JP2006139221A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基準トナー像に対する反射光量検知箇所にかかわらず、基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を正確に検知することができる複写機を提供する。
【解決手段】 各画素に対するトナー付着量を変化させて画像の濃度階調を再現し、基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量をその基準トナー像の光反射量に基づいて検知するトナー付着量検知手段とを備える複写機において、感光体ににおけるトナー像形成領域を所定数の1画素領域の集合である画素群区画で区分けし、トナーを付着させる1画素領域であるトナー付着画素と、トナーを付着させない1画素領域であるトナー未着画素との配列パターンからなるトナー付着画素パターン(例えば図5(c)や図5(d))が、各画素群区画間で互いに同じパターンになるように各画素群区画にトナーを付着させて得たトナー像を、基準トナー像として作像するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、次のような画像形成装置に関するものである。即ち、潜像を現像して得た基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量をその基準トナー像の光反射量に基づいて検知し、検知結果に基づいて所定の制御を実施する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置である。
従来、この種の画像形成装置において、所定のタイミングで基準トナー像を形成し、これに対するトナー付着量に基づいて、電界形成条件を適宜変更するものが知られている。この電界形成条件とは、潜像担持体の非画像部の電位や、潜像担持体の潜像にトナーを供給する現像ローラ等の現像部材の表面電位などである。基準トナー像に対するトナー付着量に基づいて電界形成条件を変更する画像形成装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置では、基準トナー像に対するトナー付着量を検知すべく、基準トナー像の反射光量を反射型フォトセンサによって検知する。そして、検知結果に基づいて、現像能力を判断した上で、必要に応じて電界形成条件を変更する。かかる構成では、環境やトナーの性状の変動などよって現像能力(単位電界強度あたりのトナー付着量)が変化しても、電界形成条件を適宜調整することで、出力画像に対するトナー付着量を安定させて一定の画質を得ることができる。
特開2002−10808号公報
しかしながら、本発明者らは、かかる構成の画像形成装置について鋭意研究を行った結果、基準トナー像に対する反射光検知箇所によっては、反射光量の検知結果が現像能力を正確に反映しなくなることを見出した。具体的には、1画素あたりにおけるトナー付着量を変化させることで画像の濃度階調を再現するいわゆる多値化処理を行う画像形成装置では、感光体等の潜像担持体に形成される潜像に、いわゆるエッジ効果が現れる。このエッジ効果とは、潜像の中央部よりも周縁部で電界強度が高くなる現象である。これにより、基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量は、像中央部よりも像周縁部の方が大きくなる。すると、像中央部のトナー付着量と、像周縁部のトナー付着量とを比較した場合、前者の方が像全体としての平均的なトナー付着量に近い値となる。そして、像周縁部の反射光量の検知結果は、トナー像全体としての平均的なトナー付着量を正確に反映しなくなる。よって、反射光量の検知結果として、像周縁部に対応するものを用いた場合には、現像能力を適切に判断することができなくなるおそれがある。
一方、従来より、トナーとしてK(ブラック)トナーを用いる場合には、基準トナー像として、Kトナー付着量の比較的多い高濃度のものではなく、中間調のものを形成することが一般的であった。Kトナーでは、基準トナー像の単位面積あたりのKトナー付着量が多くなるほど、基準トナー像の反射光量がKトナー付着量を正確に反映しなくなるからである。ところが、本発明者らは鋭意研究を行った結果、中間調の基準トナー像に対するKトナー付着量に合わせて電界形成条件を調整すると、定着不良やコールドオフセットが生じ易くなることを見出した。コールドオフセットとは、定着処理時の熱量の不足により、トナー像内の各トナー粒子を十分に軟化させることができずに、一部のトナー粒子を定着ローラ等の定着部材に転移させてしまう現象である。画像形成速度の高速化に伴って、定着処理を短時間で行うようになって来ている近年においては、たとえ低融点トナーを用いたとしても、定着速度と熱量とトナー量とのバランスをコントロールすることが難しい。このため、かかるコールドオフセットや定着不良が生じ易くなる傾向にある。
中間調の基準トナー像に対するKトナー付着量に合わせて電界形成条件を調整すると、コールドオフセットや定着不良が生じ易くなる理由は、次の通りであることがわかった。即ち、コールドオフセットや定着不良は、単位面積あたりにおけるトナー付着量が比較的多くなる高濃度画像で生ずる。このため、コールドオフセットや定着不良の発生を抑えるためには、高濃度画像に対する現像能力を安定化させて、高濃度画像に対するトナー付着量を過剰にしないように維持する必要がある。しかしながら、上述したように、高濃度画像に対するトナー付着量を正確に検知することができないために、電界形成条件については中間調の基準トナー像に対する現像能力に合わせて設定せざるを得ない。このような設定では、現像剤のトナー濃度によっては、高濃度画像に対する現像能力を過剰にしていたことがわかった。具体的には、基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量は、現像剤のトナー濃度に応じて変化する。中間調の基準トナー像に対するKトナー付着量に基づいて電界形成条件が設定される際には、電界形成条件はその都度、そのときのKトナー濃度に見合った値になる。現像剤のKトナー濃度が常に所定濃度である場合、電界形成条件は、その所定濃度に見合った値になるが、現像剤のKトナー濃度の目標濃度は現像能力などに基づいて定期的に補正される。このため、上記電界形成条件は、いつも同じKトナー濃度に見合った値に設定されるわけではない。本発明者は、現像剤のKトナー濃度を変化させながら、各トナー濃度において、中間調の基準トナー像に対するトナー付着量を互いに同じ値にするように電界形成条件を適宜変更して、各トナー濃度における適切な電界形成条件を調べた。そして、再び現像剤のKトナー濃度を変化させながら、各トナー濃度においてそれぞれ適切な電界形成条件で高濃度画像を出力してみた。すると、Kトナー濃度によっては、高濃度画像に対するKトナー付着量が過剰になってコールドオフセットや定着不良を引き起こしてしまった。これは、現像剤のKトナー濃度によっては、中間調画像の現像に適した電界形成条件が高濃度画像の現像には適さなくなることを示している。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その第1の目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、基準トナー像に対する反射光量検知箇所にかかわらず、基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を正確に検知することができる画像形成装置である。
また、その第2の目的とするところは、上記第1の目的に加えて、中間調の基準トナー像に対するKトナー付着量に基づいて電界形成条件を調整する場合において、Kトナーによって形成される高濃度画像のコールドオフセットや定着不良を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
上記第1の目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を担持する潜像担持体、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段、及び該潜像担持体の潜像をトナー像に現像する現像手段を有する作像手段と、該現像手段によって現像された基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を該基準トナー像の光反射量に基づいて検知するトナー付着量検知手段とを備え、各画素に対するトナー付着量を変化させて画像の濃度階調を再現する画像形成装置において、上記潜像担持体におけるトナー像形成領域を所定数の1画素領域の集合である画素群区画で区分けし、トナーを付着させる1画素領域であるトナー付着画素と、トナーを付着させない1画素領域であるトナー未着画素との配列パターンからなるトナー付着画素パターンが、各画素群区画間で互いに同じパターンになるように各画素群区画にトナーを付着させて得たトナー像を、上記基準トナー像として作像するように、上記作像手段を構成したことを特徴とするものである。
