JP2006137718A - インドール若しくはインダゾール誘導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 CCケモカインレセプター4(CCR4)が関与する炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の予防又は治療剤としてに有用な化合物を提供すること。
【解決手段】 置換ピペリジノメチル若しくは置換ピペラジノメチル基等を3位に有し、環状基が置換したアルキル基を1位に有する、インドール若しくはインダゾール誘導体が、CCR4の機能調節剤として良好な活性を有すること見出し、特に皮膚炎等の炎症性疾患治療剤と有用であることを知見して、本発明を完成した。
【選択図】 なし
【解決手段】 置換ピペリジノメチル若しくは置換ピペラジノメチル基等を3位に有し、環状基が置換したアルキル基を1位に有する、インドール若しくはインダゾール誘導体が、CCR4の機能調節剤として良好な活性を有すること見出し、特に皮膚炎等の炎症性疾患治療剤と有用であることを知見して、本発明を完成した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規なインドール若しくはインダゾール誘導体、及びそれを有効成分とする医薬、特に炎症性疾患治療剤に関する。
細胞遊走因子であるケモカインは構造的な特徴により大きくCXC/αケモカインとCC/βケモカインの二種に分類される。また、これらケモカインの受容体は7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体ファミリーに属し、CXCケモカインレセプターとCCケモカインレセプターから構成されている(Pharmacological Reviews, 52, 145, 2000)。
CCケモカインレセプター4(CCR4)は、Tリンパ細胞及び胸腺からクローニングされ(Biochemical and Biophysical Research Communications, 218, 337, 1996、European Journal of Immunology, 26, 3021, 1996)、当初、Th2タイプといわれるT細胞に主に発現していると報告されていた(Journal of Experimental Medicine, 187, 875, 1998)。しかし、その後の詳細な解析によりCCR4はTh1及びTh2のエフェクター・メモリーT細胞に広く存在することが示された(Journal of Immunology, 166, 103, 2001、The Journal of Clinical Investigation, 108, 1331, 2001)。更に最近の研究では、CCR4はほとんどすべての皮膚指向性のT細胞(Nature, 400, 776, 1999)及び単球・マクロファージ、樹状細胞、NK細胞に存在することも明らかにされている(Arthritis & Rheumatism, 44, 1022, 2001)。
CCケモカインであるThymus and activation-regulated chemokine(TARC)とMacrophage-derived chemokine(MDC)はCCR4の特異的なリガンドである(Journal of Biological Chemistry, 272, 15036, 1997、Journal of Biological Chemistry, 273, 1764, 1998)。TARCはT細胞遊走因子として(Journal of Biological Chemistry, 271, 21514, 1996)、またMDCは単球・マクロファージ・NK細胞の遊走因子として発見され(Journal of Experimental Medicine, 185, 1595, 1997)、どちらのケモカインも炎症性ケモカインと恒常性ケモカインの特徴を併せ持つことが知られている(Immunology Today, 20, 254, 1999)。
CCR4とそのリガンドであるTARC及びMDCは、炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の様々な疾患に関与することが数多くの報告により示唆されている。例えば、喘息(The Journal of Clinical Investigation, 107, 1357, 2001)、アトピー性皮膚炎(Journal of Investigative Dermatology, 115, 640, 2000)、乾癬(Laboratory Investigation, 81, 335, 2001)、関節リウマチ(Arthritis & Rheumatism, 44, 2750, 2001)、炎症性腸疾患(Clinical & Experimental Immunology, 132, 332, 2003)等が挙げられる。従って、CCR4の機能調節剤はこれらの疾患等の予防又は治療剤として期待される。上記炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の予防又は治療剤としては、ステロイド剤等種々の薬剤が使用されているが、その治療効果と副作用の点から、新たな作用機序に基づく薬剤の開発が切望されている。
CCケモカインレセプター4(CCR4)は、Tリンパ細胞及び胸腺からクローニングされ(Biochemical and Biophysical Research Communications, 218, 337, 1996、European Journal of Immunology, 26, 3021, 1996)、当初、Th2タイプといわれるT細胞に主に発現していると報告されていた(Journal of Experimental Medicine, 187, 875, 1998)。しかし、その後の詳細な解析によりCCR4はTh1及びTh2のエフェクター・メモリーT細胞に広く存在することが示された(Journal of Immunology, 166, 103, 2001、The Journal of Clinical Investigation, 108, 1331, 2001)。更に最近の研究では、CCR4はほとんどすべての皮膚指向性のT細胞(Nature, 400, 776, 1999)及び単球・マクロファージ、樹状細胞、NK細胞に存在することも明らかにされている(Arthritis & Rheumatism, 44, 1022, 2001)。
CCケモカインであるThymus and activation-regulated chemokine(TARC)とMacrophage-derived chemokine(MDC)はCCR4の特異的なリガンドである(Journal of Biological Chemistry, 272, 15036, 1997、Journal of Biological Chemistry, 273, 1764, 1998)。TARCはT細胞遊走因子として(Journal of Biological Chemistry, 271, 21514, 1996)、またMDCは単球・マクロファージ・NK細胞の遊走因子として発見され(Journal of Experimental Medicine, 185, 1595, 1997)、どちらのケモカインも炎症性ケモカインと恒常性ケモカインの特徴を併せ持つことが知られている(Immunology Today, 20, 254, 1999)。
CCR4とそのリガンドであるTARC及びMDCは、炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の様々な疾患に関与することが数多くの報告により示唆されている。例えば、喘息(The Journal of Clinical Investigation, 107, 1357, 2001)、アトピー性皮膚炎(Journal of Investigative Dermatology, 115, 640, 2000)、乾癬(Laboratory Investigation, 81, 335, 2001)、関節リウマチ(Arthritis & Rheumatism, 44, 2750, 2001)、炎症性腸疾患(Clinical & Experimental Immunology, 132, 332, 2003)等が挙げられる。従って、CCR4の機能調節剤はこれらの疾患等の予防又は治療剤として期待される。上記炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の予防又は治療剤としては、ステロイド剤等種々の薬剤が使用されているが、その治療効果と副作用の点から、新たな作用機序に基づく薬剤の開発が切望されている。
CCR4の機能調節作用を有する化合物としては、ピリミジン誘導体(特許文献1及び特許文献2)、或いは縮環ピリミジン誘導体(特許文献3及び特許文献4)などが報告されているが、インドール若しくはインダゾール誘導体については全く報告はない。
下記一般式で示されるカルモジュリン阻害活性を有するピペラジン誘導体が、循環器系疾患及び中枢性疾患の治療に有用であるとの報告がある(特許文献5)。
下記一般式で示されるカルモジュリン阻害活性を有するピペラジン誘導体が、循環器系疾患及び中枢性疾患の治療に有用であるとの報告がある(特許文献5)。
当該公報にはZとしてメチレン基を有する化合物が1例開示されているが、当該化合物の基Qはフェニル基である。また、当該公報には、CCR4機能調節作用及び抗炎症作用について開示も示唆もない。
また、下記一般式で示されるインドール誘導体が神経ペプチドY(Neuropeptide Y)の関与する疾患の治療に有用であることが示唆されている(特許文献6)。
(式中、Rbは水素原子、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ハロ等を、R1は-(CH2)v-R1a等 [ここで当該vは1〜12を、R1aは置換されていてもよいフェニル等を表す] を、Aは結合等、A1は結合等を、qは0〜6を、pは0〜6を、sは0〜6を、Dは結合等を、X1及びY1は水素原子等を、R2はピペリジニル、ピペラジニル基等[ここで、当該ピペリジニル、ピペラジニル基等は、ピペリジニル又はシクロアルキル等で置換されていてもよい]を、Rはフェニル、ナフチル等を示す。詳細は当該公報参照。)
なお、当該特許文献には、CCR4機能調節作用及び抗炎症作用について開示も示唆もない。
なお、当該特許文献には、CCR4機能調節作用及び抗炎症作用について開示も示唆もない。
コンピューターでデザインした下記化合物がドーパミンD4受容体に結合することを予測している報告がある(非特許文献1)。しかしながら、当該化合物は実際に製造されてはおらず、薬理作用も何ら確認されていない。また、当該文献には一般的な製造法の記載もなく、CCR4機能調節作用及び抗炎症作用についての開示も示唆もない。
