JP2006129742A - 豆類の粉砕殺菌方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】豆類を前処理することなく、粉砕処理と同時に殺菌処理もすることができる豆類の粉砕殺菌方法を提供する。
【解決手段】スクリュ式二軸押出機に、その一方の端部から所定量宛の豆類を供給しながら、スクリュ(5)を回転駆動して処理するとき、ニーデイングスクリュ(8)の中央部で発生する内部原料圧力を0.2〜3.5MPaの範囲で調整することにより自己発熱量をコントロールすると共に、シリンダバレル(1,2,3)とスクリュ(5)の温度を外部より調整して、粉砕処理と同時に殺菌処理する。
【選択図】 図1
【解決手段】スクリュ式二軸押出機に、その一方の端部から所定量宛の豆類を供給しながら、スクリュ(5)を回転駆動して処理するとき、ニーデイングスクリュ(8)の中央部で発生する内部原料圧力を0.2〜3.5MPaの範囲で調整することにより自己発熱量をコントロールすると共に、シリンダバレル(1,2,3)とスクリュ(5)の温度を外部より調整して、粉砕処理と同時に殺菌処理する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、大豆、黒大豆、小豆、エンドウ豆、いんげん豆等の豆類を粉砕すると同時に殺菌処理も行う豆類の粉砕殺菌方法に関し、具体的には豆類をスクリュ式二軸押出機により粉砕処理するときに殺菌処理もする、豆類の粉砕殺菌方法に関するものである。
大豆、黒大豆、小豆、エンドウ豆、いんげん豆等の豆類は、粉砕して食品原料として使用されることが多いが、粉砕には一般に石臼、カッターミル、ピンミル、ボールミル、ジェットミル、ディスクミルなどの粉砕装置が使用されている。このような粉砕装置を使用した粉砕方法には、浸漬した豆類を粉砕する方法と、浸漬することなく直接的に粉砕する方法とに大別できる。前者の浸漬して粉砕する方法は、例えば特許文献1〜3に示されている。すなわち、特許文献1にはアルカリを添加した熱水中で加熱した後に粉砕する方法が開示されている。また、特許文献2には膨潤大豆を回転刃型剪断力で100ミクロン以下に微細化した後、摩擦剪断力で更に微細化する粉砕方法が開示され、特許文献3には脱皮大豆を熱湯と生蒸気とで加熱しながら80〜100℃の範囲で第1段をグラインダーにより磨砕し、その後ハンマーミルで更に粉砕する多段粉砕方法が開示されている。
豆類は、上記のようは方法により粉砕されているので、食品原料として利用されているが、従来の粉砕方法には改良すべき点あるいは問題点も多く認められる。例えば、従来の粉砕方法により大豆を粉砕すると、大豆の細胞が破壊される。その結果、細胞内のリポキシゲナーゼ等の酵素が活性化し、悪風味成分を生成してしまう恐れがある。この風美の悪化を最小限に抑えるためには、悪風味の原因になる酵素を加熱などにより速やかに失活させる必要があるが、そのために加熱手段を別に備えなければならないという問題がある。また、豆類には微生物が多く付着しており、特に外皮、胚軸部分に多く生育しているので、一般的に豆乳の製造においては、外皮、胚軸部分を取り除いた原料が用いられているが、黒大豆、小豆等の豆類の外皮には、最近注目されているポリフェノールが多く含まれており、外皮、胚軸部分を取り除くと、栄養分のポリフェノールを廃棄することになる。廃棄を避けるためには、細菌が多く生育している外皮、胚軸部分を残す必要があるが、そのために格別の殺菌装置を必要とする欠点がある。要するに、浸漬した豆類を粉砕すると、製品は多量の水分を含むことになり腐敗しやすく保存性は悪く、物流には向かない。また、浸漬しない粉砕方法においても、粉砕後に加熱等により酵素の失活、微生物の殺菌等を充分に行わない限り、酵素および微生物による風味の悪化、油脂分の酸化等による品質の悪化は避けられない。また、高温で長時間加熱すると、部分的に熱劣化が生じ、食品原料として適さないようになる可能性もある。
