JP2006123046A - 旋盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベッド面がオペレータ側に向いて傾斜したいわゆるスラント型のベッドを備えた旋盤に関し、主軸軸線26の奥側上方に配置したY軸移動可能な刃物台にB軸旋回する回転工具軸が設けられている旋盤の当該工具軸に装着した工具とワークとの接近性を改善して、より高い工具の支持剛性を実現できるようにする。
【解決手段】上刃物台14のX軸ガイド面12の傾斜角をベッド面5a、すなわち下刃物台のX軸ガイド面の傾斜角より大きくすることによって、上刃物台14に装着された工具とワークとの接近性を改善する。主軸軸線26は、ベッド面5aより高い位置にあるので、この高さをhとし、上刃物台のX軸ガイド面12aをベッド面5aより角度差Δθだけ急勾配にすると、回転工具軸18はhsinΔθだけ主軸軸線26に接近することとなり、この分だけ上刃物台14からの工具27の張出し量を少なくすることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】上刃物台14のX軸ガイド面12の傾斜角をベッド面5a、すなわち下刃物台のX軸ガイド面の傾斜角より大きくすることによって、上刃物台14に装着された工具とワークとの接近性を改善する。主軸軸線26は、ベッド面5aより高い位置にあるので、この高さをhとし、上刃物台のX軸ガイド面12aをベッド面5aより角度差Δθだけ急勾配にすると、回転工具軸18はhsinΔθだけ主軸軸線26に接近することとなり、この分だけ上刃物台14からの工具27の張出し量を少なくすることができる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、ベッド面がオペレータ側に向いて傾斜したいわゆるスラント型のベッドを備えた旋盤に関するもので、主軸の奥側上方にY軸移動及びB軸旋回可能な回転工具軸を備えた複合旋盤に特に好適な旋盤の構造に関するものである。
NC旋盤のワークや刃物の動作方向(NC装置の制御軸)は、X、Y、Z及びA、B、Cで表示されており、Zは主軸方向、Xは工具の切込み送り方向、YはZ及びXに直交する方向、CはZ軸回りの角度、AはX軸回りの角度、BはY軸回りの角度である。
オペレータ側に向いて傾斜したベッド面を備えた旋盤は、加工部へのオペレータの接近性が良く、加工部の視認性にも優れているという特徴がある。特に主軸軸線の両側(前後ないし上下)に刃物台を設けた旋盤では、奥側の刃物台に対する接近性及び視認性に優れている。スラント型ベッドの傾斜角は、45度としたものが多いが、奥側の刃物台のワークへの接近性を良くするために、60度(水平面からの角度)としたものもある。
図3に示すように、側面から見たときの主軸台1の傾斜角を45度スラントベッドの場合と同じ45度とし、ベッド面5aの傾斜角だけを60度とすれば、ベッド面5aを基準にして見たときの主軸29の位置が奥側(上方)に移動することとなるので、上刃物台と主軸に装着したワークとの接近性が良くなるのである。
本願出願人は、特許文献1において、オペレータに向いて傾斜したスラント型のベッドを備え、主軸の手前下側に位置する下刃物台と、主軸の奥側上方に位置する回転工具軸を備えた上刃物台と、この上刃物台に装着する工具の工具マガジン及び自動工具交換装置とを備え、上刃物台の回転工具軸をZ軸方向、X軸方向、Y軸方向及びB軸方向に制御可能にした複合NC旋盤を提案している。
上記構造の複合NC旋盤は、大きな開口部の加工や傾斜した平面の加工等のマシニングセンタ的な加工が可能で、回転工具軸を回転原点で固定することにより旋削工具も装着可能である。上刃物台は1本の回転工具軸を備えているだけであるから、工具の支持剛性を高くでき、工具に与える回転トルクも大きくでき、従って重切削が可能で、大型の工具を取付けることもできる。また、工具マガジンの工具収容数も多くできることから、より多種類の工具を使用してワークの加工を行うことができる。
