図1は、本発明の実施の一形態の放送用情報伝送システム1の構成を示すブロック図である。放送用情報伝送システム1は、ラジオ放送局設備2から送信される放送用情報を、携帯電話網3を用いて、携帯電話装置4に伝送する。以下、ラジオ放送局設備をラジオ放送局と記載する。
放送局であるラジオ放送局2から送信される放送用情報は、音声放送用情報を含む。ラジオ放送局2は、放送用情報を、放送用アンテナ5を介して電波として送信する。ラジオ放送局2から送信される放送用情報は、ラジオ受信機6によって受信される。ラジオ受信機6は、放送用情報を受信して、受信した放送用情報を、音声として出力する。
放送用情報伝送システム1は、無線基地局設備11と、携帯電話制御局設備12と、放送用情報送信サーバ装置13と、ゲートウェイ装置14とを含む。以下、無線基地局設備を無線基地局と記載し、携帯電話制御局設備を携帯電話制御局と記載し、放送用情報送信サーバ装置を放送用情報送信サーバと記載し、ゲートウェイ装置をゲートウェイと記載する。本実施の形態において、無線通信ネットワークである携帯電話網3は、無線基地局11、携帯電話制御局12およびゲートウェイ14を含んで構成される。
無線基地局11は、携帯電話装置4と無線通信し、携帯電話制御局12に接続される。携帯電話制御局12は、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network、略称PSTN)15に接続される。
ゲートウェイ14は、携帯電話制御局12とインターネット16とを接続して、これらの携帯電話制御局12とインターネット16との間の通信を可能とする。放送用情報送信サーバ13は、インターネット16に接続される。したがってゲートウェイ14は、携帯電話制御局12と放送用情報送信サーバ13とを接続して、これらの携帯電話制御局12と放送用情報送信サーバ13との間の通信を可能とする。
放送用情報送信サーバ13は、1または複数(本実施の形態では3)のラジオ放送局2に、有線回線によって接続される。放送用情報送信サーバ13は、前記有線回線を介して、第1〜第3のラジオ放送局2から、放送用情報をデジタル情報として受信する。
可搬形の無線通信装置である携帯電話装置4は、携帯電話網3を介して、他の携帯電話装置4と通信可能に構成され、また公衆交換電話網15および携帯電話網3を介して固定電話装置と通信可能に構成される。携帯電話装置4は、音声通話のための通信が可能であるとともに、電子メール情報(以下、メール情報と記載する)などの送受信のためのパケット通信が可能である。
以上のように構成される放送用情報伝送システム1では、無線基地局11は、携帯電話装置4から予め定める情報として、送信開始要求情報、設定情報、および送信終了要求情報などを受信する。設定情報は、各ラジオ放送局2からの放送用情報のいずれか1つを選択する選択情報を含む。無線基地局11は、携帯電話装置4から予め定める情報を受信すると、この予め定める情報を携帯電話制御局12に送信する。携帯電話制御局12は、無線基地局11から予め定める情報を受信すると、この予め定める情報を、ゲートウェイ14およびインターネット16を介して放送用情報送信サーバ13に送信する。このようにして、携帯電話装置4から放送用情報送信サーバ13に、予め定める情報が送信される。
放送用情報送信サーバ13は、予め定める情報として、送信開始要求情報および設定情報を受信すると、設定情報の選択情報によって選択されるラジオ放送局2からの放送用情報を、パケット化する。以下、パケット化された放送用情報をパケット放送用情報と記載する場合がある。また、パケット化された第1〜第3のラジオ放送局2からの放送用情報を、第1〜第3のパケット放送用情報とそれぞれ記載する場合がある。
放送用情報送信サーバ13は、パケット放送用情報を、インターネット16およびゲートウェイ14を介して携帯電話制御局12に送信する。携帯電話制御局12は、放送用情報送信サーバ13からパケット放送用情報を受信すると、このパケット放送用情報を無線基地局11に送信する。無線基地局11は、携帯電話制御局12からパケット放送用情報を受信すると、このパケット放送用情報を、前記送信開始要求情報の送信元である携帯電話装置4に送信する。このようにして、放送用情報送信サーバ13から、前記送信開始要求情報の送信元である携帯電話装置4に、パケット放送用情報が送信される。
携帯電話装置4は、無線基地局11からパケット放送用情報を受信すると、このパケット放送用情報に基づいて、放送用出力情報を生成して出力する。具体的に述べると、携帯電話装置4は、パケット放送用情報を順次、つなげることによって、放送用出力情報を生成し、この放送用出力情報を音声として出力する。このことは、パケット通信によって取得される音楽情報を、携帯電話装置4で着信メロディとして再生する場合と同様である。
携帯電話装置4から出力される前記放送用出力情報は、ラジオ受信機6から出力される前記受信した放送用情報よりも遅れるけれども、これらの各情報の内容は同様である。
放送用情報送信サーバ13は、パケット放送用情報を送信しているときに、パケット放送用情報の送信先である携帯電話装置4から、予め定める情報として、設定情報の選択情報を受信すると、パケット化する放送用情報を、設定情報の選択情報によって選択されるラジオ放送局2からの放送用情報に切り替える。また放送用情報送信サーバ13は、パケット放送用情報を送信しているときに、パケット放送用情報の送信先である携帯電話装置4から、予め定める情報として、送信終了要求情報を受信すると、その携帯電話装置4へのパケット放送用情報の送信を終了する。
本実施の形態では、携帯電話制御局12は、パケット放送用情報の送信先である携帯電話装置4が通信圏外に移動されたことを検出すると、その携帯電話装置4へのパケット放送用情報の送信を終了することを要求する情報を放送用情報送信サーバ13に送信する。放送用情報送信サーバ13は、携帯電話制御局12から前記情報を受信すると、前記携帯電話装置4へのパケット放送用情報の送信を終了する。
通信圏内とは、携帯電話装置4が無線基地局11と無線通信可能な場所をいう。通信圏外とは、携帯電話装置4が無線基地局11と無線通信不可能な場所をいう。一例として述べると、地下街および地下鉄においては、通信圏外となる場合がある。
