JP2006135177A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実装後の割れ等の発生を抑制するためのダミー部を備えると共に、このダミー部に起因して電流量が増加し特性が劣化するようなことのない半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】 半導体レーザ素子20は、複数の発光部21の両側にダミー部22を備えている。サブマウント30は、半導体レーザ素子20が設けられている面に、半導体レーザ素子20の複数の発光部21とダミー部22との境界に対応する溝33を有している。この溝33により、サブマウント30のダミー部22に対応する部分と発光部21に対応する部分とが電気的に絶縁され、ダミー部22への通電が抑制されて電流量増加が抑えられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、両端に支持部材(サブマウント)との接合強度を高めるためのダミー部を有する半導体レーザ装置に関する。
半導体レーザの発光領域は、現在、青紫色の短波長領域まで拡大されており、光通信、高密度光記録あるいはディスプレイへの応用が期待されている。このように発光領域が拡大する一方で、動作電流の低減化、低ノイズ化、低コスト化、さらに高出力、高速動作、且つ高温動作時の信頼性などの問題があり、既に半導体レーザが使用されている応用機器においても改善していかなければならない課題が多く残されている。特に、発熱に関連する問題については、半導体レーザの多方面にわたる利用を制限している。この発熱に関する問題は、半導体レーザの単位面積あたりの大きな発生熱と関連しており、熱循環によって接合温度の上昇および応力の発生などの現象が引き起こされる。接合部分の動作温度が上昇するに従って、発光出力、発光効率および半導体レーザの寿命などが低下し、さらに、半導体レーザから生じる光の波長を長波長化させるという問題がある。
これらの問題を引き起こす半導体レーザの発熱を制御する方法として、例えば、半導体レーザ素子をシリコンカーバイト(SiC)などのサブマウント(支持部材)上に配設し、更にサブマウントの下面をヒートシンク(放熱部材)に接合する方法が用いられている。
しかし、複数の発光部(チップ)が連なったバー状の半導体レーザ素子の場合には、その形成プロセスに起因する固有の湾曲形状のため、サブマウントに実装した場合に素子自体またはサブマウントとの接合面に割れやひびが生じるおそれがあった。また、半導体レーザ素子とサブマウントとの熱膨張係数に差がある場合にも、実装後の割れ等の発生につながる可能性があった。例えば、図9に示したように、半導体レーザバー120よりも熱膨張係数の小さいサブマウント130を半導体レーザバー120の下側だけに設けると、サブマウント130が半導体レーザバー120側へ反り、半導体レーザバー120が剥がれる方向に応力がかかってしまう。特に、半導体レーザバー120Aの両端は最も負荷がかかりやすく、図10に示したように両端だけに割れ120Aが発生することも非常に多い。半導体レーザバー120Aは、複数の発光部のうち一つ二つが欠けても不良品となってしまうので、実装後の割れ等は半導体レーザ装置の歩留りを大きく下げる原因となっていた。
従来、特許文献1では、例えば一つのチップ内に三つの発光部を含む多ビーム半導体レーザ素子において、両端にダミー部を設け、そのダミー部の幅を各発光部の幅よりも広くすることによりダミー部の電極とサブマウントとの接合面積を広くして、接合強度を高める技術が提案されている。
特開2003−31905号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、素子の発光部に電流を注入すると、共通基板などを通じてダミー部にも電流が流れてしまい、電流量増加など、特性の低下を招いてしまうという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、実装後の割れ等の発生を抑制するためのダミー部を備えると共に、このダミー部に起因して電流量が増加し特性が劣化するようなことのない半導体レーザ装置を提供することにある。
本発明による半導体レーザ装置は、複数の発光部を並列に有すると共に、複数の発光部の両側にそれぞれダミー部を有するバー状の半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の各発光部に対して電流を注入するための電流注入手段と、半導体レーザ素子を支持すると共に、発光部に注入された電流のダミー部への通電を抑制するための通電抑制部を有する支持部材とを備えたものである。
通電抑制部は、具体的には、例えば、支持部材の、半導体レーザ素子の複数の発光部とダミー部との境界に対応する位置に設けられた溝である。