また本願出願人は、工具をX軸及びY軸方向に移動可能に案内し、かつ工具の装着高さが高くなることを防止した案内構造として、特許文献2に、手前側が低くなる方向に傾斜したベッド面を有するスラント型ベッドと、ベッド背後のベッド面より下方に面を背後上方に向けて設けられたY軸ガイド面と、このY軸ガイド面に装着された側面形状が逆L字形のY軸スライド台と、このY軸スライド台の上面に設けられたX軸ガイド面と、このX軸ガイド面に装着されたタレット刃物台とを備えることにより、刃物台のコンパクトで高い支持剛性を実現した2主軸対向旋盤を提案している。
国際公開第WO01/30522号パンフレット
特開平3−79202号公報
上述した構造の複合NC旋盤では、上刃物台に装着した回転工具軸で重加工が行われるので、当該工具軸の支持剛性を高くする必要があり、刃物台からの工具軸の張出し量をできるだけ小さくすることが望ましい。
一方、上述した構造の複合NC旋盤では、図4に示すように、回転工具27をZ軸方向に向けてワーク28の軸心近くを加工するとき、工具27のB軸旋回中心30を主軸軸線26上まで進出させることが必要になる。このとき、工具27の刃物台からの張出し量を小さくして支持剛性を確保するためには、刃物台14を主軸軸線26近くにまで進出させることが必要である。
一方、2主軸対向旋盤においては、ワークの受け渡し等のために、主軸台の一方をZ軸方向に移動可能に設けるので、当該主軸台のガイドレールが主軸軸線26に近接して配置されることになる。そして、前述した構造の複合NC旋盤では、刃物台14がY軸移動するので、刃物台14を主軸軸線26近くまで進出させると、刃物台14のY軸移動時に主軸台のガイドレールと干渉するという問題が発生する。この干渉を避けるためには、刃物台14からの工具27の張出し量を大きくして、刃物台14が主軸軸線26に接近しないようにするか、あるいは主軸台のガイドレールを主軸軸線26から離れた位置に配置するかしなければならないが、前者の場合は工具の支持剛性を低下させ、後者の場合は主軸の支持剛性を低下させるという問題が発生する。
前述したように、スラント型ベッドの傾斜角を急勾配とすれば、上側の刃物台とワークとの接近性が改善される。しかし、ベッド面の角度を急勾配とすると、主軸の手前側に設けた下刃物台の移動ストロークを確保する関係上、主軸軸線が高くなり、中型以上の旋盤では、操作性や保守点検時の作業性が悪くなるという問題と、刃物台や主軸台などの重量物が機械前方に集中してくるので、機械の前後バランスが悪くなり、機械全体としての剛性や安定性が低下するという問題が生ずる。
この発明は、上述した複合NC旋盤のような構造、すなわち主軸軸線26の奥側上方に配置したY軸移動可能な刃物台にB軸旋回する回転工具軸が設けられている旋盤の当該工具軸に装着した工具とワークとの接近性を改善して、より高い工具の支持剛性を実現できるようにすることを課題としている。
この発明では、上刃物台14のX軸ガイド面12の傾斜角をベッド面5a、すなわち下刃物台8R、8LのX軸ガイド面の傾斜角より大きくすることによって、上刃物台14に装着された工具とワークとの接近性を改善することにより、上記課題を解決している。
図3に示すように、主軸軸線26は、ベッド面5aより高い位置にあるので、この高さをhとし、上刃物台のX軸ガイド面12aをベッド面5aより角度差Δθだけ急勾配にすると、回転工具軸18はhsinΔθだけ主軸軸線26に接近することとなり、この分だけ上刃物台14からの工具27の張出し量を少なくすることができる。
すなわち、本願請求項1の発明に係る旋盤は、オペレータ側に向いて傾斜したベッド面5aを備え、主軸軸線26の上下に刃物台14、8を備え、当該ベッド面の背後側に設けたZ方向ガイド10に案内されるZスライド11に側面視で逆L形ないし非対称逆T形のYスライド17が装着され、このYスライドの上面にX方向移動可能に上刃物台14が搭載されている旋盤において、前記Yスライドの上刃物台の案内面を前記ベッド面の傾斜角より急勾配の傾斜面としたことを特徴とするものである。