図2は、放送用情報送信サーバ13の機能ブロック図である。放送用情報送信サーバ13は、放送用情報編集部21と、ゲートウェイ部22と、受信部23と、受信情報復調部24と、判断部25と、送信情報制御部26と、送信部27と、文字情報変換部28と、データベース部29と、これらを制御する制御部30とを含む。放送用情報編集部21には、ゲートウェイ部22を介して、各ラジオ放送局2からの放送用情報31が与えられる。
受信部23は、予め定める情報を受信すると、この予め定める情報を受信情報復調部24に与える。受信部23によって受信される予め定める情報は変調されているので、受信情報復調部24は、受信部23から予め定める情報を与えられると、この予め定める情報を、復調して、判断部25に与える。判断部25は、受信情報復調部24から予め定める情報を与えられると、この予め定める情報を解析する。
判断部25による解析の結果、予め定める情報が、送信開始要求情報と、設定情報の選択情報とであれば、放送用情報編集部21は、設定情報の選択情報によって選択されるラジオ放送局2からの放送用情報を、送信情報制御部26に与えることを開始する。
送信情報制御部26は、放送用情報編集部21から放送用情報を与えられると、この放送用情報を、携帯電話網3における無線通信に適合した符号化方式によって符号化する。これによって、放送用情報の音域のうち人の音声の音域を除く残余の音域が除去され、放送用情報が圧縮される。また送信情報制御部26は、符号化された放送用情報をパケット化し、パケット化された放送用情報であるパケット放送用情報を、変調して、送信部27に与える。送信部27は、送信情報制御部26からパケット放送用情報を与えられると、このパケット放送用情報を携帯電話制御局12に送信する。
送信部27がパケット放送用情報を送信しているとき、判断部25による解析の結果、予め定める情報が、設定情報の選択情報であれば、放送用情報編集部21は、送信情報制御部26に与える放送用情報を、設定情報の選択情報によって選択されるラジオ放送局2からの放送用情報に切り替える。また、送信部27がパケット放送用情報を送信しているとき、判断部25による解析の結果、予め定める情報が、送信終了要求情報であれば、放送用情報編集部21は、放送用情報を送信情報制御部26に与えることを終了する。
図3は、携帯電話装置4の機能ブロック図である。携帯電話装置4は、携帯電話用アンテナ36と、無線通信部37と、情報処理部38と、音声処理部39と、表示部40と、キー操作部41と、開閉検出部42と、報知部43と、高音質再生部44と、記憶部45と、タイマ部46と、電源部47と、これらの各部を制御する制御部48とを含む。
無線通信部37は、無線基地局11から送信された情報を、携帯電話用アンテナ36を介して、受信する。また無線通信部37は、情報処理部38からの情報を、増幅して、携帯電話用アンテナ36を介して送信する。
情報処理部38は、無線通信部37からの情報を復調するとともに、前記情報の種類を判別する。情報処理部38は、前記情報が音声通話用の情報であると判断すると、前記情報を音声処理部39に与え、前記情報が音声通話用の情報でないと判断すると、前記情報を制御部48に与える。また情報処理部38は、音声処理部39および制御部48からの情報を変調して、無線通信部37に与える。
音声処理部39は、情報処理部38からの情報を、デジタル情報からアナログ情報に変換して、イヤピース49から音声として出力する。マイク50は、音声を音声情報に変換して、音声処理部39に与える。音声処理部39は、マイク50からの情報を、アナログ情報からデジタル情報に変換して、情報処理部38に与える。
制御部48は、情報処理部38からパケット放送用情報を与えられると、パケット放送用情報に基づいて、放送用出力情報を生成する。制御部48は、放送用出力情報を生成すると、この放送用出力情報を、スピーカ51から音声として出力する。
表示部40は、着信情報およびメール情報などを、画像として表示する。キー操作部41は、複数の操作キーを含む。これらの操作キーが押下されることによって、電話番号情報、ならびに発呼および着呼のための情報などが入力される。開閉検出部42は、折り畳み形である携帯電話装置4の開閉を検出する。
報知部43は、着信があったときの着信音、およびキー操作部41が操作されたときの確認音などを、リンガ部52から出力する。また報知部43は、着信があったときなどに、発光ダイオード(Light Emitting Diode、略称LED)によって実現される発光部53を発光させる。記憶部45は、名前および電話番号に関する電話帳情報、ならびにラジオ放送局2の選局チャネル情報などを記憶する。電源部47は、電池からの電力を携帯電話装置4に供給するための電源回路によって実現される。
図4は、携帯電話装置4と無線基地局11との間の無線通信に用いられる無線チャネルを示す図であり、図4(1)は報知チャネルを示し、図4(2)はタイムスロットチャネルを示し、図4(3)はパケットチャネルを示す。携帯電話装置4と無線基地局11との間の無線通信に用いられる無線チャネルには、大別して、制御チャネルと情報チャネルとがある。
制御チャネルは、各種チャネル情報が送られる報知チャネルと、携帯電話装置4と無線基地局11との同期に使われる同期チャネルと、携帯電話装置4の呼び出しに使われるページングチャネルとを含む。情報チャネルは、タイムスロットチャネルと、パケットチャネルとを含む。
タイムスロットチャネルは、たとえば電話通話に用いられる。タイムスロットチャネルは、時間的に区切られて、複数のタイムスロットに分割される。電話通話にあたって、各携帯電話装置4は、異なるタイムスロットを利用する。たとえば、第1〜第4の携帯電話装置4が、第1〜第4のタイムスロット61a〜61dをそれぞれ利用する。このようなチャネル構成は、携帯電話装置4から無線基地局11への上りチャネル、および無線基地局11から携帯電話装置4への下りチャネルの両者に用いられる。タイムスロットの割り当ては、携帯電話制御局12によって報知チャネルを用いて行われる。