また、支持部材として、本体部を金属被覆層で被覆した構造とする共に、この本体部の一部に金属被覆層で被覆されていない露出領域を設け、これを通電抑制部としてもよい。この露出領域は、半導体レーザ素子の複数の発光部とダミー部との境界に対応する位置に線状に形成されていてもよいし、あるいは、本体部のダミー部に対応する部分の側面に形成されていてもよい。
本発明の半導体レーザ装置によれば、支持部材に、半導体レーザ素子のダミー部への通電を抑制するための通電抑制部を設けるようにしたので、この通電抑制部により、発光部へ供給された電流のダミー部への通電を抑制し電流量の増加を抑えることができ、特性の低下を防ぐことができる。なお、割れやひびの入った部分に電流が流れると結晶欠陥が伸長してしまう原因となるおそれがあるが、本発明では、支持部材の通電抑制部によりダミー部への通電を抑制することができるので、ダミー部に割れやひびが発生しても、割れやひびの入った部分に電流が流れることがなく、よって結晶欠陥が伸長してしまうようなことがなくなる。
特に、通電抑制部として、半導体レーザ素子の複数の発光部とダミー部との境界に対応する溝を設けるようにすれば、溝を設けるだけの簡単な工程で、確実にダミー部への通電を抑制することができる。
また、特に、半導体レーザ素子のダミー部を支持部材に固定するための固定層または押え治具を設けるようにすれば、実装後も半導体レーザ素子の剥がれる方向でかかっている応力を緩和することができ、長期の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置10の全体構成を表すものであり、図2はそのII−II線に沿った断面構造を表したものである。この半導体レーザ装置10は、レーザプロジェクタの光源などとして用いられるものであり、例えば、半導体レーザ素子20がサブマウント30上に配設された構成を有している。サブマウント30の裏側にはヒートシンク40が設けられている。半導体レーザ素子20とサブマウント30とは溶着層50により接合され、サブマウント30とヒートシンク40とは溶着層60により接合されている。
半導体レーザ素子20はバー状に細長く形成されたもので、各々レーザ光LBを発生する複数(例えば図1,図2では8個)の発光部21を並列に備えている。この半導体レーザ素子20は、複数の発光部21の両側にそれぞれダミー部22が設けられている。これらのダミー部22を有することにより、この半導体レーザ素子20では、実装後に端部に割れやひびが発生しても発光部21への悪影響を抑制することができ、歩留まりを高めることができるようになっている。
ダミー部22の幅W2は、割れやひびの発生具合、発光部21の幅や厚み等によっても異なるが、例えば、一つの発光部21の幅を例えば200μmないし600μm程度とした場合、幅W2は片側につき発光部21の例えば1個分ないし5個分程度(両側の合計ではその2倍)であることが好ましい。それよりも短いと十分な効果が得られず、また長すぎると、半導体レーザ素子20が剥がれようとする方向にかかる応力も強くなり、ダミー部22を押えるのが難しくなるからである。具体的には、複数の発光部21の合計幅W1が例えば10mmである場合、幅W2は片側につき例えば1mmないし数mm(両側の合計ではその2倍)となる。なお、幅W2は、必ずしも一つの発光部21の幅の整数倍である必要はなく、例えば発光部21の1.5個分の幅となるようにしてもよい。
図3は、図1および図2に示した半導体レーザ素子20の一部を拡大して表したものである。発光部21は各々一つのレーザチップにより構成されており、例えば、基板71上に、活性層を含む半導体層72を有している。ダミー部22も、発光部21と同様に、基板71および半導体層72の積層構造を有している。なお、半導体レーザ素子20の構成材料および発振波長などは特に限定されないが、具体的な構成例としては、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)よりなる基板71上に、AlGaInP系化合物半導体よりなる半導体層72を備え、例えば630μm以上690μm以下の波長域に発振波長を有する赤色レーザが挙げられる。
なお、ここでいうAlGaInP系化合物半導体とは、短周期型周期表における3B族元素のうちアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくとも一方と5B族元素のうちインジウム(In)およびリン(P)の少なくとも一方とを含む四元系半導体のことであり、例えばAlGaInP混晶,GaInP混晶またはAlInP混晶などが挙げられる。これらは、必要に応じてケイ素(Si)またはセレン(Se)などのn型不純物、または、マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn)または炭素(C)などのp型不純物を含有している。
