JP2006144580A - 可変容量型圧縮機用の容量制御弁 - Google Patents

可変容量型圧縮機用の容量制御弁 Download PDF

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聡 梅村
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Tatsuya Hirose
達也 廣瀬
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Abstract

【課題】弁孔の形成や弁孔を開閉する弁体を備えた往復体の製作が、従来よりも容易な可変容量型圧縮機用の容量制御弁の提供にある。
【解決手段】吐出圧領域に連通する第1ポートと制御圧室16に連通する第2ポートを連絡する第1通路と、第2ポートと吸入圧領域に連通する第3ポートを連絡する第2通路と、第1通路に設けた第1弁孔55と、第2通路に設けた第2弁孔57と、第1弁孔55を開閉する第1弁体及び第2弁孔57を開閉する第2弁体を設けた往復体と、第1通路に設けられ、第1弁孔55の開弁及び第2の弁孔57の閉弁を行なう方向に往復体を移動させる感圧機構67と、第1弁孔55の閉弁及び第2弁孔57の開弁を行なう方向に往復体を付勢するソレノイド71を備え、往復体は第1弁孔55又は第2弁孔57に支持される第1軸部材81と、ソレノイド71の付勢を受けて第1軸部材81に対して付勢する第2軸部材82を有する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、車両空調装置に用いられる可変容量型圧縮機に適用され、前記圧縮機の吐出容量を可変制御する可変容量型圧縮機用の容量制御弁に関する。
一般的に、車両用空調装置等に用いられる圧縮機として、吐出容量を可変制御することができる可変容量型圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)が知られている。
この種の圧縮機においては、駆動軸に対して傾斜可能な斜板が制御圧室に収容されている。
斜板は、制御圧室の圧力が高くなるにつれて駆動軸の軸線に対して直角に近づき(斜板の傾斜角度が小さくなる)、一方、制御圧室の圧力が低くなる場合には、駆動軸の軸線に近づくように(斜板の傾斜角度が大きくなる)斜板が傾斜する。
圧縮機が備えるピストンのストロークは、斜板の傾斜状態に応じて変化する。
例えば、制御圧室の圧力が高く斜板の傾斜が小さい場合には、ピストンのストロークは小さく、逆に、制御圧室の圧力が低く斜板の傾斜が大きい場合には、ピストンのストロークは大きい。
従って、ピストンのストロークが小さくなると吐出容量は少なくなり、またストロークが大きくなると吐出容量も大きくなる。
図7には圧縮機用の容量制御弁100が示されている。
この容量制御弁100は、吐出室から制御圧室へ供給する冷媒量と、制御圧室から吸入室へ導出する冷媒量を制御するための三方弁タイプの容量制御弁である。
この容量制御弁100は、バルブハウジング101内に感圧室102、交流室103、排出室104が形成されている。
感圧室102と交流室103との間の隔壁101aに第1弁孔105が形成され、交流室103と排出室104を隔絶する隔絶部材106には第2弁孔107が形成されている。
バルブハウジング101において感圧室102から一番離れた部位には、ソレノイド108が備えられている。
ソレノイド108は、バルブハウジング101に対して固定される固定鉄芯109と、固定鉄芯109に対して移動する可動鉄芯110と、電磁コイル111を備えている。
固定鉄芯109には挿通孔109aが形成されており、挿通孔109aには第1弁孔105及び第2弁孔107を貫く往復体としての軸部材112が挿通されている。
そして軸部材112の端部は可動鉄芯110に固定され、別の端部は感圧室102に達して感圧室102内の感圧機構115に接続されている。
軸部材112は第1弁孔105を閉じる第1弁体113と第2弁孔107を閉じる第2弁体114を備えている。
これらの弁体113、114は、基本的には第1弁体113が第1弁孔105を開くとき、第2弁体114が第2弁孔107を閉じ、第1弁孔105を閉じるとき、第2弁孔107を開くようにする弁体であるが、第1弁孔105と第2弁孔107が同時に閉じられる状態も存在する。
従って、軸部材112は固定鉄芯109の挿通孔109aと第1弁孔105と第2弁孔107の3箇所で支持されることもある。
また、関連する技術として、特許文献1及び特許文献2には同種の容量制御弁が示されている。
特開平11−280660号公報(第3−4頁、図1) 特開平11−62842号公報(第3−5頁、図1−図2)
容量制御弁では各弁孔と各弁体の精度が良くない場合、弁孔と弁体との間に間隙が生じ、吐出室等の吐出圧領域の冷媒が吸入室等の吸入圧領域に流出し、圧縮機の性能を低下させるおそれがある。
このため、従来の容量制御弁では支持される箇所は高精度に形成される必要があり、各弁孔間における同軸度や弁体間における同軸度が高精度に要求される。
ところが、三方弁タイプの容量制御弁では、往復体がバルブハウジングに対して3箇所以上で支持されることが回避できないという問題がある。