また、上記第2の目的を達成するために、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置であって、上記現像手段がトナー及び磁性キャリアを含有する現像剤を用いて上記潜像を現像するものであり、且つ、上記トナー付着画素パターンが、上記画素群区画を、互いに連続して並ぶトナー付着画素の集合からなる連続付着領域と、互いに連続して並ぶトナー未着画素の集合からなる連続未着領域とを1つずつ有するパターンであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記作像手段として、上記潜像担持体と現像手段との間の電界によって該現像手段内のトナーを該潜像担持体に付着させるものであって、且つ上記トナー付着量検知手段による検知結果に基づいて該電界の形成条件を変化させるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記現像手段内の現像剤にトナーを補給するトナー補給手段を設け、上記作像手段として、上記トナー付着量検知手段による検知結果に基づいて、上記画素群区画内における上記連続付着領域と上記連続未着領域との面積比と、該トナー補給手段によるトナー補給量とを変化させるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2乃至4の何れかの画像形成装置であって、重合法によって製造され、体積平均粒径が7[μm]以下であり、且つバインダー樹脂のガラス転移温度が50〜70[℃]であるトナーを、上記現像手段に補給するためのトナーを収容するトナー収容部に収容していることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2乃至4の何れかの画像形成装置であって、上記現像剤に補給するためのトナーとして、重合法によって製造され、体積平均粒径が7[μm]以下であり、且つバインダー樹脂のガラス転移温度が50〜70[℃]であるものが指定されていることを特徴とするものである。
これらの発明においては、基準トナー像として、その全画素に対してトナーを付着させたものでなく、所定数の1画素領域の集合で区画した画素群区画内にトナー付着画素とトナー未着画素とを設けつつ、各画素群区画に対して、互いに同じ共通したトナー付着画素パターンでトナーを付着させる。本発明者は、後述する実験により、かかる基準トナー像では、その中央部と周縁部とで反射光量がほぼ同じになり、且つそれぞれトナー像全体におけるトナー付着量を正確に反映するようになることを見出した。よって、請求項1乃至6の発明においては、基準トナー像に対する反射光量検知箇所にかかわらず、基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を正確に検知することができる。
また、請求項2乃至6の発明においては、基準トナー像として、画素群区画内でトナー付着画素とトナー未着画素とを交互あるいはランダムに配設したトナー付着画素パターンのものではなく、互いに連続するトナー付着画素の集合である連続付着領域と互いに連続するトナー未着画素の集合である連続未着領域とに2分するトナー付着画素パターンのものを形成する。本発明者は、後述する実験により、このような中間調の基準トナー像の現像に適した電界形成条件が、トナー濃度にかかわらず、高濃度画像の現像にも適したものになり、高濃度画像に対するKトナー付着量の過多を抑え得ることを見出した。よって、請求項2乃至6の発明においては、Kトナー濃度にかかわらず、中間調の基準トナー像に対するKトナー付着量に基づいて、高濃度画像を現像する際の現像電界を適切に設定して、Kトナーによる高濃度画像のコールドオフセットや定着不良を抑えることができる。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザー複写機(以下、単に「複写機」という)の一実施形態について説明する。
まず、本複写機の基本的な構成について説明する。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置(以下、ADFという)400なども備えている。
上記プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y,C,M,Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY,C,M,Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y,C,M,Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、2次転写装置22、レジストローラ対49、給紙カセット20、ベルト定着方式の定着ユニット25などが配設されている。
[光書込ユニット]
上記光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザー光を照射する。
[プロセスカートリッジ]
図2は、上記プロセスカートリッジ18Y,C,M,Kのうち、Y用のプロセスカートリッジ18Yと、C用のプロセスカートリッジ18Cとの概略構成を示す拡大図である。なお、他のプロセスカートリッジ18M,Kについても、トナーの色が異なる点以外はそれぞれ同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。同図において、トナー像を生成する像生成部たるプロセスカートリッジ18Yは、ドラム状の感光体40、帯電器60、現像器61、ドラムクリーニング装置63、除電器64などを有している。
帯電手段たる上記帯電器60は、感光体40Yに対して、帯電バイアスが印加されながら回転駆動せしめられる回転帯電部材たる帯電ローラを所定の微小ギャップを介して対向させている。そして、この微小ギャプにて、帯電ローラから感光体40Yに放電を生じさせて、感光体40Yを一様帯電せしめる。帯電ローラを回転させるのは、放電直後のローラ表面を微小ギャップから退避させるとともに、放電していないローラ表面を微小ギャップに進入させることで、安定した放電を生じさせるためである。帯電回転部材としては、帯電ローラの他、帯電ドラムやローラ状の帯電ブラシなどを用いることができる。本複写機では、帯電ローラからの放電によって、感光体40Yの表面を−600[V]程度に一様帯電せしめるようになっている。
帯電処理が施された感光体40Yの表面には、上記光書込ユニット(21)によって変調及び偏向されたレーザー光Lが照射される。すると、照射部(露光部)の電位が−150〜−500[V]程度まで減衰する。この減衰により、感光体40Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像器61によって現像されてYトナー像となる。
潜像担持体たる感光体40Yは、例えばアルミニウム等からなる素管に、感光性を発揮する有機感光材からなる感光層が被覆され、更にこの上に電荷輸送層が被覆されたドラム状のものである。ドラム状のものに代えて、ベルト状のものを採用してもよい。
現像器61は、ケーシング70内に現像部67と攪拌部66とを有している。現像部67には、ケーシング70の開口から周面の一部を露出させる現像スリーブ65や、ドクターブレード73などが設けられている。
現像剤担持体たる筒状の現像スリーブ65は、非磁性材料からなり、その表面がサンドブラスト処理等によって粗面化せしめられたものである。この粗面化により、現像剤搬送能力が高められている。粗面化の代わりに、表面に微小の溝を設けてもよい。現像スリーブ65は、図示しない駆動手段によって回転せしめられるようになっている。このように回転駆動せしめられる現像スリーブ65の内部には、マグネットローラ72がスリーブに連れ回らないように固定されている。このマグネットローラ72は、その周方向に分かれる複数の磁極を有している。これら磁極の影響により、現像スリーブ65の周囲上には磁界が形成される。
現像器61の攪拌部66には、2つの搬送スクリュウ68、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)71などが設けられており、磁性キャリアと、マイナス帯電性のYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は、2つの搬送スクリュウ68によって図中奥行き方向に撹拌搬送されて摩擦帯電せしめられる。この攪拌搬送の際、現像スリーブ65の表面に対してその軸線方向に接触する。すると、スリーブ表面から攪拌部66内に向けて伸びている磁界の影響によって現像スリーブ65の表面に担持され、スリーブ表面の回転に伴って攪拌部66内から汲み上げられる。そして、スリーブ表面の回転に伴ってドクターブレード73との対向位置まで搬送される。この対向位置において、Y現像剤は、現像スリーブ65とドクターブレード73との間隙であるドクターギャップをすり抜ける際に層厚が規制されるとともに、トナーの摩擦帯電が助長される。