半導体層72の上には、例えば、各発光部21およびダミー部22に対応して、p側電極73が形成されている。p側電極73は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層を半導体層72の側から順に積層した構成を有している。また、基板71の裏面には、例えば、各発光部21およびダミー部22に対応して、n側電極74が設けられている。n側電極74は、例えば、金(Au)層,金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金層および金(Au)層を基板71の側から順に積層した構成を有している。
このような半導体レーザ素子20は、図2に示したように、p側電極73(図2では省略、図3参照))が設けられた面を対向させるようにして、溶着層50によりサブマウント30に接着されている。発光部21のn側電極74(図2では省略、図3参照)には、例えば太さが200μmの金(Au)よりなるワイヤ21Aの一端部が接合されており、このワイヤ21Aを介してn側電極74と後述する電極部材41とが電気的に接続されている。ただし、ダミー部22のn側電極74には、通電抑制のため、ワイヤ21Aは接合されていないことが望ましい。なお、ワイヤ21Aの代わりにリボンを用いてもよい。
図1および図2に示したサブマウント30は、本体部31の表面を金属被覆層32で被覆したものである。本体部31は、例えば、炭化ケイ素(SiC)またはダイヤモンドなどの通電性の低い材料により構成されていることが好ましい。ダミー部22を設けることによる電流量増加を抑えることができるからである。ただし、そのことが大きな問題にならない場合には、ダイヤモンド−銅(Cu)またはCu−W合金などの導電性材料により構成されていてもよい。金属被覆層32は、例えば、最表面に金(Au)層を有する金属多層膜により構成されている。
また、サブマウント30は、半導体レーザ素子20が設けられている面に、半導体レーザ素子20の複数の発光部21とダミー部22との境界に対応する溝33を有している。この溝33を設けることにより、この半導体レーザ装置10では、サブマウント30のダミー部22に対応する部分と発光部21に対応する部分とを電気的に絶縁することができ、発光部21へ供給された電流のダミー部22への通電を抑制して電流量増加を抑えることができるようになっている。すなわち、溝33は通電抑制部の一具体例に対応する。なお、溶着層50は、溝33を回避して金属被覆層32上に設けられていることが好ましい。
図1および図2に示したヒートシンク40は、半導体レーザ素子20の各発光部21に対して電流を注入する電流注入手段としての機能も有しており、例えば、銅(Cu)などの電気的および熱的な伝導性を有する材料により構成され、表面には金(Au)などよりなる薄膜(図示せず)が被着されている。熱伝導性は、半導体レーザ素子20から発生する大量の強熱を放出させ、半導体レーザ素子20を適当な温度に維持するために必要な特性であり、電気伝導性は、電流を半導体レーザ素子20に効率よく伝導させるために必要な特性である。
ヒートシンク40上には、例えばヒートシンク40と同一材料よりなる電極部材41が、例えばネジ41A,41Bにより固定されている。この電極部材41には、発光部21に接合されているワイヤ21Aの他端部が接合されており、ヒートシンク40と同様に、半導体レーザ素子20の各発光部21に対して電流を注入する電流注入手段としての機能を有している。ヒートシンク40と電極部材41との間には例えばガラスエポキシ材よりなる絶縁板42が設けられており、ヒートシンク40と電極部材41とは電気的に絶縁されている。電極部材41には、ワイヤ21Aおよび半導体レーザ素子20を保護するため、ヒートシンク40と同一材料よりなる保護部材43がネジ43Aにより固定されている。
図2に示した溶着層50,60は、鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)により構成されていることが好ましいが、鉛系はんだにより構成されていてもよい。具体的には、例えば、金(Au)−スズ(Sn)はんだ(共晶),銀(Ag)−スズ(Sn)はんだ(共晶),インジウム(In)等を主成分とする低融点のはんだ,スズ(Sn)−鉛(Pb)はんだまたはスズ(Sn)−銀(Ag)−銅(Cu)はんだが挙げられる。なお、溶着層50,60は同じ材料により構成されていてもよいし、異なる材料により構成されていてもよい。
この半導体レーザ装置10は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、上述した材料よりなる基板71の表側に、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法またはMBE(Molecular Beam Epitaxy;電子ビーム蒸着)法により、上述した材料よりなる半導体層72を形成する。次いで、上述した材料よりなるp側電極73およびn側電極74を形成し、基板71を所定の大きさに整えて、両端にダミー部22を有するバー状の半導体レーザ素子20とする。
