JP2006128862A - 通信システムとそれに用いられる装置及び制御方法 - Google Patents

通信システムとそれに用いられる装置及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】競合の問題点を解消し、一定周期で発生するデータをその周期内に確実に効率的に送信することが出来る通信システムと、その様な通信システムで用いられる機器と、当該通信システムの制御方法の提供。
【解決手段】同期した一定周期で規則的に、所定量のデータを生成あるいは取り込んで転送するクライアント装置(11〜13)と、クライアント装置(11〜13)から転送されたデータを受信して処理するメイン装置(2)と、クライアント装置(11〜13)とメイン装置(2)とを接続する通信路(Ln)とを有する通信システムにおいて、競合回避制御信号の交信をすること無くクライアント装置(11〜13)からメイン装置(2)へ転送される情報が通信路(Ln)で競合或いは衝突してしまうことを回避する(アプリケーション層での)競合回避手段(11c〜13c、または11c〜13cおよび2c)を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、同期して一定量の多量データの取得あるいは生成する機能と、データを通信路経由でメイン装置に転送する機能とを有するクライアント装置(例えば映像を取得して映像データを転送するカメラおよびそのデータをメイン装置に転送する機能を含む装置)が複数設けられ、該クライアント装置からローカルエリアネットワーク等の通信路を経由して、一定の周期で規則的にメイン装置にデータを転送し、メイン装置ではそれを収集、記録、監視、解析等の処理する通信システムおよびその制御方法に関する。すなわち、同期して発生するネットワーク上の複数の装置からのデータを効率的にメイン装置に取り込むシステムおよびその制御装置に関する。
従来、上記のような複数のクライアント装置とメイン装置を接続しデータを送信する通信路には、コンピュータネットワークでは一般的なイーサネット(登録商標)で代表されるローカルエリアネットワーク(データリンク層)が用いられ、ここにおけるデータ送信では、アプリケーション(上位層)からの送信データは一般に、固定長のパケットに分割されて、送達確認機能を持って、確実に送信される(TCP/IP:Transmission Control/Internet Protocol:トランスポート層及びネットワーク層)。
しかし、複数のクライアント装置からパケットがローカルエリアネットワーク上で衝突するという、いわゆる「競合」の問題が発生する。このため、一定時間当りの全体のデータ転送量、即ちスループットは低下する。
イーサネット(登録商標)ではトランスポート層およびネットワーク層の下位のデータリンク層で、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式の競合解決手段が用いられている。データを送信したい接続装置は通信路の通信状況を監視し(Carrier Sense)、通信路が空くと送信を開始する。複数の接続装置が同時に送信を開始した際には、通信路内でデータが衝突するので(Collision Detection)、当該複数の接続装置は送信を中止し、ランダムな時間だけ待って送信を再開する。この方法によると、複数の装置が1つの通信路を共有して、互いに通信する(Multiple Access)ことができる。
一般的な通信規約に基く通信路は、通常、ランダムに発生する接続装置間でのデータ送信に対応するように作られているが、同期発生装置等を利用して、一定周期で同期した映像やセンサ等のデータを複数のクライアント装置で収集し、メイン装置に送信する映像データやセンサからのデータを収集、記録、監視、解析等を目的としたネットワークシステムにおいては、同期信号をトリガーとしているために、各装置からのデータパケットが相互に衝突し、その競合がより頻繁に発生する。よって、必要とされる送信時間で正常に送信できる全体のデータ転送量、即ちスループットは低下する。また、正常に送信できないケースが増大する。
一定の周期で多量な映像データ等を収集、記録、監視、解析等をするネットワークシステムにおいては、全体のシステム価格を抑えるためイーサネット(登録商標)等の汎用的な通信路を活用し、ネットワークの利用率を向上し、連続して周期的に発生する多量データを確実なデータ転送を実現するかが求められている。
一般にランダムにデータが発生し、リアルタイム性の高いネットワークシステムでは一般的な用途に用いられるネットワークの実質的な利用率(単位時間あたりの平均的な実際の通信データ総量と、通信路の理論上送信可能なデータ量との比)は、従来から50%程度が妥当と考えられている。データ送信待ちがデータ転送時間を超え、リアルタイム性を追及する用途では、正常なサービスの品質を維持することが困難となる。それ以上のデータ転送では、次の送信データ発生時には、前のデータ送信が完了していないことになる。また、リアルタイムの音声等の送信においては、連続した音声に違和感のないように、各装置間の転送に、各装置のデータ送信を平準化する等の考慮も必要になる。