上記ドクターギャップをすり抜けたY現像剤は、スリーブ表面の回転に伴って、感光体40Yに対向する現像領域に至る。この現像領域では、感光体40Yと現像スリーブ65とが所定の現像ギャップを介して対向している。また、現像領域におけるスリーブ表面上では、マグネットローラ72の図示しない現像磁極からの磁力によってY現像剤中の磁性キャリアが穂立ちして磁気ブラシを形成する。形成された磁気ブラシは、その先端を感光体40Yに摺擦させながら移動して、感光体40Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体40Y上にトナー像たるYトナー像が形成される。
現像によってYトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ72の回転に伴って現像器61内に戻る。そして、器内に形成されている反発磁界や重力の影響を受けてスリーブ表面から離脱して、現像部67より低い位置に配設された攪拌部66内に戻される。
上記攪拌部66内において、2つの搬送スクリュウ68の間には仕切壁69が設けられている。この仕切壁69により、攪拌部66内が2つに仕切られている。2つの搬送スクリュウ68のうち、図中右側に配設されている方は、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像スリーブ72に供給する。図中奥端まで搬送された現像剤は、仕切壁69に設けられた図示しない開口部を通って図中左側の搬送スクリュウ68に受け渡される。そして、この搬送スクリュウ68の回転駆動により、今度は図中側から手前側へと搬送された後、仕切壁69に設けられた図示しないもう一方の開口部を通って図中右側の搬送スクリュウ68上に戻る。このようにして、現像剤は攪拌部66内を循環搬送せしめられる。
透磁率センサからなるTセンサ71は、図中右側の搬送スクリュウ68の下方に設けられ、その上を搬送されるY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。現像剤の透磁率は、トナー濃度とある程度の相関を示すため、Tセンサ71はYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。制御部は、RAM等を備えており、この中にTセンサ71からの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納している。また、他の現像器に搭載された図示しないTセンサからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納している。Y用Vtrefは、図示しないYトナー供給装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Y用のTセンサ71からの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないYトナー供給装置を駆動制御して現像器61の攪拌部66内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器61内の現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスカートリッジの現像器についても、同様のトナー補給制御が実施される。
[ドラムクリーニング装置]
Y用の感光体40Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト10に中間転写される。中間転写後の感光体40Yの表面は、ドラムクリーニング装置63によって転写残トナーがクリーニングされる。ドラムクリーニング装置63は、ファーブラシ、回収ローラ77、スクレーパブレード78、回収スクリュウ79、クリーニングブレード75などを備えている。
上記ファーブラシ76は、芯材にアクリルカーボン製の起毛が無数に植毛されたローラ状ブラシである。そして、図示しない無数の起毛の先端を感光体40Yに順次摺擦させるように、感光体40Yとの対向部でカウンタ方向の表面移動となる図中反時計回りに回転駆動される。回収ローラ77は、ファーブラシ76に接触するように、ブラシとの対向部でカウンタ方向の表面移動となる図中反時計回りに回転駆動されながら、図示しない電源から正極性のクリーニングバイアスの印加を受ける。感光体40Y上の転写残トナーは、ファーブラシ76の起毛によって掻き取られてファーブラシ76内に捕捉された後、このクリーニングバイアスの影響を受けて回収ローラ77表面に静電的に付着して回収される。回収された転写残トナーは、回収ローラ77に当接するスクレーパブレード78によってローラ表面から掻き取られて、回収スクリュウ79上に落下する。図示しない駆動手段によって回転駆動される回収スクリュウ79は、このように落下してくる転写残トナーを受け取ってトナーリサイクル装置89に送る。
上記ファーブラシ76で捕捉し切れなかった転写残トナーは、ブラシよりもドラム回転方向下流側に配設されたクリーニングブレード75によって掻き取られて、ファーブラシ76に捕捉されるようになる。このクリーニングブレード75は、例えばポリウレタンゴム製などの弾性材料から構成されている。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置63によってクリーニングされた感光体40Yは、除電器64によって除電される。そして、帯電器60によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ(18C,M,K)についても同様である。
[中間転写ユニット]
図3は、中間転写ユニットとその周囲構成とを示す拡大構成図である。中間転写ユニット17は、中間転写ベルト10やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、2次転写バックアップローラ16、4つの中間転写バイアスローラ62Y,C,M,K、3つの接地ローラ74なども有している。
中間転写ベルト10は、ベルトループ内側から図示しないベース層、弾性層、表面層を有している。ベース層は、例えば伸びの少ないフッ素系樹脂や、伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料を含有せしめた層である。かかるベース層としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料をシームレス状に成型したものを使用することができる。これらの材料についてはそのまま用いたり、カーボンブラック等の導電材によって導電性を調整したりすることが可能である。表面層は、フッ素系樹脂など、表面エネルギーが低くてトナーと良好な離型性を発揮する材料からなる層で、ベース層に対してスプレーやディッピング等の方法によって積層されたものである。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどの弾性材料からなる層で、ベルト全体にある程度の弾性を発揮させるために設けられている。
中間転写ベルト10は、張架ローラ14を含む10本のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。4つの中間転写バイアスローラ62Y,C,M,Kは、それぞれ中間転写ベルト10のベース層側(内周面側)に接触するように配設され、図示しない電源から中間転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト10をそのベース層側から感光体40Y,C,M,Kに向けて押圧してそれぞれ中間転写ニップを形成する。各中間転写ニップには、上記中間転写バイアスの影響により、感光体と中間転写バイアスローラとの間に中間転写電界が形成される。Y用の感光体40Y上に形成された上述のYトナー像は、この中間転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト10上に中間転写される。このYトナー像の上には、C,M,K用の感光体40C,M,K上に形成されたC,M,Kトナー像が順次重ね合わせて中間転写される。この重ね合わせの中間転写により、中間転写ベルト10上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
ベルト部材たる中間転写ベルト10において、各中間転写ニップの間に位置する部分には、それぞれベース層側から接地ローラ74が当接している。これら接地ローラ74は、導電性の材料で構成されている。そして、各中間転写ニップで中間転写バイアスローラ(62Y,C,M,K)からベルトに伝わった中間転写バイアスによる電流を、他の中間転写ニップやプロセスカートリッジにリークさせるのを阻止している。
中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の2次転写ニップで図示しない転写紙に2次転写される。2次転写ニップ通過後の中間転写ベルト10の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。なお、同図では、ベルトクリーニング装置90として、上述のドラムクリーニング装置(63)と同様にファーブラシ方式とクリーニングブレード方式とを併用させたものの例を示した。但し、何れか一方の方式によるものでもよい。
[2次転写装置]
