JP2006006303A - 釣り針と製造方法、その仕掛け及び結合方法と使用方法 - Google Patents

釣り針と製造方法、その仕掛け及び結合方法と使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オキアミの通し性、釣り糸の出糸の固定性、オキアミの固定性、掛かり性、新しい結合方式・オキアミの使用方法開発。
【解決手段】釣り糸を軸に捲いて結合しない様にし、且つ釣り糸の張りから掛かり時の姿勢の制御を可能にする軸端を潰したフトコロに面した平面等を持つ耳を備えているハイブリッド型オキアミ通し刺し専用釣り針で、オキアミの直列多数個通し刺しが可能とする。軸3に環状部構成金具35を接合し、釣り糸(金属撚り線・編み糸含む)を環状部に結合する事で、軸3に糸を捲く従来の釣り針よりも結合部断面積を抑えた。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本願発明の釣り針は、水産業特に沿岸及び沖合の一本釣り漁業等に使用される魚釣り用の釣り針に関するものである。
従来の釣り針(図2に主に「釣りの科学 森秀人氏 1981年発行 講談社」による各部の名称を示す)には、糸を結ぶ軸に耳(又はチモト・タタキ等)と呼ばれる端部が有り、釣り糸の結合のために様々の形状が有った。中井戸嘉彦氏の「仕掛け教室 32頁−33項 1984年発行 (株)週間釣りサンデー社」によれば図3〜図7に分類され、図3・図4の様な撞木(シュモク)と総称される型の軸端を潰した耳(丸耳を含む)が最も普及している。撞木の耳は、軸部に結んだ釣り糸の内径周長よりも、潰した部分の周長が大きくなっている事で、釣り糸を捲いた結びの輪が軸方向に滑るのを止めて、図8の様にその輪が押え込んだ釣り糸(出糸)を固定している。幾何学的には、同じ面積では円の周長が最小であり、他の形はすべてそれより周長が大きくなる。例えば断面が丸い軸を3分の1に平たく潰せば周長は約1.7倍程度に大きくなるので、軸に捲いた釣り糸がこの周長の大きな部分を乗り越えなければ、釣り糸(出糸)も固定される。この撞木の耳(丸耳を含む)は、押圧変形(プレス機で潰す)だけで良いのでコストも小さく、後述する掛かり時の姿勢制御上のメリットが有り、また図5に示す管付(尻曲がり)の耳の様に大きく目立つ耳では無いので、最も合理的に出来ている。撞木の耳(丸耳を含む)は、太い糸を結ぶ根魚・大型魚食魚や深海魚用等の特殊な用途の釣り針に使用される管付の釣り針、及び石鯛及び大型魚食魚等の向こう合わせの魚に用いられる図6の穴サラエ以外の殆どに採用され、コストと実用性から最も普及している。図7のギザ耳は、釣り針を数個組み合わせてフトコロが複数の錨型とする場合に使用され、主に鮎の友釣りの掛け針等に使用されている。
この撞木の耳(丸耳を含む)の周長を大きくする事で、釣り糸の結合部のすっぽ抜けを防止するための従来技術としては、特許第2869723号・特開平11−206271・特開2001−286238・特開2003−088275等がある。又、耳の直近の軸径を小さくすることで、相対的に同じ効果を得るものに実登3062957がある。
撞木の耳(丸耳を含む)のフトコロ側平面の角度については、図9の様に、通常先曲がり付近に交差する角度θとしているが、この角度は、魚と釣り糸が釣り針を介して引き合う際は、釣り針が最も深く刺さった状態(釣り糸の取付起点から釣り針のフトコロをめぐる湾曲部の内、もっとも遠い所まで突き刺さった所・距離が最も大きい位置)で力学的に安定するので、その向きにθを合致させており、軸から針先までの取り回しや軸の湾曲程度にもよるが、通常軸に対して0度付近からフトコロと反対側に40度程度としている。魚を釣り糸で吊るした際(糸が直線に伸びた状態)に、耳の端部が釣り糸に力を加えない状態にすれば、釣り糸に不必要な力が加わらなくてすむ。耳の端部に鋭いエッジが有れば、釣り糸との結合時や使用中に釣り糸を傷付けて強度低下を起こすので、実登3018702においてはこのエッジを前後両面に渡って丸める事が提案されている。
撞木の耳の潰してある部分の長さについては、釣り糸(ハリス等)を一般的な外掛け結び・内掛け結び・漁師結び等で釣り針の軸に捲いて結合する場合、釣り糸が捲かれている事で増大する総合断面積、及び釣り糸の端部が軸の腰曲がり側に突き出して残る影響等で、オキアミ等の餌が釣り糸を捲いた部分よりも耳側には押し上げきれない為、目立たせて魚に警戒心を抱かせて釣果を落とす事が少ない様に、比較的短めに製作されており、直近の軸の太さと比べると2〜4倍程度になっている。つまり、餌釣りではまず釣り針を忍ばせた餌を魚に食べさせる事が大前提であるから、警戒心を起こさせる耳や結合部は小さい程目立たなくて良い。又、全体的或いは部分的に釣り針を餌の色等に合わせて着色することで、餌からの露出部分を目立たなくすることが実登3011437・実登3018052・特許2717619等では提案されている。
結合方法を変えて、釣り糸を捲く潰した耳(タタキ・チモト)や管付の耳そのものを無くして餌の通過性を向上させる為に、実登2588177・特開平7−327563・実開平7−5356・実開平7−11160・特開2001−028968・意匠登録第1200542等の特別な構造や結合方法も提案されている。
釣り糸との結合方法自体は、従来の様に釣り糸を軸に捲いて結合する撞木の耳を残したままで、釣り糸を捲く部分の径を小さくすることで、釣り糸による断面積の増大を抑えて餌の通し性を向上させる事が、実登2588993・実登2514209・実開平7−28354・特開平8−256639・特開2001−161208等で提案されている。
撞木の耳(丸耳を含む)を持つ釣り針は、釣り糸の出し口が軸のフトコロ側でなければ、合わせ時の掛かりが非常に悪く、その為結合時に釣り糸の出し口を安定させる或いは太い糸でも結合後に周方向にずれたりしない様に工夫することも重要な課題で、耳の近傍の軸の形状の工夫では、実登2588993・特開2004−147529・特開2000−316423・特開2001−000127・実登1787491・実登2514209・実登2519056・実登2588993・特開平11−289919・実開平6−24463・特開平10−201397・特許2535431・特許3055087・特開平8−280306等の提案がある。
同じく、耳の近傍の軸については、釣り餌のずれや脱落を防止するいわゆる餌止めの工夫で、実登3002114・特開平11−151054・特開2004−129645・特開2002−360123等がある。
撞木の耳の次に普及している釣り針の耳は、軸端に軸を環状に丸めることで糸通しの穴を設けた管付(尻曲がり)の針で、例外はあるが、主に根魚・大型魚食魚や深海魚等の攻撃性の高い魚に用いられる、比較的大きな釣り針に採用されている。「仕掛け教室」によれば、元来は撞木の耳の釣り針に糸を結べない人用とのことであるが、実際には図10のように環にクリンチノット等で結べば掛かりが悪い(理由を後述する)ので、いわゆる向こう合わせの魚に用いられる場合が多い。ルアー釣りの場合のフックについては、取付部の環形状・フトコロの箇所数・環の方向に拘わらず、殆どがこのアイレットタイプであり、ルアー釣りの対象となる攻撃性の高い向こう合わせの魚には、この耳でも問題が少なく、且つ、釣り針のみの取り替えの自由度が重要だから普及しており、又掛かりを良くする為の取り回しの変更や長軸化等の工夫もされている。合わせをして掛けないと、餌や釣り針を吐出して逃げる手前合わせの魚に使われる餌釣り用の釣り針は、従来型の潰して平たくした撞木の耳の方が多い。しかし、管付の耳の釣り針でも釣り餌を付ける釣りの場合に、図11のように、フトコロ側から釣り糸を穴に通し、軸のフトコロと反対側に出糸が来るように例えば外掛け結び等で軸に捲いて結んで使用すると、掛かりの悪さの問題が少なくなる。耳の大きさを問題としない魚の釣りや光量が少なくて耳の露出が問題とならない夜釣り・深海での釣り等では、環部が釣り糸を保護する機能を併せ持っていることもあり、管付の耳の釣り針の利用率が高い。この釣り針の結合の改良(連結)には、特開平8−280306がある。
