JP2006140280A - 低反射性導電膜の製造方法、電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 - Google Patents

低反射性導電膜の製造方法、電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 Download PDF

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信吾 大野
Hideo Sugiyama
秀夫 杉山
Masahito Yoshikawa
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Abstract

【課題】溶液及び浸漬槽を用いることなく、金属層上に金属硫化物よりなる防眩層を容易かつ低コストに形成することができる低反射性導電膜の製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板1上に、溶剤に可溶な物質を用いてドット2を形成する。該溶剤に不溶な導電層3を形成した後、該溶剤により、ドット2及びドット2上に形成された導電層3を除去する。その後、メッキ処理により金属層4を設ける。硫黄を含有した未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物5を金属層4の表面に密着させ、加熱して加硫処理を施す。加硫工程において、ゴム組成物5中の硫黄と金属層4の金属との反応で、金属層4の表面が硫化され、金属層4の表面に金属硫化物よりなる防眩層6が形成される。その後、加硫によって硬化したゴム組成物5を金属層4から剥がし、必要により表面を洗浄することにより、電磁波シールド性光透過窓材10が製造される。
【選択図】図1

Description

本発明はPDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用な低反射性導電膜の製造方法と、この低反射性導電膜を備えた電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法に関する。
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題となっている。
そこで、従来、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主に、金網のような導電性メッシュ材又は透明導電性フィルムをアクリル板等の透明基板の間に介在させて一体化した構成とされている。しかし、この電磁波シールド性光透過窓材では、光透過性が悪いという欠点がある。
即ち、従来の電磁波シールド性光透過窓材に用いられている導電性メッシュは、一般に線径10〜500μmで5〜500メッシュ程度のものであり、開口率は75%未満である。従来用いられている導電性メッシュは、一般に、メッシュを構成する導電性繊維の線径が太いものは目が粗く、線径が細くなると目が細かくなっている。これは、線径の太い繊維であれば、目の粗いメッシュとすることは可能であるが、線径の細い繊維で目の粗いメッシュを形成することは非常に困難であることによる。このため、このような導電性メッシュを用いた従来の電磁波シールド性光透過窓材では、光透過率の良いものでも、高々70%程度であり、良好な光透過性を得ることができないという欠点があった。
また、従来の導電性メッシュでは、電磁波シールド性光透過窓材を取り付ける発光パネルの画素ピッチとの関係で、モアレ(干渉縞)が発生し易いという問題もあった。
電磁波シールド性、及び光透過性に優れ、モアレ現象の問題もない電磁波シールド性光透過窓材として、特開2002−374094号公報には、透明基板上に導電性パターンを形成し、このパターン上に金属メッキ層を形成することにより、メッシュ形状の導電膜を形成したものが提案されている。この方法であれば、メッシュを構成する線径及び開口率の自由度が高く、電磁波シールド性及び光透過性に優れ、またモアレ現象を抑えた導電膜を形成することができる。
ところで、金属は高い導電性を有しているが、一般に可視光領域の光の殆どを反射するため、金属特有のぎらぎらした反射感により、金属膜を形成した電磁波シールド性光透過窓材では視認性が悪いという欠点がある。特に、電磁波シールド性光透過窓材をPDP等のディスプレイの前面に配置した場合、金属の反射感により著しく視認性が低下する。
従来、この金属による光の反射を防止するために、金属層の表面に防眩層を形成することが行われており、その一手法として、金属の硫化処理がある。従来の硫化処理は、金属膜を形成した透明基板を、硫黄を含む溶液に浸漬して金属膜の表面を硫化することにより行われている。このような硫化処理により、黒色の金属硫化物よりなる防眩層が形成され、光の反射が防止される。
特開2002−374094号公報
しかしながら、上記従来の硫化処理法では、溶液を使用するため、廃液処理が必要となり、また、廃液による環境への影響も懸念される。また、浸漬槽を用いるものであり、特に大面積の電磁波シールド性光透過窓材の処理のためには大容量の浸漬槽が必要となる。このため、処理設備面積、処理コスト等の面において工業的に不利である。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、溶液及び浸漬槽を用いることなく、金属層上に金属硫化物よりなる防眩層を容易かつ低コストに形成することができる低反射性導電膜の製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、このような低反射性導電膜を有する電磁波シールド性光透過窓材を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の低反射性導電膜の製造方法は、金属層上に金属硫化物よりなる防眩層が形成されている低反射性導電膜を製造する方法において、金属層の表面に硫黄を含有する未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物を密着させ、加熱により該金属層の表面を硫化させて硫化物よりなる防眩層を形成し、その後、該ゴム組成物を除去することを特徴とするものである。
