JP2006137045A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、上記した課題を解決し、乾熱や湿熱処理による殺菌処理を行ってもフィルム表面へのオリゴマーの析出の発生を抑制し、レトルトパウチに使用した場合に外観、意匠性に優れる積層フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明の積層フィルムは、片面に、少なくとも1種の水性樹脂から構成される被覆層(A)が積層され、かつポリエステルフィルム中にエチレンテレフタレート環状三量体を0.1〜1質量%含有するポリエステルフィルムと、シーラントフィルムが積層されてなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は積層フィルムに関するものである。詳しくは、被覆層が積層されてたポリエステルフィルムと、シーラントフィルムが積層されてなる積層フィルムに関するものである
ポリエステルフィルムの代表例であるポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムは、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他多くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、光学材料、情報材料、包装材料など広い分野において使用されている。
これらの中でも、包装材料に使用されるポリエステルフィルムは、軟包装の場合にはポリエチレン、ポリプロピレンなどのシーラント層と接着剤を用いて、または接着剤を使用することなくラミネートされ、シーラント層が直接内容物と接するために、ポリエステルフィルムと内容物の接触を考慮することは少なく、ポリエステルフィルムは容器や包装材料の最外装として用いられることが多い。
そのような状況下で、近年では包装材料に対する要求が多種多様化、進化してきており、消費者の目に直接触れる部分である包装材料の最外装に用いられるポリエステルフィルムに対しては、消費者への視認性、商品のPRのための意匠性が非常に重視されるようになってきている。
ポリエステルフィルムを食品用パウチ包装などに使用する場合は殺菌処理として、乾熱や湿熱処理を行う場合が多いため、熱処理を行った際の耐オリゴマー析出性が非常に重要である(特許文献1参照)。熱処理によってフィルム表面にオリゴマーが析出すると、白粉むらとなってしまい、意匠性が損なわれてしまうために、その解決が望まれていた。
特開2003−137337
本発明の目的は、上記した課題を解決し、乾熱や湿熱処理による殺菌処理を行ってもフィルム表面へのオリゴマーの析出の発生を抑制し、レトルト熱処理が必要なパウチ包装に使用した場合に、意匠性に優れる積層フィルムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の積層フィルムは、少なくとも片面に、少なくとも1種の水性樹脂から構成される被覆層(A)が積層され、かつポリエステルフィルム中にエチレンテレフタレート環状三量体を0.1〜1質量%含有するポリエステルフィルムと、シーラントフィルムが積層されてなることを特徴とする。
本発明の積層フィルムは、食品用パウチなどの滅菌、殺菌処理で行われる乾熱、湿熱処理などを施しても、フィルム表面にオリゴマーが析出せず、外観を損ねずに意匠性に優れたフィルムを提供することができる。
本発明の積層フィルムを構成するポリエステル樹脂とは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称であって、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。ここでジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどを挙げることができる。これらの、ジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上併用してもよい。また、本発明に用いるポリエステルは1種のポリエステルであっても、2種以上のポリエステルのブレンドであってもよい。
特に好ましく用いられるポリエステルはテレフタル酸あるいはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応による重縮合反応によって得ることができるエチレンテレフタレートを主たる構成成分とすることが機械強度、加工性、熱特性、湿度特性などに優れるため好ましい。なおここで、主たるというのは、ポリエステル中のエチレンテレフタレート成分が30モル%以上であることを言う。
本発明の積層フィルムを構成するポリエステル樹脂を製造するに際しては、反応触媒、着色防止剤を使用することができる。反応触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物ゲルマニウム化合物などを、また着色防止剤としては、リン化合物などを使用することができるが、本発明では特にこれらに限定するものではない。
通常、ポリエステルの製造が完結する以前の任意の段階において、重合触媒として、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及び/またはチタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては、例えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、ポリエステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法を使用することができる。