その他、1-ベンジル-3-ピペリジノメチルインドール構造を有する化合物が報告されているが(非特許文献2〜5)、いずれの文献にもピペリジン環上に置換基を有する化合物は開示されていない。また、CCR4機能調節作用及び抗炎症作用については開示も示唆もない。
本発明者等は、CCR4の機能調節作用に基づく、炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の予防・治療に有用な医薬組成物を提供すること、さらにはこれらを含有する医薬を提供することを目的として研究を行った。
本発明者等は、CCR4の機能調節作用を有する化合物につき鋭意検討した。その結果、置換ピペリジノメチル若しくは置換ピペラジノメチル基等を3位に有し、環状基が置換したアルキル基を1位に有する、インドール若しくはインダゾール誘導体がCCR4の機能調節剤として有用であることを知見し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記一般式(I)で示される新規なインドール若しくはインダゾール誘導体、又はその製薬学的に許容される塩と製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物、殊に喘息、アトピー性皮膚炎及び関節リウマチ等の予防・治療薬として有効な医薬組成物に関する。
本発明化合物は、インドール若しくはインダゾールを母核とする点で従来のCCR4の機能調節剤とは構造が異なる。
即ち、本発明は、下記一般式(I)で示される新規なインドール若しくはインダゾール誘導体、又はその製薬学的に許容される塩と製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物、殊に喘息、アトピー性皮膚炎及び関節リウマチ等の予防・治療薬として有効な医薬組成物に関する。
本発明化合物は、インドール若しくはインダゾールを母核とする点で従来のCCR4の機能調節剤とは構造が異なる。
R1:同一又は互いに異なって、-OH、-CN、ハロゲン、Ra、Rb、低級アルケニル、低級アルキニル、-O-Ra、-O-Rb、-S-Ra、-SO-Ra、-SO2-Ra、-NO2、-N(R8)(R9)、アミジノ、グアニジノ、-CO-Ra、-CO2-Ra、-CO2H、-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-CO-Ra、-N(R10)-CO-Rb、-N(R10)-CO2-Ra、-N(R10)-SO2-Ra、-N(R10)-SO2-Rb、-N(R10)-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-SO2-N(R8)(R9)、-O-CO-N(R8)(R9)又は-SO2-N(R8)(R9)、
Ra:-OH、-O-(低級アルキル)、フェニル、-CO2-(低級アルキル)、-N(低級アルキル)2、-CN及び-CO2Hからなる群より選択される1乃至3個の基で置換されていてもよい低級アルキル又はハロゲノ低級アルキル、
Rb:ハロゲン、-CN、低級アルキル、-O-(低級アルキル)及びハロゲノ低級アルキルからなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されていてもよいフェニル、
A:アリール、ヘテロアリール又はシクロアルキル、ここに、アリール、ヘテロアリール及びシクロアルキルは、R1に記載の1乃至3個の置換基で置換されていてもよい、
R5a及びR5b:同一又は互いに異なって、H、低級アルキル、又はR5a及びR5bが一体となってオキソ基を形成してもよい、
X:CR2又はN、
R2:H又は低級アルキル、
R11:H又は低級アルキル、
Y:CR3又はN、
Z:CR4又はN、但し、Lが結合又はメチレンのとき、Y及びZが同時にNであることはない、
R3及びR4:同一又は互いに異なって、H、-CN、-CO2H、-CON(R8)(R9)、又は低級アルキル基、ここに、低級アルキル基は、-OH、-O-Ra及び-N(R8)(R9)からなる群より選択される1つの基で置換されていてもよい、
L:結合、低級アルキレン、-CO-、-CO-(低級アルキレン)-又は-(低級アルキレン)-CO-、
R6及びR7:同一又は互いに異なって、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルケニル又は低級アルキニル、また、R6及びR7は隣接する基Zと一体となってシクロアルキル又は含窒素飽和環を形成してもよい、ここに、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルは、B群から選択される1乃至3個の置換基で置換されていてもよく、また、シクロアルキル及び含窒素飽和環は、B群の置換基、B群の置換基で置換された低級アルキル基、低級アルキル基又はハロゲノ低級アルキルで置換されていてもよい、
B群:-OH、-CN、-O-Ra、-O-Rb、-S-Ra、-SO-Ra、-SO2-Ra、-NO2、-N(R8)(R9)、-CO-Ra、-CO2-Ra、-CO2H、-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-CO-Ra、-N(R10)-CO-Rb、-N(R10)-CO2-Ra、-N(R10)-SO2-Ra、-N(R10)-SO2-Rb、-N(R10)-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-SO2-N(R8)(R9)、-O-CO-Ra、-O-CO-Rb、-O-CO-N(R8)(R9)又は-SO2-N(R8)(R9)、
R8、R9及びR10:同一又は互いに異なって、-OH、-O-低級アルキル、及び-CO2Hからなる群より選択される1乃至3個の基で置換されていてもよい低級アルキル又はH、
n:0、1又は2、
m:1又は2、
p:1又は2。以下同様。)
本発明のインドール若しくはインダゾール誘導体は、CCR4或いはTARC及び/又はMDCの機能調節作用を有することから、種々の炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患等〔例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎)、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、インスリン依存型糖尿病(IDDM)、臓器移植時の拒絶反応、癌、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、間質性膀胱炎、敗血症、疼痛〕の予防・治療薬として有用である。特に、喘息、アトピー性皮膚炎又は関節リウマチの予防・治療薬として期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が6以下の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」は炭素数1〜6(以後、C1-6と略す)のアルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル基等の直鎖状のアルキル、及びイソプロピル、イソブチル、tert-ブチル基等の分枝状のアルキルであり、より好ましくはC1-4アルキル、更に好ましくはメチル及びエチル基である。
「低級アルキレン」はC1-6アルキレンであり、好ましくはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基等の直鎖状のアルキレン、及びメチルメチレン、ジメチルメチレン、ジメチルエチレン基等の分枝状のアルキレンであり、より好ましくはメチレン及びエチレン基である。
「低級アルケニル」とは、C2-6のアルキルの任意の位置に1以上の二重結合を有する基であり、好ましくはC2-4アルケニル、より好ましくは、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル及び1,3-ブタジエニル基である。
「低級アルキニル」とは、C2-6アルキルの任意の位置に1個の三重結合を有する基であり、好ましくはC2-3アルキニル、より好ましくは、エチニル及び1-プロピニル基である。
「ハロゲン」は、F、Cl、Br及びIを示す。「ハロゲノ低級アルキル」とは、好ましくは、1個以上のハロゲンで置換されたC1-6アルキルを意味し、より好ましくは1個以上のFで置換されたC1-6アルキルであり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロエチル基である。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が6以下の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」は炭素数1〜6(以後、C1-6と略す)のアルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル基等の直鎖状のアルキル、及びイソプロピル、イソブチル、tert-ブチル基等の分枝状のアルキルであり、より好ましくはC1-4アルキル、更に好ましくはメチル及びエチル基である。
「低級アルキレン」はC1-6アルキレンであり、好ましくはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基等の直鎖状のアルキレン、及びメチルメチレン、ジメチルメチレン、ジメチルエチレン基等の分枝状のアルキレンであり、より好ましくはメチレン及びエチレン基である。
「低級アルケニル」とは、C2-6のアルキルの任意の位置に1以上の二重結合を有する基であり、好ましくはC2-4アルケニル、より好ましくは、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル及び1,3-ブタジエニル基である。
「低級アルキニル」とは、C2-6アルキルの任意の位置に1個の三重結合を有する基であり、好ましくはC2-3アルキニル、より好ましくは、エチニル及び1-プロピニル基である。
「ハロゲン」は、F、Cl、Br及びIを示す。「ハロゲノ低級アルキル」とは、好ましくは、1個以上のハロゲンで置換されたC1-6アルキルを意味し、より好ましくは1個以上のFで置換されたC1-6アルキルであり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロエチル基である。
「シクロアルキル」は、C3-10の飽和炭化水素環基であり、架橋を有していてもよい。より好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びアダマンチル基である。「アリール」は、C6-14の芳香族炭化水素基を意味し、「シクロアルキル」と縮環したフェニル基を含む。好ましくはフェニル及びナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
