JP2006133177A - 関節リウマチの診断および治療におけるシトルリン化アンチトロンビン3の利用 - Google Patents

関節リウマチの診断および治療におけるシトルリン化アンチトロンビン3の利用 Download PDF

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Abstract

【課題】 アンチトロンビン3活性に対するPADI4の効果を調べることにより、RAの発症・進展機構を解明し、RAの治療や創薬のための新たな手段を提供すること。
【解決手段】 PADI4によるアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを指標とした関節リウマチの病態検査方法、および、PADI4によるアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを指標とした、関節リウマチ治療薬の評価方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、関節リウマチ(RA)の診断および治療に関する。より詳しくは、関節リウマチの診断および治療における、ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4によるシトルリン化アンチトロンビン3の利用に関する。
関節リウマチ(RA)は関節の滑膜組織を病変の主座とする慢性炎症性疾患であり、有病率が人口の約1%を占める疾患である。RAは、初期には滑膜炎を来し、次第に軟骨や骨が侵され、進行すると関節が破壊され変形する。症状の経過は、関節炎の寛解・再燃を繰り返し、完治する例や急速に進行する例など多彩であるが、早期発見と早期治療がRA患者の生活の質を改良する上からも重要である。
RAの診断は主に症状によってなされるが、早期診断にはRA患者の血中に見出される自己抗体の検出が今のところ有用である。そのような自己抗体としては、例えば、リウマトイド因子、抗Sa蛋白抗体、抗perinuclear factor抗体、抗ケラチン抗体、抗フィラグリン抗体、抗シトルリン化ペプチド抗体などが知られている(非特許文献1参照)。
抗シトルリン化ペプチド抗体はRA患者血清の約76%から検出されるが、リウマチ様症状を呈するがRAとは判定されない患者血清からは約4%しか検出されない、RAに極めて特異性の高い自己抗体である(非特許文献2および3参照)。また、RA患者の滑膜にはシトルリン化されたタンパクが検出されることから、シトルリンを含むエピトープのRAの病原性への関与が指摘されている(非特許文献4および5参照)。
ペプチジルシトルリンはタンパク内のアルギニン残基がペプチジルアルギニン・デイミナーゼ(以下、「PADI」という。)で変換されて生ずるアミノ酸である。ヒトゲノム中には、5種のPADI(PADI 1〜4,6)が同定されているが、これらは染色体1p36上にあり、関節リウマチ(RA)に対する感受性を付与する候補領域として知られている(非特許文献6参照)。発明者らは、一塩基変異多型(SNP)を用いた大規模全ゲノム・ケースコントロール研究によって、PADI4遺伝子やそのハプロタイプがRAと密接に関連していることを実証した(非特許文献7参照)。
一方、Pike らはウサギの筋肉から抽出されたPADIがヘパリンの存在下でアンチトロンビンαをシトルリン化できることを報告している(非特許文献8参照)。アンチトロンビン3は、凝固プロテアーゼ、特にトロンビンおよびXaの主要な阻害因子である。トロンビンは過度の血管形成、血液凝固および前炎症状態の重要なメディエーターであり(非特許文献9および10参照)、従ってアンチトロンビン3活性の不活化はRAの発症機構に重要な意味を有する。
RA滑液には、変形性関節症(OA)および健常人より活性の低いアンチトロンビン3が存在することが報告されている(非特許文献11)。また、RA滑液中でトロンビン活性の上昇が見られることも報告されている(非特許文献12および13)。さらに、RA滑膜でのトロンビンの局所的な産生およびアンチトロンビン3に対するメタロプロテイナーゼおよび好中球エラスターゼの不活化の可能性が示唆されている(非特許文献11〜15)。
しかしながら、RAの発症機構におけるヒトPADIの役割については、これまで具体的な報告はなく、またアンチトロンビン3に対するヒトPADIの作用も確認されていない。さらに、アンチトロンビン3やトロンビン活性とRA病態との関連も、解明されていない。
Martinus A.M. et al., Arthritis Research (2002) 4(2), p87-93 Gerard A. Schellekens, et al., The Journal of Clinical Investigation (1998) 101(1), p273-281 ZhiJie Zhou, and Henri-Andre Menard, Current Opinion in Rheumatology (2002) 14(3), p250-253 Walter J van Venrooij and Ger J.M. Pruijn, Arthritis Research (2000) 2(4), p249-251 Christine Masson-Bessie, et al., Journal of Immunology (2001) 166(6), p4177-4184 Vossenaar ER, et al., Bioessays (2003) 25, p1106-1118. Suzuki A., et al., Nature Genetics (2003) 24, p395-402 Pike R.N., et al., Journal of Biological Chemistry, (1997) 272, p19652-19655 Fenton J.W. 2nd, Seminars in Thrombosis and Hemostasis, (1998) 24, p87-91 Roemisch J., et al., Blood Coagulation & Fibrinolysis, (2002) 13, p657-670 Jones H.W., et al., Ann Rheum Dis (1998) 57, p162-165. Ohba T., et al., Journal of Rheumatology (1996) 23, p1505-1511. So A.K., et al., Journal of Thrombosis and Haemostasis (2003) 1, p2510-2515. Chang P.A., et al., American Journal of Hematology (1995) 50, p79-83. Carrell RW, et al., Nature (1985) 317, p730-732.