かかるゲルマニウム化合物としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム水和物あるいは、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシドなどのゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフォノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウムなどのリン酸含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウムなどを使用することができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好ましく用いられる。
また、アンチモン化合物としては特に限定されないが、例えば三酸化アンチモンなどの酸化物、酢酸アンチモンなどが使用できる。また、さらにチタン化合物としては、特に限定しないが、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタンテトラアルコキシドを好ましく用いることができる。
本発明の積層フィルムは乾熱、湿熱処理を施した際のオリゴマーの析出を防ぐために、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に少なくとも1種の水性樹脂から構成される被覆層(A)が積層されていることが必要である。ここで水性樹脂とは樹脂が水に溶解または分散した状態のことを指し、水溶性、コロイダルディスパージョン、水性エマルジョンなどの形態をとることができるものをいう。
本発明における水性樹脂としては特に限定されるものではなく、具体的にはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられるが、ポリエステルフィルムとの接着性及び、オリゴマー析出抑制の点で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。アクリル樹脂とポリエステル樹脂はそれぞれ単独で使用してもよいが、併用して用いることが両者の特性が発現して、ポリエステルフィルムとの接着性、耐オリゴマー析出性が一層向上することから好ましい。
本発明において、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に積層されている被覆層(A)の構成成分として用いられるアクリル樹脂とは、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基など)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクレレートなどのエポキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー成分は1種もしくは2種以上を用いて共重合される。さらにこれらは、他種のモノマーと併用することができる。
他種のモノマーとしては、例えばアリルグリシジルエーテルなどエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びそれらの塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソイアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、及び塩化ビニルなどである。
また、本発明では、アクリル樹脂として、変性アクリル共重合体、例えばポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用可能である。
本発明で用いられるアクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は特に限定されるものではないが、好ましくは0〜90℃、より好ましくは10〜80℃である。Tgが低いアクリル樹脂を用いる場合は高温高湿下での接着性が劣る傾向にあり、逆に高すぎる場合は延伸時に亀裂を生じることがあるため好ましくないことがある。また、アクリル樹脂の分子量は10万以上が好ましく、より好ましくは30万以上とするのが接着性の点で好ましい。
本発明において用いられる好ましいアクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリル酸から選ばれる共重合体などが挙げられる。本発明におけるポリエステルフィルムを製造するに際しては、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに水系樹脂塗液を塗布し、延伸、熱処理により結晶配向を完了させる方法によることが、高温での熱処理が可能であることや、より均一薄膜の被覆層を得ることができるので特に好ましい。上記方法によって被覆層を形成する場合には、アクリル樹脂には水に溶解、乳化、あるいは懸濁し得る水系のものが、環境、防爆性の点で好ましい。このような水系アクリル樹脂は、親水性基を有するモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸及びその塩など)との共重合や、反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合などの方法によって作成することができる。
本発明の積層フィルムの少なくとも片面に積層される被覆層(A)の構成成分として用いられるポリエステル樹脂は、接着性を向上させるため、あるいはポリエステル樹脂の水溶性化を容易にするために、カルボン酸塩基を含む化合物と共重合することが好ましい。カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフィン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸など、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、ポリエステル樹脂として、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用可能である。
本発明において好ましく用いられるポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ナトリウムイソフタル酸、トリメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸を、またグリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールを用いた共重合体などが挙げられる。
