JP2006124538A - 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有する熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】(A)融点が160℃以上である熱可塑性樹脂と、(B)(B1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体由来の構成単位20〜99.99質量%、(B2)炭素−炭素二重結合を側鎖に有する単量体由来の構成単位0.01〜20質量%、(B3)不飽和アクリロニトリル単量体由来の構成単位0〜40質量%、及び(B4)これらと共重合可能な単量体由来の構成単位0〜30質量%(但し、(B1)+(B2)+(B3)+(B4)=100質量%)からなるアクリルゴムと、を含む混合物が、架橋剤の存在下に動的に熱処理されてなる熱可塑性エラストマー組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物、成形品、等速ジョイント(CVJ)ブーツ、及び熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有する熱可塑性エラストマー組成物、成形品、等速ジョイントブーツ、及び熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関する。
主として自動車の駆動軸(ドライブシャフト)等に配設される等速ジョイント(Constant Velocity Universal Joint(以下、単に「CVJ」とも略記する))に使用されるブーツ(CVJブーツ)は、CVJを覆うとともにCVJの潤滑に必要なグリースをジョイント内に封じ込め、且つ、ジョイント内への水や泥等の異物の浸入を防止する役割を担う、CVJに必要不可欠な部材である。
CVJブーツ自体が常にグリース等の油類に接した条件下に置かれること、及びCVJブーツが取り付けられる状態・環境等を総合的に考慮すると、CVJブーツを構成する材料には、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有するものであることが要求される。従来、CVJブーツはクロロプレンゴム(CR)等によって構成されていたが、耐熱性等の特性を更に向上させるべく、近年、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(TPEE)等の耐熱性に優れた材料によって構成されるようになっている。
関連する従来技術として、カルボキシル化されたアクリルゴムが架橋してなる小粒子が所定の熱可塑性ポリエステル樹脂中に分散した、高温で安定であるとともに溶剤低膨潤性の熱可塑性エラストマー組成物(例えば、特許文献1)や、オレフィン系樹脂及び所定の不飽和基含有アクリルゴム等を含む混合物を動的に架橋してなる、耐熱老化性や耐油性等に優れた熱可塑性エラストマー組成物(例えば、特許文献2)が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2等に記載された熱可塑性エラストマー組成物であっても、CVJブーツを構成するための材料に要求される強度、弾性、耐熱性、及び耐油性等の諸特性を必ずしも十分に満足するものとはいえず、更なる改良を図る必要性があった。
特許第2898655号公報 特開2003−192848号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有する熱可塑性エラストマー組成物、成形品、CVJブーツ、及び熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、アクリル酸エステル単量体由来の構成単位、及び不飽和アクリロニトリル単量体由来の構成単位を含む特定のアクリルゴムと、熱可塑性樹脂とを、所定条件下で動的に熱処理することによって上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す熱可塑性エラストマー組成物、成形品、等速ジョイント(CVJ)ブーツ、及び熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が提供される。
[1](A)融点が160℃以上である熱可塑性樹脂と、(B)(B1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体由来の構成単位20〜99.99質量%、(B2)炭素−炭素二重結合を側鎖に有する単量体由来の構成単位0.01〜20質量%、(B3)不飽和アクリロニトリル単量体由来の構成単位0〜40質量%、及び(B4)これらと共重合可能な単量体由来の構成単位0〜30質量%(但し、(B1)+(B2)+(B3)+(B4)=100質量%)からなるアクリルゴムと、を含む混合物が、(C)架橋剤の存在下に動的に熱処理されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
[2]前記(A)熱可塑性樹脂の中に、前記(B)アクリルゴムの粒子が分散されてなる前記[1]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[3]前記(B)アクリルゴムが、カルボキシル化、ヒドロキシ化、アミノ化、又はエポキシ化されている前記[1]又は[2]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[4]前記(A)熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、及びポリエステル系エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[5]前記(B)アクリルゴムの含有割合が、前記(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムの合計量を100質量%とした場合に、30〜95質量%である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形品。
[7]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる等速ジョイント(CVJ)ブーツ。
[8](A)融点が160℃以上である熱可塑性樹脂と、(B)(B1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体由来の構成単位20〜99.99質量%、(B2)炭素−炭素二重結合を側鎖に有する単量体由来の構成単位0.01〜20質量%、(B3)不飽和アクリロニトリル単量体由来の構成単位0〜40質量%、及び(B4)これらと共重合可能な単量体由来の構成単位0〜30質量%(但し、(B1)+(B2)+(B3)+(B4)=100質量%)からなるアクリルゴムと、を含む混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理することを含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有するといった効果を奏するものである。
また、本発明の成形品及びCVJブーツは、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有するといった効果を奏するものである。
更に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法によれば、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有する本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造することができる。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、(A)融点が160℃以上である熱可塑性樹脂と、(B)(B1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体由来の構成単位(以下、単に「(B1)成分」ともいう)20〜99.99質量%、(B2)炭素−炭素二重結合を側鎖に有する単量体由来の構成単位(以下、単に「(B2)成分」ともいう)0.01〜20質量%、(B3)不飽和アクリロニトリル単量体由来の構成単位(以下、単に「(B3)成分」ともいう)0〜40質量%、及び(B4)これらと共重合可能な単量体由来の構成単位(以下、単に「(B4)成分」ともいう)0〜30質量%(但し、(B1)+(B2)+(B3)+(B4)=100質量%)からなるアクリルゴムとを含む混合物が、架橋剤の存在下に動的に熱処理されてなるものである。以下、その詳細について説明する。