発明者らは、PADI4の生化学的機能とRAにみられる種々の表現上の変化、例えば、過度の血管形成、フィブリン形成、炎症過程との関係を明らかにすることは、RAの病態解明につながると考えた。そして、RA病態におけるアンチトロンビン3とトロンビンの関与に着目した。すなわち、本発明の課題は、アンチトロンビン3活性に対するPADI4の効果を調べることにより、RAの発症・進展機構を解明し、RAの治療や創薬のための新たな手段を提供することにある。
上記課題を解決するため、発明者らは、in vitro実験およびRA患者の血液や滑液中のシトルリン化レベルからアンチトロンビン3活性に対するヒトPADI4の効果や、RAの発症プロセスにおけるPADI4の関与を調べた。そして、ヒトPADI4がシトルリン化によってアンチトロンビン3のトロンビン阻害能を不活化することを実証した。さらに、過度のPADI4活性はアンチトロンビン3のシトルリン化を介して、トロンビンカスケードを乱し、過度の血管形成、フィブリン沈着、炎症といったRA病態を進展させることを見出した。
すなわち、本発明は、検体中のアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを解析することを特徴とする、in vitroにおける関節リウマチの病態検査方法に関する。
本発明の病態検査方法において、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルは、抗シトルリン化アンチトロンビン3抗体または抗シトルリン抗体を用いた免疫学的方法によって解析することができる。そのような免疫学的方法としては、ウェスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、およびRIA法等を挙げることができる。また、検体としては、単離された血液(特に血漿)または滑液が好適である。
本発明はまた、検体中のアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを解析することを特徴とする、関節リウマチ治療薬の評価方法に関する。この方法では、被験物質の存在下および非存在下(被験物質の投与条件下あるいは非投与条件下)において、検体中のアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを比較解析することにより、被験物質の関節リウマチ治療薬としての効果を評価することが好ましい。
本発明の評価方法において、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルの測定、使用される検体の種類は、前記病態検査方法に準じる。
アンチトロンビン3のシトルリン化はペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4の触媒作用によって起こり、アンチトロンビン3活性(トロンビン阻害活性)の不活化を介して関節リウマチ病態の発症と進展に関与する。したがって、ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4または該遺伝子は、それ自体、アンチトロンビン3活性阻害剤として有用である。
本発明は、RAの発症・進展機構の解明はもとより、RAの早期診断、予防、治療、およびそのための医薬開発に有用である。
1.ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4(PADI4)
本発明にかかるペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4(PADI4)遺伝子は関節リウマチ(RA)と密接に関連していることが確認されており、RA滑膜中に高い頻度で発現すると考えられている。ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ(PADI)はペプチジル・アルギニンのシトルリンへの翻訳後修飾を触媒し、この作用はシトルリン化(citrullination)として知られている。
ヒトPADI4のゲノムDNA配列は、公共データベースであるGenBankに、Accession No. XM_017315.3として登録されており、そのcDNA配列はAccession No. NM_012387.1として登録されている。また、ヒトPADI4タンパク質のアミノ酸配列も、GenBank にAccession No. NP_036519.として登録されている。
2.PADI4遺伝子と組換えPADI4タンパクの調製
本発明にかかるPADI4遺伝子は、常法に従い、上記塩基配列に基づいて設計したプライマーあるいはプローブを用いてヒトcDNAライブラリーあるいはゲノムライブラリーより容易にクローニングすることができる。クローニングしたPADI4遺伝子は、必要であればサブクローニングを行い、適宜増幅して使用することができる。
また、PADI4タンパク質(組換えPADI4タンパク質)は、常法に従い(例えば、(Molecular Cloning, A Laboratory Manual” Maniatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J. (1982) Cold Spring Harbor Laboratory Press 参照)、クローニングされたPADI4 cDNA配列をプラスミドやウイルス等のベクターに連結(挿入)し、適当な宿主細胞で発現させればよい。組換えタンパクの作製については、後述する抗体作製の記載を参照されたい。