上記中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している2次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、上記中間転写ユニット17の2次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト10及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト10と、2次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する2次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の2次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この2次転写バイアスの印加により、2次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト10上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト10上の4色トナー像に同期するように2次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この2次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が2次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に2次転写バイアスを印加する2次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
[レジストローラ対]
上記2次転写ニップよりもベルト移動方向上流側には、レジストローラ対49が配設されている。後述の給紙装置200からプリンタ部100内に給紙された図示しない転写紙は、このレジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、上記中間転写ユニット17において、中間転写ベルト10上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って上記2次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を2次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、2次転写ニップでは、中間転写ベルト10上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に2次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙Pは、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って2次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト22上から定着ユニット25に送られる。
[定着ユニット]
上記定着ユニット25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、上記紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおいける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加圧する。加圧された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着せしめられる。
先に示した図1において、定着ユニット25を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対56を経て機外へと排出されてスタック部57にスタックされるか、あるいは、定着ユニット25の下方に配設された紙反転ユニットに送られる。紙反転ユニットに送られた場合には、上下反転された後に2次転写ニップに再搬送されて、もう一方の面にも4色トナー像が2次転写される。そして、定着ユニット25を経由してから機外へと排出される。なお、転写紙Pを定着ユニット25から排紙ローラ対56に送るのか、あるいは紙反転ユニットに送るのかは、切換爪55による紙搬送路の切替によって行われる。
[全体構成]
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読み取りセンサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ(18Y,C,M,K)内の各機器や、中間転写ユニット17、2次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体(40Y,C,M,K)上に、Y,C,M,Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に進入した後、搬送ローラ47によってプリンタ部100内の給紙路48に給紙される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。プリンタ部100内の給紙路48あるいは手差し給紙路53に給紙された転写紙は、レジストローラ対49、上記2次転写ニップを経由して4色トナー像が2次転写せしめられる。そして、定着ユニット25を経由した後、機外へと排出される。
本複写機は、2色以上のトナーからなる他色画像を形成する場合には、図3に示したように、中間転写ベルト10をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体(40Y,C,M,K)を接触させる。これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト10を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面をY,C,M用の感光体40Y,C,Mから離間させる。そして、4つの感光体40Y,C,M,Kのうち、K用の感光体40Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y,C,Mについては、感光体だけでなく、現像器も駆動を停止させて、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
先に示した図2において、本複写機は、現像器61の現像スリーブ65に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段たる図示しない現像バイアス電源を備えている。また、帯電器60の回転帯電部材たる帯電ローラに帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段たる図示しない帯電バイアス電源も備えている。これら電源のうち、現像バイアス電源は、現像スリーブ65に直流成分だけからなる直流現像バイアスを供給するように構成されている。一方、帯電バイアス電源は、帯電ローラに少なくとも交流成分を含む交流帯電バイアスを供給するように構成されている。
本複写機は、画像の階調をいわゆる多値化処理によって再現するようになっている。各ドットに対するトナー付着量をそれぞれ一律に増減することで、ベタ部の濃淡を調整しているのである。
本複写機は、感光体40Y,C,M,Kとして、それぞれ直径60[mm]のものを用いている。そして、これらをそれぞれ282[mm/sec]の線速で回転させている。また、中間転写ベルト10、紙搬送ベルト24、定着ベルト26もこれと同じ線速で無端移動させている。これらの速度は、プロセス線速と呼ばれており、282[mm/sec]という値は、電子写真方式の画像形成装置の中でも、かなり速い数値である。
このようなプロセス線速で感光体40Y,C,M,K上の静電潜像を良好に現像するためには、各現像器の現像スリーブ(65)を相当の速度で回転させて現像領域に必要量のトナーを搬送しなければならない。現像スリーブ(65)の回転が拘束になるほど、スリーブ表面の現像剤中のトナーが遠心力によってキャリア表面から離脱して飛散し易くなる。トナーの飛散は、感光体の地肌部にトナーを付着させるいわゆる地汚れの原因となる。現像スリーブの回転の高速化に伴うトナー飛散は、現像バイアスとして交番バイアス(ACバイアス又はAC/DC重畳バイアス)を用いる場合に特に生じ易くなる。これは、交番により、トナーを現像スリーブに向けて拘束する向きの静電力が弱まるときに、感光体の地肌部に対向しているトナーであっても、磁性キャリアから離脱し易くなってしまうためである。よって、本複写機のように高速なプロセス線速設定のものにおいては、現像バイアスとして、直流バイアスだけからなるものを用いることが望ましい。但し、現像スリーブと感光体の間に直流電界だけを形成すると、交番電界を形成する場合に比べて、感光体の静電潜像に対向するトナーが磁性キャリアから離脱し難くなることから、現像能力が低下する。このため、現像領域に対するトナー搬送量が設計値よりも僅かに下回っただけでも、画像濃度が不足し易くなる。よって、如何にして現像領域に必要量のトナーを搬送するのかが、画質を安定させる上で重要なポイントとなる。また、現像能力を如何に安定させるかも重要なポイントになる。