往復体が3箇所以上で支持されることは、往復体の同軸度を高い精度で実現することを難しくする。
このことは、軸部材の製作や弁孔の形成の容易化に対する大きな隘路となっている。
特に、当接する箇所が面接触を含む場合には、精度の高い同軸度を実現することはさらに困難となる。
また、特許文献1及び特許文献2には、上記の問題を解決する手段は具体的に開示されていない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、弁孔の形成や弁孔を開閉する弁体を備えた往復体の製作が従来よりも容易な可変容量型圧縮機用の容量制御弁の提供にある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、吐出圧領域に連通する第1ポートと制御圧室に連通する第2ポートを連絡する第1通路と、前記第2ポートと吸入圧領域に連通する第3ポートを連絡する第2通路と、前記第1通路に設けた第1弁孔と、前記第2通路に設けた第2弁孔と、前記第1弁孔を開閉する第1弁体及び前記第2弁孔を開閉する第2弁体を設けた往復体と、前記第1通路に設けられ、前記吐出圧領域の圧力に応じて前記第1弁孔の開放及び前記第2弁孔の閉鎖を行なう方向に前記往復体を移動させる感圧機構と、前記第1弁孔の閉鎖及び前記第2弁孔の開放を行なう方向に前記往復体を付勢するソレノイドを備え、前記往復体は少なくとも前記第1弁孔、前記第2弁孔及び前記ソレノイドに支持されている可変容量型圧縮機用の容量制御弁であって、前記往復体は、前記第1弁体及び前記第2弁体を備える第1軸部材と、前記ソレノイドの付勢を受けて前記第1軸部材に対して付勢する第2軸部材を有し、該第1軸部材及び第2軸部材は2箇所以内で支持されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、第1弁孔を開閉する第1弁体及び前記第2弁孔を開閉する第2弁体を設けた往復体は第1軸部材と第2軸部材を有するが、前記第1弁体及び前記第2弁体を備える第1軸部材は第1弁孔及び前記第2弁孔にのみ接触する。
つまり、往復体としては分割されており、第1軸部及び第2軸部材が2箇所以内で支持されることになる。
第2軸部材とは別に第1軸部材の精度を考慮すればよいから、弁孔及び弁体の精度を高くすることが容易となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の可変容量圧縮機用の容量制御弁において、前記第1軸部材と前記第2軸部材との当接箇所は前記第2通路に含まれることを特徴とすることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、第1ポートと第2ポートの差圧、あるいは第1ポートと第3ポートの差圧により第1軸部材を常に第2軸部材へ付勢させることができるから、容量制御弁としての機能を維持することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の可変容量圧縮機用の容量制御弁において、前記第1ポートと前記ソレノイドが互いに最も離れた位置に設けられることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、第2軸部材の第1軸部材に対する付勢力に対抗するように、吐出領域圧の第1ポートにより第1軸部材に対して第2軸部材側への付勢力を確実に得ることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の可変容量型圧縮機用の容量制御弁において、前記第1ポート、前記第2ポート、前記第3ポートが順番に配置されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明よれば、第1ポートと第3ポートの間に第2ポートが配置されるから、第1ポートと第2ポートを連通する第1通路と、第2ポートと第3ポートを連通する第2通路とを、比較的容易に構成することができる。
この発明によれば、弁孔の形成や弁孔を開閉する弁体を備えた往復体の製作が、従来よりも容易な可変容量型圧縮機用の容量制御弁を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る可変容量型圧縮機用の容量制御弁(以下、単に「容量制御弁」と呼ぶ)を図1〜図3に基づいて説明する。
まず、実施形態に係る可変容量型圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)の概要について説明する。
図1に示す圧縮機10には、圧縮機10の外殻であるハウジング11が形成されているが、このハウジング11は、複数のシリンダボア12aが形成されたシリンダブロック12と、そのシリンダブロック12の前部側に接合されるフロントハウジング13と、シリンダブロック12の後部側に接合されるリヤハウジング14とから構成されている。
そして、フロントハウジング13からリヤハウジング14まで通される通しボルト15の前後方向の締め付けにより、フロントハウジング13、シリンダブロック12及びリヤハウジング14が一体的に固定され、ハウジング11が形成される。
