JP2006136920A - レーザ加工装置および加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速移動中あるいは回転中の被加工材表面に穴径20〜300μm程度の小径かつ深さ10μm程度以上の深穴の微小穴加工乃至は狭隘な溝加工を、スパッタやリムの形成を極めて低減した状態で、且つ高速で行うためのレーザ加工装置および加工方法に関する発明である。
【解決手段】移動中あるいは回転中の被加工材表面にレーザを用いて微小穴加工乃至は狭隘な溝加工を施すレーザ加工装置において、前記レーザ発振器が半導体レーザ励起固体レーザ発振器であり、前記固体レーザ発振器の励起用半導体レーザの駆動電流を概矩形にてON/OFF制御あるいは2つの電流レベルで切替え制御する制御器を備え、前記固体レーザを緩和発振させた1つ以上のピークを持つ擬似パルス群出力を用いて被加工材表面に微細な穴加工乃至は狭隘な溝加工を行うレーザ加工装置および加工方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ励起固体レーザ発振器にて、移動中の鋼板又は鋳造用モールドなどの平面物の表面、圧延ロール、並びに薄板連続鋳造用ドラムなどの円筒形状金属体表面に微小穴加工を行う、レーザ加工装置および加工方法に関する。
例えば特許文献1など多くの特許文献に、QスイッチYAGレーザパルスを用い圧延ロール表面に微小な凹凸を形成する方法が開示されている。特許文献1では音響光学素子(以下AO素子)を用いたQスイッチYAGレーザを用いて微小な凹形状をロール表面に形成する方法が開示されている。AO素子によるQスイッチYAGレーザはこの他にもレーザマーキングなど微細なディンプル状の穴加工を行うのに広く用いられている。
一般的にAO素子を用いたQスイッチYAGレーザは、そのパルス半値幅が数十nsecから100nsec程度と短いパルスレーザであり、このため加工穴の深さは5μm程度である(特許文献1第6図でパルス照射回数1回での加工深さは5μm程度以下である)。
ところで、圧延ロールの寿命延長については特許文献2にも記載のとおり穴深さが深い方が望ましい。しかるに上記のとおりAO素子を用いたQスイッチ固体レーザ発振はパルス幅が短く、そのため10μm程度以上の深い穴加工を行う事が難しい。例えば、特許文献1では複数回のパルスレーザ照射により10μmを超える加工深さを実現する方法を開示しているが、そのためには特許文献1、第2図、第3図、第4図に開示されているような非常に複雑な光学系を必要とし、実際の工業装置として使用するには費用および光学系の調整作業が困難であるなどの問題がある。
比較的長いパルス幅を有するレーザパルスによる数十μmオーダー深さの穴加工方法として特許文献2に開示された方法がある。特許文献2には、炭酸ガスレーザ共振器筐体内部に組み込まれたテレスコープ光学系とスリットを有する高速回転するチョッパディスクにより、Qスイッチ化された炭酸ガスレーザ発振器からの約10μsecのパルス幅を有するパルスレーザ出力を回転する圧延ロール表面に集光照射し、前記炭酸ガスレーザパルス1発により圧延ロール上に穴径250μm、深さ30μmの穴加工(ダル加工)を行う方法が開示されている。特許文献3では特許文献2と同様のQスイッチ炭酸ガスパルスレーザを使用し、さらにパルス幅の長い(30μsec以上のパルス幅)1パルスのレーザ光を用いて、連続鋳造用ドラムの表面に直径180μm、深さ55μmの微小穴を加工する発明が開示されている。これら2つの従来の加工方法はいずれも、十から数十μsecオーダーの比較的長い単発の炭酸ガスレーザパルスを用いて被加工物表面に深さ数十μm以上の深さの穴加工を行う方法である。
しかし特許文献2に記載された炭酸ガスレーザの発振波長は10.6μmとYAGレーザの波長1.06μmより長く、金属加工を行う場合にはその吸収効率は5〜10%程度とYAGレーザに較べて非常に小さい(例えば非特許文献1を参照)。そのため炭酸ガスレーザパルスの穴加工では、穴加工の過程で蒸発状態に至らず溶融状態にとどまる被加工材の量が大きくなる。その結果、加工スパッタが多量に発生し被加工金属体表面に付着する問題や溶融物が微小穴外周に付着するリムと呼ばれる溶融固着物を形成する量が大きくなる問題がある。
