(ステップS1203)。
次に、ユーザが撮影した画像データを無線通信により電子情報格納サーバ920へ転送を試みる場合(ステップS1204のYES)、無線処理部1010の電源部1011をONにする(ステップS1205)。しかし、この時点では無線処理部1010の電源はONであるが、無線部1012への電源供給は行わない。
この状態で、ユーザが不図示の無線送信ボタンを押下すると(ステップS1206)、カメラ処理部1000のデータバス1007と無線処理部1010のデータバス1016を確保し、撮像データがフラッシュROM1006からIEEE1394インタフェース1004,1013を経由して転送され、RAM1015への格納処理が開始される(ステップS1207)。
このとき、ディジタルカメラ901で撮影操作が発生し、シャッターが切られたとする(ステップS1208のYES)。ディジタルカメラ901においては撮像動作が最優先とされるので、カメラ処理部1000では、カメラ制御部1001からRAM1003へ撮像データを格納するためにデータバス1007の解放を要求する。これにより、上述の格納処理(ステップS1207)が使用していたデータバス1007は解放され、従って、フラッシュROM1006からRAM1015への格納処理(ステップS1207)は強制的に中断される(ステップS1209)。そして、上述の撮像動作が終了し、RAM1015への格納処理によるデータバス1007の確保が可能になると(ステップS1210のYES)、再び格納処理を実施する(ステップS1207)。
また、ディジタルカメラ901で撮影操作が発生せず(ステップS1208のNO)、RAM1015への格納処理が完了すると(ステップS1211のYES)、CPU1014は無線部1012に対して電源を供給する(ステップS1212)。
次に、電源が供給された無線部1012は、予め無線部1012の内蔵フラッシュROM等に記憶されているアクセスポイント識別符号などの無線通信パラメータを用いてアクセスポイント902の検索を開始する。そして、アクセスポイント902を検知した無線部1012はアクセスポイント902に対して認証確認、接続処理などのネゴシエーション処理を行い、無線処理部1010とアクセスポイント902との間の無線通信が可能なる。また、アクセスポイント902を介して接続先としてネットワーク910上の電子情報格納サーバ920を選択又は無線部1012の内蔵フラッシュROM等に予め選択先として電子情報格納サーバ920を登録しておくことにより、電子情報格納サーバ920と接続状態になることができる(ステップS1213)。
これにより、無線部1012ではアクセスポイント902を介してネットワーク910上の電子情報格納サーバ920とデータ通信を開始し、撮像データを転送する(ステップS1214)。その後、電子情報格納サーバ920への転送処理が全て終了すると、無線処理部1010は無線部1012への電源をOFFにする(ステップS1215)。
以上の処理により、無線通信によりデータ転送を行えない場合は、無線部1012への電力供給を行わないことで、無線処理部1010の省電力化が可能となる。
[変形例1]
上述した実施例2では、ディジタルカメラ901で撮影された1つの撮像画像データを対象としていたが、変形例1では複数の撮像画像データを対象とし、撮影操作が行われたときに1つの撮像画像データの格納処理が終了していれば、無線通信によりサーバへ転送するように制御するものである。
図13は、変形例1におけるディジタルカメラの制御手順を示すフローチャートである。ユーザがディジタルカメラ901で撮影を実行し(ステップS1301)、カメラ制御部1001で撮影されて生成された画像データがカメラ処理部1000のRAM1003に一時的に格納され(ステップS1302)、その後、フラッシュROM1006に格納される(ステップS1303)。
次に、ユーザが撮影した画像データを無線通信により電子情報格納サーバ920へ転送を試みる場合(ステップS1304のYES)、無線処理部1010の電源部1011をONにする(ステップS1305)。しかし、この時点では無線処理部1010の電源はONであるが、無線部1012への電源供給は行わない。
この状態で、ユーザがディジタルカメラ901で撮影した複数の画像のうち、電子情報格納サーバ920へ転送したい複数の画像を選択する(ステップS1306)。そして、無線通信を実行するために、例えばユーザインタフェースとして存在する無線通信ボタンを押下して無線通信の実施を指示すると(ステップS1307)、カメラ処理部1000のデータバス1007と無線処理部1010のデータバス1016を確保し、撮像データがフラッシュROM1006からIEEE1394インタフェース1004,1013を経由して転送され、RAM1015への格納処理が開始される(ステップS1308)。
具体的な方法として、例えば選択処理(ステップS1306)では、撮像画像データのフラッシュROM1006における格納先ファイルパスを獲得する。無線通信の実施指示(ステップS1307)によるRAM1015への格納処理(ステップS1308)では、選択された撮像画像データの格納先ファイルパスに基づいてフラッシュROM1006からRAM1015へ1撮像画像データ毎にRAM1015への格納処理を実行させれば良い。
このとき、ディジタルカメラ901で撮影操作が発生し、シャッターが切られたとする(ステップS1309のYES)。ディジタルカメラ901においては撮像動作が最優先とされるので、カメラ処理部1000では、カメラ制御部1001からRAM1003へ撮像データを格納するためにデータバス1007の解放を要求する。これにより、上述の格納処理(ステップS1308)が使用していたデータバス1007は解放され、従って、フラッシュROM1006からRAM1015への格納処理(ステップS1308)は強制的に中断される(ステップS1315)。
ここで、選択処理(ステップS1306)で選択された複数の撮像画像データのうち、RAM1015への格納処理が完了している撮像画像データが存在するか否かを確認する(ステップS1316)。該当する撮像画像データがある場合、CPU1014は無線部1012に対して電源を供給する(ステップS1319)。
