JP2006132708A - すべり軸受の製造方法およびすべり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】内径面に油溝を有するすべり軸受を安価に良い寸法精度で製造することである。
【解決手段】金属板から比較的歩留良く、かつ精度よく円筒部を成形できる絞り工程を含むプレス加工法を採用し、このプレス加工に、円筒部をポンチ12とダイス11間でしごき減厚してさらに精度良く内径や肉厚等を寸法決めできるしごき工程を設け、このしごき工程で用いる円筒ポンチ12の外径面に複数の突条12aを設けて、突条12aをカップ状成形物4の内径面に溝として転写し、カップ状成形物4の内径面に転写された溝を、輪切り切断される円筒体に残してすべり軸受の内径面に油溝を形成することにより、研削加工や圧印加工の別工程を設けることなく、内径面に油溝を有するすべり軸受を安価に良い寸法精度で製造できるようにした。
【選択図】図3

Description

この発明は、すべり軸受の製造方法およびすべり軸受に関する。
すべり軸受は転がり軸受よりもコンパクトなスペースで回転軸等を支持でき、経済的にも有利である。従来、これらのすべり軸受は、金属管を素材として削り出す方法、素材の金属帯材を環状に丸めて溶接する方法、金属板を素材としてプレス加工でカップ状に成形し、このカップ状成形物を輪切り切断する方法等で製造されており、金属素材には鋼やホワイトメタル等が用いられている。
これらの製造方法で製造されるすべり軸受は、削り出しや溶接等によって円筒状に形成されたのち、研削加工や圧印加工によってその内径面に油溝が形成されることが多い。(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−263952号公報 特開平11−37156号公報
上述した削り出しや溶接等によって円筒状に形成したのち、研削加工や圧印加工によってその内径面に油溝を形成する従来のすべり軸受の製造方法は、油溝の形成のために、研削加工や圧印加工の別工程を必要とし、製造工程が多くなって製造コストが高くなる問題がある。
また、上述したすべり軸受の製造方法のうち、金属管を素材として削り出す方法は、切削量が多くて素材の歩留が悪く、製造コストが高くなる。また、金属帯材を環状に丸めて溶接する方法は、素材の歩留は良いが、真円度等の寸法精度が悪くなる。これに対して、金属板を素材としてプレス加工で成形する方法は、素材の歩留が比較的よく、寸法精度も比較的優れている利点がある。
そこで、この発明の課題は、内径面に油溝を有するすべり軸受を安価に良い寸法精度で製造することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、金属板を素材としたブランクを、円筒ポンチを用いた絞り工程を含むプレス加工でカップ状に成形し、この成形したカップ状成形物を輪切り切断して少なくとも1つの円筒体を形成して、この円筒体からすべり軸受を製造するすべり軸受の製造方法において、前記プレス加工にしごき工程を設け、このしごき工程で用いる円筒ポンチの外径面に複数の突条を設けて、これらの突条を前記カップ状成形物の内径面に溝として転写し、これらのカップ状成形物の内径面に転写された溝を、前記輪切り切断して形成される円筒体に残して、前記すべり軸受の内径面に油溝を形成する方法を採用した。
すなわち、金属板から比較的歩留良く、かつ精度よく円筒部を成形できる絞り工程を含むプレス加工法を採用し、このプレス加工に、円筒部をポンチとダイス間でしごき減厚してさらに精度良く内径や肉厚等を寸法決めできるしごき工程を設け、このしごき工程で用いる円筒ポンチの外径面に複数の突条を設けて、これらの突条をカップ状成形物の内径面に溝として転写し、これらのカップ状成形物の内径面に転写された溝を、輪切り切断される円筒体に残してすべり軸受の内径面に油溝を形成することにより、研削加工や圧印加工の別工程を設けることなく、内径面に油溝を有するすべり軸受を安価に良い寸法精度で製造できるようにした。なお、カップ状成形物から採取するすべり軸受用円筒体の個数は複数としても良い。
前記しごき工程における前記カップ状成形物の外径面となる外径側しごき面での潤滑条件を、略流体潤滑状態とすることにより、カップ状成形物の内径真円度、筒部偏肉量および内径面の面粗度を改善し、すべり軸受の寸法精度をより向上させるとともに、軸受面となる内径面の面粗度を細かいスムーズなものとすることができる。