パケットチャネルは、画像情報および音楽情報など情報量の多いデジタル情報を多くの携帯電話装置4に効率よく送信させるためのパケット通信に用いられる。パケットチャネルは、時間的に区切られて、複数のパケットスロットに分割される。各パケットスロット62a〜62dには、パケット化された情報が1つずつ挿入される。携帯電話装置4は、報知チャネルを介する携帯電話制御局12からの指示情報63に基づいて、どのパケットチャネルのどのパケットスロットの情報を受信するかを決定する。
本実施の形態では、パケット放送用情報が順次、放送用情報送信サーバ13からインターネット16およびゲートウェイ14を介して携帯電話制御局12に送信され、さらに携帯電話制御局12から無線基地局11に送信される。無線基地局11は、パケット放送用情報を順次、パケットスロットに挿入して、携帯電話装置4に送信する。携帯電話装置4は、携帯電話制御局12からの指示情報に基づいてパケット放送用情報を受信し、受信したパケット放送用情報を順次、つなげることによって、放送用出力情報64を生成して出力する。また携帯電話装置は、パケット放送用情報を間欠的に受信する合間に、メール情報などを受信可能である。
以上のような放送用情報伝送システム1を用いれば、ラジオ放送局2からの放送用情報が、既存の携帯電話網3を介して携帯電話装置4に伝送される。したがってラジオ放送局2が放送用アンテナ5を介して送信する電波の電界強度が不足するような場所でも、携帯電話装置4が無線基地局11と無線通信可能であれば、この携帯電話装置4によってラジオ放送局2からの放送用情報を再生することができる。
携帯電話装置4には、放送用情報送信サーバ13から、パケット化された放送用情報が送信されるので、携帯電話装置4によってラジオ放送局2からの放送用情報が再生されているときでも、通信回線が占有されることがない。したがって携帯電話装置4によってラジオ放送局2からの放送用情報が再生されているときでも、その携帯電話装置4によって無線基地局11から送信される他の情報、たとえばメール情報を受信することができる。また放送用情報を再生している携帯電話装置4が増加しても、有限の無線帯域が逼迫してしまうことが防がれ、携帯電話網3を用いた他の通信に与える影響を抑えることができる。
また前記第3の従来技術のように、携帯電話装置4毎に通信回線を確立して、ラジオ放送局2からの放送用情報を各携帯電話装置4にそれぞれ伝送するための設備が不要である。したがってシステムの構築およびメンテナンスを容易化することができ、システムの構築およびメンテナンスに要する負担を軽減することができる。
放送用情報送信サーバ13は、放送用情報を放送するラジオ放送局2に関連する放送局関連情報を、ラジオ放送局2からの放送用情報とともにパケット化して送信してもよい。放送局関連情報は、たとえば放送局名を表す情報である。携帯電話装置4は、前記放送局関連情報を、表示部40に画像として出力する。携帯電話装置4は、前記放送局関連情報を、スピーカ51から音声として出力してもよい。これによって前記放送局関連情報を、携帯電話装置4の操作者に通知することができる。
携帯電話装置4は、受信再開モードおよび受信非再開モードのいずれか一方に、予め設定可能に構成されてもよい。受信再開モードでは、携帯電話装置4が、通信圏内でパケット放送用情報を受信しているときに、通信圏外に移動され、再び通信圏内に移動されたとき、携帯電話装置4は、送信開始要求情報および設定情報を、放送用情報送信サーバ13に送信する。受信非再開モードでは、携帯電話装置4が、通信圏内でパケット放送用情報を受信しているときに、通信圏外に移動され、再び通信圏内に移動されたとき、携帯電話装置4は、待受け状態となる。
このように携帯電話装置4が、受信再開モードおよび受信非再開モードのいずれか一方に、予め設定可能に構成されることによって、利便性を向上させることができる。具体的に述べると、受信再開モードに設定されると、パケット放送用情報の受信の再開にあたって、携帯電話装置4の操作者は、通信圏内に戻ったか否かの確認および再開のための操作の必要がなく、確認および操作の煩わしさを解消することができる。また受信非再開モードに設定されると、携帯電話装置4の操作者が携帯電話装置4を待受け状態にし忘れることによって、携帯電話装置4に電力を供給する電池が無駄に消耗してしまうなどの不具合を防ぐことができる。
携帯電話装置4は、前記タイマ部46を含み、タイマ部46は、現在時刻情報を生成するとともに、タイマ設定情報を管理してもよい。タイマ設定情報は、開始時刻および終了時刻を表す。タイマ設定情報は、携帯電話装置4の操作者によって、予め設定される。携帯電話装置4は、タイマモードに設定されるとき、現在時刻が開始時刻になると、送信開始要求情報および設定情報を放送用情報送信サーバ13に送信する。また携帯電話装置4は、タイマモードに設定されるとき、現在時刻が終了時刻になると、送信終了要求情報を放送用情報送信サーバ13に送信し、待受け情報になる。
一例として述べると、開始時刻が午前8時に、終了時刻が午前9時に設定されると、タイマ部46によって時間計測が開始される。午前8時になると、携帯電話装置4は、送信開始要求情報および設定情報を送信する。午前9時になると、携帯電話装置4は、送信終了要求情報を送信し、待受け情報になる。
このように携帯電話装置4は、現在時刻が開始時刻になると、送信開始要求情報および設定情報を放送用情報送信サーバ13に送信する。これによって開始時刻になると、所望のラジオ放送局2からの放送用情報の再生が開始される。また携帯電話装置4は、現在時刻が終了時刻になると、送信終了要求情報を放送用情報送信サーバ13に送信し、待受け情報になる。これによって終了時刻になると、放送用情報の再生が終了される。したがって利便性を向上させることができる。
携帯電話装置4は、報知モードに設定される場合、放送用出力情報を、スピーカから音声として出力しているときに、無線基地局11から所定の情報を受信すると、その旨を報知してもよい。前記所定の情報は、電話通話のための着信報知情報であってもよく、メール情報であってもよい。一例として述べると、携帯電話装置4は、表示部40によって着信画像を表示するとともに、報知部43によって報知音を鳴らすことによって、前記所定の情報を受信したことを報知する。
