JP2006142155A - 遠心機 - Google Patents
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Abstract
【課題】緩やかな加速を行うに当たって捩り振動を低減し、攪拌による試料の乱れを防止することができる遠心機を提供すること。
【解決手段】遠心分離する試料を収容するロータと、該ロータを回転駆動するための誘導モータと、該誘導モータを駆動制御するための制御装置を備えた遠心機において、前記誘導モータが停止状態から回転開始する時に前記制御装置が該誘導モータに所定の周波数の励磁電流を印加し、前記ロータの回転速度の増加又は前記誘導モータの回転速度の増加或は時間の経過に応じて所定のパターンで励磁電流の周波数を低下させる。
【選択図】図1
【解決手段】遠心分離する試料を収容するロータと、該ロータを回転駆動するための誘導モータと、該誘導モータを駆動制御するための制御装置を備えた遠心機において、前記誘導モータが停止状態から回転開始する時に前記制御装置が該誘導モータに所定の周波数の励磁電流を印加し、前記ロータの回転速度の増加又は前記誘導モータの回転速度の増加或は時間の経過に応じて所定のパターンで励磁電流の周波数を低下させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータのねじり振動の抑制を図った遠心機に関するものである。
従来の遠心機は、駆動源である誘導モータと、該誘導モータによって回転駆動されるロータと、ロータを収容する回転室と、誘導モータ等を収容する筐体上面部に設けられたパネル部(操作表示部)と、該パネル部及び前記モータを制御するための制御装置とを備えている。ここで、誘導モータは、回転に伴う振動を吸収するためにバネやゴム等から成る懸架機構により保持され、ファンにより強制空冷される。又、前記ロータには、遠心分離される試料を収容した試料容器が収容される。
斯かる構成を有する遠心機は、ロータの回転を加速するときは、試料の種類によっては攪拌されることを防止するために、使用者の選択操作により緩やかな加速制御を行う機能を有している。
上述した試料の攪拌防止のための緩やかな加速制御を行うためには、加速開始時に誘導モータに印加する励磁電流を小さくし、誘導モータ及びロータの回転速度上昇又は時間経過に応じて励磁電流を増加させる方法が採られている。又、このときの励磁周波数としては、最初は所定の初期励磁周波数を印加し、誘導モータ及びロータの回転速度の上昇又は時間の経過に応じた方法で周波数を増加させている。
一方、誘導モータを加速、減速させる場合、励磁電流の波形歪み等により発生する誘導モータのトルク脈動が捩り振動として現れることがある。停止中又は回転速度が低くて遠心力が小さいときに振動が発生すると、使用者が攪拌したくないと意図しているにも拘らず試料を攪拌してしまうという不都合があった。
又、誘導モータの回転検出器が回転角に応じてパルス列を発生するような方式を採用する場合には、前記した回転できない状態での捩り振動により、ロータの回転が停止しているにも拘らず回転しているようにパルス列を発生してしまい、回転速度が急激に上昇したかのような値を検出してしまう。そして、この値を受けて制御装置は励磁電流を低減する等の応答を行うため、振動は収束するが、同時に加速トルクも低下する。その後、徐々に励磁電流を増加させると、捩り振動が発生して回転パルスが発生し、制御装置が励磁電流を低減するということが繰り返されるため、いつまでたっても本来の遠心処理ができないという不都合があった。
前記した振動は、励磁周波数又はその整数倍が誘導モータの懸架装置や軸結合部の捩り固有振動数と一致したときに発生し易いことが分かっているため、これらの固有振動数よりも高い励磁周波数で起動すれば振動を低減できるが、励磁周波数が高いままでは加速途中に必要なトルクを得られず、前記した緩やかな加速が不要となる中速度域で速やかな加速ができないという不都合があった。
更に、懸架機構や結合部の剛性を増加させて捩り固有振動数を高くすると、振動の振幅が小さくなって試料の攪拌現象が低減できるが、この方法は重量の不平衡等による回転振動を吸収する効果を低下させ、遠心機としての使い勝手が低下するという不都合があった。
以上説明した従来の技術の不都合により、図5に示すような現象が現れる。即ち、加速開始時の時刻t0 において励磁周波数f0 が低いために振動が発生し、回転検出器がパルス列を発生して回転速度が増減を繰り返す。この例では、やがて回転速度の変化が安定し緩やかな加速がなされるが、試料は既に攪拌されているために不都合である。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、緩やかな加速を行うに当たって捩り振動を低減し、攪拌による試料の乱れを防止することができる遠心機を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、遠心分離する試料を収容するロータと、該ロータを回転駆動するための誘導モータと、該誘導モータを駆動制御するための制御装置を備えた遠心機において、前記誘導モータが停止状態から回転開始する時に前記制御装置が該誘導モータに所定の周波数の励磁電流を印加し、前記ロータの回転速度の増加又は前記誘導モータの回転速度の増加或は時間の経過に応じて所定のパターンで励磁電流の周波数を低下させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、目的に応じて交換して使用される複数種類のロータを備え、ロータの種類に応じて前記励磁周波数の低減パターンを選択することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記誘導モータが停止状態から回転開始する時に前記制御装置によって前記誘導モータに印加される励磁電流の周波数は、捩り振動による不都合が無視できる程度に高い周波数であることを特徴とする。