ところで、特許文献2に記載されているように冷延ロールの圧延寿命延長化には、一般に冷延鋼板は多段の連続する圧延機により製造される。入り側、中間スタンドと呼ばれる部分のロール表面に穴加工を行う場合は、リムの発生したダル穴加工付きロールにて圧延して、圧延後の鋼板表面にリムの模様が転写しても、その後にダル穴の無い通常のロールを用いて圧延する事で転写模様を消す事が可能である(鋼板表面には最終的にリム模様が残らない)。しかしタンデム圧延機の最終スタンドあるいは、より製品表面品質に直結する調質圧延などの工程へのダル加工圧延ロールの使用は前記リム模様転写が問題となるため、リムの発生したダル穴加工付きロールの適用が困難であった。さらに加工スパッタあるいは溶融リムが圧延ロール表面に多量に付着した状態で圧延を行うと、鋼板表面の光沢が劣化するなど表面品質を低下させるだけでなく、圧延ロール表面の摩擦係数が大きくなり過ぎ、圧延が不安定になる問題がある。このため、レーザダル加工後にスパッタあるいは溶融リムをブラシなどを用いて除去する工程が必要となり、ロール加工時間および加工コストの増加となる問題があった。
上記の加工穴径の微小化あるいは溶融リム問題を解決する手段として、特許文献4にレーザパルスを数パルスの群にまとめて、微細で深い穴加工を連続的に行う方法が開示されている。さらに同様のパルス群レーザ出力をQスイッチ炭酸ガスレーザで実現する方法が特許文献5に開示されている。しかし特許文献4、特許文献5に記載のQスイッチ炭酸ガスレーザパルスを用いたパルス群による穴加工方法では、パルス群を構成するレーザパルス(以下ベースパルスと呼ぶ)の発振周波数が高々、50〜100kHz程度であり、それらをパルス群としてグループ化して穴加工を行うため、穴加工速度が遅い問題がある。穴加工速度の実行的な加工速度は特許文献4、特許文献5の実施例に記載のとおり1000個/秒程度であり、大面積を有する鋼板全面の加工、あるいは圧延ロール表面の全面加工に時間が掛かりすぎる問題がある。
特公昭60−2156号公報 特開平8−15506号公報 特開2002−103064号公報 特開2003−033890号公報 特開2002−305343号公報 レーザ学会編、レーザプロセッシング第1版、 77ページ、図1(1990年)
本発明は、製造ライン上を搬送中の鋼板などの移動物の表面、あるいは圧延ロールおよび薄板連続鋳造用ドラムなどの高速回転中の円筒状物体や円板状物体の表面に、穴径20〜300μm程度で深さ10μm以上の微小穴を、微小穴周辺のスパッタやリムの形成を低減し、且つ高速に加工することができる、簡便な加工光学系を持ち安価な装置構成であるレーザ穴加工装置および穴加工方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に示すものである。
(1) 移動中あるいは回転中の被加工材表面にレーザ光を集光、照射して微小穴加工乃至狭隘な溝加工を施すレーザ加工装置において、
半導体レーザ励起固体レーザ発振器と、該半導体レーザ励起固体レーザ発振器の励起用半導体レーザに駆動電流を供給する制御器を備えたレーザ加工装置であって、
前記制御器は、高周波数駆動電流で前記固体レーザの緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群を発生させるものであり、該緩和発振によるレーザパルスで加工することを特徴とするレーザ加工装置である。
(2) 前記高周波数駆動電流は、ゼロと前記固体レーザの発振しきい値より大きな値間でオン/オフするものである(1)に記載のレーザ加工装置である。
このとき、前記高周波数駆動電流の最大値は、前記励起用半導体レーザおよび前記固体レーザが破壊されない範囲とすることは当然である。
(3) 前記高周波数駆動電流の値が、前記固体レーザの発振しきい値を挟んでしきい値より大きな電流と、0A(ゼロアンペア)ではなく且つしきい値より小さな電流との間で矩形に変動することを特徴とする(1)に記載のレーザ加工装置である。
すなわち、駆動電流を発振しきい値電流レベルIth未満の電流値IとIthより大きな電流値Iの2つのレベルで切換え制御することによって、前記固体レーザの緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群を連続的発生させて加工するレーザ加工装置である。
このとき、前記高周波数駆動電流の最大値は、前記励起用半導体レーザおよび前記固体レーザが破壊されない範囲とすることは当然である。
(4) 前記被加工材が、金属材料、圧延ロール、連続鋳造用ドラム、または連続鋳造用モールド壁である(1)〜(3)の内の一つに記載のレーザ加工装置。
(5) 移動中あるいは回転中の被加工材表面にレーザ光を集光、照射して微小穴加工乃至狭隘な溝加工を施すレーザ加工方法において、
半導体レーザ励起固体レーザ発振器と、該半導体レーザ励起固体レーザ発振器の励起用半導体レーザに駆動電流を供給する制御器を備えたレーザ装置を用いて、
