JP2006137991A - ステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーおよび有機金属化合物を含有するステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤において、例えば120℃の温水中あるいは175℃の空気中に70〜280時間浸漬または暴露した後においても、JIS K6256 90°剥離試験方法においても良好なゴム残留面積率を示すものを提供する。
【解決手段】上記ステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤中に金属酸化物を添加する。かかるクロムフリー表面処理剤は、ステンレス鋼、一般にはステンレス鋼板上に適用され、厳しい耐水接着性が要求される自動車、工業機械用等のゴム-ステンレス鋼複合部品、例えばエンジンシリンダガスケットの製造の際などに有効に用いられる。

Description

本発明は、ステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤に関する。更に詳しくは、耐水性および耐熱性にすぐれたゴム-ステンレス鋼複合体形成時の金属表面処理などに有効に用いられるステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤に関する。
耐水性、耐LLC(ロングライフクーラント)性および耐熱性が必要とされるオイルシール、ガスケット、ダイヤフラム、バルブ等のゴム-金属複合体の金属材料としては、主にステンレス鋼が用いられているが、ステンレス鋼に直接加硫接着剤を適用し、ゴムと接着させても耐液接着耐久性が悪く、このゴム金属積層板について水、LLC等について浸漬試験を実施すると、接着剥離を生ずるようになる。
このための対策として、本出願人は先に加硫接着剤を塗布する前処理として、ステンレス鋼上に塗布型クロメート処理を施し、水、LLC等に対する耐性を向上させることを提案している。しかしながら、塗布型クロメート処理では、Cr6+イオンが含まれるため、環境対策上からみて好ましくない。
特開2000−006307号公報 特開平11−221875号公報
これに対して、フェノール系樹脂をベースとする各種加硫接着剤用下塗り剤も市販されているが、ステンレス鋼との接着においては、十分なる接着性、耐水性を示さない。
そこで本出願人はさらに、ステンレス鋼等の金属とゴムとの複合体を形成させるに際し、有害な塗布型クロメート処理などを金属に施さずとも、耐水接着性にすぐれたゴム-金属複合体を形成させ得る加硫接着用プライマーとして、アミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーおよび有機金属化合物を含有する加硫接着用プライマーを提供している。この加硫接着用プライマーは、所期の目的、例えば80℃の温水中への70〜280時間浸漬後のJIS K6256 90°剥離試験方法によるゴム残留面積率などは満足させるものの、より厳しい条件下での耐水試験に耐え得るには、そのための改良が必要とされる。
特開2004−26848号公報
本発明の目的は、アミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーおよび有機金属化合物を含有するステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤において、例えば120℃の温水中あるいは175℃の空気中に70〜280時間浸漬または暴露した後においても、JIS K6256 90°剥離試験方法においても良好なゴム残留面積率を示すものを提供することにある。
かかる本発明の目的は、上記ステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤中に金属酸化物を添加することによって達成される。
アミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーおよび有機金属化合物をステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤中にさらの金属酸化物を添加することにより、120℃の温水中あるいは175℃の空気中に70〜280時間浸漬または暴露した後においても、JIS K6256 90°剥離試験方法においても良好なゴム残留面積率を示すものが提供される。
かかるクロムフリー表面処理剤は、ステンレス鋼、一般にはステンレス鋼板上に適用され、厳しい耐水接着性が要求される自動車、工業機械用等のゴム-ステンレス鋼複合部品、例えばエンジンシリンダガスケットの製造の際などに有効に用いられる。
共重合オリゴマーの一方の成分であるアミノ基含有アルコキシシランとしては、例えばγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等が用いられる。これらのアミノ基含有アルコキシシランは、これをそのまま加硫接着剤組成物の一成分として使用すると、皮膜形成が上手くできず、良好な加硫接着剤を与えることができないので、ビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーとして用いられる。