また、本発明において被覆層(A)に用いられるポリエステル樹脂の固有粘度は特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.35dl/g、最も好ましくは0.4dl/g以上である。水系ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、0〜90℃であることが好ましく、より好ましくは10〜80℃である。Tgが0℃未満では耐湿接着性が劣り、逆に90℃を越えると樹脂の造膜性に劣るようになるので好ましくない場合がある。また、水系ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上であることが、接着性、特に耐湿接着性の点で好ましい。
本発明における被覆層(A)は、架橋剤が含まれていることが好ましい。架橋剤を含むことによって、常温下及び、高温高湿下でも接着性が向上する。
本発明における架橋剤は特に限定されないが、例えば、メチロール化あるいは、アルキロール化した尿素系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤、メラミン樹脂、オキサゾリン樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。中でも、メラミン系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤が接着性の点で好ましく用いられる。本発明において、架橋剤は任意の量を添加することができるが、水性樹脂100質量部に対して、10〜70質量部であることが、特性の発現性及び、水性樹脂の取扱い性の点で好ましい。さらに好ましくは20〜60質量部であり、25〜55質量部であると最も好ましい。
本発明において用いられるメラミン系架橋剤は、特に限定されないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。また、メラミン系架橋剤としては、単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。エーテル化に使用する低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、及びイソブタノールなどを用いることができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、及び完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などがある。その中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましく使用される。また、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するために、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。また、メラミン系架橋剤の好ましい添加量は水性樹脂100質量部に対して、10〜70質量部である。
本発明において用いられるオキサゾリン系架橋剤は、該化合物中に官能基としてオキサゾリン基を有するものであれば特に限定されるものではないが、オキサゾリン基を含有するモノマーを少なくとも1種以上含むオキサゾリン基含有共重合体からなるものが好ましい。かかる、オキサゾリン系架橋剤としては、特開平2−60941号公報、特開平2−99537号公報、特開平2−115238号公報、特公昭63−48884号公報などに記載の共重合体あるいはその誘導体を用いることができる。
具体的には下式で表される、付加重合オキサゾリンと、少なくとも1種の他のモノマーを共重合させて得られる共重合体を用いることができる。
(ただし、式中のR、R、R、Rはそれぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェニル、または置換フェニル基であり、Rは付加重合性不飽和結合を持つ非環状有機基である。)
Figure 2006137045
オキサゾリン基を含有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどを用いることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することもできる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
オキサゾリン系架橋剤 において、オキサゾリン基を含有するモノマーに対して用いられる少なくとも1種の他のモノマーとしては、該オキサゾリン基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に限定されないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類、及びスチレン、α−メチルスチレンなどのα、β−不飽和芳香族モノマー類などを用いることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
また、オキサゾリン系架橋剤の好ましい添加量は水性樹脂100質量部に対して、10〜70質量部である。
メラミン系架橋剤とオキサゾリン架橋剤をそれぞれ単独で使用してもよいが、併用して用いることが両者の特性が発現して、ポリエステルフィルムとの接着性が一層向上することから好ましい。
本発明の積層フィルムを製造するに際して、被覆層(A)を積層する好ましい方法としては、ポリエステルフィルム製造工程中に塗布し、基材フィルムとともに延伸する方法が好ましく用いられる。例えば、溶融押出しされた結晶配向前のポリエステルフィルムを長手方向に延伸し、一軸延伸されたフィルムに連続的に塗液を塗布する。次いで、塗布されたフィルムは段階的に加熱されたゾーンを通過し乾燥され、幅方向に延伸される。更に、連続的に160〜235℃の加熱ゾーンに導かれ結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)によって得ることができる。
