JP2006141387A - 釣り針と製造方法、仕掛け、その使用方法 - Google Patents

釣り針と製造方法、仕掛け、その使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オキアミの通し性、釣り糸の出糸の固定性、オキアミの固定性、掛かり性、オキアミの取付使用方法開発。
【解決手段】耳2(2a・2b)のフトコロ8側略平面部に、繋留傘付杭30を備え、軸3を捲回しない結合方法と組み合わせる事で、オキアミに関する通し性・固定性・掛かり性に優れた釣り針と、その釣り針仕掛けへのオキアミの新取付・使用方法が開発できた。
【選択図】図1

Description

本願発明の釣り針は、水産業、特に沿岸及び沖合の一本釣り漁業等に使用される、海魚用の釣り針に関するものである。
従来から魚釣りに用いられている、フトコロ8がひとつの、湾曲した釣り針1(図2に、主に、「釣りの科学 森秀人氏 1981年発行 講談社」による各部の名称を示し、以降単に釣り針と記す)には、釣り糸10を結ぶ軸3(又は、茎・シャンク等)の端部に、耳2(又は、チモト・タタキ・アイ等)と呼ばれる形状部が有り、釣り糸10の結合のために様々の形状が有る。この軸3端部にある耳2から、その基幹である軸3を経て、針先7(ポイント)方向への湾曲部(ベンド)の約半周(約180度)の内、約半分のターンを分担する腰曲がり4、針先7へと更に湾曲させ、残りの半分のターンを分担するのが、先曲がり5となり、最終的には、魚に釣り針を刺して掛ける為の、尖端である針先7となる。先曲がり5と針先7間には、必要に応じて、その内側、又は、外側に、アゴ6(モドシ・カエシ・バーブ等)が設けられる。針先7と軸3間の距離が、いわゆるフトコロ8となる。この考え方から、軸3部から全体的に、腰曲がり4様に湾曲している釣り針については、針先7に相対している基幹部分付近から、軸3端部の耳2迄の間は少なくとも軸3であると考えれば良く、逆に、軸3が一旦針先7と逆方向に湾曲している釣り針は、針先7方向へ曲がりが転じる変曲点付近から、軸3端部の耳2迄の間は、全部軸3であると考えられる。従って、フトコロ8がひとつの湾曲している釣り針においては、少なくとも針先7に相対している部分から、或いは、フトコロ8部から上に、釣り糸10を止める為の各種形状部までの間は、全ての形の釣り針で、軸3と見なす事が出来る。
中井戸嘉彦氏の「仕掛け教室 32頁−33項 1984年発行(株)週間釣りサンデー社」によれば、主な耳2は、主に、フトコロ側正面から見て、図3〜図7に分類され、国内では図3・図4の様な、軸3端を潰した撞木(シュモク)と総称される形の耳2(2a・2b)が、最も普及している。一般的に、撞木の耳2(2a・2b)での結合部15では、図10の様に、軸3部に周回させた釣り糸10の内径周長よりも、潰した耳2部分の周長が大きくしてある事で、釣り糸10を捲いた結びの輪が、軸3の耳2方向に滑るのを止める事により、その輪が、下に押え込んだ釣り糸10(出糸)を固定している。幾何学的には、同じ面積では円の周長が最小であり、他の形は、すべてそれより周長が大きくなる。例えば、断面が丸い軸3を3分の1に平たく潰せば、周長は約1.7倍程度に大きくなるので、軸3に捲いた釣り糸10が負荷で伸びたりして、この周長の大きな部分を、耳2方向にずれ滑って乗り越えなければ、押えている釣り糸10(出糸)も固定される。この撞木の耳2(2a・2b)は、押圧変形(プレス機で潰す)だけで良いのでコストも小さく、釣り糸10の結合方法が正しければ、後述する掛かり時の姿勢制御上のメリットが出易く、又、図6に示す管付(尻曲がり)の耳2dの様に、大きくて目立つ耳では無いので、最も合理的に出来ている。管付の耳2dは、主に太い糸を結ぶ根魚・大型魚食魚や深海魚用等の特殊な餌釣り用途の釣り針に使用されるが、ルアー等による釣りでは、環の方向を、図6と直交方向にしたものが多用される。図5の穴サラエの耳2cは、主に石鯛等の底物類や大型魚食魚等の、向こう合わせの魚に用いられる。撞木の耳2(2a・2b)は、殆どの魚種用の釣り針の耳として採用され、コストと実用性から最も普及している。図7のギザ耳2eは、それを数個組み合わせて、フトコロ8が複数の錨型とする場合に、主に使用され、鮎の友釣りの掛け針等に利用されている。他には、主に文献によると、図8の様に、軸3端に略球状の抜け止め部を設けたものや、図9の様に、単に軸3をフトコロ8と反対側やフトコロ8側に折り返したり、更にその末端をつぶして抜け止めを付けたもの等があるが、結び易さやコストメリットがあるだけで、他に明確なメリットが無いので、一般的では無い。
魚釣りの作業工程に沿って、従来技術を説明する。図11に示す、ステップIでは、仕掛けの要素である、釣り針を釣り糸10に結合する工程の従来技術文献の一部を示す。主に、撞木の耳2(2a・2b)の使用上の重要ポイントとしての、釣り糸10の出し口(出糸)をフトコロ8側正面に保つ為の技術がある。次に、その結びが少々の熟練を要する為に、それを解消する結合方式・構造や結合の簡易化に関するものがある。次に、図10の結びで発生する事がある、結合部15からの釣り針のすっぽ抜けを防止・緩和する、結合強度の劣化を防止する等の技術が公開・提案されている。
次のステップIIで、釣り針を釣り糸10と結合したいわゆる仕掛けに、釣り餌を取付ける場合に関する従来技術を、図12の一部に示す。主に、餌の通し性に関するものが多く、多数の餌付けや長大な餌付けに関するものがある。
ステップIIIの投入では、魚のいる泳層、いわゆるタナまで、釣り餌付仕掛けを届ける際に、最も問題になる餌の脱落やずれに関するものが多く、図12の一部に、その従来技術を示す。餌が脱落すれば、魚は当然釣れないが、ずれて仕掛け各部の多くがが露出すると、魚は本能的に警戒して無視するので釣れにくくなる。
ステップIVの待機・誘いに関する従来技術文献を、図13に示す。主に、活餌の生存や持ち、誘い時の根掛かり等にかんするものが多い。ステップIV−2には、仕掛け、特に釣り針の露見を防止するものと、逆の餌や仕掛けの存在をアピールするものがある。
図14の一部に、ステップVの食わせ時に関するものと、その後の吐き出し防止の特殊技術の文献を示す。殆どの魚は、摂餌する際は、餌廻りの海水ごとの吸引を行うので、それを積極的に利用する事が出来る。吐き出し防止には、開閉・拡開やフトコロの複数化が多い。
ステップVIの食わせてからの、掛かりに関する技術文献を、図14の一部に示す。針先7廻りの断面特定と、同アゴ6に関するものが多く、全体の形状を特殊化するものや、軸3と先曲がり5−針先7間のヒネリに関するものもある。図15の一部に、ステップVI−2として、フトコロ8が複数の釣り針の、掛かり性に関するものを示す。
ステップVIIのやり取り・取り込みに関するものを、図15の一部に示す。強度に関する断面特定に関するものがメインで、結合の強化に関するものも載せている。
ステップVIIIとして、釣り針の外しに関するものを、図15の一部に示す。
その他の技術文献も、図15の一部に示す。特殊な課題を目標としたものが多い。以上の文献については、課題・効果が重複する為重なる部分も多く、又、意匠登録については、効果が記載されていないので、発明者の独断と判断によるマップである。
文献に見当たらない、撞木の耳2(2a・2b)と穴サラエの耳2cが持つフトコロ8側平面の、直近の軸3に対する角度については、図16の様に、通常、耳2のフトコロ8側略平面の延長線が、先曲がり5付近に交差する向きになる角度Tとしている。この角度Tは、魚と釣り糸10が、釣り針を介して引き合う際は、釣り針が最も深く刺さった状態(釣り糸10の取付起点から釣り針のフトコロ8をめぐる湾曲部の内、もっとも遠い所まで突き刺さった所・距離が最も大きい位置)で力学的に安定するので、その向きに角度Tをほぼ合致させており、軸3から針先7までの取り回しや軸3の湾曲程度にもよるが、通常、直近の軸3に対して0度付近からフトコロ8と反対側に40度程度としている。掛けた魚を釣り糸10で吊るした(糸が直線に伸びた状態)際に、耳2の端部が釣り糸10に力を加えない角度にすれば、釣り糸10に不必要に耳2からの力が加わらなくてすむ。この為先曲がり5の位置と、軸3の曲がり具合や長さ等の、釣り針の全体形状との兼ね合いで、取れる角度Tにはある程度の制限が生じる。
同じく文献には見当たらない、撞木の耳2(2a・2b)の潰してある部分の長さについては、釣り糸10(ハリス等)を、一般的な外掛け結び・内掛け結び・漁師結び等で、釣り針の軸3に捲いて結合する場合、釣り糸10が捲かれている事で増大する結合部15の総合断面積、及び、釣り糸10の端部が、軸3の腰曲がり4側向きに突き出して残る影響等で、オキアミ等の釣り餌が、釣り糸10を捲いた部分よりも耳2側には押し上げきれない為、目立たせて魚に警戒心を抱かせ、釣果を落とす事が少ない様にする為に、比較的短めに製作されており、直近の軸3の直径と比べると、2〜4倍程度になっている。最近の傾向を見ると、小さ目にした事をセールスポイントとする釣り針メーカーもある。つまり、餌釣りでは、まずは釣り針を忍ばせた餌を魚に食べさせる事が大前提であるから、その観点だけからみれば、警戒心を起こさせる耳2や結合部15等は、小さい程目立たなくて良い。従って、耳2や結合部15を隠す事が出来ない場合で、耳2を長くすることは、かえって釣果を悪くする危険性がある。
撞木の耳2(2a・2b)の次に普及している釣り針の耳は、図6の、軸3端に軸材を環状に丸めることで、糸通しの穴や略穴を設けた管付(尻曲がり)の耳2dで、例外はあるが、主に根魚・大型魚食魚や深海魚等の攻撃性の高い魚に用いられる、比較的大きな釣り針に採用されている。「仕掛け教室」によれば、元来は、撞木の耳2(2a・2b)の釣り針に、釣り糸10をうまく結べない人用とのことであるが、実際に、図17の様に、環の端部にクリンチノット等で結べば掛かりが悪い(理由は後述)ので、この結合方法では、いわゆる向こう合わせの魚にのみ用いられる場合が多い。この例に示す用に、餌釣り用に関しては、環の向きは、フトコロ8側正面にその穴が面している。又、環の方向を、通常の餌釣り用と直交方向にして、フトコロ8の箇所数も複数の場合が多いルアー釣り・バケによる曳釣り・餌を付けてのジギング等に用いられる、いわゆるフックは殆どがこのアイタイプである。基本的に、ルアーやバケ釣りの対象となる、攻撃性の高い向こう合わせの魚には、この方向の耳2dでも問題が少なく、且つ、釣り針のみの取り替えの自由度の方が重要だから普及している。末端の曲げ込んだ環の合わせ目を少し開けて取り替えの工夫をしたもの(略穴と考える)もある。尚、ルアー用でも、餌釣り用と同じ環方向のものもある。又掛かりを良くする為の、軸3の様々な取り回し(曲げ)の変更や、長軸化等の工夫もされている。合わせをして掛けないと、餌や釣り針を吐出して逃げる手前合わせの魚に使われる餌釣り用の釣り針は、従来型の潰して平たくした撞木の耳2(2a・2b)の方が多い。しかし、管付の耳2dの釣り針でも、餌を付ける釣りの場合に、図18の様に、フトコロ8側から釣り糸10を穴に通し、軸3のフトコロ8と反対側に、出糸の接点が来るように、例えば外掛け結び等で、軸3に捲いて結んで使用すると、掛かりの悪さの問題が無くなり、この結合は、釣りのガイドブックや文献にも良く記載されている。耳2の大きさを問題としない魚の釣りや、光量が少なくて耳2の露出が問題とならない夜釣り・深海での釣り等では、環状部が釣り糸10を保護してくれる重要な機能を併せ持っていることもあり、管付の耳2dの釣り針の利用率が高い。
管付の耳2dの内、ルアーフィッシング等に使うもの以外の餌釣り用は、前述の様に、その穴がフトコロ8に面した方向となっているが、その環の構成する面の、軸3に対する角度Tは、図16に準じて、軸3方向を0としたとき、プラス40度〜マイナス60度程度である。マイナスは、耳2dをフトコロ8側に傾けて、釣り糸10をフトコロ8側に寄せて結んでも、釣り糸10(出糸)を環に通せる様にして、掛かり時の針先7角度を、フトコロ8上部の開口部寸法の確保に優先させたものを示す。この取り回し(角度)は、穴サラエの耳2cの場合にも共通する例がある。