本発明者らは、プレス試験機を用いて、SCM415鋼板をブランク素材とする絞りしごき試験を行い、カップ状成形物の内径真円度と筒部偏肉量を調査した。この結果、ダイス側(カップ状成形物の外径側しごき面)に潤滑性の優れた高粘度プレス加工油を塗布すると、すべり軸受用円筒体となるカップ状成形物の内径真円度と筒部偏肉量が改善されるとともに、内径面の面粗度が外径面よりも細かくスムーズになることを見出した。
まず、前記面粗度の調査結果については、図6にその一例を示すが、素材ブランクの面粗度は表裏面ともRa0.49μm程度であるのに対して、カップ状成形物の内径面の面粗度はRa0.15μmと非常に細かくなっている。カップ状成形物の外径面の面粗度はRa0.44μmであり、素材ブランクの面粗度とあまり変わっていない。なお、図6に示すカップ状成形物の内外径面の面粗度は、いずれも軸方向に測定したものであるが、周方向に測定した面粗度もこれらとほぼ同等であった。この測定結果は、通常の絞りしごき加工で観察されるものと逆であり、通常の絞りしごき加工では、ダイスでしごかれるカップ状成形物の外径面の方が細かい面粗度となり、内径面の面粗度は素材ブランクの面粗度とあまり変わらない。
これらの調査結果は、以下のように考えられる。すなわち、カップ状成形物の外径面の面粗度が素材の面粗度とあまり変わらなかったのは、カップ状成形物の外径側しごき面では、加工される素材とダイスが殆ど接触しない略流体潤滑状態であったと考えられる。このようにダイス側の潤滑条件を略流体潤滑状態にすると、ダイスとの摩擦に起因する外径側しごき面での剪断力が殆どなくなって、ポンチとダイスの間のしごき部における応力が板厚方向で均一な圧縮応力状態となり、つぎの図7で検証されるように、素材が板厚方向で均一に減厚変形するようになる。
図7は、前記カップ状成形物の上端部の板厚断面写真を示す。上記推定を検証するように、ダイス側に潤滑性の優れたプレス加工油を塗布したカップ状成形物の上端部は、板厚方向で均一に軸方向へ延伸している。このように、素材が板厚方向で均一に減厚変形して軸方向へ延伸すると、ポンチに接触するカップ状成形物の内径面がポンチ表面に沿って軸方向へ相対移動し、この相対移動によるポンチ表面との摺動で内径面の面粗度が細かくなったものと考えられる。一方、通常の絞りしごき加工によるカップ状成形物の上端部は、外径面側が著しく軸方向に延伸している。これは、ダイスとの摩擦に起因する剪断力でカップ状成形物の外径面側が優先的に減厚変形し、内径面側があまり減厚変形しないからである。このように、内径面側があまり減厚変形しない通常の絞りしごき加工では、カップ状成形物の内径面がポンチ表面と殆ど相対移動しないので、その面粗度は素材とあまり変わらない。
前記外径側しごき面での潤滑条件を略流体潤滑状態とする加工方法では、図7に示したように、カップ状成形物の上端面が板厚方向で均一になるので、ブランク径を小さくして歩留も向上させることができる。また、ブランク径を小さくすることにより、絞り加工に必要なプレス荷重も低減される。
つぎに、前記内径真円度と筒部偏肉量については、後の表1に示すように、いずれも10μm以下という優れた寸法精度が得られることを確認した。これらの調査結果は、以下のように考えられる。すなわち、上述したように、しごき加工におけるダイス側の潤滑条件が略流体潤滑状態とされて素材が板厚方向で均一に減厚変形すると、カップ状成形物の筒部偏肉量が低減されるととともに、ポンチに接触するカップ状成形物の内径面がポンチ表面に沿って軸方向へ相対移動してポンチ外径面の形状になじみ、ポンチから離型後もカップ状成形物の内径真円度が良好に保持されるものと考えられる。一方、通常の絞りしごき加工では、カップ状成形物の内径面側はあまり減厚変形せず、ポンチ表面とも殆ど相対移動しないので、カップ状成形物の内径真円度や筒部偏肉量はそれほど改善されない。
前記プレス加工の絞り工程での絞り回数を3回以下とし、前記しごき工程を、最終回の前記絞り工程と同時に行う絞りしごき工程とすることにより、プレス加工用の金型数と工程数を減らし、製造コストをより低減することができる。
なお、絞りしごき加工では、単なる絞り加工よりも大きな絞り比が得られることが知られている。すなわち、絞り加工では縮みフランジの変形抵抗とフランジ部でのしわ押さえ力に起因する引張応力によるポンチ肩部での破断で絞り限界が決まるが、絞りしごき加工では、ポンチ肩部に作用するフランジ側からの引張応力がしごき部で遮断されるので、絞り限界が高くなって大きな絞り比を得ることができる。