「ヘテロアリール」とは、O、S及びNから選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する5〜7員の単環式ヘテロアリール、並びに該単環式ヘテロアリール同士又はベンゼン環と単環式ヘテロアリールが縮環した二環式ヘテロアリールの総称である。単環式ヘテロアリールとして好ましくは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル基が挙げられる。二環式ヘテロアリールとして好ましくは、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キナゾリル、キノキサリニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル及びフタラジニル基が挙げられる。
「含窒素飽和へテロ環」としては、1つのN原子を含み、更にN、S及びOからなるヘテロ原子を1つ含んでいてもよい5〜8員飽和若しくは一部不飽和の単環へテロ環であり、好ましくは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル及びテトラヒドロピリジル基、より好ましくはピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニル基である。
「ヘテロアリール」とは、O、S及びNから選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する5〜7員の単環式ヘテロアリール、並びに該単環式ヘテロアリール同士又はベンゼン環と単環式ヘテロアリールが縮環した二環式ヘテロアリールの総称である。単環式ヘテロアリールとして好ましくは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル基が挙げられる。二環式ヘテロアリールとして好ましくは、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キナゾリル、キノキサリニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル及びフタラジニル基が挙げられる。
「含窒素飽和へテロ環」としては、1つのN原子を含み、更にN、S及びOからなるヘテロ原子を1つ含んでいてもよい5〜8員飽和若しくは一部不飽和の単環へテロ環であり、好ましくは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル及びテトラヒドロピリジル基、より好ましくはピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニル基である。
「置換されていてもよい」とは、「無置換」あるいは「同一又は異なる置換基を有していること」を示す。
B群の置換基として、好ましくは、ハロゲン、-OH、-O-(低級アルキル)、-NH2、-NH-(低級アルキル)、-CONH2、-CONH-(低級アルキル)、-NHCO-(低級アルキル)、-NHSO2-(低級アルキル)及び-CN基であり、より好ましくは、ハロゲン、-OH、-O-(低級アルキル)、-NH2、-CONH2、-CONH-(低級アルキル)及び-NHCO-(低級アルキル)基、更に好ましくは、-OH、-O-(低級アルキル)、-NH2、-CONH2及び-NHCO-(低級アルキル)基である。
一般式(I)中の「―R5a」及び「―R5b」で表された記号は、当該基R5a及びR5bが窒素原子及びY以外の任意の環炭素原子に結合しうることを意味する。
B群の置換基として、好ましくは、ハロゲン、-OH、-O-(低級アルキル)、-NH2、-NH-(低級アルキル)、-CONH2、-CONH-(低級アルキル)、-NHCO-(低級アルキル)、-NHSO2-(低級アルキル)及び-CN基であり、より好ましくは、ハロゲン、-OH、-O-(低級アルキル)、-NH2、-CONH2、-CONH-(低級アルキル)及び-NHCO-(低級アルキル)基、更に好ましくは、-OH、-O-(低級アルキル)、-NH2、-CONH2及び-NHCO-(低級アルキル)基である。
一般式(I)中の「―R5a」及び「―R5b」で表された記号は、当該基R5a及びR5bが窒素原子及びY以外の任意の環炭素原子に結合しうることを意味する。
一般式(I)に示される本発明化合物の好ましい態様を以下に示す。
1) R1がハロゲン、-CN、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、-O-(低級アルキル)、-S-(低級アルキル)、-CO-(低級アルキル)、-CO2-(低級アルキル)及び-CO-N(R8)(R9)基から選択される基である化合物。
2) Aがフェニル、シクロアルキル又はピリジル基、より好ましくは、フェニル基である化合物。ここに、当該環基は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、-O-(低級アルキル)、-CN及び-S-(低級アルキル)から選択される1乃至3個の基で置換されたものであることが好ましい。
3) mが1である化合物。
4) R11がHである化合物。
5) R5a及びR5bが共にHである化合物。
6) pが1である化合物。
7) YがCHであり、かつZがNである化合物。
8) Lが結合である化合物。
9) R6及びR7が、-Z(R6)R7としてシクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、より好ましくはピペリジニル基である化合物。ここに、当該環基が、B群の置換基、B群の置換基で置換された低級アルキル基、又は低級アルキル基から選択される1乃至3個の基で置換された化合物であることが好ましい。
1) R1がハロゲン、-CN、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、-O-(低級アルキル)、-S-(低級アルキル)、-CO-(低級アルキル)、-CO2-(低級アルキル)及び-CO-N(R8)(R9)基から選択される基である化合物。
2) Aがフェニル、シクロアルキル又はピリジル基、より好ましくは、フェニル基である化合物。ここに、当該環基は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、-O-(低級アルキル)、-CN及び-S-(低級アルキル)から選択される1乃至3個の基で置換されたものであることが好ましい。
3) mが1である化合物。
4) R11がHである化合物。
5) R5a及びR5bが共にHである化合物。
6) pが1である化合物。
7) YがCHであり、かつZがNである化合物。
8) Lが結合である化合物。
9) R6及びR7が、-Z(R6)R7としてシクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、より好ましくはピペリジニル基である化合物。ここに、当該環基が、B群の置換基、B群の置換基で置換された低級アルキル基、又は低級アルキル基から選択される1乃至3個の基で置換された化合物であることが好ましい。
また、本発明の好ましい別の態様としては、一般式(IA)に示される化合物である。
(式中の記号は以下の意味を示す。
R12:結合又は低級アルキレン、
R13:ハロゲン、-OH、-O-Ra、-CON(R8)(R9)、-N(R8)(R9)、-NHCO-Ra又は-CN、
j:0又は1、
k:0、1又は2。以下同様。)
R12:結合又は低級アルキレン、
R13:ハロゲン、-OH、-O-Ra、-CON(R8)(R9)、-N(R8)(R9)、-NHCO-Ra又は-CN、
j:0又は1、
k:0、1又は2。以下同様。)
また、本発明化合物には、置換基の種類によっては幾何異性体及び互変異性体などが存在する場合があるが、本発明はこれら異性体の混合物や単離されたものを包含する
また、本発明化合物は不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく(R)体、(S)体の光学異性体が存在しうる。本発明はこれらの光学異性体の混合物や単離されたものを全て包含する。
更に、本発明には、一般式(I)で表される化合物に関する「製薬学的に許容されるプロドラッグ」も含まれる。「製薬学的に許容されるプロドラッグ」とは、加溶媒分解により又は生理学的条件下でCO2H、NH2、OH等の基へ変換されることにより、本発明化合物(I)を生成せしめる化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
また、本発明化合物は不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく(R)体、(S)体の光学異性体が存在しうる。本発明はこれらの光学異性体の混合物や単離されたものを全て包含する。
更に、本発明には、一般式(I)で表される化合物に関する「製薬学的に許容されるプロドラッグ」も含まれる。「製薬学的に許容されるプロドラッグ」とは、加溶媒分解により又は生理学的条件下でCO2H、NH2、OH等の基へ変換されることにより、本発明化合物(I)を生成せしめる化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
本発明化合物(I)の塩としては、製薬学的に許容される塩であり、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられる。また、置換基の種類によっては、塩基との塩を形成する場合もあり、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を含む無機塩基、或いはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明化合物(I)及びその塩には、各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質が包含される。
さらに、本発明化合物(I)及びその塩には、各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質が包含される。
(製造法)
本発明化合物(I)及びその製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で保護、又は当該官能基に容易に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等であり、それらの保護基としては例えばグリーン(T. W. Greene)及びウッツ(P. G. M. Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、あるいは所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、本発明化合物(I)のプロドラッグは上記保護基と同様、原料乃至中間体の段階で特定の基を導入、あるいは得られた化合物(I)を用い反応を行うことで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者により公知の方法を適用することにより行うことができる。