先と同じく、文献には少ないが、餌釣り用の管付の耳2dの、耳形状については、コンパクトに丸める方がやはり目立たないので、通常は、図6の様に略円環状としており、使う釣り糸10の号数で穴径を決めれば良い。根付け仕掛けを作る場合等を除き、軸3より太い釣り糸10を使う事は、殆ど無いので、穴を軸3の径と同じか倍程度までとすると、円環の外径は、軸3の3〜4倍程度以下となる。尚、ルアー用のフックにおいては、環の形状を円ではない異形にしたものも文献にあり、環の径も大きいものがあるが、径の請求をしたものは見つからない。
図5に示した、穴サラエの耳2cについては、主に、石鯛等の底物釣り用として多く普及しているが、魚が餌を飲み込んで走り出すまでは合わせをしない、向こう合わせの釣りであり、仕掛けの屈曲を良くして違和感なく食べさせるために、結合方法として、図19の様に、釣り糸10c(ワイヤー)の端部に環状部のある、いわゆる首振り結合部15aにする場合が多く、また沢山の硬い貝類等の餌を通し掛けにする都合と、穴を開ける事で剛性が低下しすぎると、その釣り法特有の強烈な合わせ時のショック荷重等で、耳2c部に折れや切断を生じるので、潰した耳2cの潰し幅は、あまり大きくしない(潰し後の厚みを薄くし過ぎない)ように工夫された釣り針が、最近は多い。大型魚食魚用の釣り針では、釣り糸10の向き安定には、フトコロ8側正面に、平たい略面さえあればよいので、円筒部を潰してはいても、幅は広げていないものや、除去加工で略平面に加工した釣り針もある。釣り糸10には、頑丈で顎の力も強い石鯛等に、歯で噛み切られない様に、又鋭い歯を持つ根魚等に擦り切られないように、金属の撚り線釣り糸10c(ワイヤー)や丈夫な釣り糸10b(編み糸)を根付けして用いられる事が多く、それを現場で結合すると時間が掛かるので、根付け仕掛けとした状態で販売されているものも多い。
図20に示す、オキアミ20は、プランクトン(浮遊生物)のひとつで、百科事典等によれば、軟甲亜網オキアミ目オキアミ科の甲殻類で、全海洋に80〜90種程度はおり、エビ等の十脚目とは異なり、鰓が露出している等のより原始的な体構造である。大きくて豊富に産する種類しか安価な釣り餌には供給出来ないので、主に南極海等で専用船にて採捕される大型・中型のものが、生のままかボイルされて、且つ腐敗防止の為に冷凍されて、海釣りの釣り餌として供給されている。「海・川 釣り餌百科 1989年度版 つり人社」によれば、長所は、集魚効果・柔らかく食い込みが良い・抵比重・夜光性とあり、短所としては、柔らかく遠投不可・エサ落ちが早いとある。このオキアミ20の改良に関しては、特開平9−168・特開平9−28311・特開平10−4889・特開2003−125686・特開2003−125687等の提案がなされている。
オキアミ20の釣り針仕掛けへの取付方法については、一般的に、図21の様に、水中で餌(仕掛け毎)が回転してしまう原因となる、いわゆる尻尾(尾節20h・副棘201・尾肢20j)とその付近の腹節20nを千切り、又は、切取って、これをオキアミ25とする。取付は基本的に、軸3に出来るだけ真っ直ぐに腰曲がり4付近まで、図22の様に腹掛け、又は、図23の様に背掛けに、通し刺し、又は、縫い刺し(針先7を、少なくとも1回、途中で外殻の外に出してから中に戻す)する。針先7から先曲がり5部迄は、掛かりを良くする為に、オキアミ25から出しておくのが基本である。餌を大きく見せてアピールする、又は、大型魚を対象とする場合は、出来るだけ尻尾側の腹節20n、又は、その境界部で切り、図24の様に腹合わせ(抱き合わせ)、又は、図25の様に背合わせで2匹掛けする、図26の様に房掛けに沢山付ける、図27の様に、釣り針を結ぶ場合に、結合部15に一緒に縛りつけた、ずれ防止の為の切れ込みを細工したナイロン糸等に、オキアミ25をそれぞれ刺して付けるといった方法が取られている。図24〜27のオキアミ25の多数個掛けに共通するのは、オキアミ25を並列に並べて取り付けしている事である。
特殊な釣り針においては、実登3054318において、ふたつのフトコロ8の釣り針に、ひとつの餌(本文において、海老・おきあみ)を掛けることが提案されている。特開平9−252681において、ホールドアームに餌(本文において沖アミ)をつけて保持する並列掛けの例図がある。餌の通し性を、格段に向上させた実登2588993については、餌(請求項・本文において、種類の記述無し)を直列に多数個、特殊な耳より釣り糸10側へ通すことが可能とされている。実登2588177においては、餌(本文において、アワビ・トコブシ・サザエ・ヤドカリ・ウニ等)を直列に多数個、同耳より釣り糸10側へ通すことが可能とされている。実登2514209においては、餌(本文において、アワビ・トコブシ・サザエ・エビ・マムシ・ウニ)を直列に多数個、同耳より釣り糸10側へ通すことが可能とされている。特開平07−327563については、餌(請求項・本文において、種類の記述無し)を直列に多数個、同耳より釣り糸10側へ通すことが可能とされている。実開平7−28354においては、餌(請求項・本文において、種類の記述無し)を直列に多数個、同耳より釣り糸10側へ通すことが可能とされている。実開平7−05356については、餌(本文においては、アワビ・トコブシ・サザエ・ヤドカリ・ウニ・マムシ・エビ等)を直列に多数個、同耳より釣り糸10側へ通すことが可能とされている。実開平7−11160においては、餌(本文において、アワビ・トコブシ・サザエ・ヤドカリ・ウニ・マムシ等)を直列に多数個、同耳より釣り糸10側へ通すことが可能とされている。特開2001−028968については、餌(請求項・本文において、種類の記述無し)を同チモト側端部まで差し込むことが可能とされているが、多数個挿入の記述はない。
以上の従来技術では、全ての釣り針の結合は、基本的に軸3に結ぶか、耳2dや耳2cの穴、及び、折り返し部等を利用するものであって、フトコロ8に面した略平面部に、釣り糸10を直接繋留する手段が無かった。
以上の先行技術の様に、釣り針の端部を潰したり環を設けたりした耳2(タタキ・チモト・アイ等)、及び近傍の軸3、及び釣り針全体には、餌の通し性(貫通させ易さ)、釣り糸10の出し口の安定性、餌の固定性等の様々な課題が有る。又、この他に掛かり性の向上があり、最新の市販の釣り針は、細径化とロングテーパーによる針先の鋭さ・針先の切込部形状、アゴ6(モドシ・バーブ)の複数化やアゴの省略(いわゆる、スレ針)、縄文時代からあるアウトバーブの再普及、材質と熱処理の向上による高硬度化等の工夫がされてきている。発明者は、これらの技術動向を検討したが、特に掛かり性を向上させる為の、高応力部位としての、先曲がり5付近の細径化傾向は、やりとりに時間の掛けられる遊漁においては、特に問題ないが、職漁においては問題があると考えている。職漁においては、不意の大物魚が掛かっても伸びたり折れたりしない頑丈さ、短時間で釣り上げるためにある程度強引なやり取りが必要な為、基本的には、従来同様に、掛かり時の応力が大きくて伸びたり折れたりしやすい腰曲がり4−先曲がり5間等が太い、或いは全体的に太くて頑丈な釣り針が好ましい。釣り糸10も、職漁においては確実性・強引への対応性・コストを下げる為の繰り返し使用が前提となるので、糸材質の改良等で強度が向上してきても、基本的に、安価で太い釣り糸10が従来同様に使用され、遊漁の様に、2号未満等の細い糸は使われえないので、釣り針側が先に破損する事は、あってはならないと考える。又、釣り餌としてのオキアミ20の取付・使用方法については、従来式の結合の釣り針については、文献・釣りのガイドブック・雑誌等に従えばよいが、新しく開発された通し性の優れた釣り針には、それに最も適した付け方(使用方法)が必要である。
従って、職漁の従事者にも使ってもらえる釣り針としては、従来と同様の釣り針素材の太さ・釣り糸10の太さのもとで、オキアミ20を餌として使用する場合の前提で、最も多用されるフトコロ8がひとつの釣り針として、何が課題として要求されるかをまとめてみた。これらの様々な課題を、先のステップごとに整理すると、図11〜15の表に示す様に、▲1▼出糸がフトコロ8正面側からずれない、▲2▼簡単な(周知性に優れている)結合が可能、▲3▼釣り糸10が伸びてもすっぽ抜けしにくい、▲4▼強度劣化しにくい、▲5▼結合の強化が可能、▲6▼耳2の端での傷防止が可能、▲7▼オキアミの通し性が向上、▲8▼餌の脱落やずれ防止が可能、▲9▼結合部15・耳2・仕掛けの一部等の露見防止、▲10▼餌のアピール性の向上、▲11▼吸込み性の強化、▲12▼掛かり性の向上が可能、▲13▼高強度釣り糸(ワイヤー10c・編み糸10b等)の使用が問題なく可能、となる。従って、釣り針単体だけでは無く、それを利用した仕掛け、及び前処理・餌の取付(使用)方法まで踏み込んだ、総合的な対策が必要となる。
課題を解決する為の手段
段落(0024)の課題▲1▼〜▲14▼の内、課題▲1▼〜▲3▼、▲7▼〜▲12▼は重要で、その中でも、▲1▼、▲7▼、▲8▼、▲9▼、▲12▼は特に重要であり、どの一つを欠かしても、改良の意味が無くなる。その他の課題は、補助的な意味が強い。整理の為、ステップに沿った▲1▼から▲13▼の順にて、解決の手段を解説する。
課題▲1▼については、図28〜30に示す実施例で、新設した繋留傘付杭30に釣り糸10が結合出来る。この耳2(2a・2b)面に接合した繋留傘付杭30に、釣り糸10を結合する事で、従来の外掛け結び・内掛け結び・漁師結び等に発生する軸3の周方向への出糸のずれは完全に解消され、これは後述する課題▲12▼のポイントともなる。
これで、課題▲1▼は解決となる。
課題▲2▼については、課題▲1▼の解決の為に設けた繋留傘付杭30に、主にサルカンの釣り糸10結び等で多用される、簡便なクリンチノット方式で結合すれば良い。結合の際の取り回しとしては、図31の様に、釣り糸10を繋留傘付杭30に半周回した後、指で傘部(D)を押えて結合すると、釣り糸10が繋留傘付杭30部から外れずに結合し易く、従来技術にもあるが、暗いときや眼の悪い人でも手探りで仕掛けの結合をする事が可能となる。
これで、課題の▲2▼は解決となる。
課題▲3▼については、課題▲1▼、▲2▼の解決によって、軸3に周回する釣り糸10で出糸を押えない構成となり、釣り糸10の引張り方向に基本的に直交する繋留傘付杭30に、釣り糸10を結合するから、釣り糸10の伸びによって起きるすっぽ抜けは発生しない。
これで、課題▲3▼は解決となる。
課題▲4▼については、課題▲2▼のクリンチノットが基本的に使えるから、サルカン結びで多用される事で実証されている様に、釣り糸10の強度の劣化は大きくないので問題は無い。
これで、課題▲4▼は解決となる。
課題▲5▼(▲13▼でも同じ)については、強力な編み糸10bやワイヤー10cを使えば良い。それが課題▲9▼と相反してしまい、魚が警戒して食いが悪くなる。これは、請求項に共通するオキアミ25の本願仕掛けへの取り付け、使用方法が関係するが、その詳細は後述する。
これで、課題▲5▼は解決とする。
課題▲6▼については、図32の様に、末端G側を、その耳2(2a・2b)の厚みの値よりも大きな半径Rで曲げる、特に丸耳2bの曲線状の末端G側については、図33の様に、同様のRで縁を絞り加工してQ部とすれば良い。
これで、課題▲6▼は解決となる。
課題▲7▼の通し性については、従来技術の殆どが問題なくクリア出来ずに、消滅した高いハードルであり、解析から順を追って説明する。従来形の釣り針に、外掛け結びをした場合の、結合部15断面の図10を拡大したものを、図34に示す。軸径(直径)0.7mmと0.9mmの釣り針の軸3に、それぞれ、2号糸(前記「釣りの科学」によると直径0.235mm)と3号糸(同じく直径0.285mm)を捲いて結合した場合の、軸3そのものの断面積と、結合後の各位置断面積、及び、軸3の断面積(位置Uでの値)を基準とした、断面積比(率)の表とモデルを、図35に示す。潰した耳2(2a・2b)の断面積は、伸びを計算せずにそのままの断面積とし、モデル上もそのまま円形状で、記号も軸3と表示する。結合釣り糸10の末端C、及び、それを押えるターン部Cwは、釣り糸10の3本分で計算する。主に、軸3に釣り糸10を捲回する事が原因で、最初に軸3に沿わせた下糸(最終的に、軸3に平行に固定されて出糸になるもの)の影響により、その上に捲回した糸が部分的に山型にふくれてしまう影響を考慮しない単純計算でも、断面積は、軸3を基準として302%と287%に増加し、しかもY位置部分の周方向への捲き始めで急増するので、生オキアミをここを通そうとすれば引っ掛かって、無理をすれば、身や外殻が崩れたり潰れてしまう。従って、釣りのガイドブック等に、オキアミ20の付け方として紹介されているのは、図22〜27に示す様に、釣り糸10の結合部15よりも耳2側迄は、オキアミ25を通せてはいない。更に、ボイルオキアミの場合は、身のタンパク質分等は硬化・縮小しているので、生のオキアミよりも釣り針自体に通しにくく、固定性は良いが、当然、この結合部15の捲き始めの部分から耳2側へは通せない。更に、図24〜27の様に、オキアミ25を並列に多数個掛けると、体積が大きくなって、仕掛けが潮の流れの力を受け易くなるが、比較的口の小さな対象魚の口腔には入り込みにくくなる、或いは、口腔の奥まで入り込みにくくて、針先7が口腔の深い位置に掛かりにくく、従って、掛けてもバラシやすいという問題も発生する。