前記絞り工程での絞り回数を1回とし、前記しごき工程をこの1回の絞り工程と同時に行う絞りしごき工程とすることにより、さらに製造コストを低減できるとともに、金型の設定誤差等による寸法精度低下も抑制することができる。
前記素材の金属板を冷間圧延鋼板とすることにより、素材コストを低減することができる。
前記冷間圧延鋼板をリン酸塩皮膜処理鋼鈑とすることにより、前記しごき工程における外径側しごき面でのプレス加工油の保持能力を高め、より低級なプレス加工油を用いて、外径側しごき面での潤滑条件を略流体潤滑状態とすることができる。
上述したいずれかに記載の製造方法で製造したすべり軸受は、安価で寸法精度の良いものとすることができる。
この発明のすべり軸受の製造方法は、金属板から比較的歩留良く、かつ精度よく円筒部を成形できる絞り工程を含むプレス加工法を採用し、このプレス加工に、円筒部をポンチとダイス間でしごき減厚してさらに精度良く内径や肉厚等を寸法決めできるしごき工程を設け、このしごき工程で用いる円筒ポンチの外径面に複数の突条を設けて、これらの突条をカップ状成形物の内径面に溝として転写し、これらのカップ状成形物の内径面に転写された溝を、輪切り切断される円筒体に残してすべり軸受の内径面に油溝を形成するようにしたので、研削加工や圧印加工の別工程を設けることなく、内径面に油溝を有するすべり軸受を安価に良い寸法精度で製造することができる。
前記しごき工程におけるカップ状成形物の外径面となる外径側しごき面での潤滑条件を、略流体潤滑状態とすることにより、カップ状成形物の内径真円度、筒部偏肉量および内径面の面粗度を改善し、すべり軸受の寸法精度をより向上させるとともに、軸受面となる内径面の面粗度を細かいスムーズなものとすることができる。
前記プレス加工の絞り工程での絞り回数を3回以下とし、しごき工程を、最終回の絞り工程と同時に行う絞りしごき工程とすることにより、プレス加工用の金型数と工程数を減らし、製造コストをより低減することができる。
前記絞り工程での絞り回数を1回とし、しごき工程をこの1回の絞り工程と同時に行う絞りしごき工程とすることにより、さらに製造コストを低減できるとともに、金型の設定誤差等による寸法精度低下も抑制することができる。
前記素材の金属板を冷間圧延鋼板とすることにより、素材コストを低減することができる。
前記冷間圧延鋼板をリン酸塩皮膜処理鋼鈑とすることにより、しごき工程における外径側しごき面でのプレス加工油の保持能力を高め、より低級なプレス加工油を用いて、外径側しごき面での潤滑条件を略流体潤滑状態とすることができる。
上述したいずれかに記載の製造方法で製造したすべり軸受は、安価で寸法精度の良いものとすることができる。
以下、図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。このすべり軸受1はリン酸塩皮膜処理を施した冷間圧延鋼板(SCM415)をプレス加工したものであり、図1に示すように、円筒状とされた内径面にヘリングボーン状に複数の油溝2が形成されている。この油溝2は、スパイラル状等の他の形状のものとすることもできる。
図2は、前記すべり軸受1を製造する概略の工程を示す。まず、打ち抜き工程で、素材のSCM415製のリン酸塩皮膜処理冷間圧延鋼鈑が円形のブランクに打ち抜かれ、つぎに、このブランクがプレス加工による1回の絞りしごき工程でカップ状成形物とされる。こののち、切断工程でカップ状成形物が輪切り切断されて、カップ上端部とカップ底部とが除去された円筒体とされ、最後に、熱処理工程で円筒体を熱処理してすべり軸受1が製造される。なお、切断工程では、1つのカップ状成形物から複数のすべり軸受用円筒体を輪切り切断することもできる。また、円筒体を半割にして、半割のすべり軸受とすることもできる。
図3に示すように、前記円形のブランク3をカップ状成形物4とする絞りしごき工程では、カップ状成形物4の外径側しごき面での潤滑条件が略流体潤滑状態となるように、ダイス11側に潤滑性の優れたプレス加工油が塗布されるとともに、円筒ポンチ12の外径面にヘリングボーン状に複数の突条12aが設けられ、これらの突条12aがカップ状成形物4の内径面に油溝2として転写されるようになっている。なお、ダイス11から離型されたカップ状成形物4は、図4に示すように、スプリングバック現象によって円筒部が拡径し、その油溝2を形成された内径面が突条12aの設けられたポンチ12外径面から浮き上がるので、カップ状成形物4はポンチ12から容易に抜き取られる。