WO 02/24826
他の成分であるビニル基含有アルコキシシランとしては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン等が用いられる。これらのビニル基含有アルコキシシランは、水に溶け難く、油状となって分離してしまい、他の成分と混合することができない。また、そのオリゴマーも水に溶け難く、沈殿を生じてしまうため、アミノ基含有アルコキシシランとのオリゴマーとして用いられる。
オリゴマー化反応に際しては、アミノ基含有アルコキシシラン100重量部に対して、ビニル基含有アルコキシシラン25〜400重量部、好ましくは50〜150重量部および加水分解用の水20〜150重量部が用いられる。ビニル基含有アルコキシシランをこれより多い割合で用いると、ゴム(または加硫接着剤)との相溶性が悪くなって接着性が低下するようになり、一方これよりも少ない割合で用いると、耐水性が低下するようになる。
オリゴマー化反応は、これらを蒸留装置および攪拌機を有する反応器内に仕込み、約60℃で約1時間攪拌する。その後、酸、例えばギ酸や酢酸をアミノ基含有アルコキシシラン1モルに対し約1〜2モルを1時間以内に添加する。この際の温度は約65℃に保たれる。さらに1〜5時間攪拌し、反応を進行させると同時に、加水分解によって生成したアルコールを減圧下で蒸留する。蒸留水が水しか存在しなくなった時点で蒸留を終了させ、その後シラン濃度が30〜80重量%になるように希釈して調節することにより、目的とする共重合オリゴマーが得られる。この共重合オリゴマーは、メタノール、エタノール等のアルコール系有機溶媒に可溶な程度のオリゴマーである。また、すでに共重合オリゴマーまたはプライマーとして市販されているものをそのまま用いることもできる。
有機金属化合物としては、例えばテトライソプロポキシチタン、テトラn-ブトキシチタン、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3-プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネートなどの有機チタン化合物、テトラn-プロピルジルコニウム、テトラn-ブトキシジルコニウム、ジn-ブトキシジルコニウムビス(アセチルアセトネート)などの有機ジルコニウム化合物、ジn-ブトキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレートなどの有機錫化合物、トリイソプロポキシアルミニウム、モノ-sec-ブトキシジプロポキシアルミニウム、トリ-sec-ブトキシアルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、モノイソプロポキシアルミニウムビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)などの有機アルミニウム化合物が挙げられ、好ましくは一般式
Figure 2006137991
Figure 2006137991
R:CH3、C2H5、n-C3H7 、i-C3H7、n-C4H9、i-C4H9などの低級アルキ
ル基
R´:CH3基またはOR
M1:Ti、Zr、Sn
M2:Al
n:1〜3の整数
m:1〜2の整数
で表されるキレート環およびアルコキシ基から構成される有機金属化合物、好ましくは有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、さらに好ましくは有機チタン化合物が用いられる。
これらの有機金属化合物は、共重合オリゴマー形成に用いられたアミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの合計量100重量部に対して約30〜900重量部、好ましくは約100〜500重量部の割合で用いられる。これよりも多い割合で用いると、上塗り接着剤との相性が悪くなり、接着性の低下を招くようになる。一方、これよりも少ない割合で用いられると、耐水性が低下するようになる。
また、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、アルミナ等が、有機金属化合物100重量部に対して約0.2〜50重量部、好ましくは約0.5〜20重量部の割合で用いられる。これよりも多い添加割合では、金属酸化物自体がうまく混合されず、一方これよりも添加割合が少いと、目的とする所望の耐水性、耐熱性が得られない。
以上の各成分を必須成分とするステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤は、これらの各成分合計濃度が約0.2〜3重量%になるように有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などの有機溶媒溶液として調製され、液が安定な限り20重量%以下程度の水を混合して用いることもできる。有機溶媒への水の混合は、共重合オリゴマーの反応性を高めるという働きをする。
かかるステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤を用いてのゴムの加硫接着は、ステンレス鋼上にこの表面処理剤有機溶媒溶液を塗布し、乾燥した後、加硫接着される各種ゴム用加硫接着剤を塗布し、それに適した乾燥条件下で乾燥させた後、未加硫のゴムコンパウンド等を接合させ、加圧加熱加硫する方法あるいは未加硫のゴムコンパウンド等を溶媒に溶解させたゴム溶液をコーティングし、加圧条件下または加圧せずに加熱加硫する方法などによって行われる。
ステンレス鋼としては、SUS301、SUS301H、SUS304、SUS430等が用いられ、ガスケット用途の場合には、一般に約0.1〜2mm程度の板厚のステンレス鋼板が用いられる。これらのステンレス鋼板上への表面接着剤有機溶媒溶液の塗布は、刷毛塗り、浸漬、噴霧、ロールなどの各種塗布方法を目的に応じて種々選択して行うことができる。約10〜1000mg/m2、好ましくは約50〜500mg/m2の片面目付量(皮膜量)で塗布された。
ステンレス鋼板上に塗布され、乾燥処理を行った表面処理剤層上には、接着するゴムの種類に応じた加硫接着剤が塗布される。加硫接着剤としては、ニトリルゴムまたはアクリルゴムでゴム-ステンレス鋼複合体を作製する場合には、一般に市販品の(ニトリルゴム含有)フェノール樹脂系接着剤が加硫接着剤として用いられ、実際には市販品である東洋化学研究所製品メタロックN31、ロームアンドハース社製品シクソン715、ロードファーイースト社製品ケムロックTS1677-13等が用いられる。
また、フッ素ゴムでゴム-ステンレス鋼複合体を作製する場合には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および第3アミン化合物を含有する樹脂系接着剤が用いられる。エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が用いられる。また、フェノール樹脂としては、一般にフェノール、クレゾール、アルキルフェノール等のフェノール化合物とホルムアルデヒドとを縮重合して得られるノボラック型フェノール樹脂が用いられる。これらの各成分の硬化剤として作用する第3アミン化合物としては、例えば2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等が用いられる。フッ素ゴム用加硫接着剤としては、市販品であるシクソン300/311(ロームアンドハンス社製品)等をそのまま用いることもできる。
これらの加硫接着剤は、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶媒またはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶媒を単独または混合溶媒として、その成分濃度が約0.1〜10重量%の溶液として調製され、表面処理剤の場合と同様の塗布方法により50〜2000mg/m2の片面目付量(皮膜量)で塗布され、使用する接着剤に適した乾燥条件、焼付条件で乾燥および焼付処理される。
このようにして形成された加硫接着剤層上には、未加硫のニトリルゴムコンパウンド、水素化ニトリルゴムコンパウンド、アクリルゴムコンパウンド、クロロプレンゴムコンパウンドまたはフッ素ゴムコンパウンドを接合させる方法あるいはこれらの有機溶剤溶液として塗布される。
NBRまたは水素化NBRが用いられるニトリルゴムとしては、イオウ、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のイオウ系加硫剤を用いたコンパウンドとして使用することもできるが、好ましくは有機過酸化物を架橋剤として使用した未加硫ニトリルゴムコンパンドとして用いられる。かかるパーオキサイド架橋系の未加硫ニトリルゴムコンパウンドとしては、例えば次のような配合例が示される。
(配合例I)
NBR(中高ニトリル;JSR製品N237) 100重量部
HAFカーボンブラック 10 〃
SRFカーボンブラック 40 〃
粉末状セルロース 10 〃
酸化亜鉛 10 〃
ステアリン酸 1 〃
マイクロクリスタリンワックス 2 〃
老化防止剤(大内新興化学製品ODA-NS) 4 〃
可塑剤(バイエル社製品ブカノールOT) 5 〃
有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B) 6 〃
N,N-m-フェニレンジマレイミド 1 〃
(配合例II)
NBR(日本ゼオン製品DN402;CN23%) 100重量部
SRFカーボンブラック 93 〃
可塑剤(DOP) 15 〃
酸化亜鉛 3 〃
ステアリン酸 1 〃
老化防止剤(大内新興化学製品ノクラック224) 1 〃
老化防止剤(同社製品ノクセラーM) 1 〃
老化防止剤(同社製品ノクセラーTT) 3 〃
老化防止剤(同社製品ノクセラーPZ) 0.8 〃
イオウ 0.5 〃
また、アクリルゴム、クロロプレンゴムの配合例としては、次のようなものが示される。
(配合例III)
活性塩素含有アクリルゴム(ユニマテック製品PA402) 100重量部
HAFカーボンブラック 40 〃
粉末状シリカ 2 〃
マイクロクリスタリンワックス 6 〃
ステアリン酸 3 〃