前記制御器は、高周波数駆動電流で前記固体レーザの緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群を発生させるものであり、該緩和発振によるレーザパルスで加工することを特徴とするレーザ加工方法である。
(6) 前記高周波数駆動電流は、ゼロと前記固体レーザの発振しきい値より大きな値間でオン/オフするものである請求項5に記載のレーザ加工方法である。
(7) 前記高周波数駆動電流の値が、前記固体レーザの発振しきい値を挟んでしきい値より大きな電流と、0A(ゼロアンペア)ではなく且つしきい値より小さな電流との間で矩形に変動することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
(8) 請求項6又は請求項7に記載のレーザ加工方法において、
前記緩和発振のレーザパルスに含まれる各ピークの周期が5μsec以下であり、かつ前記緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群内に含まれる複数の擬似パルスピーク群のピーク値が100W〜100kW、各ピークの半値幅の総和が500nsec以上である事を特徴とするレーザ加工方法である。
本発明の加工装置および加工方法を用いる事で、ライン上を搬送中の鋼板などの移動物の表面あるいは、圧延ロールおよび薄板連続鋳造用ドラムなどの高速回転中の円筒状材料の表面に、簡便な加工光学系を持つ1種類のレーザ発振器を用い、該レーザ発振器の発振条件の変更(励起エネルギーレベルの変更)により、穴径20〜300μm程度の加工範囲の自由度を持ち、かつ深さ10μm以上の深穴の微小穴加工を高速で加工し、かつ加工穴周辺のスパッタやリムの形成を極めて低減した状態で行う事が可能となる。
上記の課題に対して、本願発明者は、炭酸ガスレーザよりも発振波長の短い半導体レーザ励起固体レーザからのレーザパルスのパルス幅の増大化を、レーザ発振器の発振条件の変更(励起エネルギーレベルの変更)により鋭意検討した。
パルスレーザによる微細穴加工において同一のスポット径に集光したレーザ光を用いる場合、加工穴径はレーザピーク強度密度Dp(W/cm)に依存し(加工点でのレーザピーク強度密度が大きくなると加工穴径も大きくなる)、加工穴深さはレーザパルス幅(sec)に依存する(レーザパルス幅が長くなると、穴深さが増大する)。この事から微細で深い穴加工を行うには、適正なDpを超えずかつ加工深さを確保するための十分なパルス幅を有するレーザパルスを用いて加工を行う必要がある。以下、そのメカニズムを簡単に説明する。
なんらかの熱源により被加工材表面が局所的に急加熱された場合、加熱された近傍の被加工材表面の温度が上昇し、溶融、蒸発に至る(穴加工の開始)。この溶融、蒸発の発生部にノズル先端からドライエアーなどのアシストガスを噴射する。このアシストガスにより溶融状態にとどまる部分は被加工物表面から除去され、さらに深部の被加工材が露出する。さらに、露出した被加工材表面が引き続き局所的な急加熱を受けると、初期表面同様に溶融、蒸発状態となり再びアシストガスにより被加工材から除去され、いわゆる穴加工の深さ方向への進展が起きる。この事から穴加工において、加熱源の平面的な大きさが穴径を決定し、加熱源の継続時間が加工穴深さを決定する事になる。言うまでもなく加熱源の平面的サイズが大きければ加工穴径が大きくなり、加熱源の継続時間が長ければ、加工深さが深くなる。
パルスレーザによる穴加工では上記局所的な熱源として作用する要因が3種類ある。1つは、パルスレーザの初期部分により照射部近傍に生成される、いわゆるレーザ加工プラズマと呼ばれる蒸発した加工材および周辺気体のプラズマである。レーザパルスの後続部分は、前記レーザ加工プラズマに吸収される部分と、レーザ加工プラズマを透過して直接材料に到達する部分の2つに分かれる。前記レーザ加工プラズマに吸収されるパルスの後続部分は、レーザ加工プラズマへのエネルギー供給によりプラズマの温度を上昇させる事で2つ目の熱源として作用する。そしてパルスの後続部分のうち、レーザ加工プラズマを透過して直接被加工材に到達し材料表面を加熱する部分が3つ目の加熱源として作用する。
上記レーザ加工プラズマはパルスレーザ光が被加工材表面に集光照射される事で、照射点近傍の極わずかに蒸発した被加工材を起点に発生するものであり、照射点でのレーザ強度密度が大きくなる程、起点となる初期の被加工材表面からの蒸発量が増加しレーザ加工プラズマの平面的な大きさは大きくなる。また後続部分のレーザパルスのうちレーザ加工プラズマに吸収される部分が大きいと、レーザ加工プラズマは大きくなる。レーザ加工プラズマへのレーザ光の吸収は逆制動輻射作用により発生し、レーザ波長が長い程吸収されるレーザ光の割合は大きくなりレーザ加工プラズマの大きさを増加させる。
