JP2006124459A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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春雪 中岡
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Abstract

【課題】力学特性を損なうことなく、電気伝導性及び熱伝導性を向上させたゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分100質量部に対して、充填剤としてアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブ0.01〜100質量部を配合してなるゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いたタイヤである。前記ナノスケールカーボンチューブの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、その直径は、0.1〜1000nmであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関し、特に弾性率及び損失係数(tanδ)が高く、電気伝導性及び熱伝導性に優れたゴム組成物に関するものである。
従来、タイヤ、ベルト、免震ゴム等の各種ゴム製品には、その特性に応じて、天然ゴムや各種合成ゴムを主材料としたゴム組成物が使用されている。かかるゴム製品の性能や機能は、主材料であるゴム成分の種類と共に、充填剤等の各種配合剤の種類及び量や加硫条件等によっても大きく影響を受ける。例えば、ゴム組成物の補強性を向上させる充填剤としては、一般にカーボンブラックやシリカ等の補強性充填剤が用いられているが、これら補強性充填剤の配合のみでは、ゴム組成物の熱伝導性及び電気伝導性を十分に向上させることはできない。これに対して、ゴム組成物の熱伝導性を向上させるためには、アルミナや窒化ホウ素等を配合する手法が採られ、一方、ゴム組成物の電気伝導性を向上させるためには、銅やニッケル等の金属粉や導電性カーボンを配合する手法が採られている。
しかしながら、従来知られている充填剤を用いて、ゴム組成物の電気伝導性及び熱伝導性を十分に向上させるには、充填剤の配合量を著しく増量する必要があり、その結果、ゴム組成物中に充填剤を均一に分散させることができず、ゴム組成物の性能にバラツキが出たり、ゴム組成物の未加硫粘度が上昇して成形性が悪化したり、得られたゴム製品の力学物性が低下して実用に供し得なくなる等の問題があった。
また、従来、ゴム成分に炭素繊維を配合したゴム組成物が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、従来用いられていた気相成長法による炭素繊維は、ベンゼンやメタン等の炭化水素を700℃〜1000℃程度の温度で熱分解して得られる炭素を、超微粒の鉄やニッケル等の触媒粒子を核として成長させた短繊維であり、通常炭素網層が同心円状に成長したもの又は炭素網層が軸線に垂直に成長したものであり、一般的にゴム成分との密着性が悪く、ゴム組成物の力学特性を低下させるという問題点があった。
特開平9−157404号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、引張強さ、切断時伸び、引張応力、動的弾性率及び損失係数(tanδ)等の力学特性を損なうことなく、電気伝導性及び熱伝導性を向上させたゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物を用いた高性能なタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ゴム成分に対して充填剤としてアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブを特定量配合してなるゴム組成物が、優れた電気伝導性及び熱伝導性を有すると共に、十分な力学特性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、充填剤としてアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブ0.01〜100質量部を配合してなることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記ナノスケールカーボンチューブの配合量が前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜20質量部である。
本発明のゴム組成物において、前記ナノスケールカーボンチューブは、カーボンからなる主骨格を有し、直径が0.1〜1000nmであることが好ましい。該ナノスケールカーボンチューブは、透過型電子顕微鏡による像から、炭素網平面の平面方向の広がりが、カーボンナノチューブ直径の1倍より小さい構造を有することが好ましく、X線回折法(入線X線:CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される炭素網平面(002)の平面間隔が3.54Å以上であり、回折角度(2θ)が25.1度以下であり、2θバンドの半値幅が3.2度以上であることが好ましい。また、該ナノスケールカーボンチューブは、直線状の形態を有することが好ましく、円柱又は四角柱の中空の形態を有することが好ましく、先端の少なくとも一方が開口しているか或いはフラット状の形態を有することが好ましい。