(A)熱可塑性樹脂
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物を構成する(A)熱可塑性樹脂は、その融点が160℃以上のものである。(A)熱可塑性樹脂の融点が160℃未満であると、自動車のエンジンルーム内で使用する製品においては、性能特性が低下する恐れがあるために好ましくない。耐熱性といった観点からは、(A)熱可塑性樹脂の融点は、170℃以上であることが好ましく、180℃以上であることが更に好ましい。
なお、(A)熱可塑性樹脂の好ましい融点の上限値は特に限定されないが、実質的な取り扱い性等の観点からは300℃以下であればよい。また、本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物においては、(A)熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、及びポリエステル系エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
(B)アクリルゴム
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物を構成する(B)アクリルゴムは、(B1)成分55〜94.99質量%と、(B2)成分0.01〜20質量%と、(B3)成分0〜40質量%と、(B4)成分0〜30質量%とからなるものである。但し、(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分、及び(B4)成分の合計は100質量%である。この(B)アクリルゴムは、単量体混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下に共重合させることにより調製することができる。
共重合後の(B1)成分となるアクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル等を挙げることができる。なお、これらは単独で、又は二種以上組み合わせて用いることができる。この中で、特にアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
共重合後の(B1)成分となるアクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸ブトキシエチル等を挙げることができる。これらは単独で、又は二種以上組み合わせて用いることができる。この中で、特にアクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸エトキシエチルが好ましい。
(B)アクリルゴムに占める(B1)成分の構成割合((B)アクリルゴム中の共重合割合)は、20〜99.99質量%であり、60〜94.98質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることが更に好ましい。この割合が20質量%未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の硬度が過大となって、好適な弾性状態を有するものとならない。一方、この割合が99.99質量%超であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐油性が乏しくなる。
共重合後の(B2)成分となる炭素−炭素二重結合を側鎖に有する単量体は(B)アクリルゴムに架橋点を導入するための単量体である。具体的には、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニル、マレイン酸ジヒドロジシクロペンテニル、フマル酸ジヒドロジシクロペンテニル、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、マレイン酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、フマル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ビニル(CAS No.4245−38−8)、アクリル酸ビニル(CAS No.2177−18−6)、メタクリル酸1,1−ジメチルプロペニル、アクリル酸1,1−ジメチルプロペニル、メタクリル酸3,3−ジメチルブテニル、アクリル酸3,3−ジメチルブテニル、イタコン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニル、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチルブテニルメタクリレート、3,3−ジメチルブテニルアクリレート、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル3,3−ジメチルブテニルエーテル、1−アクリロイルオキシ−1−フェニルエテン、1−アクリロイルオキシ−2−フェニルエテン、1−メタクリロイルオキシ−1−フェニルエテン、1−メタクリロイルオキシ−2−フェニルエテン等を挙げることができる。なお、これらは単独で、又は二種以上組み合わせて用いることができる。この中で、特にアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニルが好ましい。
(B)アクリルゴムに占める(B2)成分の構成割合((B)アクリルゴム中の共重合割合)は、0.01〜20質量%であり、0.02〜8質量%であることが好ましい。この割合が0.01質量%未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の架橋度が不十分となり、引張強度が過小となって好適な機械的強度を有するものとならない。一方、この割合が20質量%超であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の硬度が過度に高くなるために好ましくない。
共重合後の(B3)成分となる不飽和アクリロニトリル単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル等を挙げることができる。なお、これらは単独で、又は二種以上組み合わせて用いることができる。この中で、特にアクリロニトリルが好ましい。
(B)アクリルゴムに占める(B3)成分の使用割合((B)アクリルゴム中の共重合割合)は、0〜40質量%であり、5〜35質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。この割合が40質量%超であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の硬度が過度に高くなるために好ましくない。なお、この割合が5質量%未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐油性が不十分となる傾向にある。