フロントハウジング13には、制御圧室16が後部側をシリンダブロック12により閉鎖した状態にて形成されている。
そして、回転自在の駆動軸17がその制御圧室16を中央付近を貫通するように備えられており、この駆動軸17はフロントハウジング13に設けられるラジアル軸受18と、シリンダブロック12に設けられる別のラジアル軸受19により支持されている。
この駆動軸17の前部を支持するラジアル軸受18の前方に、駆動軸17の周面に亘って摺接する軸封機構20が備えられている。
この軸封機構20はリップシール部材等を有し、制御圧室16内の冷媒がフロントハウジング13と駆動軸17の間から漏れ出すことを防止するものとなっている。
この実施形態における駆動軸17の前端には、図示しない動力伝達機構を介して外部駆動源に連結されており、動力伝達機構は外部からの電気制御により動力の伝達又は遮断を選択することができる電磁クラッチ等のクラッチ機構としている。
なお、動力伝達機構はクラッチ機構に限らず、動力を常に伝達することが可能なベルトとプーリーとの組み合わせによるクラッチレス機構を採用してもよい。
前記制御圧室16における駆動軸17には、ラグプレート21が一体回転可能に固着されている。
ラグプレート21の後方における駆動軸17には、容量変更機構22を構成する斜板23が、駆動軸17の軸線方向へスライド可能及び傾動可能に支持されている。
斜板23とラグプレート21との間にはヒンジ機構24が介在され、このヒンジ機構24を介して斜板23がラグプレート21および駆動軸17に対して、同期回転可能及び傾動可能に連結されている。
駆動軸17におけるラグプレート21と斜板23との間にはコイルスプリング25が巻装されているほか、コイルスプリング25の押圧により後方へ付勢される摺動自在の筒状体26が駆動軸17に嵌挿されている。
斜板23は、コイルスプリング25の付勢力を受けた筒状体26により常に後方、すなわち、斜板23の傾斜角度が減少する方向へ向けて押圧される。
なお、斜板23の傾斜角度とは、ここでは駆動軸17と直交する面と斜板22の面により成す角度を意味している。
斜板23の前部にはストッパ部23aが突設され、図1に示すように、このストッパ部23aがラグプレート21に当接することにより、斜板23の最大傾斜位置が規制されるようになっている。斜板23の後方における駆動軸17には止め輪27が取り付けられ、この止め輪27の前方においてコイルスプリング28が駆動軸17に巻装されている。
このコイルスプリング28の前部に当接することにより斜板23の最小傾斜位置が規制されるようになっている。
前記シリンダブロック12の各シリンダボア12aには、片頭型のピストン29が夫々往復移動可能に収容され、これらのピストン29の首部がシュー30を介して斜板23の外周に係留されている。
そして、駆動軸17の回転に伴って斜板23が回転運動されるとき、シュー30を介して各ピストン29が往復移動される。
一方、図1に示されるように、リヤハウジング14の前部側とシリンダブロック12の後部側は接合されているが、両者14、12との間には弁板32と、弁体形成板33、34と、リテーナ35が介装されている。
リヤハウジング14は、シリンダブロック12に接合される後部側のハウジングであるが、このリヤハウジング14内の中心側には、吸入室38が形成されており、吸入室38は弁板32に設けられる吸入ポート36によりシリンダボア12a内の圧縮室31と連通されている。
また、リヤハウジング14の外周側には、吐出室39が形成されており、この吐出室39と吸入室38は隔壁14aにより隔絶されている。
弁板32はシリンダボア12aにおいてピストン29とともに圧縮室31を形成するためのものであるが、リヤハウジング14側の吸入室14aと連通する吸入ポート36と、吐出室14bと連通する吐出ポート37を有している。
弁体形成板33は、圧縮室31及び吸入通路38との間に介在される吸入弁(図示せず)を形成する吸入弁形成板であり、一方、弁体形成板34は、吐出ポート37及び吐出室39との間に介在されるリード式の吐出弁34aを形成する吐出弁形成板である。
また、リテーナ35は吐出弁34aの最大開度を規制するためのものである。
ところで、吸入室38の冷媒はピストン29の上死点位置から下死点位置への移動により、吸入ポート36を及び吸入弁を介して圧縮室31内に吸入されることになる。
圧縮室31内に吸入された冷媒はピストン29の下死点位置から上死点位置への移動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート37及び吐出弁34aを介して吐出室39へ吐出される。
斜板23の傾斜角度は、斜板23の遠心力に起因する回転運動のモーメント、ピストン29の往復慣性力によるモーメント、冷媒の圧力によるモーメント等の各モーメントとの相互バランスに基づき決定される。
冷媒の圧力によるモーメントとは圧縮室31内の圧力と、ピストン29の背面に作用する制御圧室16内の圧力との相関に基づいて発生するモーメントであり、制御圧室16の圧力変動に応じて傾斜角度の増大方向又は減少方向に作用する。
次に、外部冷媒回路について説明する。
吸入室38はリヤハウジング14に形成された吸入通路40を介して外部冷媒回路42と接続されており、外部冷媒回路42からの冷媒は吸入通路40を通過して吸入室38へ供給することができる。