これらの釣り糸10結合部15の断面積の急増の他に、餌の通し性を大きく阻害する要因として、釣り糸10を結ぶ事によって発生する、末端の突き出し(図34のC部)がある。最も一般的な、外掛け結び・内掛け結び・漁師結びは共に、釣り糸10の末端Cが軸3の腰曲がり4側を向いており、例えば、オキアミ等の柔らかく裂け易い餌を使用する場合、この末端の突き出しCが、軸3とは別体的に、オキアミ25の身に食い込む事で、折り返しのある軸3の場合と同じように、餌の耳2側への押し上げを著しく阻害する。影響を小さくしようとして突き出しCを短く切ると、魚が掛かって出糸に負荷が掛かった際に、最終的に周回部の上を通って腰曲がり4側に戻る釣り糸10の端部Cを、抑え込んでいる下糸の輪(釣り糸10の腰曲がり4側折り返し部分で、図34の例で、Cw)から、そのCが外れて、結び目が解けてしまう場合がある。実公S12−1298・特開平8−256639においては、この末端を納める溝が提案されているが、釣りの現場で、特に癖のつきやすい釣り糸10aの末端側を、その溝にきちんと納める結びをするのは容易ではない。以上の結果から、釣り糸10を軸3に全周捲いて結合する従来結合方式は、オキアミ25等の通し性を大きく阻害するので、代案を検討する必要があり、その代案は、釣り糸10での結合部15の末端処理C・Cwの向きの問題をも解決する必要が有る事がわかる。
上記段落(0032)〜(0033)の、課題▲7▼に対する解析結果から、新しいオキアミ通し刺し専用の釣り針においては、柔らかくて崩れ易いオキアミ25等での、通し性を向上させる手段として、結合部15(釣り糸10そのものを含む)の断面積が、大きくならない構成がもっとも好ましく、且つ、針先7側から耳2に向かって進行する釣り餌にとって、通過するべき部分の断面積が急増しない方(暫増する、又は、段階的に増加する)が好ましい。従って、最大断面積の増加は、従来よりも極力小さくする事、且つ、オキアミ25等を耳2方向に通す際に、軸3に大きな段差が出来ない様に、平面、又は曲面のスロープ等を設けて断面積を暫増にしたり、段階的に断面積を増加させる必要がある事、且つ釣り糸10の結合部15の末端C・Cwを、オキアミ25等の通し刺しを阻害しない処理にする事、以上が最低解決すべき課題となる。
図36に、本願発明の釣り針の1実施例を示す。その釣り糸10を結合した模式図を、図37に示す。図36の、耳2(2a・2b)のフトコロ8側にある、抜け止めの傘部を持つ線材を接合して設けた、釣り糸10を繋ぐ部分が、本願発明で新設した繋留傘付杭30である。この軸3の直径0.7mmの釣り針のフトコロ8側の耳面に、線径0.4mmの線材で、傘軸長さdが0.5mmの繋留傘付杭30を設けて、図37の様に、釣り糸10aの2号を、クリンチノットで結合した場合の、結合部15断面積等の表とモデルを、図38に示す。傘の直径は0.7mm、傘の厚みは0.1mmとした。計算上、クリンチノットの撚りを入れた部分(Y部)では、結合時に絞った際に、本線に対して撚った釣り糸10aが螺旋状に捲きつくので、釣り糸10aの3本分の直径の円断面積にした上で、行きと戻りの釣り糸10aの2本分を足してある。図35と図38の表の、軸3の断面積を基準(100%)とした断面積比(率)の、位置毎の比較グラフを、図39に示す。表やグラフで分かるように、断面積比の最大値が、従来に比べると78ポイントも小さくなっており、図37の様に、結合部15が、軸3側からすすむ餌の進行に対して繋留傘付杭30の後部に隠れ、従来よりも遥かにオキアミ25を通し易くなって、耳2をも越える通し刺しが可能になっている。
次に、同様に、軸3直径Dを0.9mmとし、フトコロ8側の略平面に設ける繋留傘付杭30の傘軸直径は0.5mmとし、3号糸を2回捲きも可能な傘軸長さdを0.6mmとし、傘の直径は0.9mm、傘の厚みは0.15mmとした、図40の釣り針に、図41の様に、3号の釣り糸10aをクリンチノットで結合した場合の表とモデルを図42に、図35との比較グラフを図43に示す。断面積比の最大値が、従来に比べると77ポイントも小さくなっており、オキアミ25等の、耳2をも越える通し刺しが可能になっている。
上記の2例の様に、フトコロ8側略平面に設けた繋留傘付杭30を利用して、クリンチノット等で、耳2面に主に平行に結合する事で、実質の断面積増加率が大きく低下し、しかも従来の結合の様に、全周に渡って急激に断面積が増加せず、繋留傘付杭30・結合部15側に限って増加して、その反対側はガイド機能を果たせるので、従来の仕掛けでは出来なかった、図44の様な、耳2(2a・2b)を越えるオキアミ25の通し刺しが、簡単に可能となる。上記例では、結合した釣り糸10aを2回捲けるように、繋留傘付杭30の傘軸長さdを伸長してあるが、釣り糸10を1回捲きにすれば更に太い糸を結合(図40例では10号糸も結合可能)する、或いは、結合部15の断面積を抑える為に、傘軸長さdを小さくする事が可能である。
尚、以上の各比較グラフの、耳2に向かう経路(矢印が沿った線)の断面積比が、結合部15が無い位置でも元の100%に戻らない部分は、釣り糸10(出糸)の断面積の影響で、縦に通じた釣り糸10自体の断面積は小さい事を示している。又、従来方式・本願発明で経路の線が曲線化している部分は、釣り糸10そのものの曲面の影響を表わしている。グラフ化の都合で、釣り糸10の半径相当の断面積比付近までは、直角の段差相当表記とし、通し性を大きく阻害する、周回する釣り糸10と軸3との隅部(空隙部)の影響の計算・視覚化は出来ていないが、その影響は、基本的に本願発明には関係しないので、影響する事は無い。
又、グラフで示した従来結合方式のC及びCwの断面積は、グラフ上では大きくないが、折り返しや刺し針と同じく、Cが軸3とは独立的に突き出していて、オキアミの身に食い込んでしまうで、影響は非常に大きい。本願発明では、数値で例証した断面積増加を抑える効果の他に、結合した釣り糸10の末端Cが、釣り糸10本線(釣り人・出糸)側、又は、結合部15の側方を向くので、餌通しの阻害要因として影響が小さく、かえってCを長目に取る事によって、本願発明の仕掛けの、各結合図やグラフでもわかる様に、餌ずれや脱落を防止する突き出しとして利用できる。しかし、このオキアミの戻り(ずれ)や脱落を防止できる機能が強すぎると、オキアミの取付時に、かえって不具合を生じる事もあり、取付・使用の説明書に注意書きが必要である。
これで、課題▲7▼は解決となる。
課題▲8▼については、繋留傘付杭30、結合部15、及び、耳2(2a・2b)が、通し刺し(最後の1個は、通し刺し又は縫い刺し)したオキアミ餌の、餌止めとして作用するので、軸3に設けた小さなケンや凹凸等よりも効果的にオキアミ餌の脱落やずれを防止出来る。オキアミ20は柔らかいので、手で千切ったりして、後述する前処理を施せば、大きな断面積や幅用に細工出来、大きな幅の耳2を通過させる事自体が、固定性を良くするポイントにもなる。これは課題▲7▼の解決によって可能となったものである。
これで、課題▲8▼は解決となる。
課題▲9▼、▲10▼、▲11▼については、課題▲7▼の解決によって、釣り糸10の結合部・耳2・隠蔽を要する仕掛け部分を、オキアミ25等で隠す事が可能となり、取り付け出来る体積が大きくなる事で、魚に対するアピール性も向上した。又、直列に多数個取り付けしている事で、餌の吸込み性が良くなった。その請求項に共通する本願発明の仕掛けへの取り付け・使用方法について解説する。
図20に示す様に、頭胸甲20eから尻尾(尾節20h・副棘20i・尾肢20j)までの間に、腹節20n形状部が6箇所ある内、少なくとも、肛門前棘20k(頭胸甲20e側から6節目の腹節20n形状部)の途中か、又は、その5節目との継ぎ目等から千切り、又は、切り取らないと、挿し込み部の径が小さすぎて、通し刺しがうまく出来ないので、図21のように切断し、これを、前処理した、頭胸部20f(一連の眼20a・鰓20d・胸脚20m等含む)付の、オキアミ25とする。この際、後述する理由から、図45に示す様に、釣り針の部分的な略経路長さMにに対して、オキアミ25がM以下の長さmでないと取付・使用出来ないので、注意を要する。これを2個直列に通し刺しした例を、図46に示す。先に通したオキアミ25は、少なくとも釣り針の耳2よりも釣り糸10側(上側)に、腹部(腹節20n全体、或いは、その一部でも良い)が位置するまでは押し上げ、耳2及び結合部15(繋留傘付杭30も含む)が、完全にオキアミ25で隠れるようにする必要がある。この際の要領としては、図47に示す様に、右利きの場合、従来同様に耳2側を破線で示す右手の指で持って、左手の指(図示しない)で把持したオキアミ25を、先曲がり5が露出する迄、釣り針で通し刺しする。次に、図48の様に、実線で示す左手の指で、先曲がり5−針先7間を保持し、オキアミ25全体を右手の指(図示しない)で軽く挟んで、再び耳2・結合部15を持つのに邪魔にならない位置まで、結合部15と耳2を通じてから、釣り糸10上をスライドさせる。釣り針の全体がオキアミ25から露出したら、再度、図49に示す様に、破線で示す右手の指で耳2側を持って、同様に、2個目のオキアミ25を、先曲がり5まで通し刺し、又は縫い刺しする。最後の1個(この場合、2個目)は、結合部15を越えても、耳2より上の本線迄は通さないので、固定性を考えると、縫い刺しも可能である。最終的には、針先7・アゴ6と先曲がり5部分は、従来と同様に掛かりを良くする為に、オキアミ25から必ず突き出しておきたいので、左手の指で、再度先曲がり5−針先7間を保持し、オキアミ25全体を、右手の指で軽く挟んで、この場合、2個目の、最後に針先7に通じた部分が、腰曲がり4まで達する様に、右手の指で位置決めする(図示しない)。最後に、図50の様に、最初に通じたオキアミ25が通じてある部分より上の釣り糸10を、左手の指で掴んで、先に通したオキアミ25を、最後に通じたオキアミ25と協働して結合部15や耳2等を隠せる適切な位置まで、右手の指で引き降ろす様にすれば良い。餌の動き(折れ曲り)を良くする為には、耳2と釣り糸10本線の境界と、オキアミ25同士の境界を一致させる様に、位置決めすれば更に良い。以上の要領でわかる様に、耳2から先曲がり5迄の、部分長さよりも長すぎるオキアミ25では、手指の持ち替えが出来ず、実際には取付・使用出来ない。この場合の長さとは、取付可能な直径と構造を持つ部分であって、細かいひげ・触腕・脚等は、常識上含まない。短いオキアミ25を沢山取り付ける事は、手間が掛かるだけで問題がないが、その場合も、最初の把持場所である、結合部15や耳2を隠す為には、持ち替えは必須である。但し、結合部15から針先7付近迄の部分長さの、半分以下のオキアミ25、又は、該部分長さが、オキアミ25の2倍以上ある釣り針での場合は、釣り針部の持ち替えをしないでも、2個の通し刺しが可能となる。この持ち替えや引き降ろしを必要としない、結合部15付近から針先7までの間に、2個以上取り付ける使用方法は、従来と変わりないので、当然請求項から外している。適切な長さmに短かく前処理した、或いは、必要に小さいサイズの、オキアミ25を使用するので、釣り針近辺の仕掛け全体をカバーするのに、1個ではカバーしにくいから、2個以上の複数使用と、直列での取付を請求するのは理由がここにある。