図2の製造工程で製造したすべり軸受1について、その内径面の周方向と軸方向の面粗度を測定した。測定したすべり軸受1の寸法は、外径28mm、長さ16mm、肉厚1.0mmである。周方向面粗度は、すべり軸受1の両端から各2mmの位置と長さ方向中央位置の3箇所で測定し、軸方向面粗度は、周方向に90°の位相で4箇所測定した。なお、図6に示したように、素材ブランク3の面粗度は表裏面ともRa0.49μm程度、すべり軸受1の外径面となるカップ状成形物4の外径面の面粗度は、周方向、軸方向ともRa0.44μm程度である。
図5(a)、(b)は、上記面粗度の測定結果の一例を示す。図5(a)は、すべり軸受1の長さ方向中央位置で測定した周方向面粗度であり、Ra0.18μmと非常に細かくなっている。図示は省略するが、両端から各2mmの位置で測定した周方向面粗度もRa0.05〜0.3μmの範囲にあり、素材ブランク3や外径面の面粗度よりも細かくなっている。図5(b)は、1つの位相で測定した軸方向面粗度であり、Ra0.15μmとなっている。図示は省略するが、他の位相で測定した軸方向面粗度も、いずれもRa0.3μm以下と非常に細かくなっている。
表1は、前記すべり軸受1の内径真円度と筒部偏肉量を測定した結果を示す。測定サンプル数は6個とし、内径真円度と筒部偏肉量の軸方向での測定位置は、前記内径面の周方向面粗度の測定位置と同じ3箇所とし、筒部偏肉量については、各軸方向位置において周方向に90°の位相で4箇所、合計12箇所で測定した。これらの測定結果から分かるように、いずれのすべり軸受1も内径真円度と筒部偏肉量が10μm以下となっており、良い寸法精度が得られている。
上述した実施形態では、素材をSCM415製のリン酸塩皮膜処理冷間圧延鋼鈑とし、プレス加工における絞り工程を1回のみとして、しごき工程をこの1回の絞り工程と同時に行う絞りしごき工程としたが、絞り工程を3回以下の複数回とし、しごき工程を最終回の絞り工程と同時に行う絞りしごき工程としてもよい。また、素材は実施形態のものに限定されることはなく、他の鋼板やホワイトメタル等の他の種類の金属板とすることもできる。
すべり軸受の実施形態を示す切欠き正面図 図1のすべり軸受の概略の製造工程を示す工程図 図2の絞りしごき工程を説明する模式図 図3の絞りしごき工程で成形したカップ状成形物をダイスから離型した状態を示す正面断面図 a、bは、それぞれ図2の製造工程で製造したすべり軸受内径面の周方向と軸方向の面粗度を示すグラフ 絞りしごき試験におけるカップ状成形物の内外径面の面粗度と素材ブランクの面粗度を示すグラフ 絞りしごき試験におけるカップ状成形物の上端部の板厚断面写真
符号の説明
1 すべり軸受
2 油溝
3 ブランク
4 カップ状成形物
11 ダイス
12 ポンチ
12a 突条

Claims (7)

  1. 金属板を素材としたブランクを、円筒ポンチを用いた絞り工程を含むプレス加工でカップ状に成形し、この成形したカップ状成形物を輪切り切断して少なくとも1つの円筒体を形成して、この円筒体からすべり軸受を製造するすべり軸受の製造方法において、前記プレス加工にしごき工程を設け、このしごき工程で用いる円筒ポンチの外径面に複数の突条を設けて、これらの突条を前記カップ状成形物の内径面に溝として転写し、これらのカップ状成形物の内径面に転写された溝を、前記輪切り切断して形成される円筒体に残して、前記すべり軸受の内径面に油溝を形成するようにしたことを特徴とするすべり軸受の製造方法。
  2. 前記しごき工程における前記カップ状成形物の外径面となる外径側しごき面での潤滑条件を、略流体潤滑状態とした請求項1に記載のすべり軸受の製造方法。
  3. 前記絞り工程での絞り回数を3回以下とし、前記しごき工程を最終回の絞り工程と同時に行う絞りしごき工程とした請求項1または2に記載のすべり軸受の製造方法。
  4. 前記絞り工程での絞り回数を1回とし、前記しごき工程をこの1回の絞り工程と同時に行う絞りしごき工程とした請求項3に記載のすべり軸受の製造方法。
  5. 前記素材の金属板を冷間圧延鋼板とした請求項1乃至4のいずれかに記載のすべり軸受の製造方法。
  6. 前記冷間圧延鋼板をリン酸塩皮膜処理鋼鈑とした請求項5に記載のすべり軸受の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法で製造したすべり軸受。
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