係る問題に対処するため、一般的なデータ転送では例えば、1パケット長を短くし、1パケット単位に送信権を各クライアント装置へ順番に譲渡し、転送情報の競合を解消して、各クライアント装置が取り込んだデータを平準的に送信する等が必要となる。
しかし、係る方式では各パケット毎に競合解決をするので、制御信号も多く、非常に複雑で、制御信号交信のオーバヘッドが膨大になって更に悪化することになってしまう、という問題を有している。
パケット間の競合問題解決には、各種の競合解決方式がある。
一般的な方式には、前述のイーサネット(登録商標)のCSMA/CD方式や、無線LANにおける前述の方式や、それに似たCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式、また、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)でのトークンパッシング(token passing)方式等がある。
トークンパッシング方式は、「トークン」と呼ばれるデータが常に通信路の中に流されている。データを送信したい機器は、このトークンを捕らえて取り込み、代わりに自分が送信したいデータを流す。送信が終わると再びトークンをネットワークに放つ。こうすることで、常に一度に一台の機器が信号線を利用するようにする。
その他の従来技術として、セルラネットワークにおいて、通信資源の資源割り当てを、優先順に基づいて行う通信割当装置が提供されている(例えば、特許文献1)。
しかし、係る技術は携帯電話の特定用途専用のネットワークで使用されるものであり、上述した様な一般的な安価なローカルエリアネットワークで適用するには不適当である。
特開平5−252101号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に対処するために創作されたものであり、競合の問題点を解消し、同期したタイミングを元に一定周期で発生するデータをその周期内に確実に送信することが出来る通信システムと、その様な通信システムで用いられる機器と、当該通信システムの制御方法の提供を目的としている。
本発明の通信システムは、一定周期で規則的に、一定量のデータを生成あるいは取り込んで転送するクライアント装置(11〜13)と、クライアント装置(11〜13)から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置(2)と、クライアント装置(11〜13)とメイン装置(2)とを接続する通信路(Ln)とを有する通信システムにおいて、競合回避制御信号の交信をすること無くクライアント装置(11〜13)からメイン装置(2)へ転送される情報が通信路(Ln)で競合或いは衝突してしまうことを回避する(上位層での)競合回避手段(11c〜13c、または11c〜13cおよび2c、あるいは2c)を設けたことを特徴としている(請求項1:図1〜図6)。
本発明において、前記送信周期と、その周期に各クライアント装置(11〜13)からの送信データの送信時間の比から決定される時間だけ、順次、各クライアント装置(11〜13)に送信を遅延する制御を行なう様に構成することが出来る(請求項2:図1〜図8)。
即ち、クライアント装置が3つ(11〜13)設けられているのであれば、第1のクライアント装置(11)に対しては送信遅延時間を0に設定し、第2のクライアント装置(12)に対しては第1のクライアント装置(11)の伝送量に応じて決定される送信遅延時間に設定し、第3のクライアント装置(13)に対しては、第2のクライアント装置(12)の伝送量に応じて決定される遅延時間と前記第2のクライアント装置(12)の送信遅延時間との合計を送信遅延時間に設定する制御を行なう様に構成することが出来る。
本発明において、通信路における各クライアント装置(11〜13)の1周期におけるデータ送信について決められたデータ送信開始の遅延時間が、メイン装置(2)から設定できるように構成してもよい(請求項3:図6)。
本発明のクライアント装置は、通信システムに複数設けられており、データを取り込んで通信路(Ln)を介してメイン装置(2)に転送するクライアント装置(11〜13)において、複数のクライアント装置(11〜13)の各々からデータの転送が開始されるタイミングを、送信周期と、その送信周期に各クライアント装置(11〜13)からの送信データの送信時間の比とから決定される時間だけ、順次、各クライアント装置(11〜13)からの送信を遅延する様に構成されている競合回避手段(11c〜13c)を設けたことを特徴としている(請求項5:図2)。
本発明のメイン装置は、通信システムに設けられ、クライアント装置(11〜13)から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置(2)において、複数のクライアント装置(11〜13)の各々からデータの転送が開始されるタイミングを、送信周期と、その送信周期に各クライアント装置からの送信データの送信時間の比とから決定される時間だけ、順次、各クライアント装置からの送信を遅延する制御を行なう様に構成されている競合回避手段(2c)を設けたことを特徴としている(請求項6:図6)。