本発明において、塗液を塗布する前に、基材フィルムの表面(上記例の場合、一軸延伸フィルム)にコロナ放電処理などを施し、表面の濡れ張力を好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上とすることが、被覆層の基材フィルムとの接着性を向上させたり、塗布欠点を解消することができるため好ましく採用できる。
本発明における被覆層(A)の厚みは特に限定されないが、通常は0.01〜5μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.02〜2μm、最も好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。被覆層(A)の厚みが薄すぎると接着性不良となる場合がある。基材フィルム上への被覆層形成塗液の塗布方法としては、各種の塗布方法、例えばリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコード法、マイヤーバーコード法、ダイコート法、及びスプレーコート法などを用いることができる。
本発明において、ポリエステルフィルム中にエチレンテレフタレート環状三量体を0.1〜1質量%含有することが必要である。環状三量体量を0.1質量%未満にすることは製造コストが莫大となってしまうために経済的に不利となる。また、1質量%より多くなると、乾熱、湿熱処理を行った際に、表面に環状三量体が析出してくる場合があるために好ましくない。より好ましくは0.2〜0.95質量%であり、0.25〜0.9質量%であれば、最も好ましい。
エチレンテレフタレート環状三量体含有量を上記の範囲とする方法としては、製膜前の原料樹脂段階でのオリゴマー含有量を低減しておくことが好ましい。その方法としては、以下の方法で固相重合を行う方法が挙げられる。すなわち、ポリエステル樹脂をガラス転移点以上融点以下の温度の大気中あるいは不活性ガス中または、熱水中で予備結晶化を行う。その後、減圧下または不活性ガス雰囲気下で、ガラス転移温度の+5℃以上、融点の−5℃以下の範囲、好ましくはガラス転移点の+10℃以上、融点の−10℃以下の範囲で固相重合を行う。
また、水中で固化した樹脂を熱処理することによって結晶化させ、非晶部の環状三量体を過飽和状態にさせ、温水中に分散させることによって環状三量体量を低減させる方法も挙げられる。
本発明の積層フィルムは125℃で90分間の熱処理を施した際のフィルム表面へのエチレンテレフタレート環状三量体の析出量が0.8μg/cm未満であることが好ましい。該熱処理後のフィルム表面への環状三量体の析出量が0.8μg/より多いと、乾熱、湿熱処理を施した際に環状三量体がフィルム表面上で白粉として認められ、外観を損ねてしまうために好ましくない。
該熱処理後のフィルム表面への環状三量体の析出量を0.8μg/cm未満とする方法は、上記のようにフィルム中の環状三量体量を低減しておく方法や、共重合ポリエステルを使用することによって、ポリエステルの結晶性を低下させ、フィルム表面への環状三量体の析出を抑制する方法や、ワックスの添加による環状三量体のトラップ効果で表面への析出を抑制する方法などが挙げられるが、フィルム中の環状三量体量を低減しておく方法が最も好ましい方法である。
本発明において、積層フィルムを構成するポリエステルフィルムは、取扱い性と加工性を向上させるために、平均粒子径0.01〜10μmの内部粒子、無機粒子及び/または有機粒子を0.01〜3質量%含有することが好ましい。内部粒子の析出方法としては、例えば、特開昭48−64556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−90397号公報などに記載の技術を採用することができる。さらに、特公昭55−20496号公報や特開昭59−204617号などに記載の技術を併用することことができる。なお、10μmを超える平均粒子径を有する粒子を使用すると、フィルムに欠陥が生じることがあるので注意を要する。かかる無機粒子としては、例えば、湿式及び乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなどを使用することができる。中でも、湿式及び乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子スチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子及び有機粒子は2種類以上併用してもよい。
本発明に使用されるポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂を必要に応じて乾燥した後、溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化し未延伸シートを得た後、かかる未延伸シートを延伸する方法が挙げられる。
かかる延伸方式としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでもよい。すなわち、未延伸シートをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸、熱処理し、目的とする面配向度のフィルムを得る方法が採用される。これらの方式の中では、フィルムの品質の点で、テンター方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後に、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、または長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式などが面配向係数のばらつき抑制、厚みむら抑制の点から好ましく用いられる。