請求項にある適切な前処理(長さ)も、この取付方法の場合は欠かす事が出来ない。オキアミ25を通して仮置きする釣り糸10側は、長さはいくらでも良いので、使用個数の、上限側は必要がない。オキアミ25の取付する向きについては、ランダムでもかまわない。又、理由を後述する耳2の長さが大である事は、この取り付け作業をやり易くするので、使用方法からも合理的となる。従来から使用されている、オキアミより小型のアミ類(オキアミとは、科と目が異なる)を刺し餌、いわゆるサシアミとして利用する場合は、小型である為に釣り針に直列に(針先7から、耳2付近までの全長に沿って)、2個程度取り付ける場合があったが、オキアミよりも外殻が柔らかく、釣り糸10の全周捲きの結合部を越えてはとても通せない事で、直列といっても、本願と同列のものでは無かった。これは、釣り針1の餌を取り付け可能な長さに比較して、半分以下の小さいオキアミやエビ等の図例でも同じである。従って、この本願発明の、仕掛けのオキアミの取り付け・使用方法は、途中で持ち手を替える事、最後の引き降ろしを必要とする事やオキアミを適切な長さにする前処理要領も含めて、本願発明の使用において、先に述べた様に、必要不可欠のものであるから、取扱説明書に必ず詳述する必要がある。尚、試行の結果から、結合部の余りC部については、オキアミ25の戻りを防止する機能が強く、あまり長くし過ぎると、上記の、先に通じたオキアミ25の引き降ろしの作業がやりにくくなるので、注意が必要である。尚、この図46の取り付け・使用方法には、魚が最も好むオキアミ20の頭胸部20fや眼20aの部分が、多数取りつけられる、図26の房掛けと同等の利点があって、且つ、同取付・使用方法よりも時間は掛かるがより脱落しにくく、直列である事で、口腔により入り込み易いという特徴がある。尚、実際に魚を釣り上げた際に、釣り針や仕掛けに、投入前に仕掛けに直列に通しておいたオキアミ25は、殆ど脱落している事が多く、外殻も含めて柔らかく脱落し易い事が、掛かり後以降の仕掛けの挙動に問題を発生せず、又、再度の投入(手返し)にもなんら問題が発生しない事が分かっている。
釣り針の軸3径が大きい場合、或いは、使用するオキアミのサイズが小さい事で、通し刺しがやりにくい場合等は、オキアミ20はその体構造上、腹部の頭胸甲20e側寄りの腹節20nが、直径がより大きいので、図51の様に、頭胸部20f寄りで切断してから、付ければよい。この際の原則として、頭胸甲20eの次に直径の大きい、尻尾側への次の節(第一腹節20g)は、少なくとも一部は残して使用する。これは、頭胸部20f中の脳・内蔵等の流出を防ぐ栓の役目を、第一腹節20gにさせ、且つ、前記の脳や内蔵等よりもしっかりしている身(筋肉)の入っている、第一腹節20gを使用する事が、釣り針に対するオキアミ25の固定性を良くするからである。
別の取付方法としては、まず図52の様に、オキアミ25からと頭胸部20f等を取り去って、腹部(腹節20nの集まり)のみにしたものを、オキアミ27とする。これを図53の様に、少なくとも2個以上通し刺しにし、最も後から取り付けたオキアミ27の、最後に通じた部分を、必ず、釣り針の腰曲がり4まで、通し刺し、又は、縫い刺しする様にする。前処理での適切な長さと、途中での持ち替えや、最後のオキアミ27より上の、釣り糸10側に仮置きした分は、引き降ろし等を必要とする、取り付け(使用)方法は、オキアミ25だけの場合と同じである。尚、この取付方法には、最もしっかりしている、オキアミの腹部のみを取りつけるので、脱落やずれに最も強く、深海での釣りや、遠投しての釣りに適しているという特徴がある。又、オキアミ25を、図51の様に切って使用する場合の尻尾方向の端材も、その長さ・太さが適切であれば、当然使用可能である。この取付方法の場合も、オキアミ27の取り付ける向きは、ランダムでかまわない。
或いは、この腹部のみのオキアミ27と、頭胸部付のオキアミ25の組み合わせで、図54の様に、多数個を通し刺しにしても良い。オキアミ25・27の向きや順序は、ランダムでもかまわないが、最も後から取り付けたオキアミ25、或いは、オキアミ27の、最後に針先7に通じた部分を、釣り針の腰曲がり4まで、必ず通し刺し、又は、縫い刺しする様にする。前処理での適切な長さと、途中での持ち替えや、最後に通じたオキアミ25・27より上の、釣り糸10側に仮置きした分は、引き降ろし等を必要とする取り付け(使用)方法は、図46・図53の場合と同様である。このオキアミ25・27の、ランダムで且つ直列での使用も、本願発明の仕掛けに独特のもので、釣り餌として供給される冷凍のオキアミブロックには、大きな捕獲・冷凍時の固まりから、各種の販売するサイズに、刃物で割断された際に、各切断面近辺に、半端なオキアミ25・27と近似したものが多数出来てしまって、そのまま使用者に供給・販売されているので、その端材の有効利用が可能である。
以上の様に、釣り針から釣り糸10に達するまで、オキアミ25・27を複数個通し刺しにして掛けることで、結合部15(傘付杭部30も含む)や耳2及び釣り糸10等の仕掛けの一部を、餌で覆い隠すことが出来、魚の警戒心を喚起させずに釣りが出来る。比較的短い釣り糸10を付けた仕掛け(根付けのセット)の場合は、その根付け毎、オキアミ25・27で覆い隠せば、効果的で、露見防止性が向上する。直列に腰曲がり4まで、ほぼ真っ直ぐに取り付けるから、体積が大きい割に、対象魚の口腔の入り口には、従来の並列複数取付より、遥かに入り込み易く、吸込み性が良くなる。又、魚が摂餌する際の吸引水流により、針先7が、従来よりも口腔の奥に入り込み、口唇切れでのバラシが少なくなるという利点もある。複数個取り付ける(2個以上いくらでも良い)ので、魚の目に付き易く出来てアピール性が上り、従来の釣り針・仕掛けでは、図27の様に手間の掛かる、切れ込みを入れたナイロン16等を挟んだ結合や、撓んで作業しにくい樹脂線材(ナイロン16)へのオキアミ25の取り付けをしなければ、対象とならなかった大型魚・深海魚等の釣りにも、十分に使用可能である。
これで、課題▲9▼、▲10▼、▲11▼は解決となる。
課題▲12▼の重要なポイントとなるのは、撞木の耳2(2a・2b)で特許・実用新案の申請の多い、釣り糸10(ハリス等)結びでの、糸の出し口の安定性(結合時或いは使用中の周方向に対する廻り止め性を含む)に関する改良である。これらにほぼ共通するのは、少なくとも軸3のフトコロ8側の一部に、平面や溝等を設けて結合後の接触面積(釣り糸10の径方向の撓み性にたよるものを含む)や転動抵抗を大きくし、その効果で、結合時・使用時の周方向の廻り止めができるようにする事で、本願では課題▲1▼の解決で、固定自体は完全に解決されている。撞木の耳2(2a・2b)の釣り針では、釣り糸10本線の出し口が、耳2のフトコロ8側正面付近に無い場合(フトコロ8側から見て軸3の左右や後側に釣り糸10の出し口がある場合)、少なくとも手前合わせの魚に対する掛かりが非常に悪くて、釣れる率がかなり低くなるのは経験的事実であり、何故掛かりが悪くなるのか、その根本原因の理解・解析と解決が最重要な課題となる。
図55の様に、釣り糸10を略垂直にした状態で、撞木の耳2(2a・2b)を持つ釣り針1は、その基幹である軸3を垂直にして立っているものとする。魚が餌付の釣り針を摂餌しようと周囲の水ごと吸引する(挙動の解説の為に、餌の図示を省略する)と、最初に、釣り針は、魚が吸込む局部的な水流に乗って、釣り糸10の結合部15(出し口)を支点として、図56の様に、釣り針全体が針先7方向へ反時計廻りにピッチング回転し、針先7が魚の口腔に刺さろうとする。この釣り針の挙動は、先の「釣りの科学」にも解説されている。回転した釣り針の針先7は、口腔40に突き当って接点が出来る。「釣りの科学」では、この時点で、針先7が口腔40に刺さるとあるが、海魚には、河や湖沼の魚より口唇や口腔40内壁が硬いものも多く、ピッチングの慣性力程度では刺さらず、ある程度刺さるにも、更に釣り糸10で引く力が必要である。接点が出来て、フリーだった釣り針の針先7が固定されると、海流による釣り糸10の張力や釣り竿の力、及び魚信を感知した釣り人が合わせをしようとする力が釣り糸10を引いて、針先7を更に口腔に食い込ませて刺さろうとする。この時、釣り針の姿勢は、図57の釣り針側の矢印の様に、吸込み時とは逆に、時計廻りにピッチング回転しようとする。この場合の支点(固定点)は、針先7と魚の口腔との接点であり、この動きは、張っていく釣り糸10の延長線が支点に一致しようとする、図57の釣り糸10側矢印で示す、釣り糸10の力学的な動きに伴うもので、釣り糸10の力を利用して釣り針を刺す以上、必ず発生する不可避の事象である。その拡大図を、図58に示す。この回転モーメントに対抗し、釣り針の姿勢を維持・制御しようとする力は、釣り糸10がその張力で、耳2の端部と釣り糸10の接触点Aを押し返す力fと、取り付けた釣り糸10の接続点Bから、耳2との接触点Aまでの距離ABの積の回転モーメントとして得られる。従って、平たく潰した耳2(2a・2b)が、釣り糸10を取り付けた点Bに対して針先7(或いはフトコロ8)と反対側にあれば、掛かりの際に、釣り針の姿勢が、f×ABの回転モーメントで限定(制御)されて、拡大図58の向きよりも時計廻りにピッチング回転しにくくなり、且つ左右にぐらつく(ローリング回転する)ことも少なく、テンションが充分であってうまくバランスが取れれば、ピッチング回転は止まり、針先7の突入姿勢が安定する。釣り糸10の張りが弱い場合でも、最終的には、釣り糸10の延長線上に針先7が一致する所でピッチング回転は止まる。この過程の途中での、姿勢の制御をするモーメントの中心は、テンションによって固定されたこの系内のB点であり、式から分かるように、釣り糸10のテンションによる力fが強い程、又、距離ABが大きい程に強くなる。但し、この制御モーメントが、発生する条件としては、A点は、釣り糸10の伸長方向にはフリー(AB間は、軸3や耳2への固定拘束はなしで、fは釣り糸10のテンションに比例可能)で、且つ、当然ABは正の数でなければならない。Aが固定点(=B)である事は、テンションにより発生する力がA点にしか作用しないので、姿勢拘束力が無い状態になる。又、A点の拘束が通常はないから、釣り針は、水流に乗って反時計廻りにピッチングし易く、魚の口腔にスムーズに入り込む事が出来るとも考えられる。以上のように、針先7の突入姿勢が制御された(釣り糸10の力で、釣り針の姿勢を拘束した状態)で、釣り人が釣り糸10を更につよく張る合わせを入れて、口腔40に深く針先7を刺したり、魚が釣り餌中の硬い釣り針や針先7による異物感、釣り糸10につながれて動きが制限される違和感を感じて下降すれば、魚の口腔40に針先7がしっかり食い込んで(向こう合わせで)、十分に捕獲が可能となる。
糸の出し口が、フトコロ8と反対側や軸3の側方にある場合は、Bが後ろや側方に有る事で、Aが存在できないので、結果として、距離ABもfも0となってしまい、釣り糸10が耳2を介して行う、針先7突入の姿勢制御はなされない。図59(フトコロ8と反対側に釣り糸10の出し口がある場合)に示す様に、図58の姿勢よりも更に(同じく釣り針は、釣り糸10の延長線上に針先7が一致するまでは)矢印の方へピッチング回転してしまい、ローリング回転の制御もなされない。こうなると、異物感・違和感を感じて、下降して逃れようと徐々に下を向く魚の口腔の角度ともあいまって、口腔に直角が最適である、針先7の突入角度pが、図58の例よりも大きくなりすぎ、且つ、横方向へ釣り針がぐらついたり、滑ってずれたりして刺さりにくく、釣り糸10を引いても、針先7が魚の口腔40内壁を滑る、又は、釣り針で魚を持ち上げるのみで、合わせの突き刺しは出来にくい。これは、魚側が動く向こう合わせ時も、同じく針先7が刺さりにくくなる。
