JP2006145156A - 熱交換器及びその製造方法 - Google Patents

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朋子 ▲はま▼川
Tomoko Hamakawa
Takumi Kida
琢己 木田
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長生 木戸
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Abstract

【課題】二重管式熱交換器では、内管と外管との間の環状流路は変形や、潰れを生じ易く、その防止の為に内管または外管にフィンを立てようとすると、製造上可能なフィン高さに限界があり、流動抵抗を低く抑えるだけの流路断面積が確保できず、流動抵抗が高くなってしまう。
【解決手段】熱交換器1Xの熱交換部1は、内部に流体Aが流動する内管2と、内管2の外周を覆って内管2に密着する中管3と、中管3の外周を覆うように設置し、中管3との間に流体Bが流動する外管4と、中管3の外壁と外管4の内壁に密着する管軸方向に略平行な円柱材5とからなる。円柱材5を管軸方向に略平行としたので、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、独立した部材としたので、環状流路の周方向に垂直な方向の高さを任意の高さにできて、流路断面積を十分に確保できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプ式の給湯機や家庭用、業務用の空気調和機などにおいて、液体と冷媒との熱交換器に関するものである。
従来から、この種の熱交換器として、内管と外管からなる二重管式熱交換器がある。給湯用熱交換器は、管が腐食した場合でも、水に異物が混入しない構造が必要であり、二重管式熱交換器の場合、内管は、間に管軸方向に延びる溝を設けた二重管とすることが義務付けられている。管の腐食が溝まで進行した時点で、溝から流体が漏洩し、その漏洩を検知することで、水への異物混入を事前に防止できる。従って、実際は三重管構造となっている。
以下、図面を参照しながら、従来の給湯機用二重管式熱交換器を説明する。
図13は特許文献1に記載された従来の熱交換器の要部斜視図である。図13に示すように、従来の熱交換器100は、内管101と、内管101を覆うように設置した外管102と、内管101と外管102との間を螺旋状に仕切る伝熱促進体103とからなる。
内管101は、間に管長方向に延びる溝104を設けた二重管で、内部にねじれテープ等からなる内管用伝熱促進体105が挿入されている。伝熱促進体103は、スプリング、または、内管101の外表面、もしくは外管102の内表面に一体に設けた螺旋状突起である。
以上のように構成された上記の熱交換器について、以下その動作を説明する。
伝熱促進体103により、内管101と外管102との間の環状流路を、螺旋状流路として流路長を増大するとともに、当該流路を流れる流体の乱流化を促進することで、内管101内の流体と、内管101と外管102との間の流路を流れる流体との伝熱を促進するもので、単位長さ当たりの熱交換性能を向上させる。さらに、環状流路に生じ易い変形、潰れを防止できる。また、管が腐食して穴が空いた場合、溝104から流体が漏洩し、その漏洩を検知することで、水への異物混入を事前に防止できる。
特開2001−201275号公報
しかしながら、上記従来の熱交換器100の構成では、内管101の外表面、もしくは外管102の内表面に一体に設けた突起103で流路を形成しようとすると、製造上可能な突起高さに限界があり、環状流路内の流体の流動抵抗を低く抑えるのに必要なだけの流路断面積が十分確保できず、流動抵抗が高くなってしまうという課題があった。また、螺旋状流路は、単位長さ当たりの熱交換性能を向上させるも、やはり、流動抵抗は高いものとなる。流動抵抗が高くなると、流体が流れにくくなるため、流量が低下して熱交換性能が低下したり、流量を得る為に加圧用ポンプが必要となったり、ヒートポンプサイクルで使用した場合、圧縮機の高吐出量化を招く。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、環状流路の断面積を十分に確保できる熱交換器を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の熱交換器は、内部に流体Aが流動する内管と、前記内管の外周を覆って前記内管に密着する中管と、前記中管の外周を覆うように設置し、前記中管との間に流体Bが流動する外管と、前記中管の外壁と前記外管の内壁に密着する管軸方向に略平行な柱状材とからなるものである。