この実施形態では、吸入室38及び吸入通路40は吸入圧領域に含まれる。
また、吐出室39はリヤハウジング14に形成された吐出通路41を介して外部冷媒回路42と接続されており、吐出室39の冷媒を吐出通路41を介して外部冷媒回路42へ供給することができる。
外部冷媒回路42は、冷媒から熱を奪う熱交換器43と、膨張弁44と、熱を冷媒に移す熱交換器45を含む。
膨張弁44は、熱交換機45の出口側の冷媒温度の変動に対応して冷媒流量を制御する温度感知式自動膨張弁である。
外部冷媒回路42において、吐出通路41より下流側であって熱交換器43よりも上流には、絞り46が設けられている。
この実施形態では、説明の便宜上、吐出通路41と絞り46の間を吐出側上流回路42a、絞り46と熱交換器43の間を吐出側下流回路42bとする。
この実施形態では、吐出室39と、吐出側上流回路42aと、吐出側下流回路42bはいずれも吐出圧領域に含まれる。
この実施形態の圧縮機10では、次に説明する容量制御弁50を用いて制御圧室16内の圧力を調節し、冷媒の圧力によるモーメントを適宜変更することで、斜板23の傾斜角度を最小傾斜角度から最大傾斜角度との間の任意の角度に設定することを可能としている。
図1に示されるように、リヤハウジング14内には三方弁タイプの容量制御弁50が備えられている。
容量制御弁50は図2に示されるように、主に、略筒状であって複数の室を持つバルブハウジング51と、バルブハウジング51に接続されるソレノイド71と、第1弁体及び第2弁体を有する第1軸部材81と、ソレノイド71により付勢される第2軸部材82と、第1軸部材81を移動させる感圧機構67を有する。
〔バルブハウジングについて〕
バルブハウジング51内には、バルブハウジング51の一方の端部側から、感圧室52と、交流室53と、排出室54と3つの室が形成されている。
感圧室52と交流室53との間には第1弁孔55が形成された隔壁51aが形成され、隔壁51aにより両室52、53は隔絶されている。
交流室53と排出室54との間には、第2弁孔57が形成された隔絶部材56が設置されており、隔絶部材56により両室53、54は隔絶されている。
第1弁孔55と第2弁孔57は互いに同軸線に位置し、この実施形態では両弁孔55、57の径は同じとなっている。
バルブハウジング51には、感圧室52と吐出側下流回路42bを連通する第1ポートとしての第1感圧室ポート58と、交流室53と制御圧室16を連通する第2ポートとしての交流室ポート60と、排出室54と吸入室38を連通する排出室ポート61が形成されている。
さらに、感圧室52の端部は第2感圧室ポート59を有する端壁部材62が取り付けられ、第2感圧室ポート59は吐出側上流回路42aと感圧室52を連通する。
バルブハウジング51内には、第1感圧室ポート58から第1弁孔55を通じて交流室ポート60に至る第1通路としての給気用通路と、交流室ポート60から第2弁孔57を通じて排出室ポート54に至る第2通路としての抽気用通路が設定される。
第1感圧室ポート58は通路63を介して吐出側下流回路42bと連通され、第2感圧室ポート59は通路64を介して吐出側上流回路42aと連通されている。
交流室ポート60は通路65を介して制御圧室16と連通され、排出室ポート61は通路66を介して吸入室38と連通されている。
因みに、吐出室39と吐出側上流回路42aにおける冷媒の圧力が高く、吐出側下流回路42b、制御圧室16、吸入室38の順に冷媒の圧力が低くなる。ただし、最大容量運転時では制御圧室16との圧力は等しくなっている。
〔感圧機構について〕
感圧室52は感圧機構67を収容する。
感圧機構67は、感圧室52を低圧室52aと高圧室52bに区画形成するベローズ68を備えている。
ベローズ68の固定端は端壁部材62に固定されており、ベローズ68内は第2感圧室ポート59と連通する高圧室52bが形成されている。
ベローズ68外は第1感圧室ポート58と連通する低圧室52aが形成される。
ベローズ68の可動端には可動部材69が取り付けられ、可動部材69と隔壁51aとの間には付勢部材としてコイルスプリング70が介装されている。
コイルスプリング70はベローズ68が収縮する方向への付勢力を可動部材69に付与する。
また、高圧室52bと低圧室52aとの差圧はベローズ68を伸長する方向への力を可動部材69に付与する。
従って、可動部材69はコイルスプリング70の付勢力を越える力を生じる差圧が存在するときにベローズ68を伸長させようとする力が生じる。
〔ソレノイドについて〕
排出室54側となるバルブハウジング51の端部、すなわち、他方の端部にはソレノイド71が接続されている。
ソレノイド71は排出室54を臨む固定鉄芯72を有し、固定鉄芯72はバルブハウジング51の他方の端部を封止している。
ソレノイド71は固定鉄芯72に対向する可動鉄芯73と、固定鉄芯72と可動鉄芯73の回りを覆うように設けた電磁コイル74を有している。
固定鉄芯72は中心には第1弁孔55及び第2弁孔57の径よりも大きな径をする挿通孔72aが形成され、挿通孔72aの軸芯は両弁孔55、57の同軸線上に位置する。
固定鉄芯72は電磁コイル74へ対する電流供給による励磁により可動鉄芯73を引き付ける。