したがってパルスレーザ照射による穴加工では、適正な照射レーザ強度密度を超えない条件で、かつレーザ加工プラズマへの吸収の少ない波長の短いレーザ光を用いる事が小さな穴加工を行う上で必要となる。本願発明者の研究によれば、穴径20〜300μm程度の範囲で微細な穴加工を行うには、照射点でのレーザ強度密度が10(MW/cm)以上、かつレーザ光の波長が2μm程度以下である事が必要である。レーザ強度密度が10(MW/cm)程度以上必要となるのは、これ以下の強度密度の条件でレーザを照射しても、強度密度が不足し穴加工が起こらないあるいは溶融が多くリム発生が増加するなど、形状不良の穴加工となるからである。またレーザ強度密度が1.0(GW/cm)以下としたのは、レーザ強度密度が高すぎると発生するレーザ加工プラズマの密度が大きすぎ、固体レーザの波長(<2μm)においても逆制動輻射によるレーザ光の吸収が起こりレーザ光が被加工材表面に到達できなくなり、またしても正常な穴加工ができなくなるからである。固体レーザとしてはYAGレーザの他、YLFレーザ、チタンサファイアレーザなどがよく知られている。
上記10(MW/cm)以上のレーザ強度密度を得るには、加工点でのレーザ集光スポット径を20μm〜300μmとして50W〜15kW程度のレーザ強度が必要である。一方、工業的に利用可能な固体レーザで20μm〜300μmの集光スポットに集光可能であり、後述するパルス半値巾500nsec〜1.0μsecを有し、かつ数kHz〜数十kHzの高繰り返しでパルス発振出力可能と考えた場合、レーザ出力強度50kW以上(ピーク出力100kW以上に相当)を得る事は困難である。したがって、本発明の目的である穴径20〜300μm程度の加工に適したレーザ強度は50W〜50kWの範囲と規定できる。
一方、レーザパルス波形の加工穴深さへの影響を考えると、局所的熱源の継続時間はパルス幅に依存する事が明らかである。つまりレーザパルス幅が長くなる程加工深さが深くなる。本願発明者らの研究によれば、上述の局所熱源による加熱の継続時間による穴加工深さの進展として深さ10μm以上の深い穴加工を得るには、波長2μm程度以下の固体レーザパルスを用いて、前記のレーザ強度密度の状態が500nsecから1μsec以上継続する事が必要である(図5(b)参照)。穴加工進展のための加熱継続時間は、必ずしも連続的である必要はなく、周辺への抜熱による冷却が無視できる様な数μsec程度(具体的には5μsec程度)の極わずかな時間であれば加熱が中断する間欠的な加熱でもよく、この場合は間欠的な加熱時間の合計時間が穴深さを決定する。すなわち、後述するパルス群による穴加工の場合は、有効なレーザ出力強度を有するパルス幅の合計時間が500nsecから1μsec以上であれば10μm以上の加工深さを得る事ができる。
レーザのパルス波形を記述するには、ピークの強度(ピーク強度(W))とレーザ強度がピーク強度の半分となる時間幅(半値幅(sec))で記述するのが一般的である。本発明の目的とする穴径20〜300μmで深さ10μm以上の微細穴加工に最適なレーザパルス波形をピーク出力と半値巾で規定すると次の様になる。ピーク出力は、前述の適正レーザ強度の値を2倍したものとなり、ピーク出力100W〜100kW、半値パルス幅(後述の緩和発振によるパルス群の場合は半値幅の合計)500nsecから1μsec以上であれば良い。
レーザ照射部近傍の被加工材表面のうち溶融状態にとどまる部分の量と蒸発領域に到達する量は単位時間にレーザから供給される熱量により決定され、この熱量が大きいほど蒸発域に到達する被加工物の量が増加する。被加工物表面に照射されるレーザピーク強度密度が同一の場合、単位時間に供給される熱量は被加工材へのレーザ光の吸収が大きい程大きくなり、吸収率は被加工物に照射するレーザ光の波長により決まる。特許文献2から特許文献5に記載されている炭酸ガスレーザの波長は10.6μmであり、一般的な金属の場合、その吸収率は5〜10%程度である。一方、例えばYAGレーザにおいてはその波長は1.06μmと炭酸ガスレーザの1/10であり、一般的な金属の場合、その吸収率は30〜40%程度と炭酸ガスレーザの3〜8倍程度大きい。また一般的な固体レーザは波長が0.5〜2μm程度であり、金属材への吸収率が30%程度以上あり、やはり炭酸ガスレーザに比べ3〜8倍程度吸収率が大きい(非特許文献1参照)。このため被加工材表面で蒸発領域に到達する量はYAGレーザ(あるいは固体レーザ一般)の方が炭酸ガスレーザ照射の場合に比べてはるかに大きくなり、この事が加工穴周辺のリム形成の抑制、あるいは加工点周辺に付着する加工スパッタの抑制に非常に効果がある。