このように携帯電話装置4は、放送用出力情報を出力しているときに、所定の情報を受信すると、その旨を報知する。したがって携帯電話装置4によってラジオ放送局2からの放送用情報が再生されているときでも、所定の情報を受信したことを、携帯電話装置4の操作者に通知することができる。
ラジオ放送局2からの音声放送用情報は、楽曲を表す楽曲情報と、それ以外の音情報とに分けられる。前記それ以外の音情報は、アナウンサの音声およびトークショーで話される音声などを表す情報である。
前記それ以外の音情報は、公衆交換電話網15を経由してくる電話回線の音声情報と同じように、携帯電話網3における無線通信に適合した符号化方式によって符号化されてもよい。これに対して、楽曲情報は、それ以外の音情報に比べて音域が広い方が好ましい。
この点を考慮して、放送用情報送信サーバ13は、楽曲情報を、それ以外の音情報に比べて音域が狭くならないように符号化してもよい。楽曲情報の符号化方式は、例えばMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)であってもよく、MPEG(Motion Picture Experts Group)4に使われるAAC(Advanced Audio Codec)であってもよい。このように符号化した後、放送用情報送信サーバ13は、音声放送用情報をパケット化し、パケット化された音声放送用情報を、識別タグによって、楽曲情報とそれ以外の音情報とに区別する。
これによって携帯電話装置4では、これらの各情報に応じた放送用出力情報を生成して出力することができる。楽曲情報は、それ以外の音情報に比べて、音域の広い音声として出力される。また前記それ以外の音情報については、符号化による圧縮によって、送信されるパケット数を低減することができる。
携帯電話網3における無線通信に適合した符号化方式では、人の発する音声の音声帯域しか保証されないので、この符号化方式で放送用情報が符号化されると、放送用情報は、音域が狭くなり、音質が低下してしまう。この点を考慮して、ラジオ放送局2からの放送用情報が、人間の発する音声の音声帯域よりも周波数の高い音声帯域まで保証されている音声放送用情報、いわゆる高品質音楽情報(以下、音楽情報と記載する)であるとき、放送用情報送信サーバ13は、音楽情報を、予め定める音声符号化方式、たとえばMP3、またはMPEG4に使われるAACによって符号化する。
詳細に述べると、放送用情報編集部21は、音楽情報を、前記予め定める音声符号化方式によって符号化する。放送用情報編集部21は、前記予め定める音声符号化方式によって符号化された音楽情報である音声符号化情報を送信情報制御部26に与える。送信情報制御部26は、音声符号化情報を、携帯電話網3における無線通信に適合したファイルデータとして処理する。
音声符号化情報は、特別な識別タグで識別される。これによって放送用情報送信サーバ13によってパケット化された音声放送用情報は、音声符号化情報と、それ以外の音情報とに区別される。したがって携帯電話装置4では、これらの各情報に応じて、放送用出力情報を生成して出力することができる。
携帯電話装置4の制御部48は、情報処理部38からのパケット放送用情報から、識別タグで識別される音声符号化情報を抽出して、高音質再生部44に与える。高音質再生部44は、識別タグで識別される音声符号化情報を、復号化して、広い周波数帯域に対応可能なスピーカ51またはヘッドフォンから音声として出力する。したがって携帯電話装置4は、音声符号化情報に基づく放送用出力情報を、高音質の音声として出力することができる。
設定情報は、音声放送用情報を音声情報から文字情報に変換することを要求する文字変換要求情報と、前記変換を拒否する文字変換拒否情報とを含む。前記文字情報は、メール情報と同様のHTML(Hyper Text Markup Language)情報であってもよく、XML(
eXtensible Markup Language)情報であってもよい。本実施の形態のように携帯電話装置4が用いられる場合は、文字情報は、HTML情報よりも単純なXML情報の方が好ましい。
放送用情報送信サーバ13は、予め定める情報として、設定情報の文字変換要求情報を受信すると、音声放送用情報を、音声情報から文字情報に変換する。詳細に述べると、判断部25による解析の結果、予め定める情報が、設定情報の文字変換要求情報であれば、放送用情報編集部21は、音声放送用情報を、文字情報変換部28に与える。文字情報変換部28は、放送用情報編集部21から音声放送用情報を与えられると、この音声放送用情報を、音声情報から文字情報に変換して、送信情報制御部26に与える。
音声情報から文字情報に変換された後にパケット化された放送用情報であるパケット放送用情報は、メール情報などの文字情報と同じ扱いで、携帯電話装置4に送信される。携帯電話装置4は、パケット放送用情報に基づく放送用出力情報を生成して、画像として出力する。
このように、テレビ放送におけるキャプチャー機能のように、放送用情報送信サーバ13によって音声放送用情報を音声情報から文字情報に変換し、携帯電話装置4の表示部40によって、音声放送用情報に基づく放送用出力情報が画像として表示される。したがって騒音のある場所および静かにしなければならない場所でも、携帯電話装置4の操作者は、ラジオ放送局からの放送用情報を入手することができ、これによって利便性を向上させることができる。
放送用情報送信サーバ13は、予め定める情報として、設定情報の文字変換拒否情報を受信すると、音声情報から文字情報への変換を止める。詳細に述べると、判断部25による解析の結果、予め定める情報が、設定情報の文字変換拒否情報であれば、放送用情報編集部21は、音声放送用情報を、送信情報制御部26に与える。
ラジオ放送局2から送信される放送用情報は、音声放送用情報だけでなく、文字放送用情報を含んでもよい。文字放送用情報は、たとえばFM文字放送用情報である。設定情報は、FM文字放送用情報を要求する文字要求情報と、FM文字放送用情報を拒否する文字拒否情報を含む。
