JP2006145046A - 転がり摺動部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり摺動部品の接触面の特に耐荷重性を向上すること。
【解決手段】相手部材との間で相対的に少なくとも転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子を分散混入したパーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物からなる潤滑膜が形成され、前記潤滑膜は、その厚さ方向に沿って前記パーフルオロエーテルあるいはその誘導体との混合物のみからなる第一の部分と、前記粒子を含みその上側および下側に前記パーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物が存在する第二の部分とを備え、前記第二の部分は前記第一の部分から厚さ方向に突出している部分を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品に関する。この転がり摺動部品としては、例えば転がり軸受、ボールねじ、直動型軸受などの構成要素が挙げられる。
従来から、転がり摺動部品の接触面に、金、銀、鉛、銅などの軟質金属や、カーボン、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を膜状にコーティングすることが行われている。
ところで、上述した膜は、発塵量が多く、耐荷重性が低いとされている。これに対して、発塵量が少なく耐荷重性の高いものとして、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(略称、PTFE)からなる膜を用いている。この膜は、固体状態に形成される。
また、本願出願人は、前述の膜に比べてさらに優れた発塵性、潤滑性を発揮する、官能基付きの含ふっ素重合体からなる潤滑膜を提案している。この潤滑膜としては、流動性を有する液体の状態や、高分子量化した固体の状態にすることができる。しかしながら、このような潤滑膜では、固体状態にした場合、前述のPTFEに比べて軟らかくて、耐荷重性が劣ることが指摘される。なお、液体状態にした場合、固体状のものに比べて耐荷重性に優れているものの、前述のPTFEに比べると若干劣る。
したがって、本発明は、転がり摺動部品の接触面の特に耐荷重性を向上することを目的としている。
本発明の第1の転がり摺動部品は、相手部材との間で相対的に少なくとも転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子を分散混入したパーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物からなる潤滑膜が形成され、前記潤滑膜は、その厚さ方向に沿って前記パーフルオロエーテルあるいはその誘導体との混合物のみからなる第一の部分と、前記粒子を含みその上側および下側に前記パーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物が存在する第二の部分とを備え、前記第二の部分は前記第一の部分から厚さ方向に突出している部分を備える。
本発明の第1の転がり摺動部品において、前記潤滑膜は、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子を分散混入したパーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物を溶媒で希釈した液を膜状に付着し乾燥処理したことで形成された潤滑膜である。この潤滑膜は流動性を備えることが好ましい。
本発明の第2の転がり摺動部品は、相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、前記固体膜は、少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である。
本発明の第3の転がり摺動部品は、相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、前記固体膜は、下記の化学式21で示される化合物と末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体とポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子とを所定の割合で混合したものを、少なくとも下記化学式41および42および43および44のいずれかの硬化反応で架橋することで、少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、前記末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である。
本発明の第4の転がり摺動部品は、相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、前記固体膜は、少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに下記化学式51で示される単位を主要構造単位とした固体膜であって、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、