本発明の通信システムの制御方法は、一定周期で規則的に、一定量のデータを生成あるいは取り込んで転送する複数のクライアント装置(11〜13)と、クライアント(11〜13)装置から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置(2)と、クライアント装置(11〜13)とメイン装置(2)とを接続する通信路(Ln)とを有する通信システムの制御方法において、競合回避手段(11c〜13c、2c)により、クライアント装置(11〜13)からメイン装置(2)へ転送される情報が通信路(Ln)で競合或いは衝突してしまうことを競合回避制御信号の交信をせずに回避することを特徴としている(請求項8:図1〜図8)。
本発明の通信システムの制御方法において、複数のクライアント装置(11〜13)の1つからデータの転送が開始されるタイミングを、送信周期と、その送信周期に各クライアント装置(11〜13)からの送信データの送信時間の比とから決定される時間だけ、順次、各クライアント装置(11〜13)のデータ送信を遅延し、以って、転送される情報の競合或いは衝突を回避する制御を行なう様に構成することが出来る(請求項9:図2〜図5)。
ここで、通信路における各クライアント装置の1周期におけるデータ送信について決められたデータ送信開始の遅延時間が、固定的に設定されていても良いし(請求項10)、或いは、当該遅延時間が、メイン装置から設定されても良い(請求項11:図11)。
本発明において、メイン装置(2)は固定的または、一定の論理に基づき、複数のクライアント装置(11〜13)の各送信データの発生状況を事前に予測しており、これに基づき各クライアント毎に逐次転送要求を行い、1つのクライアントからの一周期の発生データ全体を受信完了後に、次のクライアントからのデータ送信要求し、以って、転送される情報の競合或いは衝突を回避する制御を行なう様に構成することが出来る。
すなわち、本発明の通信システムは、同期した一定周期で規則的に、所定量のデータを生成あるいは取り込んで転送する複数のクライアント装置と、クライアント装置から転送されたデータを受信して処理するメイン装置(2)と、クライアント装置(11b〜13b)とメイン装置(2)とを接続する通信路(L2、L11〜L13)とを有する通信システムにおいて、メイン装置(2)が、各クライアント装置(11b〜13b)で周期的に発生する送信データの発生周期とデータ量を、固定的にあるいは計画的な論理に従って、順次各クライアント装置(11b〜13b)にその送信データ全体を送信するように指示制御することにより、各クライアント装置(11b〜13b)から送信されるデータが通信路で競合或いは衝突してしまうことを回避する競合回避手段(2d)を設けている(請求項4:図10〜図12)。
また、本発明のメイン装置は、通信システムに設けられ、クライアント装置(11b〜13b)から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置(2)において、各クライアント装置(11b〜13b)で周期的に発生する送信データの発生周期とデータ量を、固定的にあるいは計画的な論理に従って、順次各クライアント装置(11b〜13b)にその送信データ全体を送信するように指示制御することにより、各クライアント装置(11b〜13b)から送信されるデータが通信路で競合或いは衝突してしまうことを回避する競合回避手段(2d)を設けている(請求項7:図10〜図12)。
さらに、本発明の通信システムの制御方法は、一定周期で規則的に、一定量のデータを生成あるいは取り込んで転送する複数のクライアント装置(11b〜13b)と、クライアント装置(11b〜13b)から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置(2)と、クライアント装置(11b〜13b)とメイン装置(2)とを接続する通信路(L2、L11〜L13)とを有する通信システムの制御方法において、メイン装置(2)が、各クライアント装置(11b〜13b)で周期的に発生する送信データの発生周期とデータ量を、固定的にあるいは計画的な論理に従って、順次各クライアント装置(11b〜13b)にその送信データ全体を送信するように指示制御することにより、各クライアント装置(11b〜13b)から送信されるデータが通信路で競合或いは衝突してしまうことを回避することを特徴としている(請求項12:図10〜図12)。
本発明において、転送される情報は、送信エラー発生時の再送を含めた送信を固定的に発生する1周期期間に必ず完結するために、複数のパケットで構成される1フレーム(データリンク層の送信単位を一般に「フレーム」というが、ここでは周期的に発生する応用例としてカメラデータの1画面分データをフレームというのでこれに従う)であるのが好ましい。そして、多数パケット群からなる1フレーム単位に(当フレームのデータ量と理論上転送可能な通信路の最大データ転送量の比から決まる1周期時間の部分時間単位に)、初期設定時点で一定周期毎の部分時間帯について各クライアント装置に送信権を与え、パケットの競合が発生しないように構成するのが好ましい。