本発明は、上記したような従来の実状に鑑みてなされたものであって、豆類を前処理することなく、直接連続的に大量に微粉砕処理と同時に豆類中の微生物、雑菌等も殺菌処理することができる豆類の粉砕殺菌方法を提供することを目的としている。さらには、熱的劣化を引き起こすことなく、安価に粉砕処理と同時に殺菌処理もできる豆類の粉砕殺菌方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、スクリュ式二軸押出機が適用される。スクリュ式押出機は、周知のように、軸方向に所定長さのシリンダバレルと、このシリンダバレル内で回転駆動されるスクリュとからなっている。このようなスクリュ式押出機は、スクリュが1本の単軸スクリュ式押出機と、2本のスクリュ式二軸押出機とに大別できる。粉砕作用には剪断応力が影響するが、この剪断応力の発生は、スクリュ式二軸押出機の方が急激で、かつ高い値である。したがって、本発明においてはスクリュ式二軸押出機が適用される。そして、本発明においては、スクリュ式二軸押出機のスクリュには、豆類を下流方向に送るリードスクリュ、送り作用はなく混練、混合作用をするニーデイングスクリュ等のスクリュが適宜組み合わされている。また、必要に応じて逆方向に送るリバーススクリュ、下流方向に送る作用も奏するリードニーデイングスクリュ、逆方向に送る作用も奏するリバースニーデイングスクリュ等が組み合わされる。
このようなスクリュを備えたスクリュ式二軸押出機により豆類を粉砕処理すると、シリンダバレル内の豆類はスクリュせん断および圧力により自己発熱する。この自己発熱により原料の熱劣化が起こるため、発熱エネルギをシリンダバレルおよびスクリュに冷媒あるいは冷却水を循環させて除去する。この自己発熱量は、シリンダバレル内で発生する内部圧力に影響される。この内部圧力は、原料供給量、スクリュ回転速度、スクリュの組合せ、豆の種類などにより大きく異なるため、原料、目的の粉砕粒度等に合わせて条件を設定する。さらに、ニーデイングスクリュで粉砕される時に同時に殺菌もなされる。温度を調整することにより熱劣化が抑制され、また殺菌処理もなされる。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、大豆、小豆等の豆類を、シリンダバレル内にリードスクリュ、ニーデイングスクリュ等の複数種のスクリュが組み合わされた、軸方向に所定長さのスクリュが挿入されているスクリュ式二軸押出機に、その一方の端部から所定量宛供給しながら、前記スクリュを回転駆動して処理するとき、前記シリンダバレル内の豆類の内部圧力と、前記シリンダバレルとスクリュの温度を調整して、同一のスクリュ式二軸押出機内で粉砕すると同時に殺菌するように構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の方法において、ニーデイングスクリュ部で発生する内部原料圧力を0.2〜3.5MPaの範囲で調整することにより自己発熱量をコントロールすると共に、シリンダバレルとスクリュの温度を外部より調整するように、そして請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の方法において、ニーデイングスクリュが平板状の複数枚のブレードからなり、その1枚のブレードの厚さが2〜65mmのスクリュ式二軸押出機を使用するように構成される。
以上のように、本発明によると、豆類の粉砕殺菌処理にシリンダバレル内にリードスクリュ、ニーデイングスクリュ等の複数種のスクリュが組み合わされたスクリュ式二軸押出機が使用され、このときシリンダバレル内の豆類の内部圧力と、前記シリンダバレルとスクリュの温度を調整するので、浸漬、脱皮、脱胚軸、粗粉砕等の前処理をすることなく、すなわち栄養分を廃棄することなく、多量に、短時間で粉砕すると同時に殺菌することができるという、本発明に特有の効果が得られる。また、スクリュ式二軸押出機が使用されるので、処理時間が短く豆類が熱劣化により品質を落とすようなことはない。さらには、豆類を粉砕するときに発生する熱が直接的に豆類に伝わるので、また原料は圧密状態であるので、熱は原料の細部まで均一に、且つ短時間に伝わる。したがって、豆類の熱劣化を抑えながら酵素を失活させ、微生物を殺菌することができる効果が得られる。また、浸漬等の前処理をすることなく粉砕殺菌処理することができるので、得られる製品の水分量は処理前と同じ量であり、細胞中のオイルボディを痛めていないし、酵素および微生物の関与がないため、保存、物量等に優れた製品を得ることもできる。さらには、殺菌のための加熱装置を格別に必要としないので、安価に豆類を粉砕殺菌処理することができる効果も得られる。