図6に示した穴サラエの耳については、主に石鯛釣り用として多く普及しているが、魚が餌を飲み込んで走り出すまでは合わせをしない向こう合わせの釣りであり、違和感なく食べさせるために釣り針を図12の様な首振り仕掛けにし、また沢山の硬い貝類等の餌を通し掛けにする都合上、潰した耳(タタキ・チモト)の潰し幅をあまり大きくしないように工夫された釣り針である。釣り糸には頑丈で顎の力も強い石鯛等に歯で噛み切られない様に、又鋭い歯を持つ根魚等に擦り切られないように、金属の撚り線(ワイヤー)や丈夫な編み糸が根付けとして用いられる事が多い。この餌の付け方や設計思想が、実登2588177・特開2001−28968・意登1200542等にあると考えられる。
軸をフトコロと反対側に且つ中間の軸部を略直角にオフセットした釣り針には、実登3018862があるが、軸の折り返しを持つ鮎の友釣り用サカサ鉤で、この略直角部と折り返しが餌付けそのものを阻害するので、一般の餌釣りには用いられない。
重錘を持ち、その重錘に設置した糸を取りつける環状部(アイレット)付近の両側に隆起を設けた釣り針には、実登3066048がある。
図13に示すオキアミはプランクトンのひとつで、百科事典等によれば、軟甲亜網オキアミ目オキアミ科の甲殻類で、全海洋に80〜90種程度おり、エビ等の十脚目とは異なり、鰓が露出している等のより原始的な体構造である。大きくて豊富に産する種類しか安価な釣り餌には供給出来ないので、主に南極海等で専用船にて採捕される大型・中型のものが生のままかボイルされて、且つ腐敗防止の為冷凍されて海釣りの釣り餌として供給されている。「海・川 釣り餌百科 1989年度版 つり人社」によれば、長所は集魚効果・柔らかく食い込みが良い・抵比重・夜光性とあり、短所としては柔らかく遠投不可・エサ落ちが早いとある。このオキアミの改良に関しては、特開平9−168・特開平9−28311・特開平10−4889・特開2003−125686・特開2003−125687等の提案がなされている。
オキアミの釣り針(仕掛け)への取付方法については、一般的に図14のように、水中で餌(仕掛け毎)が回転してしまう原因となる尻尾(尾節・副棘・尾肢)とその付近の腹節を千切り又は切取って、基本的に軸に出来るだけ真っ直ぐに腰曲がり付近まで、図15の様に腹掛け又は図16の様に背掛けに通し刺し、又は縫い刺し(針先を少なくとも1回途中で外殻の外に出してから中に戻す)する。針先から先曲がり部迄は、掛かりを良くする為にも出しておくのが一般的である。餌を大きく見せてアピールする、又は大型の魚を対象とする場合は、出来るだけ尻尾側の腹節で切り、図17のように腹合わせ(抱き合わせ)又は図18の様に背合わせで2匹掛けする、図19のように房掛けに沢山付ける、図20のように釣り針を結ぶ場合に結合部に一緒に縛りつけた、切れ込みを細工したナイロン糸にオキアミを通し刺しするといった方法が取られている。これらのオキアミ多数個掛けに共通するのは、オキアミが並列に並んで付けてある事である。
特殊な釣り針においては、実登3054318において、ふたつのフトコロの釣り針にひとつの餌(本文において、海老・おきあみ)を掛けることが提案されている。特開平9−252681においてホールドアームに餌(本文において沖アミ)をつけて保持する並列掛けの例図がある。餌の通し性を格段に向上させた実登2588993については、餌(請求項・本文において種類の記述無し)を直列に多数個、耳より釣り糸側へ通すことが可能とされている。実登2588177においては、餌(本文において、アワビ・トコブシ・サザエ・ヤドカリ・ウニ等)を直列に多数個、耳より釣り糸側へ通すことが可能とされている。実登2514209においては、餌(本文において、アワビ・トコブシ・サザエ・エビ・マムシ・ウニ)を直列に多数個、耳より釣り糸側へ通すことが可能とされている。特開平7−327563については、餌(請求項・本文において種類の記述無し)を直列に多数個、耳より釣り糸側へ通すことが可能とされている。実開平7−28354においては、餌(請求項・本文において種類の記述無し)を直列に多数個、耳より釣り糸側へ通すことが可能とされている。実開平7−05356については、餌(本文において、アワビ・トコブシ・サザエ・ヤドカリ・ウニ・マムシ・エビ等)を直列に多数個、耳より釣り糸側へ通すことが可能とされている。実開平7−11160においては、餌(本文において、アワビ・トコブシ・サザエ・ヤドカリ・ウニ・マムシ等)を直列に多数個、耳より釣り糸側へ通すことが可能とされている。特開2001−028968については、餌(請求項・本文において種類の記述無し)をチモト側端部まで差し込むことが可能とされているが、多数個挿入の記述はない。
発明が解決しようとする課題
以上の先行技術の様に、釣り針の端部を潰した耳(タタキ・チモト)及び近傍の軸には餌の通し性(貫通させ易さ)、釣り糸の出し口の安定性、餌の固定性等の様々な課題が有る。又、この他に掛かり性の向上があり、最新の市販の釣り針は、細軸化とロングテーパーによる針先の鋭さ・針先の切込部形状・アゴ(モドシ・バーブ)の複数化や省略・縄文時代からあるアウトバーブの再普及・材質と熱処理の向上による高硬度化等の工夫がされてきている。発明者は、これらの技術動向を検討したが、特に軸の細軸化傾向は、やりとりに時間の掛けられる遊漁においては特に問題ないが、職漁においては問題があると考えている。職漁においては、不意の大物魚が掛かっても曲がったり折れたりしない頑丈さ、短時間で釣り上げるためにある程度強引なやり取りが必要な為、基本的には従来同様の軸等が太い釣り針が好ましい。釣り糸についても、職漁においては、確実性・強引への対応性・コストを下げる為の繰り返し使用が前提となるので、材質の改良で強度が向上してきても、基本的に太い安価な釣り糸が従来同様に使用され、遊漁の様には細糸は使われえない。又、釣り餌としてのオキアミの使用方法については、従来式の釣り針については文献・釣りのガイドブック・雑誌等に従えばよいが、新しく開発される通し性の優れた釣り針群には、それに適した付け方(使用方法)が開示されるべきである。従って、これらの課題をまとめると、従来と同様の釣り針軸の太さ・釣り糸の太さのもとでも、▲1▼オキアミを餌として使用する場合で餌の通し性を従来よりも著しく向上させ、出来れば撞木の耳(チモト・タタキ)より釣り糸側に押し上げて釣り糸の結合部を隠すことが可能で、更には複数個直列に取り付けてアピール性を向上させる事が可能、▲2▼釣り糸の出し口の安定性が格段に向上し、使用中に回る事が無くしかも短時間で結合可能、▲3▼餌の固定性が向上し、深海や遠投でもずれや脱落が少ない、▲4▼従来のものより掛かり性が向上できる釣り針としての改良、▲5▼オキアミを使用する釣り針での、従来にない使用方法・結合方式・釣り糸を結合した仕掛けへのオキアミの取付方の指示・表示が出来ることの5項目となる。
課題の重要なポイントとなるのは、特許・実用新案の申請の多い、釣り糸(ハリス等)結びでの糸の出し口の安定性(結合時或いは使用中の周方向に対する廻り止め性を含む)に関する改良である。これらに共通するのは、少なくとも軸のフトコロ側の一部に、平面や溝等を設けて結合後の接触面積(釣り糸の径方向の撓み性によるものを含む)や転動抵抗を大きくし、その効果で結合時・使用時の周方向の廻り止めができるようにすることである。釣り糸の出し口がフトコロ側に無い場合(フトコロ側から見て軸の左右や後側に釣り糸の出し口がある場合)、少なくとも手前合わせの魚に対する掛かりが悪くて、釣れる率が低くなるのは事実であり、その根本原因の解析と解決が重要な課題となる。