この状態を、角度が検証しやすい別の模式図を用いて説明する。図60の様な寸法の釣り針を仮定する。耳2の平面の軸3との交差角度Tを15度とし、耳2と軸3の交点(ここをB点と仮定する)から、湾曲部(腰曲がり4から先曲がり5の内側)までの距離を20mmとし、フトコロ8寸法は10mm、針先7から先曲がり5までのいわゆるフトコロ8の深さを10mmとし、軸3の直径は1mmとし、耳2の長さを4mmとした、針先7の中心軸が軸3と平行な、図60の釣り針に、B点から垂直上方に、釣り糸10が力S(2点鎖線で示す)を加える。釣り糸10、及び魚の口腔40・41は省略する。針先7が魚の口腔内壁に接して固定点となり、釣り糸10の力Sで、針先7を中心にして、耳2側が時計廻りにピッチング回転し、該回転角度が15度に達すると、図61の様に、Sの線が示す釣り糸10が、耳2の末端と接してA点が出来、釣り糸10が耳2を押し返す力fは、この時点から発生する。この状態で先曲がり5−針先7間の軸線は、水平に対して75度(垂直に対して15度)の角度を持ち、釣り糸10の力Sは、有効に針先7に伝わる。もし針先7が魚の口腔に十分刺さらず、更に釣り針が回転していくと、最終的に、釣り糸10の延長線が針先7に一致して、図62の状態になり、この時の針先7の角度は約51.5度(垂直から38.5度)となる。釣り糸10の張る力Sの成分の大半は、刺さろうとする上向きに使える角度であり、釣り糸10の張る力Sが、姿勢制御に有効に利用され始めるA点の接触開始から、ここまでの間に、ある程度針先7が刺さったら、魚が吐出水流を利用して吐き出そうとしても簡単には出来ず、この魚信を元に合わせを入れれば、確実に魚が掛けられる。従って、釣り針のピッチングを止める(或いは遅らせる)には、釣り糸10の張りから得られる力fが同じでも、距離ABが大きくて、モーメントが大になる方が有利となる。又、距離ABを伸ばす為に、耳2の長さを更に大きく取れば、図62の姿勢時に、針先7の角度も若干有利になる。
次に、図63の様に、同じ形状の釣り針に、フトコロ8と反対側に釣り糸10を結合して、軸3端と耳2の境をB点とする。釣り糸10の力Sで、針先7を中心として釣り針が時計廻りに(耳側に)ピッチング回転し、Aもfも生じずに、釣り糸10の延長線上に針先7が一致する、図64の状態まで回転すると、先曲がり5から針先7までの軸線の、水平からの角度は約42.3度(垂直から47.7度)となり、釣り糸10の張る力Sの大半は、ベクトル分散して横(水平)向きにそらされ、上向きに働く力が少なく刺さりにくくなる。
掛かり性(刺さり易さ)を決める要因は、釣り針側では、掛かる力・形状・表面粗さ・硬度(剛性)等、口腔側では、硬さ・粘度等多々あると考えられるが、単純化して、釣り糸10による力と釣り針側の断面積の比、つまり圧力(又は、応力)として比べられると仮定して計算する。図65に、針先7の円錐の角度を10度として、垂直(0度)から5度毎に45度まで傾けた場合の、針先7から一定位置での投影面積のモデルを示す。その垂直(0度)時の力、投影面積、その圧力を100%とした場合の、各角度時の力の比、投影断面積の比、及び圧力の比を、図66に示す。円錐を斜めに切れば放物線曲線状(非対称)になるので、単純化して円筒で代用(投影された面では、楕円で計算)し、力は、角度の正接(コサイン)で計算してある。図66の結果で分かる様に、垂直から15度では圧力は、65%に減るだけであるが、垂直から45度では、21%に減少する。逆に言えば、45度時は、垂直(0度)時の5倍、15度時の3倍掛かりにくくなると考えられる。
上記角度の他に、注目するべき点としては、図61から図62に移行していく間は、作用し続ける力fのお陰で、状態の移行に時間が掛かり、この間は、釣り針が刺さりやすい角度である事である。図63から図64への移行の場合、抵抗する力fは無いので、刺さりにくい図64の状態まで、一気に(比較的短時間・一瞬に)移行してしまう。この状態になると、刺さる事よりも、魚の口腔を釣り針のフトコロ8や軸3と反対側に押し返す方に、力の成分が多く向けられているので、魚にとっては、針先7の突入角度が直角に近い場合よりも、吐き出す水流に乗せての釣り針の吐出が容易であると考えられる。図59でも説明した様に、魚の口腔内壁の角度が、入り口側が下を向く様になっていくと、更に角度上不利になってしまうのは、言うまでもない。
次の注目点は、図61・図62のハッチング部で示した、針先7−B点−A点の三角形の存在で、3点が有ることで平面が確定し、釣り針が針先7−釣り糸10を中心としたローリングを起こしにくく、ぐらつかないので、針先7が魚の口腔に刺さり易い状態である。確率的には、釣り針と魚の口腔は、通常は(各図の紙面を貫く垂直方向にも)傾いてしまうのが常態と考えられ、僅かな傾きでも、針先7は、基本的に支えの弱い(交差角度の大きい)側に滑って逃げようとする。このローリングと針先7角度は、合わさる事で針先7がぐらついたりずれたりする現象を誘発しやすいので、このローリングを止める要素は重要である。従って、ローリングを誘発しやすい結合方式を取る釣り針は全て、少なくとも口腔の硬い対象魚用としては、不安定であると推定される。又、針先7の角度については、A点が発生した時点から、最終的に釣り糸10の延長線上に針先7が一致して、ピッチング回転が止まるまでは、釣り糸10の張る力Sが示す方向に対して、刺さりにくい大きな仰角や俯角とならない様にする。例えば、図67例で示す様に、垂直からフトコロ8側に約30度の間(耳2の角度に、針先7の方向を合わせて基準0とした場合で、±15度)程度にして、掛かり時に釣り糸10が引く方向を良く考慮した設計にすれば好適である。どの位置から曲げ込むか、或いは、針先7近辺を部分的に曲線状に曲げるかは、全体形状や対象魚に合わせれば良い。
以上の様に、針先7の先端の角度については、向こう合わせの対象魚用にて良く採用される、ネムリを掛ける、つまり軸3側に向けて、先端付近を曲げ込む事で対処は可能であるが、掛かりに有効な角度を維持している時間の延長と、ローリングを止めて刺さりを安定させる為には、釣り糸10から得られるである力fと、3点目の接触点Aの存在が、共に不可欠である。A点が、掛かり始めの早い時点で生じる為には、角度Tが小さい方が有利となるが、段落(0013)で説明した様に、小さくし過ぎると吊り下げ時等に問題が生じる事がある。又、図61で分かる様に、ローリングを止めるこの三角形面積の大きさも、ABの長さ、つまり、略耳2の端−結合点の長さによって大きく影響されるので、ABの長さは、大きく取れる事が望ましい。
又、釣り糸10が持っている力Sが大きい事、例えば、釣り針及び釣り餌が、潮の流れによって受ける力や、餌及び釣り針の質量が大きい事で重力によって受ける力、つまり、いわゆる仕掛けの張りであるSが大きい方が、掛かり始めの初期段階では、釣り糸10が耳2の接触点Aを押す力fが大きくなって、釣り針の姿勢(掛かり)がよくなる事が分かる。この仕掛けの張りが掛かりに重要である事は、潮の流れが複雑で且つ釣り場によっては潮の流れに合わせて釣り座を変えられない、磯釣りの場合に特に顕著であり、張りが入らない状況では基本的に魚が掛からず、釣り糸10を流れの状況に合わせて精密に操作しないと釣れない事が多い。従って、仕掛けの張りを作る釣り針の重量は大きい方が好ましく、餌で隠す等で問題部分(特に、結合部15と耳2)を目立たなく出来る限りは、全体的、又は、部分的にでも太くした方が良い。又、合わせの際の力もSであるから、仕掛けの強度上、及び、対象魚の口唇の強度上問題が無い限りにおいて、強くて速い方が良い。
しかし、釣り針の重量を大きくしすぎると、撒き餌との、いわゆる同調が崩れ易いという問題が発生する。従って、対象魚の口腔に、問題なく入り込む限りにおいて、餌の体積を大きくする事で、潮や魚の吸込みの流れによって、釣り糸10の張りを大きくする事が、運用上で、釣果を上げるポイントのひとつとなる。
以上の様に、釣り糸10の結合が良くない場合に、釣り針の掛かり途中の姿勢制御が悪くて、釣り針の針先7が、口腔に深くまで刺さらない僅かの時間の内に、魚が釣り餌に忍ばせた釣り針を吐出してしまえば、釣り餌はとられても、魚自体は釣れなくなる。尚、この現象は、そのメカニズム上、魚が釣り針付の餌を飲み込んで、例えば釣り針が、図68の様に、魚の口腔40・41内で寝た(倒れた)姿勢であっても、合わせや魚の移動で、軸3が釣り糸10に引かれて口腔40・41の入り口まで引き出されて、釣り糸10のテンションを元にして、針先7が口腔40等に刺さろうとする時点で、必ず発生すると推定される。従って全く同じ釣り針を使用していても、正しい釣り糸10の出し口(出糸)の場合の、図58(同図61−62)に比べて、出し口の良くない図59(同図64)の姿勢の場合は、初期の掛かりも、且つ、合わせ時の掛かりも悪く、且つ、吐出が容易だから、向こう合わせにはなり難く、当然魚は釣れなくなる。
尚、図面を引けば分かるが、掛かり時にピッチングで回転する角度は、同じフトコロ8寸法なら、フトコロ8よりも上の軸3が長い程に小さくて済み、同じ全長なら、フトコロ8寸法が狭いほど小さくて済む。この角度が、掛かりに不利になるのは、フトコロ8とフトコロ8の深さが同程度、つまり、フトコロ8より下の湾曲が、正方形内に納まる程度の場合は、全高がその2倍程度以下の領域と考える。そして、フトコロ8よりも上の軸3の長さの割合が小さい程、ピッチングによる旋回角度の変化が大きくなる。フトコロ8より上の軸3が十分長い釣り針では、少なくとも角度上の不利は、発生しにくくなり、この様な長型の釣り針でも、結合が良くないと、やはり掛かりがかなり悪くなってしまうのは、ローリングと移行時間の所為と推定される。尚、軸3が長い方や、フトコロ8が狭い方が、針先7の角度上有利といっても、図62の様な状態、つまり、釣り糸10の延長線上に、針先7が一致するまでピッチングした際に、耳2側が魚の口唇の外側(顔面)に接触したり、フトコロ8が口唇そのものに嵌まり込んで固着すれば、驚いた魚に遁走されたり、針先7を刺す事自体が難しくなり、あまり餌を吸込まない魚もいるので、釣り針には、多くの対象魚用の基本形状とサイズが必要である。耳2の角度Tは、掛かり始めの姿勢制御上は、小さい方が有利であるが、掛かってからの魚との引き合いや吊り下げ上は、前述した様に、制限がある。又、耳2の角度制御機能が利用出来にくい、環の方向が図6と直交方向のルアー用のフック等は長尺であったり、フトコロ8自体は大きくとっても、相対的にフトコロ8を小さくする為に軸3の上部側をフトコロ8側に曲げ込んで、そこにアイを付けたものが多い。この方向の、単なるアイタイプの釣り針を使用する釣りでは、向こう合わせでバイトして魚が釣り糸10を引き始めたら、確実なフッキングの為には、ローリングや移行時間の害を避ける為に、強くて瞬間的な合わせをしっかり入れる操作が必要である。
餌釣り用の撞木の耳2(2a・2b)の釣り針においては、以上の現象によって、使用中でも釣り糸10の出し口がフトコロ8と反対側や、耳2では支えが出来ない程側方にまわったら、この釣れなくなる現象は発生してしまうので、釣り糸10の出し口に関する特許・実用新案の提出が多い。
魚は、水中では無重量であり、どんなに鋭く抵抗の少ない針先7を持つ釣り針であっても、釣り糸10からの力が掛からなければ、口唇・口腔には刺さりにくい。しかし、水中であっても無慣性ではないので、鋭く釣り糸10を引いて(又は、魚が高速で下降しようとして)、且つ、釣り針の姿勢が制御・拘束されていれば、硬い口腔の魚や口腔内の骨等に当たっている場合でも、ぐらつかずにしっかりと、釣り針の針先7を貫通させることが出来る。魚釣りにおける合わせの作業は、釣果の大部分をも左右する重要な作業であって、その合わせの際の釣り針の姿勢は、当然非常に重要である。
以上の様に、結合されている位置は僅かな違いであり、釣り針の姿勢の違いも最終的には大きくはないが、釣り糸10がテンションによって真っ直ぐになろうとする力を、掛かり時の釣り針の途中姿勢制御と有効な移行時間の拡大に、しっかり利用出来る構造や結合が出来るかで、重要な合わせの姿勢や、その状態を維持する移行時間に違いが生じ、結果としての釣果に大きな差が出てしまう。従って、距離ABが有る事は、掛かりや合わせが効くかの重要な要素であり、餌釣り用の釣り針の耳(タタキ・チモト・アイ等)の役割を、釣り針を釣り糸10に結合する際の、周回糸の軸方向滑りを止める周長増大や結合の役割のみとするのは、掛かりの面から見ると誤りと考えられる。特に、軸長の比較的短いもの、或いは、比較的フトコロ8寸法の大きいもので、釣り針の端部付近に結合点が近い程悪影響が出る。