請求項2の低反射性導電膜の製造方法は、請求項1において、前記金属層はAu,Ag,Cu及びAlの少なくとも1種の金属又は合金よりなることを特徴とするものである。
本発明(請求項3)の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、透明基板上に低反射性導電膜が形成されてなる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、該低反射性導電膜は金属層上に金属硫化物よりなる防眩層が形成されている低反射性導電膜よりなる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法において、該透明基板上に金属層を形成し、該金属層の表面に硫黄を含有する未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物を密着させ、加熱により該金属層の表面を硫化させて硫化物よりなる防眩層を形成し、その後、該ゴム組成物を除去することを特徴とするものである。
請求項4の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項3において、前記金属層はAu,Ag,Cu及びAlの少なくとも1種の金属又は合金よりなることを特徴とするものである。
請求項5の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項3又は4において、低反射性導電膜がストライプ状又はメッシュ状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項6の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項3ないし5のいずれか1項において、硫化前の金属層の厚さが0.1〜10μmであることを特徴とするものである。
請求項7の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項3ないし6のいずれか1項において、防眩層の厚さが0.01〜3.0μmであることを特徴とするものである。
本発明(請求項8)の電磁波シールド性光透過窓材は、請求項3ないし7のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造されたものである。
請求項9の電磁波シールド性光透過窓材は、請求項8において、PDP用であることを特徴とするものである。
本発明の低反射性導電膜及び電磁波シールド性光透過窓材の製造方法においては、金属層の表面に硫黄を含有する未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物を密着させた状態で加熱することにより、該金属層の金属を、ゴム組成物中の硫黄と反応させ、金属層の表面に金属の硫化物よりなる防眩層を形成する。このように、防眩層の形成に際し、溶液を用いることがないため、廃液処理や浸漬槽も不要となり、設備スペースの削減、処理コストの低減を図ることができ、また、環境への影響も少ない。
本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、金属層を有するため電磁波シールド性に優れると共に、防眩層を有するため防眩性に優れたものとなる。また、この金属層を特開2002−374094号公報記載の方法に従って、導電性パターンへのメッキ処理により形成することにより、光透過性、電磁波シールド性に優れ、モアレ現象の問題もない電磁波シールド性光透過窓材を提供することができる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を示す断面図である。
この電磁波シールド性光透過窓材10は、図1(f)の通り、透明基板1と、この透明基板1上に所定パターンにて形成された導電層3、金属層4及び防眩層6よりなる低反射性導電膜7とを有する。
この電磁波シールド性光透過窓材10を製造するには、先ず、透明基板1上に、溶剤に可溶な物質を用いてドット2を形成する(図1(a))。次に、該溶剤に不溶な導電層3を形成した後(図1(b))、該溶剤により、ドット2及びドット2上に形成された導電層3を除去する(図1(c))。その後、メッキ処理により金属層4を設ける(図1(d))。次いで、硫黄を含有した未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物5を金属層4の表面に密着させ(図1(e))、加熱して加硫処理を施す。この加硫工程において、ゴム組成物5中の硫黄と金属層4の金属との反応で、金属層4の表面が硫化され、金属層4の表面に金属硫化物よりなる防眩層6が形成される。その後、加硫によって硬化したゴム組成物5を金属層4から剥がし、必要により表面を洗浄することにより、電磁波シールド性光透過窓材10が製造される(図1(f))。
前記透明基板1の材質としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はないが、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げられる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂フィルムが好ましい。透明基板1は、樹脂フィルムに限らず、ガラス板であっても良い。