ソレノイド71は、制御部75によるデューティ比に基づく電流供給制御(デューティ制御)を受ける。
〔第1軸部材及び第2軸部材について〕
次に、第1軸部材81及び第2軸部材82について説明する。
この実施形態では、互いに独立する第1軸部材81及び第2軸部材82により往復体が構成される。
第1軸部材81は軸状の部材であり、交流室53を含む第1弁孔55と第2弁孔57の間に配置され、バルブハウジング51に対して摺動する。
第1軸部材81の中間は、第1弁孔55及び第2弁孔57の径に対応する大径軸部81aが形成されている。
そして、大径軸部81aの両側に大径軸部81aの径よりも小径の小径軸部81bが形成されており、さらに、大径軸部81aから小径軸部81bへ向けて縮径するテーパ部81c、81dが夫々形成されている。
ここでは、感圧室52側のテーパ部を第1テーパ部81cとし、他方のテーパ部を第2テーパ部81dと表記する。
第1テーパ部81cと大径軸部81aは、第1弁孔55に出入りして第1弁孔55を開閉する第1弁体に相当し、また、第2テーパ部81dと大径軸部81aは、第2弁孔57に出入りして第2弁孔57を開閉する第2弁体に相当する。
基本的に、第1テーパ部81cが第1弁孔55を閉じるとき、第2テーパ部81dは第2弁孔57を開き、逆に、第1テーパ部81cが第1弁孔55を開くとき、第2テーパ部81dは第2弁孔57を閉じる関係にある。
但し、第1弁孔55と第2弁孔57が大径軸部81aの端部により同時に閉じられる状態が存在する。
従って、交流室53における第1弁孔55と第2弁孔57との間の距離よりも、大径軸部81aの長さが僅かに大きく設定されている。
第1軸部材81における第1弁孔55側の端部は可動部材69の外側面に当接し、第2弁孔57側の端部は次に説明する第2軸部材82の端面に排出室54において当接する。
第2軸部材82は軸状の部材であって、第1軸部材81の径よりも大きな径が設定されている。
第2軸部材82は固定鉄芯72の挿通孔72aに挿通されて排出室54を臨み、第2軸部材82の一方の端部は第1軸部材81の端部に当接し、他方の端部は可動鉄芯73と接続されている。
このため、第2軸部材82は電磁コイル74の励磁による可動鉄芯73の固定鉄芯72側への移動に伴い、第1軸部材81へ移動することができる。
排出室54における第2軸部材82にはバネ受体83が固定されており、バネ受体83と隔絶部材56の間となるようにコイルスプリング84が第2軸部材82に備えられている。
このコイルスプリング84は、可動鉄芯73が電磁コイル74の励磁による力を受けない場合に、第2軸部材82をソレノイド71側へ移動させることができる。
つまり、コイルスプリング84はバネ受体83を介して可動鉄芯73を固定鉄芯72から遠ざかる方向への付勢力を第2軸部材82に付与する。
ところで、ソレノイド71に対する電流供給制御は図1に示す制御部75が行う。
具体的には、空調装置を作動させるスイッチ76の操作により行なうが、スイッチ76のオンによりソレノイド71への電流を供給を行い、スイッチ71のオフにより電流の供給を停止する。
制御部75には室温設定器77と室温センサ78が電気的に接続されている。
室温設定器77は目標室温を予め設定しておくことができる設定器であり、室温センサ78は室温を検出するセンサである。
制御部75は、空調装置が運転されている場合に、設定された目標室温と検出室温との温度差によりソレノイド71に対する電流供給をする。
次に、この実施形態に係る容量制御弁50の作動について図3に基づき説明する。
図3(a)は、空調装置のスイッチ76がオンの状態であって、室温設定器77において設定された目標室温と、室温センサ78により検出された検出室温との温度差に応じた電流供給制御(デューティー比制御)が行なわれている状態を示している。
図3(a)は可動鉄芯73が固定鉄芯72に対して最も近づいた状態にある。
このとき、第2軸部材82は、第1軸部材81における第2テーパ部81dを第2弁孔57から離して交流室53に位置させているほか、第1軸部材81における第1テーパ部81cを完全に第1弁孔55へ入り込ませている。
従って、第1弁孔55は第1弁体により閉じられ、第2弁孔57は完全に開放された状態にある。
そして、吸入室38の圧力は制御圧室16内の圧力と等しくなっている。
この状態では、制御圧室16内の冷媒は、交流室ポート60から交流室53、第2弁孔57、排出室54、排出室ポート61へ至る抽気用通路(第2通路)を経て、吸入領域の一部である吸入室38へ流出する。
また、このときの感圧室52には吐出領域の冷媒が存在するが、第1弁孔55は第1テーパ部81cを含む大径軸部81aにより塞がれており、感圧室52の冷媒が交流室53に流入することはない。
つまり、制御圧室16の冷媒が吸入室38(吸入圧領域)へ流出することにより、制御圧室16内の圧力が低下する。
制御圧室16の圧力の低下は斜板23の傾斜角度を最大となるように増大させ、圧縮機10は最大容量運転を行なう。
この状態では第1軸部材81は、その大径軸部81aが第1弁孔55にのみ支持される状態となる。
図3(b)は、圧縮機を低容量運転する状態を示している。
このとき、第2軸部材82はコイルスプリング84の付勢力を受け、可動鉄芯73と固定鉄芯72は最も離れることから、第1軸部材81は第2軸部材82による付勢力から解放される。