3.PADI4のアンチトロンビン3活性に対する作用
ウサギ筋肉PADIがヘパリンの存在下でアンチトロンビンαをシトルリン化することが報告されているが(Pike et al. 前掲)、本研究により、ヒトPADI4がシトルリン化によってアンチトロンビン3のトロンビン阻害能を不活化することがin vitroで実証された。さらに、シトルリン化の効率は低下するものの、ヒトPADI4はヘパリンの不存在下でもアンチトロンビン3を触媒できることが確認された。
アンチトロンビン3はヘパリンに結合した後、さらにトロンビンと複合体を作ることでトロンビンプロテアーゼカスケードを阻害することは周知である。
多機能性プロテアーゼであるトロンビンは、フィブリノーゲンを切断してフィブリン塊を生成させ、止血および凝固を促進させる。過度のフィブリン沈着はRAの主要な特徴であり、それが慢性的な炎症およびRA滑膜の進行性組織異常の原因となる(Carmassi F et al. Semin Thromb Hemost 1996;22:489-496.)。トロンビンは血管内皮成長因子受容体(VEGFR)発現を介して血管形成を刺激する効果を有することが知られているが(Koch AE., Arthritis Rheum 1998;41:951-62.)、脈管形成の増大はRAにみられるもう1つの主要な現象である。また、トロンビンは前炎症にも重要な役割を果たしている。凝固とは独立の経路によっても、活性化された因子Xおよびトロンビンはプロスタサイクリン等の前炎症メディエーターの産生を高めて炎症を誘発する(Roemisch J, Blood Coagul Fibrinolysis 2002;13:657-70; Esmon CT., Thromb Haemost. 2001;86:51-6.)。
かくして、PADI4の高発現あるいはRA滑膜でのその活性は、アンチトロンビン3のシトルリン化を触媒し、炎症滑膜におけるシトルリン化アンチトロンビン3の蓄積と血中への循環を引き起こす。そして、シトルリン化によるアンチトロンビン3の不活化は、トロンビンに仲介される血管形成や血液凝固の異常、前炎症状態を誘起する一因となりうる。
4. RA病態におけるPADI4の関与
発明者らは、RA病態におけるPADI4の関与について以下の機構を提唱する:
遺伝的変異あるいは組織の微小環境などの未知の要因がRA滑膜でのPADI4の発現をアップレギュレートする。次いで、過度のPADI4活性がアルギニンのシトルリン化によってトロンビンに対するアンチトロンビン3の阻害能を大きく低下させる。結果として、制御を欠いたトロンビン活性がこれに仲介される生理的プロセスを局所的に乱し、RA滑膜組織での過剰な毛細血管形成、異常なフィブリン沈着および広汎な炎症を促進する。
さらに、本研究において、非RA群の血漿でもアンチトロンビン3濃度および活性の上昇が観察されたが、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルは変化しなかった。この結果から、アンチトロンビン3の多大なシトルリン化はRAでのみ起こり、他の種々の疾患では起こらず、PADI4およびこれによるシトルリン化とRAとの特別な関係が裏付けられた。
5.シトルリン化アンチトロンビン3のRA診断、治療への応用
(1) RAの病態検査方法
PADI4によるアンチトロンビン3のシトルリン化は、RA病態の発症、進展に伴う1種のマーカーとなりうることが確認された。したがって、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルは、RA、特にPADI4の機能異常を伴うRAの病態検査、診断に有用である。
(2) RA治療薬の評価方法
また、PADI4によるアンチトロンビン3のシトルリン化プロセスは、新たな関節リウマチ治療薬の開発の標的としても有用である。そのような関節リウマチ治療薬は、被験物質の存在下と非存在下における、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルを測定することによって評価できる。
(3) アンチトロンビン3のシトルリン化レベルの測定
アンチトロンビン3のシトルリン化レベルは、抗シトルリン化アンチトロンビン3抗体または抗シトルリン抗体を用いた免疫学的方法、例えば、ウェスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、RIA法等により測定できる。
(4) 抗体の調製方法
本発明で用いられる抗体は、常法により(例えば、新生化学実験講座1、タンパク質1、p.389-397、1992)、検出すべきタンパク、あるいはそのアミノ酸配列から選択される任意のポリペプチドを用いて動物を免疫し、該動物生体内に産生される抗体を採取、精製することによって得ることができる。また、公知の方法(例えば、Kohler and Milstein, Nature 256, 495-497, 1975、Kennet, R. ed., Monoclonal Antibody p.365-367, 1980, Prenum Press, N.Y.)にしたがって、目的とする抗体を産生する抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを樹立し、このハイブリドーマから得られるモノクローナル抗体を用いてもよい。