また、本発明において、通信システムとしては、例えば、ローカルエリアネットワークシステムであるのが好ましい。
上述した様な構成を具備する本発明によれば、クライアント装置(11〜13)が取り込んだ情報をメイン装置(2)側へ転送するに際して、競合回避手段(11c〜13c;2c;11e〜13e)により、より具体的には所定時間(前記送信周期と、その周期に各クライアントからの送信データの送信時間の比から決定される時間)ずつクライアント装置(11〜13)からの情報転送開始のタイミングをずらして(あるいは遅延させて)いるので、クライアント装置(11〜13)からメイン装置(2)へ転送される情報が情報ラインで競合或いは衝突してしまうことが回避される(請求項1〜3、5、6、8〜11)。
あるいはメイン装置(2)が固定的または一定の論理に基づき、複数のクライアント装置(11〜13)の各送信データの発生状況を事前に予測して、これに基づき各クライアント毎に逐次転送要求を行い、1つのクライアントからの一周期の発生データ全体を受信完了後に、次のクライアントからのデータ送信要求をするし、以って、転送される情報の競合或いは衝突してしまうことが回避される(請求項4、7、12)。
その結果、上述した様な不都合は回避される。
そして本発明によれば、一般的で安価なイーサネット(登録商標)等の通信路と、一般的なデータ転送のプロトコルであるTCP/IPの使用をそのまま使用して、簡易に目的のデータ送信を一定周期時間内で送信できる。
なお、簡易的なイーサネット(登録商標)の実効的なスループット限界値(最大データ転送量)はネットワーク機器メーカから、理論上の80%程度と言われている。本発明によれば、他のクライアント装置との競合は全く存在しない状況にあるので、ほぼこれに近い実行性能は実現できる。逆に、1周期で転送される各クライアント装置からのデータ転送の合計は、この限界値をある程度余裕を持って下回った値であることが望ましい。
ここで、本発明(請求項1〜3、5、6、8〜11)でのデータ送信(或いは情報転送)のタイミングに一般的なデータ送信に適用できるような汎用性はなく、競合回避手段(11c〜13c;2c)によって設定されたタイミングでなければ情報が転送出来ないが、例えば複数のカメラの映像データ等を同期して転送する場合の様に、各クライアント装置(11〜13)からのデータ発生の時期及び転送データが固定されている場合、或いは、各クライアントからのデータ発生の時期及び転送データが予め正確に予測できる場合には、競合を発生させずに各クライアントからのデータ送信開始のタイミングが決定できるので、複雑な制御情報の交信が不要で、効率的な送信が可能であり非常に有効である。
そして、前述した通り、面倒な制御信号も不要であるため、例えば、データを送信するクライアント装置(11〜13)側のプログラムで、あるいはメイン装置(2)側のプログラムで、極く単純に実現可能である。勿論、メイン装置(2)からクライアント装置(11〜13)側に、各クライアント装置(11〜13)からのデータ送信開始のタイミングを予め設定する初期設定信号を出力して、データ転送のタイミングを上述した様に制御することも可能である。
更にメイン装置(2)が、各クライアント装置(11〜13)の送信データ(1フレーム分)の発生を固定あるいは一定の計画的な論理に従って予測し、順番に送信要求をする様に制御することも可能である(請求項4、7、12)。この場合においても、効率的な送信が可能であり非常に有効である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
第1実施形態の概略構成を示した図1において、通信システムとしてローカルエリアネットワークシステムが構築されている。当該ローカルエリアネットワークシステムは、図示の例では、3台のクライアント装置11〜13と、メイン装置2と、各クライアント装置11〜13が情報をメイン装置2に転送する際に信号発信を同期させるための同期信号を発生させ、その同期信号を各クライアント装置11〜13に対して供給するための同期信号発生装置3と、各クライアント装置11〜13とメイン装置2を接続するローカルエリアネットワーク(イーサネット(登録商標))Lnとで構成されている。
同期信号発生装置3は、ラインL31〜L33によって、各クライアント装置の後述するカメラ11aから13aと接続されている。
図2を参照して、第1実施形態の全体構成を詳しく説明する。