ここで、現像能力とは、単位電界強度あたりにおける画像部トナー付着量の割合のことであり、一般に[mg/cm/kV]で示される。本複写機では、マイナス帯電性トナーを用いた反転現像方式を採用しているので、現像能力は[mg/cm/|−kV|]で示される。この現像能力(以下、現像γという)は、環境やトナーの性状などの変動に起因して変動する。
従来より、所定の画像面積の基準トナー像を形成してそれに対する単位面積あたりのトナー付着量を測定し、測定結果に基づいて現像剤のトナー濃度を変更して現像γを安定化させる方式が、様々な画像形成装置で採用されている。但し、現像器内に多量に収容されている現像剤のトナー濃度を一気に増加させるべく、現像器内に多量のトナーを一気に補給すると、トナーの帯電不良による地汚れが発生してしまう。このため、現像剤のトナー濃度については、比較的ゆっくりと変化させるようにトナー補給量の変化の度合を設定することになり、トナー濃度を適正値にするまでには比較的長時間を要する。すると、当然ながら、現像能力も徐々に適正値に近づいていくことになり、この間、何の対策も講じないと、濃度不良の画像を出力し続けてしまう。
そこで、現像γを適正でないと判断した場合に、現像電界を調整して画像に対するトナー付着量を適切にコントロールすることで、濃度不良を迅速に解消するようにした画像形成装置も提案されている。本複写機も、このようにして、濃度不良を迅速に解消するようになっている。具体的には、現像γの測定結果に基づいて、感光体の地肌部電位Vd(帯電器による一様帯電電位)と現像バイアスVbとを調整して、プリントアウト用の画像に対する単位面積当たりのトナー付着量を安定化させるのである。
本複写機は、所定枚数のプリントアウト毎などといった所定のタイミングで、プリントアウト用の各色トナー像とは別に、各色の基準トナー像を感光体40Y,M,C,K上に形成する。Y,M,C,K基準トナー像は、それぞれ重なり合わないように中間転写ベルト10上における互いに異なる領域に1次転写される。そして、中間転写ベルト10の無端移動に伴って2次転写ニップに進入すると、ここで転写紙Pに重ね合わさることなく、紙搬送ベルト24に直接接触して、紙搬送ベルト24上に2次転写される。この後、図示しない紙搬送ベルトクリーニング手段により、紙搬送ベルト24上からクリーニングされる。
Y,M,C,K用の中間転写ニップのうち、転写工程が最も下流側になるK用の中間転写ニップを通過した後、2次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト領域には、光学センサユニット19が所定の間隙を介して対向している。この光学センサユニット19は、図示しない発光素子や、図示しない複数の受光素子による反射型フォトセンサ機能を有しており、中間転写ベルト10上に転写された各色基準トナー像の光反射量を検知する。これら光反射量は、各色基準トナー像の単位面積あたりにおけるトナー付着量と相関関係にあるため、光学センサユニット19はトナー付着量検知手段として機能していることになる。
光学センサユニット19が複数の受光素子を有しているのは、各色基準トナー像の正反射光だけでなく、乱反射光の検知するようになっているからである。Y,C,Mトナー像の場合には、たとえ高濃度画像であっても、正反射光量と乱反射光量との組合せが、単位面積あたりのトナー付着量を正確に反映する。これに対し、Kトナー像の場合には、乱反射光が殆どない。このため、正反射光量だけでトナー付着量を把握する必要があるが、正反射光量とKトナー付着量との相関は、ある程度の画像濃度の範囲までしか現れず、高濃度画像であると、そのKトナー付着量を把握することができなくなる。そこで、本複写機においては、Y,C,M基準トナー像については、高濃度のものを形成し、それらに対する正反射光量と乱反射光量とに基づいて、Y,C,M現像器による現像能力を判断する。一方、K基準トナー像については、中間調のものを形成し、これに対する正反射光量に基づいて、K現像器による現像能力を判断する。
Y,C,M,Kのそれぞれの現像能力が目標値から大きくかけ離れている場合には、現像電界条件を変化させることで、トナー像の画像濃度を安定化させる。より詳しくは、現像電界条件として、感光体の地肌部電位(帯電器による一様帯電電位)Vdや、現像バイアスVbを変化させることで、トナー像の画像濃度を安定化させる。なお、従来の画像形成装置においては、基準トナー像を形成する際の現像電界条件を、トナー濃度等にかかわらず常に一定にしていた。現像電界条件を変化させるのは、あくまでもプリントアウト用のトナー像を現像するときであり、基準トナー像を形成する際には、所定の現像電界条件を採用していた。そうしないと、現像γを正確に把握することができなくなるからである。これに対し、本複写機においては、基準トナー像を所定の現像電界条件で形成するときと、プリントアウト時と同じ現像電界条件で形成するときとがある。その理由については、後に詳述する。
次に、本複写機の特徴的な構成について説明する。
上述したように、本複写機では、多値化処理による階調表現を行っているため、画像のベタ部については、その全領域にトナーを付着させる。そして、ベタ部については、1ドットあたりのトナー付着量を調整することで、ベタ部におけるトナー付着厚みを全体的に薄くしたり厚くしたりして、階調を再現している。このようなベタ部では、その中心部よりも周縁部で電界強度が高くなるというエッジ効果により、周縁部に対するトナー付着厚みが中央部よりも大きくなり易い。このため、制御シーケンス上のタイミング誤差などにより、基準トナー像の反射光量の検知結果として、周縁部に対応するものを用いた場合には、適切な現像能力の調整を行うことができなくなることが、実験Aによって判明した。
[実験A]
かかる実験Aについては、次のようにして行った。即ち、Y基準トナー像として、25[mm]×25[mm]の大きさのものを形成した後、4[msec]の間隔で、光学センサユニット(19)からの出力電圧を測定した。次に、複数の測定値の中から、25[mm]の長さのY基準トナー像に対応すると思われる22ポイント(25[mm]÷282[mm/sec]×1000÷4[msec]=22)をピックアップした。そして、これらに基づいて、Y基準トナー像に対する22サンプリング箇所における1[cm]あたりのトナー付着量を求めた。図4において、複数の菱形プロットは、このトナー付着量と、Y基準トナー像に対する光反射量のサンプリング箇所との関係を示している。同グラフにおいて、Y基準トナー像の全体的なトナー付着密度は、サンプリングポイントで10〜22の範囲のトナー付着量となる。この範囲をサンプリングポイントとすれば、Yトナー像の現像能力を正確に検知することができる。ところが、Y基準トナー像の周縁部に相当するサンプリングポイント5〜9や、22〜28の範囲では、Y基準トナー像の全体的なトナー付着密度よりも多くのトナーが付着していることがわかる。このため、これらの範囲で反射光量をサンプリングしてしまうと、Yトナー像の現像能力を誤検知してしまうことになる。なお、Y基準トナー像の全体としてのトナー付着量の平均値は、0.55[mg/cm]であった。
[実験B]
一方、本発明者らは、次のような実験Bも行った。即ち、Y基準トナー像として、その全面に均等にYトナーを付着させたものでなく、2値化処理のときのように、Yトナーをドットとして付着させたトナー付着画素と、付着させないトナー未着画素とを設けたものを形成した。より詳しくは、25[mm]×25[mm]のYトナー像形成領域を、縦横にそれぞれ10等分に区分けする。すると、約41.7[μm]×約41.7[μm]の1画像領域(1ドット領域)が縦横6つずつ並んだ250[μm]×250[μm]の画素群区画が100個できる。それぞれの画素群区画に対して、トナー付着画素とトナー未着画素との配列パターンであるトナー付着画素パターンが互いに同じになるように、それぞれトナーを付着させて、25[mm]×25[mm]のY基準トナー像を形成した。かかるY基準トナー像でも、肉眼では、トナーが全面に付着している25[mm]×25[mm]のベタ部として認識される。上述した実験と同様にして、各サンプリングポイントにおけるトナー付着量を求めた。図4において、複数の矩形のプロットは、かかる実験におけるトナー付着量と、Y基準トナー像に対する光反射量のサンプリング箇所との関係を示している。図示のように、Y基準トナー像として、トナー付着画素と未着画素とを設けつつ肉眼ではベタ部として認識されるものを形成すると、トナー像の周縁部と中央部とのトナー付着量の差が殆どなくなることがわかる。
そこで、本複写機においては、Y,C,M,K基準トナー像として、それぞれ、上述したトナー付着画素パターンからなる100個の画素群区画から構成されるものを形成するようになっている。よって、Y,M,C,K基準トナー像について、それぞれ、反射光量のサンプルポイント(反射光量検知箇所)にかかわらず、単位面積あたりのトナー付着量を正確に検知することができる。なお、実験にお5はけるY基準トナー像に対する平均的なトナー付着量は0.32[mg/cm]であった。