特に、大豆から豆乳を製造する場合、従来は充分な水分を含むまで長時間浸漬しなければならなかったので、その間に微生物の増殖は避けられなかったが、本発明の実施により得られる大豆製品の粒子は充分に小さいので、浸漬は短時間ですませることができる。また、殺菌が行われているので、浸漬を行っても短時間ですみ、微生物の増殖はほとんど無く、保存性の高い豆乳を製造することができる。
請求項2に記載の発明によると、ニーデイングスクリュの上流側で発生する内部原料圧力を0.2〜3.5MPaの範囲で調整することにより自己発熱量をコントロールすると共に、シリンダバレルとスクリュの温度を外部より調整するので、さらに優れた、きめ細かな上記のような効果が得られ、請求項3に記載の発明によると、ニーデイングスクリュが平板状の複数枚のブレードからなり、その1枚のブレードの厚さが2〜65mmのスクリュ式二軸押出機を使用するので、塊状に固まる傾向にある原料を磨砕することなく破砕できるという効果がさらに得られる。
特に、大豆から豆乳を製造する場合、従来は充分な水分を含むまで長時間浸漬しなければならなかったので、その間に微生物の増殖は避けられなかったが、本発明の実施により得られる大豆製品の粒子は充分に小さいので、浸漬は短時間ですませることができる。また、殺菌が行われているので、浸漬を行っても短時間ですみ、微生物の増殖はほとんど無く、保存性の高い豆乳を製造することができる。
請求項2に記載の発明によると、ニーデイングスクリュの上流側で発生する内部原料圧力を0.2〜3.5MPaの範囲で調整することにより自己発熱量をコントロールすると共に、シリンダバレルとスクリュの温度を外部より調整するので、さらに優れた、きめ細かな上記のような効果が得られ、請求項3に記載の発明によると、ニーデイングスクリュが平板状の複数枚のブレードからなり、その1枚のブレードの厚さが2〜65mmのスクリュ式二軸押出機を使用するので、塊状に固まる傾向にある原料を磨砕することなく破砕できるという効果がさらに得られる。
初めに、本発明の実施に使用されるスクリュ式二軸押出機の実施の形態について説明する。本実施の形態によると、スクリュ式二軸押出機は、第1〜3の双胴型のシリンダバレル1〜3からなっている。これらの双胴型のシリンダバレル1〜3内には、スクリュ5が挿入されている。スクリュ5には、使用目的に応じて色々なタイプのスクリュが組み合わされるが、図に示されている実施の形態では、図1において左方の供給側から、送りスクリュ7、ニーデイングスクリュ8、送りスクリュ7、ニーデイングスクリュ8、送りスクリュ7等のように挿入されている。送りスクリュ7は、所定のピッチのフライトを備えているが、供給側の送りスクリュ7は、材料供給口11に対応した部分のピッチは大きく、下流側に向かって順次小さくなっている。これにより、供給される豆類の噛み込みがよく、下流側で圧縮される。ニーデイングスクリュ8は、本実施の形態では一番上流側に送り作用のない90°の組み合わせを、その他は、逆60°の僅かに戻し作用のある複数枚のブレードから構成されている。このようなブレードの1枚の厚みは、2〜65mmに選定されている。これにより、処理される豆類は、ほぐされ、細胞の徒な破壊が防止される。
このようなスクリュが挿入されている第1のシリンダバレル1には、材料供給口11が開けられ、この材料供給口11に供給ホッパ10の下端部が接続されている。供給ホッパ10には、機械的な定量供給装置であるロータリフイーダ12が設けられている。したがって、ロータリフイーダ12の回転速度を制御することにより所定量宛の豆類が第1のシリンダバレル1に供給されることになる。第3のシリンダバレル3の下流端には、スクリュ軸5’を受ける第4のシリンダバレル4が接続されている。この第4のシリンダバレル4の下方には粉砕殺菌処理される製品が重力により落下する製品排出孔口6が開けられている。