本発明のゴム組成物は、更に、前記ナノスケールカーボンチューブ以外の充填剤を前記ゴム成分100質量部に対して0〜120質量部含有することが好ましい。ここで、該ナノスケールカーボンチューブ以外の充填剤としては、カーボンブラック及び無機充填剤が好ましい。
また、本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤのいずれかの部材に用いたことを特徴とする。
本発明によれば、充填剤としてアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブを特定量含み、力学特性を損なうことなく、電気伝導性及び熱伝導性を向上させたゴム組成物を提供することができる。また、該ゴム組成物は、弾性率及び損失係数(tanδ)が高く、湿潤路面及び乾燥路面でのトラクション性に優れ、破壊強力及び耐摩耗性が良好で、耐疲労性に優れるため、タイヤに好適に用いることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、充填剤としてアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブ0.01〜100質量部を配合してなる。本発明のゴム組成物は、電気伝導性及び熱伝導性に優れたアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブを所定量含有することで、各種力学特性の低下を防止しつつ、電気伝導性及び熱伝導性が改善されている。また、本発明のゴム組成物は、上記ナノスケールカーボンチューブを含有することにより、弾性率及び損失係数(tanδ)が高くなり、その結果として、破壊強力及び耐疲労性が改善されている。更に、例えば、本発明のゴム組成物をタイヤのトレッドに適用することで、タイヤの湿潤路面及び乾燥路面でのトラクション性並びに耐摩耗性を改善することもできる。
本発明のゴム組成物において、上記ナノスケールカーボンチューブの配合量がゴム成分100質量部に対して0.01質量部未満では、ゴム組成物の電気伝導性及び熱伝導性を向上させる効果が小さく、一方、100質量部を超えると、上記ナノスケールカーボンチューブをゴム成分に十分に分散させることができず、ゴム組成物の力学特性が低下してしまう。ここで、ゴム組成物の力学特性を十分に確保しつつ、電気伝導性及び熱伝導性を大幅に向上させる観点から、上記ナノスケールカーボンチューブの配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲が好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分は、特に限定されず、天然ゴム及び合成ゴムのいずれでもよい。ここで、合成ゴムとしては、乳化重合スチレン-ブタジエンゴム、溶液重合スチレン-ブタジエンゴム、高シス-1,4-ポリブタジエンコム、低シス-1,4-ポリブタジエンゴム、高シス-1,4-ポリイソプレンゴム等の汎用合成ゴム;ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のジエン系特殊ゴム;エチレン-プロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等のオレフィン系特殊ゴムの他;ヒドリンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等の他の特殊ゴムを挙げることができる。これらゴム成分の中でも、コストと性能のバランスの観点から、天然ゴム及び汎用合成ゴムが好ましい。また、これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとしてもよい。
本発明のゴム組成物に用いられるアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブは、WO00/40509号に記載の方法に従い、例えば、金属粉及び/又は金属塩からなる触媒の存在下で、分解温度が200〜900℃、好ましくは400〜900℃の熱分解性樹脂を励起処理することにより製造することができる。
上記熱分解性樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリイミド、ポリアクリロニトリル等が挙げられ、これらの中でも、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリトニトリルが好ましい。また、上記熱分解性樹脂の形状は、特に限定されず、フィルム状、シート状、粉末状、塊状等のいずれでもよい。