本発明者らは、Kトナー像については、このようにしてK基準トナーのトナー付着量を正確に検知して、プリントアウト時の現像γを調整しても、高濃度画像部にて地汚れやコールドオフセットを引き起こしてしまうことを見出した。そして、この原因は、高濃度画像部を現像する際の現像γが高すぎることであることが判明した。具体的には、本発明者は、以下に説明する実験を行った。
[実験C]
まず、現像器内における現像剤のKトナー濃度を意図的に変化させながら、Kトナー像として、その全領域に万遍なくトナーを付着させた全領域付着パターンものを形成した。このKトナー像の画像濃度は、実際にプリントアウトするKトナー像の高画像濃度部と同様に、全領域付着パターンにて0.5[mg/cm2]のトナー付着量になる画像濃度である。各Kトナー濃度の条件下で、それぞれ所望の高画像濃度を実現し得る現像電界条件(地肌部電位Vd及び現像バイアスVb)を調べた。
[実験D]
現像器内における現像剤のKトナー濃度を実験Cと同様に変化させながら、Kトナー像として、全領域付着パターンであって且つ中間調のものを形成した。そして、各トナー濃度の条件下においては、それぞれ、実験Cのときに所望の高画像濃度が得られた現像電界条件と同じに、地肌部電位Vdと現像バイアスVbとを設定して、Kトナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を求めた。
[実験E]
現像器内における現像剤のKトナー濃度を実験Cと同様に変化させながら、Kトナー像として、トナー付着画素とトナー未着画素とを設けた部分付着パターンのものを形成した。このKトナー像の各画素群区画内におけるトナー付着画素パターンについては、トナー付着画素とトナー未着画素とが不連続にランダムに並ぶチェッカ−フラグ状のものを用いた(以下、このトナー付着画素パターンをドット分散型パターンという)。各トナー濃度の条件下においては、それぞれ、実験Cのときに所望の高画像濃度が得られた現像電界条件と同じに、地肌部電位Vdと現像バイアスVbとを設定して、Kトナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を求めた。
[実験F]
現像器内における現像剤のKトナー濃度を実験Cと同様に変化させながら、Kトナー像として、トナー付着画素とトナー未着画素とを設けた部分付着パターンのものを形成した。このKトナー像の各画素群区画内におけるトナー付着画素パターンについては、画素群区画を、互いに連続して並ぶトナー付着画素の集合からなる連続付着領域と、互いに連続して並ぶトナー未着画素の集合からなる連続未着領域とに2分するパターンを採用した(以下、このトナー付着画素パターンをドット集中型パターンという)。各トナー濃度の条件下においては、それぞれ、実験Cのときに所望の高画像濃度が得られた現像電界条件と同じに、地肌部電位Vdと現像バイアスVbとを設定して、Kトナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を求めた。
図5(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、上記実験C、D、E、Fにおける高濃度の全領域付着パターン、中間調の全領域付着パターン、ドット分散型パターン、ドット集中型パターンの1つの画素群区画を示す模式図である。図5(c)に示すように、これら画素群区画は、それぞれ、6行6列=36画素の並びから構成されている。1画素のサイズは、約41.7[μm]×約41.7[μm]であり、1画素群区画のサイズは、250[μm](41.7μm×6)×250[μm](41.7μm×6)である。基準トナー像は、このような1画素群区画が100行100列並んだ領域に形成される。
図5(a)〜(d)に示した各パターンの中で、図(c)に示した中間調の全領域付着パターンだけは、他のパターンに比べて1ドットあたりにおけるトナー付着量が少なくなっている。1ドットあたりにおけるトナー付着量は、感光体に対するレーザー書込強度の変化によって調整される。図(a)、(c)、(d)に示されるパターンに比べて、図(b)に示されるパターンは、各画素に対して低い強度のレーザー光によって光書込が行われる。
図5(a)のパターンと図5(b)のパターンとを比較すると、これらはともに画像領域における全ての画素に対してトナーが付着しているが、後者における1ドットあたりのトナー付着量は、前者に比べて少なくなっている。これにより、トナー像全体としては、いずれもベタ部として認識されるが、前者が後者に比べて高画像濃度となる。
一方、図5(c)のパターンと図5(d)のパターンとを比較すると、これらはともに、1ドットあたりのトナー付着量が図5(a)のパターンと同様になっている。また、これらはともに、1画素群区画内に、トナー付着画素とトナー未着画素との両方が設けられている。これにより、1ドットあたりのトナー付着量は図5(a)のパターンと同じであるにもかかわらず、単位面積(1cm)あたりにおけるトナー付着量が図5(a)のパターンよりも少なくなって、トナー像全体としては中間調として視認される。図5(c)のパターンと図5(d)のパターンとで異なっている点は、前者が複数のドット付着画素を互いに連続させないように配設したドット分散型であるのに対し、後者が互いに連続させて1箇所に集中させるドット集中型であることである。両型間では、単位面積あたりにおけるトナー付着量が互いに同じになるため、トナー像全体としては同じ画像濃度の中間調として視認される。また、マイクロミリオーダーで拡大した場合には、図示のようにドット付着領域とドット未着領域とが現れるが、肉眼では全体的にトナーが付着したベタ部として視認される。
図6は、上記実験C、D、E、FにおけるKトナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量と、現像剤のトナー濃度との関係を示すグラフである。同図において、丸形状のプロット点を結ぶ直線は、上記実験Cの結果を示している。上記実験Cでは、各トナー濃度において、それぞれ互いにトナー付着量が同じになるように現像電界が調整されているため、トナー濃度が変化してもトナー付着量が変化しないことを示す直線になっている。
同図において、△形状のプロット点を結ぶ直線は、上記実験Dの結果を示しており、これは右上がりの傾きをもった直線、即ち、トナー濃度が高くなるにつれて、トナー付着量が多くなることを示す直線となる。これは、K基準トナー像として、中間調の全領域付着パターンのものを形成した場合、これに合わせて現像電界条件を決定してしまうと、高濃度の全領域付着パターン、即ち、実際に出力する画像の高画像濃度部、に対するトナー付着量が適切でなくなることを示している。仮に、中間調部の全領域付着パターンからなるK基準トナー像を形成し、これに対するトナー付着量に基づいて各トナー濃度における現像電界を調整したとする。すると、三角形状のプロット点を結ぶ直線が傾きのないほぼ水平の直線になる代わりに、丸形状のプロット点を結ぶ直線が右上がりの傾きをもつ直線になってしまうのである。このことが、K基準トナー像として、図5(b)に示した中間調の全領域付着パターンのものを形成してこれに対するトナー付着量に基づいて現像電界条件を設定すると、そのときのトナー濃度によっては現像電界強度が高くなりすぎて定着不良やコールドオフセットを引き起こす原因となっていた。なお、図5(a)に示した高濃度の全領域付着パターンでは、トナー付着量を正確に検知することができなくなることは、既に述べた通りである。
図6において、矩形のプロット点を結ぶ直線は、上記実験Eの結果を示している。この直線も、上記実験Dの結果に基づく直線と同様に、右上がりの傾きをもった直線、即ち、トナー濃度が高くなるにつれて、トナー付着量が多くなることを示す直線となる。但し、その傾きは、上記実験Dの結果に基づく直線よりも小さくなっている。よって、K基準トナー像として、ドット分散型パターンのものを形成すれば、定着不良やコールドオフセットが多少改善される。
同図において、菱形のプロット点を結ぶ直線は、上記実験Fの結果を示している。この直線は、僅かながら右上がりに傾きをもっているものの、水平に近い直線となる。よって、K基準トナー像として、図5(d)に示したドット集中型パターンの中間調のものを形成し、これに対するトナー付着量に基づいて現像電界条件を設定すれば、高濃度画像部にて生ずる定着不良やコールドオフセットを有効に抑えることができる。そこで、本複写機では、K基準トナー像については、ドット集中型パターンのものを形成するようになっている。なお、参考までに、各トナー濃度とトナー付着量との関係を数値化したものを次の表1に示す。
Figure 2006139221
上述したように、K基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量に基づいて現像γを判断し、判断結果に基づいて現像電界条件を変化させるのは、現像γの変動による画像濃度の変動を迅速に解消する目的からである。このため、現像電界条件の調整は対症療法に過ぎず、これとは別に、トナー濃度の調整によって現像γを所望の値に補正する必要がある。