末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である。
本発明の第5の転がり摺動部品は、相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、前記固体膜は、下記の化学式21で示される化合物と末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体とポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子とを所定の割合で混合したものを、少なくとも下記化学式41および42および43および44のいずれかの硬化反応で架橋することで、少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに下記化学式51で示される単位を主要構造単位とした固体膜であって、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、前記末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である。
Figure 2006145046
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本発明の第2ないし第5の発明において、前記流動可能な含ふっ素重合体が官能基を有していないことが好ましい。
また、本発明の第2ないし第5の発明において、前記固体状の潤滑膜は、分子間が結合した3次元の網状構造を有していることが好ましい。
また、本発明の第1ないし第5の発明において、前記粒子は、球状とされることが好ましい。
また、本発明の第1ないし第5の発明において、前記潤滑膜は、前記球状の粒子の最大粒子径に近似した膜厚に設定されることが好ましい。
上記本発明では、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子が潤滑性だけでなく耐荷重性に優れたものなので、潤滑膜全体の荷重負担能力が増すことになる。
また、潤滑膜を固体状とする場合には、分子間が密に詰まった均質な構造であるので、潤滑作用が長期的に継続できるようになる。しかも、この固体状の潤滑膜に含ふっ素重合体を流動可能な状態で分散添加している場合では、この流動可能な含ふっ素重合体が膜表面から滲み出て潤滑作用に寄与する。
本発明では、転がり摺動部品の接触面に発塵性、潤滑性および耐荷重性に優れた潤滑膜を形成しているから、高荷重を受ける状況での転動、摺動動作に伴う摩耗を長期にわたって防止できるなど、長寿命化を達成できる。
また、潤滑膜を固体状とした場合には、分子間が密に詰まった均質な構造であるので、潤滑作用が長期的に継続できるようになる。しかも、この固体状の潤滑膜に含ふっ素重合体を流動可能な状態で分散添加している場合では、この流動可能な含ふっ素重合体が膜表面から滲み出て潤滑作用に寄与するので、潤滑性の一層の向上に貢献できる。
本発明の詳細を図1および図6に示す実施例に基づいて説明する。
図1および図2は本発明の一実施例にかかり、図1は、転がり軸受の上半分の縦断面図、図2は、潤滑膜を模式的に示す断面拡大図である。ここでは、転がり摺動部品として転がり軸受を例示している。
図中、Aは深溝型玉軸受と呼ばれる転がり軸受の全体を示しており、1は内輪、2は外輪、3は球状の転動体、4は冠形の保持器、5は潤滑膜である。なお、図示例では、転がり軸受Aに密封装置を持たない開放形としている。
内・外輪1,2は、耐食性材料により形成されている。この耐食性材料としては、例えばJIS規格SUS440Cなどのマルテンサイト系ステンレス鋼、例えばJIS規格SUS630などの析出硬化型ステンレス鋼に適当な硬化熱処理を施した金属材などが挙げられる。また、軽荷重用途では、例えばJIS規格SUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼でもよい。
転動体3は、セラミックス材により形成されている。このセラミックス材としては、焼結助剤として、イットリア(Y23)およびアルミナ(Al23)、その他、適宜、窒化アルミ(AlN)、酸化チタン(TiO2)、スピネル(MgAl24)を用いた窒化けい素(Si34)を主体とするものの他、アルミナ(Al23)や炭化けい素(SiC)、ジルコニア(ZrO2)、窒化アルミ(AlN)などを用いることができる。
保持器4は、合成樹脂材料やSPCC材などの低炭素鋼、SUS304などのステンレス鋼などにより形成されている。合成樹脂材料としては、耐熱性を有する熱可塑性樹脂、例えば5〜10wt%のポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)および10〜20wt%のグラファイトが充填された熱可塑性ポリイミド樹脂(TPI)の他、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などのふっ素系樹脂やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ナイロン46などのエンジニアリングプラスチックスなどが挙げられる。これらの樹脂には、適宜、ガラス繊維などの強化繊維が添加されてもよい。添加しない場合は、強度が低下するが、ポケット面で露出繊維が摩耗して軌道面にかみ込むのを回避することができる。