各クライアント装置11〜13の構成は、撮影用カメラ11a〜13aと、その撮影用カメラで撮影した映像を同期して取り込み前記メイン装置2に伝送する映像伝送装置11b〜13bと、撮影用カメラ11a〜13a側に取付けられ、前記同期信号発信装置3から同期信号を受信する同期信号受信部11d〜13dとで構成され、撮影用カメラ11a〜13aは映像伝送装置11b〜13bに、映像伝送装置11b〜13bはローカルエリアネットワークLnのハブにライン(ケーブル)L11〜L13で接続されている。また、センタPC2はデータ収集器5に接続した各種のセンサ4からのセンサデータをラインL5経由で取り込み、ビュアソフトにより映像データと同期した形態で画面表示する。
各クライアント装置11(代表してクライアント装置11で説明)の前記映像伝送装置11bは、図3で示すように、映像データ収集部111及びデータ送信部112で構成され、前記撮影用カメラ11a、映像データ収集部111、データ送信部112がラインL11で、順にローカルエリアネットワークLn接続されている。
図1、図2をも参照して、前記データ送信部112には、各クライアント装置11〜13の送信するデータ(データの集合単位の1パケット)が、ローカルエリアネットワークLn上で衝突してしまう、いわゆる「競合」を回避するための競合回避手段11c〜13cが含まれている。
各クライアント装置11〜13の撮影用カメラ11d〜13dで撮影した映像データをメイン装置2側に送信するに際して、競合回避手段11c〜13cは、例えば、各クライアント装置11〜13毎に予め付与された伝送順番に従って、データ伝送開始のタイミングをずらして(或いは遅延させて)伝送する様に、またはメイン装置(2)からの送信要求に基づいて送信する様ように構成されている。
次に、図4に基づいて、図2、図3をも参照して、各クライアント装置11〜13が撮影を行い、撮影した撮影データをメイン装置2に伝送するまでの制御の流れを説明する。
尚、クライアント装置は符号11の装置を主体として説明する。
先ず、ステップS1において、クライアント装置11の撮影用カメラ11aは、同期信号発生装置3からの同期信号を同期信号受信部11dで受信する。
ステップS2では、クライアント装置11の映像データ収集部111は、同期信号に従って、映像情報を取得し、撮影用カメラ11aから映像データを取り込む。
次のステップS3では、クライアント装置11のデータ送信部112は、後述する遅延時間でデータを送信する。
こうすることでローカルエリアネットワークLnはある時間帯は1つのクライアントに専有されることになるので、送信データパケットの競合(衝突)は一切発生せず、送信可能である。よって、従来は競合発生で実効的な通信路の全体のスループットをより向上でき、通信路上により多くのクライアントの収容が可能となりえる。
当然この遅延時間は、送信順で1つ前のクライアントの送信データの送信時間よりもかなりの余裕度を持っている必要がある。そうでないと、クライアントの状態等でそのクライアントに割り当てられた時間帯域にデータ送信が完了せず、次の時間帯に送信するはずの他のクライアントのデータ送信パケットと競合(衝突)が発生する可能性があるからである。
次に、図5に基づいて、図2をも参照して、本実施形態による具体的な開発事例(データの競合を回避した転送方法)について説明する。
ここで、前提条件として、
転送される情報(データ)は、複数のパケットに分割された1フレーム(ここでフレームとはカメラの撮像情報の1コマ分をいう)単位として、その1フレームのデータ転送量は、1台の映像伝送装置では、XGA(eXtended Graphics Array)の1024×768ピクセルの解像度で、
1024×768×8=6,291,456=6.3Mb(メガビット)である。
また、1秒間の全体のデータ転送量(映像伝送装置3台分)は、30FPS(1秒間に30フレームを撮影する)カメラの場合、
1024×768×8×30×3=566,231,040=566.2Mb である。
そして、この時のLAN(1ギガビットのイーサネット(登録商標))の使用率は、
566.2/1000=56.6% である。
そこで、図2に示すように3台のクライアント装置(各装置を映像伝送装置#1、映像伝送装置#2、映像伝送装置#3とする)の撮影用カメラ11a、12a、13aで撮影した映像データを各々30FPSのデータとして映像転送装置11b、12b、13bから転送するには、3台分のカメラ映像データを1/30=約33.3msで転送する必要がある。
従って、図5に示すように、3台のカメラデータ転送パケットに競合が発生しないように、各映像伝送装置からのデータ転送時間帯をずらして転送する。即ち、各映像伝送装置からの転送に、33.3ms/3=11.1ms毎の遅延時間を持って転送する。尚、映像伝送装置のタイマ精度がmsの場合は11msとする。
各映像伝送装置がプログラムのタイマで各映像伝送装置番号から算出、あるいは設定した時間分、即ち、n番目の映像伝送装置では(n−1)×11ms(映像伝送装置#3では、(3−1)×11ms=22ms)だけデータ転送開始を遅らせて遅延させればよいこととなる。
結果的には、ある時間帯は1つの映像伝送装置からのデータ転送に専用となる。即ち、各映像伝送装置に約11.3msの時間帯を割り当てたことに等しい。