これによって、柱状材を管軸方向に略平行としたので、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、独立した部材としたので、環状流路の周方向に垂直な方向の高さを任意の高さにできて、流路断面積を十分に確保できる。
また、本発明は、内部に流体Aが流動する内管と、前記内管の外周を覆って前記内管に密着する中管と、前記中管の外周を覆うように設置し、前記中管との間に流体Bが流動する外管とからなり、前記中管の外壁と前記外管の内壁に、相対して密着する管軸方向に略平行に延びる突起を有するものである。
これによって、突起を管軸方向に略平行としたので、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、中管と外管の突起を相対して突合せることで、個々の管に製造可能な突起高さは低くとも、環状流路の周方向に垂直な方向の高さを高くすることができて、また、突起は各管と一体なので、最小の部品数で、流路断面積を十分に確保できる。
また、本発明は、内管を中管に挿入する第1工程と、前記中管を縮管して前記内管と密着させる第2工程と、柱状材を前記中管の外壁に管軸方向に略平行に配設する第3工程と、外管に前記柱状材を配設した前記中管を挿入する第4工程と、前記外管を縮管して前記柱状材と前記外管を密着させる第5工程とを具備する熱交換器の製造方法である。
これによって、外管に挿入する前に柱状材を中管に配設することで、組立てが容易になる。また、三重管を製造する場合、環状流路を形成した後に、内管と中管とを、たとえば内管の拡管などで密着させる方法では、環状流路に潰れや変形を生じ易い。これに対して、本発明は、三重管の中で最後に環状流路を形成するため、環状流路に潰れや変形を生じにくく、安定した製造品質を得ることができる。
また、本発明は、中管の外壁と外管の内壁に突起を設ける第1工程と、内管を前記中管に挿入する第2工程と、前記内管を拡管して中管と密着させる第3工程と、前記中管と前記外管の両突起が相対するように前記外管に前記中管を挿入する第4工程と、前記外管を縮管して前記両突起を密着させる第5工程とを具備する熱交換器の製造方法である。
これによって、中管と外管の両突起が相対するように挿入するので、挿入後の位置合わせが不要で、製造工数を低減できる。また、三重管の中で最後に環状流路を形成するため、環状流路に潰れや変形を生じにくく、安定した製造品質を得ることができる。
本発明の熱交換器は、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、環状流路の断面積を十分に確保して、所望の熱交換量を得ることができる。
また、本発明の熱交換器は、最小の部品数で、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、環状流路の断面積を十分に確保して、所望の熱交換量を得ることができる。
また、本発明の熱交換器の製造方法は、環状流路中の柱状材の位置決めが容易に、また確実にできるので、安定した製造品質を得ることができる。
また、本発明の熱交換器の製造方法は、環状流路高さの精度を確保しやすいので、安定した製造品質を得ることができる。