そして、転がり軸受Aにおいて、内・外輪1,2、転動体3および保持器4の全表面には、下記する潤滑膜5が形成されている。
潤滑膜5は、図2に示すように、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)からなる粒子6を分散混入した官能基付きの含ふっ素重合体からなり、流動性を有する状態になっている。官能基付きの含ふっ素重合体としては、フルオロポリエーテル重合体またはポリフルオロアルキル重合体が好ましい。フルオロポリエーテル重合体は、−CX2X−O−という一般式(Xは1〜4の整数)で示される単位を主要構造単位とし、いずれも数平均分子量が1000〜50000の重合体とするものが挙げられる。ポリフルオロアルキル重合体は、下記化学式1に示すものが挙げられる。また、前述の官能基は、金属に対して親和性の高いもの(例えばエポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、スルフォン基またはエステル基など)が好ましく、例えば下記化学式2,3に示すものが挙げられる。このような含ふっ素重合体は、単独で用いるか、または2種以上を併用して用いてもよい。その場合は、より耐摩耗性の優れた膜が得られるように、組み合わされた基が互いに反応して重合体をより高分子量化させるように配慮するのが望ましい。さらに、粒子6となるPTFEとしては、球状とするのが望ましく、例えばセントラル硝子(株)製の商品名セラルーブVなどが好適に用いられる。
Figure 2006145046
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前述の官能基付きの含ふっ素重合体として、より詳しくは、パーフルオロポリエーテル(PFPE)あるいはその誘導体との混合物、具体的に例えばモンテカチーニ社の商品名フォンブリン(FONBLIN)Yスタンダード、フォンブリンエマ
ルジョン(FE20、EM04など)またはフォンブリンZ誘導体(FONBLIN Z DEAL、FONBLIN Z DIAC、FONBLIN Z DISOC、FONBLIN Z DOL、FONBLIN Z DOLTX2000、FONBLIN Z TETRAOLなど)が好適に用いられる。これら例示したものは、いずれも濃度が濃く、金属に対する親和性がきわめて悪いので、そのままでは膜状に付着させることが困難である。そのため、下記するような方法で形成するのが好ましい。 次に、上述した潤滑膜5の形成方法の一例を説明する。
(a) 潤滑膜5を得るための溶液を用意し、この溶液中に内・外輪1,2、転動体3および保持器4をそれぞれ個別に浸漬するか、あるいはそれらを組み立てて完成状態とした転がり軸受Aを浸漬して数回回転させることにより、内・外輪1,2、転動体3および保持器4の表面全体に液状膜を付着させる(付着処理)。この溶液の付着はスプレーを用いて行うこともできる。ここで用意する溶液は、例えばフォンブリンエマルジョンFE20(フォンブリン濃度20mass%)を適当な希釈溶媒でフォンブリン濃度を0.25mass%にまで希釈したものに対して、粒子径が約1〜2μmの球状の粒子6を例えば1〜10wt%分散混入したものである。なお、前述の希釈溶媒は、メタノール溶液、アルコール溶液や水などの揮発性のものの他、代替フロンとしてのふっ素系溶剤SV90Dなどとすることができる。
(b) 液状膜を付着した転がり軸受Aの全体を40〜50度で約3分間加熱し、液状膜に含む溶媒を除去する(乾燥処理)。
(c) この後、軸受使用環境での雰囲気温度を考慮して、例えば100〜200℃で15〜30分間、加熱する(仕上げ乾燥処理)。これにより、転がり軸受Aの動作時に溶媒や油成分などの不要な発塵がない流動性を有する潤滑膜5が得られる。
このようにすれば、転がり軸受Aの構成要素に潤滑膜5を好適な膜厚で形成することができる。なお、(a)、(b)は必要に応じて数回繰り返すようにしてもよく、最終的には、潤滑膜5の膜厚を粒子6の最大粒子径に近似させて例えば約1〜2μmに設定する。このようにして形成した潤滑膜5は、図2に示すように、粒子6の上方が露出していないとともに粒子6の下方にも潤滑膜5の一部が介在する状態になっており、全体的には表面がほぼ平坦となっている。なお、粒子6は潤滑膜5の全面積の25〜50%を占める量となるように設定される。下限の25%未満であれば耐荷重性にそれ程効果はなく、上限の50%を越えると含ふっ素重合体の有する潤滑特性が低下すると共に、粒子6の剥離が生じ発塵源となる。
以上説明した転がり軸受Aは、内・外輪1,2と転動体3との転動、摺動部位、保持器4と内輪1または外輪2との摺動部位、ならびに転動体3と保持器4との接触部位が潤滑膜5を介在した接触となり、軸受構成要素どうしが直接的に接触することが無くなる。しかも、潤滑膜5そのものが転動、摺動動作に伴う摩耗や発塵がきわめて少ないから、長期にわたって軸受構成要素どうしの直接的な接触を回避できるようになり、長寿命化を達成できるようになる。しかも、潤滑膜5中の粒子6によって荷重に対する緩衝作用が増すので、耐荷重性が向上する。ちなみに、耐荷重性については、粒子6を混入していない潤滑膜5の場合、荷重負担能力の上限値が約150kgf/mm2であるのに対して、粒子6を混入した潤滑膜5の場合だと、200kgf/mm2にと向上する。特に粒子6が球状