このように構成されている第1〜3のシリンダバレル1〜3の外周部には、シリンダバレル毎に温度が調整される水のような熱媒体が流れるジャケットすなわち冷却管15、16、17が設けられている。例えば第2のシリンダバレル2の外周部に設けられている冷却管16には、冷凍サイクル等により冷却される冷水タンク18中の冷水が流れるようになっている。このように第1〜3のシリンダバレル1〜3が個別に冷却されるので、粉砕時に生じる発熱が適宜抑えられ、熱変質することなく粉砕され、また発生する熱により殺菌処理される。粉砕中に発生する熱を抑えるために、スクリュ軸5’には下流端から上流側に向かって所定深さの冷却用の冷水が流れる冷却水供給孔20が開けられ、この冷却水供給孔20と関連して冷却水戻孔21が開けられている。これらの冷却水供給孔20と冷却水戻孔21は、ロータリジョイント22を介して外部に配管されている冷水供給管23と冷水戻管24とにそれぞれ接続されている。これらの管23、24は冷水タンク25に連なっている。冷却水戻管24から冷水タンク25に戻る冷却水は、前述したような冷凍サイクルにより所定温度に制御される。これにより、冷却水供給孔20には所定温度の冷却水が供給される。
本実施の形態によると、各種のセンサが設けられている。すなわち、図1には1個だけ示されているが、ニーデイングスクリュ8の中央部に、シリンダバレル1、2、3の内部に達する圧力センサP3が設けられている。そして、この圧力センサP3で検出される豆類の内部圧力値は信号ラインaにより制御装置30に入力されるようになっている。また、第3のシリンダバレル3には温度センサT3が設けられ、この温度センサT3で計測されるシリンダバレル3の温度は、信号ラインbにより制御装置30に入力されるようになっている。第1、2のシリンダバレル1、2にも温度センサが設けられているが、図1には示されていない。冷水タンク18、25にも温度センサT18、T25が設けられ、これらの温度センサで計測される冷水あるいは冷却水の温度は信号ラインc、dにより制御装置30に入力されるようになっている。また、スクリュ5を駆動するモータ13、ロータリフイーダ12を駆動するモータ等も制御装置30から信号ラインe、fを介して送られる制御信号により、その回転速度が制御されるようになっている。制御装置30は、次の作用の項で説明するような、演算機能、比較機能等を有し、また各種の値を設定する設定手段も備えている。
次に、上記スクリュ式二軸押出機を使用した豆類の粉砕殺菌処理例について説明する。第1〜3のシリンダバレル1〜3の温度を設定する。また、冷水タンク18、25中の冷却水の温度を、第1〜3のシリンダバレル1〜3の設定温度よりも所定量だけ低い温度に設定する。例えば、熱応答性等を考慮して、第1〜3のシリンダバレル1〜3の温度を設定すると、冷水タンク18、25の温度はこれよりも所定値だけ低い温度に自動的に設定されるように実施する。例えば、第3のシリンダバレル3内の圧力値も設定する。
モータ13によりスクリュ5を回転駆動すると共に、ロータリフイーダ12を駆動して供給ホッパ10から、脱皮、浸漬等の前処理をすることなく豆類を第1のシリンダバレル1へ所定量宛供給する。供給される豆類は、送りスクリュ7、ニーデイングスクリュ8、送りスクリュ7、ニーデイングスクリュ8等により下流側へと搬送される。搬送される途中で、送りスクリュ7、ニーデイングスクリュ8等により、特にニーデイングスクリュ8により所定の内部圧力が発生する。すなわち、豆類の供給量とスクリュ5の回転速度とを関連制御することにより、0.2〜3.5MPaの内部圧力が発生する。この圧力およびスクリュせん断力により、豆類は粉砕される。そして、第4のシリンダバレル4の製品排出口6から排出される。このように粉砕されるとき、スクリュのせん断作用により自己発熱する。この自己発熱量を第1〜3のシリンダバレル1〜3の冷却管15、16、17およびスクリュ5の冷却水供給孔20には、設定温度の冷却水が流れ冷却される。温度センサT3、T18等で計測される温度は、制御装置30に入力され、設定温度と比較され、そして設定温度になるように維持される。このように制御される熱は、豆類は粉砕され圧接・圧密状態にあるので、細部まで均一に短時間に伝達される。これにより、効率的に酵素の失活および微生物の殺菌が行われる。
なお、シリンダバレル内の圧力は、図1には示されていないが、第3のシリンダバレル3内に達するダムあるいは堰を設け、これらの開度を調整することにより、制御することもできる。
「実施例1」