請求項1に記載の発明は、内部に流体Aが流動する内管と、前記内管の外周を覆って前記内管に密着する中管と、前記中管の外周を覆うように設置し、前記中管との間に流体Bが流動する外管と、前記中管の外壁と前記外管の内壁に密着する管軸方向に略平行な柱状材とからなるものである。これによって、柱状材を管軸方向に略平行としたので、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、独立した部材としたので、環状流路の周方向に垂直な方向の高さを任意の高さにできて、流路断面積を十分に確保して、所望の熱交換量を得ることができる。また、柱状材が環状流路の流体直径を小さくして流体Bの熱伝達率を高くし、熱交換効率を高めることができる。また、流体Aと流体Bの間は二重壁なので、両流体が混合しないという点で安全性が確保できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記中管の外壁、または、前記外管の内壁には、前記柱状材が密着する管軸方向に略平行な溝を有するものであり、これによって、溝に柱状材を沿わせることで、容易に柱状材の位置決めと固定を行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記柱状材は、略円形の断面形状を有するものであり、これによって、柱状材は周壁に角張った部分がないため、中管や外管との接触で柱状材が削れて切粉が出る恐れがなく、流路への異物混入の恐れが低減される。また、溝から多少位置がずれても、転がって自動的に溝の中心に位置するので、位置決めを容易に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記柱状材は、部分的に設けるものであり、これによって、変形や潰れが生じ易い箇所にだけ柱状材を設けることで、熱交換器の軽量化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、内部に流体Aが流動する内管と、前記内管の外周を覆って前記内管に密着する中管と、前記中管の外周を覆うように設置し、前記中管との間に流体Bが流動する外管とからなり、前記中管の外壁と前記外管の内壁に、相対して密着する管軸方向に略平行に延びる突起を有するものである。これによって、突起を管軸方向に略平行としたので、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、中管と外管の突起を相対して突合せることで、個々の管に製造可能な突起高さは低くとも、環状流路の周方向に垂直な方向の高さを高くすることができて、また、突起は各管と一体なので、最小の部品数で、流路断面積を十分に確保して、所望の熱交換量を得ることができる。また、突起が環状流路の流体直径を小さくして流体Bの熱伝達率を高くし、熱交換効率を高めることができる。また、流体Aと流体Bの間は二重壁なので、両流体が混合しないという点で安全性が確保できる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記内管の外壁の突起の先端と、前記外管の内壁の突起の先端に、相対する凹凸を有するものであり、突起先端の相対する凹凸が、突起の位置決めを容易にするとともに、中管と外管の両突起の位置ずれを防止することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、前記内管の外壁の突起と、前記外管の内壁の突起は、部分的に設けるものであり、これによって、変形や潰れが生じ易い箇所にだけ突起を設けることで、熱交換器の軽量化を図ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明において、前記流体Aを水、前記流体Bを二酸化炭素とするものであり、これによって、ヒートポンプ給湯機用の水冷媒熱交換器として使用することで高いヒートポンプ効率を得ることができる。
請求項9に記載の発明は、内管を中管に挿入する第1工程と、前記中管を縮管して前記内管と密着させる第2工程と、柱状材を前記中管の外壁に管軸方向に略平行に配設する第3工程と、外管に前記柱状材を配設した前記中管を挿入する第4工程と、前記外管を縮管して前記柱状材と前記外管を密着させる第5工程とを具備することを特徴とした熱交換器の製造方法であり、これによって、外管に挿入する前に柱状材を中管に配設することで、組立てが容易になる。また、三重管を製造する場合、環状流路を形成した後に、内管と中管とを、たとえば内管の拡管などで密着させる方法では、環状流路に潰れや変形を生じ易い。これに対して、本発明は、三重管の中で最後に環状流路を形成するため、環状流路に潰れや変形を生じにくく、安定した製造品質を得ることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記柱状材を前記中管の外壁に管軸方向に略平行に配設する第3工程は、前記中管の外壁に管軸方向に略平行な溝を加工する工程と、前記溝に前記柱状材を配設する工程と、前記溝に前記柱状材を固定する工程とからなる熱交換器の製造方法であり、中管外壁に管軸方に略平行な溝を加工してそこに柱状材を固定することで、柱状材の位置ずれを防止できるので、安定した製造品質を得ることができる。