この距離ABが取れない(又は、距離ABをとらないでも結合出来た)釣り針は、釣り針の吐出がうまく出来ないで走ったり反転して、特に合わせをしなくても、釣り針に勝手に探く掛かる、向こう合わせの魚が対象の場合以外では、釣果に重大な影響が受け、釣れにくくなる。確かに管付の耳2dの針の場合に、図17の様の結合すると、餌釣りで、餌は取られても魚が釣れにくいのは、この距離がない(支える部分Aが存在出きない)為であり、図18に示す様に、フトコロ8側から耳2dの穴を通じて、フトコロ8と反対側に通して結合すれば、釣り糸10の後ろを環が支えて、A点がえられ、十分に有効な掛かり始めと合わせ時の働きが出来て釣れ易い。同様に、穴サラエの耳2cの、大物釣り用の釣り針類も、根付け方式の釣り糸10結合の取り回し等を含めて、釣り糸10(出糸)の後ろに受け面を持つ結合を行って使用している場合が多い。
以上の検討の結果から、掛かり性を重視する釣り針においては、針先7(或いはフトコロ8)側から見て、結合部15の釣り糸10の出し口(釣り糸10の軸3への結合点B)の後ろ(フトコロ8や針先7と反対側)には、釣り糸10のテンションを、掛かり時の釣り針の途中姿勢制御に活用する耳2(平面又は曲面又はその組合わせの面や、円環部分等を、フトコロ8側に面して持つもの・釣り糸10を支えて接触点Aの拠点となる部分)が配置される事、角度Tが適切な値で、少なくとも大き過ぎない事、掛かり時に釣り糸10が引く方向に対して、針先7が大きな仰角・俯角とならない事、及び、少なくともある程度以上の、AB間距離が得られる事が必須と考察され、その耳2の役割については、特許・実用新案の提出件数と、餌釣り用釣り針市場での撞木の耳2(2a・2b)の普及実績、及び、管付の耳2dや穴サラエの耳2cの、餌釣り時の使用方法がそれを裏付けている。従って、掛かり始めの釣り針の姿勢を決める、耳2の長さ・角度T・幅等の全体形状や、結合部15との位置関係、及び、針先7の向き等は、十分に検討して設計・製作しなければならない。又、餌の体積を大きくして、潮の流れで釣り糸10の張りを強くする事が、使用方法上のポイントのひとつであり、先に解説した課題▲7▼の解決で、これは可能となっている。
従って、有効な距離AB(釣り糸10のテンションに比例する力を受けられる釣り針の2点)を大きくする事で、釣り糸10のテンションが小さくても姿勢が安定し、針先7が刺さり易い角度・ローリング回転の停止・有効な角度の時間の伸長という状態が維持出来るようになるので、従来よりも掛かり性の改善が可能となる。図69に示す様に、耳2を長く伸長すると、ローリングを止める三角形の大きさも増大させる事が出来る。従って、手前合わせの魚は勿論、向こう合わせ魚に対しても、更には、釣り糸10の張りが比較的弱い状態でも、釣り針の姿勢制御が従来よりも良くなり、これに伴って、同じ軸3−針先7の太さの元でも、掛かり性が従来の釣り針よりも改善出来る事になる。
更に改善を進めるには、従来の技術文献にも近似した形状例があるが、釣り糸10が耳2を押し返す力fを、より安定して針先7方向に収束させる機能を耳2(2a・2b)面に持たせる事が考えられる。これには、耳2のフトコロ8側の面を、その断面曲線に対する法線が、針先7方面に向く曲面にした方が良く、その耳面の断面曲線としては、円・楕円・放物線が適している。耳2の伸長方向に垂直な断面での、断面曲線上の左右対称な位置の点の各法線の交点が、該耳2(2a・2b)と針先7と結ぶ線上に収束(或いは、整列)する曲面にすると、掛かり時に、耳2面が平面の場合よりも、釣り糸10の落ち着き、針先7の安定共に良くなる。図70の実施例は、断面曲線が円の場合で、その円の中心が針先7(半径値例11D、Dは軸3直径)の場合である。図71の実施例では、断面曲線が円の場合で、その円の中心は、耳2(2a・2b)と針先7間にあり、その半径値は2.5Dである。これらの断面曲線上の曲率は、主に耳2の長手方向(楕円・放物線の場合、幅方向も)で、その値が連続的に変わり、一概に数値で規定出来ない。耳2面の一部をこの形状にしても良く、この場合は伸長方向に沿った略溝形状となる。この断面曲線を円・楕円・放物線とした耳2(2a・2b)のフトコロ8側面を本願発明ではN部とする。このN部は、湾曲している事で、耳面に掛かる力に対する剛性も向上させる効果を持つ。
尚、従来の釣り針で、耳2が短く作られていたのは、オキアミ等の餌では隠せないので、この部分を目立たないように小さくしていたが、課題▲7▼の解決で、最も通しにくい結合部15がオキアミ25等を通すので、耳2部でもオキアミ25等を通す事が出来、請求項2の様に、掛かりを良くする為の、耳2の長手サイズの変更が初めて可能となった。
これで、課題▲12▼は解決となる。
課題▲13▼(課題▲5▼も同様)の、結合部の切れ防止については、歯が鋭い、又は、歯が頑丈で釣り糸10aでは、本線ごと噛み切られやすい魚用には、図72の様に、本願発明の釣り針の繋留傘付杭30に、ワイヤー10cを結んで根付け部19とし、その端部に設けた環17に、使用時、或いは、仕掛けとしての製造時に、ポリアミド系の透明な釣り糸10aを結び付ければ良い。環17側は、従来為されている様に、ワイヤー10cを、図19の首振り結合部15a側の様に、2重に捲いて作製しても良い。
図73の様に、編み糸10bを使用して、末端を結んで環17を作り、その末端の糸のほつれた部分と、釣り糸10b本線を、接着剤で纏めてから固化させて、略逆円錐状の樹脂固め部17aとし、環部17へのオキアミの通し性を向上させた根付け部19付のものは、ワイヤー10cに比べて、糸が柔軟で魚に違和感を与えず、しかも丈夫なので、特に推奨でき、この仕掛けであらゆる魚用の釣り針に展開出来る。これらは、環17に釣り糸10aを結合して用いれば良い。樹脂固め部17aを設けた環17は、他の釣り糸10の仕掛けでも、他の耳2の釣り針の仕掛けでも、製作可能である。これらの不透明な、目立つ釣り糸10(10b・10c等)使用の場合、餌の取付は、図46・図53・図54の様に、オキアミ25・27を直列に複数個通し刺しにして、根付け部19の全部をオキアミ25・27で覆い隠すようにする。こうすれば、餌釣りでは、まず釣り針を忍ばせた餌を魚に食べさせる事が大前提であるが、眼が良く、警戒心も強く、鋭い歯を備えた魚でも、切られにくい編み糸10bやワイヤー10cで、根付けした仕掛けで釣る事が、何の問題もなく可能になる。以上の、切れ防止の改良は、課題▲7▼の解決によって、何の問題も生じずに可能となっている。
これで、課題▲13▼は解決となる。
請求項1について補足の説明をすると、軸3から、魚に刺さる針先7までの距離としてのフトコロ8が1箇所であることは、釣り餌としてのオキアミを、通し刺しにして、耳2を越えて釣り糸10まで、少なくともその一部を通す為には必須であり、錘付(耳部の釣り糸10用のガイド付属物等含む)・刺し針付・保持軸・折り返し付等は、その通し刺し自体を阻害するので、オキアミを通し刺し出来ないから除外している。
次に、繋留傘付杭30の構成自体と配置について説明する。図74に示す様に、繋留傘付杭30は、基本的に、適合する釣り糸10の直径以上の長さdとする傘軸と、その開放端側の傘部Dからなり、耳2(2a・2b)面上の、出来るだけ軸3側に設置する。傘軸の直径は、適合する釣り糸10の強度以上(安全率は必要)を維持できる断面積があれば良く、材料によって異なるので、定義しなくても良いが、周回する釣り糸10の曲率上は、大きいほど好ましく、この傘軸寸法(直径)は、通し性との兼ね合いで限度を決めれば良い。傘軸長さdが、適合する釣り糸10の直径以上ある事は必須である。抜け止めの役割を果たす傘部Dは、適合する釣り糸10の半径程度の突き出し量以上が好ましいが、傘軸が異形の場合の定義がしにくく、釣り糸10の伸び特性から考えて、傘部Dの周長が、傘軸長さd相当部の20%以上あれば問題がない。図75の様に、Dはテーパー状等にしても問題ない。取付のベースとなる部分が必要な構成の場合、その寸法は、接合面積の都合で決めれば良いが、その傘軸dとの境界部については、応力上、フィレット部を設けた方が好ましい。図76〜78の側面図・正面図は、従来の釣り針と同じく、耳2(2a・2b)を出糸の折れ曲り防止の為に、フトコロ8側に寄せて(オフセットして)成形したものに、繋留傘付杭30を設けた実施例である。耳2(2a・2b)を、フトコロ8と反対側にオフセットした(逆オフセットした)成形した場合の、繋留傘付杭30の実施例を、図79〜82、及び図1に示す。逆オフセット成形したものについては、前述した様に、通し刺しするオキアミ25・27に対して、軸3との境界E部の後ろに結合部15が隠れるので、通し性が向上し、太い軸3、或いは小さなオキアミ25・27の場合でも、非常にオキアミの取付がやり易くなる。図1の実施例は、逆オフセット成形、G側のQ部処理、耳面のN部処理等の、本願発明の特徴を多々備えている。図82・図83の実施例では、長くなる事で、合わせ時の応力で変形しやすくなる耳2(2a・2b)の剛性を、補強するリブJをフトコロ8と反対側に追加している。図81・図84の実施例では、繋留傘付杭30の取付ベースを広くして、剛性を補強した実施例を示す。これらの剛性補強は、通し性を阻害しない範囲で実施する事が出来る。以上の繋留傘付杭30と耳2(2a・2b)の配置に対して、図85・図86の様に、接合で耳2を取付ける事が出来るので、実際に製作に際しては、図76〜81の倍以上の選択肢があり、魚種に合わせた最適の構成を使えば良い。接合する耳2(2a・2b)の形状については、図85・図86の様に、軸3素材からでは製造上難易度の高い形状等でも、問題なく別工程で形成出来る。又、釣り針用途では使えなかった材質・硬度の材料でも、接合さえ出来れば用いる事が可能で、剛性の向上も、通し性を阻害しない範囲で厚みを増す事で向上出来る。
請求項2の補足として、本願発明に関する、耳2(2a・2b)の長手寸法の定義としては、図87の様に、略平面の耳2部であって、且つフトコロ8側から正面視して、直近の軸3径Dより幅が広くなった部分を起点として、耳2の端部Gまでの長さとする。繋留傘付杭30自体が、軸3の太さの1〜2倍の占有長さがあるので、6倍以上とすれば、実効長さHが従来の釣り針の大半よりも大となる。
繋留傘付杭30をの傘部Dの形状は、耳2の伸長方向の幅を狭くした方が通し性の阻害をしないので、各実施例の図の様に、長円・楕円にしたり、逆三角形等にする等も効果がある。傘軸材や軸3材についても、その断面特定が、権利期限切れの従来技術の範囲内であれば変更する事が出来る。
繋留傘付杭30の接合の仕方は、各実施図例のような、界面でのロー付けや溶接の他、図88の様に穴に挿入してのロウ付・半田付け・溶接、図89・図90の様なベタ付け(工法同じ)、図91の様な挿入+かしめ、図92・図93のストッパー付の挿入+裏側での半田盛り等が可能である。寸法精度が満足出来れば、圧入固定でも良い。特に、図92・図93の場合、繋留傘付杭30を熱可塑性樹脂で製作し、フトコロ8側から挿入後に、フトコロ8と反対側で、半田ゴテ等で溶かして抜け止め処理としても良い。
次に、釣り糸10との結合方法、及び、仕掛けについて補足する。本願発明の釣り針は、誤って、従来の方式(外掛け結び・内掛け結び・漁師結び等)で、軸3に釣り糸10を全周捲いて結合されれば、本来の性能は発揮できないので、適切な結合方法や使用方法を、パッケージに明確に表示する必要がある。
釣り糸10を2回捲ける繋留傘付杭30の釣り針に、図94の様に、2回釣り糸10を回し、その片側一重で、片側二重の緩く取り回した環に、直交周回する様に螺旋状に、更に2〜3回捲き、糸の端を、先の重環の釣り糸10本線(釣り人)側を通してから、両側を絞って、図95の結合部15の様にする。この結び方は、2重で強く、それほど時間も掛からないので、細い釣り糸10a(透明ハリス等)を使う場合にも有利であり、課題▲4▼の解決の補足にもなる。更に強度を上げるには、最も応力集中し易く、且つ魚の口腔と接し易い、結合部15の直上を強化するのが良く、予め釣り糸10の端を長く残しておいて、本線を強く張った上で、土佐結び式に交互に捲きつけ方向を変えて、本線に数回から数十回捲きつけて端を切断し、図96の様に、編み付け部18とする。曲率の小さな結合部15は、2重になっており、魚の歯に触れ易い釣り針近傍の接続部分は編みつけで保護出来る。時間は掛かるが、強度は十分にある結合方法であり、本願発明の釣り針を仕掛けとして釣り糸10と接続して販売する場合以外の、釣り針を単独で販売する際にパッケージに表示する使用方法としても十分推奨出来、課題▲5▼の解決の補足にもなる。