ところで、図1(a)は本発明に使用する半導体レーザ励起固体レーザの緩和発振パルス波形の一例で、半導体レーザ励起YAGレーザの発振波形である。また図1(b)はその時の励起用半導体レーザの駆動電流波形である。駆動電流は、0A(ゼロアンペア)と前記YAGレーザの発振しきい値より大きな励起用半導体レーザの駆動電流レベルIをON/OFF制御したほぼ矩形のパルス電流である。この時、前記YAGレーザは緩和発振と呼ばれる複数の連なったピークを持つ図1(a)の様な発振を起こす。励起用半導体レーザの駆動電流ON時間が十分長い場合は、図1(a)の様にレーザパルスの後半部は緩和発振が静定し、YAGレーザパルスの後半部では駆動電流Iに相当した安定した出力レベルが継続する。さらにYAGレーザの発振は、図1(b)の電流ONのタイミングで開始されるのではなく、ある遅れ時間τを持って発振を開始する。図1(a)ではτ≒30μsecである。
図2には別の条件で発振させたYAGレーザの緩和発振波形を示す。図2は緩和発振の初期で励起用半導体レーザの駆動電流をOFFした場合である。この場合は図1(a)とは異なり、半導体レーザによる励起を強制終了する事により、緩和発振の静定前にYAGレーザの発振が終了し、数峰のピーク(図2では6つのピーク)を持つ擬似パルス群のYAGレーザパルス出力が得られる(ここで擬似パルス群と表現したのは、図1〜図3に示した波形で緩和発振パルスに含まれる各ピークの底部が0W(ゼロワット)まで低下しない事による)。緩和発振パルスに含まれるピークの数は励起半導体レーザの駆動電流時間幅で制御する事ができる。例えば図3の様に励起用半導体レーザの駆動時間をより短くすると3つのピークを持つYAGレーザパルス出力(緩和発振パルス出力)が得られる。
緩和発振の開始は半導体レーザの電流ONタイミングに対し、一般的に数十μsecの遅れτを生じる(図1(a))。この遅れ時間τはレーザ共振器のロス、励起用半導体レーザ光による励起強度、固体レーザ媒質の特性などにより決定される。この発振遅れ時間の間に固体レーザ媒質に蓄積されたエネルギーが発振の開始に一気に放出されるため、連続励起(CW励起)による発振出力レベルよりも数倍〜数十倍高いピーク強度を持つパルスレーザ光が出力される。このピークにより穴加工に必要なレーザ集光強度(10MW/cm〜1GW/cm)が得られる。
レーザによる穴加工性能は集光点でのレーザ強度に依存する。これはレーザ発振器からのレーザ強度と、レーザ光の集光特性により決まる。集光特性の良いレーザ光を得るには細いレーザ固体媒質を用いる事が有効である。一方、高いレーザ強度を得るには大きな体積のレーザ固体媒質を用いる事が有効であり、そのためレーザ固体媒質の径は太くなり、レーザ光の集光特性は劣化する。連続励起によるレーザ出力時のレーザ強度と同程度のパルスピーク強度のレーザ光を得る事ができたとしても、集光特性が十分に高い細いレーザ固体媒質からのレーザ光強度では強度不足により集光点での強度密度が不足する。また、レーザ発振器からの強度が十分に高いレーザ光を出す場合は上記のとおり、レーザ固体媒質の径が太くなり、集光特性に劣るため、やはり集光点でのレーザ強度密度が不足し、良好な穴加工を得る事ができない。
緩和発振により連続出力定格の数倍〜数十倍の高い強度を持つレーザ光をレーザ発振器から出力し、レーザ集光特性を維持する事で、穴加工に適した高い強度密度を有するレーザ光を加工点に照射する事が可能になる。従ってレーザ固体媒質を励起する半導体レーザの駆動電流制御は、レーザ固体媒質をして緩和発振を発生させるに十分高速で行う必要があり、駆動電流の立ち上がり時間は10μsec以下、好ましくは数μsecで行う必要がある。
駆動電流の立下げ時間については、緩和発振パルスのピーク値に影響するものでは無いが、立下げ時間を遅くすると、図1の様に緩和発振パルスのテール部が励起半導体レーザの駆動電流に対応した出力で減衰し、不十分なレーザ強度を持つ部分が発生する。その結果、加工点での溶融成分を増加させリム形成につながる。そのため、半導体レーザの駆動電流の立下げ時間についても、数μsecとするのが望ましく、半導体レーザの駆動電流波形は概矩形電流となる。
図1〜図3に示す様に、工業的に用いられる100Wクラス、kWクラスの半導体レーザ励起固体(YAG)レーザにおいて、各ピークのパルス幅は数百nsecからμsecのオーダーであり、AO素子によるQスイッチレーザパルスに対し、数倍から10倍程度長く、1つのピークのみでも深い穴加工には有利である。さらに本発明の緩和発振パルスは内部に複数のピークを持つ擬似パルス群である事から、特許文献4に開示された複数のパルスを1群として穴加工を行う方法と同様の効果が得られ、加工穴周辺のスパッタやリムを低減する事ができる。図2および図3の発振波形例では、3つのピークを持つ擬似パルス群が約4μsec、6つのピークを持つ擬似パルス群が10μsecの極わずかな時間幅で得られている。前述のベースパルスの繰り返し周波数が約600kHzである事に相当している。これは特許文献4あるいは特許文献5に記載のQスイッチ炭酸ガスレーザで得られるパルス群を構成する100kHz程度のベースパルス周波数の5倍以上の繰り返し速度である。