であると、荷重の分散が広くなり、大きな緩衝作用を得ることができる。さらに、実施例では、軸受構成要素の全表面に潤滑膜5を形成しているから、耐食性環境での使用において腐食防止効果が強くなり、別途腐食防止処理を施さなくて済む。
ところで、本発明は上記実施例のみに限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
(1) 上記実施例では、転がり摺動部品として深溝型玉軸受などの転がり軸受Aを引用しているが、転がり軸受の形式は特に限定されない。また、転がり摺動部品としては、ボールねじや直動型軸受などの転動・摺動部位、さらに他の種々な機械部品などの転動・摺動部位に本発明を適用できる。
(2) 上記実施例では、潤滑膜5を内・外輪1,2、転動体3、保持器4のすべてに形成しているが、内・外輪1,2だけ、あるいは転動体3だけに形成することができる。
(3) 上記実施例では、潤滑膜5を内・外輪1,2、転動体3、保持器4の全表面に形成しているが、例えば図3に示すように、内輪1の外周面、外輪2の内周面、転動体3、保持器4の内面(転動体3との接触部位)に潤滑膜5を形成してもよい。なお、図3では、密封装置を内蔵したタイプを示している。つまり、内・外輪1,2に対しては、その軌道面や保持器案内面(例えば内輪案内の場合であれば内輪1の肩部外周面、外輪案内の場合であれば外輪2の肩部内周面)に、また、保持器4に対しては、その内面や案内面(例えば内輪案内の場合であれば内周面、外輪案内の場合であれば外周面)に形成してもよい。この場合、転がり軸受Aを完成状態としてから用意した溶液を内・外輪1,2間にスポイドなどにより数滴、注入し、数回回転させることにより付着させるか、あるいは不要箇所をマスキングしておいて、軸受として組み立てる前に各単体を上記(a)で用意する溶液中に浸漬することにより付着させることが考えられる。
(4) 上記実施例では、流動性を有する潤滑膜5を例示しているが、下記するような固体状の潤滑膜5も本発明に含む。図4は、固体状の潤滑膜の構造を模式的に表した構造図、図5は、固体状の潤滑膜の硬化前の状態での性状分析結果を示すグラフ、図6は、固体状の潤滑膜の硬化後の状態での性状分析結果を示すグラフである。
前述の固体状の潤滑膜5は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子6を分散混入した含ふっ素ポリウレタン高分子化合物からなる。粒子6は、上述したものと同様である。含ふっ素ポリウレタン高分子化合物は、−CX2X−O−という一般式(Xは1〜4の整数)で示される単位を主要構造単位とし、いずれも平均分子量が数百万以上で硬化反応により分子間が結合した3次元の網状構造を有している。3次元の網状構造とは、化学構造上の表現であって、膜の断面が網状になっているのではなく、分子間が網状のように連続してつながって密に詰まった均質な構造になっていることを意味している。このような化合物としては、下記化学式4に示すような末端がイソシアネートの官能基付き含ふっ素重合体を用いて、化学構造を変化させたものとすることができる。前述の末端がイソシアネートの官能基付き含ふっ素重合体としては、パーフルオロポリエーテル(PFPE)の誘導体、具体的に例えばモンテカチーニ社の商品名フォンブリンZ誘導体(FONBLIN Z DISOCなど)が好適に用いられる。
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次に、上述した固体状の潤滑膜5の形成方法の一例を説明する。
(a) 固体状の潤滑膜5を得るための溶液を用意し、この溶液を用いて転がり軸受Aの任意の必要部位に液状膜を付着させる(付着処理)。ここで用意する溶液は、末端がイソシアネートの官能基付き含ふっ素重合体〔フォンブリンZ誘導体(FONBLIN Z DISOC)〕を希釈溶媒(ふっ素系溶剤SV90D)で含ふっ素重
合体の濃度を1mass%にまで希釈したものに対して、約1〜2μmの直径を有する球状の粒子6を例えば2wt%分散混入したものとする。
(b) 液状膜を付着した対象のみあるいは転がり軸受Aの全体を40〜50℃で約1分間加熱し、液状膜に含む溶媒を除去する(乾燥処理)。この時点では、液状膜のままであり、流動性を有している。
(c) この後、例えば100〜200℃で20時間、加熱する(硬化処理)。これにより、液状膜の化学構造が変化することにより硬化反応して固体状の潤滑膜5が得られる。ちなみに、この硬化処理では、液状膜に存在している官能基付き含ふっ素重合体の個々について、下記化学式5〜8に示すような4種の硬化反応でもって末端のイソシアネート(NCO)が消失し、各官能基付き含ふっ素重合体が互いに結合することにより3次元の網状構造となる。結合は、化学式5,6に示すような硬化反応でもって、図4(a)に模式的に示すように直線的に架橋するとともに、化学式7,8に示すような硬化反応でもって、図4(b)に模式的に示すように3次元方向で架橋する。なお、図4では、下記化学式9に示すように、上記化学式4を簡略化して模式的に表している。
Figure 2006145046
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このようにすれば、転がり軸受Aの必要部位に固体状の潤滑膜5を好適な膜厚で形成することができる。なお、(a)、(b)は必要に応じて数回繰り返すようにしてもよく、最終的には、用途に応じて、潤滑膜5の膜厚を例えば1〜2μmの範囲で適宜に設定することができる。