共重合後の(B4)成分となる、「これらと共重合可能な単量体」としては、上記の(B1)成分、(B2)成分、及び(B3)成分となる単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されるものではないが、官能基モノマーが含まれていものであることが好ましい。具体的には、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、1−メチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、1−フェニルエチルメタクリレート、1,2−ジフェニルエチルメタクリレート、ジフェニルメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、1−フェニルシクロヘキシルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、ペンタブロモフェニルメタクリレート等の単官能メタクリレート類;スチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ハロゲン化スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(例えばアクリル酸シクロヘキシル)、芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(例えばアクリル酸ベンジル)等を挙げることができる。単官能メタクリレート類を用いることにより、(B)アクリルゴムを重合後に得られるクラムのブロッキングがなくなり、ハンドリングが容易になる。
共重合後の(B4)成分となる単量体としては、更に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオール−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート等の多官能不飽和単量体を挙げることができる。
多官能不飽和単量体を共重合した場合には、得られる(B)アクリルゴムは部分架橋されたゴムとなり、成形品の肌が改良され、動的架橋時の架橋剤、架橋助剤の添加量を低減することができ、コスト低減に効果的である。共重合後の(B4)成分となる単量体としては、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレートが好ましく、特にメチルメタクリレートが好ましい。(B)アクリルゴムにおける(B4)成分の構成割合は0〜30質量%であり、0〜10質量%であることが好ましい。この割合が30質量%超であると、過度に架橋が進み機械的物性が低下するために好ましくない。
(B)アクリルゴムは官能化されていることが好ましく、具体的にはアクリルゴムが、カルボキシル化、ヒドロキシ化、アミノ化、又はエポキシ化されていることが好ましい。(B)アクリルゴム中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、又はエポキシ基を導入するための共重合性単量体としては、これらの官能基のいずれかを有する、以下に示すような単量体を挙げることができる。
カルボキシル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、けい皮酸等の不飽和カルボン酸類、フタル酸、こはく酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボキシル基含有エステル類、及びその塩等を挙げることができる。これらのうち不飽和カルボン酸類が好ましい。また、これらのうち一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、例えば、2〜23)のモノ(メタ)アクリレート類、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類、(メタ)アリルアルコール等を挙げることができる。これらのうちヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類が好ましい。また、これらのうち一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
アミノ基を有する単量体としては、一級アミノ基、二級アミノ基、及び三級アミノ基のうちの少なくとも一種を有する単量体が挙げられる。これらのうち三級アミノ基を有する単量体が好ましく、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−ジアルキルアミノアルキル基含有不飽和アミド類の他、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ジメチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジエチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジメチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジメチル〔2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル〕アミン、ジエチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジエチル〔2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル〕アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジメチル〔2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル〕アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジエチル〔2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル〕アミン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等の三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物等を挙げることができる。これらのうちジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物類が好ましい。また、これらのうち一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのうち一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
単量体混合物を共重合させる際に使用するラジカル重合開始剤としては特に限定されるものではなく、例えば過硫酸カリウム、p−メンタンハイドロパーオキサイド、メチルイソプロピルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を挙げることができる。ラジカル重合開始剤の使用量としては、単量体混合物100質量部あたり、0.001〜1.0質量部とすればよい。
(B)アクリルゴムを得るための共重合反応は、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等の通常の重合法によって行うことができる。乳化重合法に際して用いる乳化剤としては、前述の単量体混合物を乳化分散可能な物質であれば使用可能であるが、例えばアルキルサルフェート、アルキルアリールスルホネート、高級脂肪酸の塩が使用可能である。また、反応温度は通常0〜80℃であり、反応時間は通常0.01〜30時間程度である。このようにして得られる(B)アクリルゴムは、そのムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜150であることが好ましい。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物中の(B)アクリルゴムの割合は、(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムの合計量を100質量%とした場合、30〜95質量%であることが好ましく、40〜92質量%であることが更に好ましく、50〜90質量%であることが特に好ましい。(B)アクリルゴムが30質量%未満であると、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が低下する傾向にある。一方、90質量%超であると、(A)熱可塑性樹脂が少ないために、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物の相構造(モルホロジー)が、動的架橋型熱可塑性エラストマー組成物の特徴である良好な海島構造(熱可塑性樹脂が海(マトリックス)、架橋したアクリルゴムの粒子が島(ドメイン))になり難く、成形加工性、機械物性が低下する傾向にある。