各映像伝送装置からのデータ転送時間は、パケット分割でのヘッダ(データの先頭に付し、データを認識するための信号)や、制御交換等のオーバヘッド(付帯情報信号や交信時間)はあるとしても、6.3Mb/1Gbps=6.3msに近い、また、各映像伝送装置からのデータ転送は、他の映像伝送装置のデータ転送と全く競合が発生せず、実際のネットワークの利用率は55.6%に近く、十分転送可能である。
本実施形態でのデータ転送では、実質的にパケット間に競合が発生しないので、ネットワークのロスがあるとしても、映像伝送装置3台でのデータ転送は、上述した様に、LAN利用率が56.6%であり、十分転送が可能である。
映像伝送装置4台の場合でも、LAN利用率1024×768×8×30×4/1000=75.5%であるが、競合が発生しないので33.3/4=8.3msの遅延を持って送信を開始することにより、正常な転送が実現出来る可能性がある。
転送時間帯が割り振られているので、空き時間帯を他のデータ転送に割り当てることも可能である。しかし、その場合は、ある程度の余裕を持たせる必要がある。
即ち、ネットワークにおける通信ロス、制御のロス、パケットのヘッダ情報等の存在を考慮して、LAN利用率は、ネットワーク機器メーカの提示数値(例えば80%)以下に留めておくことが好ましい。
また、図示の例では、映像伝送装置#1〜映像伝送装置#3が同一サイズのデータの転送を想定しているので、割り当て時間が3等分されている。しかし、映像伝送装置#1〜映像伝送装置#3のデータ発生周期やデータ長が同一でない場合が想定されるのであれば、そのデータの予測される発生周期やデータ長に対応して割り当て時間を決定すればよい。データ発生周期は最小のものに対して整数倍であり、発生の周期に該当しないクライアントは、データ送信をしないことになる。(図7)
転送のない空き時間帯に、他に収容できるデータ転送のクライアントがあれば、それに割り当てることも出来る。(図8)
尚、各映像伝送装置の競合回避手段11c〜13cには、決定された割り当て時間、及び割り当て順序をプログラム化して記憶させておく様に構成されている(環境情報として設定し、映像伝送装置のプログラムはこれを参照するようにすると良い)。
次に図6を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図1〜図5の第1実施形態は、各クライアント装置11〜13に競合回避手段が介装された実施形態である。
それに対して、図6の第2実施形態では、メイン装置2側に競合回避手段2cを設けている。各クライアント装置11〜13の映像伝達装置11b〜13b内に、メイン装置2側に競合回避手段2cからの初期設定情報を受け入れ、データ送信の遅延を制御する競合回避手段11e〜13eを含んでいる。
それ以外の構成については、実質的に第1実施形態と同様である。
図6の第2実施形態では、メイン装置2の競合回避手段2cから、各クライアント装置11〜13に対して、設定した時間でデータを転送するような指示を発信している。これは、ネットワークシステム構成の初期設定、あるいはネットワークの開始時に、メイン装置2から各クライアント装置11〜13に設定できる様にしておく。
図9はネットワークに接続された各装置(一般にはノードと呼ばれる)の、内部構成で、各ノードは階層的な構成モデルを一部省略して記載している。トランスポート層およびネットワーク層は、上記層から要求されたデータをパケットに分割し、複数の物理的なネットワークを経由して目的のノードに確実に転送する機能を有する。データリンク層は、単一の物理的なネットワークでの転送を実現している。各階層ごとにデータには制御用ヘッダが付加されている。
実施例では、各クライアントのデータ転送の単位は、カメラの影像画像1フレーム分(1コマ分)であり、これをクライアントのデータ転送部がメイン装置に送信する。データ転送部では上位層、トランスポート層およびネットワーク層、データリンク層、物理層を含むが、上記層でトランスポート層に送信する際に、上記層に設定された遅延時間を参照し、その遅延を持ってデータ送信要求を依頼することになる。
トランスポート層およびネットワーク層での各種の環境設定(送信パケット長、ウィンドウと呼ばれる送受信バッファ等)は、実際のデータ送信量等に依存して決められる。他のクライアントとの競合は発生しないので、イーサネット(登録商標)においてデータリンク層で適用されるCSMA/CD方式の競合制御は、実際には競合解決する必要がない。但し、多量なデータ転送およびパケット送信の制御パケットが交信され、ネットワークが混雑する場合があるので、前述のようにウインドウサイズやパケット長を大きくし、制御パケットの交信の削減等を図ることが好ましい。
次に図10を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
図10の第2実施形態では、メイン装置2側に競合回避手段2dを設けている。各クライアント装置11〜13の映像伝達装置11b〜13b内には特に競合回避手段は不要である。
それ以外の構成については、実質的に第1実施形態と同様である。