また、上述した材料よりなる本体部31の表面全体を金属被覆層32で被覆したサブマウント30を用意し、このサブマウント30の半導体レーザ素子20が設けられる面に、例えば真空蒸着法またはめっきにより、金(Au)層およびスズ(Sn)層を順に積層することにより、溶着層50を形成する。
サブマウント30に溶着層50を形成したのち、サブマウント30の溶着層50が形成された面に、図4に示したように、半導体レーザ素子20の複数の発光部21とダミー部22との境界に対応する溝33を設ける。溝33は、例えば、ダイサー(ダイシングソー)のようなダイヤモンドカッターにより形成することができる。
サブマウント30に溝33を設けたのち、半導体レーザ素子20のp側電極73が設けられた側とサブマウント30の溶着層50とを対向させ、位置合わせを精度よく行い、サブマウント30の上に半導体レーザ素子20を載せる。続いて、このサブマウント30に対して加熱処理を施すことにより半導体レーザ素子20をサブマウント30に溶着させる。
半導体レーザ素子20をサブマウント30に溶着させたのち、図2に示したように、サブマウント30を、溶着層60を間にしてヒートシンク40に載せ、加熱処理を施す。最後に、ヒートシンク40上に絶縁板42を間にして電極部材41を固定してワイヤ21Aを接合し、そののち、電極部材41に保護部材43を取り付ける。これにより、図1および図2に示した半導体レーザ装置10が完成する。
また、この半導体レーザ装置10は、例えば、次のようにして製造することもできる。
まず、上述した方法と同様にして、両端にダミー部22を有するバー状の半導体レーザ素子20を形成する。また、サブマウント30を用意し、このサブマウント30の半導体レーザ素子20が設けられる面に、上述した方法と同様にして溝33を設ける。
次いで、サブマウント30の溝33を設けた面に、上述した方法と同様にして溶着層50を形成する。その際、溶着層50を、例えばマスキングにより、溝33を回避して形成する。
そののち、上述した方法と同様にして、半導体レーザ素子20をサブマウント30に溶着させ、更に、サブマウント30をヒートシンク40に溶着させる。最後に、ヒートシンク40上に絶縁板42を間にして電極部材41を固定してワイヤ21Aを接合し、電極部材41に保護部材43を取り付ける。これにより、図1および図2に示した半導体レーザ装置10が完成する。
この半導体レーザ装置10では、各発光部21のn側電極74とp側電極73との間に所定の電圧が印加されると、半導体層72の活性層に電流が注入され、電子−正孔再結合により発光が起こる。ここでは、サブマウント30の半導体レーザ素子20が設けられている面に、半導体レーザ素子20の複数の発光部21とダミー部22との境界に対応する溝33が設けられているので、この溝33により、サブマウント30のダミー部22に対応する部分と発光部21に対応する部分とが電気的に絶縁される。よって、ダミー部22への通電が抑制されて電流量増加が抑えられる。また、ダミー部22に割れやひびが発生しても、割れやひびの入った部分に電流が流れることがなく、よって結晶欠陥が伸長してしまうことが防止される。
このように本実施の形態の半導体レーザ装置10では、サブマウント30の半導体レーザ素子20が設けられている面に溝33を設けるようにしたので、簡単な工程により、確実にダミー部22への通電を抑制することができる。よって、電流量増加を抑え、特性低下を防ぐことができる。なお、割れやひびの入った部分に電流が流れると結晶欠陥が伸長してしまう原因となるおそれがあるが、本実施の形態では、サブマウント30の溝33によりダミー部22への通電を抑制することができるので、ダミー部22に割れやひびが発生しても、割れやひびの入った部分に電流が流れることがなく、よって結晶欠陥が伸長してしまうようなことがなくなる。
以下、第1の実施の形態の変形例について説明する。これらの変形例は、半導体レーザ素子20のダミー部22をサブマウント30に固定する固定層、またはサブマウント30へ向けて押える押え治具を設けることにより、長期の信頼性を向上させるようにしたものである。
〔変形例1〕
例えば図5に示したように、ダミー部22を、樹脂などの絶縁材料よりなる固定層81でサブマウント30に固定してしまうことが好ましい。固定層81を構成する樹脂としては一般的な紫外線硬化型樹脂、または低温で硬化可能な熱硬化型樹脂などが挙げられる。特に高出力の半導体レーザ装置10に用いる場合には熱に強いものが好ましい。
このような固定層81は、例えば、第1の実施の形態の製造方法において、半導体レーザ素子20を配設したサブマウント30をヒートシンク40に溶着したのち、半導体レーザ素子20のダミー部22に樹脂などの絶縁材料を配置し、紫外線照射または加熱処理を行うことにより形成することができる。