図21の様に、釣り糸を垂直にした状態で、耳のある釣り針は垂直に立っているものとする。魚が餌付の釣り針を摂餌しようと周囲の水ごと吸引する(挙動の解説の為、餌を省略する)と、最初に針は水流に乗って釣り糸の結合部(出し口)を支点として、図22の様に釣り針全体が針先方向へ反時計廻りにピッチング回転し、針先は魚の口腔に刺さろうとする。この釣り針の挙動は先の「釣りの科学」にも解説されている。回転した釣り針の針先が口腔に突き当って接点が出来、フリーだった釣り針の針先が固定されて、海流による釣り糸の張力や釣り竿の力及び魚信を感知した釣り人が合わせをしようとする力で、針先を更に口腔に食い込ませて刺さろうとする際は、逆に釣り針の姿勢は図23の釣り針側矢印の様に、時計廻りにピッチング回転しようとする。この場合の支点(固定点)は釣り針と魚の口腔との接点であり、この動きは、張っていく釣り糸の延長線が支点に一致しようとする、図23の釣り糸側矢印で示す力学的な動きに伴うものである。その拡大図を図24に示す。この回転モーメントに対抗し釣り針の姿勢を維持・制御する力は、釣り糸のテンションによって得られる耳の端部Aを押し返す力fと、取り付けた糸の接続点Bから耳の端部Aまでの距離ABの積の回転モーメントで得られる。したがって、平たく潰した耳(タタキ・チモト)が釣り糸を取り付けた点に対して、フトコロと反対側にあれば、掛かりの際に釣り針の姿勢がf×ABの回転モーメントで限定(制御)されて、拡大図24の向きよりも時計廻りにピッチング回転しにくくなり、ピッチング回転は釣り糸の延長線上に針先が一致する所で止まる。式から分かるように、この姿勢の制御をするモーメントは、釣り糸のテンションによる力fが強い程、又距離ABが大きい程に強くなる。但し、この制御モーメントが発生する条件としては、A点はフリー(AB間は拘束なし)でなければならない。この釣り針の姿勢で、釣り人が釣り糸を更につよく張る合わせを入れたり、魚が釣り餌中の硬い釣り針や針先による異物感・釣り糸につながれて動きが制限される違和感を感じて下降すれば、魚の口腔に針先が食い込んで十分に捕獲が可能となる。糸の出し口がフトコロと反対側や軸の側方にある場合は、距離ABもfも0となってしまい、釣り糸が耳を介して釣り針を支える姿勢制御はなされない。図25(フトコロと反対側に釣り糸の出し口がある場合)に示す様に、矢印の様に図24の姿勢よりも更に(同じく、釣り針が釣り糸の延長線上に針先が一致するまでは)ピッチング回転してしまう。こうなると、異物感・違和感を感じて下降して逃れようと徐々に下を向く魚の口腔の角度ともあいまって、口腔に直角が最適である針先の突入角度αが、図24の例よりも大きくなりすぎて刺さりにくく、釣り糸を引いても魚の口腔内壁を滑る又は魚を持ち上げるのみで、合わせの突き刺し(向こう合わせ時も含む)は出来にくい。この状態を他の事例で例えれば、クレーン等で板材を水平に吊り上げる際に、板に玉掛けしたワイヤーとか板に開けた穴にそのフックをフトコロまで掛けずに、フックのフトコロに板を噛ませて吊ろうとしている状態に近く、持ち上げる際に板に僅かな傾きが生じても不安定な作業になるのに似ている。この釣り針の最初の姿勢が悪くて、釣り針の針先が口腔深くまで刺さらない僅かの時間の内に、魚が釣り餌に忍ばせた釣り針を吐出してしまえば、釣り餌はとられても釣れなくなる。従って、全く同じ釣り針を使用していても、正しい釣り糸の出し口(出糸)の場合の図24に比べて、出し口の良くない図25の姿勢の場合は、当然魚は釣れなくなる。使用中でも釣り糸の出し口がフトコロと反対側や耳では支えが出来ない程側方にまわったら、この釣れなくなる現象は発生してしまうので、釣り糸の出し口に関する特許・実用新案は多い。合わせは、魚は水中では無重量であっても無慣性ではないので、鋭く釣り糸を引いて(又は魚が高速で下降しようとして)且つ釣り針の姿勢が制御されていれば、硬い口腔の魚でも釣り針を刺すことが出来、釣りにおいては釣果を左右する重要な作業であって、その際の釣り針の姿勢は非常に重要である。以上のように、結合されている位置は僅かな違いであり、釣り針の姿勢の違いも大きくないが、釣り糸がテンションによって真っ直ぐになろうとする力を、掛かり時の釣り針の姿勢制御に利用出来る構造や結合が出来るかで、重要な合わせの姿勢に違いが生じ、結果としての釣果に大きな差が出てしまう。従って、距離ABが有る事は合わせが効くかの重要な要素であり、端部を平たく潰した撞木の耳(タタキ・チモト)の役割は、釣り針を釣り糸に結合する際の周回糸の軸方向滑りを止める周長増大のみではないと考えられる。この距離が取れない(又は、距離をとらないでも結合出来た)釣り針は、釣り針の吐出がうまく出来ないで走ったり反転して、釣り針に勝手に深く掛かる向こう合わせの魚が対象の場合以外では有効に働ききれない。確かに管付の耳の針の場合に図10の様の結合すると、餌釣りで餌は取られても魚が釣れにくいのは、この距離がない(支える部分が無い)ためで、図11及びその拡大図26の様に、フトコロ側から釣り糸を背面に通してから結合すれば、釣り糸の後ろを環が支えて距離ABがえられ、十分に有効な合わせ時の働きが出来て釣れる。同様に、穴サラエの大物釣り用の釣り針類も、根付け方式の釣り糸の取り回しも含めれば同様の結合を行って使用している場合が多い。以上の検討結果から、掛かり性を重視する釣り針においては、フトコロ側から見て、結合部の釣り糸の出し口は軸の正面(手前)に有るべきで、且つ釣り糸の後ろには釣り糸のテンションを掛かり時の釣り針の姿勢制御に活用する耳(平面又は曲面又はその組合わせの面をフトコロ側に面して持つもの)が配置されることが必須と考察され、特許・実用新案の提出件数と市場での撞木の耳の普及実績がそれを裏付けている。
次に、餌の通し性を向上させる手段としては、結合部(釣り糸そのものを含む)の断面積が大きくない構造がもっとも好ましく、且つ針先側から耳に向かって進行する釣り餌にとって、通過するべき部分の断面積が急増しない方(暫増又は段階的増加)が好ましい。従来型の釣り針1に外掛け結びをした場合の結合部の断面図8を拡大したものを図27に示す。軸径(直径)0.7mmと0.9mmの釣り針の軸に2号糸(前記「釣りの科学」によると直径0.235mm)と3号糸(同じく直径0.285mm)を捲いて結合した場合の、軸そのものの断面積と結合後の総(最大)断面積及び軸を基準とした比の表とモデルを図28に示す。主に、軸に釣り糸を周回する事が原因で、最初に軸に沿わせた下糸(最終的に固定される出糸になるもの)の影響で、捲回した糸が部分的にふくれる影響を考慮しない単純計算でも、断面積は軸を基準として245%〜362%に増加し、しかも周方向への捲き始めの部分で急増するので、生オキアミをここを通そうとすれば、身や外殻が崩れたり潰れてしまう。従って、釣りのガイドブック等に、オキアミの付け方として紹介されているのは、図15〜20に示す様に、釣り糸の結合部よりも釣り糸側にオキアミを通してはいない。更に、ボイルオキアミの場合、身のタンパク質等は硬化・縮小しているので、生のオキアミよりも釣り針自体に通しにくく(固定性は良いが)、当然この結合部の捲き始めの部分から耳側へは通せない。この断面積の急増の他に、餌の通し性を大きく阻害する要因として、釣り糸を結ぶ事によって発生する末端の突き出し(図27のC部)がある。最も一般的な外掛け結びや内掛け結び、漁師結び共に釣り糸の末端が軸の腰曲がり側(針先に向かう側)を向いており、例えば、オキアミ等の柔らかく裂け易い餌を使用する場合、この末端の突き出しCが、軸とは別体的にオキアミの身に食い込む事で、折り返しのある軸と同じように餌付けを著しく阻害する。影響を小さくしようとして突き出しCを短く切ると、魚が掛かって結び目に負荷が掛かった際に、最終的に周回部の上を通って腰曲がり側に戻る釣り糸の端部を抑え込んでいる下糸の輪(図26の例でC`)から突き出し部Cが外れて、結び目が解けてしまう場合がある。特開平8−256639においては、末端を納める溝が提案されているが、実際に試してみると、釣りの現場で癖のつきやすい釣り糸の末端を、溝にきちんと納める結びをするのは容易ではない。以上の検討結果から、釣り糸を軸に捲いて結合する従来方式は、オキアミ餌の通し性を大きく阻害するので代案を検討する必要があり、その代案は釣り糸の末端Cの向きの問題をも解決する必要が有る事がわかる。