抗体作製用の抗原としては、目的タンパクまたはその少なくとも6個の連続した部分アミノ酸配列からなるポリペプチド、あるいはこれらに任意のアミノ酸配列や担体を付加した誘導体を用いることができる。検出すべきタンパクのN末端に、キーホールリンペットヘモシアニンを担体として結合させたものも好適に用いることができる。
抗原ペプチドは、常法に従い、適当な宿主細胞で産生させてもよい。例えば、抗原ペプチドを発現可能なベクターを作製し、これを宿主細胞に導入して発現させる。
宿主細胞としては、原核細胞であれば、例えば、大腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)等が挙げられる。目的の遺伝子をこれらの宿主細胞内で形質転換させるには、宿主と適合し得る種由来のレプリコンすなわち複製起点と、調節配列を含んでいるプラスミドベクターで宿主細胞を形質転換させる。該ベクターとしては、形質転換細胞に表現形質(表現型)の選択性を付与しうる配列を有するものが好ましい。
例えば、大腸菌であれば、K12株等がよく用いられ、ベクターとしては、一般にpBR322やpUC系のプラスミドが用いられるが、これらに限定されず、公知の各種菌株やベクターを使用できる。また、大腸菌で用いられるプロモーターとしては、例えば、トリプトファン(trp)プロモーター、ラクトース(lac)プロモーター、トリプトファン・ラクトース(tac)プロモーター、リポプロテイン(lpp)プロモーター、ポリペプチド鎖伸張因子Tu(tufB)プロモーター等を挙げることができる。
枯草菌であれば、207-25株が好ましく、ベクターとしてはpTUB228(Ohmura, K. et al. (1984) J. Biochem. 95, 87-93)等が用いられるが、限定されるものではない。なお、ベクターに枯草菌のα−アミラーゼのシグナルペプチド配列をコードするDNA配列を連結することにより、菌体外での分泌発現も可能となる。
真核細胞の宿主細胞としては、脊椎動物、昆虫、酵母等の細胞が挙げられる。脊椎動物細胞としては、COS細胞(Gluzman, Y. (1981) Cell 23, 175-182、ATCC CRL-1650)、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細胞、ATCC CCL-61)やそのジヒドロ葉酸還元酵素欠損株(Urlaub, G. and Chasin, L. A. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77, 4126-4220)等を用いることができる。また、昆虫細胞であれば、鱗翅類ヤガ科のSpodoptera frugiperdaの卵巣細胞由来株化細胞(Sf-9またはSf-21)やTrichoplusia niの卵細胞由来High Five細胞(Wickham, T. J. et al, (1992) Biotechnol. Prog.i: 391-396)等を用いることができる。
脊椎動物細胞の発現ベクターには、通常発現させようとする遺伝子の上流に適当なプロモーター、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写終結配列等を配置する。さらに、必要により複製起点を有していてもよい。前期発現ベクターの例としては、サイトメガロウイルス初期プロモーターを有するPCR3.1(Invitrogen社製)、SV40の初期プロモーターを有するpSV2dhfr(Subramani, S. et al. (1981) Mol. Cell. Biol. 1, 854-864)等のほか、レトロウィルスベクターpLCNX(Clontech, K1060-1)等を用いることができる。
COS細胞を宿主細胞として用いる場合を例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製起点を有し、COS細胞において自立増殖が可能であり、さらに、転写プロモーター、転写終結シグナル、およびRNAスプライス部位を備えたものを好適に用いることができる。該発現ベクターは、ジエチルアミノエチル(DEAE)−デキストラン法(Luthman, H. and Magnusson, G. (1983) Nucleic Acids Res, 11, 1295-1308)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham, F. L. and van der Eb, A. J. (1973) Virology 52, 456-457)、および電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al. (1982) EMBO J. 1, 841-845)等によりCOS細胞に取り込ませることができ、かくして所望の形質転換細胞を得ることができる。