図10の第3実施形態では、メイン装置2の競合回避手段2dから、各クライアント装置11〜13に対して、各クライアントの1周期での発生データ全体(1フレーム分の画像データ)を送信するように指令を、順次(1つのクライアントのデータ送受信完了後に次のクライアントに)出す。このため、通信路には1つのクライアント装置とメイン装置との転送だけになるので、競合は一切発生しない。
図11は図7と同様に3つのクライアント装置が30FPSの画像データ送信の場合における交信の様子を示している。図12は図8と同様にデータ発生周期が相違する場合における交信の様子を示している。
各クライアントでの発生周期や発生データが相違する場合も、それが固定的で或る論理に基づくものであれば、当該論理に従ってデータ送信指示をすれば、様々なクライアント装置を収納するネットワーク形態に対応できる。メイン装置でデータの受信に許容される遅延時間の範囲で、各クライアント装置からの受信を遅延させることができる。但し、その論理の単純化のためには、各クライアント装置での発生周期は、最小のものに対して各々が整数倍であることが好ましい。
なお、図11、図12ではデータ送信の送達確認信号の交信は省略しているが、データ送信の送達確認信号の交信が存在することが好ましい。
図14はメイン装置2の競合解決手段2dでの1周期での処理手順を示している。
スタートしたら、受信計画に基いて最初のクライアント装置を選択し(ステップS11)、そのクライアント装置に送信要求を行う(ステップS12)。
そして、送信が完了したか否かを判断する(ステップS13)。
送信が完了していなければ(ステップS13がNO)、再度、送信要求を行い(ステップS14)、ステップS13に戻る(ステップS13がNOのループ)。
送信が完了していれば(ステップS13がYes)、受信計画に基いて、次のクライアント装置を選択する(ステップS15)。そして、スタートから1周期分が経過したか否かを判断する(ステップS16)。
スタートから1周期分が経過していなければ(ステップS16がNO)ステップS12に戻り(ステップS16がNOのループ)、スタートから1周期分が経過したならば(ステップS16がYES)終了する。
スタートから終了までが、1周期時間内に送信完了することがメイン装置の利用上も、また通信制御上の単純さからも一般には好ましい。よって、この間にネットワーク全体の1周期の送信が完了すべきであり、タイマでの監視が好ましい。
このタイマ監視の時間内に送信完了しない場合は、機器やネットワークの故障等以外にはないように、ネットワークでの送信の余裕度を持たせるようにネットワークでの各クライアントの発生周期とそのデータ量、またデータ取り込みでの固定的な割当てや割当て論理を組み立てることが好ましい。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
本発明の第1実施形態の概略構成を示したブロック図。 図1を詳細に示した構成ブロック図。 本発明の第1実施形態に係り、個々のクライアント装置の詳細構成を示したブロック図。 本発明の実施形態の制御方法を示したフローチャート。 本発明の実施形態に係るデータ転送方法の詳細を説明する説明図。 本発明の第2実施形態の構成を示したブロック図。 データ送信における割り当て時間と空き時間帯とを示す図。 図7と同様な図であって、空き時間を他のクライアント装置に割り当てた状態を示す図。 ネットワークに接続された各装置の内部構成を示す図。 本発明の第3実施形態の構成を示したブロック図。 第3実施形態における交信の様子を示す図。 第3実施形態における図11とは異なる交信の様子を示す図。 第3実施形態における制御を示すフローチャート。
符号の説明
2・・・メイン装置
3・・・同期信号発生装置
4・・・各種センサ類
5・・・センサデータ収集器
11,12,13・・・クライアント装置
11a,12a,13a・・・撮影用カメラ
11b,12b,13b・・・映像伝送装置
11c,12c,13c・・・競合回避手段
11d,12d,13d・・・同期信号受信部
L11、L12、L13・・・伝送ライン/ケーブル
L31、L32、L33・・・同期信号伝送ライン
Ln・・・ローカルエリアネットワーク

Claims (12)

  1. 同期した一定周期で規則的に、所定量のデータを生成あるいは取り込んで転送する複数のクライアント装置と、クライアント装置から転送されたデータを受信して処理するメイン装置と、クライアント装置とメイン装置とを接続する通信路とを有する通信システムにおいて、競合回避制御信号の交信をすること無く複数のクライアント装置からメイン装置へ転送される情報が通信路で競合或いは衝突してしまうことを回避する競合回避手段を設けたことを特徴とする通信システム。
  2. 前記送信周期と、その周期に各クライアント装置からの送信データの送信時間の比から決定される時間だけ、順次、各クライアント装置に送信を遅延する制御を行なう様に構成されている請求項1の通信システム。
  3. 通信路における各クライアント装置の1周期におけるデータ送信について決められたデータ送信開始の遅延時間が、メイン装置から設定できるように構成されている請求項1、2の何れかの通信システム。