粉砕殺菌処理材料:市販されているオハイオ産丸大豆。
粉砕殺菌装置:図1に示されている、送りスクリュ7とニーデイングスクリュ8とを組み合わせたスクリュを挿入した株式会社日本製鋼所製のスクリュ式二軸押出機(TEX47F)を使用した。この押出機のスクリュの外径は47mm、シリンダバレルの長さは470mmであった。
運転条件:スクリュ5の回転速度60rpm、第1〜3のシリンダバレル1〜3の温度は20℃に設定し、スクリュ5に供給する冷却水の温度は15℃に設定した。このときの丸大豆の供給量はは、25kg/hであった。
テスト結果:2番目の60°のニーデイングスクリュの中央部における内部圧力は2.5MPaであった。粉砕された丸大豆の粒度は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製のLA−500)により測定した。メジアン径は、19.89μmであった。処理前の丸大豆の一般生菌数は、1グラム当たり1.3×107で、耐熱性菌の数は4.6×103 であったが、処理後はいずれの菌も300個以下であった。リポキシゲナーゼも失活していた。
粉砕殺菌処理材料:市販されているオハイオ産丸大豆。
粉砕殺菌装置:図1に示されている、送りスクリュ7とニーデイングスクリュ8とを組み合わせたスクリュを挿入した株式会社日本製鋼所製のスクリュ式二軸押出機(TEX47F)を使用した。この押出機のスクリュの外径は47mm、シリンダバレルの長さは470mmであった。
運転条件:スクリュ5の回転速度60rpm、第1〜3のシリンダバレル1〜3の温度は20℃に設定し、スクリュ5に供給する冷却水の温度は15℃に設定した。このときの丸大豆の供給量はは、25kg/hであった。
テスト結果:2番目の60°のニーデイングスクリュの中央部における内部圧力は2.5MPaであった。粉砕された丸大豆の粒度は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製のLA−500)により測定した。メジアン径は、19.89μmであった。処理前の丸大豆の一般生菌数は、1グラム当たり1.3×107で、耐熱性菌の数は4.6×103 であったが、処理後はいずれの菌も300個以下であった。リポキシゲナーゼも失活していた。
「実施例2」
処理材料と粉砕殺菌装置は実施例1と同じで、スクリュの回転速度と丸大豆の供給量とを変更してテストした。
スクリュの回転速度は80rpm、丸大豆の供給量は40kg/hでテストした。
テスト結果は、2番目の逆60°のニーデイングスクリュの中央部における内部圧力は3.2MPaであった。粉砕された丸大豆のメジアン径は、15.99μmであった。処理前の丸大豆の一般生菌数は、1グラム当たり1.3×107で、耐熱性菌の数は4.6×103 であったが、処理後はいずれの菌も300個以下であった。また、リポキシゲナーゼも失活していた。さらに、この粉砕された丸大豆粉10kgに対して、45Lの水を加えて均一な生呉とした。この生呉を微細化装置(株式会社、日本製鋼所製、H180−65)で処理したものを釜で煮て煮呉(豆乳)を製作した。得られた豆乳は喉越の極めてよいものであった。また、この豆乳にニガリを添加して豆腐を得た。得られた豆腐は滑らかな舌触りの良好なものであった。
処理材料と粉砕殺菌装置は実施例1と同じで、スクリュの回転速度と丸大豆の供給量とを変更してテストした。
スクリュの回転速度は80rpm、丸大豆の供給量は40kg/hでテストした。
テスト結果は、2番目の逆60°のニーデイングスクリュの中央部における内部圧力は3.2MPaであった。粉砕された丸大豆のメジアン径は、15.99μmであった。処理前の丸大豆の一般生菌数は、1グラム当たり1.3×107で、耐熱性菌の数は4.6×103 であったが、処理後はいずれの菌も300個以下であった。また、リポキシゲナーゼも失活していた。さらに、この粉砕された丸大豆粉10kgに対して、45Lの水を加えて均一な生呉とした。この生呉を微細化装置(株式会社、日本製鋼所製、H180−65)で処理したものを釜で煮て煮呉(豆乳)を製作した。得られた豆乳は喉越の極めてよいものであった。また、この豆乳にニガリを添加して豆腐を得た。得られた豆腐は滑らかな舌触りの良好なものであった。