このようにして得られた固体状の潤滑膜5は、上記流動性を有する場合と同様に、図2に示すように、粒子6の直径に近似した膜厚となっていて、粒子6の上方が露出していないとともに粒子6の下方にも潤滑膜5の一部が介在する状態になっており、全体的には表面がほぼ平坦となっている。また、この固体状の潤滑膜5は、パーフルオロポリエーテル(PFPE)の固体成分が3wt%、液体成分が0.75wt%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)が2wt%存在している。
ここで、(a)で用意した溶液を濃縮乾燥しただけの状態(流動性がある状態)と、(a)で用意した溶液をステンレス鋼板などの試料に付着して硬化した状態とについて、その性状を分析したので説明する。
前者は、FT−IR法(フーリエ変換−赤外分光、液膜法)で分析している。その結果は、図5のグラフに示すように、ふっ素系のピーク以外にNH(3300cm-1)、N=C=O(2279cm-1)、NHC=O(1712cm-1,1546cm-1)、ベンゼン(1600cm-1)などのピークが見られ、ベンゼン環、NHC=O結合、イソシアネートが官能基として存在していることが確認できる。ここでは、薄膜と厚膜との場合についてそれぞれ調べているが、膜厚に関係なく分析が行えた。後者は、FT−IR法(フーリエ変換−赤外分光、高感度反射法)で分析している。その結果は、図6のグラフに示すように、ベンゼン環やNHC=O結合のピークが見られるが、イソシアネートのピークが見られない。つまり、これらの結果に基づき、上記化学式5〜8に示す硬化反応による官能基の化学構造変化が確認される。
以上説明した固体状の潤滑膜5は、それ自体が3次元の網状構造をもって、被覆対象上に緻密に被覆されるとともに自己潤滑性を有するため、上記実施例よりもさらに一層長期にわたって優れた回転特性を発揮できるようになる。この他、耐荷重性についても、上記実施例と同様となる。また、潤滑膜5そのものと粒子6とは同じふっ素系なのでなじみもよく、粒子6が剥離しにくくなる。
この実施例において、上記(c)の硬化処理については、加熱に代えて、紫外線、赤外線、γ線、電子線などの電磁波(光)のエネルギーを利用することができる。また、(b)の乾燥処理は、省略してもよい。
この固体状の潤滑膜5の場合、含ふっ素ポリウレタン高分子化合物中に、フルオロポリエーテルなどの含ふっ素重合体を流動可能に分散添加した構造とすることもできる。この場合、具体的に、上記形成方法の(a)の付着処理において、用意する溶液を、末端がイソシアネートの官能基付き含ふっ素重合体〔例えば商品名フォンブリンZ誘導体(FONBLIN Z DISOCなど)〕と、含ふっ素化合物とし
て官能基なし含ふっ素重合体〔例えば商品名フォンブリンZ誘導体(FONBLIN Z-60など)〕とを所定の割合で混合したものとすればよい。この場合では、(c)の硬化処理において、官能基なし含ふっ素重合体が、官能基付き含ふっ素重合体と結合しないので、これが、固体状の潤滑膜5の内部において流動可能となり、膜表面から滲み出るなどして潤滑作用を発揮することになる。なお、含ふっ素重合体としては、前述の官能基なし含ふっ素重合体のみに限定されず、化学式10,11,12に示すような官能基付き含ふっ素重合体とすることができる。
Figure 2006145046
Figure 2006145046
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本発明の一実施例にかかる転がり軸受の上半分の縦断面図 潤滑膜を模式的に示す断面拡大図 本発明の他の実施例にかかる転がり軸受の上半分の縦断面図 固体状の潤滑膜の構造を模式的に表した構造図 固体状の潤滑膜の硬化前の状態での性状分析結果を示すグラフ 固体状の潤滑膜の硬化後の状態での性状分析結果を示すグラフ
符号の説明
A 転がり軸受
1 内輪
2 外輪
3 転動体
4 保持器
5 潤滑膜
6 粒子

Claims (11)

  1. 相手部材との間で相対的に少なくとも転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、
    転がり摺動部品の相手部材との接触面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子を分散混入したパーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物からなる潤滑膜が形成され、前記潤滑膜は、その厚さ方向に沿って前記パーフルオロエーテルあるいはその誘導体との混合物のみからなる第一の部分と、前記粒子を含みその上側および下側に前記パーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物が存在する第二の部分とを備え、前記第二の部分は前記第一の部分から厚さ方向に突出している部分を備える、ことを特徴とする転がり摺動部品。
  2. 前記潤滑膜は、転がり摺動部品の相手部材との接触面に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子を分散混入したパーフルオロポリエーテルあるいはその誘導体との混合物を溶媒で希釈した液を膜状に付着し乾燥処理したことで形成された潤滑膜である、ことを特徴とする請求項1に記載の転がり摺動部品。