(C)架橋剤
本発明において使用される(C)架橋剤は、(A)熱可塑性樹脂の融点以上の温度における動的熱処理により、組成物中の少なくとも一種のアクリルゴムを架橋し得る化合物である。このような架橋剤としては、分子中に二重結合を有する高分子化合物を架橋することができる架橋剤であれば特に制限はないが、例えば硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、樹脂、キノン誘導体、ポリハロゲン化物、ビス(ジオキソトリアゾリン)誘導体、アルデヒド、エポキシ化合物、アミン−ボランコンプレックス、双極性化合物等を挙げることができる。更に、白金触媒の存在下、ヒドロシリル化反応による白金架橋に使用されるメチルハイドロジェンシロキサンを挙げることができる。これらの架橋剤の中で硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、メチルハイドロジェンシロキサンが好ましく、有機過酸化物が更に好ましい。(C)架橋剤は、単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの(C)架橋剤の使用量は、通常、(B)アクリルゴム100質量部に対して0.1〜20質量部であればよく、1〜10重量部であることが好ましい。
有機過酸化物としては、1分半減期(半減期が1分間)を得るための分解温度が150℃以上のものが好ましい。具体的には、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等を挙げることができる。有機過酸化物の添加量は、(B)アクリルゴム100質量部に対して0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜10重量部であることが更に好ましい。0.3質量部未満であると、架橋時間が非常に長くなる上、架橋が不十分となる傾向にある。添加量が15質量部超であると、架橋物が硬くなり、脆くなる傾向にある。
有機過酸化物は、単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。なお、有機過酸化物と適当な架橋助剤とを併用することにより、均一かつ穏やかな架橋反応を行うことができる。このような架橋助剤としては、例えば粉末硫黄、コロイド硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、表面処理硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の硫黄又は硫黄化合物;p−キノンオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンオキシム等のオキシム化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−トルイレンビスマレイミド、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等の多官能性モノマー類等を挙げることができる。これらの架橋助剤のうち、p,p’−ジベンゾイルキノンオキシム、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドは、単独でも架橋剤として作用し得る化合物である。
架橋助剤は、単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。架橋助剤の使用量は、(B)アクリルゴム100質量部に対して0〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましい。架橋剤として硫黄を使用する場合には、メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール類、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム類、ジフェニルグアニジン等のグアニジン類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩等が架橋促進剤として有効に使用できる。架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合には、例えばチウラム系促進剤であるテトラメチルチウラムジスルフィドや4,4’−ジチオモルホリン等が架橋促進剤として有効に使用できる。これらの架橋促進剤の使用量は、通常、(B)アクリルゴム100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましい。
(D)その他の成分
(D1)可塑剤
本発明の実施形態である熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて(D1)可塑剤(以下、「(D1)成分」ともいう)を配合することができる。(D1)成分としては、ゴム組成物に配合される通常の可塑剤を使用することができるが、耐熱性に優れた可塑剤が好ましい。例えば、耐熱性に優れたポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、トリメリット酸系可塑剤を挙げることができる。
ポリエーテル系可塑剤としては、脂肪族ジカルボン酸にアルコキシポリオキシエチレンアルコールを縮合させたものを挙げることができる。具体的には、アデカサイザー RS−705(商品名(旭電化工業社製))、モノサイザー W−264(商品名(大日本インキ化学工業社製))等が該当する。ポリエーテルエステル系可塑剤は、その製造方法に関しては特に限定されるものではないが、2−エチルヘキシル酸とエーテルグリコールとを、2:1のモル比で反応させることにより容易に得られるものである。例えば、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、又はヘプタエチレングリコール等を所定量含む混合エーテルグリコールと、2−エチルヘキシル酸とを常法により反応させて得ることができるが、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、又はヘプタエチレングリコール等をそれぞれ別々に2−エチルヘキシル酸と常法により反応させて得られたジエステルを使用し、ポリエチレングリコール平均重合度が、5〜10となるように混合することによっても製造できる。具体的には、アデカサイザー RS−107、RS−1000、RS−735、RS−700等(いずれも商品名(旭電化工業社製))が該当する。
トリメリット酸系可塑剤としては、トリメリット酸の3つのカルボン酸がそれぞれアルコールと縮合してなるトリメリット酸エステルを挙げることができる。例えば、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリプロピル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリアミル、トリメリット酸トリヘキシル、トリメリット酸トリヘプチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリノニル、トリメリット酸トリス(デシル)、トリメリット酸トリス(ドデシル)、トリメリット酸トリス(テトラデシル)、トリメリット酸トリス(C8〜C12混合アルキル)、トリメリット酸トリス(C7〜C9混合アルキル)、トリメリット酸トリラウリル等を挙げることができる。具体的には、アデカサイザー C−8、C−880、C−79、C810、C−9N、C−10等(いずれも商品名(旭電化工業社製))が該当する。上述してきた(D1)成分の分子量は、400〜1000であることが好ましく、500〜900であることが更に好ましい。400未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性が不十分となる傾向にあり、1000超であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐寒性・圧縮永久歪が低下する傾向にある。(D1)成分は、単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。また、(D1)成分は、熱可塑性エラストマー組成物の製造時に、(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムとの混合物に添加してもよいし、予め(B)アクリルゴムに添加してもよい。