請求項11に記載の発明は、中管の外壁と外管の内壁に突起を設ける工程と、内管を前記中管に挿入する工程と、前記内管を拡管して中管と密着させる工程と、前記中管と前記外管の両突起が相対するように前記外管に前記中管を挿入する工程と、前記外管を縮管して前記両突起を密着させる工程とを具備する熱交換器の製造方法でありこれによって、中管と外管の両突起が相対するように挿入するので、挿入後の位置合わせが不要で、製造工数を低減できる。また、三重管の中で最後に環状流路を形成するため、環状流路に潰れや変形を生じにくく、安定した製造品質を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器の要部斜視図、図2は、同実施の形態における熱交換器の熱交換部の管軸方向に垂直な断面図、図3は、同実施の形態における熱交換器の管軸方向の断面図である。図4は、同実施の形態における熱交換器の製造方法の第1及び第2工程の概略図、図5は、同実施の形態における熱交換器の製造方法の第3工程の概略図、図6は、同実施の形態における熱交換器の製造方法の第4及び第5工程の概略図である。図7は、同実施の形態における他の熱交換器の熱交換部の管軸方向に垂直な要部断面図である。
図1、図2において、熱交換器1Xの熱交換部1は、内部に水が流動する内管2と、内管2の外周を覆って内管2に密着する中管3と、中管3の外周を覆うように設置し、中管3との間に二酸化炭素が流動する外管4と、中管3の外壁3bと外管4の内壁4aに密着する管軸方向に略平行な円柱材5とからなる。内管2、中管3、外管4、円柱材5は耐食性、熱伝導性の良い銅製である。内管2と外管4は円管である。中管3の内壁3aには、管長方向に延びる凹凸を有し、内管2と密着して複数の小溝6を形成する。中管3の外壁3bには、管軸方向に略平行な溝7を有する。溝7に円柱材5が密着して、中管3と外管4との間には複数の環状流路8を形成し、円柱材5が環状流路8の周方向に垂直な方向の高さ(以下、環状流路高さと呼ぶ)を保持している。
図3において、熱交換部1の管端にはキャップ9を取り付けて、内管2と中管3を貫通させ、外管4の管端を閉塞する。キャップ9内の溝10が二酸化炭素の出入口となる。小溝6は、管軸方向に対して略平行に、キャップ9の外側まで延びている。
次に、図4から図6にて、熱交換器1Xの製造方法の概略を述べる。
まず、図4において、第1工程として、内管2を、内壁3aに管長方向に延びる凹凸を有する中管3へ挿入した後、第2工程として、中管3を縮管して内管2と中管3を密着させる。縮管工程は、中管3を一対のローラ11間に通し、中管3の外壁3bに万遍なくローラ11を圧接して行う。縮管工程は、引抜き加工でもよい。
図5において、第3工程として、中管3を、中管3の周方向に垂直な4方向から圧接するローラ12間に通して、外壁3bに管軸方向に略平行な溝7を加工する。その溝にペースト状のロー材13を順次供給する。4本の円柱材5を、溝7にローラ14を通して配設した後、高周波誘導加熱装置15で加熱して、溝7に円柱材5をロー付けして固定する。
図6において、第4工程として、円柱材5をロー付けした中管3を外管4に挿入した後、第5工程として、外管4を縮管して外管4と円柱材5を密着させる。縮管工程は、外管4を一対のローラ16間に通し、外管4の外壁4bに万遍なくローラ16を圧接して行う。縮管工程は、引抜き加工でもよい。
以上のように構成された熱交換器1Xについて、以下その動作を説明する。
熱交換部1の内管2の内部を水が、中管3と外管4との間の環状流路8に二酸化炭素が対向して流れ、密着した内管2と中管3の管壁を介して、水と二酸化炭素が熱交換する。