感圧室52の圧力は、交流室53及び排出室54の圧力よりも大きいことから、第1軸部材81は第1弁孔55から第2弁孔57へ向けて移動される。
つまり、可動鉄芯73が固定鉄芯72から離れる際には、第1軸部材81も第2軸部材82と同時に移動することになる。
換言すると、第1軸部材81と第2軸部材82は、移動の方向に関わらず常に一体的に移動する。
そして、第1軸部材81の第2テーパ部81dが第2弁孔57に完全に入り込むと、第1テーパ部81cが第1弁孔55から完全に抜け出す。
従って、感圧室52における低圧室52aの冷媒が第1弁孔55を通じて交流室53へ流出し、さらに交流室ポート60及び通路65を通じて制御圧室16へ冷媒が供給される。
つまり、吐出下流回路42bの冷媒が第1感圧室ポート58と交流室ポート60を結ぶ給気用通路を通じて制御圧室16へ供給される。
高圧の冷媒が制御圧室16へ供給されることにより、斜板23の傾斜角度は最小となり、圧縮機は最小容量運転を行なう。
この状態では第1軸部材81は、その大径軸部81aが第2弁孔57にのみ支持される状態となる。
ところで、図3(a)の状態において、圧縮機10の回転数が上昇すると、吐出側上流回路42aと、吐出側下流回路42bにおける冷媒の流量が増大して、吐出側上流回路42aと吐出側下流回路42bとの差圧が増大する。
吐出側上流回路42aと吐出側下流回路42bとの差圧が増大すると感圧機構67のベローズ68が伸長する。
可動部材69はベローズ68の伸長により差圧の増大に応じて第1軸部材81を第1弁孔55から第2弁孔57へ移動させる。
第1軸部材81の第1テーパ部81cが第1弁孔55から抜け出すとともに、第2弁孔57に第2テーパ部81dを含む大径軸部81が入り込む。
このため、感圧室52から交流室53へ冷媒が流出し、交流室53の冷媒が制御圧室16へ供給される。
つまり、吐出側下流回路42bの冷媒が容量制御弁50を通じて制御圧室16へ供給されることになるから、制御圧室16の圧力が上昇し、斜板23の傾斜角度が減少し吐出容量が低下する。
なお、第1軸部材81が第1弁孔55から第2弁孔57へ移動するとき、厳密には一時的に大径軸部81aが第1弁孔55と第2弁孔57を閉じる状態が存在する。
これは、第1弁体が第1弁孔55を閉じるとともに第2弁体が第2弁体57を閉じることを意味する。
他方、図3(b)の状態において、圧縮機の回転数が低下すると、吐出側上流回路42aと、吐出側下流回路42bにおける冷媒の流量が減少して、吐出側上流回路42aと吐出側下流回路42bとの差圧が小さくなる。
吐出側上流回路42aと吐出側下流回路42bとの差圧が小さくなると感圧機構67のベローズ68が収縮する。
可動部材69はベローズ68の収縮により差圧の増大に応じて第1軸部材81を第2弁孔57から第1弁孔55へ移動させる。
第1軸部材81の第2テーパ部81dが第2弁孔57から抜け出すとともに、第1弁孔55に第1テーパ部81cを含む大径軸部81が入り込む。
このため、交流室53から排出室54へ冷媒が流出し、交流室53の冷媒が吸入室38へ供給される。
つまり、制御圧室16の冷媒が容量制御弁50を通じて吸入室38へ供給されることになるから、制御圧室16の圧力が低下し、斜板23の傾斜角度が大きくなり圧縮機10の吐出容量が増大する。
第1軸部材81による第1弁孔55及び第2弁孔57の開閉は、ソレノイド71の励磁力、コイルスプリング70、84の付勢力、感圧機構67の付勢力等のバランスにより決定される。
ここでは弁孔55、57が完全に開閉された場合について説明したが、第1軸部材81を移動させることにより、例えば第1弁孔55に対する第1テーパ部81cの位置を調整して、第1弁孔55の開度を連続的に調整することができ、第2弁孔と第2テーパ部81dについても同様である。
これにより、最大容量運転から最小容量運転の中間となる圧縮機10の運転(中容量運転)が可能となる。
この実施形態に係る容量制御弁50によれば以下の効果を奏する。
(1)第1軸部材81は第1弁孔55及び第2弁孔57の少なくとも一方に支持され、第2軸部材82は固定鉄芯72の挿通孔72aを介して固定鉄芯72に支持される。つまり、第1軸部材81は3箇所以上で支持されることはない。このため、第1軸部材81の製作及び各弁孔55、57の形成時には、両者の精度を互いに考慮して製作すればよい。また、第2軸部材82は固定鉄芯72に支持されるだけであるから、第2軸部材82と固定鉄芯72における挿通孔72aは両者の精度を互いに考慮して製作すればよい。つまり、第1軸部材81と第2軸部材82の精度は夫々別に考慮すればよい。このことは両者81、82の軸度を厳密に一致させる必要がなく、製作時において過度な加工精度は要求されない。
(2)第1軸部材81と第2軸部材82の当接箇所は、他室と比較して最も圧力の低い排出室54内に位置するから、第1軸部材81を第2軸部材82と一体的に移動させることが比較的容易である。例えば、最も高い感圧室52と次に高い交流室53との差圧を利用することにより、第1軸部材81を第1弁孔55から第2弁孔57へ向けて移動させることができる。感圧室52と排出室54の差圧を利用することもできる。なお、第2弁孔57から第1弁孔55への第1軸部材81の移動は第2軸部材82の付勢により行なわれる。