この補正に際して問題となるのが、現像γの補正に長時間を要したり、連続プリント動作を中断する必要に迫られたりするおそれがあることである。具体的には、例えば現像γが所望の値よりも高まったとする。すると、まず、現像電界条件がそれまでよりも単位面積あたりのトナー付着量が少なくなるような条件に設定された後、現像剤に対するトナー補給量がそれまでよりも少なく設定されて、トナー濃度が徐々に低下していく。これに伴って現像γも徐々に低下していく。ところが、現像電界条件については、低下前の現像γに合わせて設定されているため、そのままでは、トナー濃度の低下に伴って、画像濃度が徐々に低下してしまう。このため、現像γの変動を検知したことに起因して現像電界条件を変更した場合には、その後、ある程度の頻度で現像γを検知していき、その都度、現像γに応じた現像電界条件に設定することが望ましい。
しかしながら、基準トナー像を、プリントアウト時の現像電界条件とは無関係に、所定の現像電界条件で形成しなければ、正確な現像γを検知することはできない。連続プリント動作時においては、プリントアウト用の現像電界条件と平行して、現像γ測定用の所定の現像電界条件を生起せしめるのは不可能である。このため、現像γを所望の値に補正するまでの間にある程度の頻度で現像γをチェックしていくためには、連続プリント動作を一時中断して、所定の現像電界条件下で基準トナー像を形成する必要に迫られる。このような一時中断を回避しつつ画像濃度変動を抑えるためには、かなりの枚数の連続プリント動作が行われる間、トナー濃度の目標値を変更前の値に一時的に戻すしかない。即ち、かなりの枚数の連続プリント動作が行われる場合には、トナー濃度の調整による現像γの補正を一時的に中断するしかない。そうすると、比較的少量の連続プリント動作時や、1枚プリントアウト動作時にしか、トナー補給量を調整することができず、現像γの補正に長時間を要してしまう。
本発明者は、次のような制御について検討してみた。即ち、連続プリント動作時において、その現像電界条件で基準トナー像を中間転写ベルト10上の紙間対応領域に形成し、それに対するトナー付着量に基づいて現像γとトナー補給量とを調整する制御である。
中間転写ベルト10の紙間対応領域に形成する基準トナー像として、従来と同様に、中間調の全領域付着パターンによるものを採用した場合について検討してみると次のようになる。即ち、正確な現像γについては、連続プリント動作時とは異なるタイミングのときに、プリントアウト時とは無関係な所定の現像電界条件下で形成した基準トナー像に対するトナー付着量に基づいて判断する。そして、例えば、この正確な現像γが適正値よりも大幅に高いものであったとする。このような場合には、トナー付着量をより少なくする現像電界条件に設定するとともに、トナー補給量をより少なく設定する。かかる現像電界条件の設定により、現像γが適正値よりも大幅に高いものであっても、出力画像における高濃度部のトナー付着量を適切なものにすることができる。紙間対応領域に形成される基準トナー像に対するトナー付着量(単位面積あたり)は、出力画像のものと同じになる。この状態で連続プリント動作が開始されると、トナー補給量がより少なく設定されたのに起因して、トナー濃度が徐々に低下してくる。すると、出力画像や、紙間対応領域に形成される基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量も徐々に低下してくるため、現像電界条件がトナー付着量をより多くするような条件に設定されるるとともに、トナー補給量がより多く設定される。よって、現像γを補正すべく、トナー濃度を低下させようとしても、画像濃度の低下に起因して現像γを補正することができない。
本発明者は、次に、中間転写ベルト10の紙間対応領域に形成する基準トナー像として、ドット集中型パターンによるものを採用した場合について検討してみた。そして、かかる基準トナー像が、中間調の全領域付着パターンのものとは異なり、出力画像と異なる濃度で紙間対応領域に形成し得ることに着目した。具体的には、トナー濃度や環境が一定である場合、中間調の全領域付着パターンによる基準トナー像の画像濃度は、出力画像と同様に、現像電界条件だけに依存する。このため、紙間対応領域に形成する中間調の全領域付着パターンによる基準トナー像は、出力画像の中間調部の画像濃度と同じになる。出力画像の中間調部と異なる基準トナー像を紙間対応領域に形成することはできない。これに対し、ドット集中型パターンによる基準トナー像の画像濃度は、現像電界条件の他、ドット付着画像の密度にも依存する(ドット分散型パターンも同様である)。このため、ドット付着画素の密度を調整すれば、出力画像の中間調部とは異なる画像濃度の基準トナー像を紙間対応領域に形成することが可能である。例えば、図7(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、トナー付着画素数とトナー未着画素数との比率が、1/36、3/36、21/36/36/36になっている1画素群区画を示す模式図である。現像電界条件が一定である場合、基準トナー像の画像濃度は、(a)から(d)に向けて徐々に高くなる。参考までに、トナー付着画素数を徐々に増やしていった場合の単位面積あたりにおけるトナー付着量の変化を示すグラフを図8に示す。
ここで、次のような基準トナー像に対するトナー付着量の検知結果に基づく現像γが1.10[mg/cm2/(−kV)]になるのが理想的であると仮定する。即ち、連続プリント動作時とは異なるタイミングで、所定の現像電界条件にて、図7(c)に示したトナー付着画素密度21/36のドット集中型パターンによる基準トナー像である。このような場合に、紙間対応領域に21/36のドット集中型パターンによる基準トナー像を形成すれば、その画像濃度は、出力画像の中間調部の画像濃度と同じになる。このため、中間調の全領域付着パターンによる基準トナー像を形成した場合と同様に、連続プリント動作時に現像γを補正することはできない。
ところが、21/36よりも高いトナー付着画素密度のドット集中型パターンによる基準トナー像を形成したとする。すると、例えば、次の表2に示すような関係が成立する。
Figure 2006139221
具体的には、連続プリント動作に先立って、現像γが表2の1行目に示す1.88[mg/cm2/(−kV)]で検知されたとする。そして、プリントアウト画像の濃度が標準的なものになるように、Vd、Vbがそれぞれ400[−V]、300[−V]に設定されたとする。このとき、トナー付着画素数については、理想的な現像γである1.10[mg/cm2/(−kV)]と、実測時である1.88[mg/cm2/(−kV)]との差に基づいて、標準的な21よりもかなり多めの30が選択される。また、トナー補給量がそれまでよりも低い値に設定される。この後、連続プリント動作が開始されて、30/21のトナー付着画像密度のドット集中型パターンによる基準トナー像が紙間対応領域に形成されながら、複数枚のプリントが行われていくと、トナー濃度が徐々に下がってくるが、基準トナー像の画像濃度(トナー付着量)は、まだ高めだと判断される。即ち、現像γが例えば表2の2行目の1.68[mg/cm2/(−kV)]のように、理想的な値よりもまだ高いと判断される。このため、トナー補給量が増加されることはなく、引き続き低下されるように設定される。また、但し、現像γが僅かに補正されたことにより、ドット集中型パターンにおけるトナー付着画素数が30から29に修正される。また、現像電界条件がトナー付着量の下げ率を当初よりも少しだけ小さくするようなVd=420[−V]、Vb=−400[−V]に修正される。この修正により、出力画像においては、トナー濃度の低下による画像濃度の低下が抑えられる。以上の制御を繰り返しているうちに、表2に示すように、現像γを理想的な1.10[mg/cm2/(−kV)]に徐々に近づけながら、トナー濃度の低下による出力画像の画像濃度低下が抑えられる。なお、現像γが理性的な値よりも大幅に高いと検知された場合の現像γの補正法について説明したが、大幅に低いと検知された場合にも、同様にして、連続プリント動作時に現像γを適切に補正することができる。
そこで、本複写機においては、連続プリント動作時において、これまで説明した制御と同様にして、現像γを補正するように構成されている。
請求項6の発明では、重合法で製造したトナーを使用することで、ドット再現性の優れた高画質画像を出力することが可能となった。
本複写機は、現像剤に用いるY,M,C,Kトナーとして、次の(A)〜(C)の条件を何れも具備するものを使用するように、ユーザーに対して指定している。
(A)重合法によって製造されたものである。
(B)体積平均粒径が7[μm]以下である。
(C)バインダー樹脂のガラス転移温度が50〜70[℃]である。
かかるトナーを使用させるようにユーザーに指定する方法としては、例えば、上記(A)〜(C)の条件を全て具備するトナーを、複写機とともに梱包して出荷することが挙げられる。また例えば、かかるトナーの製品番号や商品名などを、複写機本体やこの取扱説明書などに明記することによって行ってもよい。また例えば、ユーザーに対して書面や電子データ等をもって上記製品番号や商品名などを通知することによって行ってもよい。また例えば、かかるトナーを収容しているトナー収容手段であるトナー収容器を複写機本体にセットした状態で出荷することによって行うこともできる。本複写機では、これら全ての方法を採用しているが、少なくとも何れか1つの方法を採用すれば足りる。