パルス群を構成するベースパルスの繰り返し周波数が5倍以上高速であることと、前述の波長による金属体への加工効率の違い(3〜5倍)により炭酸ガスレーザに比べて短いパルス幅で深い穴加工が可能である。
励起半導体レーザによる固体レーザ媒質内の事前励起エネルギーの蓄積が大きい程遅れ時間τは短くなる。従って励起半導体レーザの駆動電流をON/OFFではなく、YAGレーザの発振しきい値電流レベルIth未満の電流値IとIthより大きな電流Iの2つのレベルで切換え制御(すなわち矩形に制御)すると、電流I時にも固体レーザには励起エネルギーの蓄積が発生するため、緩和発振の遅れ時間τrが短くなる。緩和発振の遅れ時間τを短くできれば、YAGレーザ発振周期τ(τ=τ+τ、τ:緩和発振パルス幅)を短くする事が可能となる。この事はすなわち、YAGレーザの発振しきい値電流レベルIth以下の電流値IとIthより大きな電流Iの2つのレベルで切替え制御する事で無駄な遅れ時間τを小さくし、結果としてYAGレーザの緩和発振周波数を高くする事ができる。また、励起用半導体レーザの駆動電流を前記I(A)、I(A)の2レベルで制御する事により励起用半導体レーザに発生する熱負荷変動を抑える事ができ、励起用半導体レーザの発振寿命向上にも効果がある。
またレーザ共振器内にレーザ発振領域を空間的に制御する内部アパーチャを挿入する事でレーザ光の空間モード制御を実施し、より低次の空間モードの発振ビームを得る事ができ、加工点でのレーザ集光径を小さくする事ができる。レーザ集光径を小さくする事ができれば加工穴径を小さくする事ができ、加工可能な穴径の下限が小さくなり、直径20μm程度までのより小さな穴加工を行う事ができる。
図4に実施例に使用したレーザ加工装置の構成図を示す。半導体レーザ励起固体レーザとしては工業的に広く使用されている半導体レーザ励起YAGレーザ発振器1を使用した。前記YAGレーザ1の励起用半導体レーザの駆動電流は制御器2により、ON/OFF制御あるいは2つの電流レベルの切替え制御により概矩形電流として制御した。また半導体レーザ励起YAGレーザ発振器1の共振器内部には直径2mmφの円形開口を持つ内部アパーチャ(図示しない)が自動ステージ(図示しない)により、共振器のYAGレーザ光路上に出し入れ可能な仕組みとなっている。
YAGレーザ発振器1より出射されたレーザ光3は伝送ミラー4により伝送され、集光レンズ5により集光され、ドライエアーなどの加工アシストガスと同軸に加工ノズル6より円筒状金属体10表面に照射される。レーザ発振器から集光レンズの間にレーザ光を拡げる作用を持つエキスパンダー光学系を設置すれば、レーザスポット集光径をより小さくする事ができ、さらに微細な穴加工を行う事ができ望ましい。
円筒状金属体10は回転装置9により一定の回転速度で回転しており、伝送ミラー4および集光レンズ5および加工ノズル6は円筒状金属体10の軸方向と平行移動する1軸移動テーブル8により一定速度で移動し、円筒状金属体10の表面全体に微細穴加工を行う事ができる。
図5(a)、(b)は図4の加工装置を用いた加工穴径、加工穴深さをレーザ出力のピークの半値における強度密度依存性、および緩和発振パルスに含まれるピークの半値巾の合計時間依存性を示すグラフである。加工穴径が半値ピーク強度密度に依存して拡大し、加工深さが合計パルス巾に依存して深くなる事が判る。
上記の加工装置を用い連続鋳造用ドラムの加工を行った。レーザ発振器1の励起用半導体レーザの駆動電流を0A(ゼロアンペア)と70AでON/OFF制御する事で、前記半導体レーザ励起YAGレーザ1から6つのピークを持つ緩和発振レーザパルスを得た(図2)。緩和発振中の各ピークの間隔は約1.7μsec、緩和発振パルスの各ピークパルスの半値幅の合計は約4μs、パルスエネルギーは50mJであった。緩和発振の遅れ時間τは約30μsecであり、半導体レーザ励起YAGレーザの発振周波数は15kHzで発振させた。その結果、15000個/秒の高速な穴加工を行った。
上記緩和発振レーザパルスを図4の構成の装置により連続鋳造用ドラムに伝送し、集光レンズにより前記ドラム表面に集光し、穴加工をおこなった。連続鋳用ドラム全表面に直径120μm、穴深さ80μm、リム高さ1μmの微小穴が加工された。連続鋳用ドラム全面の加工時間は約60分であった。