「実施例3」
処理材料と粉砕殺菌装置は、実施例1と同じで、逆60°のニーデイングスクリュに代えて30°のニーデイングスクリュを使用してテストした。
スクリュの回転速度は80rpm、丸大豆の供給量は25kg/hでテストした。テスト結果は、2番目の逆30°のニーデイングスクリュの中央部における内部圧力は3.6MPaであった。粉砕された丸大豆は、僅かではあるが油の滲み出しが見られ、油による粉砕物同士の結着が見られた。このためか、メジアン径は、40.34μmであった。殺菌効果および酵素の失活効果は、実施例1、2との間に格別の差は認められなかった。
処理材料と粉砕殺菌装置は、実施例1と同じで、逆60°のニーデイングスクリュに代えて30°のニーデイングスクリュを使用してテストした。
スクリュの回転速度は80rpm、丸大豆の供給量は25kg/hでテストした。テスト結果は、2番目の逆30°のニーデイングスクリュの中央部における内部圧力は3.6MPaであった。粉砕された丸大豆は、僅かではあるが油の滲み出しが見られ、油による粉砕物同士の結着が見られた。このためか、メジアン径は、40.34μmであった。殺菌効果および酵素の失活効果は、実施例1、2との間に格別の差は認められなかった。
以上の実施例1〜3から、シリンダバレル内における大豆の圧力を、スクリュの回転速度と大豆の供給量とにより、あるいはスクリュの形状、ダム等により適宜調整すると、大豆を所望のサイズに粉砕できることが判明した。また、このように粉砕するときに自己発熱するが、シリンダバレルおよびスクリュを適宜冷却することにより、大豆の熱的変質を抑えながら微生物を殺菌できることも判明した。すなわち、シリンダバレルの温度を20℃、スクリュの温度を15℃のように比較的低温で粉砕処理して殺菌される理由は、丸大豆が粉砕されるときの内部圧力と、そのときに発生する、せん断力、圧力等による瞬時の発熱との相乗作用によるものと推測される。また、他の黒大豆、小豆、エンドウ豆等のような他の豆も、大豆と同じような成分からなっているので、シリンダバレル内の圧力と、シリンダバレルとスクリュとの温度を適宜制御すれば、同様に粉砕処理と同時に殺菌処理もできることは確かである。
1 第1のシリンダバレル 2 第2のシリンダバレル
3 第3のシリンダバレル 5 スクリュ
15 冷却管 17 冷却管
18 冷却管 20 冷却水供給孔
21 冷却水戻孔 30 制御装置
3 第3のシリンダバレル 5 スクリュ
15 冷却管 17 冷却管
18 冷却管 20 冷却水供給孔
21 冷却水戻孔 30 制御装置
Claims (3)
- 大豆、小豆等の豆類を、シリンダバレル内にリードスクリュ、ニーデイングスクリュ等の複数種のスクリュが組み合わされた、軸方向に所定長さのスクリュが挿入されているスクリュ式二軸押出機に、その一方の端部から所定量宛供給しながら、前記スクリュを回転駆動して処理するとき、
前記シリンダバレル内の豆類の内部圧力と、前記シリンダバレルとスクリュの温度を調整して、同一のスクリュ式二軸押出機内で粉砕すると同時に殺菌することを特徴とする豆類の粉砕殺菌方法。 - 請求項1に記載の方法において、ニーデイングスクリュ部で発生する内部原料圧力を0.2〜3.5MPaの範囲で調整することにより自己発熱量をコントロールすると共に、シリンダバレルとスクリュの温度を外部より調整する豆類の粉砕殺菌方法。
- 請求項1または2に記載の方法において、ニーデイングスクリュが平板状の複数枚のブレードからなり、その1枚のブレードの厚さが2〜65mmのスクリュ式二軸押出機を使用する豆類の粉砕殺菌方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013132261A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Imuraya Group Co Ltd | 小豆飲料の製造方法 |
CN106723246A (zh) * | 2016-12-06 | 2017-05-31 | 三门峡市美乐福大豆加工专用设备有限公司 | 一种用高温粕制作素肉的专用设备 |
-
2004
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