前記透明基板1の厚みとしては、電磁波シールド性光透過窓材10の用途等によっても異なるが、一般的には1μm〜5mm程度が好ましい。
ドット2は、溶剤に可溶な物質を用いて形成される。本実施の形態においては、このような溶剤に可溶な物質を用いて、透明基板1上にドット2を形成した後、該溶剤に不溶な導電層3を形成し、前記溶剤により、ドット2及びドット2上に形成された導電層3を除去する。これにより、透明基板1上で、ドット2が形成された領域以外の領域に形成された導電層3を残すことにより、透明基板1上に、所定パターンの導電層3が形成される。
従って、前記ドット2の形成に使う材質は、後の除去に用いる溶剤との関係で相対的に選択する。例えば、溶剤として水系溶剤を用いる場合には水溶性物質が用いられ、溶剤として油系溶剤を用いる場合には油溶性物質が用いられる。前記溶剤としては、公知の有機溶剤等も挙げられるが、安価で、環境への影響を考慮すると、水が特に好ましい。該水としては、通常の水(水道水、蒸留水、イオン交換水等)のほか、酸、アルカリ、界面活性剤等を含んだ水溶液であってもよい。
前記溶剤が水である場合、前記ドット2の形成に使う材質としては、水溶性樹脂等が好ましく、特に、良好な水溶性を有する点で、ポリビニルアルコールが好ましい。該ドット2の形成に用いる材質には、所望により、仕上がり状況を確認し易くするために顔料や染料等を混合してもよい。
前記ドット2の形成方法としては、特に制限はなく、印刷、塗布、蒸着等の公知のパターン形成方法が挙げられる。これらの中でも、より好適に、線幅が小さくかつ開口率の高い導電層等を形成可能な点で、印刷が好ましい。該印刷手法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、静電印刷等が挙げられ、これらの中でも、より導電層等の細線化が可能な点で、グラビア印刷が特に好ましい。該印刷においては、開口率の高い格子状の導電層をより好適に形成可能な点で、ネガパターン印刷により形成するのが特に好ましい。尚、「開口率」とは、格子状の導電層における格子の線幅、及び、1インチ幅に存在する格子(線)の数から、計算により求めた値である。
このような溶剤に可溶な物質を用いて形成されるパターンの形状としては、特に制限はなく、図1に示すドット2、即ち、円、楕円、角形(四角形など)等のドット状のほか、ライン状、格子状等が挙げられるが、格子状の導電層が好適に形成され、開口率がより高く格子の線幅がより均一となる点で、四角形のドット状が好ましく、正方形のドット状が特に好ましい。該ドット2が四角形の場合、その一辺の長さとしては、100〜500μm程度が好ましく、ドット間の間隙としては、より線幅の小さい格子状の導電層を形成し得る点で、狭いのが好ましく、1〜50μm程度が好ましく、得られる格子状の導電層における線幅が30μm以下となる程度の間隙が特に好ましい。前記ドット2等のパターンの厚みとしては、特に制限はないが、0.1〜5μm程度が好ましい。
前記ドット2の形成に用いる材質には、導電性微粒子等を分散させる必要がないため、該ドット2の形成に用いる材質は低粘度である。従って、前述のようにドット間の間隙を極めて小さくしたドット2を容易に形成することができる。ドット2間の領域は、導電層3が形成される領域となるため、本実施の形態においては、線幅が小さく、微細で精密で、開口率の高い格子状の導電層3が好適に形成される。
導電層3としては、前記溶剤に不溶であって、導電材を含んでいれば特に制限はなく、該導電材としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等の金属、合金、或いはITO等の導電性酸化物等が好適に挙げられる。
前記導電層3の厚みとしては、100〜10000Åが好ましく、100〜1000Åがより好ましい。前記厚みが、100Å未満であると、電磁波シールド性能が充分でないことがある一方、10000Åを超えると、溶剤で除去する際、溶剤が充分に浸透せず除去効率が悪かったり、除去が不充分で精密な導電層が形成されない等の問題が生ずることがある。
前記導電層3の形成方法としては、特に制限はないが、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着等の気相メッキ法や、液相メッキ(電解メッキ、無電解メッキ等)、印刷、塗布等が挙げられるが、気相メッキ(スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着)及び液相メッキ等が好ましい。
導電層3の除去においては、前記溶剤により、前記ドット2及び該ドット2上に形成された導電層3を除去する。前記除去の方法としては、前記ドット2及びドット2上に形成された導電層3を好適に取り除くことができれば特に制限はないが、例えば、前記溶剤による洗浄等が挙げられる。該洗浄の際には、所望により、超音波照射ブラシ、スポンジ等の溶解促進手段等を併用してもよい。前記除去により、溶剤に可溶な物質で形成されたドット2が溶解し、更に、該ドット2上に形成された導電層3がドット2の溶解に伴い剥離し、ドット2,2間の領域に形成された導電層3のみが剥離せずに残存し、所望により仕上げ洗浄(リンス)し、乾燥させることにより、開口率が高く精密な形状の導電層3が得られる。