  3. 前記潤滑膜は流動性を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の転がり摺動部品。
  4. 相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、
    転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、
    前記固体膜は、
    少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに、
    ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、
    流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である、ことを特徴とする転がり摺動部品。
    Figure 2006145046
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  5. 相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、
    転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、
    前記固体膜は、
    下記の化学式21で示される化合物と末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体とポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子とを所定の割合で混合したものを、少なくとも下記化学式41および42および43および44のいずれかの硬化反応で架橋することで、少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに、
    前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、
    前記末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である、ことを特徴とする転がり摺動部品。
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  6. 相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、
    転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、
    前記固体膜は、
    少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに下記化学式51で示される単位を主要構造単位とした固体膜であって、
    ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、
    末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である、ことを特徴とする転がり摺動部品。
    Figure 2006145046
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  7. 相手部材との間で相対的に転がり接触またはすべり接触が生ずる転がり摺動部品であって、
    転がり摺動部品の相手部材との接触面に、固体膜が形成され、前記固体膜は、
    下記の化学式21で示される化合物と末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体とポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子とを所定の割合で混合したものを、少なくとも下記化学式41および42および43および44のいずれかの硬化反応で架橋することで、少なくとも下記化学式31および32および33および34のいずれかの結合を備えるとともに下記化学式51で示される単位を主要構造単位とした固体膜であって、
    前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子と、
    前記末端がイソシアネート官能基付き含ふっ素重合体と結合しない流動可能な含ふっ素重合体と、が分散した固体膜である、ことを特徴とする転がり摺動部品。
    Figure 2006145046
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  8. 前記流動可能な含ふっ素重合体が官能基を有していない、請求項4ないし7のいずれかに記載の転がり摺動部品。
  9. 前記固体状の潤滑膜は、分子間が結合した3次元の網状構造を有している、請求項4ないし8に記載の転がり摺動部品。
  10. 前記粒子は、球状とされる、請求項1ないし9のいずれかに記載の転がり摺動部品。
  11. 前記潤滑膜は、前記球状の粒子の最大粒子径に近似した膜厚に設定される、請求項10に記載の転がり摺動部品。
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