発明の効果
本願発明の請求項1によって、ステップIの結合において、課題▲1▼に対して、フトコロ8側正面の繋留傘付杭30から、釣り糸10の出糸が、軸3の周方向にずれる事はありえなくなった。従って、実登2519056・実登2514209・実登1787491・特許2535431・特許3055087・実登3047760・実登2588993と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、課題▲2▼に対して、サルカン結びで周知性の高い、クリンチノットで釣り針の結合が出来るので、結合の簡易化が達成できた。従って、実登3015077・実登3018185・実登2588177と同等以上で、作業の効率化が達成出来、釣果の向上が可能となった。
同じく、課題▲3▼に対して、釣り糸10の伸びによるすっぽ抜けが無くなった。従って、実登3062957・特許2869723と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、課題▲4▼に対して、結び難さや強度の劣化が無くなった。従って、特許3540284と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、ステップIIの餌付けにおいて、課題▲7▼に対して、オキアミ25・27の、図46・図53・図54の様な、直列多数個掛けが、正しい取付・使用方法を守れば、簡単に短時間で、誰でも、腰曲がり4から上に取付出来る様になった。従って、実登2588993・実登2588177と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、ステップIIIの餌の投入において、課題▲8▼に対して、耳2各種の端部Gや釣り糸10の余りC部等を利用して、オキアミのずれや脱落が防止出来る様になった。従って、実登3054318・実登3056561・実登3002114・特許2917137・と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、ステップIVの露見防止において、課題▲9▼に対して、複数のオキアミ25・27で結合部15・耳2・仕掛けの一部を隠す事が、正しい取付・使用方法を守れば、簡単に短時間で誰でも可能となった。従って、実登3097990・特許3306623・実登3011437・実登3018052・特許2717619と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、ステップIVのアピールにおいて、課題▲10▼に対して、多数個取り付け可能な事で、図24〜27の取り付け方と同等以上で、大型魚にもオキアミ25・27の複数個の通し刺しで対応出来、釣果の向上が可能となった。
同じく、ステップVの吸込み強化において、課題▲11▼に対して、直列に取り付けして、複数付けている割には縦横の比率が大きく出来、魚の口腔にスムーズに口腔のより奥まで入り込み易く、体積も増加している事で、餌が吸込み易くなり、口切れによるバラシが少なくなった。従って、特許3510330・特許3448538・実登3095827と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、ステップVIの掛かりにおいて、課題▲12▼に対して、直列に多数個取付けるオキアミ25・27に対する潮の流れによって、釣り糸10の張りが強く出来て掛かり性の向上が出来、更に、AB距離を大きく設定したものでは、更に向上させる事が可能となった。従って、図24〜27の取り付け方と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、ステップVIIの取り込みにおいて、課題▲13▼(▲5▼も共通)に対して、釣り糸10の2重化が簡単に可能であり、2重部の次(上側)に、土佐結び式の編みつけ部18を作って、釣り糸10本線を保護するといった各細工が、通し性を阻害せずに、簡単に出来、釣り糸10各種の強度が、充分に引き出せる様になった。編み糸10b・ワイヤー10c等による、比較的短い根付け部19でも、その全体を、耳2を通してきたオキアミ25・27で覆いかくせるようになり、歯が鋭い魚や、歯が頑丈で、透明樹脂製モノフィラメント等の釣り糸10a単糸では、擦り切ったり噛み切ってしまう魚等を釣る作業上、取り替えを頻繁にしなくて済むようになった。丈夫なポリエチレン系編み等の、新素材の釣り糸10が、魚に警戒心を与える等の問題なく使えるので、職漁の作業において、釣り糸10の傷等にあまり気を遣わずに作業が継続でき、更に、釣り針の喪失も少なく出来、編み糸15b等の積極的利用をも広げる事が可能になった。従って、特許2794556と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、その他の効果として、釣り餌として供給されるオキアミ20の、半端な切断端材等でも、取付が可能な部分は、脱落しにくい通し刺しや、最後の縫い刺しで、十分に利用できるので、資源の有効利用が可能となった。従って、図22〜27の、従来の使用方法・取付方に対しては、いずれにも優り、餌のコストが低減出来る様になった。
同じく、その他の効果として、釣り糸10を、螺旋状に多数回捲かないので、使用する釣り糸10の量を減らす結び方(釣り針を取り替える際の、釣り糸10の使用量を削減する結合方法)として、クリンチノットで結合できて、釣り糸10aの、特に高強度のハリスは高価なので、使用量が削減できて、コストダウンが可能となった。従って、従来の漁師結びと同等以上で、実登2588177には劣るが、実用性の高い釣り針と仕掛けが可能となり、生産コストの低減が出来た。
同じく、その他の効果として、従来の軸3に捲いての結合よりも、短時間で、すっぽ抜けする事が無い、シュアなクリンチノット結合が出来るので、主に、潮の流れ具合で決まる魚の釣れる時間、いわゆる時合いは短いから、結合時間の短縮とその確実性は、職漁の作業上非常に大きな効果があり、漁師結びや実登2588177・特許2849298と同等以上で、釣果の向上が可能となった。
同じく、その他の効果として、釣り糸10を、軸3に全周捲かないで結合出来るので、耳2部にて周長を急激に拡大する必要が無くなり、図33・図40の実施例の様に、肉厚の変化を緩やかに出来るので、焼き割れ等が発生しにくく、不良率が下がる事で、コストを低減出来る釣り針が供給できるので、漁業従事者に有利な、安価な製造が可能となった。
同じく、その他の効果として、重量当たり、又は個体数当たりの単価が、生餌(エビ・蟹等や、虫餌類等)や、魚やイカ類等の身餌類よりも小さく、且つ、供給も安定している事で、漁業従事者にとって最も使いやすい釣り餌であるオキアミ20が、取付易く、非常に外れにくく、収率良く、且つ、掛かり性も向上出来て、従来よりも他魚種まで展開出来る使用方法と、それに適した仕掛けが作れるので、従来よりも低コストで、且つ、高効率の釣り漁業が出来る様になった。
以上の様に、請求項1によって、従来よりも総合的に優れた、オキアミ通し刺し専用の釣り針、その新しい仕掛け・取付使用方法が可能となった。
本願発明の請求項2によって、ステップVIの掛かり性において、課題▲12▼にたいして、距離ABがより大きくとれる事で、掛かり時の釣り針のピッチング方向・ローリング方向の姿勢が安定し、針先7がぐらつかない様に出来る事で、より掛かり性の良いオキアミ通し刺し専用の釣り針が可能となった。従って、魚の釣り針の吐出率が低下し、逸走しようとして勝手に深く掛かる、完全な向こう合わせが多くなり、作業負荷が低減したので、釣果の向上が楽になった。
本願発明の請求項3によって、ステップIの傷防止において、課題▲6▼にたいして、同じ姿勢制御モーメント発生時に、耳2端部Gの、釣り糸10との接触点Aが、釣り糸10に与える負荷(反作用−f)が力学上低減できることで、釣り糸10が合わせ切れしにくく、且つ、耳2の角度Tを小さくする事が可能となった。従って、釣り糸10や釣り針の損失が低減して、コストダウンが出来て、且つ、実釣時間の割合が向上する事で、実登3018702と同等で、釣果が向上出来る様になった。
本願発明の請求項4によって、掛かり時に釣り糸10のガイド性・落ち着きの良い、オキアミ通し刺し専用の釣り針が可能となった。
本願発明の請求項5によって、フトコロ8と反対側の耳2面、軸3部に設けるリブJによって、掛かり時の大きな力でも、耳2が変形する事を防止できる剛強なオキアミ通し刺し専用の釣り針が可能となった。
その他の効果として、釣り糸10と結合した仕掛けについては、釣り糸10結合の困難な手の不自由な人でも、本願発明の特徴をもった各種の仕掛けが利用可能となった。
焼きなまして、一旦硬度を低下させ、展延性を増加させた軸3の端部を、プレス機で平たく潰して耳2(2a・2b)を成形し、フトコロ8の方向を確定し、以後これを向きの正とする。次に、必要に応じて、放電加工・レーザー加工等の非接触加工、又は、ドリル等による機械的加工で、穴サラエの耳2cの穴や、必要な場合は、繋留傘付杭30を、耳2に取付ける穴を加工し、針先7側先端より適切な距離に、鏨状の刃物を斜めに打ち込んでから起こし、アゴ6(モドシ・カエシ・バーブ)の原形を作る。アゴ6や針先7を研磨して尖らせた後、全体を魚種・サイズに合わせて、釣り針1の形に曲げ、焼き入れ・焼戻しして、硬度と靭性を持たせる。軸3と耳2部の厚みの差が大きすぎると、焼き入れ時の冷却速度の差で、クラックを生じやすいので、形状及び冷却条件に注意する。必要なら、高周波加熱で要部のみ焼き入れ・焼戻しとすれば良い。針先7、及びアゴ6を仕上げ研磨して、耳2部や繋留傘付杭30等の、釣り糸10を結ぶ部分付近の鋭角部は面取りし、表面は清らかにする。必要に応じて、繋留傘付杭30を構成する線材を、耳2の穴に挿入したり、面に押し当てて、溶接・ロー付け・半田付け・圧入・カシメ・加熱変形等、及びその組合わせで、耳2に固定すれば良い。繋留傘付杭30を構成する線材は、通し性・接合性を考慮した異形断面(部分異形を含む)でもかまわない。一般材として使用される金属の釘を、繋留傘付杭30として利用すると、コストを小さくする事が出来る。接合等の後、バレル研磨等の方法で、表面を仕上げても良い。この後に、鍍金や焼き上げ等によって、防錆処理を行う場合もある。工程の順序は、製作する釣り針の形状・材質や線径で異なり、繋留傘付杭30の形状と接合方法、適合する釣り糸10の材質や結合方法に合わせて、最適に決める必要がある。
焼き入れ等の重要工程で不具合を生じる場合、後で時効硬化処理の効く材料、例えば、SUS630系等を用いても良い。この場合、穴や耳2の周囲に、クラック等の生じ易い焼き入れ工程は必要無く、雰囲気炉・真空炉等に入れて適温まで上げ、析出硬化をさせて硬度を上げれば良い。
同様に、耳2形状の自由度・強度(厚み)確保や、焼き入れ不具合の発生防止といった点からも、耳2(2a・2b)は、別材で製作して、軸3で接合した方がコスト上有利な場合が考えられる。この場合は、ロー付け・溶接(スポット溶接を含む)、或いは、その組合わせ等で製作可能である。これらの接合しての製作上の要点は、その接合面積が大きいほど、強度が確保されることであり、その接合の内、溶接性については、従来用いられている高炭素鋼は良くないので、避ける事である。耳2を接合で付けると、様々な耳2の形状と材質を採用する事が出来る。繋留傘付杭30は、予め耳素材と接合しておき、釣り針本体と接合してもかまわない。接合に伴い、軸3の部分平面可が必要な場合、研削・切削・押圧変形加工等で達成する事が出来る。断面積の都合上、釣り針本体や繋留傘付杭30用の線材で、部分的に線径の異なる部分が必要な場合、適切な長さに切断した断面が丸い高炭素鋼線・特殊鋼線等の線材を、インフィード式のセンターレス研削盤で、図120の様に、径違いの一連の線材に研削加工したり、ロールによる転造盤で同様の形状に転造加工する。この図120の括弧付の符号は、釣り針の実施例での完成後の部位を示している。研削加工で周方向に発生する傷は、必要なら、ロール転造やバレル研磨で、取り去れば良い。
本願発明請求項2の、耳2長さを伸長するには、プレス機で潰す長さを大きくすれば良い。接合する耳2(2a・2b)の場合、接合する金具を長いものにすれば問題ない。