CHO細胞や293細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターと共に、抗生物質G418耐性マーカーとして機能するneo遺伝子を発現し得るベクター、例えば、pRSVneo(Sambrook, J. et al. (1989) : “Molecular Cloning A Laboratory Manual“ Cold Spring Harbor Laboratory, NY)やpSV2neo(Southern, P. J. and Berg, P. (1982) J. Mol. Appl. Genet. 1, 327-341)等をコ・トランスフェクトし、G418耐性のコロニーを選択することにより、目的のポリペプチドを安定に産生する形質転換細胞を得ることができる。
昆虫細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとしてバキュロウイルストランスファーベクターである、オートグラファ核多角体ウイルス(AcNPV)のポリヘドリン蛋白質のプロモーターを利用したpVL1392/1393がよく用いられる(Kidd,i. M. and V.C. Emery (1993) The use of baculoviruses as expression vectors. Applied Biochemistry and Biotechnology 420, 137-159)。この他にも、バキュロウイルスのP10や同塩基性蛋白質のプロモーターを利用したベクターも使用できる。さらに、AcNPVのエンベロープ表面蛋白質GP67の分泌シグナル配列を目的蛋白質のN末端側に繋げることにより、組換え蛋白質を分泌蛋白質として発現させることも可能である(Zhe-mei Wang, et al. (1998) Biol. Chem., 379, 167-174)。
真核微生物を宿主細胞とした発現系としては、酵母が一般によく知られており、その中でもサッカロミセス属酵母、例えば、パン酵母Saccharomyces cerevisiaeや石油酵母Pichia pastorisが好ましい。該酵母等の真核微生物の発現ベクターとしては、例えば、アルコール脱水素酵素遺伝子のプロモーター(Bennetzen, J. L. and Hall, B. D. (1982) J. Biol. Chem. 257, 3018-3025)や酸性フォスファターゼ遺伝子のプロモーター(Miyanohara, A. et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80, 1-5)等が好適である。また、分泌型蛋白質として発現させる場合には、分泌シグナル配列と宿主細胞の持つ内在性プロテアーゼあるいは既知のプロテアーゼの切断部位をN末端側に持つ組換え体として発現させることも可能である。例えば、トリプシン型セリンプロテアーゼのヒトマスト細胞トリプターゼを石油酵母で発現させた系では、N末端側に酵母のαファクターの分泌シグナル配列と石油酵母の持つKEX2プロテアーゼの切断部位をつなぎ発現させることにより、活性型トリプターゼが培地中に分泌されることが知られている(Andrew, L. Niles,et al. (1998) Biotechnol.Appl. Biochem. 28, 125-131)。
上記のようにして得られる宿主細胞は、常法にしたがって培養することにより、その細胞内、または細胞外に目的のタンパクを産生する。培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種の培地を適宜選択できる。
産生された組換えタンパクは、その物理的性質や化学的性質等を利用した公知の分離操作法により、分離・精製することができる。そのような方法としては、例えば、タンパク沈殿剤による処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体クロマトグラフィー、透析法、を単独あるいは組合せて利用できる。また、発現させる組換えタンパクに6残基からなるヒスチジンを繋げれば、ニッケルアフィニティーカラムで効率的に精製することもできる。目的とするタンパクは、以上に記載した方法を適宜組み合わせることにより、容易に高収率、高純度で製造できる。
(5) その他
前記抗シトルリン化アンチトロンビン3抗体または抗シトルリン抗体、該抗体に対する二次抗体、および他の免疫学的測定に必要な試薬等は、本発明のRAの病態検査方法やRA治療薬の評価方法のためのキットとして有用である。
さらに、PADI4遺伝子やPADI4タンパクは、それ自体、アンチトロンビン3活性阻害剤として、RAに関わる基礎研究や臨床研究において利用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
1.材料および方法
(1) 血液および滑液サンプルの調製
RA患者(n=39)、健康なボランティア(n=14)およびリウマチ以外の種々の疾患の患者(n=16)より血液を採取し、3.8%クエン酸ナトリウムの入ったMonovette Tube(テルモ、日本)に入れて1800 rpmで30分間遠心分離した。次いで、抗凝固処理した血漿の上清を15 ml Falcon Tubeに移し、使用まで-80°Cで保存し、血液サンプルとした。滑液サンプルはRA患者(n=15)および変形性関節症患者(OA)(n=15)から得た。
(2) PADI4組換えタンパクの調製