(D1)成分の配合量は、(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムの合計量100質量部あたり、0〜100質量部とすることが好ましく、5〜70質量部とすることが更に好ましく、10〜50質量部とすることが特に好ましい。100質量部超とすると、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物から可塑剤がブリードアウトし、機械的強度及びゴム弾性が低下する傾向にある。
(D2)伸展油
本発明の実施形態である熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて(D2)伸展油(以下、「(D2)成分」ともいう)を配合することができる。(D2)成分としては、ゴム組成物に配合される通常の伸展油を使用することができるが、アロマティック系又はナフテン系伸展油が好ましい。特に、ASTM D3238−95(2000年再承認)記載のn−d−M法による環分析のアロマ炭素(CA(%))、ナフテン炭素(CN(%))、パラフィン炭素(CF(%))がそれぞれ3〜60、20〜50、0〜60(但し、CA+CN+CF=100%)であることがより好ましい。CFが60%超であると、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度及び成形品の表面肌が不良になる場合がある。(D2)成分の配合量は、(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムの合計量100質量部あたり0〜50質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることが更に好ましい。
更に、本発明の実施形態である熱可塑性エラストマー組成物には、本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物の性能を阻害しない範囲内で各種の配合剤を添加することができる。配合剤としては、融点が160℃未満の高分子化合物、滑剤、金属酸化物、補強剤、(D2)成分以外の軟化剤、老化防止剤等を挙げることができる。
融点が160℃未満の高分子化合物としては、特に限定されず種々のものを用いることができる。具体例としては、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム及びその無水マレイン酸グラフト重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム及びその水添物、スチレン・ブタジエンブロック共重合体及びその水添物、スチレン・ブタジエンゴムの水添物の無水マレイン酸グラフト重合体、ブタジエンゴム及びその水添物、ブタジエンゴムの水添物の無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン−イソプレンプレン共重合体、イソプレンゴム及びその水添物、イソプレンゴムの水添物の無水マレイン酸グラフト重合体、スチレン・イソプレンゴム及びその水添物、スチレン・イソプレンブロック共重合体及びその水添物、スチレン・イソプレンゴムの水添物の無水マレイン酸グラフト重合体、ニトリルゴム及びその水添物、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、シンジオタクチック−1,2ポリブタジエン等を挙げることができる。
これらの融点が160℃未満の高分子化合物は、単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。また、これらの融点が160℃未満の高分子化合物の使用割合は、本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対し、300質量部以下、好ましくは1〜200質量部である。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ジブチルアンモニウム・オレート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアミン等を挙げることができる。これらは単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。
金属酸化物としては、例えば、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等を挙げることができる。これらは単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。
軟化剤としては前記(D2)成分以外の石油系軟化剤、植物油系軟化剤、サブを挙げることができる。植物系軟化剤としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等を挙げることができる。サブとしては、黒サブ、白サブ、飴サブ等を挙げることができる。
老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等を挙げることができる。これらは単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。
補強剤としては、例えばカーボンブラックがあり、具体的にはSAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。これらは単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。
次に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法の実施形態についてについて説明する。本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムとを含む混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理することを含む製造方法である。即ち、本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法では、(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムとを含む混合物を混練しながらアクリルゴムの架橋を進行させる、いわば動的に架橋を進行させる動的架橋を実施することによって熱可塑性エラストマー組成物を製造する。
このような製造方法により得られた本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、少なくとも一部が連続相となる熱可塑性樹脂相に、少なくとも一部が不連続相となる架橋アクリルゴム相が微細に分散した状態となる。従って、得られた本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は架橋ゴムと同様の挙動を示し、また、少なくとも連続相が熱可塑性樹脂相であるため、その成形加工に際しては熱可塑性樹脂に準じた加工が可能である。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムを含む混合物を(C)架橋剤の存在下、更に必要に応じて配合することのできる(D1)、(D2)成分等の存在下、混練するに際して使用する機械には特に限定はない。具体的には、溶融混練装置を使用することができる。このうち混練を行うことのできる装置としては、例えば、連続式押出機、密閉式混練機等の装置を挙げることができる。これらのうち、経済性、処理効率等の観点から連続式押出機を用いることが好ましい。なお、混練装置で行う処理は、バッチ式であっても連続式であってもよい。