放送用情報送信サーバ13は、予め定める情報として、設定情報の文字要求情報を受信すると、音声放送用情報をパケット化して携帯電話装置4に送信するとともに、FM文字放送用情報をパケット化して携帯電話装置4に送信する。携帯電話装置4は、音声放送用情報によるパケット放送用情報に基づく放送用出力情報を生成して、音声として出力するとともに、FM文字放送用情報によるパケット放送用情報に基づく放送用出力情報を生成して、画像として出力する。
放送用情報送信サーバ13は、音声放送用情報およびFM文字放送用情報を、個別にパケット化する。したがって音声放送用情報だけが必要な場合に、音声放送用情報だけでなくFM文字放送用情報までも送信されるということがなく、送信されるパケット数を低減することができる。
放送用情報送信サーバ13は、予め定める情報として、設定情報の文字拒否情報を受信すると、FM文字放送用情報のパケット化を止めて、FM文字放送用情報によるパケット放送用情報の送信を止める。
放送用情報送信サーバ13は、携帯電話装置4から、予め定める情報として、編集送信要求情報を受信すると、この編集送信要求情報に基づいて、各ラジオ放送局2からの放送用情報を編集し、編集された放送用情報をパケット化して送信してもよい。詳細に述べると、放送用情報編集部21が、各ラジオ放送局2からの放送用情報を蓄積し、編集送信要求情報に基づいて、各ラジオ放送局2からの放送用情報を編集する。
このように放送用情報送信サーバ13は、携帯電話装置4からの編集送信要求情報に基づいて、各ラジオ放送局2からの放送用情報を編集するので、前記放送用情報を用いて、前記編集送信要求情報に応じた独自の編集情報を生成することができる。放送用情報送信サーバ13は、前記編集送信要求情報に応じた独自の編集情報である編集された放送用情報をパケット化して送信するので、前記編集送信要求情報に応じた独自の編集情報を、携帯電話装置4の操作者に提供することができる。換言すると、携帯電話装置4の操作者は、所望の放送用情報の送信を要求する編集送信要求情報を、携帯電話装置4から放送用情報送信サーバ13に送信することによって、所望の放送用情報を入手することができる。
一例として述べると、編集送信要求情報が、前日の午前8時〜午前9時に第1のラジオ放送局2で放送された放送用情報の送信を要求する情報であるとき、放送用情報送信サーバ13は、過去の放送用情報から、前日の午前8時〜午前9時に第1のラジオ放送局2で放送された放送用情報を集めるように、放送用情報を編集する。また放送用情報送信サーバ13は、編集された放送用情報をパケット化して送信する。このように放送用情報送信サーバ13は、過去の放送用情報も、携帯電話装置4の操作者に提供することができる。換言すると、携帯電話装置4の操作者は、聞き逃した過去の放送用情報を、後から聞くことができる。
ラジオ放送局2からの放送用情報は、多くの種類の有用な情報を含む。携帯電話装置4の操作者は、ラジオ受信機6を持ち歩かなくても、前述のような放送用情報を、携帯電話装置4を用いて入手することができる。
携帯電話装置4の操作者は、携帯電話装置4を容易に持ち歩くことができる。携帯電話装置4の操作者は、携帯電話装置4を持ち歩いているとき、携帯電話装置4が無線基地局11と無線通信可能であればいつでも、ラジオ放送局2からの放送用情報を入手することができる。
放送用情報送信サーバ13のデータベース部29は、各ラジオ放送局2を運営する放送事業者が開催するイベントに関するイベント情報などを蓄積する。本実施の形態では、イベント情報が、メール情報として携帯電話装置4に送信されるように、送信情報制御部26および送信部27が、制御部30によって制御されてもよい。これによって携帯電話装置4の操作者に、イベント情報などを通知することができる。
また放送用情報送信サーバ13のデータベース部29は、ラジオ番組に対するコメントなどに関するコメント情報を蓄積する。これによって放送用情報送信サーバ13を運営する通信事業者は、コメントに答えるべく、放送用情報送信サーバ13を改良することができる。
放送用情報送信サーバ13は、有線回線を介して、各ラジオ放送局2から、放送用情報をデジタル情報として受信する。したがって各ラジオ放送局2が各放送用アンテナ5を介して電波として送信する放送用情報を、放送用情報送信サーバ13が受信アンテナを介して受信する場合に比べて、放送用情報送信サーバ13は、雑音の少ない放送用情報を、安定して取得することができる。
無線基地局11および携帯電話制御局12を運営する通信事業者(以下、キャリアと記載する)は、インターネット16介して取得可能なウェブ情報のダウンロードサービスを提供している。ダウンロードサービスを利用すると、携帯電話装置4の操作者は、携帯電話装置4をインターネット16に接続して、ウェブ情報を携帯電話装置4にダウンロードすることができる。
ウェブ情報のうち有料情報のダウンロードに関してはセキュリティの問題があるので、予め定めるポータルサイトにだけ、携帯電話装置4からのアクセスを許可するように、ゲートウェイ14が管理される。前記予め定めるポータルサイトとは、キャリアと契約した他の通信事業者によるポータルサイトである。したがって携帯電話装置4の操作者は安心して、有料情報を携帯電話装置4にダウンロードすることができる。
有料情報のダウンロードに対する料金は全て、キャリアへの通話料金として、携帯電話装置4の操作者からキャリアに支払われる。この後、有料情報のダウンロードに対する料金が、キャリアから、ポータルサイトを運営する通信事業者に支払われる。
放送用情報送信サーバ13は、パケット放送用情報を、ゲートウェイ14を介して携帯電話制御局12に送信するので、パケット放送用情報は、他の有料情報と何ら区別することなく、携帯電話制御局12に与えられる。これによって放送用情報伝送システム1は、他のサーバが、ゲートウェイ14を介して携帯電話制御局12、さらには無線基地局11に、パケット化された他の情報を送信する場合と、同じシステム構成となる。
したがってキャリアは、放送用情報送信サーバ13を運営する通信事業者と契約することによって、放送用情報送信サーバ13からのパケット化された放送用情報の提供および他のサーバからのパケット化された他の情報の提供を、セキュリティおよび課金について一元化することができる。
