JP2006145240A - 人の歩行速度の計測方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】両脚の片方に磁界発生手段を、もう片方に磁界検出手段を装着し、磁界の強度から両脚の交差する速度を演算して人の歩行速度を計測する方法において、事前にその人の交差速度と歩行速度との関係を示す回帰直線、ならびに磁界発生手段を固定して磁界検出手段を磁界と垂直方向であって両脚に装着したときに進行方向となる方向にシフトしたときに得られる測定系の強度分布を求めておき、実際に歩行速度を計測する段階においては、歩行に伴い検出される磁界の強度と事前に求めた測定系の強度分布とから交差速度を演算するとともに、演算した交差速度を事前に求めたその人固有の回帰直線に入力することによって、時々刻々と変化するその人の歩行速度を直接かつリアルタイムで計測する。
【選択図】 図1
Description
また、近年においては、両脚の片方に磁界発生手段を、もう片方に前記磁界発生手段からの磁界を検出する検出手段を装着して、当該検出データに基づいて両脚が交差するときの交差速度を演算し、人の歩行速度を計測する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、当該文献においては、時々刻々と変化する歩行速度を計測することができるとしているが、両脚の交差速度と人の歩行速度とはまったく別の速度であるにも拘らず、両者を同一のものと捉えているように記載されている。したがって、当該文献において記載されている事項は交差速度の導出方法に留まり、歩行速度の導出方法については実質的に開示されていない。
(A)映像解析によって算出した両脚が交差するときの速度と、トレッドミルが示す歩行速度との間には密接な相関関係があること。例えば、図1は3名の被験者(身長が160〜183cm)にそれぞれトレッドミルを用いて時速1〜4.5kmの歩行運動を行わせたときの両脚が交差する速度とトレッドミルが示した歩行速度をプロットし、これらの関係について最小二乗法による回帰直線を求めたものであり、この図からも交差速度と歩行速度との間には密接な相関関係があることがわかる。なお、交差速度については、撮像したビデオ画像をコマ送り再生することによって、右脚のつま先が左脚つま先の後方15cmから前方15cmに到るまでに要した時間、すなわち右脚が30cm移動するのに要した時間を測定し、これに基づいて算出している。
(C)さらに、図1に示すように相関速度と歩行速度との関係を示す回帰直線は被験者ごとに異なること。
(D)以上のように個人差はあるものの、同一人ならば交差速度と歩行速度との間には密接な相関関係があるので、歩行に伴って時々刻々と変化する交差速度を求めることができれば、これをあらかじめ求めておいた回帰直線に入力することにより、時々刻々と変化する人の歩行速度をリアルタイムで計測することができること。
(E)図2(a)に示すように磁界発生手段を固定して、磁界検出手段を磁界と垂直方向であって両脚に装着したときに進行方向となる方向にシフトしていくと、図2(b)に示す測定系の強度分布が得られるが、本発明は、事前に測定系の強度分布を求めておき、実際に両脚の片方に磁界発生手段を、もう片方に磁界検出手段を装着して歩行したときに検出される磁界の強度と事前に求めた測定系の強度分布とから、進行方向における両脚間の距離ひいては交差速度を演算するものである。例えば、図3(a)については、当該測定系において磁界検出手段の出力Voutが47Vになるということは、コイル間の距離Xが±15cmを意味することから、図3(a)に示した時間Tにおいて片方の脚がもう片方の脚の後方15cmから前方15cmに移動したことを示している。すなわち、所定の計時手段によって30cm移動するのに要した時間Tを測定することにより、当該区間における両脚の交差速度(=30cm/T)を演算することができる。また、図3(b)または(c)については磁界検出手段の出力Voutがピーク値になるということはコイル間の距離Xが0cmを意味することから、図3(b)に示した時間Tにおいて片方の脚が15cm移動して両脚が揃ったことを示している。同様に、図3(c)に示した時間Tにおいて両脚が揃った状態から片方の脚が15cm移動したことを示している。すなわち、所定の計時手段によって15cm移動するのに要した時間Tを測定することにより、当該区間における両脚の交差速度(=15cm/T)を演算することができる。
以下、(1)事前に交差速度と歩行速度との関係を示す回帰直線を求める方法、(2)おなじく事前に測定系の強度分布を求める方法、および(3)これら事前に求めた回帰直線や測定系の強度分布を利用して人の歩行速度を計測する方法について順を追って説明する。
なお、この方法によれば、撮像したビデオ画像をコマ送り再生したときの脚の移動距離を測定することによって交差速度を容易に求めることができる。例えば、図1は右脚のつま先に注目して、これが左脚つま先の後方15cmから前方15cmに到るまでに要した時間、すなわち右脚が30cm移動するのに要した時間Tを測定することによって交差速度(=30cm/T)を算出したものである。なお、図1においては、両脚のつま先に注目して交差速度を算出したが、これは実際に磁界発生手段1と磁界検出手段4を装着してその人の歩行速度を計測する段階において、その人の両脚の片方のつま先の部分に磁界発生手段1を、もう片方のつま先の部分に磁界検出手段4を装着して、歩行速度を計測する測定系であったためである。したがって、事前に交差速度と歩行速度との関係を示す回帰直線を求める段階においては、実際に磁界発生手段1や磁界検出手段4を装着する部分に注目して、交差速度を求めることが望ましい。