上記
及び
の結果から、新しいオキアミ通し刺し専用釣り針では、軸のフトコロ側正面に釣り糸の出し口が固定出来る事、且つ(従来と同様に)フトコロ側(或いは針先7側)から見て糸の出し口の反対側に掛かり時に釣り糸を支える耳(平面・曲面又はその組合わせの面を持つもの)が有る事、且つ軸に釣り糸を捲きつけて出糸を固定せず最大断面積の増加率は極力小さくする事、且つオキアミを耳方向に通す際に平面又は曲面のスロープを設けて断面積を暫増にしたり、段階的に断面積を増加させる必要がある事、且つ釣り糸の結合部の末端をオキアミの通し刺しを阻害しない処理にする事、以上が最低条件として必要である。
課題を解決する為の手段
図1に本願発明の釣り針の1実施例を示す。その釣り糸14を結合した模式図を図29に示す。図29の釣り糸14を結合してある略三角形のアーチ部(環状部構成金具35の一部)と軸3で構成する穴を持つ部分が、本願発明で新しく設けた環状部である。本願発明において、軸3のフトコロ8側に追加する環状部構成金具35の一例として、先の軸3直径0.7mmに対して、釣り糸類に対して十分な強度を持つ直径0.4mmのステンレス線材、0.9mmの軸に対して同じく十分な強度の直径0.5mmのステンレス線材を使用し、そのフトコロ8方向への内径Dを0.3mmとして先と同じく2号糸・3号糸と結合した場合、及び内径Dを図53に示す二重結びにする為に3号糸の倍を超えて0.6mm(一重結びなら、10号糸も結合可能)とした場合の同じ釣り糸との組み合わせの結合部を計算した。各位置X・Yの断面積と、その軸3の断面積を基準(100%)とした比の表とモデルを図30に示す。尚、接合工法によっては生じる事のある隅部の肉等は入れていない単純計算である。図28の従来方式と図30の本願発明の位置毎の軸基準の増加率をわかりやすくグラフ化したものを図31・図32・図33・図34に示す。仮に、従来の釣り糸14を捲く周回開始位置を本願発明のE部の端に合致させ、周回完了位置を環状部構成金具35の耳側端部K部に合わせてある。破線矢印の進行方向で示す様に、本願発明の方が腰曲がり4側から耳2方向に通してくるオキアミを通過させ易い暫増及び段階的増加となり、特にE部・F部の暫増部で通し刺しするオキアミの内径を広げるので、従来の急増よりも明らかに通し易くなっていることがわかる。最大の増加率でも一重結びで172%〜201%、二重結びでも210%〜266%であり従来の最大値に比べて著しく改善されている。これは、主に軸3に釣り糸14を捲かなくてすむ事によるもので、比率のみを見れば軸3に対して釣り糸14の直径が大きい(太い)方が改善率が高くなる。しかし、オキアミは大きさ(太さ)に限度があるので、断面積の絶対値が大きくなっていくと当然通し刺しはやりにくくなる。仮に、オキアミの第一腹節24の最大径を仮に7mmの円として、その中に外殻を破損せずに潜り込める断面積比の限界(仮の突入断面積率限界)を20%として試算すれば、約7.7平方ミリメートルとなり、表30の最大断面積の5.4倍あたりに限界があると推定できる。尚、グラフの耳に向かう3経路(破線矢印が沿った実線)の断面積が元の100%に戻らないのは、釣り糸14(出糸)の断面積による。グラフ上は、本願発明の出糸部では、最終的に2本の釣り糸14(1本は結合部15の末端でCとなる分)となり、一重・二重の違いは表われない。又、経路の線が曲線化している部分は釣り糸14の曲面の影響を表わしている。高強度の材料を用いて、環状部構成金具35の線径を小さくすれば更に大幅な改善が可能で、腹節の胴径の小さいオキアミでも使えるように出来る。本願発明では、この断面積増加を抑える効果の他に、結合した釣り糸14の末端Cが、釣り糸14(釣り人)側又はその側方を向くので、餌通しの阻害要因として影響が小さいことも重要である。尚、C及びC`の断面積は、グラフ上では大きくないが、折り返しや刺し針と同じく、軸3とは独立的にオキアミに食い込み、影響は大きい。オキアミを用いて本願発明の結合部15のある試作品に通し刺しをしても問題なく可能だったので、これで
の課題の▲1▼は解決となった。尚、図35の破線部(環状部構成金具35の腰曲がり4側F部)の周長を平打ち等にて大きくして平打ち加工部37とし、結合した釣り糸14が必ず周長の小さい耳2側に安定する様に工夫すると更に良い。又、最大増加率自体が小さい取り回しや使用する線材自体がほそく出来る場合には、E・F等のスロープ無しの段階的増加のみでも通し刺しは可能となる。また、環状部の軸3側に、図35の様な逃げ部Mを設ける事で、釣り糸14を納める高さを確保して、環状部のフトコロ8側への突き出し高さZを抑えるのも有効な手段である。
本願発明の他の実施例(接合する環状部構成金具35の取り回しを変えたもの)の図を図36・図37・図38とその側面図39に、図36・図37の例の各位置での断面積計算の表とモデルを図40に示す。同じく、図38の例の断面積計算の表とモデルを図41に示す。図38(図39)の例では、接合する部分が線材2本分になるので軸3からはみ出さない様に、軸3の0.7mmに対して線径を0.3mmに、同じく軸3の0.9mmに対して線径を0.4mmにし、環の軸3側に、糸を通す為の軸側寸法mが0.3mmの逃げMを設けている。Mの一部しか釣り糸14で占有されないが、計算上は軸3の断面積はMによる減少を考慮しないで計算している。図40の表では、いずれの場合も釣り糸14が一重結びの場合には、図28の従来式よりも大きく改善されているが、二重結びの場合、同等か若干の改善となる。図41の表で見れば、図30と同等以上の改善が出来、これが線材を細くする効果を示している。暫増部(EとF)の効果を見る比較試験の為に、0.9mmの軸3について図37の取り回しで二重糸用を試作・実験をした所、オキアミのサイズが大型であれば、結合部15と耳2を越える通し刺しは十分に可能である。軸3と環状部構成金具35の接合面を予め研磨加工等を施して環状部の高さZを減らし、断面積を小さくする工夫等を行えば更に改善され、接合する環状部構成金具35の線径を小さくすれば更に格段の改善ができる。環状部の穴の向きが他の実施例と異なる図38(図39)の型については、釣り糸を通ずる為の逃げMを設けずに軸3より浮かす為に、通し性が確保される範囲で、部分的にフトコロ8側に傾斜させる事も出来る。
以上の様に、本願発明では、掛かり時の姿勢制御の役割で従来型の潰して幅を広げた耳2(9又は10)の持つ面を、釣り糸14の結合位置を中心としてフトコロ8或いは針先7と反対側に残しており、釣り糸14との結合は、新たに環状部構成金具35を軸3に接合して設けた環状部にて行うが、この環状部は、当然釣り糸14の出し口の固定の機能を兼ね持っている。例えば、環状部に釣り糸14を指定された使用方法に従って結合すれば、軸3に対してフトコロ8側に釣り糸14が固定され、フトコロ8側からみて軸3の側方や背面にまわることは有り得ない。又、結合の方法については指定以外でもかまわないので、従来からの釣り糸14をサルカン等に結ぶ多彩な方法が使えるから、従来の軸3に釣り糸14を捲くより簡便又は自由度大である。これで
の課題の▲2▼は解決となる。更に、従来の軸3に釣り糸14を捲きつける方法で問題となる固定不足や樹脂製ハリスの伸びによるすっぽ抜けも発生しないというメリットがある。