また各ラジオ放送局2を運営する放送事業者と、放送用情報送信サーバ13を運営する通信事業者とが契約して、パケット放送用情報のダウンロードに対する料金の一部が、前記通信事業者から放送事業者に支払われてもよい。
音声放送用情報を音声情報から文字情報に変換するサービス、および音楽情報を予め定める音声符号化方式によって符号化するサービスなどは、有料にしてもよい。これらの各サービスは、携帯電話装置4の操作者と、放送用情報送信サーバ13を運営する通信事業者とが契約することによって、携帯電話装置4の操作者に提供されるようにしてもよい。
図5および図6は、携帯電話装置4の表示部40に表示される画面を示す図である。携帯電話装置4の表示部40に表示される画面は、操作者によってキー操作部41が操作されることによって切り替わる。
表示部40には、図5(1)に示す機能一覧画面71が表示される。機能一覧画面71における「8.ウェブ」が選択されると、表示部40には、図5(2)に示すウェブ画面72が表示される。ウェブ画面72における「5.ラジオ」が選択されると、表示部40には、図5(3)に示すラジオ設定画面73が表示される。ラジオ設定画面73における「1.ON」が選択されると、表示部40には、図5(4)に示すON設定画面74が表示される。
ON設定画面74における「1.ラジオ局CH設定」が選択されると、表示部40には、図6(1)に示すラジオ局CH設定画面75が表示される。ラジオ局CH設定画面75は、1または複数(本実施の形態では3)の放送局名を表す。各放送局名は、放送用情報送信サーバ13に放送用情報を送信する各ラジオ放送局2にそれぞれ対応する。本実施の形態では、第1〜第3放送は、第1〜第3のラジオ放送局2にそれぞれ対応する。
ラジオ局CH設定画面75が表示部40に表示されるとき、キー操作部41の「0」〜「9」の操作キーと、ラジオ放送局2とを関連付けることができる。一例として述べると、ラジオ局CH設定画面75における「1.第1放送」が選択され、この後、キー操作部41の「1」の操作キーが押下される。また、ラジオ局CH設定画面75における「2.第2放送」が選択され、この後、キー操作部41の「2」の操作キーが押下される。
この場合、携帯電話装置4がパケット放送用情報を受信しているときに、「1」の操作キーが押下されると、携帯電話装置4は、第1のラジオ放送局2からの放送用情報を選択する選択情報を放送用情報送信サーバ13に送信する。また携帯電話装置4がパケット放送用情報を受信しているときに、「2」の操作キーが押下されると、携帯電話装置4は、第2のラジオ放送局2からの放送用情報を選択する選択情報を放送用情報送信サーバ13に送信する。
ON設定画面74における「2.FM文字放送」が選択されると、表示部40には、図6(2)に示すFM文字放送画面76が表示される。FM文字放送画面76における「1.ON」が選択されると、携帯電話装置4は、文字要求情報を送信し、FM文字放送用情報によるパケット放送用情報の受信が可能となる。またFM文字放送画面76における「2.OFF」が選択されると、携帯電話装置4は、文字拒否情報を送信し、FM文字放送用情報によるパケット放送用情報の受信が禁止となる。
前記FM文字放送画面76における「1.ON」が選択されると、携帯電話装置4は、文字要求情報とともに文字変換要求情報を送信し、音声情報から文字情報に変換された音声放送用情報によるパケット放送用情報の受信も可能となってもよい。また前記FM文字放送画面76における「2.OFF」が選択されると、携帯電話装置4は、文字拒否情報とともに文字変換拒否情報を送信し、音声情報から文字情報に変換された音声放送用情報によるパケット放送用情報の受信も禁止となってもよい。
ON設定画面74における「3.表示内容」が選択されると、表示部40には、図6(3)に示す表示内容画面77が表示される。表示内容画面77における「1.ラジオ局名表示」が選択されると、放送局名が表示部40に表示される。表示内容画面77における「2.CH設定表示」が選択されると、前記ラジオ局CH設定画面75において設定された情報が、画像として表示部40に表示される。
ON設定画面74における「4.設定」が選択されると、表示部40には、図6(4)に示す設定画面78が表示される。設定画面78における「1.常時受信」が選択されると、携帯電話装置4は、パケット放送用情報を常時受信可能な常時受信モードに設定され、送信開始要求情報および設定情報を放送用情報送信サーバ13に送信する。
設定画面78における「2.時間ON/OFF」が選択されると、パケット放送用情報の受信を開始する開始時刻およびパケット放送用情報の受信を終了する終了時刻の、操作者による設定が可能となる。開始時刻および終了時刻が設定されると、携帯電話装置4は、タイマモードに設定される。タイマモードでは、携帯電話装置4は、パケット放送用情報の受信を、予め設定された開始時刻に開始して、予め設定された終了時刻に終了する。
設定画面78における「3.着信表示/切替」が選択されると、携帯電話装置4は、報知モードに設定される。報知モードでは、携帯電話装置4は、パケット放送用情報に基づく放送用出力情報を音声として出力しているときでも、電話通話などのための着信があったことを報知することができる。
ラジオ設定画面73における「2.OFF」が選択されると、携帯電話装置4は、パケット放送用情報の受信が禁止された受信禁止モードに設定され、送信終了要求情報を放送用情報送信サーバ13に送信する。デフォルトでは、携帯電話装置4は、受信禁止モードに設定される。
ラジオ設定画面73における「3.圏外復帰時ON」が選択されると、携帯電話装置4は、受信再開モードに設定される。ラジオ設定画面73における「4.圏外復帰時OFF」が選択されると、携帯電話装置4は、受信非再開モードに設定される。
後述の実施の各形態では、可能な範囲内で前述の実施の形態と同様の構成を有してもよく、前述の実施の形態と同様の構成を有することによって、前述の実施の形態と同様の効果を達成することができる。
図7は、本発明の実施の他の形態の放送用情報伝送システム1が備える無線基地局11と、携帯電話装置4との間の無線通信に用いられるパケットチャネルの一例を示す図である。本実施の形態の放送用情報伝送システム1は、前述の実施の形態の放送用情報伝送システム1に類似するので、異なる点についてだけ説明する。