〔変形例2〕
また、例えば図6に示したように、ダミー部22を板またはバネなどの押え治具82によりサブマウント30へ向けて押えるようにすることも好ましい。この押え治具82は、ヒートシンク40,電極部材41または保護部材43などを支点にしてダミー部22を押さえ込むようにすることができる。ダミー部22はレーザ発振には無関係な部分であるから、ダミー部22のどの位置を押え治具82で押えるかは特に限定されない。例えば、図6のように上から押さえてもよいし、あるいは横や後ろから押さえてもよい。
押え治具82は金属により構成されていてもよく、その場合には、例えば低温で接着可能な銀ペーストにより、電極部材41や保護部材43等に接合することができる。また、ダミー部22に流れる電流を抑制するためには、押え治具82が絶縁材料により構成されていることが好ましい。その場合、例えばネジにより、ヒートシンク40の上面や側面、電極部材41や保護部材43等に固定することができる。
押え治具82は、変形例1の固定層81と同様に、例えば、第1の実施の形態の製造方法において、半導体レーザ素子20を配設したサブマウント30をヒートシンク40に溶着したのちに、ネジ止めまたは接着剤などにより配設することができる。
このように変形例1,2では、固定層81または押え治具82により、実装後も半導体レーザ素子20の剥がれる方向でかかっている応力を緩和することができる。よって、長期の信頼性を向上させることができる。
〔第2の実施の形態〕
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置10の構成を表したものである。この半導体レーザ装置10は、サブマウント30の本体部31の一部に、金属被覆層32で被覆されていない線状の露出領域34を有しており、この露出領域34によりダミー部22への通電を抑制するようにしたものである。このことを除いては、この半導体レーザ装置10は第1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、同一の構成要素には同一の符号を付して説明する。
半導体レーザ素子20およびヒートシンク40は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
サブマウント30の露出領域34は、半導体レーザ素子20の複数の発光部21とダミー部22との境界に対応する位置に設けられている。この露出領域34を設けることにより、この半導体レーザ装置10では、サブマウント30のダミー部22に対応する部分と発光部21に対応する部分とを電気的に絶縁することができ、ダミー部22への通電を抑制して電流量増加を抑えることができるようになっている。すなわち、ここでは、この露出領域34が通電抑制部の一具体例に対応している。
金属被覆層32は、本体部31のダミー部22に対応する部分の少なくとも一部を被覆していることが好ましい。本体部31のダミー部22に対応する部分全体にわたって金属被覆層32が除去されていると、製造工程において、本体部31表面の段差が生じたり、溶着層50を構成するはんだの濡れ性が十分に得られなくなったりして、半導体レーザ素子20とサブマウント30とを溶着層50を間にして密着させることが難しくなるからである。
この半導体レーザ装置10は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、第1の実施の形態と同様にして、複数の発光部21の両端にダミー部22を備えた半導体レーザ素子20を形成する。
また、上述した材料よりなる本体部31を用意し、この本体部31の表面を金属被覆層32で被覆することにより、サブマウント30を形成する。このとき、本体部31の半導体レーザ素子20が設けられる面に、半導体レーザ素子20の複数の発光部21とダミー部22との境界に対応する線状の露出領域34を設ける。
次いで、このサブマウント30の半導体レーザ素子20が設けられる面に、第1の実施の形態と同様にして、溶着層50を形成する。その際、溶着層50を、露出領域34を回避して形成する。
サブマウント30に溶着層50を形成したのち、第1の実施の形態と同様にして、半導体レーザ素子20とサブマウント30とを溶着層50を間にして溶着させる。
半導体レーザ素子20をサブマウント30に溶着させたのち、第1の実施の形態と同様にして、サブマウント30を、溶着層60を間にしてヒートシンク40に溶着させる。これにより、本実施の形態の半導体レーザ装置10が完成する。