上記触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル、クロム及びマグネシウム等の金属;並びに、これら金属のハロゲン化物及び錯体等の金属塩が挙げられ、これら触媒の中でも、鉄の塩化物が好ましい。また、該触媒の粒径は、特に限定されるものではないが、5mm以下の範囲が好ましく、100μm以下の範囲が更に好ましい。これら触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、上記熱分解性樹脂1gに対して0.02〜0.1gの範囲が好ましい。
上記励起処理は、加熱処理、光照射処理、プラズマ処理、電子線照射処理、イオンビーム照射処理等で行うことができる。ここで、励起処理は、Ar,He,N2等の不活性ガス雰囲気下、加圧下から減圧下、好ましくは2atm以下、より好ましくは400torr以下の減圧下で、上記触媒を上記熱分解性樹脂に接触させた状態で行う。
上記加熱処理による励起は、上記熱分解性樹脂の熱分解温度以上で行うことを要し、通常、3000℃以下、好ましくは300〜2000℃程度、より好ましくは450〜1800℃程度の温度で行う。
上記光照射処理による励起は、上記熱分解性樹脂の熱分解温度〜3000℃程度で、波長1200nm以下程度、より好ましくは150〜1200nm程度のレーザー光を使用して行うことが好ましい。使用するレーザー光の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、Nd:YAGレーザー、Ti:Saレーザー、Dyeレーザー、Dye+SHGレーザー、Ar+レーザー、Kr+レーザー等が挙げられる。
上記プラズマ処理による励起は、上記熱分解性樹脂の熱分解温度〜3000℃程度で、不活性ガス雰囲気下又は還元性ガス雰囲気下、熱分解性樹脂を高エネルギー状態のプラズマ流体に接触させて行うことが好ましい。プラズマ流体を得るためには、電磁気的な励起源を使用し、また、プラズマ発生の条件は、使用する気体の種類、圧力、励起電圧、励起電流、励起電源周波数、電極形状等に応じて適宜選択することができる。プラズマ処理に使用する気体としては、Ar、He、Kr、N2等の不活性ガス、水素等の還元性ガス、及びこれらの混合ガス等を用いることができ、これらの中でも、Ar及びHeが好ましい。プラズマ処理における上記気体の圧力は、投入する励起電磁気量とプラズマ量とのバランスの観点から、10-2torr〜760torrの範囲が好ましい。また、プラズマを発生させるための電磁気は、直流及び交流のいずれでもよく、電極の材質、形状等も特に制限はない。ここで、交流としては、50〜60Hz程度、1〜10kHz程度の低周波、及び10〜数GHz程度の高周波等が通常使用され、工業的な高周波としては、13.56MHz、40MHz、915MHz、2.46GHz等が一般的に使用される。また、電極材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム及びその合金、普通鋼等が通常使用され、形状は、容量結合型、平行平板型、ホローカソードタイプ、コイル状等から選択される。
上記電子線照射処理による励起は、上記熱分解性樹脂を室温〜3000℃程度で、通常10-2〜10-7torr程度、より好ましくは10-3〜10-5torr程度の減圧下において、加速電圧1〜2000kV程度、より好ましくは50〜1000kV程度で行う。
上記イオンビーム照射処理による励起は、通常100〜10-7torr程度、より好ましくは10-1〜10-5torr程度に減圧されたチェンバー内に上記熱分解性樹脂を配置し、電離させたHeイオン又はArイオンを用い、加速電圧100V〜10kV程度、より好ましくは200V〜1kV程度、イオン電流0.01〜100mA/cm2程度、より好ましくは0.1〜10mA/cm2程度の条件下で行う。
上記アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブは、反応性の−C≡C−及び/又は=C=を含む炭素材料を熱処理することにより製造することもできる。ここで、該熱処理は、Ar,He,N2等の不活性ガス雰囲気中、大気圧以下、好ましくは400torr以下の減圧下、通常、3000℃以下、好ましくは300〜2000℃程度、より好ましくは450〜1800℃程度の温度で行う。ここで、−C≡C−及び/又は=C=を含む炭素材料とは、ポリイン及びキュムレンの少なくとも一方からなる材料、−C≡C−及び=C=の少なくとも一方からなる材料、ポリイン及びキュムレンの少なくとも一方を一部に含有する材料、−C≡C−及び=C=結合の少なくとも一方を一部に含む材料を包含し、更に、これら材料に金属粉及び/又は金属塩を分散含有する材料をも包含する。上記−C≡C−及び/又は=C=を含む炭素材料及びその合成方法は、いずれも公知であり、例えば、特開平3−44582号公報、特開昭63−199726号公報、M. Kijima et al, Synthetic Metals, 2279, 86 (1997);J. Kansther et al, Macromolecules, 28 (1975);L. Kavan et al, Carbon, 1533, 32 (1994)等に開示されている。
上記アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブの直径は、0.1〜1000nmの範囲が好ましく、1〜200nmの範囲が更に好ましく、1〜100nmの範囲がより一層好ましい。また、該チューブの長さ/直径(アスペクト比)は、2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが更に好ましい。