ヒトPADI4のオープン・リーディング・フレーム全体を含むcDNA(GenBank Accession No. NM_012387.1)をC-Terminus pQE Vector Hisベクター(Qiagen)に挿入し、製造業者の説明書に従いE. coli(大腸菌)にて、His-tag付加組換えPADI4タンパクを発現させた。得られたHis-tag付加組換えPADI4は、標準的なNi-NTAアフィニティー精製法を用いて精製した。
(3) アンチトロンビン3活性の測定
最終濃度150 mg/mlのヒト・アンチトロンビン3III(Sigma)を、種々の濃度の組換えPADI4またはウサギのPADI(Sigma)とともに緩衝液(100 mM Tris-HCl, 5 mM CaCl2, pH 7.4)中でインキュベートした。反応は37℃で24時間行い、EDTAを加えて停止した。アンチトロンビン3に対するPADIの効果を観察するために、反応液にヘパリンは添加しなかった。
アンチトロンビン3の活性はActichrome AT III(American Diagnostica)キットを用いて以下のように定量した。PADI処理後、アンチトロンビン3をキット付属のトロンビン試薬とともにインキュベートし、次いで残留トロンビン活性をトロンビン特異的発色反応によって測定した(吸光度は405 nmで測定)。この測定法は臨床実験室でごく普通に用いられる方法で、活性アンチトロンビン3の量は残留トロンビン活性に反比例する。同様の方法により、血漿サンプルおよび滑液サンプルのアンチトロンビン3活性も測定した。測定値は、対照(緩衝液のみ)のトロンビン活性を100%として正規化し、平均値±標準誤差で示した(図1)。
(4) ELISAによるアンチトロンビン3のシトルリン化レベルの測定
アンチトロンビン3(150 μg/ml)を1または5 mMの組換えPADI4とともにインキュベートした。その後、反応物をPBS中で5倍に希釈し、室温で一晩PVC EIA/RIAマイクロタイター・プレート(Costar)を被覆した。プレートをPBSで洗浄し、室温で1時間5%の脱脂粉乳でブロッキングした。PBSで洗浄後、プレートを5000倍に希釈した抗シトルリン抗体(Biogenesis)とともにインキュベートした。シトルリン化アンチトロンビン3はPADIによる産物である。PBSでもう一回洗浄後、0.05 M炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(pH 9.6)中で5000倍に希釈したアルカリ・ホスファターゼ共役ヤギ抗ウサギIgG抗体(Sigma)を加え、室温で1時間放置した。PBSで洗浄後、基質緩衝液(1M ジエタノールアミン、0.5 mM MgCl2, pH 9.8)中のp-ニトロフェニルリン酸塩(Sigma)1 mg/mlを加え、プレート・リーダー(Packard)を用いて405 nmで吸光度を測定した。
(5) ウエスタンブロッティングによるアンチトロンビン3のシトルリン化レベルの測定
上述の通り、アンチトロンビン3(150 μg/ml)を組換えPADI4(5 mM)とともにインキュベートした。反応混合物をSDS-PAGEによって分離し、PVDF膜上にトランスブロットした。PADI4処理後のシトルリン化アンチトロンビン3量をAnti-Citrulline(Modified)Detection Kit(Upstate)を用いて製造業者の説明書に従って検出した。標的タンパクの発現シグナルをWestern blot Detection Kit(KPL)を用いて検出した。
(6) サンドイッチELISA(二重抗体ELISA)による血漿およびRA滑液中のアンチトロンビン3のシトルリン化レベルの測定
抗ヒト・アンチトロンビン3・モノクローナル抗体(American Diagnostica)を製造業者の説明書に従って0.05M炭酸塩‐重炭酸塩緩衝液で2万5000倍に希釈し、室温で一晩インキュベートすることによってPVC Costar 96ウェルEIA/RIAマイクロタイター・プレート(Costar)上に被覆した。PBS(0.1% Tween20を含む)で軽く洗浄後、プレートを室温で1時間5%脱脂粉乳でブロッキングした。血漿および滑液のサンプルをPBS-Tween緩衝液で4000倍に希釈し、プレートに加えた。インキュベーションは室温で1時間行った。PBS-Tween緩衝液でもう一度洗い、プレートを5000倍に希釈した抗シトルリン抗体(Biogenesis)とともに室温で1時間インキュベートした。ウサギの抗シトルリン抗体(Biogenesis)をAP Labeling Kit(Roche)を用いて製造業者の説明書に従ってアルカリホスファターゼで標識した。PBS-Tweenで洗浄後、基質緩衝液(1M ジエタノールアミン、0.5 mM MgCl2, pH 9.8)中のp-ニトロフェニルリン酸塩(Sigma)1 mg/mlを加えた。反応物の吸光度はプレート・リーダー(Packard)を用いて、405 nmで測定した。対照として、抗体非特異結合、血漿非特異結合および緩衝液のみを含むサンプルを用いた。実験データはバックグラウンドの吸光度を差し引き、サンプルの活性は対照のトロンビン活性を100%として正規化した。
(7) 血漿および滑液中のアンチトロンビン3濃度の測定