以上のように本実施の形態の熱交換器1Xは、円柱材5を管軸方向に略平行としたので、環状流路内の二酸化炭素の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、独立した部材としたので、環状流路の周方向に垂直な方向の高さを任意の高さ(例えば、環状流路高さ1.2mm)にできて、流路断面積を十分に確保して、所望の熱交換量を得ることができる。また、円柱材5が環状流路の流体直径を小さくして二酸化炭素の熱伝達率を高くし、熱交換効率を高めることができる。また、水などで内管2が腐食した場合、小溝6から水がキャップ9の外側まで漏洩して、漏洩を検知できるので、給湯用熱交換器として安全性が確保できる。
さらに、管軸方向に略平行な溝7を設けたことにより、円柱材5の位置決めと固定を容易にして、曲げ加工する場合でも円柱材5の位置ずれを防止できる。
また、環状流路を確保する部材を円柱材5としたことで、周壁に角張った部分がないため、中管3や外管4との接触で削れて切粉が出る恐れがなく、環状流路8への異物混入の恐れが低減される。また、溝7から多少位置がずれても、転がって自動的に溝7の中心に位置するので、位置決めを容易に行うことができる。
また、本実施の本実施の形態の熱交換器1Xの製造方法は、内管2を中管3に挿入する第1工程と、中管3を縮管して内管2と密着させる第2工程と、中管3の外壁3bに溝7を加工した後、溝7にロー材13を供給し、その溝7に円柱材5を配設して高周波でロー付けして固定する第3工程と、外管4に円柱材5を配設した中管3を挿入する第4工程と、外管4を縮管する第5工程とを具備したものである。これにより、外管4に挿入する前に円柱材5を中管3に配設することで、組立てが容易になる。また、三重管を製造する場合、予め環状流路8を形成した後に、内管2と中管3とを、たとえば内管2の拡管などで密着させる方法では、環状流路8に潰れや変形を生じ易い。これに対して、本発明は、最後に環状流路8を形成するため、環状流路8に潰れや変形を生じにくく、安定した製造品質を得ることができる。
また、中管3の外壁3bに管軸方向に略平行な溝7を加工してそこに円柱材5を配設することで、円柱材5の位置ずれが防止できる。また、高周波でロー付けすることで、ロー付け時の温度管理が容易となり、さらに溶接設備を小さくすることができる。
尚、本実施の形態では、円柱材5は熱交換部1の全長に亘って配設したが、環状流路8の変形や潰れが生じ易い箇所に部分的に配設してもよい。これにより、熱交換器1Xの軽量化を図ることができる。
尚、本実施の形態では、内管2、中管3、外管4は銅製としたが、真ちゅう、SUS等でも同様な効果を得る。内部に水が流動する内管2は、好ましくは耐食性の良い材料(例えば銅、ステンレス)で、冷媒が流動し、直径が大きく、肉厚も厚くなる外管4は、好ましくは高強度で、熱伝導性の良い材料(例えば銅、アルミニウム等の合金)で作るものがよい。薄肉化を図ることができる。
また、流体Aを水、流体Bを二酸化炭素として、当該熱交換器1Xをヒートポンプ給湯機用水冷媒熱交換器として使用することで、高いヒートポンプ効率を得ることができる。
尚、本発明の実施の形態では、流体Aを水、流体Bを二酸化炭素としたが、これに限らず、R410A、R32等その他の高圧冷媒と水や、温度差を持つ同一流体間の熱交換に用いても同様な効果を得る。
また、本実施の形態では、円柱材5の位置決めをする溝7は、中管3の外壁3bに設けて示したが、外管4の内壁4aに設けても、さらに図7に示すように、中管3と外管4の両壁3b、4aに設けてもよい。
また、環状流路高さを確保する柱状材として、4本の円柱材5を示したが、これに限らず、本数も4本でなくてもよく、角柱材等他の断面形状の柱状材でもよい。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における熱交換器の熱交換部の管軸方向に垂直な要部断面図である。図9は、同実施の形態における熱交換器の製造方法の第2及び第3工程の概略図、図10は、図9におけるA−A線断面図である。図11は、同実施の形態における熱交換器の製造方法の第4及び第5工程の概略図、図12は、図11におけるB−B線断面図である。尚、上述の実施の形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図8において、熱交換器1Xの熱交換部1は、内部に水が流動する内管2と、内管2の外周を覆って内管2に密着する中管17と、中管17の外周を覆うように設置し、中管17との間に二酸化炭素が流動する外管18とからなる。