このようにして、溶剤によりドット2とドット2上の導電層3を除去した後は、メッキ処理によりパターン形状の導電層3上に金属層4を設ける。本実施の形態においては、このようにしてメッキ処理を行なうことにより、電磁波シールド効果を高めることができるため、前記導電層3の厚みを前述のような小さい値に抑えることができる。従って、前記溶剤による除去の際、導電層3に溶剤を充分に浸透させることができ、開口率の高い導電層3が形成される。また、導電層3形成の際の時間及びコストの大幅な削減が可能となる。
前記メッキ処理に用いる材質としては、金属層4が優れた電磁波シールド効果を有すれば特に制限はないが、例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀、及び、金、アルミニウム等の金属が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよく、2種以上の合金として使用されてもよい。好適には、金、銀、銅及びアルミニウムの少なくとも1種の金属又は合金が使用される。
金属層4を形成した後は、硫黄を含有する未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物5を金属層4の表面に密着させ、加熱して加硫処理を施す。このゴム組成物5としては、加硫剤としての硫黄を含有するものであれば良く、ゴム種や組成等に特に制限はないが、硫黄の含有量は、ゴム100重量部に対して0.2〜50重量部(PHR)特に0.5〜10重量部(PHR)程度のものであることが好ましい。この硫黄含有量が少な過ぎると金属層4の表面を効率的に硫化させることができず、多過ぎると金属の硫化速度が速くなりすぎ、粗く、脆い硫化膜となる。なお、通常、ゴム種としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(BR)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリロ・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、クロロプレンゴム(CR)、イソブチレン・イソプレン共重合ゴム(IIR)等が好ましく、このゴム組成物には、硫黄以外に、通常含有される加硫促進剤や老化防止剤、オイル、ワックス、フィラー等のゴム用添加剤を含有していても良い。
このゴム組成物は未加硫であることが必要とされるが、一部加硫されていても良い。
また、加硫時の加熱条件は、当該ゴム組成物の加硫条件により適宜決定されるが、通常70〜180℃で5〜60分程度とすることが好ましい。
2〜15MPa程度の圧力でゴム組成物を透明基板1に押圧させた状態で加硫処理を施してもよい。
ゴム組成物5は、金属層4を覆うように透明基板1上に設ければ良く、その使用量には特に制限はないが、透明基板1上の被覆厚みとして0.2〜2mm程度とすることが硫化効率及び経済性の面で好ましい。
なお、硫化前の金属層4の厚みとしては、0.1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。前記厚みが0.1μm未満であると、十分な電磁波シールド効果を付与できないと共に、該金属層4の硫化により所望厚さの防眩層6を形成することができない。一方、10μmを超えると、該メッキは、金属層4の形成に際し、巾方向にも広がることから、線幅が太くなり、開口率が低くなってしまうことがある。
また、防眩層6の厚みとしては0.01〜3.0μmが好ましく、0.1〜3.0がより好ましく、0.5〜1.0μmが特に好ましい。防眩層の厚みが薄過ぎると、十分な反射防止効果を得ることができず、厚過ぎると、相対的に金属層4の厚みが低減して、電磁波シールド性が低下することとなる。
このようにして防眩層6を形成した後は、必要に応じて洗浄を行って電磁波シールド性光透過窓材10を得る。
本実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法によると、防眩層6の形成に際し、溶液を用いることがないため、廃液処理や浸漬槽の用意をする必要がなく、環境にやさしく、容易かつ低コストにて電磁波シールド性光透過窓材10を製造することができる。製造された電磁波シールド性光透過窓材10は、金属層4を有するため電磁波シールド性に優れると共に、防眩層6を有するため防眩性に優れたものとなる。
本実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法によれば、メッキ処理により金属層4を形成することにより、優れた電磁波シールド効果を付与し得ることから、導電層3の厚みを薄くすることが可能となる。このため導電層3の除去の際、充分に除去可能で開口率の高い導電層3が形成可能であると共に、導電層3の形成の際の蒸着・スパッタ等に必要とされる時間が削減でき、低コストにて効率良く、光透過性及び電磁波シールド性の双方に優れた電磁波シールド性光透過窓材が提供される。従って、モアレ現象が防止されると共に、光透過性及び電磁波シールド性に優れた電磁波シールド性光透過窓材が効率的に製造される。
なお、前記開口率としては、75%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。前記開口率が、75%に満たないと、光透過性が不充分となる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
図1に示す方法に従って、電磁波シールド性光透過窓材を製造した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(透明基板、厚み:250μm)よりなる透明基板1上に、ポリビニルアルコールの20重量%水溶液を用いてドット状に印刷し、ドット2を形成した。形成されたドットは、1辺が234μmの正方形状であり、ドット間の間隙は20μm、ドットの厚みは2μmであった。また、ドットは、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、正方格子状に規則的に配列させた。