次に、オキアミの固定性は、通過させた耳2(9・10)側末端つまり図29のG部、及び環状部構成金具35の耳2側立ち上がりK部が、オキアミの腰曲がり4側への戻りを阻害するので、軸3に設けた小さなケンや軸3及び腰曲がり4に設けた凹凸等以外戻りを止める手段がない従来の釣り針とは、比較にならないほど強化され、ずれや脱落は少なく出来る。これで、
の課題の▲3▼は解決となる。
掛かり性の向上は、
の掛かり時の釣り針の姿勢制御メカニズムで説明した様に、距離ABを大きくする事で釣り糸14のテンションが小さくても姿勢が安定するようになるので、従来よりも掛かり性が改善できる。手前合わせの魚は勿論、向こう合わせ魚に対しても、更には釣り糸14(ハリス等)の張りが弱い状態でも釣り針の姿勢制御が従来よりも良くなり、これに伴って同じ軸の太さの元でも掛かり性が従来の釣り針よりも改善できる。これには請求項4の様に耳2(9・10)そのものの長さを変える他に、従来の釣り針を改良(改造)する際に用いる、環状部構成金具35の取り付け位置(図29のHの環状部側K部)を、従来の釣り糸14の捲き終わり位置よりも腰曲がり4側に下げてHを大きく設定するという手法でも若干の改善が出来る。尚、従来の釣り針で耳2が短く(小さく)作られていたのは、オキアミ等の餌では隠せないのでこの部分を目立たないようにしていたが、▲1▼の解決が請求項4の様に耳2の長手サイズの変更を可能としている。これで
の課題の▲4▼は解決となる。
請求項1について、補足の説明をすると、フトコロ8が1箇所であることは、釣り餌としてのオキアミを通し刺しにして釣り針から耳2を越えて釣り糸14まで、少なくともその一部を通す為には必須であり、錘付・刺し針付・保持軸付等は、その通し刺しを阻害するので除外している。折り返し付(サカサ鉤等)についても、同じく通し刺しを著しく阻害するので除外してある。
請求項2は、図42に示す中間軸38部の軸3との交差角度α1・α2をもってオフセットするが、45度を上限としているのはオキアミの通し性を阻害しすぎないようにする為である。α1=α2の場合、腰曲がり4側軸3と耳2側軸3は平行となる。本請求項は、図37に示した様に、環状部の突き出し高さZが入り口側でフトコロ8寸法の狭小化を招くので、従来の釣り針の全体形状(バランス)を維持しようとデザインする場合、特に小さな釣り針にに有効である。フトコロ8が小さくなると口腔33の掛かり(刺さり)奥行き位置が浅くなるので、引きの強い魚や口唇の弱い魚を釣る際にバラシ(切れたり外れたり)しやすくなるので、このフトコロ8寸法は重要である。しかし、オフセット量を大きくし過ぎ従来の釣り針のデザインを大幅に逸脱すれば、魚種に併せたフトコロの最適な掛かり性も失う他、全体の強度上の問題も発生するので、目的とする最小限度プラスアルファが適切である。尚、オフセット量の定義は、図42に示す様に、本来の目的であるZの補正に合わせて、腰曲がり4側軸3のフトコロ側外径の延長線上から、耳2側軸3のフトコロ側外径までの距離の最小値βとし、βをZ以上3Z以下とする。
請求項3は、図43のように軸3に2箇所の穴42を開けてアーチ状の環状部構成金具35を挿入・接合した場合、アーチの付け根1が通し性を図1・図36・図37・図38(図39)の諸例よりも、急角度で阻害しやすいので、通し性を回復するために
でのスロープE又はFの役割をする部分を追加する場合であり、図44の様に環状部の一部と結合したものも有効である。スロープの断面積が大きくなりすぎるとかえってオキアミが通しにくくなるので、金属製部分隆起部39の軸3側基部(最大周長)は、軸3円周の最大1/3未満とし、最大高さも同じく環状部の高さZを超えるとオキアミの通し性を阻害するので限定し、その基部の軸3方向長さγは4Z以下(高さがZの時で軸3とスロープの角度に換算して14度以上)とした。材質を金属に限定しているのは、熱膨張係数の大きな違いによる経年劣化を防止する為である。同様に2箇所の穴42をあけても例えば図45のように取り回しても良いが、これは請求項1と同じにスロープFを設ける事が出来るので、金属製部分隆起部39は不要である。
請求項4は、
で述べた課題を数値化した場合である。従来の短い耳2(9・10)の釣り針の改良・改造品(本願発明に適合するようにしたもの)は、当然請求項1に含まれる。尚、この寸法の、耳2の長手方向の起点の定義は、軸3よりも確実に幅が大きくなっている位置を起点とするため、図46に示すように、直近の軸3径φ(該偏平・異形等の場合はその最大径)の30%(1.3φに)幅が増加した位置Jから端部Gまでの長さLと定義している。
請求項1〜4に共通するオキアミの前処理方法・取付方法について詳述する。図13に示す様に頭胸甲22から尻尾(尾節25・副棘26・尾肢27)までの間に、腹節30が6箇所ある内、少なくとも肛門前棘28(頭胸甲22側から6節目)の途中か又は5節目との継ぎ目等からちぎり又は切り取らないと通し刺しがうまく出来ないので、図14のように切断し、これを前処理した頭胸部23(一連の眼18・鰓21・胸脚29等含む)付のオキアミ31とする。これを2個直列に通し刺しにした例を図47に示す。先に通したオキアミ31は少なくとも釣り針の耳2よりも釣り糸14側に腹部(腹節30、その一部でも良い)が位置するまで押し上げ、耳2及び結合部15が完全にオキアミ31で隠れるようにする必要がある。針先7・アゴ6と先曲がり5部分は、従来と同様に掛かりを良くする為にオキアミ31から突き出しておけば良い。釣り針の軸3径が大きい場合は、オキアミ31はその体構造上、腹部の頭胸甲22側寄りの腹節30が直径はより大きいので、図48のように切断してから付ければよい。この際原則として、頭胸甲22の次に直径の大きい尻尾側への次の節(第一腹節24)は、少なくとも一部は残して使用する。これは頭胸部23中の脳・内蔵等の流出を防ぐ栓の役目を第一腹節24にさせ、且つ前記の脳や内蔵等よりもしっかりしている身(筋肉)の入っている第一腹節24を使用する事で、釣り針に対するオキアミ31の固定性を上げる為である。別の取付方法としては、図49の様に、先の尻尾と頭胸部23等を取り去って腹部(腹節30の集まり)のみにしたものをオキアミ40とし、少なくとも2個以上通し刺しにし、最後に通した部分を釣り針の腰曲がり4まで入れるようにする。或いは、この腹部のみのオキアミ40と頭胸部付のオキアミ31の組み合わせで、図50の様に、多数個を通し刺しにしても良い。向きや順序はランダムでもかまわない。以上の様に釣り針と釣り糸14にオキアミ31・40を複数個通し刺しにして掛けることで、結合部15や耳2及び釣り糸14を餌で覆い隠すことが出来、魚の警戒心を喚起させずに釣りが出来る。又、取り付けられる体積が大きい事で、潮の流れに釣り糸が張り易くなり、掛かり性を補助する釣り糸14の張りによる力fを従来よりも大きくする事が出来る。複数個取り付ける(2個以上いくらでも良い)ので、魚に目に付き易く出来、従来の釣り針・仕掛けでは図20の様に手間の掛かる切れ込みを入れたナイロン32等を挟んだ結合や取り付けをしなければ、対象とならなかった大型魚・深海魚等の釣りにも十分使用可能である。これで、
の課題の▲5▼は解決となる。