内管2、中管17、外管18は銅製である。内管2は円管である。中管17は内壁17aには、管長方向に延びる凹凸を有し、内管2と密着して複数の小溝6を形成する。中管17の外壁17bには、管軸方向に略平行に延びる複数の突起19を有し、その先端には凹溝20を有する。外管18は、突起19と相対する位置の内壁18aに、管軸方向に略平行に延びる複数の突起21を有し、その先端に凸条22を有する。凹溝20と凸条22を勘合して、突起19と突起21を密着させることで、中管17と外管18との間に複数の環状流路8を形成する。突起19と突起21が環状流路8の周方向に垂直な方向の高さ(以下、環状流路高さと呼ぶ)を保持している。
次に、図9から図12にて、熱交換器1Xの製造方法の概略を述べる。
まず、第1工程として、引抜き加工で、中管17の内壁17aに管長方向に延びる凹凸を設け、外壁17bに管軸方向に略平行に延び、その先端に凹溝20を有する突起19を設ける。同じく、外管18の内壁18aに、管軸方向に略平行に延び、その先端に凸条22を有する突起21を設ける。
図9、図10において、第2工程として内管2を中管17に挿入した後、第3工程として、内管2を拡管して中管17と密着させる。拡管工程は、内管2に、内管2より外径が大きいボール23を挿入して棒材等で押し、ボール23を押し進めることで内管2を拡径する。拡管工程は、水、油等を充填して圧力をかける液圧拡管でもよい。
図11、図12において、第4工程として、両突起19、21が相対するように中管17を外管18へ挿入する。その際、両突起19、21の先端の凹溝20と凸条22を相対させる。その後、第5工程として、外管18を縮管して、凹溝20と凸条22を勘合し、両突起19、21を密着させる。縮管工程は、外管18を一対のローラ24間に通し、外管18の外壁18bに万遍なくローラ24を圧接して行う。縮管工程は、引抜き加工でもよい。
以上のように構成された熱交換器1Xについて、以下その動作を説明する。
熱交換部1の内管2の内部を水が、中管17と外管18との間の環状流路8に二酸化炭素が対向して流れ、密着した内管2と中管17の管壁を介して、水と二酸化炭素が熱交換する。
以上のように、本実施の形態の熱交換器1Xは、中管17と外管18の突起19、21を管軸方向に略平行としたので、環状流路8内の二酸化炭素の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、両突起19、21を相対して突合せることで、個々の管に製造可能な突起高さは低くとも、環状流路8の周方向に垂直な方向の高さを高くすることができる。また、突起19、21は各管と一体なので、最小の部品数で、流路断面積を十分に確保して、所望の熱交換量を得ることができる。また、突起19、21が環状流路の流体直径を小さくして流体Bの熱伝達率を高くし、熱交換効率を高めることができる。
また、中管17の突起19と、外管18の突起21の先端に、相対する凹溝20、凸条22を有したことにより、凹溝20と凸条22が勘合することで、両突起19、21の位置決めを容易にするとともに、両突起19、21の位置ずれを防止することができる。
また、本実施の本実施の形態の熱交換器1Xの製造方法は、中管17の外壁17bと外管18の内壁18aに突起19、21を設ける第1工程と、内管2を中管17に挿入する第2工程と、内管2を拡管して中管17と密着させる第3工程と、中管17と外管18の両突起19、21が相対するように外管18に中管17を挿入する第4工程と、外管18を縮管して両突起19、21を密着させる第5工程とを具備したものである。これによって、中管17と外管18の両突起19、21が相対するように挿入するので、挿入後の位置合わせが不要で、製造工数を低減できる。また、三重管の中で最後に環状流路8を形成するため、環状流路8に潰れや変形を生じにくく、安定した製造品質を得ることができる。
尚、本実施の形態では、突起19、21は熱交換部1の全長に亘って配設したが、環状流路8の変形や潰れが生じ易い箇所に部分的に配設してもよい。熱交換器1Xの軽量化を図ることができる。