放送用情報送信サーバ13は、携帯電話装置4からの予め定める情報にかかわらず、各ラジオ放送局2からの放送用情報によるパケット放送用情報を、携帯電話制御局12に継続的に送信する。携帯電話制御局12は、各パケット放送用情報を無線基地局11から送信するための無線チャネルを指定する。無線基地局11は、携帯電話制御局12によって指定された無線チャネルを用いて、放送用情報送信サーバ13からの各パケット放送用情報を送信する。
本実施の形態では、携帯電話制御局12は、パケットチャネルの各パケットスロットに、第1〜第3のラジオ放送局2からの放送用情報によるパケット放送用情報(以下、第1〜第3のパケット放送用情報)81a〜81cをそれぞれ割り当てる。
携帯電話制御局12は、携帯電話装置4から予め定める情報を受信すると、この予め定める情報に応じた指示情報を、報知チャネルを用いて携帯電話装置4に送信する。携帯電話装置4は、携帯電話制御局12からの指示情報に基づいてパケット放送用情報を受信し、受信したパケット放送用情報を順次、つなげることによって、放送用出力情報を生成して出力する。一例として述べると、携帯電話装置4は、第1のパケット放送用情報81aを受信し、受信した第1のパケット放送用情報81aを順次、つなげることによって、第1の放送用出力情報82を生成して出力する。
このように、何も情報のない無線チャネルを複数のパケットスロットに分割して、各パケットスロットに、各パケット放送用情報を割り当てることによって、無駄な空きスロットをなくすことができる。また携帯電話装置4は、各パケット放送用情報のいずれか1つを選択的に受信する。したがってパケット放送用情報を、無線基地局11から携帯電話装置4に、効率よく送信することができる。
携帯電話装置4は、無線基地局11から受信するパケット放送用情報を選択可能である。したがって無線基地局11からの各パケット放送用情報のうち任意のパケット放送用情報を、携帯電話装置4によって受信することができる。
携帯電話装置4で受信されるパケット放送用情報の切替えは、携帯電話装置4のキー操作部41の操作キーが操作者によって操作されることによって実現されてもよい。携帯電話装置4と携帯電話制御局12との間では、携帯電話装置4でパケット放送用情報が受信されているときに、携帯電話装置4の操作キーの操作に応じて、携帯電話装置4で受信されるパケット放送用情報を切り替えるためのプロトコルが決められている。
一例として述べると、携帯電話装置4でパケット放送用情報が受信されているときに、携帯電話装置4の「2」の操作キーが押下されると、携帯電話装置4は、「2」の操作キーに対応するラジオ放送局2からの放送用情報を選択する選択情報を携帯電話制御局12に送信する。携帯電話制御局12は、前記選択情報に基づいて、使用を許可するパケットスロットを、選択された放送用情報が挿入されるパケットスロットに切り替えるための指示情報を携帯電話装置4に送信する。携帯電話装置4は、携帯電話制御局12からの指示情報に基づいて、使用するパケットスロットを切り替える。これによって携帯電話装置4で受信されるパケット放送用情報を切り替えることができる。
本実施の形態では、パケットチャネルは1つであり、3つのラジオ放送局2からの放送用情報によるパケット放送用情報が無線基地局11から送信されるけれども、パケットチャネルをさらに増やすことによって、4つ以上のラジオ放送局2からの放送用情報によるパケット放送用情報の送信も可能となる。
また本実施の形態では、放送用情報送信サーバ13は、各ラジオ放送局2で放送中の放送用情報によるパケット放送用情報を、携帯電話制御局12に継続的に送信する。これに対して、本発明の実施のさらに他の形態では、放送用情報送信サーバ13は、前記パケット放送用情報に加えて、各ラジオ放送局2で過去に放送された放送用情報によるパケット放送用情報も、携帯電話制御局12に継続的に送信してもよい。一例として述べると、放送用情報送信サーバ13は、各ラジオ放送局2で1時間前に放送された放送用情報も、携帯電話制御局12に継続的に送信してもよい。
このとき、携帯電話制御局12は、パケットチャネルの各パケットスロットに、各ラジオ放送局2で放送中の放送用情報によるパケット放送用情報と、各ラジオ放送局2で過去に放送された放送用情報によるパケット放送用情報とを、それぞれ割り当てる。これによって、各パケット放送用情報を、無線基地局11から携帯電話装置4に、効率よく送信することができる。
このような本実施の形態によれば、放送用情報送信サーバ13は、放送中の放送用情報とともに過去の放送用情報も、携帯電話装置4の操作者に提供することができる。換言すると、携帯電話装置4の操作者は、聞き逃した過去の放送用情報を、後から聞くことができる。
図8は、各パケット放送用情報のヘッダ部86の構成を示す図である。本発明の実施のさらに他の形態では、各パケット放送用情報81a〜81cのヘッダ部86は、放送局関連情報87、放送内容情報88、文字情報89、音楽情報90および音符情報91を含む。放送内容情報88は、ラジオ番組を紹介する情報であり、たとえばラジオ番組名を表す情報である。各情報87〜91には、ヘッダビット92がそれぞれ付加される。ヘッダ部86の最後には、テイルビット(Tail Bit)93がある。ヘッダ部86は、放送用情報送信サーバ13によって、各パケット放送用情報81a〜81cに付加される。
携帯電話装置4の記憶部45には、ヘッダ部86の各情報87〜91に対する処理手順を示すプログラムが予め記憶され、携帯電話装置4の制御部48は、前記プログラムを実行する。一例として述べると、携帯電話装置4の制御部48が前記プログラムを実行することによって、ヘッダビット92としてHB1が付加される放送局関連情報87は、画像として表示部40の所定位置に表示される。
図9は、パケットチャネルの他の例を示す図である。本発明の実施のさらに他の形態では、携帯電話制御局12は、パケットチャネルのパケットスロットに、第1〜第3のパケット放送用情報81a〜81cだけでなく、音楽情報101および画像付きメール情報102など情報量の多い情報をそれぞれ割り当ててもよい。これによって、携帯電話装置4は、パケット放送用情報を受信して、受信したパケット放送用情報に基づく放送用出力情報を出力しているときに、音楽情報101およびメール情報102を受信することができる。