(3)第1感圧室ポート58と連通する感圧室52とソレノイド71が互いに最も離れた位置に設けられているから、第2軸部材82の第1軸部材81に対する付勢力に対抗するように、吐出領域圧の第1感圧室ポート58により第1軸部材81に対して第2軸部材82側への付勢力を確実に得ることができる。
(4)バルブハウジング51に対し、第1感圧室ポート58と連通する感圧室52と、交流室ポート60と連通する交流室53と、排出室ポート61と連通する排出室54が順番に設けられているから、感圧室52と排出室54との間に交流室53が配置されることになり、第1感圧室ポート58と交流室ポート60を連通する第1通路と、交流室ポート60と排出室ポート61を連通する第2通路とを比較的容易に構成することができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態に係る容量制御弁について図4及び図5に基づき説明する。
この実施形態の容量制御弁90は、第1の実施形態に係る容量制御弁50と一部共通する。
従って、第1の実施形態と共通又は類似する要素については符号を共通して用い、第1の実施形態の説明を援用する。
図4に示される容量制御弁90の往復体は、先の実施形態と同様に、互い独立する第1軸部材91と第2軸部材92とから構成される。
第1軸部材91は第1弁体及び第2弁体が形成されている。
第1軸部材91は大径軸部91aと、大径軸部91aの両側(第2軸部材92側と感圧室52側)の中径軸部91b、91cと、中径軸部91bの感圧室52側の小径軸部91dを有している。
小径軸部91dと中径軸部91bとの間には縮径する第1テーパ部91eが形成されている。
第1テーパ部91e及び中径軸部91bは第1弁体として第1弁孔55に出入りすることができる。
つまり、中径軸部91bが第1弁孔55に入り込むことにより第1弁孔55は閉弁される。
大径軸部91aと中径軸部91bとの間には縮径する第2テーパ部91fが形成されている。
第2テーパ部91fと大径軸部91aにより第2弁孔57に対する第2弁体が構成されている。
この実施形態では、感圧室52と交流室53を隔絶する隔壁51bが形成され、隔壁51bに第2弁孔57が形成されている。
第2弁孔57は、大径軸部91aが第2弁孔57に入り込むことにより閉弁される。
第2弁体57の大径軸部91aの径は、第1弁体の中径軸部91bの径よりも大きく設定されており、つまり、第2弁孔57の径は第1弁孔55の径より大きくしている。
第1弁孔55の径は、第1弁体の中径軸部91bとほぼ同径と言え、同様に、第2弁孔57の径も第2弁体の大径軸部91aとほぼ同径と言える。
この実施形態では固定鉄芯72が排出室93を臨まない構造となっている。
つまり、交流室53とソレノイド71との間に2つの空間が形成されている。
交流室53側の空間が排出室93であり、ソレノイド71側の空間は通路95を介して交流室53と連通される連通室94である。
排出室53と連通室94とはバルブハウジング51の別の隔壁51cに隔絶されている。
隔壁51cは挿通孔96が形成され、第2軸部材92の端部は挿通孔96に挿通される。
第2軸部材92におけるバネ受体97と隔壁51cの間となるように、第2軸部材92にコイルスプリング84が備えられる。
交流室53と排出室93は第2弁孔57により連通される。
なお、第1弁孔55、第2弁孔57、挿通孔96は同軸に設定されている。
交流室53の圧力により第1弁孔55から第2弁孔57へ向けた荷重が第1軸部材91に働くが、連通室94が交流室53と連通されない場合(例えば、連通室94が大気圧にある状態)、この荷重が第1軸部材91を過度に移動させるおそれがある。
交流室53と連通する連通室94を設け、連通室94を交流室53の圧力とすれば、第第1軸部材91における交流室53の圧力により第1弁孔55から第2弁孔57へ向けた荷重を第2軸部材92を介して相殺することが可能となる。
なお、前述した各弁体の径を異なるように設定した理由は、荷重は圧力と断面積に比例するから、この荷重を相殺するため必要な断面積を各弁体において得るためである。
このようにして、交流室53の圧力に基づく第1弁孔及び第2弁孔の開度制御の不具合を排除することができる。
この実施形態では、第1の実施形態と同様に、第1軸部材91における第1弁孔55側の端部は可動部材69の外側面に当接し、第2弁孔57側の端部は第2軸部材92の端面に排出室93において当接する。
この実施形態に係る容量制御弁では、第1軸部材91は第1弁孔55及び第2弁孔57の少なくとも一方により支持される。
一方、第2軸部材92は固定鉄芯72の挿通孔72aと隔壁51cの挿通孔96の2箇所にて支持される。
なお、この実施形態の容量制御弁では図5(a)、(b)に示すように往復体としての第1軸部材91と第2軸部材92が動作される。
図5(a)は最大容量運転を示し、図5(b)は最小容量運転を示すが、第1軸部材91及び第2軸部材92の動作は、第1の実施形態における第1軸部材81及び第2軸部材82とほぼ同じである。