トナーとして、上記(A)〜(C)の条件を具備するものを指定したのは、次に説明する理由による。即ち、上述のように、トナーとしては、粉砕法によって製造されるものや、重合法によって製造されるものがある。粉砕法によって製造されるものは、重合法によって製造されるものに比べて、より真球から遠退いた不定型な形状になり、且つ、形状のバラツキが大きくなる。よって、重合法によるものに比べて、ドット再現性が悪くなる。
また、ドット再現性は、プロセス線速が速くなったり、トナーの体積平均粒径が大きくなったりするほど、悪くなる。本複写機のようにプロセス線速の速いものでは、高速なプリントアウトが可能になる代わりに、ドット再現性が悪くなる。このドット再現性の悪化を抑えるために、重合法によって製造された球形トナーを用いるのであるが、更に、体積平均粒径7[μm]以下のトナーを用いることで、600[dpi]の高解像度出力において、上述したような速いプロセス線速でも、従来の低速機と同様の高画質を得ることができる。体積平均粒径としては、更に望ましくは、4〜5[μm]である。
また、本複写機のような高速機では、定着スピードも今までに増して速くなることから、定着不良やコールドオフセットが生じ易い。そこで、バインダー樹脂のガラス転移温度が50〜70[℃]である低融点トナーを用いることで、定着不良やコールドオフセットを抑えることができる。低融点トナーを用いると、より迅速に現像γを適正値に補正しないと、定着熱量不足によって定着不良を生じたり、定着熱量過多によってホットオフセットを生じたりする。しかし、上述のような制御を行って、連続プリント動作中にも現像γを補正することが可能になるので、高速化にとって非常に有利となる。ガラス転移温度は、より望ましくは、55〜65[℃]である。
なお、トナーの体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料たるトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上32.0μm以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
以上、本複写機においては、現像手段たる現像器がトナー及び磁性キャリアを含有する現像剤を用いて潜像を現像するものであるので、トナーだけからなる一成分現像剤を用いる場合に比べて、より豊かな色調再現を実現することができる。また、基準トナー像内におけるトナー付着画素パターンが、画素群区画を、互いに連続して並ぶトナー付着画素の集合からなる連続付着領域と、互いに連続して並ぶトナー未着画素の集合からなる連続未着領域とに2分するパターン、即ち、ドット集中型パターンであるので、上述した理由により、中間調の基準トナー像に対する現像能力に基づいて高濃度画像を現像する際の現像電界を適切に設定して、Kトナーによる高濃度画像のコールドオフセットや定着不良を抑えることができる。
また、本複写機においては、プロセスカートリッジ18や、光書込ユニット21などから構成される作像手段として、潜像担持体たる感光体と現像器の現像スリーブとの間の現像電界によって現像器内のトナーを感光体に付着させるものであって、且つトナー付着量検知手段たる光学センサユニットによる検知結果に基づいて現像電界の形成条件(現像電界条件たるVdやVb)を変化させるものを用いているので、環境変動等によって現像γが変化しても、出力画像の濃度を安定化させることができる。
また、本複写機においては、現像器内の現像剤にトナーを補給する図示しない周知のトナー補給手段を設け、上記作像手段として、光センサユニットによる検知結果に基づいて、上記画素群区画内における上記連続付着領域と上記連続未着領域との面積比であるトナー付着画素密度と、トナー補給手段によるトナー補給量とを変化させるものを用いている。かかる構成では、上述した理由により、連続プリント動作時にも現像γを適切に補正することができる。
また、本複写機においては、分現像剤に補給するためのトナーとして、重合法によって製造され、体積平均粒径が7[μm]以下であり、且つバインダー樹脂のガラス転移温度が50〜70[℃]であるものを指定しているので、ドット再現性に優れた画像を高速でプリントアウトし、且つ、高速プリントアウトに起因する定着不良やコールドオフセットを抑えることができる。
実施形態に係る複写機の概略構成図。 同複写機におけるY用のプロセスカートリッジと、C用のプロセスカートリッジとの概略構成を示す拡大図。 同複写機における中間転写ユニットとその周囲構成とを示す拡大構成図。 基準トナー像に対する光反射量のサンプリングポイントと、トナー付着量との関係を示すグラフ。 (a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、本発明者が行った実験C、D、E、Fにおける高濃度の全領域付着パターン、中間調の全領域付着パターン、ドット分散型パターン、ドット集中型パターンの1つの画素群区画を示す模式図。 同実験C、D、E、FにおけるKトナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量と、現像剤のトナー濃度との関係を示すグラフ。 (a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、トナー付着画素数とトナー未着画素数との比率が、1/36、3/36、21/36/36/36になっている1画素群区画を示す模式図。 ドット集中型パターンにおけるトナー付着画素数を徐々に増やしていった場合の単位面積あたりにおけるトナー付着量の変化を示すグラフ。
符号の説明
40 感光体
18 プロセスカートリッジ(作像手段の一部)
19 光学センサユニット(トナー付着量検知手段)
21 光書込ユニット(作像手段の一部)
61 現像器(現像手段)

Claims (6)

  1. 潜像を担持する潜像担持体、該潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段、及び該潜像担持体の潜像をトナー像に現像する現像手段を有する作像手段と、
    該現像手段によって現像された基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量を該基準トナー像の光反射量に基づいて検知するトナー付着量検知手段とを備え、各画素に対するトナー付着量を変化させて画像の濃度階調を再現する画像形成装置において、
    上記潜像担持体におけるトナー像形成領域を所定数の1画素領域の集合である画素群区画で区分けし、トナーを付着させる1画素領域であるトナー付着画素と、トナーを付着させない1画素領域であるトナー未着画素との配列パターンからなるトナー付着画素パターンが、各画素群区画間で互いに同じパターンになるように各画素群区画にトナーを付着させて得たトナー像を、上記基準トナー像として作像するように、上記作像手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置であって、
    上記現像手段がトナー及び磁性キャリアを含有する現像剤を用いて上記潜像を現像するものであり、且つ、上記トナー付着画素パターンが、上記画素群区画を、互いに連続して並ぶトナー付着画素の集合からなる連続付着領域と、互いに連続して並ぶトナー未着画素の集合からなる連続未着領域とを1つずつ有するパターンであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記作像手段として、上記潜像担持体と現像手段との間の電界によって該現像手段内のトナーを該潜像担持体に付着させるものであって、且つ上記トナー付着量検知手段による検知結果に基づいて該電界の形成条件を変化させるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    上記現像手段内の現像剤にトナーを補給するトナー補給手段を設け、上記作像手段として、上記トナー付着量検知手段による検知結果に基づいて、上記画素群区画内における上記連続付着領域と上記連続未着領域との面積比と、該トナー補給手段によるトナー補給量とを変化させるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2乃至4の何れかの画像形成装置であって、
    重合法によって製造され、体積平均粒径が7[μm]以下であり、且つバインダー樹脂のガラス転移温度が50〜70[℃]であるトナーを、上記現像手段に補給するためのトナーを収容するトナー収容部に収容していることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2乃至4の何れかの画像形成装置であって、
    上記現像剤に補給するためのトナーとして、重合法によって製造され、体積平均粒径が7[μm]以下であり、且つバインダー樹脂のガラス転移温度が50〜70[℃]であるものが指定されていることを特徴とする画像形成装置。
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