かかる延伸方法において、採用される延伸倍率としては、それぞれの方向に好ましくは1.6〜4.2倍、さらに好ましくは2.4〜4.0倍である。また、延伸速度は100〜200000%/分であることが望ましく、延伸温度はポリエステルのガラス転移点〜ガラス転移点+100℃の温度範囲であれば任意の温度とすることができるが、好ましくは、80〜170℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を90〜150℃、幅方向の延伸温度を100℃〜150℃とするのがよい。フィルムに非常に優れた成形性を付与するためには、特に長手方向の延伸温度を100〜130℃とすることが好ましく、特に縦延伸前において、100℃以上の高温で1〜100秒間程度結晶化しない範囲において予熱した後、延伸することは、均一な延伸による優れた平面性、配向むら抑制による優れた成形性の発現などの点で好ましいことである。さらに、延伸は各方向に対して複数回行ってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行うことができる。この熱処理は、オーブン中、加熱されたロール上など任意の方法により行うことができる。熱処理温度は、延伸温度〜原料の融点の範囲の任意の温度とすることができるが、成形加工性と耐衝撃性の点から160〜235℃の熱処理温度であることが好ましい。かかる温度より低温であれば、耐衝撃性が悪化し、高温であれば成形加工性が悪化することがある。また、熱処理時間は他の特性を悪化させない範囲においては任意とすることができるが、通常1〜30秒間行うのが好ましい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向及び/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムとシーラントフィルムを積層してなることが必要である。ポリエステルフィルムとシーラントフィルムを積層することによって、ヒートシール性を有するために、容易に袋状にすることができ、包装体として使用する場合に非常に有用である。本発明においてポリエステルフィルムの片面のみに水性樹脂が積層されている場合は、水性樹脂が積層している面と逆面にシーラントフィルムを積層することが好ましい。
ポリエステルフィルムとシーラントフィルムを積層する方法はポリエステルフィルムとシーラントフィルムを熱接着させる方法、ポリウレタンなどの接着剤を用いてラミネートする方法、ポリエステルフィルム上にシーラント樹脂を直接押出ラミネートする方法、ポリエステルとシーラントポリマーを別々の押出機で溶融押出し、フィードブロックや口金内で合流させ、共押出することにより無配向の積層フィルムを得た後に二軸延伸を行う方法、一軸方向に延伸したポリエステルフィルム上にシーラントポリマーを溶融押出し、次いで直交方向に延伸する方法を選ぶことが出来るが熱接着や押出ラミネート、接着剤を用いたラミネートを行うことが好ましい。
本発明の積層体に使用されるシーラントフィルムはポリエステルフィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂フィルムであれば特に限定されないが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン/ポリプロピレン共重合体のいずれかからなるポリオレフィンフィルムが好ましく使用される。
また、本発明においてシーラントフィルムは、ヒートシール性の点から、無延伸フィルムであることが好ましい。無延伸フィルムとは面配向係数が0〜0.01の範囲であり、より好ましくは0〜0.005の範囲である。
本発明の積層フィルムは、レトルト熱処理を施した際の耐オリゴマー析出性に優れているため、レトルトパウチ用途に好ましく使用することができる。本発明の積層フィルムを使用してレトルトパウチを作製する方法は特に限定されないが、本発明の積層フィルムのシーラントフィルム側をヒートシールして、袋状にする方法が挙げられる。袋の形態は、3方シール袋、4方シール袋、ピロー袋、スタンディング袋、バックインボックスなどが挙げられる。
また、ガスバリア性を付与するために、アルミ箔や、ガスバリア性フィルムなどを、耐屈曲性、耐衝撃性を付与するためにポリアミドフィルムなどを積層してもよい。積層する方法は特に限定されないが、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、押出ラミネーションなどの方法が挙げられる。
(物性・評価)
ポリマー、フィルムの物性、特性は以下の方法にて測定、評価した。
(1)積層厚み
フィルムの断面を超薄切片法で透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)にて写真撮影し、フィルムの積層厚みを測定した。測定はフィルム幅方向での中央部の任意の5ヶ所について倍率20000倍で観察し、その平均値から積層厚み比を求めた。また、フィルム全体の厚みはダイヤルゲージを用いて任意の5ヶ所を測定し平均値を採用した。
(2)フィルム中の環状三量体量
フィルム100mgをオルソクロロフェノール1mLに溶解し、液体クロマトグラフィー(Varian社製モデル8500)で環状三量体量を測定した。
(3)レトルト熱処理後のフィルム表面への環状三量体析出量
フィルムを200mm四方の金属枠に両面テープで貼り付け固定し、125℃で120分間のレトルト処理を行った。レトルト熱処理後、フィルムを表面100mm×100mmに切断し、清浄なガラス上に置き、HPCL用エタノールを含ませた産業用ワイパー(キムワイプ、クレシア(株)製、ワイパーS−200)で拭き、フィルム表面を拭き取った。(縦方向、横方向3回ずつ。)50mLスクリュー管に産業用ワイパーを入れ、HPCL用エタノール15mLを加え、30分間、超音波処理して抽出した。拭き取りに用いなかった産業用ワイパーも同様に処理し、ブランクとした。この溶液を25mLに定容し、10mLを正確にとり、窒素気流で1mL程度まで濃縮(完全に乾燥させない)し、これを2mLメスフラスコに定量的に移し、エタノールを加えて正確に2mL溶液とした。これを液体クロマトグラフィー(Varian社製モデル8500)を用いて、環状三量体量を測定した。なお、測定面はシーラントフィルムが積層してある面と反対側の面とした。