連続式押出機としては熱可塑性エラストマー組成物を架橋剤の存在下で溶融混練することができる押出機であれば特に限定されない。例えば、一軸押出機、二軸押出機、二軸ローター型押出機等を挙げることができる。これらのうち、二軸押出機又は二軸ローター型押出機が好ましく用いられる。更には、L/D(スクリュー有効長さ(L)と外径(D)との比)が、好ましくは5以上、更に好ましくは10〜60の押出機が用いられる。
二軸押出機としては、例えば、2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合わないもの等任意の二軸押出機を使用することができるが、2本のスクリューの回転方向が同一方向でスクリューが噛み合うものが好ましい。このような二軸押出機としては、例えば、池貝社製「GT」、神戸製鋼所社製「KTX」、日本製鋼所社製「TEX」、東芝機械社製「TEM」、ワーナー社製「ZSK」(いずれも商品名)等を挙げることができる。
二軸ローター式押出機としては、2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合わないもの等任意の二軸ローター式押出機を使用することができるが、2本のスクリューの回転方向が異方向でスクリューが噛み合わないものが好ましい。このような二軸ローター式押出機としては、例えば、日本製鋼所社製「CIM」、神戸製鋼所社製「ミクストロンFCM/NCM/LCM/ACM」(いずれも商品名)等を挙げることができる。
上記の連続式押出機で熱可塑性エラストマー組成物を製造する場合、可塑剤(D1)、伸展油(D2)の供給方法としては、ミキサーを用いて架橋反応に供される(A)熱可塑性樹脂、(B)アクリルゴムと予め混合して上記連続式押出機のフィードホッパーに供給する方法、又はフィードホッパーとダイとの間に設けられたバレル開口部から直接供給する方法等がある。
密閉式混練機としては(A)熱可塑性樹脂、(B)アクリルゴムを(C)架橋剤の存在下で溶融混練することができるものであれば特に限定されない。例えば、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー等を挙げることができる。
上述してきた各種の装置を用いた混練加工方法としては、例えば、以下に示す第一〜第三の方法を挙げることができる。
(第一の方法)
(C)成分以外の成分を、密閉型混練機(ニーダー、バンバリミキサー等)に投入するとともに加熱条件下にて混練した後、フィーダールーダーを用いてペレット状に加工してもよいし、一旦、ロールミルにてシート化したものをシートペレタイザーでペレット加工してもよい。次に、得られたペレット状の成形体と動的架橋のための(C)成分とを、必要に応じて架橋助剤を添加して、連続式押出機に供給し、加熱溶融しながら(B)アクリルゴムを動的に架橋する。
(第二の方法)
連続式押出機(一軸押出機、二軸押出機、二軸ローター型押出機等)に、(A)熱可塑性樹脂、(B)アクリルゴム、(C)架橋剤等のすべての原料成分を供給し、加熱溶融しながら(B)アクリルゴムを動的に架橋する。
(第三の方法)
(A)熱可塑性樹脂、(B)アクリルゴム、(C)架橋剤を2台の連結した連続式押出機のうちの第1の連続式押出機に供給し、第1の連続式押出機内で架橋剤の存在下で樹脂・ゴム組成物を溶融混練し、実質的に動的架橋反応が進行していない段階で第2の連続式押出機に供給して、(B)アクリルゴムを動的に架橋する。
このようにして(B)アクリルゴムの架橋を行うことにより、(B)アクリルゴムを(A)熱可塑性樹脂に十分に分散させた状態で、しかも(B)アクリルゴムを十分に微細な状態に保持したまま架橋することができ、連続相(マトリックス)をなす(A)熱可塑性樹脂中に、分散相(ドメイン)として(B)アクリルゴムの粒子が安定に分散してなる熱可塑性エラストマー組成物を調製することができる。このような熱可塑性エラストマー組成物においては、分散相である架橋したアクリルゴムの粒子の粒子径は50μm以下であることが好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。
(A)熱可塑性樹脂及び(B)アクリルゴムの溶融混練の条件、又は(A)熱可塑性樹脂、(B)アクリルゴム、及び(C)成分の溶融混練の条件として、混練温度は、例えば120〜300℃とすることが好ましく、150〜280℃とすることが更に好ましい。また、混練時の剪断速度は、500〜7000/秒とすることが好ましく、500〜3000/秒とすることが更に好ましい。溶融混練全体の時間は30秒〜10分とすることが好ましく、(C)成分を添加した後の混練時間(架橋時間)は15秒〜5分とすることが好ましい。
このようにして得られる本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有するものである。従って、その用途が限定されるものではないが、本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物のこのような特性を生かし、例えば、CVJブーツ、燃料油・潤滑油系耐油性ホース、オイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、バキュームセンシングホース、耐熱ホース等の各種ホース材、ベアリングシール、バルブステムシール、各種オイルシール、Oリング、パッキング、ガスケット等のシール材、免震ゴム、制振ゴム等の緩衝材、ベルト、ロール、ゴム板、各種ダイヤフラム、オイルレベルゲージ等の、耐油性、耐熱性を必要とする自動車のエンジン回りの部品等の各種成形品を構成する材料として好適に用いられる。
また、本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物が高強度である点、及び優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有する点を生かし、CVJブーツの中でも、より高い耐熱性等が要求される、エンジン側に配設されるインナーブーツを構成する材料として特に好適である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(熱可塑性エラストマー組成物の調製)
以下に示す熱可塑性樹脂、アクリルゴム、可塑剤、架橋剤、及びその他添加剤を用いた。
<融点160℃以上の熱可塑性樹脂>
融点160℃以上の熱可塑性樹脂として、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)(ウィンテックポリマー社製、商品名「ジュラネックス500FP」(MFR(235℃、21N)=23g/10分、Tm=230℃))を使用した。
<炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム>
以下の記載の方法により、炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム(ACM−1〜ACM−6)を合成した。
(ACM−1)
窒素置換されたオートクレーブ内に、イオン交換水200部を入れ、更にアクリル酸ブチル(BA)40部、アクリル酸メトキシエチル(MEA)40部、アクリロニトリル(AN)10部、及びアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)3.2部からなる単量体混合物と、ラウリル酸ナトリウム4部と、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.04部と、硫酸第一鉄0.01部と、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部とを仕込み、反応温度15℃で乳化重合させた。重合転化率が90%になったところで、AN6部、DCPEA0.8部を更に仕込み、引き続き重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間7時間)。次いで、反応生成物(ラテックス)を取り出し、反応生成物に塩化カルシウム水溶液(0.25質量%)を添加して不飽和基含有アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[MS1+4(100℃)]45の炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム(ACM−1)を得た。なお、各モノマーの仕込み量(質量部)を表1に示す。