以上のように、本発明にかかる熱交換器は、中管と外管との間に、管軸方向に略平行な独立した部材を設けたり、中管と外管の両方に管軸方向に略平行で相対する突起を設けて密着させたりしたので、環状流路内の流体の流動抵抗増加を極力抑制しつつ、環状流路の周方向に垂直な方向の高さを任意の高さにできて、流路断面積を十分に確保できる熱交換器を得て、ヒートポンプ給湯機や家庭用、業務用の空気調和機、燃料電池等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における熱交換器の要部斜視図 同実施の形態における熱交換器の熱交換部の管軸方向に垂直な断面図 同実施の形態における熱交換器の管軸方向の断面図 同実施の形態における熱交換器の製造方法の第1及び第2工程の概略図 同実施の形態における熱交換器の製造方法の第3工程の概略図 同実施の形態における熱交換器の製造方法の第4及び第5工程の概略図 同実施の形態における他の熱交換器の熱交換部の管軸方向に垂直な要部断面図 本発明の実施の形態2における熱交換器の熱交換部の管軸方向に垂直な要部断面図 同実施の形態における熱交換器の製造方法の第2及び第3工程の概略図 図9におけるA−A線断面図 同実施の形態における熱交換器の製造方法の第4及び第5工程の概略図 図11におけるB−B線断面図 従来の熱交換器の要部斜視図
符号の説明
1X 熱交換器
2 内管
3、17 中管
3b、17b 中管の外壁
4、18 外管
4a、18a 外管の内壁
7 溝
19 中管の外壁の突起
20 凹溝
21 外管の内壁の突起
22 凸条

Claims (11)

  1. 内部に流体Aが流動する内管と、前記内管の外周を覆って前記内管に密着する中管と、前記中管の外周を覆うように設置し、前記中管との間に流体Bが流動する外管と、前記中管の外壁と前記外管の内壁に密着する管軸方向に略平行な柱状材とからなる熱交換器。
  2. 前記中管の外壁、または、前記外管の内壁には、前記柱状材が密着する管軸方向に略平行な溝を有することを特徴とした請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記柱状材は、略円形の断面形状を有することを特徴とした請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記柱状材は、部分的に設けることを特徴とした請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器。
  5. 内部に流体Aが流動する内管と、前記内管の外周を覆って前記内管に密着する中管と、前記中管の外周を覆うように設置し、前記中管との間に流体Bが流動する外管とからなり、前記中管の外壁と前記外管の内壁に、相対して密着する管軸方向に略平行に延びる突起を有する熱交換器。
  6. 前記中管の外壁の突起の先端と、前記外管の内壁の突起の先端に、相対する凹凸を有することを特徴とした請求項5に記載の熱交換器。
  7. 前記中管の外壁の突起と、前記外管の内壁の突起は、部分的に設けることを特徴とした請求項5または6に記載の熱交換器。
  8. 前記流体Aを水、前記流体Bを二酸化炭素とすることを特徴とした請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器。
  9. 内管を中管に挿入する第1工程と、前記中管を縮管して前記内管と密着させる第2工程と、柱状材を前記中管の外壁に管軸方向に略平行に配設する第3工程と、外管に前記柱状材を配設した前記中管を挿入する第4工程と、前記外管を縮管して前記柱状材と前記外管を密着させる第5工程とを具備することを特徴とした熱交換器の製造方法。
  10. 前記柱状材を前記中管の外壁に管軸方向に略平行に配設する第3工程は、前記中管の外壁に管軸方向に略平行な溝を加工する工程と、前記溝に前記柱状材を配設する工程と、前記溝に前記柱状材を固定する工程とからなる請求項9に記載の熱交換器の製造方法。
  11. 中管の外壁と外管の内壁に突起を設ける第1工程と、内管を前記中管に挿入する第2工程と、前記内管を拡管して中管と密着させる第3工程と、前記中管と前記外管の両突起が相対するように前記外管に前記中管を挿入する第4工程と、前記外管を縮管して前記両突起を密着させる第5工程とを具備する熱交換器の製造方法。
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