4,4′−ビス(2,2′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン 2 〃
イオウ 1 〃
ステアリン酸ナトリウム 3.5 〃
(配合例IV)
クロロプレンゴム(デンカ製品DCR-31) 100重量部
HAFカーボンブラック 50 〃
酸化亜鉛 5 〃
酸化マグネシウム(#150) 4 〃
老化防止剤(川口化学製品3C) 3 〃
老化防止剤(大内新興化学製品ODA-NS) 3 〃
パラフィンワックス 2 〃
可塑剤(DIDA) 15 〃
老化防止剤(大内新興化学製品ノクセラーTT) 2 〃
加硫促進剤(川口化学製品アクセル22) 2 〃
フッ素ゴムとしては、ポリオール加硫性およびパーオキサイド加硫性のいずれも使用することができ、未加硫のフッ素ゴムコンパウンドとしては、例えば後記のような配合例が示される。
ポリオール加硫性フッ素ゴムとしては、一般にフッ化ビニリデンと他の含フッ素オレフィン、例えばヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)等の少なくとも一種との共重合体または含フッ素オレフィンとプロピレンとの共重合体などが挙げられ、これらのフッ素ゴムは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン、ヒドロキノン等のポリヒドロキシ芳香族化合物によってポリオール加硫される。
また、パーオキサイド加硫性フッ素ゴムとしては、例えば分子中にヨウ素および/または臭素を有するフッ素ゴムが挙げられ、これらのフッ素ゴムは一般にパーオキサイド加硫に用いられている有機過酸化物によって加硫(架橋)される。この場合には、有機過酸化物と共に、トリアリルイソシアヌレートによって代表される多官能性不飽和化合物を併用することが好ましい。
(配合例V)
フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンE45) 100重量部
メタけい酸カルシウム 40 〃
MTカーボンブラック 2 〃
酸化マグネシウム(協和化学製品マグネシア#150) 6 〃
水酸化カルシウム 3 〃
加硫剤(デュポン社製品キュラティブ#30) 2 〃
加硫促進剤(同社製品キュラティブ#20) 1 〃
(配合例VI)
フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンE60C) 100重量部
加硫剤(デュポン社製品ダイアックNo.3) 3 〃
酸化マグネシウム(協和化学製品マグネシア#30) 10 〃
MTカーボンブラック 30 〃
(配合例VII)
フッ素ゴム(ダイキン製品ダイエルG901) 100重量部
メタけい酸カルシウム 20 〃
MTカーボンブラック 20 〃
酸化マグネシウム(マグネシア#150) 6 〃
水酸化カルシウム 3 〃
トリアリルイソシアヌレート 1.8 〃
有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B) 0.8 〃
接合させた未加硫ゴム層は、それを加圧加熱することにより加硫が行われる。また、塗布された未加硫ゴム層は、室温乃至約100℃の温度で約1〜15分間程度乾燥し、有機溶媒として用いられたメタノール、エタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類またはこれらの混合溶媒などを揮発させた後、約150〜230℃で約0.5〜30分間加熱加硫し、必要に応じて加圧して加硫することも行われる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
シラン共重合オリゴマー 1重量部
チタンテトラ(アセチルアセトネート) 2.5 〃
酸化亜鉛(ZnO) 0.5 〃
メタノール 86 〃
水 10 〃
よりなる表面処理剤を、SUS304鋼板上に皮膜量250mg/m2となるように塗布し、200℃で1分間の乾燥を行った。
なお、表面処理剤成分として用いられたシラン系共重合オリゴマーは、攪拌機、加熱ジャケットおよび滴下ロートを備えた三口フラスコに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン40重量部および水20重量部を仕込み、pHが4〜5になる迄酢酸を加えてpHを調整し、数分間攪拌した後、さらに攪拌を続けながら、ビニルトリエトキシシラン40重量部を滴下ロートを使って徐々に滴下し、滴下終了後約60℃で5時間加熱還流を行い、室温迄冷却することにより得られた。
次に、表面処理剤塗布SUS304鋼板上に、ニトリルゴムあるいはアクリルゴム用接着剤としてフェノール樹脂系加硫接着剤(ロームアンドハンス社製品シクソン715)のメチルエチルケトン溶液を塗布し、フッ素ゴム用接着剤としては、フェノール樹脂エポキシ樹脂系加硫接着剤(東洋化学研究所製品メタロックXN-870)のメチルエチルケトン溶液を塗布して、それぞれ室温で乾燥させた後、150℃で10分間の焼付処理を行った。