血液および滑液中のアンチトロンビン3濃度を、Matched-Pair Antibody Set for ELISA of Human Antithrombin Antigen(Affinity Biologicals)を用いたサンドイッチELISA法により、製造業者の説明書に従って測定した。
(8) データ解析
すべてのデータは、独立した試験を3回繰り返して解析した。血液および滑液中のアンチトロンビン3の濃度、活性、シトルリン化レベルは中央値と分布で表した。グループ間の差異はMann-Whitney U-testによって統計的に評価し、p<0.05を有意とした。
2.結果
ヒト組換えPADI4とのインキュベートにより、アンチトロンビン3のトロンビン阻害活性は、PADI4濃度の上昇につれて有意に低下し、高濃度(2.5-5 mM)のPADI4タンパク存在下では完全に消失した。PADI4を含まない対照実験では、アンチトロンビン3はトロンビン活性をかなり阻害した。市販のウサギ筋肉PADIについても同様の結果が得られた(図1aおよびb)。
ELISAの結果、ヒトPADI4あるいはウサギ筋肉PADIとのインキュベートにより、アンチトロンビン3のシトルリン含量はかなり増加することが確認された(図2aおよびb)。
抗シトルリン抗体を用いたウエスタンブロッティングでは、PADI4処理したアンチトロンビン3では、アンチトロンビン3に対応する52 kDaのバンドのみが検出されたが(図3 (b) レーン1)、PADI4処理しないアンチトロンビン3では、このバンドは認められなかった(図3 (b) レーン2)。このことから、PADI4がアルギニンのシトルリン化を介してアンチトロンビン3のトロンビン阻害活性を阻止することが確認された。
血漿および滑液中におけるアンチトロンビン3のシトルリン化レベル、濃度および活性の測定結果は次のようであった。405 nmでの吸光度で表されるシトルリン化されたアンチトロンビン3の含有量は、RA患者の血漿(0.4998±0.0388)では14人の健常者(0.2383±0.0428; p<0.002)およびRA病以外の16人の患者(0.229±0.0416; p<0.001)を含む対照群のそれよりかなり高かった(図4(a))。一方、RA群の同じ血液サンプルでアンチトロンビン3の高い活性および濃度が認められ、非RA血漿もアンチトロンビン3活性および濃度の僅かな上昇を示した(図4(b)(c))。さらに、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルはRA滑液(±)ではOA滑液(±; p<0.002)に比べて著しく高かった。しかし、RA滑液のトロンビン阻害活性は、アンチトロンビン3濃度が大きくは変化しないにもかかわらず、有意に低下した。
3.考察
本研究により、ヒトPADI4タンパクがシトルリン化によってアンチトロンビン3のトロンビン阻害能を不活化することがin vitroで実証された。さらに、シトルリン化の効率は低下するものの、ヒトPADI4はヘパリンの不存在下でもアンチトロンビン3を触媒できることが確認された。
さらに、本研究において、RA血漿およびRA滑液中における高濃度のシトルリン化アンチトロンビン3の存在が確認された。また、RA滑液中ではアンチトロンビン3の活性が著しく抑制されていることも確認された。これらの結果は、PADI4の高発現あるいはRA滑膜での高活性が、アンチトロンビン3のシトルリン化を触媒し、炎症滑膜におけるシトルリン化アンチトロンビン3の蓄積と血液中への循環を引き起こすことを示すものである。
一方、非RA群の血漿でもアンチトロンビン3濃度および活性の上昇が観察されたが、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルは変化しなかった。この結果はアンチトロンビン3の多大なシトルリン化はRAでのみ起こり、他の疾患では起こらないことを示唆し、PADI4によるシトルリン化とRAとの特別な関係を裏付ける。
RA血漿におけるアンチトロンビン3の増加は、他の研究者からも報告されている(Jones H.W., et al., Ann Rheum Dis (1998) 57, p162-165)。本研究でも、RA血漿におけるアンチトロンビン3活性と濃度の上昇が認められたが、RA滑液ではアンチトロンビン3のトロンビン阻害活性は著しく低下していた。アンチトロンビン3合成の制御機構は不明だが、RA血液におけるアンチトロンビン3の高い活性および濃度は、シトルリン化によるアンチトロンビン3不活化を修正し、身体の恒常性を保つ、一種のフィードバックではないかと考えられる。
以上の知見から、RA病態におけるPADI4の関与について以下の機構が提唱される:
遺伝的変異あるいは組織の微小環境などの未知の要因がRA滑膜でのPADI4の発現をアップレギュレートする。次いで、過度のPADI4活性がアルギニンのシトルリン化によってトロンビンに対するアンチトロンビン3の阻害能を大きく低下させる。結果として、制御を欠いたトロンビン活性がこれに仲介される生理的プロセスを局所的に乱し、RA滑膜組織での過剰な毛細血管形成、異常なフィブリン沈着および広汎な炎症を促進する。
本研究において、非RA群の血漿でもアンチトロンビン3濃度および活性の上昇が観察されたが、アンチトロンビン3のシトルリン化レベルは変化しなかった。この結果はアンチトロンビン3の多大なシトルリン化はRAでのみ起こり、他の種々の疾患では起こらないことを示唆し、PADI4遺伝子およびこれによるシトルリン化とRAとの特別な関係を裏付ける。