(4)レトルト熱処理後の外観
積層フィルムを200mm×150mmの大きさにサンプリングし、インパルスシーラーFA−300(富士インパルス(株))で4方シール袋を作製した(圧力調整ナット標準位置、0.7秒、到達温度:163℃)。その際、袋の中に水を100cc注入した。該レトルトパウチをレトルト釜にて、125℃で90分間のレトルト熱処理を行い、フィルム表面の外観を以下の基準で判定した。
○:レトルト熱処理前とフィルム表面に変化はなかった。
△:目視ではフィルム表面に変化は見られなかったが、指でこすると白粉がついた。
×:目視で白粉むらが観察された。
(ポリエステル樹脂原料の製造方法)
以下の実験において使用したポリエステル樹脂原料は以下のようにして製造した。
(ポリエステルA)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部の混合物に酢酸マンガン0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025質量部、二酸化ゲルマニウム0.02質量部を添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングしてポリエチレンテレフタレート(ポリエステルA)を得た。
(ポリエステルB)
ポリエステルAを回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、230℃で極限粘度が0.72となるまで固相重合を行い、ポリエステルBを得た。
(ポリエステルC)
ポリエステルAを回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、230℃で極限粘度が1.0となるまで固相重合を行い、ポリエステルCを得た。
(粒子マスター)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール70質量部の混合物に酢酸マンガン0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025質量部、二酸化ゲルマニウム0.02質量部を添加した。さらに、平均二次粒子径2.2μmの凝集粒子のエチレングリコールスラリーを粒子濃度が2質量%となるように添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.63となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして粒子マスター樹脂を得た。
(被覆層合成樹脂の製造方法)
以下の実験において使用した被覆層合成樹脂原料は以下のようにして製造した。
(アクリル樹脂)
メチルメタクリレート 60質量%
エチルアクリレート 35質量%
アクリル酸 2質量%
N−メチロールアクリルアミド 2質量%
アクリロニトリル 1質量%
上記組成で共重合したアクリル樹脂共重合体の水溶性エマルジョン。
(ポリエステル樹脂)
酸成分:
テレフタル酸 87.5mol%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 12.5mol%
ジオール成分:
エチレングリコール 99mol%
ジエチレングリコール 1mol%
上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂の水分散体。
(メラミン系架橋剤)
メチロール化メラミンを、イソプロピルアルコールと水の混合溶媒(10/90(質量比))に希釈した塗液。
(オキサゾリン系架橋剤)
メチルメタクリレート 50質量%
エチルアクリレート 25質量%
スチレン 5質量%
2−イソプロペニル−2−オキサゾリン 20質量%
上記組成で共重合したオキサゾリン基含有樹脂組成物を、プロピレングリコールモノメチルエーテルと水との混合溶媒(20/80(質量比))に希釈した塗液。
(実施例1)
アクリル樹脂:ポリエステル樹脂を質量比35:65で混合した水性樹脂100質量部に対して、50質量部になるようにメラミン系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤を質量比80:20で混合した架橋剤を添加したものをコーティング液とした。ポリエステルAとポリエステルBと粒子マスターを質量比46:50:4で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムとした。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を52mN/mとした。その処理面に上記したコーティング液をコーティングした。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度215℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムの表面にコロナ処理を行い、三井武田ケミカル(株)製接着剤タケラックA610と硬化剤タケネートA50と酢酸エチルを36:4:60で混合した接着剤を、塗布厚み3g/mとなるように塗布した。このとき、塗布面は被覆層(A)と反対面となるようにした。接着剤を塗布したフィルムを80℃の熱風オーブン中で1分間保存後、ニップロールにてシーラントフィルム(東レフィルム加工(株)製未延伸ポリプロピレンフィルム トレファンNO ZK93FM 厚み:50μm)と貼り合わせた(ニップ条件:80℃、0.3MPa、10m/min)。その後、40℃、65RH%で72時間養生し、積層フィルムを得た。なお、シーラントフィルムはコーティング面と逆面に積層した。
(実施例2)
アクリル樹脂:ポリエステル樹脂を質量比35:65で混合した水性樹脂100質量部に対して、20質量部になるようにメラミン系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤を質量比20:80で混合した架橋剤を添加したものをコーティング液とした。ポリエステルCと粒子マスターを質量比96:4で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例1)