その上に、銅を真空蒸着し、導電層(厚み:1000Å)3を形成した。次に、水により、ドット2及びドット2上に形成された導電層3を洗浄して除去し、乾燥させて格子状導電層3を形成した。その後、無電解銅メッキ処理により、金属層(厚み:3μm)4を設けた。
次に、硫黄を含有した下記組成の未加硫のゴム組成物(厚さ1mm)5を金属層4の表面に3MPaの圧力で押圧して密着させた状態において、100℃で20分間加熱して加硫処理を行った。その後、加硫によって硬化したゴムを金属層4から剥がし、トルエン、アセトンによって洗浄することにより、電磁波シールド性光透過窓材を得た。
<ゴム組成物組成>
天然ゴム:100重量部
硫黄 :3重量部
加硫促進剤(M:メルカプトベンゾチアゾール):1重量部
亜鉛華 :3重量部
比較例1
防眩層を形成しなかったほかは、実施例1と同様にして、電磁波シールド性光透過窓材を得た。
実施例1及び比較例1の電磁波シールド性光透過窓材について、以下の方法で防眩性の評価、電界シールド効果の測定、磁界シールド効果の測定及び開口率(%)の測定・算出を行ったところ、いずれも、電界シールド効果は約45dB、磁界シールド効果は約35dB、開口率(%)は92%で同等であったが、比較例1の電磁波シールド性光透過窓材は防眩性に劣り、金属の反射で視認性が劣るものであったのに対し、実施例1の電磁波シールド性光透過窓材は防眩性に優れ、良好な視認性を示した。
<防眩性の評価>
電磁波シールド性光透過窓材をPDPに装着し、光の反射による眩しさの有無を目視により調べた。
<電界シールド効果(dB)の測定>
15cm×15cmに切り出した電磁波シールド性光透過窓材について、周波数100MHzの条件でKEC法により測定した。測定には、シールド特性評価装置(アンリツ社製)を用いた。
<磁界シールド効果(dB)の測定>
磁界シールド効果(dB)を、上記電界シールド効果(dB)の測定と同様にして測定した。
<開口率(%)の測定・算出>
日立分光光度計(U−4000;日立製作所社製)を用い、電磁波シールド性光透過窓材について、波長550nmの光線透過率を測定し、空気界面での反射によるロスをキャンセルし、開口率とした。
実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2 ドット
3 導電層
4 金属層
5 ゴム組成物
6 防眩層
7 低反射性導電膜
10 電磁波シールド性光透過窓材

Claims (9)

  1. 金属層上に金属硫化物よりなる防眩層が形成されている低反射性導電膜を製造する方法において、
    金属層の表面に硫黄を含有する未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物を密着させ、加熱により該金属層の表面を硫化させて硫化物よりなる防眩層を形成し、その後、該ゴム組成物を除去することを特徴とする低反射性導電膜の製造方法。
  2. 請求項1において、前記金属層はAu,Ag,Cu及びAlの少なくとも1種の金属又は合金よりなることを特徴とする低反射性導電膜の製造方法。
  3. 透明基板上に低反射性導電膜が形成されてなる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、
    該低反射性導電膜は金属層上に金属硫化物よりなる防眩層が形成されている低反射性導電膜よりなる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法において、
    該透明基板上に金属層を形成し、
    該金属層の表面に硫黄を含有する未加硫又は一部未加硫状態の残っているゴム組成物を密着させ、加熱により該金属層の表面を硫化させて硫化物よりなる防眩層を形成し、その後、該ゴム組成物を除去することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  4. 請求項3において、前記金属層はAu,Ag,Cu及びAlの少なくとも1種の金属又は合金よりなることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  5. 請求項3又は4において、低反射性導電膜がストライプ状又はメッシュ状に形成されていることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  6. 請求項3ないし5のいずれか1項において、硫化前の金属層の厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  7. 請求項3ないし6のいずれか1項において、防眩層の厚さが0.01〜3.0μmであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  8. 請求項3ないし7のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材。
  9. 請求項8において、PDP用であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材。
JP2004327865A 2004-11-11 2004-11-11 低反射性導電膜の製造方法、電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 Pending JP2006140280A (ja)

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