この実施形態の容量制御弁は先の実施形態の容量制御弁とほぼ同等の効果を有する。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の第1、第3の実施形態では、吐出圧領域の吐出側上流回路と吐出側下流回路の差圧に基づく感圧機構を有した容量制御弁(流量差圧感圧タイプ)としたが、例えば、吐出圧領域と吸入領域との差圧に基づく感圧機構を有する容量制御制御弁(DS差圧タイプ)、あるいは、吐出圧領域と制御圧領域との差圧に基づく感圧機構を有する容量制御弁(DC差圧タイプ)に本発明を適用することも可能である。この場合、感圧室、交流室、排出室の配置に応じて、冷媒の通路又は必要な室を容量制御弁に付加することが好ましい。
○ 上記の第1の実施形態では、互いに当接する第1軸部材と第2軸部材の当接端を夫々平面としたが、例えば、図6に示す第1軸部材81と第2軸部材82としてもよい(便宜上、符号は一部共通とする)。図6に示す第2軸部材82の端部(第1軸部材81側)には、テーパ面を有するすり鉢状凹部82aが設けられている。第1軸部材81の端部(第2軸部材82側)は、すり鉢状凹部82aに対して挿入可能な半球状に形成されている。このため、第2軸部材82が第1軸部材81を付勢するとき、第1軸部材81の半球状の端部はすり鉢状凹部82aの中心へ案内される。つまり、第2軸部材82のすり鉢状凹部82aと第1軸部材81の半球状の端部は、両軸部材81、82の同軸状態を図る調芯効果を奏する。なお、両軸部材81、82の端部は、両軸部材81、82の調芯を実現できる構成であれば、すり鉢状凹部82aや半球状の端部に限定されず、また、第2の実施形態の第1軸部材91と第2軸部材92に適用してもよい。
○ 上記の第1の実施形態では、第1軸部材における第2テーパ部側の小径軸部と第2軸部材の端部が当接し、この当接箇所が排出室に位置するとしたが、例えば、第2テーパ部と小径軸部との間を第1軸部材と第2軸部材の当接箇所とし、小径軸部を第2軸部材の一部とするようにしてよい。また、第2の実施形態でも第2テーパ部と中径軸部との間を第1軸部材の当接箇所とし、中径軸部を第2軸部材の一部とするようにしてもよい。少なくとも、第1軸部材と第2軸部材の当接箇所が交流室からソレノイド側(排出室又は連通室)の範囲に常に位置すればよい。
○ 上記の第1、第2の実施形態では、各テーパ部が弁体の一部を構成したが、テーパ部に限定する趣旨ではなく、例えば、スプールタイプの弁体としてもよい。
第1の実施形態に係る圧縮機の概要を示す断面図である。 第1の実施形態に係る容量制御弁の縦断面図である。 第1の実施形態に係る容量制御弁の作動を説明する要部断面図である。 第2の実施形態に係る容量制御弁の縦断面図である。 第2の実施形態に係る容量制御弁の作動を説明する要部断面図である。 第1実施形態の変形例に係る第1軸部材と第2軸部材との当接箇所を示す要部断面図である。 従来の容量制御弁の概要を示す縦断面図である。
符号の説明
10 圧縮機
16 制御圧室
23 斜板
31 圧縮室
38 吸入室
39 吐出室
40 吸入通路
41 吐出通路
42 外部冷媒回路
50、90、100 容量制御弁
52、102 感圧室
53、103 交流室
54、93、104 排出室
55、105 第1弁孔
57、107 第2弁孔
67、115 感圧機構
71、108 ソレノイド
81、91 第1軸部材
81c、91e 第1テーパ部
81d、91f 第2テーパ部
82、92 第2軸部材
82a すり鉢状凹部
94 連通室
95 通路

Claims (4)

  1. 吐出圧領域に連通する第1ポートと制御圧室に連通する第2ポートを連絡する第1通路と、前記第2ポートと吸入圧領域に連通する第3ポートを連絡する第2通路と、前記第1通路に設けた第1弁孔と、前記第2通路に設けた第2弁孔と、前記第1弁孔を開閉する第1弁体及び前記第2弁孔を開閉する第2弁体を設けた往復体と、前記第1通路に設けられ、前記吐出圧領域の圧力に応じて前記第1弁孔の開放及び前記第2弁孔の閉鎖を行なう方向に前記往復体を移動させる感圧機構と、前記第1弁孔の閉鎖及び前記第2弁孔の開放を行なう方向に前記往復体を付勢するソレノイドを備え、前記往復体は少なくとも前記第1弁孔、前記第2弁孔及び前記ソレノイドに支持されている可変容量型圧縮機用の容量制御弁であって、
    前記往復体は、前記第1弁体及び前記第2弁体を備える第1軸部材と、前記ソレノイドの付勢を受けて前記第1軸部材に対して付勢する第2軸部材を有し、該第1軸部材及び第2軸部材は2箇所以内で支持されていることを特徴とする可変容量型圧縮機用の容量制御弁。
  2. 前記第1軸部材と前記第2軸部材との当接箇所は前記第2通路に含まれることを特徴とする請求項1記載の可変容量型圧縮機用の容量制御弁。
  3. 前記第1ポートと前記ソレノイドが互いに最も離れた位置に設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の可変容量型圧縮機用の容量制御弁。
  4. 前記第1ポート、前記第2ポート、前記第3ポートが順番に配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の可変容量型圧縮機用の容量制御弁。
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