コーティング液は実施例1と同様のものを使用した。
ポリエステルAと粒子マスターを96:4で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例2)
アクリル樹脂:ポリエステル樹脂を質量比35:65で混合した水性樹脂100質量部に対して、50質量部になるようにメラミン系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤を質量比80:20で混合した架橋剤を添加したものをコーティング液とした。
ポリエステルAとポリエステルBと粒子マスターを質量比76:20:4で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例3)
ポリエステルAとポリエステルBと粒子マスターを質量比46:50:4で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、実施例1と同様の方法で未延伸フィルムを作製した。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。この一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度215℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。その後は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
Figure 2006137045
(実施例3)
アクリル樹脂100質量部に対して、55質量部になるようにメラミン系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤を質量比80:20で混合した架橋剤を添加したものをコーティング液とした。ポリエステルAとポリエステルBと粒子マスターを質量比66:30:4で混合し、真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例4)
ポリエステル樹脂100質量部に対して、55質量部になるようにオキサゾリン系架橋剤を添加したものをコーティング液とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例5)
アクリル樹脂:ポリエステル樹脂を質量比35:65で混合した水性樹脂100質量部に対して、50質量部になるようにメラミン系架橋剤を添加したものをコーティング液とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例6)
アクリル樹脂:ポリエステル樹脂を質量比35:65で混合した水性樹脂をコーティング液とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを作製した。
Figure 2006137045
(実施例7)
アクリル樹脂:ポリエステル樹脂を質量比30:70で混合した水性樹脂100質量部に対して、50質量部になるようにメラミン系架橋剤とオキサゾリン系架橋剤を質量比80:20で混合した架橋剤を添加したものをコーティング液とした。ポリエステルAとポリエステルBと粒子マスターを質量比56:40:4で混合し、積層樹脂層(C)のポリエステルとしてポリエステルAと粒子マスターを質量比96:4で混合した。各々混合されたポリエステル樹脂原料を個別に真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内で、ポリエステルフィルム層/層(C)が積層比10:2となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムとした。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を52mN/mとした。このときの処理面は積層樹脂層(C)側とした。その処理面に上記したコーティング液をコーティングした。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度215℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。その後は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
Figure 2006137045
本発明のポリエステルフィルムは、食品用パウチなどの滅菌、殺菌処理で行われる乾熱、湿熱処理などを施しても、フィルム表面にオリゴマーが析出しないために、外観を損ねずに意匠性に優れたフィルムを提供することができる。このため、特に具体的にはレトルトパウチ用途に適している。

Claims (5)

  1. 少なくとも片面に、少なくとも1種の水性樹脂から構成される被覆層(A)が積層され、かつポリエステルフィルム中にエチレンテレフタレート環状三量体を0.1〜1質量%含有するポリエステルフィルムと、シーラントフィルムが積層されてなる積層フィルム。
  2. 水性樹脂がアクリル樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも1種から選ばれた樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 被覆層(A)に架橋剤が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 125℃で90分間の熱処理を施した際のフィルム表面へのエチレンテレフタレート環状三量体の析出量が0.8μg/cm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. レトルトパウチに使用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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