本発明によれば、不要な振動を発生させることなく緩やかな加速を実現することができるため、攪拌による試料の乱れを防止することができる。又、振動による回転速度の誤検出がないため、いつまでたっても加速しないという不都合を解消することができる。更に、不要な振動を防ぐために懸架機構や結合部の剛性を増加させる必要がないため、不平衡振動に対する吸収効果が低下するという不都合が生ずることがない。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図2に本発明に係る遠心機の構成を示す。
図2に示すように、遠心機本体12内には、誘導モータ9、制御装置2、ロータ7等が備えられている。誘導モータ9は、懸架機構10を介して遠心機本体12に固定されており、ファン11によって冷却されている。又、制御装置2は、回転検出器3によって誘導モータ9の回転速度を検出する。
他方、遠心機本体12の上部には操作・表示部1が設けられており、遠心機の使用者は、操作・表示部1を介して運転の開始、終了を指示したり、回転速度や加速の緩やかさ等の設定を行う。
次に、本発明に係る遠心機の加速制御方法を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、遠心機は、回転速度がN1 に達するまでは緩やかな加速を行うよう設定されているものとする。先ず、制御装置10は、加速を開始する時刻t0 では励磁周波数f0 で誘導モータ9を起動する。ここで、励磁周波数f0 は、捩り振動による不都合が無視できる程度に高い周波数である。
その後、回転速度の上昇又は時間の経過に伴って励磁周波数を低下させ、緩やかな加速が終了する時刻t1 において、回転速度N1 に対して充分なトルクが得られる励磁周波数f1 に設定する。以降は回転速度の上昇に必要なトルクが得られる周波数で励磁しながら加速を継続する。
以上の動作により、加速開始時の振動を低減することができる。
以上で説明した本実施の形態では、時刻t0 〜t1 の間、一定の傾きで励磁周波数を低下させているが、周波数の低下パターンは一定の傾きに限らない。例えば、図3に示すようにAのような曲線を描いても良く、Bのようにステップ状に低下させても良い。又、目的に応じて交換して使用される複数種類のロータを備え、複数の低下パターンの中から、使用するロータの質量等に応じて選択する方法も考えられる。
尚、緩やかな加速を必要としないときには、図4に示すように充分なトルクが得られる通常の励磁周波数F0 から開始するように使い分けることが望ましい。
1 操作・表示部
2 制御装置
3 回転検出器
7 ロータ
9 誘導モータ
10 懸架機構
11 ファン
12 遠心機本体
2 制御装置
3 回転検出器
7 ロータ
9 誘導モータ
10 懸架機構
11 ファン
12 遠心機本体
Claims (3)
- 遠心分離する試料を収容するロータと、該ロータを回転駆動するための誘導モータと、該誘導モータを駆動制御するための制御装置を備えた遠心機において、
前記誘導モータが停止状態から回転開始する時に前記制御装置が該誘導モータに所定の周波数の励磁電流を印加し、前記ロータの回転速度の増加又は前記誘導モータの回転速度の増加或は時間の経過に応じて所定のパターンで励磁電流の周波数を低下させることを特徴とする遠心機。 - 目的に応じて交換して使用される複数種類のロータを備え、ロータの種類に応じて前記励磁周波数の低減パターンを選択することを特徴とする請求項1記載の遠心機。
- 前記誘導モータが停止状態から回転開始する時に前記制御装置によって前記誘導モータに印加される励磁電流の周波数は、捩り振動による不都合が無視できる程度に高い周波数であることを特徴とする請求項1記載の遠心機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333103A JP2006142155A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 遠心機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333103A JP2006142155A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 遠心機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006142155A true JP2006142155A (ja) | 2006-06-08 |
Family
ID=36622436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004333103A Withdrawn JP2006142155A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 遠心機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006142155A (ja) |
-
2004
- 2004-11-17 JP JP2004333103A patent/JP2006142155A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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