この接着剤層上に、ニトリルゴムコンパウンド(前記配合例I)、アクリルゴムコンパウンド(前記配合例III)およびフッ素ゴム(前記配合例V)の未加硫ゴムコンパウンドをのせ、180℃、6分間の加圧加硫を行って、3種類のゴムよりなるJIS K-6256 90゜剥離試験用試験片を得た。
実施例2
実施例1において、酸化亜鉛の代りに酸化マグネシウム(MgO)が同量用いられた。
実施例3
実施例1において、チタンテトラ(アセチルアセトネート)の代りにジ-n-ブトキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)が同量用いられた。
実施例4
実施例3において、酸化亜鉛の代りに酸化マグネシウム(MgO)が同量用いられた。
比較例1
実施例1において、酸化亜鉛が用いられず、メタノール量が86.5重量部に変更された。
比較例2
実施例1において、チタンテトラ(アセチルアセトネート)および酸化亜鉛が用いられず、シラン共重合オリゴマー量が2.5重量部に、またメタノール量が87.5重量部にそれぞれ変更された。
比較例3
実施例1において、シラン共重合オリゴマーが用いられず、メタノール量が87重量部に変更された。
比較例4
実施例1において、表面処理剤による表面処理が行われなかった。
比較例5
実施例1において、表面処理剤として市販のシラン系接着剤(ロードファーイースト社製品ケムロックAP-133)が用いられた。
比較例6
実施例1において、表面処理剤として市販のジルコニウム系表面処理剤(日本パイカライジング製品パルコート3762)が用いられた。
以上の各実施例および比較例で得られた90°剥離試験におけるゴム残留面積率(単位:%)は、次の表に示される。

実施例 比較例
測定条件 1 2 3 4 1 2 3 4 5 6
〔ニトリルゴム〕
初期 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100
120℃、 70時間温水浸漬後 100 100 100 100 80 40 60 0 0 100
120℃、140時間温水浸漬後 100 100 100 100 60 30 60 0 0 100
120℃、280時間温水浸漬後 100 100 100 100 20 0 30 0 0 100
175℃、 70時間空気加熱後 100 100 100 100 100 100 50 0 100 0
175℃、140時間空気加熱後 100 100 100 100 100 80 30 0 80 0
175℃、280時間空気加熱後 100 100 100 100 80 70 20 0 70 0
〔アクリルゴム〕
初期 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100
120℃、 70時間温水浸漬後 100 100 100 100 90 40 50 0 40 100
120℃、140時間温水浸漬後 100 100 100 100 60 20 30 0 20 100
120℃、280時間温水浸漬後 100 100 100 100 40 10 20 0 10 100
175℃、 70時間空気加熱後 100 100 100 100 100 100 40 0 80 0
175℃、140時間空気加熱後 100 100 100 100 80 70 30 0 50 0
175℃、280時間空気加熱後 100 100 100 100 50 70 20 0 20 0
〔フッ素ゴム〕
初期 100 100 100 100 100 100 100 0 100 100
120℃、 70時間温水浸漬後 100 100 100 100 60 10 30 0 30 100
120℃、140時間温水浸漬後 100 100 100 100 50 0 20 0 0 100
120℃、280時間温水浸漬後 100 100 100 100 20 0 10 0 0 100
175℃、 70時間空気加熱後 100 100 100 100 100 100 60 0 100 0
175℃、140時間空気加熱後 100 100 100 100 90 80 50 0 60 0
175℃、280時間空気加熱後 100 100 100 100 80 80 40 0 50 0

Claims (6)

  1. アミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマー、有機金属化合物および金属酸化物を含有してなるステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤。
  2. 有機溶媒溶液として調製された請求項1記載のステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤。
  3. 有機溶媒に対して20重量%以下の水を添加して調製された請求項2記載のステンレス鋼用クロムフリー表面処理剤。
  4. 請求項1、2または3記載のクロムフリー表面処理剤で表面処理されたステンレス鋼。
  5. 板状体である請求項5記載のステンレス鋼。
  6. 請求項4または5記載のクロムフリー処理表面処理ステンレス鋼が用いられたゴム-ステンレス鋼複合体。
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