  4. 同期した一定周期で規則的に、所定量のデータを生成あるいは取り込んで転送する複数のクライアント装置と、クライアント装置から転送されたデータを受信して処理するメイン装置と、クライアント装置とメイン装置とを接続する通信路とを有する通信システムにおいて、メイン装置が、各クライアント装置で周期的に発生する送信データの発生周期とデータ量を、固定的にあるいは計画的な論理に従って、順次各クライアント装置にその送信データ全体を送信するように指示制御することにより、各クライアント装置から送信されるデータが通信路で競合或いは衝突してしまうことを回避する競合回避手段を設けたことを特徴とする通信システム。
  5. 通信システムに複数設けられており、データを取り込んで情報ラインを介してメイン装置に転送するクライアント装置において、複数のクライアント装置の各々からデータの転送が開始されるタイミングを、送信周期と、その送信周期に各クライアント装置からの送信データの送信時間の比とから決定される時間だけ、順次、各クライアント装置からの送信を遅延する様に構成されている競合回避手段を設けたことを特徴とするクライアント装置。
  6. 通信システムに設けられ、クライアント装置から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置において、複数のクライアント装置の各々からデータの転送が開始されるタイミングを、送信周期と、その送信周期に各クライアント装置からの送信データの送信時間の比とから決定される時間だけ、順次、各クライアント装置からの送信を遅延する制御を行なう様に構成されている競合回避手段を設けたことを特徴とするメイン装置。
  7. 通信システムに設けられ、クライアント装置から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置において、各クライアント装置で周期的に発生する送信データの発生周期とデータ量を、固定的にあるいは計画的な論理に従って、順次各クライアント装置にその送信データ全体を送信するように指示制御することにより、各クライアント装置から送信されるデータが通信路で競合或いは衝突してしまうことを回避する競合回避手段を設けたことを特徴とするメイン装置。
  8. 一定周期で規則的に、一定量のデータを生成あるいは取り込んで転送する複数のクライアント装置と、クライアント装置から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置と、クライアント装置とメイン装置とを接続する通信路とを有する通信システムの制御方法において、競合回避手段により、クライアント装置からメイン装置へ転送される情報が通信路で競合或いは衝突してしまうことを競合回避制御信号の交信をせずに回避することを特徴とする通信システムの制御方法。
  9. 複数のクライアント装置の1つからデータの転送が開始されるタイミングを、送信周期と、その送信周期に各クライアント装置からの送信データの送信時間の比とから決定される時間だけ、順次、各クライアント装置のデータ送信を遅延し、以って、転送される情報の競合或いは衝突を回避する制御を行なう様に構成されている請求項8の通信システムの制御方法。
  10. 通信路における各クライアント装置の1周期におけるデータ送信について決められたデータ送信開始の遅延時間が、固定的に設定される請求項9の通信システムの制御方法。
  11. 通信路における各クライアント装置の1周期におけるデータ送信について決められたデータ送信開始の遅延時間が、メイン装置から設定される請求項9の通信システムの制御方法。
  12. 一定周期で規則的に、一定量のデータを生成あるいは取り込んで転送する複数のクライアント装置と、クライアント装置から転送されたデータを取り込んで処理するメイン装置と、クライアント装置とメイン装置とを接続する通信路とを有する通信システムの制御方法において、メイン装置が、各クライアント装置で周期的に発生する送信データの発生周期とデータ量を、固定的にあるいは計画的な論理に従って、順次各クライアント装置にその送信データ全体を送信するように指示制御することにより、各クライアント装置から送信されるデータが通信路で競合或いは衝突してしまうことを回避することを特徴とする通信システムの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009075975A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Brother Ind Ltd 通信時刻を決定する端末装置、通信時刻決定方法及びプログラム
JP2013513328A (ja) * 2009-12-08 2013-04-18 アールディ−テック シーオー エルティディ 映像信号とセンサー信号の同期化システム及び方法

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