この発明の構造は、上刃物台14に搭載した回転工具軸に装着する工具の自動工具交換装置が設けられた2主軸対向旋盤の構造として特に好適である。本願請求項2の発明は、上記請求項1記載の旋盤において、上刃物台14に設けた回転工具軸に装着する工具の自動交換装置と、同一軸線上で対向する2本の主軸とを備えていることを特徴とするものである。
上刃物台14の工具の接近性を良くするためには、上記角度差Δθは大きいほどよい。一方、主軸軸線26を挟んで両側に刃物台を配置した旋盤では、両側の刃物で同時にワークを加工する場合がある。 このとき両側の刃物からワークに作用するX軸方向の加工反力は、互いに反対の方向に働き、ワークに作用する曲げ応力が軽減される。このような反力をバランスさせた加工を行うときは、上記Δθは小さい方が好ましい。また、C軸制御及び両側の回転工具でワークを同時加工できる状況を多くするには、上記Δθを円周を等分割した角度にするのが好ましい。以上の観点及びベッドの傾斜角として45度及び60度が多く用いられていることから、ベッド面5aの傾斜角を45度とし、上刃物台のX軸ガイド面12aの傾斜角を60度とするのが合理的である。
上記構造により、上刃物台14からの工具27の張出し量を小さくできるので、上刃物台14にB軸旋回可能に設けた回転工具軸18に大型の回転工具を装着して重加工を行う複合NC旋盤において、当該工具の支持剛性を高くすることが可能になり、加工速度と加工精度の向上を図ることができる。
以下、図面に示す実施例を参照して、この発明を更に説明する。図1はこの発明の複合旋盤の最適な実施形態の一例を示した全体斜視図、図2は左主軸台及び左刃物台を省略して示した左側面図である。
図の複合旋盤は、同一軸線上で対向する左主軸台1Lと右主軸台1Rとを備え、両主軸台に軸支された主軸の対向端にそれぞれ左チャック2L及び右チャック2Rが装着されている。左右の主軸は、エンコーダを3L、3R部分に内蔵したC軸制御可能な主軸モータ4L、4Rで、個別にかつ必要なときには同期して回転駆動される。左主軸台1Lはベッド5に固定であり、右主軸台1Rは、主軸送りモータでZ方向ガイド6に沿って移動可能である。
ベッド5は、図2に示すように上部断面が直角三角形状で、オペレータ側に向けて45度の角度で傾斜するベッド面5aと、背後上方を向く背面5bとを備えている。主軸台1L、1Rの手前側下方にそれぞれX方向及びZ方向に移動可能なタレット刃物台8L、8Rが配置されており、両タレット刃物台の対向する端部側にタレット9L、9Rが装着されている。右主軸台1R及び2個のタレット刃物台8L、8RのZ方向のガイド6及び7は、ベッド面5a上に設けられている。
ベッド5の背面5bには、2本のZ方向ガイド10が設けられており、このZ方向ガイド10に、Z送りモータで送り移動するZスライドが装着されている。Zスライド11の上面は、背後上方を向く30度の傾斜面となっており、この上面に、Y方向ガイド16が設けられ、このY方向ガイドに、Y送りモータで送り移動するYスライド17が装着されている。Yスライド17は、逆L形ないし非対称逆T形の側面形状を備えており、このYスライド17の上面が、オペレータに向いて60度傾斜したXガイド面17aとなっている。Xガイド面17aには、X方向ガイド12が設けられ、このX方向ガイド12に、X送りモータ13で送り移動する上刃物台14が装着されている。上刃物台14には、回転工具軸18を備えた回転工具台15が、B軸(Y軸回りに)旋回可能に装着されている。
回転工具軸18は、回転工具台15に内蔵されたロック装置でその回転を強固に固定できるようになっており、フライスやドリル等の回転工具の他、回転工具軸18をロックした状態で旋削刃物(バイトなど)を取付けることが可能である。
ベッド5の奥側左端に隣接して、回転工具軸18に装着する工具の工具マガジン19が配置され、この工具マガジンに隣接して自動工具交換装置20が設けられている。図の工具マガジン19は、旋盤に対して外側を向く方向に多数の工具ホルダ21を連結した周回チェン22を配置し、工具ホルダに装着された工具の一つを周回チェンの周回によって自動工具交換装置20との受け渡し位置に位置決めすることにより、工具の選択を行う構造のものである。自動工具交換装置20は、両端に工具把持爪を備えた旋回アーム23を備えた構造で、この旋回アームはZ方向に延びるガイドレール24に沿って往復動するトラバーサ25に装着されている。