本発明において、アモルファス構造(非晶質構造)とは、規則的に配列した炭素原子の連続的な炭素層からなる黒鉛質構造ではなく、不規則な炭素網平面からなる炭素質構造をさす。代表的な分析手法である透過型電子顕微鏡による像からは、上記ナノスケールカーボンチューブは、炭素網平面の平面方向の広がりがカーボンナノチューブ直径の1倍より小さい。また、上記ナノスケールカーボンチューブは、アモルファス構造(非晶質炭素)部分が全体の95%を超えることが好ましく、全体の99%以上であることが更に好ましい。
上記アモルファス構造の炭素(非晶質炭素)は、一般的にX線回折を示さず、ブロードな反射を示す。黒鉛質構造では、炭素網平面が規則的に積み重なっているため、炭素網平面間隔(d002)が狭くなり、ブロードな反射が高角側(2θ)に移行して、次第に2θバンドの半値幅が狭くなり、d002回折線として観測できるようになる。これに対し、アモルファス構造の炭素は、一般的にX線による回折を示さないものの、部分均に非常に弱い干渉性散乱を示す。ここで、上記ナノスケーカーボンチューブは、X線回折法(入射X線:CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される炭素網平面間隔(d002)が3.54Å以上であることが好ましく、3.7Å以上であることが更に好ましく、回折角度(2θ)が25.1度以下であることが好ましく、24.1度以下であることが更に好ましく、2θバンドの半値幅が3.2度以上であることが好ましく、7.0度以上であることが更に好ましい。
上記ナノスケールカーボンチューブは、非晶質構造を有するナノスケールのカーボンチューブで、中空直線状であり、細孔が高度に制御されている。また、その形状は、主に円柱、四角柱等であり、先端の少なくとも一方が開口している(キャップを有してない)場合が多い。なお、先端が閉口している場合、該先端の形状はフラット状である場合が多い。また、直線状のナノスケールカーボンチューブとは、透過型電子顕微鏡による上記ナノスケールカーボンチューブ像の長さをLとし、該ナノスケールカーボンチューブを伸ばした時の長さをL0とした場合に、L/L0が0.9以上であるナノスケールカーボンチューブをさす。
本発明のゴム組成物は、更に、上記ナノスケールカーボンチューブ以外のカーボンブラック、シリカ、炭カル等の充填剤を上記ゴム成分100質量部に対して0〜120質量部含むことが好ましい。ゴム組成物に、上記ナノスケールカーボンチューブ以外の充填剤を配合することで、更に優れた補強効果が得られる。ここで、上記ナノスケールカーボンチューブ以外の充填剤の配合量が上記ゴム成分100質量部に対して120質量部を超えると、加硫ゴムの引張強度等の力学物性が悪化する傾向がある。
上記ナノスケールカーボンチューブ以外の充填剤としては、カーボンブラック及び無機充填剤が好ましい。ここで、カーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAF等のグレードのものが挙げられ、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上で、且つジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上のものが好ましい。これらカーボンブラックの中でも、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させる効果に優れる点で、HAF,ISAF,SAFグレードのカーボンブラックが特に好ましい。
また、上記無機充填剤としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)及び乾式シリカ(無水ケイ酸)等のシリカ、γ-アルミナ及びα-アルミナ等のアルミナ(Al23)、ベーマイト及びダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト及びバイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライト等のアルミノケイ酸塩等が挙げられ、これらの中でも、シリカ、炭酸カルシウム及びクレー等が好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分、アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブ、カーボンブラック及び無機充填剤等の他の充填剤の他に、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、プロセスオイル等の軟化剤、硫黄、加硫促進剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤等を目的に応じて適宜配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、例えば、ゴム成分に、アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブと共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤのいずれかの部材に用いたことを特徴とし、トレッド部に用いることが好ましい。上記ゴム組成物をトレッド部に用いタイヤは、湿潤路面及び乾燥路面でのトラクション性、並びに耐摩耗性に優れる。なお、本発明のタイヤは、従来公知の構造で、特に限定はなく、通常の方法で製造できる。また、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