本発明化合物(I)及びその製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で保護、又は当該官能基に容易に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等であり、それらの保護基としては例えばグリーン(T. W. Greene)及びウッツ(P. G. M. Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、あるいは所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、本発明化合物(I)のプロドラッグは上記保護基と同様、原料乃至中間体の段階で特定の基を導入、あるいは得られた化合物(I)を用い反応を行うことで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者により公知の方法を適用することにより行うことができる。
第1製法
(式中L1は脱離基を示す。以下同様。)
本製法は脱離基を有する化合物(II)とアミン化合物(III)とをアルキル化反応に付し、本発明化合物(I)を製造する方法である。
L1で示される脱離基としては、ハロゲン、アルキルスルホニルオキシ及びアリールスルホニルオキシ基等が挙げられる。本製法は、化合物(II)と化合物(III)とを等量又は一方を過剰に用いて、反応に不活性な溶媒中、塩基の存在又は非存在下、冷却下〜加熱還流下に通常1時間〜1日間反応させることにより行なわれる。溶媒としては特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上混合して用いられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、2,6-ルチジン等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、tert-ブトキシカリウム等の無機塩基が挙げられる。また、塩化テトラ-n-ブチルアンモニウム、臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム等の相間移動触媒の添加に反応を行うことが有利な場合がある。
本製法は脱離基を有する化合物(II)とアミン化合物(III)とをアルキル化反応に付し、本発明化合物(I)を製造する方法である。
L1で示される脱離基としては、ハロゲン、アルキルスルホニルオキシ及びアリールスルホニルオキシ基等が挙げられる。本製法は、化合物(II)と化合物(III)とを等量又は一方を過剰に用いて、反応に不活性な溶媒中、塩基の存在又は非存在下、冷却下〜加熱還流下に通常1時間〜1日間反応させることにより行なわれる。溶媒としては特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上混合して用いられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、2,6-ルチジン等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、tert-ブトキシカリウム等の無機塩基が挙げられる。また、塩化テトラ-n-ブチルアンモニウム、臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム等の相間移動触媒の添加に反応を行うことが有利な場合がある。
第2製法
本製法は、前記式(I)中、特にXがCR2である化合物(Ia)を、化合物(IIa)と化合物(III)のマンニッヒ反応により製造する方法である。
本製法は、化合物(IIa)と化合物(III)とを等量又は一方を過剰に用いて、反応に不活性な溶媒中、カルボニル化合物(R11−CHO)の存在下、場合によっては更に酸触媒の存在下、冷却下〜加熱還流下に通常2時間〜3日間反応させることにより行なわれる。溶媒としては反応に不活性であれば特に限定はされないが、例えばアルコール類、エーテル類、酢酸、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上混合して用いられる。また、酸触媒としては塩化水素が好ましい。
本製法は、化合物(IIa)と化合物(III)とを等量又は一方を過剰に用いて、反応に不活性な溶媒中、カルボニル化合物(R11−CHO)の存在下、場合によっては更に酸触媒の存在下、冷却下〜加熱還流下に通常2時間〜3日間反応させることにより行なわれる。溶媒としては反応に不活性であれば特に限定はされないが、例えばアルコール類、エーテル類、酢酸、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上混合して用いられる。また、酸触媒としては塩化水素が好ましい。
第3製法
種々の官能基を有する本発明化合物は、当業者に自明の方法又は公知の製造法、或いはその変法を適用することによっても製造することができる。例えば、前記製法により得られた本発明化合物を更に置換基修飾反応に付すことにより、所望の本発明化合物を製造することができる。代表的な反応を以下に示す。
(1)加水分解
本発明化合物(I)中、カルボキシル基を有する化合物は、カルボン酸エステル体を加水分解することによって製造できる。反応は、例えば、前述の「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版)」のカルボキシル基の脱保護反応等に記載の方法を参考に実施できる。
(2)還元
本発明化合物(I)中、NH2基を有する本発明化合物は、ニトロ基を有する化合物を原料とし、パラジウム炭素等の触媒存在下に水素雰囲気下反応を行う接触還元による方法、或いは、当量または過剰量の鉄粉、亜鉛、またはスズ等の金属試薬を用いる還元反応により製造することができる。反応は、例えば、日本化学会編「実験化学講座(第4版)」26巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。
種々の官能基を有する本発明化合物は、当業者に自明の方法又は公知の製造法、或いはその変法を適用することによっても製造することができる。例えば、前記製法により得られた本発明化合物を更に置換基修飾反応に付すことにより、所望の本発明化合物を製造することができる。代表的な反応を以下に示す。
(1)加水分解
本発明化合物(I)中、カルボキシル基を有する化合物は、カルボン酸エステル体を加水分解することによって製造できる。反応は、例えば、前述の「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版)」のカルボキシル基の脱保護反応等に記載の方法を参考に実施できる。
(2)還元
本発明化合物(I)中、NH2基を有する本発明化合物は、ニトロ基を有する化合物を原料とし、パラジウム炭素等の触媒存在下に水素雰囲気下反応を行う接触還元による方法、或いは、当量または過剰量の鉄粉、亜鉛、またはスズ等の金属試薬を用いる還元反応により製造することができる。反応は、例えば、日本化学会編「実験化学講座(第4版)」26巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。
原料合成
(式中L2はL1と同様の脱離基を示す。以下同様。)
原料化合物(II)は、上記反応経路により製造できる。ここで、化合物(IV)のアルキル化は前記第1製法と同様の条件で行うことができる。カルボニル基の還元は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。水酸基の脱離基L1への変換のうち、ハロゲン化は日本化学会編「実験化学講座(第4版)」19巻(1992年)(丸善)、また、スルホニル化は「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年)」に記載の方法を参考に実施できる。
原料化合物(II)は、上記反応経路により製造できる。ここで、化合物(IV)のアルキル化は前記第1製法と同様の条件で行うことができる。カルボニル基の還元は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。水酸基の脱離基L1への変換のうち、ハロゲン化は日本化学会編「実験化学講座(第4版)」19巻(1992年)(丸善)、また、スルホニル化は「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年)」に記載の方法を参考に実施できる。
環状アミン化合物(IIIa)及び(IIIb)は、上記式に示す方法により製造できる。化合物(IX)の(IXa)への変換及び(XII)の(XIb)への変換は、還元的アルキル化反応の常法を用いることができ、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法が挙げられる。保護基P及び保護基の除去は、前述の「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版)」のアミノ基の脱保護反応等に記載の方法を適用することができる。
その他、原料化合物(III)中、R6またはR7の置換基としてアルコキシ基を有する化合物は、同部位が水酸基である化合物を光延反応またはアルキル化剤(アルキルハライドやスルホン酸アルキルエステル等)を用いてアルキル化することにより製造できる。この場合、環状アミノ基を保護しておくことが好ましい。
上記各製法により得られた反応生成物は、遊離化合物、その塩あるいは水和物など各種の溶媒和物として単離され、精製される。塩は通常の造塩処理に付すことにより製造できる。
単離、精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等通常の化学操作を適用して行われる。
各種異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば、光学異性体は一般的な光学分割法、例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離できる。また、光学異性体は、適当な光学活性な原料化合物より製造することもできる。
単離、精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等通常の化学操作を適用して行われる。
各種異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば、光学異性体は一般的な光学分割法、例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離できる。また、光学異性体は、適当な光学活性な原料化合物より製造することもできる。
本発明化合物の薬理活性は以下の試験により確認した。