(ACM−2)
窒素置換されたオートクレーブ内に、イオン交換水200部を入れ、更にアクリル酸ブチル(BA)39部、アクリル酸メトキシエチル(MEA)39部、アクリロニトリル(AN)10部、及びアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)3.2部からなる単量体混合物80部と、ラウリル酸ナトリウム4部と、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.04部と、硫酸第一鉄0.01部と、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部とを仕込み、反応温度15℃で乳化重合させた。重合転化率が90%になったところで、AN6部、DCPEA0.8部、グリシジルメタアクリレート(GMA)2.0部を更に仕込み、引き続き重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間7時間)。次いで、反応生成物(ラテックス)を取り出し、反応生成物に塩化カルシウム水溶液(0.25質量%)を添加して不飽和基含有アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[MS1+4(100℃)]45の炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム(ACM−2)を得た。なお、各モノマーの仕込み量(質量部)を表1に示す。
(ACM−3)
窒素置換されたオートクレーブ内に、イオン交換水200部を入れ、更にアクリル酸ブチル(BA)48部、アクリル酸メトキシエチル(MEA)48部、及びアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)4部からなる単量体混合物80部と、ラウリル酸ナトリウム4部と、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.04部と、硫酸第一鉄0.01部と、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部とを仕込み、反応温度15℃で乳化重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間7時間)。次いで、反応生成物(ラテックス)を取り出し、反応生成物に塩化カルシウム水溶液(0.25質量%)を添加して不飽和基含有アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[MS1+4(100℃)]47の炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム(ACM−3)を得た。なお、各モノマーの仕込み量(質量部)を表1に示す。
(ACM−4)
窒素置換されたオートクレーブ内に、イオン交換水200部を入れ、更にアクリル酸ブチル(BA)39部、アクリル酸メトキシエチル(MEA)39部、アクリロニトリル(AN)10部、及びアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)3.2部からなる単量体混合物80部と、ラウリル酸ナトリウム4部と、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.04部と、硫酸第一鉄0.01部と、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部とを仕込み、反応温度15℃で乳化重合させた。重合転化率が90%になったところで、AN6部、DCPEA0.8部、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)2.0部を更に仕込み、引き続き重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間7時間)。次いで、反応生成物(ラテックス)を取り出し、反応生成物に塩化カルシウム水溶液(0.25質量%)を添加して不飽和基含有アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[MS1+4(100℃)]40の炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム(ACM−2)を得た。なお、各モノマーの仕込み量(質量部)を表1に示す。
(ACM−5)
窒素置換されたオートクレーブ内に、イオン交換水200部を入れ、更にアクリル酸ブチル(BA)39部、アクリル酸メトキシエチル(MEA)39部、アクリロニトリル(AN)10部、及びアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)3.2部からなる単量体混合物80部と、ラウリル酸ナトリウム4部と、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.04部と、硫酸第一鉄0.01部と、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部とを仕込み、反応温度15℃で乳化重合させた。重合転化率が90%になったところで、AN6部、DCPEA0.8部、(メタ)アクリル酸(MA)2.0部を更に仕込み、引き続き重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間7時間)。次いで、反応生成物(ラテックス)を取り出し、反応生成物に塩化カルシウム水溶液(0.25質量%)を添加して不飽和基含有アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[MS1+4(100℃)]45の炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム(ACM−5)を得た。なお、各モノマーの仕込み量(質量部)を表1に示す。
(ACM−6)
窒素置換されたオートクレーブ内に、イオン交換水200部を入れ、更にアクリル酸ブチル(BA)39部、アクリル酸メトキシエチル(MEA)39部、アクリロニトリル(AN)10部、及びアクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオキシエチル(DCPEA)3.2部からなる単量体混合物80部と、ラウリル酸ナトリウム4部と、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.04部と、硫酸第一鉄0.01部と、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部とを仕込み、反応温度15℃で乳化重合させた。重合転化率が90%になったところで、AN6部、DCPEA0.8部、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート(DEAMA)2.0部を更に仕込み、引き続き重合させた。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停止させた(反応時間7時間)。次いで、反応生成物(ラテックス)を取り出し、反応生成物に塩化カルシウム水溶液(0.25質量%)を添加して不飽和基含有アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間乾燥させることにより、ムーニー粘度[MS1+4(100℃)]47の炭素−炭素二重結合を側鎖に有するアクリルゴム(ACM−6)を得た。なお、各モノマーの仕込み量(質量部)を表1に示す。
<オレフィン/アクリル酸共重合体ゴム>
オレフィン/アクリル酸共重合体ゴムとして、エチレン・アクリル酸共重合ゴム(三井デュポンケミカル社製、商品名「ベーマックG」(エチレン73モル%、アクリル酸メチル26モル%、及びカルボン酸1モル%のターポリマー))を使用した。
<可塑剤>
可塑剤として、ポリエーテルエステル系可塑剤(旭電化工業社製、商品名「アデカサイザー RS−1000(分子量約550、粘度43mPa・s(25℃))」)を使用した。
<架橋剤>