次に、同じく請求項1〜4に共通する使用方法・釣り糸14との結合方法について解説する。本願発明の釣り針は、軸3に従来方式で釣り糸14を捲いて結合されれば本来の性能を発揮できないので、使用方法をパッケージに明確に表示する必要がある。釣り糸14との結合については、簡便には、通常の一重結びの(従来のサルカン結びと同じく)クリンチノット等で、環状部に通した釣り糸14に撚りを入れて図51の様に取り回し、釣り糸14を絞って余った端部を切れば図29の様になる。この場合、従来の軸3に釣り糸14を捲くよりも遥かに簡便で、短時間で結合出来るが新規性は少ない。但し、環状部の釣り糸を通ずる内径Dが大きければ、太い釣り糸14が使用出来、短時間で結べることは職漁の作業向きと言える。しかし、釣り針との接続部は釣り糸14の曲率が小さく、例えばポリアミド系の糸を使用した場合はその弱点である小さい曲率で捲かれた時の強度低下を補完できない(従来の釣り針の接続も同様の問題がある)ので、時間は掛かるが強度優先の結合方法を示す。図52の様に、環状部に釣り糸14を2回通し、その片側一重で片側二重の取り回した環に直交周回するように更に2回捲き、糸の端を先の重環の釣り糸14(釣り人)側を通してから両側を絞って、図53の結合部15の様にする。この結び方は2重で強く、それほど時間も掛からないので、細い釣り糸14(ハリス等)を使う場合にも有利である。更に強度を上げるには、釣り糸14の端を長く残して、従来の釣り針で軸3に2重の外掛け結びをした後で、強化に使用されている土佐結び(編みつけ法)と同様、交互に捲きつけ方向を変えて本線に数回から数十回捲きつけて端を切断し、図54の編み付け部41の様にする。曲率の小さな環状部との結合部15は2重になっており、魚の歯に触れ易い釣り針近傍の接続部分は、編みつけで保護出来る。時間は掛かるが強度は十分にある結合方法で、2重になっていても図30の表と図31・32・33・34のグラフに示したように、大幅な断面積増加はしないので、本願発明の釣り針を仕掛けとして釣り糸14と接続し販売する場合以外、釣り針単独で販売する際のパッケージ内に表示する使用方法としても推奨出来る。図29・図53・図54で分かるように、結合部15の耳2側に末端Cが来てその突き出し方向も釣り人側又は横向きとなるので、オキアミ31・40の取り付けの障害にならない。又、通常の軸3に釣り糸14を捲きつける釣り針で編み付けをした場合は、編みつけ部41の部分で釣り糸14の径が実質3倍になって目立ち、魚の警戒心を喚起するが、本願発明の特徴であるオキアミ31・40を釣り糸14側まで通し刺しにする事が可能の場合には、編み付け部41はオキアミ31・40で隠せるし、編み付け部41の凹凸がオキアミ31・40のずれ・脱落の防止にもなり、メリットが大きい。歯が鋭い又は頑丈で釣り糸14の噛み切りが上手な魚用には、従来の穴サラエ11の結合図12に準じて、図55の様に本願発明の釣り針の環状部にワイヤー16・編み糸等で結んで根付け部45とし、その端部に設けた環43にポリアミド系の透明な釣り糸14(ハリス等)を結び付けても良い。環43は従来為されている様にワイヤー16を捲いて作製しても良いが、代りに、市販の釣り糸14を結合するための穴を開けた略円錐状或いは略楕円球状等の樹脂製・金属製結合具44でも良い。この場合の餌の取付は、図49の様にオキアミ31・40を直列に複数個通し刺しにして、根付け部45の全部をオキアミ31・40で覆い隠すようにすれば良い。こうすれば、餌釣りではまず釣り針を忍ばせた餌を魚に食べさせる事が大前提であるが、眼が良く、警戒心も強く、鋭い歯を備えた魚でも、切られにくい編み糸やワイヤーで根付けした仕掛けで釣る事が可能になる。
以上の様に、従来の釣り針よりも優れた点の多い本願発明の釣り針は、手や目の不自由な人の為に、予め釣り糸14(ハリスやワイヤー等)を結合した仕掛けとして製作・販売できるので、これを請求項1〜4の共通とした。
焼きなまして硬度を低下させ、展延性を増加させた高炭素鋼線・特殊鋼線等の端部を、プレス機で平たく潰して耳2(9・10)を成形してフトコロ8の方向を確定した後、必要に応じて、先端より適切な距離に鏨状の刃物を斜めに打ち込んで起こし、アゴ6(モドシ・カエシ・バーブ)の原形を作る。アゴ6及び針先7を研磨した後、全体を釣り針1の形に曲げ、焼き入れ・焼戻しで硬度と靭性を持たせる。針先7及びアゴ6を仕上げ研磨して、耳2部等の釣り糸14を結ぶ部分付近の鋭角部は面取りする。バレル研磨等の方法で、表面を仕上げても良い。この後に、鍍金や焼き上げ等によって防錆処理を行う場合もある。工程の順序は製作する釣り針の形状・材質や線径で異なる。このようにして製作した又は、製作した物を購入する。後の穴あけ工程で導電性が要求される場合、購入した従来品でコーティングや塗装等を施したものは不適か表面の一部を剥がす必要がある。次に細穴放電加工機・レーザー加工機等で、軸3の耳2側に図56のように接合用の穴42を空ける。軸3径に対して穴42径が大きすぎると、特に、細い軸3では強度上の問題が発生するので、取り回しの変更(図36・図37・図38等)や軸3径の部分的拡大を含めて十分な検討が必要である。次に、釣り糸14を結ぶ環状部を構成する例えば硬質ステンレスSUS304等の線材を、例えば図57のように、軸3の強度・金具の位置決めの都合等で、先端のみ小径に段差加工したものを軸3の穴42に挿入し、フトコロ8と反対側でかしめたり、片側或いは両側を半田付け・ロー付け等で固定する。線材を破線で示した様に、軸3側の腰曲がり4側に曲げて接触させて半田付け・ロー付けし、端部Fを斜めに除去加工すれば図1と同様の環状部構成金具35の接合された本願発明の釣り針の出来上がりである。図41・図43の様に、取付穴42が2箇所あるものも穴42の加工・挿入・固定は同様である。穴42は特に平行穴である必要はなく、例えば半田等の充填接合後に抜けにくい、フトコロ8の反対側が径の大きなテーパ穴でも良い。同じく、線材も抜け止めの為にフトコロ8と反対側の径を大きく(テーパや段差をつけて)、フトコロ8と反対側から挿入してもよい。接合・固定に問題が無ければ金属の撚り線でも使用できる。又、図35の例の様に、固定が接合で十分できれば、穴42は貫通ではなくフトコロ8側からの止まり穴でもかまわない。軸3の穴42を開ける部分の幅は、潰して広げたり位置決め用の凹部を作って、除去を行い易くするプレス加工を予め施しておいても良い。軸3に設ける釣り糸14を環状部に納めるための逃げM部は、環状部構成金具35を接合する前にプレス又は除去加工等で施せば良い。逃がしの量mは使用する釣り糸の径に合わせて決めれば良い。又、環状部用の線材は、工程の途中で曲げても良いが、予め切断・曲げ・プレス等で形状を作って環状部構成金具35としてから接合しても良い。軸3に図36・図37・図38の様な環状部を接合する場合、穴42開けは不要で相互の接合面の研磨(平面化等を含む)及び脱脂を行った後、環状部構成金具35を半田付け・ロー付け・溶接等すれば良い。図58・図59及びその側面図60に示す様に、線材(異形・撚り線等を含む)を使用する代りに、材料のコストは上がるが、予め釣り糸14の接する角部を丸めた、穴を開けた板材の環状部構成金具36等を同様に接合して工数を減らしても良い。糸を通ずる環状部の穴の向きがフトコロ8方向に向いている図58(図59)の場合、糸を通じ易くする為に、図38(図39)例の場合と同様に逃げMを設けるとか、通し性を損なわない範囲で、環部のみフトコロ8側に引き起こして角度を付けても良い。図58(図59)については、請求項1にある環状部構成金具36の設置位置は軸3にあるが、該環状部の全部が軸3のフトコロ8側にあるとはいえないので、環状部が耳2と針先7との間に位置しているものとして請求される。又、環状部構成金具36(板材)は、環状部構成金具35に準じた、穴の無い切り欠いた形状で、軸3に接合する事で環状部を構成してもかまわない。以上の場合の接合用半田は、電気伝導用のものではなく、フラックスを利用するステンレス用半田が好適である。
釣り糸14を結合する環状部を接合で作製する工程で、ロー付けや溶接を用いる場合、その接合時の加熱で材料がなまるので、後で時効硬化処理の効く材料、例えばSUS630系等を用いても良い。この場合、焼き入れ工程は無く、雰囲気炉・真空炉等に入れて適温まで上げ、急速に析出硬化をさせれば良い。この場合、材料の硬度が低い段階の工程で、機械加工(ドリル等による穴あけ)も可能である。