1.CCR4を介した[35S]GTPγS結合試験に対する作用
(1) Human CCR4発現細胞株の取得
EF-1αプロモーター下流にヒトCCR4遺伝子を挿入したベクター(ネオマイシン耐性遺伝子含む)を作製し、マウスpre B細胞株B300-19細胞にエレクトロポレーション法によりトランスフェクションした。これらの細胞をG418添加培地で培養し、限界希釈法によりヒトCCR4を恒常的かつ安定に発現する単一の細胞株を取得した。
(2) Human CCR4発現細胞株膜画分の調整
ヒトCCR4発現細胞を回収しPBSで洗浄した後、Lysis Buffer(10mM Hepes pH 7.5, 2mM EDTA, protainase inhibitor)で懸濁した。懸濁液を氷上に15分間置いた後、ホモジェナイザーにより細胞を破砕し遠心した(20000 rpm, 10 min, 4℃)。さらに上清を超遠心(22K, 30 min, 4℃)した後、ペレットをPBSに懸濁したものを膜画分として以後の実験に用いた。
(3) GTPγS結合試験
試験化合物は、各濃度を20 mM Hepes pH 7.05、100 mM NaCl、5 mM MgCl2、GDP 2μM、Human MDC、[35S]GTPγS 150 pM、Wheatgerm agglutinin SPA beads 1 mg及びHuman CCR4発現細胞株膜画分1μgを含有する反応混合液中で1時間30分、室温で反応させ放射活性を測定した。
実施例1、3、8及び9の化合物は、0.5 μMの濃度で50%以上の阻害活性を示した。
1.CCR4を介した[35S]GTPγS結合試験に対する作用
(1) Human CCR4発現細胞株の取得
EF-1αプロモーター下流にヒトCCR4遺伝子を挿入したベクター(ネオマイシン耐性遺伝子含む)を作製し、マウスpre B細胞株B300-19細胞にエレクトロポレーション法によりトランスフェクションした。これらの細胞をG418添加培地で培養し、限界希釈法によりヒトCCR4を恒常的かつ安定に発現する単一の細胞株を取得した。
(2) Human CCR4発現細胞株膜画分の調整
ヒトCCR4発現細胞を回収しPBSで洗浄した後、Lysis Buffer(10mM Hepes pH 7.5, 2mM EDTA, protainase inhibitor)で懸濁した。懸濁液を氷上に15分間置いた後、ホモジェナイザーにより細胞を破砕し遠心した(20000 rpm, 10 min, 4℃)。さらに上清を超遠心(22K, 30 min, 4℃)した後、ペレットをPBSに懸濁したものを膜画分として以後の実験に用いた。
(3) GTPγS結合試験
試験化合物は、各濃度を20 mM Hepes pH 7.05、100 mM NaCl、5 mM MgCl2、GDP 2μM、Human MDC、[35S]GTPγS 150 pM、Wheatgerm agglutinin SPA beads 1 mg及びHuman CCR4発現細胞株膜画分1μgを含有する反応混合液中で1時間30分、室温で反応させ放射活性を測定した。
実施例1、3、8及び9の化合物は、0.5 μMの濃度で50%以上の阻害活性を示した。
2.マウスオキサゾロン誘発接触性皮膚炎に対する作用
Balb/cマウス(6〜10週齢、雌性、日本チャールス・リバー社)の腹部に3%オキサゾロン/エタノール溶液150μl(シグマアルドリッチジャパン)を塗布により感作した。感作後6日目に1%オキサゾロン/エタノール溶液10μlを右耳の両面に塗布した。試験薬物投与はオキサゾロン溶液の塗布12時間後に実施し(試験薬物投与群)、コントロール群には試験薬物を溶解するのに用いた溶媒のみを投与した。右耳介の厚みは塗布前と20時間後にシックネスゲージ(ミツトヨ)を用いて測定し、腫れ(厚み増加分=20時間後測定値−塗布前測定値)を算出した。抑制率は感作せずにオキサゾロン溶液を塗布した群をノーマル群として下式により計算した。なお、上記試験は、一群5匹で実施した。
抑制率=(コントロール群の腫れ−試験薬物投与群の腫れ)x100/(コントロール群の腫れ−ノーマル群の腫れ)
実施例1の化合物は30mg/kg経口投与で良好な抑制活性を示した。本試験により、本発明化合物が優れた抗炎症作用を有することが確認された。
3.マウスコラーゲン誘発関節炎に対する作用
マウスコラーゲン誘発関節炎に対する作用はThe Japanese Journal of Pharmacology, 88, 332 (2002)に記載の方法を用いて評価することができる。
上記の各試験例以外にも、例えばImmunology, 98, 345 (1999)に記載のマウス喘息モデル、Journal of Investigative Dermatorogy, 111, 86 (1998)に記載のオキサゾロン誘発慢性接触性皮膚炎モデル(アトピー性皮膚炎モデル)等、抗炎症作用を評価するために一般的に用いられる各種評価モデルにより、本発明化合物の薬理作用を確認することができる。
Balb/cマウス(6〜10週齢、雌性、日本チャールス・リバー社)の腹部に3%オキサゾロン/エタノール溶液150μl(シグマアルドリッチジャパン)を塗布により感作した。感作後6日目に1%オキサゾロン/エタノール溶液10μlを右耳の両面に塗布した。試験薬物投与はオキサゾロン溶液の塗布12時間後に実施し(試験薬物投与群)、コントロール群には試験薬物を溶解するのに用いた溶媒のみを投与した。右耳介の厚みは塗布前と20時間後にシックネスゲージ(ミツトヨ)を用いて測定し、腫れ(厚み増加分=20時間後測定値−塗布前測定値)を算出した。抑制率は感作せずにオキサゾロン溶液を塗布した群をノーマル群として下式により計算した。なお、上記試験は、一群5匹で実施した。
抑制率=(コントロール群の腫れ−試験薬物投与群の腫れ)x100/(コントロール群の腫れ−ノーマル群の腫れ)
実施例1の化合物は30mg/kg経口投与で良好な抑制活性を示した。本試験により、本発明化合物が優れた抗炎症作用を有することが確認された。
3.マウスコラーゲン誘発関節炎に対する作用
マウスコラーゲン誘発関節炎に対する作用はThe Japanese Journal of Pharmacology, 88, 332 (2002)に記載の方法を用いて評価することができる。
上記の各試験例以外にも、例えばImmunology, 98, 345 (1999)に記載のマウス喘息モデル、Journal of Investigative Dermatorogy, 111, 86 (1998)に記載のオキサゾロン誘発慢性接触性皮膚炎モデル(アトピー性皮膚炎モデル)等、抗炎症作用を評価するために一般的に用いられる各種評価モデルにより、本発明化合物の薬理作用を確認することができる。
化合物(I)又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する製剤は通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤、経鼻剤あるいは吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常、経口投与の場合、成人1日当たり0.001 mg/kg乃至100 mg/kg程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与する。また、症状によって静脈投与される場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至10 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。また、吸入の場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至1 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤、経鼻剤あるいは吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常、経口投与の場合、成人1日当たり0.001 mg/kg乃至100 mg/kg程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与する。また、症状によって静脈投与される場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至10 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。また、吸入の場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至1 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な溶剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な溶剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(局方名)等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体、半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば、ラクトースや澱粉のような賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
また、本発明のインドール若しくはインダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物は、治療上有効な他の有効成分、例えば、β2アゴニスト、ステロイド剤、ロイコトリエン拮抗剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARDs)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、サイトカイン産生阻害剤、サイトカイン拮抗剤等と適宜組み合わせて併用しても良い。これらと併用する場合は、同時に投与するための配合剤として、あるいは独立して投与するために組み合わされた別個の製剤として使用してもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(局方名)等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体、半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば、ラクトースや澱粉のような賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