架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製、商品名「パーヘキシン25B−40」)を使用した。
<架橋助剤>
架橋除剤として、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド(大内新興化学工業社製、商品名「バルノックPM」)を使用した。
<老化防止剤>
老化防止剤として、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラックCD」)を使用した。
(実施例1)
ACM−1、架橋剤、架橋助剤、及び老化防止剤を、表2に示す配合処方に従ってヘンシェルミキサーを用いて30秒間混合し、添加剤混合物を得た。次に、同じく表2に示す配合処方に従って、同方向回転二軸押出機(同方向非噛み合い型スクリュー、L/D=42、日本製鋼所社製、商品名「TEX44αII」)に、1台は添加剤混合物用、もう1台はポリブチレンテレフタレート樹脂用の、計2台の重量式フィーダー(クボタ社製、商品名「KF−C88」)を用いて、吐出量40kg/hで同方向二軸押出機の原料導入口よりそれぞれ供給し、シリンダー温度設定200℃、スクリュー回転数300rpm、ずり速度800sec-1で動的熱処理による架橋反応を施して、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(実施例2〜4、比較例1,2)
表2に示す配合処方とすること以外は、上述した実施例1の場合と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(熱可塑性エラストマー組成物の試験片(成形シート)の作製)
得られた熱可塑性エラストマー組成物(実施例1〜4、比較例1,2)のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製、商品名「N−100」)を用いて射出成形を行い、厚み2mm、長さ120mm、幅120mmの成形シートを作製し各種評価に供した。
(熱可塑性エラストマー組成物の評価)
得られた熱可塑性エラストマー組成物の混練性を容量10Lのニーダーにて測定し、流動性をメルトフローレート(MFR)として230℃、10kg荷重にて測定した。結果を表2に示す。また、得られた熱可塑性エラストマー組成物の成形シートを用いて、常温(25℃)及び140℃における機械的物性(表面硬度、引張破断強度(TB)、引張破断伸び(EB)、測定機治具掴み部の変形の有無確認等)、耐油性、耐熱性、及び圧縮永久歪みを以下に示す方法により各々測定・評価した。結果を表2に示す。
[表面硬度(D)]:JIS−K6253に準拠して測定した。
[引張破断強度(TB)、及び引張破断伸び(EB)]:JIS−K6251に準拠して測定した。
[耐油性]:JIS−K6258に準拠し、IRM−903試験油を用い150℃、70時間浸漬試験による体積変化率(ΔV)、引張試験における伸びの変化率(Sc(EB))、強度の変化率(Sc(TB))、及び硬さの変化率(CH)を求めた。
[耐熱性]:JIS−K6257に準拠し、ギヤーオーブン中に150℃、70時間放置後、引張試験を行い、引張破断強度の変化率(Ac(TB))及び引張破断伸びの変化率(Ac(EB))及び硬さ変化(AH)を測定した。また、評価後サンプルの測定機治具掴み部の変形を目視で観察した。
[圧縮永久歪み]:ゴム弾性の指標として、JIS−K6262に準拠して、140℃、70時間、25%の圧縮条件で測定した。
[TEM写真の撮影]:実施例4の熱可塑性エラストマー組成物を凍結ミクロトームにて薄片とした後、四酸化ルテニウムを使用して染色したものを、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、「H−7500」型)を用いて倍率2000倍に拡大して写真撮影した。図1に、実施例4の熱可塑性エラストマー組成物の微構造を示す電子顕微鏡写真を示す。なお、図1中、黒色〜濃灰色で表される部分がポリブチレンテレフタレート樹脂であり、白色〜淡灰色で表される部分がアクリルゴムである。
表2に示す結果から、実施例1〜4の熱可塑性エラストマー組成物は、比較例1,2の熱可塑性エラストマー組成物に比して、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有するものであることが明らかである。従って、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の有用性を確認することができた。また、図1に示す電子顕微鏡写真から、本発明の実施形態である熱可塑性エラストマー組成物は、その相構造が、動的架橋型熱可塑性エラストマー組成物の特徴である良好な海島構造(ポリブチレンテレフタレート樹脂が海(マトリックス)、架橋したアクリルゴムの粒子が島(ドメイン))となっていることが明らかである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、高強度であるとともに優れたゴム弾性、耐熱性、及び耐油性を有するものであるため、CVJブーツ等の部材を構成するための材料として好適である。
実施例4の熱可塑性エラストマー組成物の微構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. (A)融点が160℃以上である熱可塑性樹脂と、
    (B)(B1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体由来の構成単位20〜99.99質量%、
    (B2)炭素−炭素二重結合を側鎖に有する単量体由来の構成単位0.01〜20質量%、
    (B3)不飽和アクリロニトリル単量体由来の構成単位0〜40質量%、及び
    (B4)これらと共重合可能な単量体由来の構成単位0〜30質量%(但し、(B1)+(B2)+(B3)+(B4)=100質量%)からなるアクリルゴムと、を含む混合物が、(C)架橋剤の存在下に動的に熱処理されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記(A)熱可塑性樹脂の中に、前記(B)アクリルゴムの粒子が分散されてなる請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記(B)アクリルゴムが、カルボキシル化、ヒドロキシ化、アミノ化、又はエポキシ化されている請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記(A)熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、及びポリエステル系エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 前記(B)アクリルゴムの含有割合が、前記(A)熱可塑性樹脂と(B)アクリルゴムの合計量を100質量%とした場合に、30〜95質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形品。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる等速ジョイント(CVJ)ブーツ。
  8. (A)融点が160℃以上である熱可塑性樹脂と、
    (B)(B1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体由来の構成単位20〜99.99質量%、
    (B2)炭素−炭素二重結合を側鎖に有する単量体由来の構成単位0.01〜20質量%、
    (B3)不飽和アクリロニトリル単量体由来の構成単位0〜40質量%、及び
    (B4)これらと共重合可能な単量体由来の構成単位0〜30質量%(但し、(B1)+(B2)+(B3)+(B4)=100質量%)からなるアクリルゴムと、を含む混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理することを含む熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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