以上のように構成された複合旋盤の主軸軸線26の下方に位置するタレット刃物台8L、8RのX軸は、水平面に対して45度傾斜した方向であり、上刃物台14のX軸は、水平面に対して60度傾斜した方向である。そして主軸台1L、1Rは、ベッド面5aに直交する方向、すなわち45度傾斜する方向に立設しており、上刃物台14に装着される工具27と、主軸チャック2L、2Rに装着されるワーク28との距離を近くすることができ、Yスライド17やXスライド(上刃物台)14の前端17b、14bと、主軸台用のZ軸ガイド6やZスライド用のZ軸ガイド10とを干渉させることなく、上刃物台14及びこれをガイドするX方向ガイド12の先端12bからの工具27の張出し量を小さくすることができる。
そして、これにより上刃物台14に装着される工具27の支持剛性を高くすることができ、主軸軸線の奥上方にY軸移動可能かつB軸旋回可能に設けた工具27によるワーク28の重加工や高速加工が可能な複合旋盤を提供することができる。
8 刃物台
10 Z方向ガイド
11 Zスライド
14 上刃物台
17 Yスライド
26 主軸軸線
10 Z方向ガイド
11 Zスライド
14 上刃物台
17 Yスライド
26 主軸軸線
Claims (2)
- オペレータ側に向いて傾斜したベッド面(5a)を備え、主軸軸線(26)の上下に刃物台(14,8)を備え、当該ベッド面の背後側に設けたZ方向ガイド(10)に案内されるZスライド(11)に側面視で逆L形ないし非対称逆T形のYスライド(17)が装着され、このYスライドの上面にX方向移動可能に上刃物台(14)が搭載されている旋盤において、
前記Yスライドの上刃物台の案内面を前記ベッド面の傾斜角より急勾配の傾斜面とした、旋盤。 - 上刃物台(14)に設けた回転工具軸に装着する工具の自動交換装置と、同一軸線上で対向する2本の主軸とを備えた、請求項1記載の旋盤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004312735A JP2006123046A (ja) | 2004-10-27 | 2004-10-27 | 旋盤 |
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JP2004312735A JP2006123046A (ja) | 2004-10-27 | 2004-10-27 | 旋盤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006123046A true JP2006123046A (ja) | 2006-05-18 |
Family
ID=36718261
Family Applications (1)
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JP2004312735A Pending JP2006123046A (ja) | 2004-10-27 | 2004-10-27 | 旋盤 |
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JP (1) | JP2006123046A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107855544A (zh) * | 2017-12-07 | 2018-03-30 | 浙江恒大数控机床制造有限公司 | 一种无人装卸智能车床 |
KR102296221B1 (ko) * | 2020-12-23 | 2021-09-01 | 한전케이피에스 주식회사 | 원자로 하부 헤드 보수용 패드 절삭 가공장치 |
-
2004
- 2004-10-27 JP JP2004312735A patent/JP2006123046A/ja active Pending
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