また、本発明のインドール若しくはインダゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物は、治療上有効な他の有効成分、例えば、β2アゴニスト、ステロイド剤、ロイコトリエン拮抗剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARDs)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、サイトカイン産生阻害剤、サイトカイン拮抗剤等と適宜組み合わせて併用しても良い。これらと併用する場合は、同時に投与するための配合剤として、あるいは独立して投与するために組み合わされた別個の製剤として使用してもよい。
以下、実施例に基づき本発明化合物(I)の製法を更に詳細に説明する。本発明は下記実施例に記載の化合物の発明に限定されるものではない。また原料化合物の製法を参考例に示す。
また、参考例及び後記表中以下の略号を用いる。Ex:実施例番号、REx:参考例番号、No:化合物番号、Dat:物理化学的データ(F:FAB-MS(M+H)+、FN:FAB-MS(M-H)-、ES:ESI-MS(M+H)+、EI:EI-MS(M+)、NMR1:CDCl3中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)、NMR2:DMSO-d6中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)、MP:融点(℃)、EA:元素分析値(%)(Cal:計算値;Fnd:実測値))、Sal:塩(HCl:塩酸塩、無記載:フリー体、成分の前の数字は例えば2HClは2塩酸塩を示す)、Str:構造式、Syn:製造法(数字は同様に製造した実施例番号を示す)、Me:メチル、Et:エチル及びAc:アセチル。
また、参考例及び後記表中以下の略号を用いる。Ex:実施例番号、REx:参考例番号、No:化合物番号、Dat:物理化学的データ(F:FAB-MS(M+H)+、FN:FAB-MS(M-H)-、ES:ESI-MS(M+H)+、EI:EI-MS(M+)、NMR1:CDCl3中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)、NMR2:DMSO-d6中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)、MP:融点(℃)、EA:元素分析値(%)(Cal:計算値;Fnd:実測値))、Sal:塩(HCl:塩酸塩、無記載:フリー体、成分の前の数字は例えば2HClは2塩酸塩を示す)、Str:構造式、Syn:製造法(数字は同様に製造した実施例番号を示す)、Me:メチル、Et:エチル及びAc:アセチル。
参考例1
5-クロロインドールと4-クロロベンジルブロミドをDMF中、水素化ナトリウム存在下、氷冷下で反応させることにより、1-(4-クロロベンジル)-6-フルオロ-1H-インドールを得た。FN:275。
参考例2
5-クロロ-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒドおよび4-クロロ-2-フルオロベンジルブロミドをDMF中、炭酸カリウム存在下70℃で反応させることにより、5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒドを得た。F:323。
参考例3
5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒドをメタノール中、水素化ホウ素ナトリウムと室温下で反応させることにより、[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メタノールを得た。F:325。
参考例4
[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メタノールをクロロホルム中、三臭化リンと室温下で反応させることにより、3-(ブロモメチル)-5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾールを得た。F:389。
参考例5
tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート、3-ピペリジンメタノール、10%パラジウム炭素及びメタノール混合物を、水素雰囲気下攪拌して、tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:299。
5-クロロインドールと4-クロロベンジルブロミドをDMF中、水素化ナトリウム存在下、氷冷下で反応させることにより、1-(4-クロロベンジル)-6-フルオロ-1H-インドールを得た。FN:275。
参考例2
5-クロロ-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒドおよび4-クロロ-2-フルオロベンジルブロミドをDMF中、炭酸カリウム存在下70℃で反応させることにより、5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒドを得た。F:323。
参考例3
5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒドをメタノール中、水素化ホウ素ナトリウムと室温下で反応させることにより、[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メタノールを得た。F:325。
参考例4
[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メタノールをクロロホルム中、三臭化リンと室温下で反応させることにより、3-(ブロモメチル)-5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾールを得た。F:389。
参考例5
tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート、3-ピペリジンメタノール、10%パラジウム炭素及びメタノール混合物を、水素雰囲気下攪拌して、tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:299。
参考例6
tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートをTHF中、水素化ナトリウムで処理し、次いでヨードメタンと反応させることにより、tert-ブチル 3-(メトキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:313。
参考例7
tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートのジメチルアセトアミド溶液にピペリジン-3-イルメタノール、硫酸マグネシウム、アセトンシアンヒドリンを加え、40℃で2.5日間反応して、tert-ブチル 4'-シアノ-3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:324。
参考例8
tert-ブチル 4'-シアノ-3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートをTHF中、臭化メチルマグネシウムと室温下4時間反応させることにより、tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-4'-メチル-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:313。
参考例9
tert-ブチル 4-[(4-ヒドロキシブチル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートとヨウ化エチルをアセトニトリル中、炭酸カリウム存在下50℃で21時間攪拌して、tert-ブチル 4-[エチル(4-ヒドロキシブチル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートを得た。F:301。
参考例10
tert-ブチル 4-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートとホルムアルデヒドを1,1-ジクロロエタン中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム存在下、室温で反応させることにより、tert-ブチル 4-[(3-ヒドロキシプロピル)メチルアミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートを得た。F:273。
tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートをTHF中、水素化ナトリウムで処理し、次いでヨードメタンと反応させることにより、tert-ブチル 3-(メトキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:313。
参考例7
tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートのジメチルアセトアミド溶液にピペリジン-3-イルメタノール、硫酸マグネシウム、アセトンシアンヒドリンを加え、40℃で2.5日間反応して、tert-ブチル 4'-シアノ-3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:324。
参考例8
tert-ブチル 4'-シアノ-3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートをTHF中、臭化メチルマグネシウムと室温下4時間反応させることにより、tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-4'-メチル-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:313。
参考例9
tert-ブチル 4-[(4-ヒドロキシブチル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートとヨウ化エチルをアセトニトリル中、炭酸カリウム存在下50℃で21時間攪拌して、tert-ブチル 4-[エチル(4-ヒドロキシブチル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートを得た。F:301。
参考例10
tert-ブチル 4-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートとホルムアルデヒドを1,1-ジクロロエタン中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム存在下、室温で反応させることにより、tert-ブチル 4-[(3-ヒドロキシプロピル)メチルアミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートを得た。F:273。