本実施の形態の半導体レーザ装置10の作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、露出領域34の形成位置は、ダミー部22への通電を抑制することができれば特に限定されない。例えば、図8に示したように、露出領域34が、本体部31のダミー部22に対応する部分の側面に形成されていてもよい。本体部31の側面は、製造工程においてサブマウント30と半導体レーザ素子20またはヒートシンク40との密着性には関係しないので、本体部31のダミー部22に対応する部分の側面全体が露出領域34とされていてもよい。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、半導体レーザ素子20のp側電極73が設けられた面をサブマウント30に対向させるようにして配設されている場合について説明したが、n側電極74が設けられた面をサブマウント30に対向させるようにして配設されていてもよい。
更に、例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、上記実施の形態では、GaAsよりなる基板71上にAlGaInP系化合物半導体よりなる半導体層72を有する赤色レーザを例として説明したが、本発明は、例えばGaAs系(赤外:780nmないし850nm)あるいはGaN系(発振波長400nmないし500nm)などの他の材料系にも適用可能である。
加えて、上記実施の形態では、半導体レーザを例として説明したが、本発明は半導体レーザ以外にも、スーパールミネッセントダイオードなどの他の半導体発光素子にも適用可能である。
本発明による半導体レーザ装置は、例えば、レーザプロジェクタに利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置の全体構成を表す分解斜視図である。 図1のII−II線に沿った構造を表す断面図である。 図1および図2に示した半導体レーザ素子の一部を拡大して表す斜視図である。 図1および図2に示した半導体レーザ装置の製造方法における一工程を表す斜視図である。 本発明の変形例1に係る半導体レーザ装置の構成を表す断面図である。 本発明の変形例2に係る半導体レーザ装置の構成を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構成を表す分解斜視図である。 第2の実施の形態の変形例に係る半導体レーザ装置の構成を表す分解斜視図である。 従来の半導体レーザ装置の問題点を説明するための断面図である。 従来の半導体レーザ装置の問題点を説明するための断面図である。
符号の説明
10…半導体レーザ装置、20…半導体レーザ素子、21…発光部、21A…ワイヤ、22…ダミー部、30…サブマウント、31…本体部、32…金属被覆層、33…溝、34…露出領域、40…ヒートシンク、41…電極部材、42…絶縁板、43…保護部材、50,60…溶着層、71…基板、72…半導体層、73…p側電極、74…n側電極、81…固定層、82…押え治具

Claims (6)

  1. 複数の発光部を並列に有すると共に、前記複数の発光部の両側にそれぞれダミー部を有するバー状の半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子の各発光部に対して電流を注入するための電流注入手段と、
    前記半導体レーザ素子を支持すると共に、前記発光部に注入された電流の前記ダミー部への通電を抑制するための通電抑制部を有する支持部材と
    を備えたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記支持部材は、前記通電抑制部として、前記半導体レーザ素子の複数の発光部とダミー部との境界に対応する位置に溝を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記支持部材は、本体部および前記本体部を被覆する金属被覆層を有すると共に、前記通電抑制部として、前記本体部の一部に、前記金属被覆層で被覆されていない露出領域を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記露出領域は、前記半導体レーザ素子の複数の発光部とダミー部との境界に対応する位置に線状に形成されている
    ことを特徴とする請求項3記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記露出領域は、前記本体部の前記ダミー部に対応する部分の側面に形成されている
    ことを特徴とする請求項3記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記半導体レーザ素子のダミー部を前記支持部材に固定するための固定層または前記半導体レーザ素子のダミー部を前記支持部材へ向けて押える押え治具を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
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