本願発明請求項3の、略平面を持つ耳2(2a・2b)の端部G側を大きな半径値Rで曲げる場合、縁を部分的にプレス機にて押圧変形加工すれば良い。縁が曲線状の場合は、同じくプレス加工による絞りで曲線に沿って変形させて、面取りの代りのQ部とする。これらの変形(加工)は、硬度を上げる熱処理工程よりも前に行う。接合品の場合は、予め単体で加工しておいても良い。この手法によって、耳2自体の厚みを薄くしたものでも、曲率が大きく取れ、且つ剛性も維持できる。これらの構造を取るものについては、吊り下げ時に釣り糸10に与える危害が小さく出来るので、耳2の角度Tを小さくして、掛かり始めの早い時点で、接触点Aが発生するようにも出来る。
本願発明請求項4の、耳2(2a・2b)面に凹曲面部Nを設けるには、該耳2(2a・2b)を成形した後で、硬度を上げる工程より前に、プレス機にて押圧変形加工すればよい。この場合も、N部は、長くなった耳2(2a・2b)の剛性の増強に有効である。接合品の場合は、予め単体で加工しておいても良い。
本願発明請求項5の、フトコロ8と反対側の耳2面、軸3部に剛性を増強する為のリブJを追加するには、適切な寸法の板材を半田付け・ロー付け・溶接等で接合する事が可能である。
本願発明請求項に共通の仕掛けについては、釣り糸10に、本願発明の釣り針を、1本つけただけのものでも良いし、片テン仕掛け・胴付き仕掛け等の様に、釣り糸にエダスを付けて、複数の釣り針にしたものでも良い。
本願発明の釣り針の1実施例の斜視図 フトコロ8がひとつの、釣り針1の各部名称を示す模式図 撞木(シュモク)の耳2aの正面模式図 シュモクの内の、丸耳2bの正面模式図 穴サラエの耳2cの正面模式図 管付(尻曲がり)の耳2dの正面模式図 ギザ耳2eの斜視模式図 その他の端部(耳)形状の1実施例を示す斜視図 その他の端部(耳)形状の1実施例を示す斜視図 外掛け結びの接続構造を示す部分断面図 従来技術の表 従来技術の表 従来技術の表 従来技術の表 従来技術の表 耳2(2a・2b)のフトコロ8側平面の、角度Tを示す斜視図 管付の耳2dに、クリンチノットで結合した1例を解説する模式図 管付の耳2dの、結合の1例を解説する模式図 穴サラエの耳2cに、ワイヤー10cで、首振り結合部15aの模式図 オキアミ20(全体)の模式図 尻尾付近の腹節20nで切断した、オキアミ25の模式図 オキアミ25の従来の取り付け方の模式図(腹掛け) オキアミ25の従来の取り付け方の模式図(背掛け) オキアミ25の従来の取り付け方の模式図(抱き合わせ) オキアミ25の従来の取り付け方の模式図(背合わせ) オキアミ25の従来の取り付け方の模式図(房掛け) オキアミ25の従来の取り付け方の模式図 本願発明の釣り針の1実施例の斜視図 本願発明の釣り針の1実施例の側面図 本願発明の釣り針の1実施例の側面図 結合時の釣り糸10取り回しの要領を示す模式図 本願発明の釣り針の1実施例の側面図(G側R曲げ) 本願発明の釣り針の1実施例の斜視図(G側絞りQ部) 従来の耳2部・軸3部に、外掛け結びをした場合の、拡大断面図 図34の各部断面積の数値、及び軸3との断面積比較の表とモデル 本願発明の釣り針の1実施例の側面図 図36の結合模式図 図37の各部断面積の数値、及び軸3との断面積比較の表とモデル 図35と図38の断面積比の比較グラフ 本願発明の釣り針の1実施例の斜視図 図40の結合模式図 図41の各部断面積の数値、及び軸3との断面積比較の表とモデル 図35と図42の断面積比の比較グラフ 本願発明の仕掛けへの、オキアミ25の取付実施例の模式図 オキアミ25の寸法説明図 本願発明の仕掛けに、オキアミ25を直列取付した1実施例の模式図 取り付けの作業詳細図 取り付けの作業詳細図 取り付けの作業詳細図 取り付けの作業詳細図 オキアミ25の、前処理例の模式図 オキアミ27の、前処理例の模式図 本願発明の仕掛けに、オキアミ27を直列取付した1実施例の模式図 本願発明の仕掛けに、オキアミ25・27を直列取付した1実施例の模式図 釣り針1仕掛けの状態を示す模式図 釣り針1仕掛けの状態を示す模式図(吸込み中) 釣り針1仕掛けの状態を示す模式図(掛かり時) 釣り針1仕掛けの状態を示す模式図(掛かり時拡大) 釣り針1仕掛けの状態を示す模式図(結合不適切) 釣り針1の形状・状態を示す模式図(寸法付) 釣り針1の状態を示す模式図(寸法付) 釣り針1の状態を示す模式図(寸法付) 釣り針1の形状・状態を示す模式図(寸法付) 釣り針1の状態を示す模式図(寸法付) 針先7の傾き角度と投影面積のモデル 角度と力、投影面積、圧力(刺さり易さ)の表 釣り針の針先7角度例を解説する模式図 釣り針1仕掛けが、魚の口腔内で寝ている状態の模式図 本願発明でのA点・B点の位置の1例を示す模式図 耳面のN加工の1実施例を示す上面図 耳面のN加工の1実施例を示す上面図 本願発明の仕掛け1実施例の模式図(ワイヤー10c使用) 本願発明の仕掛け1実施例の模式図(編み糸10b使用) 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の側面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の断面図・正面図 本願発明の繋留傘付杭30の1実施例の断面図・正面図 本願発明の耳2の、長さLの定義を示す模式図 本願発明の釣り針の接合例を示す断面図 本願発明の釣り針の接合例を示す断面図 本願発明の釣り針の接合例を示す断面図 本願発明の釣り針の接合例を示す断面図 本願発明の釣り針の接合例を示す断面図 本願発明の釣り針の接合例を示す断面図 本願発明の結合の1実施例の模式図(途中) 本願発明の結合の1実施例の模式図(完了) 本願発明の結合の1実施例の模式図(編みつけ追加) 素材を前加工した状態の1実施例の模式図
符号の説明
1:釣り針(全体) 2:耳(タタキ・チモト・アイ等)
2a:撞木の耳 2b:丸耳
2c:穴サラエの耳 2d:管付(尻曲がり)の耳
2e:ギザ耳
3:軸(茎、シャンク等) 4:腰曲がり
5:先曲がり 6:アゴ(モドシ・カエシ・バーブ)
7:針先 8:フトコロ
10:釣り糸(全般) 10a:釣り糸(樹脂ハリス・モノフィラメント)
10b:釣り糸(編み糸) 10c:釣り糸(ワイヤー)
15:結合部 15a:首振り結合部
16:従来結合部に共縛りした切込み入りナイロン
17:根付け仕掛けの末端の環 17a:17の樹脂固め部
18:編みつけ部(土佐結び式)
19:釣り糸10による根付け部(全体)
20:オキアミ(全体) 20a:眼
20b:前頭部 20c:頸溝
20d:鰓 20e:頭胸甲
20f:頭胸部 20g:第一腹節
20h:尾節 20i:副棘
20j:尾肢 20k:肛門前棘(第六腹節)
20m:胸脚 20n:腹節
25:前処理した頭胸部付オキアミ
27:前処理したオキアミ腹部(腹節20nの集まり)
30:繋留傘付杭(最低限傘軸d、傘部Dより成る)
40:魚の口腔(上顎) 41:魚の口腔(下顎)
47:接合部分(溶接・ロー付け・半田付け等)
A:耳2のG部と釣り糸10の接触点(フトコロ8側G部と釣り糸10との接触点)
B:釣り糸10の釣り針への結合点(出糸起点位置、結合で異なる)
C:釣り糸10の末端
Cw:釣り糸10の末端を押えて止める釣り糸10の略輪部
D:傘部〈傘軸dの開放側端部に設ける)
E:略平面を持つ耳2(2a・2b)と軸3の境界部
G:耳2(2a・2b)の末端
H:本願発明での耳2(2a・2b)実効長さ
J:フトコロ8の反対側に設けた補強リブ
L:本願発明での耳2(2a・2b)長さ
M:耳2から先曲がり5までの略経路長さ
N:本願発明での耳2(2a・2b)の凹曲面部
Q:耳2(2a・2b)のG側に設けた縁の絞り曲面部
R:耳2(2a・2b)のG側部分的曲げの半径値、及びその部分曲げ部
S:釣り糸10の張る力(合わせ時も含む、総合)
T:耳2のフトコロ8側の面の、直近の軸3との交差角度
U,V,W,X,Y,Z:位置記号
d:釣り糸10を結合する繋留傘付杭30の傘軸長さ(及び、傘軸部)
f:釣り糸10が、そのテンションSを元に、耳2G側との接触点Aを押し返す力
m:オキアミ25・27の略実質長さ
p:針先7が、魚の口腔40に突入する角度

Claims (5)

  1. 専用釣り餌として前処理したオキアミ25・27を、通し刺しにして使用する為に、軸3から魚に刺さる針先7までの距離としてのフトコロ8が1箇所であり、且つ、全体的に錘部や刺し針・保持軸等の、通し刺しに対する障害部位を持たず、且つ、軸3端を潰して幅を広げた略平面(部分的な溝や曲率の大きな曲面を含む)をフトコロ8側に面して持ち、通し穴を持たない撞木の耳2aや丸耳2b、又は、軸3部にて接合して設けた同耳2(2a・2b)の、耳2のいずれかを必ず軸3端部に備え、且つ、該略平面部に、その傘軸長さdが適合する釣り糸10の直径を超え、且つその傘部Dが、傘軸dの伸長方向に直交する断面の周長の1.2倍以上の周長を持つ、繋留傘付杭30を設けた事を特徴とする釣り針、その製造方法、その釣り針の該繋留傘付杭30に釣り糸10(モノフィラメント・編み糸・金属撚り線等含む)を結合して作製した仕掛け、その仕掛けに、解凍した生オキアミ、又はボイルオキアミの、少なくとも尻尾(尾節20h・副棘20i・尾肢20j)部分の全部と、その近傍の腹節20nの少なくとも一部を、取り去った残りの腹節20nと一連の頭胸部20f(眼20a・鰓20d・胸脚20m等を含む)で構成する、略通し刺しが可能な寸法・部位であり、該釣り針の耳2−先曲がり5間の経路の略長さM以下である、適切な長さmのオキアミ25、又は、該頭胸部20fも取り去った残りの腹部(腹節20nの集まり)である、該適切な長さmとしたオキアミ27を、最後の1個より先に、該釣り針に通し刺しした該オキアミは、一旦該耳2(2a・2b)を越えて、釣り糸10の本線迄達する様に仮置きし、且つ、最後に針先7に通し刺し、又は、縫い刺しした1個の最終部が該釣り針の腰曲がり4部迄達する様に、取り付け途中で釣り針の支持部位を持ち替えて通じて、且つ、最後の1個より先に通じて該仮置きしたオキアミ25・27は引き降ろして、該釣り針の耳2−腰曲がり4間の全部、及び該釣り針との釣り糸10の結合部15の全部、及び、近傍の該仕掛けの少なくとも一部を、2個以上直列の、オキアミ25、及び、又は、オキアミ27で覆い隠す様に通して取り付ける使用方法
  2. フトコロ8側に面して略平面を持つ耳2(2a・2b)部であって、且つフトコロ8側正面から見て、直近の軸3径よりも幅が大きくなった部分から、端部Gに向かう方向への該略平面の伸長長さとするLが、該軸3径(異形の場合、最大径)の6倍を超える長さとした事を追加特徴とする請求項1に記載の釣り針、その製造方法、その仕掛け、その仕掛けにオキアミ25・27を取り付ける請求項1に記載の使用方法
  3. フトコロ8側に面して略平面を持つ耳2(2a・2b)の端部G側に、該耳2の端部G側厚みの値よりも、その半径値Rの値が大きな曲げを施した、或いは、同じく該Rの絞り加工曲面部Qを設けた事を追加特徴とする請求項1,2に記載の釣り針、その製造方法、その仕掛け、その仕掛けにオキアミ25・27を取り付ける請求項1に記載の使用方法
  4. フトコロ8側に面して略平面を持つ耳2(2a・2b)において、その軸3から端部Gに向かって伸長する方向に垂直な断面の、フトコロ8側正面から見て左右対称位置での断面曲線の法線の交点が、軸3から針先7に伸長する線上に略収束する、或いは略整列する向きの、該断面曲線が円、又は楕円、又は放物線となる曲面の凹部Nを、フトコロ8側に形成した事を追加特徴とする請求項1,2,3に記載の釣り針、その製造方法、その仕掛け、その仕掛けにオキアミ25・27を取り付ける請求項1に記載の使用方法
  5. フトコロ8と反対側の耳2(2a・2b)面、及び、又は、該耳2(2a・2b)面からフトコロ8と反対側の軸3の一部にかけて、補強用のリブJを設けた事を追加特徴とする請求項1,2,3,4に記載の釣り針、その製造方法、その仕掛け、その仕掛けにオキアミ25・27を取り付ける請求項1に記載の使用方法
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