参考例11
アルゴン雰囲気下、水酸化ホウ素リチウムのTHF懸濁液に、tert-ブチル (3S)-3-(エトキシカルボニル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートのTHF溶液を氷冷下滴下し、次いで、加熱還流下攪拌することにより、tert-ブチル (3S)-3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:299。
参考例12
tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートをメタノール中、4M塩化水素/酢酸エチル溶液で処理して、1,4-ビピペリジン-3-イルメタノール 2塩酸塩を得た。ES:199。
参考例13
1-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボン酸とピロリジンを、DMF中、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で攪拌した。ついで、生成物を4M塩化水素/ジオキサン溶液で処理することにより、4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ピペリジン 塩酸塩を得た。ES:183。
参考例14
4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ピペリジン 塩酸塩をTHF中、水素化リチウムアルミニウムで処理することにより、4-(ピロリジン-1-イルメチル)ピペリジンを得た。ES:169。
アルゴン雰囲気下、水酸化ホウ素リチウムのTHF懸濁液に、tert-ブチル (3S)-3-(エトキシカルボニル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートのTHF溶液を氷冷下滴下し、次いで、加熱還流下攪拌することにより、tert-ブチル (3S)-3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートを得た。ES:299。
参考例12
tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-カルボキシラートをメタノール中、4M塩化水素/酢酸エチル溶液で処理して、1,4-ビピペリジン-3-イルメタノール 2塩酸塩を得た。ES:199。
参考例13
1-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボン酸とピロリジンを、DMF中、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で攪拌した。ついで、生成物を4M塩化水素/ジオキサン溶液で処理することにより、4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ピペリジン 塩酸塩を得た。ES:183。
参考例14
4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ピペリジン 塩酸塩をTHF中、水素化リチウムアルミニウムで処理することにより、4-(ピロリジン-1-イルメチル)ピペリジンを得た。ES:169。
参考例15
ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルと4-メトキシシクロヘキサノンを、クロロホルム−酢酸の混合溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム存在下、室温で反応させることにより、tert-ブチル 4-(4-メトキシシクロヘキシル)ピペラジン-1-カルボキシラートを得た。F:299。
参考例16
tert-ブチル 4-(4-メトキシシクロヘキシル)ピペラジン-1-カルボキシラートを用いて、参考例12と同様の反応により、1-(4-メトキシシクロヘキシル)ピペラジン 2塩酸塩を得た。F:199。
参考例17〜49
参考例1の方法と同様にして参考例17〜31の化合物を、参考例5の方法と同様にして参考例32〜37の化合物を、参考例6の方法と同様にして参考例38の化合物を、参考例12の方法と同様にして参考例39〜47の化合物を、参考例13の方法と同様にして参考例48の化合物を、参考例14の方法と同様にして参考例49の化合物をそれぞれ対応する原料を使用して製造した。参考例17〜49の化合物の構造及び物理化学的データを後記表1〜3にそれぞれ示す。
ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルと4-メトキシシクロヘキサノンを、クロロホルム−酢酸の混合溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム存在下、室温で反応させることにより、tert-ブチル 4-(4-メトキシシクロヘキシル)ピペラジン-1-カルボキシラートを得た。F:299。
参考例16
tert-ブチル 4-(4-メトキシシクロヘキシル)ピペラジン-1-カルボキシラートを用いて、参考例12と同様の反応により、1-(4-メトキシシクロヘキシル)ピペラジン 2塩酸塩を得た。F:199。
参考例17〜49
参考例1の方法と同様にして参考例17〜31の化合物を、参考例5の方法と同様にして参考例32〜37の化合物を、参考例6の方法と同様にして参考例38の化合物を、参考例12の方法と同様にして参考例39〜47の化合物を、参考例13の方法と同様にして参考例48の化合物を、参考例14の方法と同様にして参考例49の化合物をそれぞれ対応する原料を使用して製造した。参考例17〜49の化合物の構造及び物理化学的データを後記表1〜3にそれぞれ示す。
実施例1
1-(4-クロロベンジル)-5-クロロ-1H-インドール 552 mgおよび1,4’-ビピペリジン-3-イルメタノール 2塩酸塩 542 mgのエタノール 10 ml溶液に、38%ホルマリン水溶液 0.3 mlを加え、3 時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却し、シリカゲル8 gを加えた後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製することにより、(1’-{[1-(4-クロロベンジル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4-ビピペリジン-3-イルメタノール 575 mgを得た。この化合物 560 mgをメタノール 5 mlに溶解し、4M塩化水素/酢酸エチル溶液 1 mlを加えた。溶媒を留去し、メタノールを加えた後、不溶物を濾過した。濾液を留去した後、残渣をエタノールより再結晶することにより、(1’-{[1-(4-クロロベンジル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4-ビピペリジン-3-イルメタノール 2塩酸塩 550 mgを無色結晶として得た。
実施例2
1-(4-クロロベンジル)-2-メチル-1H-インドール 300 mgおよび4-ピロリジン-1-イルピペリジン 181 mgを用いて、実施例1と同様の反応(但し、溶媒として酢酸 6 ml を用いて 50℃で 4 時間反応させた)を行うことにより、1-(4-クロロベンジル)-2-メチル-3-[(4-ピロリジン-1-イルピペリジン-1-イル)メチル]-1H-インドール 2塩酸塩 108 mgを無色結晶として得た。
実施例3
1,4’-ビピペリジン-3-イルメタノール2塩酸塩 167 mg のDMF 5 ml 溶液に炭酸カリウム 310 mg を加え、90℃で1時間攪拌した。室温まで冷却した反応液に、3-(ブロモメチル)-5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール 250 mg のDMF 5 ml 溶液を加え、室温で16時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール-28%アンモニア水)で精製することにより、(1’-{[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メチル}-1,4’-ビピペリジン-3-イル)メタノール 259 mg を無色アモルファスとして得た。この化合物をメタノール 8 ml に溶解し、4M塩化水素/ジオキサン溶液 0.5 ml を加えて塩酸塩とした後、溶媒を留去した。得られた固体をアセトニトリル-ジエチルエーテルで洗浄し、(1’-{[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メチル}-1,4’-ビピペリジン-3-イル)メタノール 2塩酸塩 179 mg を無色結晶として得た。
1-(4-クロロベンジル)-5-クロロ-1H-インドール 552 mgおよび1,4’-ビピペリジン-3-イルメタノール 2塩酸塩 542 mgのエタノール 10 ml溶液に、38%ホルマリン水溶液 0.3 mlを加え、3 時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却し、シリカゲル8 gを加えた後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製することにより、(1’-{[1-(4-クロロベンジル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4-ビピペリジン-3-イルメタノール 575 mgを得た。この化合物 560 mgをメタノール 5 mlに溶解し、4M塩化水素/酢酸エチル溶液 1 mlを加えた。溶媒を留去し、メタノールを加えた後、不溶物を濾過した。濾液を留去した後、残渣をエタノールより再結晶することにより、(1’-{[1-(4-クロロベンジル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4-ビピペリジン-3-イルメタノール 2塩酸塩 550 mgを無色結晶として得た。
実施例2
1-(4-クロロベンジル)-2-メチル-1H-インドール 300 mgおよび4-ピロリジン-1-イルピペリジン 181 mgを用いて、実施例1と同様の反応(但し、溶媒として酢酸 6 ml を用いて 50℃で 4 時間反応させた)を行うことにより、1-(4-クロロベンジル)-2-メチル-3-[(4-ピロリジン-1-イルピペリジン-1-イル)メチル]-1H-インドール 2塩酸塩 108 mgを無色結晶として得た。
実施例3