本願発明請求項2の軸3のオフセットをする場合、軸3の硬度を上げる熱処理工程よりも前に、曲げ又は金型プレス等による成形工程を設ければ良い。
本願発明請求項3の金属製部分隆起部39を設ける場合も、ロー付け・半田付け・溶接等の接合をする場合の注意事項は同じである。半田そのものを盛り上げて金属製部分隆起部39を構成してもかまわない。
本願発明請求項4の耳2(9・10)の長さは、耳2を成形する段階で押し潰す長さを大きくすれば良い。又、釣り糸14に掛かる力−f(fの反作用)を集中させないようにするには、端部Gのフトコロ8側面取り(曲面を含む)を出来るだけ大きくすれば良いが、耳2を長くしたものについては、図61の様に端部G側を大きなRで曲げても良く、又図62の様に全体に波打たせて釣り糸14を部分接触として、釣り糸14の傷発生防止をしても良い。
本願発明請求項1〜4の仕掛けについては、釣り糸14に釣り針を1本つけただけのものでも良いし、片テン仕掛け・胴付き仕掛け等の様に、釣り糸にエダスを付けて複数の釣り針にしたものでも良い。釣り針としての使用方法・結合方法及び仕掛けは
の通りにすれば良く、オキアミ31・40の付け方(仕掛けとしての使用方法)は、
の通りである。
発明の効果
本願発明の請求項1によって、釣り糸14の結合方式を環状部結合に変えた事で、環状部及びその釣り糸14結合部15の断面積の増加が抑えられ、柔らかく裂け易いオキアミ31・40の通し性が著しく向上し、釣り糸14の結合部15及び耳2(9・10)をも2個以上のオキアミ31・40の少なくともその一部で隠す事が可能となった。図49のようなオキアミ31・40の直列状多数個掛けが簡単に短時間で誰でも出来る様になり、アピール性も複数のオキアミ31・40で著しく向上出来、大型魚にもオキアミ31・40の複数個の通し刺しで対応出来る様になった。特に軸3に対して釣り糸14が太い場合や結合部15を強化する二重結びで、通し性に顕著な効果が認められる。複数のオキアミ31・40が腰曲がり4から釣り糸14(釣り人側)までつけられるので、魚が釣り針付のオキアミ31・40を吸込む際に、口腔のより奥まで釣り針が入り、掛かり率が向上出来るようになった。オキアミ31・40を多数個取り付ける事により、総体積が大きくなって仕掛けが潮の流れに乗り易くなり、釣り糸14の張りで掛かり時の姿勢制御をする際の力fが従来よりも大きくなり、掛かり性が向上出来た。又、釣り糸14の出し口の安定性が、従来の釣り糸14を軸3に巻き付ける釣り針よりもはるかに向上して固定となり、使用中に回る事も全く無くなった。餌の固定性では、オキアミ31・40を耳9・10よりも釣り糸14側に通す事が可能になって、耳2(9・10)そのものと環状部構成金具35又は36のK部を餌止めとして利用する事が可能で、オキアミ31・40のずれや脱落の防止性が、従来よりも著しく向上した。他に、多彩な結びが可能なサルカン方式でも結べる事で、硬い釣り糸14や太い釣り糸14で発生し易いすっぽぬけが発生しなくなった。更に、従来の様に釣り糸14を螺旋に多数回捲かないので、使用する釣り糸14の量を減らす結び方(針を取り替える際の釣り糸の使用量を削減する結合方法)が選択できて、釣り糸14特に高強度のハリスは高価なので、使用量が削減できてコストダウンが可能となった。土佐結び式の編みつけ部41や編み糸・金属線(ワイヤー16等)による根付け45でも、その全体をオキアミ31・40で覆いかくせるようになり、歯が鋭い魚や歯が頑丈で透明樹脂製モノフィラメント等の釣り糸14単糸では擦り切ったり噛み切ってしまう魚を釣る作業上、取り替えを頻繁にしなくて済むようになった。丈夫なPE等新素材の釣り糸14による根付け45でも、魚に警戒心を与える等の問題なく使えるので、職漁の作業で釣り糸の傷等にあまり気を遣わずに作業が継続でき、更に釣り針の喪失も少なく出来、編み糸等の利用をも広げる事が可能になった。最後の大きな効果として挙げられるのは、従来の軸3に捲いての結合よりも短時間で確実な結合が出来るので、魚の釣れる時間いわゆる時合いは短いから、結合時間の短縮とその確実性は、職漁の作業上非常に大きな効果があり、釣果の向上が可能である。
本願発明の請求項2によって、釣り糸14を結合する環状部の突き出し量Zが、フトコロ8の入り口側寸法を小さくすることを抑えられ、特に小さな釣り針に環状部結合方式が適用し易くなり、フトコロ8が小さくなる事で魚の口腔33への掛かりが浅くなる問題を解決する事が可能となった。
本願発明の請求項3によって、環状部のデザインによって生じる事がある通し性の阻害がうまく抑えられ、太い釣り糸14の使用する場合のアーチの内径Dが大きい時でも、オキアミの通し性を向上させた釣り針が製作可能となった。
本願発明の請求項4によって、潰した耳2(9・10)の長さLが従来の釣り針よりも長い事で、掛かり時のピッチングモーメントに強くて姿勢が制御されやすく、より掛かりの良い釣り針が可能となった。又、距離AB或いは寸法Hが大きくとれる事で、同じ姿勢制御モーメント発生時の、耳2の縁GのA点が釣り糸14に与える負荷(反作用−f)が力学上低減できることで、釣り糸14が合わせ切れしにくくなった。
本願発明の請求項1〜4によって、釣り針の新しい使用方法・結合方法が開示でき、釣り糸14と結合した仕掛けについては、釣り糸14結合の不自由な人や目の悪い人でも、本願発明の特徴をもった従来よりも優れた各種の仕掛けが利用可能となり、オキアミ31・40の新しい使用方法が開発できた。
以上のように、本願発明は多くの種類の釣り針に好適な新結合方法・新使用方法を提供できるので、多種多様の展開が可能である。
本願発明の釣り針の1実施例の斜視図 釣り針の各部名称を示す模式図 撞木(シュモク)の耳9の模式図 シュモクの内の丸耳10の模式図 穴サラエの耳11の模式図 管付(尻曲がり)の耳12の模式図 ギザ耳13の模式図 外掛け結びの釣り糸14結合部15の構造を示す結合部断面図 撞木の耳9・10の平面の角度θを示す斜視図 管付の耳12にクリンチノットで結合した1例を解説する模式図 管付の耳12の結合の1例を解説する模式図 穴サラエの耳11にワイヤー16で首振り仕掛け17にした場合の模式図 オキアミの模式図 尻尾付近の腹節30で切断したオキアミ31の模式図 オキアミ31の従来の取り付け方の模式図(腹掛け) オキアミ31の従来の取り付け方の模式図(背掛け) オキアミ31の従来の取り付け方の模式図(抱き合わせ) オキアミ31の従来の取り付け方の模式図(背合わせ) オキアミ31の従来の取り付け方の模式図(房掛け) オキアミ31の従来の取り付け方の模式図 従来の釣り針1仕掛けの模式図 従来の釣り針1仕掛けと魚の口腔33・34の模式図(吸込み中) 従来の釣り針1仕掛けと魚の口腔33・34の模式図 従来の釣り針1仕掛けと魚の口腔33・34の拡大模式図 釣り糸14の出し口がフトコロ8と反対側の場合の釣り針1仕掛けと魚の口腔33・34の模式図 管付の耳12の釣り糸14との結合部15拡大斜視図 従来の釣り針に外掛け結びをした場合の釣り針1と釣り糸14・結合部15・名称・位置を示す拡大断面図 軸3に釣り糸14を捲いて結んだ場合の結合部断面積の数値及び軸3との断面積比較の表とモデル(従来) 本願発明の各部位置・名称・寸法・結合部15を示す模式図 環状部に釣り糸14を結合した場合の各部断面積の数値及び軸3との断面積比較の表とモデル(本願) 従来と本願発明の結合部断面積比の比較グラフ(0.7mm軸3・2号糸) 従来と本願発明の結合部断面積比の比較グラフ(0.7mm軸3・3号糸) 従来と本願発明の結合部断面積比の比較グラフ(0.9mm軸3・2号糸) 従来と本願発明の結合部断面積比の比較グラフ(0.9mm軸3・3号糸) 本願発明の釣り針(F部=平打ち加工部37、逃げM)の1実施例の断面図 