上記の条件にて加工したドラムを用いてステンレス鋼の連続鋳造をおこなったところ、表面割れなどの欠陥のない良好な薄板鋳片を製造する事ができた。
実施例1の加工装置を用い圧延ロール表面の微細穴加工をおこなった。レーザ発振器1の励起用半導体レーザの駆動電流を15Aと50Aの2レベルで切り替え制御する事で、前記半導体レーザ励起YAGレーザ1から3つのピークを持つ緩和発振レーザパルスを得た(図3)。緩和発振パルスに含まれる各ピークのパルス半値幅の合計は約2μs、パルスエネルギーは10mJであった。また緩和発振の遅れ時間τを約5μsecに短くする事ができ、緩和遅れ時間を含めたトータル発振周期τを9μsecと短くする事ができ、レーザの発振周波数を25kHzにて加工に使用した。つまり25000個/秒の高速な穴加工を行った。
実施例1と同様に励起用半導体レーザの電流を0A(ゼロアンペア)と50AでON/OFF制御した場合、緩和発振の遅れ時間τは30μsecであった。そのため実際の発振パルス幅と緩和発振遅れ時間を合計したトータル発振周期τは約34μsecであり、ゼロアンペアからのON/OFF制御では25kHzの高速繰り返しを得る事ができず、15kHz程度の繰り返し発振を得るのが限界であった。
上記緩和発振レーザパルスを図4の構成の装置により圧延ロール上に伝送、集光レンズにて集光して圧延ロール表面にダル穴加工をおこなった。圧延ロール全表面に直径70μm、穴深さ50μm、リム高さ0.5μm以下の深くて微細なダル穴がピッチ140μmにて加工された。ロールの加工時間は約40分程度であった。加工時のロール表面の移動速度は3.5m/secであり、緩和発振パルス幅4μsec中のロール表面の移動距離は14μmと加工穴径の1/5の加工とし、長円化などの加工不良の発生もなかった。図6に加工したロール表面の拡大写真を示す。
一方、同じ集光レンズを用いて通常の音響光学素子によるQスイッチYAGレーザパルスでも加工を行った。Qスイッチパルスエネルギーは10mJ/pulseであった。加工されたダル穴形状は、穴直径200μm、深さ3μm、リム高さ5μmであり、意図した微細な深穴加工は実現できなかった。
上記で加工した圧延ロールを多段圧延機の最終スタンドに用いて冷延鋼板を圧下率5%で圧延を行った。顕微鏡観察ではかすかなダル穴の転写が見られるものの、鋼板表面にリムの転写がなく、目視では光沢、色調などの鋼板外観に全く劣化のない高品質な鋼板の圧延が可能であった。また圧延ロールのすべりの発生によるロール交換を必要とするまでに、ダル穴加工無しの通常圧延ロールを用いた場合の3倍以上の距離の圧延が可能であった。
実施例1の加工装置を用い調質圧延ロール表面の微細穴加工をおこなった。自動ステージを制御し、レーザ発振器1の共振器内のYAGレーザ光路上に直径2mmφの円形開口を持つアパーチャを設置し、YAGレーザの空間モードを制限した状態でレーザ発振を行った。
励起用半導体レーザの駆動電流を0A(ゼロアンペア)と50AでON/OFF制御する事で、前記半導体レーザ励起YAGレーザ1から1つのピークを持つ緩和発振レーザパルスを得た。緩和発振パルスの各ピークパルスのピーク出力は10kW、半値幅の合計は約1μs、パルスエネルギーは3mJであった。緩和発振の遅れ時間は約40μsecとなり、半導体レーザ励起YAGレーザの発振周波数は20kHzで発振させた。その結果、20000個/秒の高速な穴加工を行った。
上記緩和発振レーザパルスを図4の構成の装置により調質圧延ロール上に伝送、集光レンズにて集光して圧延ロール表面にダル穴加工をおこなった。圧延ロール全表面に直径20μm、穴深さ20μm、リム高さ0.3μm以下の深くて微細なダル穴がピッチ200μmにて加工された。
上記で加工した圧延ロールを調質圧延機に用いて冷延鋼板を圧下率1%で圧延を行った。顕微鏡観察ではかすかなダル穴の転写が見られるものの、鋼板表面にリムの転写がなく、目視では光沢、色調などの鋼板外観に全く劣化のない高品質な鋼板の圧延が可能であった。また圧延ロールのすべりの発生によるロール交換を必要とするまでに、ダル穴加工無しの通常圧延ロールを用いた場合の5倍以上の距離の圧延が可能であった。
実施例1、実施例2および実施例3の通り、本発明により半導体レーザ励起YAGレーザ1台の簡単な発振条件設定(励起条件)の変更により、穴径20〜300μm程度の範囲の小径で、かつ深さ10μm以上の深穴の微小穴加工を高速で加工し、かつ加工穴周辺のスパッタやリムの形成を極めて低減した状態で行う事が可能となる。