携帯電話装置4は、音楽情報101および画像付きメール情報102を受信すると、その旨を報知してもよい。音楽情報用のパケットスロットおよびメール情報用のパケットスロットには、音声情報から文字情報に変換された後にパケット化された放送用情報であるパケット放送用情報が挿入されてもよい。
図10は、タイムスロットチャネルのタイムスロットに図8に示すヘッダ部86の各情報87〜91が挿入される例を説明するための図である。本発明の実施のさらに他の形態では、パケットチャネルおよびタイムスロットチャネルの両者を利用してもよい。本実施の形態では、放送用情報送信サーバ13は、前記ヘッダ部86の各情報87〜91を、専用の通信プロトコルによって、携帯電話装置4に送信する。
前記ヘッダ部86の各情報87〜91は、タイムスロットチャネルに挿入される。パケット放送用情報は、パケットチャネルに挿入される。携帯電話制御局12は、前記ヘッダ部86の各情報87〜91およびパケット放送用情報を交互に、無線基地局11を介して送信し、携帯電話装置4は、前記ヘッダ部86の各情報87〜91およびパケット放送用情報を交互に受信する。このようにして、前記ヘッダ部86の各情報87〜91が、携帯電話装置4に与えられてもよい。
本発明の実施のさらに他の形態では、携帯電話制御局12は、パケット放送用情報を携帯電話装置4に送信しているときに、その携帯電話装置4に着信があったとき、前記ヘッダ部86の各情報87〜91に代えて、着信報知情報を、前記ヘッダ部86に挿入してもよい。携帯電話装置4は、着信報知情報を受信すると、その旨を報知する。これによって携帯電話装置4の操作者は、着信があったことを知り、着呼を選択することができる。
着呼が選択されると、携帯電話装置4の制御部48は、前記ヘッダ部86の着信報知情報に基づいて、電話通話のために指定される無線チャネルを示すチャネル情報を検出し、その無線チャネルで電話通話が可能となるように、無線通信部37を制御する。これによって携帯電話装置4は、電話通話が可能となる。
携帯電話装置4は、電話通話が終了した後にパケット放送用情報の受信を再開するように、設定されてもよい。携帯電話制御局12は、無線基地局11と携帯電話装置4との間の終了プロトコルに従って、どの無線チャネルでパケット放送用情報の受信が可能かを示す指示情報を携帯電話装置4に送信する。携帯電話装置4は、指示情報に基づいて、指定された無線チャネルでパケット放送用情報の受信が可能となるように、無線通信部37を制御する。これによってパケット放送用情報の受信を再開することができる。
前述の実施の各形態では、現状の携帯電話網3における通信プロトコルとは異なる部分があるけれども、前述の実施の各形態は、既存の無線チャネルの構成を元に十分、実現可能である。
前述の実施の各形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば放送用情報送信サーバ13は、インターネット16を介さずに、ゲートウェイ14に直接、接続されてもよい。放送用情報送信サーバ13は、受信アンテナを介して、各ラジオ放送局2が各放送用アンテナ5を介して電波として送信する放送用情報を受信してもよい。放送用情報は、テレビ放送局からの放送用情報であってもよい。
放送用情報は、放送中の情報に限らず、過去に放送された情報または将来に放送される情報であってもよい。このような放送用情報は、記録媒体に記録され、放送用情報送信サーバ13は、前記記録媒体に記録される放送用情報を取り込んでもよい。
放送用情報送信サーバ13は、ラジオ放送局2からの放送用情報を編集し、編集された放送用情報をパケット化して送信してもよい。詳細に述べると、放送用情報編集部21が、ラジオ放送局2からの放送用情報を編集する。放送用情報編集部21は、たとえば過去の音声放送用情報から楽曲情報を抽出して集めるように、音声放送用情報を編集してもよい。
このように放送用情報送信サーバ13は、ラジオ放送局2からの放送用情報を編集するので、前記放送用情報を用いて、独自の編集情報を生成することができる。また放送用情報送信サーバ13は、前記独自の編集情報である編集された放送用情報をパケット化して送信するので、前記独自の編集情報を、携帯電話装置4の操作者に提供することができる。
また、無料のショートメールサービスのために、制御チャネルが用いられるのように、前述の実施の各形態においても、情報チャネルに代えて、制御チャネルが、パケットチャネルとして用いられてもよい。このように制御チャネルが、パケットチャネルとして用いられても、前述の実施の各形態と同様に、パケット放送用情報を、無線基地局11から無線通信装置に、効率よく送信することができる。
本発明は、パケット通信が可能な無線通信ネットワークを用いて実現される。可搬形の無線通信装置は、PHS(Personal Handyphone System)装置によって実現され、無線通信ネットワークは、PHS網によって実現されてもよい。PHS装置の操作者は、PHS装置を容易に持ち歩くことができる。PHS装置の操作者は、PHS装置を持ち歩いているとき、PHS装置が無線基地局と無線通信可能であればいつでも、ラジオ放送局2からの放送用情報を入手することができる。
また可搬形の無線通信装置は、無線LAN(Local Area Network)に用いられる可搬形のコンピュータによって実現され、無線通信ネットワークは無線LANシステムによって実現されてもよい。前記可搬形のコンピュータは、たとえば携帯情報端末装置(Personal Digital Assistant、略称PDA)およびパーソナルコンピュータに、無線LAN接続可能な無線LANカードが装着されることによって実現される。
前記可搬形のコンピュータは、たとえば公衆無線LANを利用できる場所、いわゆるホットスポットにおいて、パケット放送用情報などを受信することができる。前記可搬形のコンピュータの操作者は、前記可搬形のコンピュータが無線基地局と無線通信可能な場所に、たとえばホットスポットに前記可搬形のコンピュータを設置すればいつでも、ラジオ放送局2からの放送用情報を入手することができる。