次に、電源が供給された無線部1012は、予め無線部1012の内蔵フラッシュROM等に記憶されているアクセスポイント識別符号などの無線通信パラメータを用いてアクセスポイント902の検索を開始する。そして、アクセスポイント902を検知した無線部1012はアクセスポイント902に対して認証確認、接続処理などのネゴシエーション処理を行い、無線処理部1010とアクセスポイント902との間の無線通信が可能なる。また、アクセスポイント902を介して接続先としてネットワーク910上の電子情報格納サーバ920を選択又は無線部1012の内蔵フラッシュROM等に予め選択先として電子情報格納サーバ920を登録しておくことにより、電子情報格納サーバ920と接続状態になることができる(ステップS1320)。
これにより、無線部1012ではアクセスポイント902を介してネットワーク910上の電子情報格納サーバ920とデータ通信を開始し、撮像データを転送する(ステップS1321)。その後、電子情報格納サーバ920への転送処理が全て終了すると、無線処理部1010は無線部1012への電源をOFFにする(ステップS1322)。
また、ステップS1316において、該当する撮像画像データがなく、撮像動作が終了し、RAM1015への転送処理によるデータバス1007の確保が可能になると(ステップS1317のYES)、再びRAM1015へ格納処理の続きを実施する(ステップS1318)。
一方、ディジタルカメラ901で撮影操作が発生せず(ステップS1309のNO)、RAM1015への格納処理が完了すると(ステップS1310のYES)、CPU1014は無線部1012に対して電源を供給する(ステップS1311)。これ以降、上述したステップS1320〜S1322の処理と同様に、ステップS1312〜S1314の処理を行う。
以上の処理により、複数枚の撮像画像データを取り扱う場合も、無線通信によりデータ転送を行えない場合は、無線部1012への電力供給を行わないことで、無線処理部1010の省電力化が可能となる。
[変形例2]
上述した実施例2及び変形例1では、ユーザがディジタルカメラ901で撮影し、その撮影処理で生成された撮像画像データをカメラ処理部1000のRAM1003に一時的に格納し、その後、フラッシュROM1006に格納し、更にフラッシュROM1006からIEEE1394インタフェース1004,1013を経由して無線処理部1010へ転送し、RAM1015へ格納しているが、変形例2では撮像画像データをRAM1003及び1015に同時に格納するものである。
図14は、変形例2におけるディジタルカメラの制御手順を示すフローチャートである。まず、ユーザが撮影した画像データを無線通信により電子情報格納サーバ920へ転送を試みる場合(ステップS1401のYES)、無線処理部1010の電源部1011をONにする(ステップS1402)。しかし、この時点では無線処理部1010の電源はONであるが、無線部1012への電源供給は行わない。
この状態でユーザがディジタルカメラ901で撮影を実行し(ステップS1403)、カメラ制御部1001で撮影されて生成された画像データがCPU1005の制御によりカメラ処理部1000のRAM1003とIEEE1394インタフェース1004,1013を経由して無線処理部1010のRAM1015に同時に格納される(ステップS1404)。そして、カメラ処理部1000では引き続きフラッシュROM1006に格納される(ステップS1405)。
次に、無線処理部1010のRAM1015に少なくとも1撮像画像データの格納完了をCPU1014が確認すると(ステップS1406のYES)、CPU1014は無線部1012に対して電源を供給する(ステップS1407)。
これ以後、実施例2及び変形例1と同様な制御手順を実行することで、無線処理部1010の無線部1012からアクセスポイント902を介して電子情報格納サーバ920とデータ通信を行える状態となり(ステップS1408)、電子情報格納サーバ920へ1撮像画像データの転送処理を行うことができる(ステップS1409)。
このように、1つの撮像画像データの無線転送を完了する毎に、無線処理部1010のCPU1014はRAM1015に格納完了した撮像画像データがあるか否かを確認する(ステップS1410)。ここで、撮像画像データが存在する場合は、撮像画像データが無くなるまで(ステップS1410のNO)、上述した処理を繰り返し、撮像画像データの無線転送処理を行う。そして、全ての撮像画像データの無線転送処理が終了したならば、無線部1012の電源をOFFにする(ステップS1411)。
以上の処理により、ディジタルカメラ901で連続撮影などの処理が実施された場合においても、カメラ処理部1000の撮影処理により無線処理部1010のRAM1015への格納処理を中断されることなく、効率的な無線通信によるデータ転送が可能となる。また、無線通信によりデータ転送する撮像画像データがない場合は、無線部1012への電力供給を行わないことで、無線処理部1010の省電力化も可能となる。
実施例2及び変形例1、2によれば、無線の通信手段を有する撮像装置において、撮影されカメラ処理部用の記憶領域に格納された撮像画像データを無線処理部用の記憶領域へ転送し、転送処理が完了した際に無線部への給電を開始することで、無線処理部における余分な電力の消費を回避することが可能となる。
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。また、上記説明では、ディジタルカメラと無線通信アダプタ(無線処理部)とは有線接続ケーブルで接続されていたが、ディジタルカメラ本体に無線通信アダプタ(無線処理部)に相当する無線処理部を設けても良い。
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
このプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。