また、交差速度と歩行速度との関係を示す回帰直線については、最小二乗法による方法が望ましい。
例えば、図3(a)については、当該測定系において磁界検出手段4の出力Voutが47Vになるということは、コイル間の距離Xが±15cmを意味することから、図3(a)に示した時間Tにおいて片方の脚がもう片方の脚の後方15cmから前方15cmに移動したことを示している。すなわち、所定の計時手段によって30cm移動するのに要した時間Tを測定することにより、当該区間における両脚の交差速度(=30cm/T)を演算することができる。したがって、当該演算した交差速度を事前に求めたその人固有の回帰直線に入力すれば、その人の歩行速度を計測することができる。
また、磁界発生手段1に磁石を用いて直流磁場を生成する場合、生成できる磁場強度には限界があるので、地磁気や地下鉄等からのノイズを受け易く、しかもこのような磁場をシールドすることは一般に困難であるため、交流磁場を用いることが望ましい。すなわち、磁界発生手段1としては、図4に示すように発振器2と送信コイル3により構成することが望ましい。この場合、送信コイル3は特に限定されるものではないが、脚あるいは履物への装着性の観点から、コイルの直径については20〜100mmのものが望ましい。
磁界検出手段4としては、特に限定されるものではなく、前記方法により発生した交流磁場を検出できるものであればよい。例えば、図4に示すように受信コイル5とアンプ6によって構成してもよいし、ホール素子とアンプ6によって構成してもよい。なお、図1〜図4に示した送信コイル3および受信コイル5は、直径が36mm、軸方向の長さが6mm、100巻きのコイルを使用している。また、同じく図1〜図4に示した発振器2の周波数は100KHz、受信コイル5の出力を増幅するアンプ6の増幅度は60dBの設定をしている。
2 発振器
3 送信コイル
4 磁界検出手段
5 受信コイル
6 アンプ
Claims (4)
- 両脚(履物を含む)の片方に磁界発生手段を、もう片方に磁界検出手段を装着し、人が歩行するときに検出される磁界の強度から、両脚の交差する速度を演算して人の歩行速度を計測する方法において、事前にその人の交差速度と歩行速度との関係を示す回帰直線、ならびに磁界発生手段を固定して磁界検出手段を磁界と垂直方向であって両脚に装着したときに進行方向となる方向にシフトしたときに得られる測定系の強度分布を求めておき、実際に磁界発生手段と磁界検出手段を装着してその人の歩行速度を計測する段階においては、歩行に伴い検出される磁界の強度と事前に求めた測定系の強度分布とから交差速度を演算するとともに、演算した交差速度を事前に求めたその人固有の回帰直線に入力することによって、時々刻々と変化するその人の歩行速度を直接かつリアルタイムで計測することを特徴とする人の歩行速度の計測方法。
- 前記磁界発生手段が、磁界の方向を磁界検出手段の有効感度方向に向けた送信コイルであり、前記送信コイルに交流電圧を印加して交流磁場を発生させ、対向する受信コイルで前記交流磁場を検出することを特徴とする請求項1に記載の人の歩行速度の計測方法。
- 両脚(履物を含む)の片方に磁界発生手段を、もう片方に磁界検出手段を装着し、人が歩行するときに検出される磁界の強度から、両脚の交差する速度を演算して人の歩行速度を計測する装置において、事前にその人の交差速度と歩行速度との関係を示す回帰直線、ならびに磁界発生手段を固定して磁界検出手段を磁界と垂直方向であって両脚に装着したときに進行方向となる方向にシフトしたときに得られる測定系の強度分布を求めておき、実際に磁界発生手段と磁界検出手段を装着してその人の歩行速度を計測する段階においては、歩行に伴い検出される磁界の強度と事前に求めた測定系の強度分布とから交差速度を演算するとともに、演算した交差速度を事前に求めたその人固有の回帰直線に入力することによって、時々刻々と変化するその人の歩行速度を直接かつリアルタイムで計測することを特徴とする人の歩行速度の計測装置。
- 前記磁界発生手段が、磁界の方向を磁界検出手段の有効感度方向に向けた送信コイルであり、前記送信コイルに交流電圧を印加して交流磁場を発生させ、対向する受信コイルで前記交流磁場を検出することを特徴とする請求項3に記載の人の歩行速度の計測装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109298201A (zh) * | 2018-10-23 | 2019-02-01 | 西南大学 | 利用霍尔效应和电磁感应规律测量步行速度的方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62229075A (ja) * | 1986-03-31 | 1987-10-07 | Kunihito Kobayashi | 速度計 |
JP2004069468A (ja) * | 2002-08-06 | 2004-03-04 | Canon Electronics Inc | 歩行速度または歩行距離を測定する測定装置 |
JP2004261555A (ja) * | 2003-03-03 | 2004-09-24 | Mikio Uehara | 運動情報を記録する機能つきの靴 |
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