なお本実施例では固体レーザとして、工業的に広く用いられている半導体レーザ励起YAGレーザを使用したが、本発明に使用すべき固体レーザは必ずしもYAGレーザに限るものではなく、ガラスレーザ、ルビーレーザ、YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、チタンサファイアレーザなどの他の固体レーザでも同様の効果を得る事ができる。
さらに本実施例では離散的な穴加工について述べたが、レーザ発振器1の発振周波数と圧延ロール10の回転速度および1軸移動テーブル8の移動速度を制御し、緩和発振レーザパルスによる穴加工がわずかづつ重畳する条件とする事で、離散的な穴加工にかわり、狭隘な溝加工を行う事ができる。
本発明の加工装置のレーザ発振波形例および電流波形例である。 本発明の加工装置のレーザ発振波形例である。 本発明の加工装置のレーザ発振波形例である。 実施例で使用した加工装置の構成図である。 (a)本発明の加工装置にて加工した穴径のパルスピーク半値強度密度依存性を示すグラフである。(b)本発明の加工装置にて加工した穴深さのパルス巾依存性を示すグラフである。 実施例2で加工したロール表面の拡大写真である。
符号の説明
1:本発明の実施例で使用した半導体レーザ励起YAGレーザ発振器
2;本発明の実施例で使用した半導体レーザ励起YAGレーザ発振器の励起用半導体レーザ駆動電流制御器
3:レーザ光
4:レーザ伝送用ミラー
5:集光レンズ
6:加工ノズル
7:加工用アシストエアー供給口
8:1軸移動テーブル
9:回転駆動装置
10:圧延ロール、連続鋳造用ドラム

Claims (8)

  1. 移動中あるいは回転中の被加工材表面にレーザ光を集光、照射して微小穴加工乃至狭隘な溝加工を施すレーザ加工装置において、
    半導体レーザ励起固体レーザ発振器と、該半導体レーザ励起固体レーザ発振器の励起用半導体レーザに駆動電流を供給する制御器を備えたレーザ加工装置であって、
    前記制御器は、高周波数駆動電流によって前記固体レーザの緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群を発生させるものであり、該緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群で加工することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記高周波数駆動電流は、ゼロと前記固体レーザの発振しきい値より大きな値の間でオン/オフするものである請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記高周波数駆動電流の値が、前記固体レーザの発振しきい値を挟んでしきい値より大きな電流と、0A(ゼロアンペア)ではなく且つしきい値より小さな電流との間で矩形に変動することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記被加工材が、金属材料、圧延ロール、連続鋳造用ドラム、または連続鋳造用モールド壁である請求項1乃至請求項3の内の一項に記載のレーザ加工装置。
  5. 移動中あるいは回転中の被加工材表面にレーザ光を集光、照射して微小穴加工乃至狭隘な溝加工を施すレーザ加工方法において、
    半導体レーザ励起固体レーザ発振器と、該半導体レーザ励起固体レーザ発振器の励起用半導体レーザに駆動電流を供給する制御器を備えたレーザ装置を用いて、
    前記制御器は、高周波数駆動電流で前記固体レーザの緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群を発生させるものであり、該緩和発振による1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群で加工することを特徴とするレーザ加工方法。
  6. 前記高周波数駆動電流は、ゼロと前記固体レーザの発振しきい値より大きな値の間でオン/オフするものである請求項5に記載のレーザ加工方法。
  7. 前記高周波数駆動電流の値が、前記固体レーザの発振しきい値を挟んでしきい値より大きな電流と、0A(ゼロアンペア)ではなく且つしきい値より小さな電流との間で矩形に変動することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のレーザ加工方法において、
    前記緩和発振の1つ以上のピークを持つ擬似レーザパルス群に含まれる各ピークの周期が5μsec以下であり、かつ前記緩和発振パルス内に含まれる複数の擬似パルスピーク群のピーク値が100W〜100kW、各ピークの半値幅の総和が500nsec以上である事を特徴とするレーザ加工方法。
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