1,4’-ビピペリジン-3-イルメタノール2塩酸塩 167 mg のDMF 5 ml 溶液に炭酸カリウム 310 mg を加え、90℃で1時間攪拌した。室温まで冷却した反応液に、3-(ブロモメチル)-5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール 250 mg のDMF 5 ml 溶液を加え、室温で16時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール-28%アンモニア水)で精製することにより、(1’-{[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メチル}-1,4’-ビピペリジン-3-イル)メタノール 259 mg を無色アモルファスとして得た。この化合物をメタノール 8 ml に溶解し、4M塩化水素/ジオキサン溶液 0.5 ml を加えて塩酸塩とした後、溶媒を留去した。得られた固体をアセトニトリル-ジエチルエーテルで洗浄し、(1’-{[5-クロロ-1-(4-クロロ-2-フルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]メチル}-1,4’-ビピペリジン-3-イル)メタノール 2塩酸塩 179 mg を無色結晶として得た。
実施例4
(1'-{[1-(4-クロロベンジル)-6-ニトロ-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4'-ビピペリジン-3-イル)メタノール 2塩酸塩 150 mg のエタノール 15 ml 溶液に水 5 ml、還元鉄 147 mg、塩化アンモニウム 7 mg を加え、3時間加熱還流した。反応溶液を室温に冷却し、セライトによって濾過した後、溶媒を留去した。残渣に 1M 水酸化ナトリウム水溶液 10 ml を加え、クロロホルムで抽出し、溶媒を留去した。その残渣に 4M塩化水素/酢酸エチル溶液 0.26 ml を加えて塩酸塩とした後、酢酸エチル-メタノールで洗浄を行うことにより、(1'-{[6-アミノ-1-(4-クロロベンジル)-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4'-ビピペリジン-3-イル)メタノール 3塩酸塩 92 mg を茶色結晶として得た。
実施例5
メチル 1-(4-クロロベンジル)-3-{[3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-イル]メチル}-1H-インドール-5-カルボキシラート 2塩酸塩 156 mg に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 10 mlを加え、クロロホルムで抽出し、溶媒を留去することにより、メチル 1-(4-クロロベンジル)-3-{[3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-イル]メチル}-1H-インドール-5-カルボキシラートを得た。この化合物のメタノール 10 ml 溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液 6 ml を加えて2日間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣に1M塩酸水溶液 7 ml を加え、析出した固体を濾取した。得られた固体を水 10 ml に溶解した溶液に1M塩酸水溶液 1 ml を加え、析出した無色結晶を濾取し、1M塩酸水溶液により洗浄を行うことにより、1-(4-クロロベンジル)-3-{[3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-イル]メチル}-1H-インドール-5-カルボン酸 2塩酸塩107 mg を微赤色結晶として得た。
実施例6〜25
実施例1〜5の方法と同様にして後記表4〜6に示す実施例6〜25の化合物を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
実施例1〜25の化合物の構造及び物理化学的データを表4〜6に示す。また、表7〜9に本発明の別の化合物の構造を示す。これらは、上記の製造法や実施例に記載の方法及び当業者にとって自明である方法、又はこれらの変法を用いることにより、容易に合成することができる。
(1'-{[1-(4-クロロベンジル)-6-ニトロ-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4'-ビピペリジン-3-イル)メタノール 2塩酸塩 150 mg のエタノール 15 ml 溶液に水 5 ml、還元鉄 147 mg、塩化アンモニウム 7 mg を加え、3時間加熱還流した。反応溶液を室温に冷却し、セライトによって濾過した後、溶媒を留去した。残渣に 1M 水酸化ナトリウム水溶液 10 ml を加え、クロロホルムで抽出し、溶媒を留去した。その残渣に 4M塩化水素/酢酸エチル溶液 0.26 ml を加えて塩酸塩とした後、酢酸エチル-メタノールで洗浄を行うことにより、(1'-{[6-アミノ-1-(4-クロロベンジル)-1H-インドール-3-イル]メチル}-1,4'-ビピペリジン-3-イル)メタノール 3塩酸塩 92 mg を茶色結晶として得た。
実施例5
メチル 1-(4-クロロベンジル)-3-{[3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-イル]メチル}-1H-インドール-5-カルボキシラート 2塩酸塩 156 mg に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 10 mlを加え、クロロホルムで抽出し、溶媒を留去することにより、メチル 1-(4-クロロベンジル)-3-{[3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-イル]メチル}-1H-インドール-5-カルボキシラートを得た。この化合物のメタノール 10 ml 溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液 6 ml を加えて2日間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣に1M塩酸水溶液 7 ml を加え、析出した固体を濾取した。得られた固体を水 10 ml に溶解した溶液に1M塩酸水溶液 1 ml を加え、析出した無色結晶を濾取し、1M塩酸水溶液により洗浄を行うことにより、1-(4-クロロベンジル)-3-{[3-(ヒドロキシメチル)-1,4'-ビピペリジン-1'-イル]メチル}-1H-インドール-5-カルボン酸 2塩酸塩107 mg を微赤色結晶として得た。
実施例6〜25
実施例1〜5の方法と同様にして後記表4〜6に示す実施例6〜25の化合物を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
実施例1〜25の化合物の構造及び物理化学的データを表4〜6に示す。また、表7〜9に本発明の別の化合物の構造を示す。これらは、上記の製造法や実施例に記載の方法及び当業者にとって自明である方法、又はこれらの変法を用いることにより、容易に合成することができる。
Claims (1)
- 一般式(I)で示されるインドール若しくはインダゾール誘導体又はその塩。
R1:同一又は互いに異なって、-OH、-CN、ハロゲン、Ra、Rb、低級アルケニル、低級アルキニル、-O-Ra、-O-Rb、-S-Ra、-SO-Ra、-SO2-Ra、-NO2、-N(R8)(R9)、アミジノ、グアニジノ、-CO-Ra、-CO2-Ra、-CO2H、-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-CO-Ra、-N(R10)-CO-Rb、-N(R10)-CO2-Ra、-N(R10)-SO2-Ra、-N(R10)-SO2-Rb、-N(R10)-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-SO2-N(R8)(R9)、-O-CO-N(R8)(R9)又は-SO2-N(R8)(R9)、
Ra:-OH、-O-(低級アルキル)、フェニル、-CO2-(低級アルキル)、-N(低級アルキル)2、-CN及び-CO2Hからなる群より選択される1乃至3個の基で置換されていてもよい低級アルキル又はハロゲノ低級アルキル、
Rb:ハロゲン、-CN、低級アルキル、-O-(低級アルキル)及びハロゲノ低級アルキルからなる群より選択される1乃至3個の置換基で置換されていてもよいフェニル、
A:アリール、ヘテロアリール又はシクロアルキル、ここに、アリール、ヘテロアリール及びシクロアルキルは、R1に記載の1乃至3個の置換基で置換されていてもよい、
R5a及びR5b:同一又は互いに異なって、H、低級アルキル、又はR5a及びR5bが一体となってオキソ基を形成してもよい、
X:CR2又はN、
R2:H又は低級アルキル、
R11:H又は低級アルキル、
Y:CR3又はN、
Z:CR4又はN、但し、Lが結合又はメチレンのとき、Y及びZが同時にNであることはない、
R3及びR4:同一又は互いに異なって、H、-CN、-CO2H、-CON(R8)(R9)、又は低級アルキル基、ここに、低級アルキル基は、-OH、-O-Ra及び-N(R8)(R9)からなる群より選択される1つの基で置換されていてもよい、
L:結合、低級アルキレン、-CO-、-CO-(低級アルキレン)-又は-(低級アルキレン)-CO-、
R6及びR7:同一又は互いに異なって、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルケニル又は低級アルキニル、また、R6及びR7は隣接する基Zと一体となってシクロアルキル又は含窒素飽和環を形成してもよい、ここに、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルは、B群から選択される1乃至3個の置換基で置換されていてもよく、また、シクロアルキル及び含窒素飽和環は、B群の置換基、B群の置換基で置換された低級アルキル基、低級アルキル基又はハロゲノ低級アルキルで置換されていてもよい、
B群:-OH、-CN、-O-Ra、-O-Rb、-S-Ra、-SO-Ra、-SO2-Ra、-NO2、-N(R8)(R9)、-CO-Ra、-CO2-Ra、-CO2H、-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-CO-Ra、-N(R10)-CO-Rb、-N(R10)-CO2-Ra、-N(R10)-SO2-Ra、-N(R10)-SO2-Rb、-N(R10)-CO-N(R8)(R9)、-N(R10)-SO2-N(R8)(R9)、-O-CO-Ra、-O-CO-Rb、-O-CO-N(R8)(R9)又は-SO2-N(R8)(R9)、
R8、R9及びR10:同一又は互いに異なって、-OH、-O-低級アルキル、及び-CO2Hからなる群より選択される1乃至3個の基で置換されていてもよい低級アルキル又はH、
n:0、1又は2、
m:1又は2、
p:1又は2。)
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