本願発明の釣り針の1実施例各部位置・名称・寸法を示す斜視図 本願発明の釣り針の1実施例各部位置・名称・寸法を示す斜視図 本願発明の釣り針の1実施例各部位置・名称・寸法を示す斜視図 図38実施例の側面斜視図 図36・図37の各部断面積の数値及び軸3との断面積比較の表とモデル 図38の各部断面積の数値及び軸3との断面積比較の表とモデル 本願発明の釣り針の1実施例(請求項2)位置・名称・寸法の斜視図 本願発明の釣り針の1実施例(請求項3)位置・名称・寸法の斜視図 本願発明の釣り針の1実施例(請求項3)位置・名称・寸法の斜視図 本願発明の釣り針の1実施例(請求項1)の断面図 耳2(9・10)の起点Jと長さLを説明する模式図(請求項4) 本願発明の仕掛けに2個のオキアミ31を取り付けた模式図 太い軸3用オキアミ31の模式図(取り付け準備) 本願発明の仕掛けに2個のオキアミ40を取り付けた模式図 本願発明の仕掛けに多数個のオキアミ31・40を取り付けた模式図 本願発明の簡便な結合方法(クリンチノット)を示す模式図 本願発明の強化結合方法を示す模式図(結合中) 本願発明の強化結合部15を示す模式図(完成状態) 本願発明の強化結合部15を示す模式図(編みつけ後) 環状部にワイヤー16を結合して根付け45とした本願発明の1実施例の斜視図 本願発明の軸3の接合用穴42開け工程を示す断面図 本願発明の組み立てを示す断面図 本願発明の環状部構成金具36(板材)を接合した1実施例の斜視図 本願発明の環状部構成金具36(板材)を接合した1実施例の斜視図 図59実施例の側面からの斜視図 本願発明の長い耳2(9・10)の形状工夫を示す斜視図 本願発明の長い耳2(9・10)の形状工夫を示す断面図
符号の説明
1 釣り針 2 耳 3軸 4 腰曲がり 5 先曲がり 6 アゴ(モドシ・カエシ・バーブ) 7 針先 8 フトコロ 9 撞木の耳 10 丸耳 11 穴サラエの耳 12 管付(尻曲がり)の耳 13 ギザ耳 14 釣り糸 15 結合部 16 釣り糸(ワイヤー) 17 首振り結合部 18 眼 19 前頭部 20 頸溝 21 鰓 22 頭胸甲 23 頭胸部 24 第一腹節 25 尾節 26 副棘 27 尾肢 28 肛門前棘 29 胸脚 30 腹節 31 前処理した頭胸部付オキアミ 32 結合部15に共縛りした切れ込み入りナイロン 33 魚の口腔(上顎) 34 魚の口腔(下顎) 35 環状部構成金具(線材・金属撚り線含む) 36 環状部構成金具(板材) 37 平打ち加工部 38 中間軸 39 金属製部分隆起部 40 オキアミ腹部(腹節30の集まり) 41 編みつけ部 42 軸3に開けた接合用穴 43 根付け仕掛けの末端の環 44 釣り糸14の結合具 45 ワイヤー16や編み糸による根付け部
A 耳の端部点(フトコロ側接点) B 釣り糸14の結合点 C 釣り糸14の末端 C` 釣り糸14の末端を締める糸の輪 D 環状部結合穴径 E 環状部構成金具35の端部スロープ F 環状部構成金具35の曲げスロープ部 G 耳2(9・10)の末端 H 環状部と耳2(9・10)の末端Gとの距離 I 環状部の腰曲がり4側立ち上がり J 軸3径φより30%(1.3φ)に幅が増加した軸3側耳2(9・10)部位置 K 環状部構成金具35・36の耳2(9・10)側立ち上がり部 L Jより耳2(9・10)の末端Gまでの長さ M 軸3に設けた逃げ R 長い耳2(9・10)の曲げ形状の半径値 X 35・36を接合した部分の腰曲がり4側位置 Y 従来結合部・本願結合部の最大断面積位置 Z 環状部のフトコロ8側への突き出し高さ
θ 耳2のフトコロ8側面の軸3との交差角度 f 釣り糸14がそのテンションで耳2の端部点Aを押す力 m 逃げMの軸3側逃がし量 α1 中間軸38の耳2側軸3との交差角度 α2 中間軸38の腰曲がり4側軸3との交差角度 α 針先7が魚の口腔33に突入する角度 β 請求項2の軸3のオフセット量 γ 金属製部分隆起部39の基部の軸3方向長さ φ 耳2(9・10)の直近の軸3径

Claims (4)

  1. 専用釣り餌として前処理したオキアミ31・40を通し刺しにして使用する為の、フトコロ8が1箇所で且つ錘部や刺し針・保持軸等の付加軸や軸3の折り返し部等の通し刺しに対する障害部位が無く、且つ潰して平たくした部分に通し穴を持たない撞木の耳9や丸耳10等、フトコロ側から正面視して近傍の軸3径よりも幅を広げた平面・曲面又はその組み合わせの面をフトコロ8側に面して持つ耳2を軸3端部に備え、且つその軸3の耳2よりも腰曲がり4側のフトコロ8側正面に環状部(その環の構成の一部に軸3の一部を利用するものも含む)を設ける為の環状部構成金具35或いは36を接合し、且つ構成或いは接合された環状部が該軸3のフトコロ8側正面又は該耳2と針先7間に位置している事を特徴とする釣り針、その製造方法・使用方法及びその釣り針を釣り糸14(編み糸・金属撚り線等含む)と結合した仕掛け、その釣り糸14との結合方法及び仕掛けに解凍した生オキアミ又はボイルオキアミの、少なくとも尻尾(尾節25・副棘26・尾肢27)及びその近傍の腹節30を取り去った残りの腹節30と一連の頭胸部23(眼18・鰓21・胸脚29等を含む)を含むオキアミ31、又は頭胸部23等も取り去った残りの腹部(腹節の集まり)であるオキアミ40等を、少なくとも先に釣り針に通した一部分は耳2(9・10)よりも釣り糸14(釣り人)側まで達するように、2個以上直列に軸3部又は腰曲がり4部迄通し刺しにして取り付ける使用方法
  2. 軸3の腰曲がり4部側に対して軸3の耳2部側を、フトコロ8と反対側に且つその中間軸38部の耳2側軸3との交差角度α1・同じく腰曲がり4側軸3との交差角度α2が共に45度以下で、且つ腰曲がり4側軸3外径のフトコロ側の延長線上から耳2側軸3のフトコロ側外径までの最小距離βを、該環状部のフトコロ8側への突き出し高さZ以上3Z以下の量としてオフセットさせて、フトコロ8寸法を補正した請求項1に記載の釣り針、その製造方法・使用方法及びその釣り糸14と結合した仕掛け、その釣り糸14との結合方法及び仕掛けにオキアミ31・40を取り付ける使用方法
  3. 軸3に接合した環状部と対として、軸3に対して該環状部と略同位相且つ腰曲がり4側に、腰曲がり4側から環状部に向かうにつれて断面積が暫増する、その接合基部の周方向長さが軸3の円周の1/3未満で、且つその最大高さは該環状部の高さZ以下で、且つ軸3方向の基部長さγは4Z以下となる金属製部分隆起部39を接合した請求項1,2に記載の釣り針、その製造方法・使用方法及びその仕掛け、その釣り糸14との結合方法及び仕掛けにオキアミ31・40を取り付ける使用方法
  4. フトコロ8側から正面視した場合に、軸3から潰した耳2(9・10)の端部Gに向かう方向に直交する耳2の幅が、該耳2の直近の軸3径φ(円でない異形の場合、最大径)より30%大きくなった位置Jから、耳2の端部Gまで伸長する方向の長さLを、該軸3径φの4倍を超える長さとした請求項1,2,3に記載の釣り針、その製造方法・使用方法及びその仕掛け、その釣り糸との結合方法及び仕掛けにオキアミ31・40を取り付ける使用方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7617629B2 (en) * 2007-02-17 2009-11-17 Roldan Orozco Lizardo Easy steelie hook
CN108094346A (zh) * 2018-01-24 2018-06-01 粟必雄 一种防挂底的炸弹钩
WO2020218310A1 (ja) 2019-04-22 2020-10-29 ニプロ株式会社 医薬製剤の製造方法

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