発明者らは、高濃度のヒアルロン(HA)がトロンビンに対するアンチトロンビン3の阻害能を阻止することができることを報告してきた。HAは滑液の主成分であり、RA滑膜では組織破壊に伴い、遊離したHAが多量に放出され、局所的にHA濃度が他の組織中より10万倍も高くなる。この知見は、関節組織におけるRAの特異的発症の理解に役立つ。なぜなら、RA滑膜における遊離HAの継続的な産生はトロンビンが関係するRA病態を促進し、炎症関節で局所的な自己刺激的フィードバックを起こすからである。一方で、発明者らは、HA−アンチトロンビン3−トロンビンの反射作用はRAの発症原因ではなく、むしろRAの進展原因と考えている。これは、滑膜での高濃度の遊離HAはRAの進展に伴ってのみ形成されるからである。
SNP関連のPADI4ゲノム異常およびこれによるアンチトロンビン3の過度のシトルリン化は、RAの進展に重要な役割を果たしていると考えられる。その結果、トロンビンが関与するRA病態は、PADI4およびHAの両方によるアンチトロンビン3の不活化に伴いRA関節組織で特異的に悪化する。
本発明は、基礎研究から臨床応用まで、RAの診断、予防、治療あるいは創薬の新たな手段として利用できる。
図1は、PADI4およびウサギ筋肉PADIのアンチトロンビン3に対する影響を示すグラフである(データは平均値±標準誤差)。 (a)組換えヒトPADI4 (b) ウサギ筋肉PADI 図2は、PADI4またはウサギ筋肉PADI処理したアンチトロンビン3におけるELISAによるシトルリン産生検出結果を示すグラフである(データは平均値±標準誤差)。 (a) 組換えヒトPADI4 (b) ウサギ筋肉PADI 図3は、PADI4処理したアンチトロンビン3におけるウエスタンブロッティングによるシトルリン産生の検出結果を示す。(a) はCommassie Brilliant Blue染色したSDS-PAGE全タンパクのプロフィールを示す。矢印はPADI4組換えタンパク(82 kDa)およびアンチトロンビン3(52 kDa)の位置を示す。(b) は抗シトルリン抗体を用いたタンパクのブロットを示す。 図4は、血漿アンチトロンビン3のシトルリンレベル、活性および濃度を示す散布図である。(a) は405 nmでの吸光度によるシトルリン化されたアンチトロンビン3の含有量を示す。(b) は血漿アンチトロンビン3の濃度を示す。(c) はトロンビンに特異的な発色吸光度によって測定したアンチトロンビン3活性を示す。

Claims (11)

  1. 検体中のアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを解析することを特徴とする、in vitroにおける関節リウマチの病態検査方法。
  2. 抗シトルリン化アンチトロンビン3抗体または抗シトルリン抗体を用いた免疫学的方法によってアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを解析することを特徴とする、請求項1に記載の病態検査方法。
  3. 免疫学的方法が、ウェスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、およびRIA法から選ばれる、請求項2に記載の病態検査方法。
  4. 検体が、単離された血液または滑液である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の病態検査方法。
  5. 関節リウマチが、ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4の機能異常を伴うものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の病態検査方法。
  6. 被験物質の存在下および非存在下における、検体中のアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを解析することを特徴とする、該被験物質の関節リウマチ治療薬としての効果を評価する方法。
  7. 抗シトルリン化アンチトロンビン3抗体または抗シトルリン抗体を用いた免疫学的方法によってアンチトロンビン3のシトルリン化レベルを解析することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 免疫学的方法が、ウェスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、およびRIA法から選ばれる、請求項7に記載の方法。
  9. 検体が、単離された血液または滑液である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 関節リウマチが、ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4の機能異常を伴うものである、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ペプチジルアルギニン・デイミナーゼ4または該遺伝子を含む、アンチトロンビン3活性阻害剤。
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