ラボプラストミル[東洋精機(株)製]を用いて混練りして、表1に示す配合処方のゴム組成物を作製し、得られたゴム組成物の物性を以下に示す方法で測定した。結果を表1に示す。
(1)動的弾性率(G')及び損失正接(tanδ)
上記ゴム組成物を150℃で、加硫反応によるトルクの上昇が全体の90%に達するまでの時間(t90)の1.5倍にあたる時間加硫して、加硫ゴムを作製した。次に、レオメトリックス(株)製のARESを用い、歪1%、周波数15Hz、測定温度50℃の条件下、得られた加硫ゴムの動的弾性率(G')及び損失正接(tanδ)をそれぞれ測定した。
(2)引張応力、引張強さ及び切断時伸び
JIS K6251に準拠して引張試験を行い、加硫ゴムの200%伸長時の引張応力(M200)、300%伸長時の引張応力(M300)、引張強さ(Tb)及び切断時伸び(Eb)を測定した。
(3)体積抵抗率
2mm厚のゴムシートを成形し、三菱化学製ロレスタ及びハイレスタで体積抵抗率を測定した。
(4)熱伝導率
京都電子(株)製迅速熱伝導率計QTM−500を用いて、上記ゴム組成物からなる加硫ゴムシートの熱伝導率を測定した。
Figure 2006124459
*1 JSR製, スチレン-ブタジエン共重合体ゴム.
*2 ポリテトラフルオロエチレンと塩化第1鉄四水和物を重量比9:1で混合し、10Torrの減圧下、900℃で12時間焼成することにより合成.
表1から明らかなように、アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブを含む実施例のゴム組成物は、比較例のゴム組成物よりも電気伝導性及び熱伝導性に優れていた。また、実施例のゴム組成物は、動的弾性率及び損失係数(tanδ)、引張応力、引張強さ、切断時伸び等の力学特性も十分に高く、各種ゴム製品、特にタイヤへの使用に好適な力学特性を保持していた。

Claims (11)

  1. ゴム成分100質量部に対して、充填剤としてアモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブ0.01〜100質量部を配合してなるゴム組成物。
  2. 前記ナノスケールカーボンチューブの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜20質量部であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ナノスケールカーボンチューブは、直径が0.1〜1000nmであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 前記ナノスケールカーボンチューブは、透過型電子顕微鏡による像から、炭素網平面の平面方向の広がりが、カーボンナノチューブ直径の1倍より小さい構造を有することを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記ナノスケールカーボンチューブは、X線回折法(入線X線:CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される炭素網平面(002)の平面間隔が3.54Å以上であり、回折角度(2θ)が25.1度以下であり、2θバンドの半値幅が3.2度以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載のゴム組成物。
  6. 前記ナノスケールカーボンチューブが直線状の形態を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記ナノスケールカーボンチューブが円柱又は四角柱の中空の形態を有することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記ナノスケールカーボンチューブは、先端の少なくとも一方が開口している又はフラット状の形態を有することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 更に、前記ナノスケールカーボンチューブ以外の充填剤を前記ゴム成分100質量部に対して0〜120質量部配合したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 前記ナノスケールカーボンチューブ以外の充填剤がカーボンブラック及び/又は無機充填剤であることを特徴とする請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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