JP2006122832A - 緊急用浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、一定流量の出水の継続化が図れる緊急用浄化装置を提供する。
【解決手段】本発明の緊急用浄化装置は、圧力・流量センサー55および制御部58を用いて、浄水器40から二次側の圧力が一定になる構成にして、浄水器40が詰まり始めても、浄水器40における処理流量の低下が抑えられるようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、地震などの災害時に飲料水や生活用水を確保するために用いられる緊急用浄化装置に関する。
地震、水害、台風などの災害時は、ライフラインが支障をきたして、飲料水や生活用水の供給が十分にできなくことがある。
緊急用浄化装置は、このような場合、緊急の措置として、現場近くの貯水槽、学校のプール、池などを水源地として、同水源地の水の水質を、飲料水や生活用水として使用可能な水に浄化するものである。この緊急用浄化装置には、原水を取水する取水ポンプと、取水された原水を浄化する浄化ユニットとを組み合わせた構成が用いられている。
従来、このような緊急用浄化装置の取水ポンプには、一定の回転数で運転し続ける汎用ポンプが用いられ、浄化ユニットには、主に浄水器と滅菌器とを組み合わせた構成が用いられている。具体的には、従来の緊急用浄化装置は、取水ポンプの一定能力運転により、貯水槽、学校のプール、池などから原水を取水し、この原水を浄水器で浄水し、この浄水した水に薬液の注入で滅菌処理を施して、原水を飲料水、生活用水に適した水質に浄化してから、出水部となる蛇口から出水させる構造が用いられていた。
ところで、浄水器は、浄水性能に余裕があるので、ごみや濁度成分でかなり詰まりが生じても、求められる浄水性能は十分に確保される。しかし、取水ポンプは、一定の回転数で運転し続けるだけなので、原水に含まれるごみや濁度成分の除去により、浄水器が詰まり始めると、流通抵抗の増加から、浄水器の処理流量が低下する。特に原水は、貯水槽やプールや池など、ごみや濁度成分を多く含む水の場合が多いので、浄水器の詰まりが発生しやく、出水部から一定な出水流量が確保できなくなる問題がある。
そこで、本発明の目的は、一定流量の出水の継続化が図れる緊急用浄化装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、流量センサー、圧力センサーおよび制御手段を用いて、浄水器から二次側の圧力が一定になる構成にして、浄水器が詰まり始めても、浄水器における処理流量の低下が抑えられるようにした。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、原水の取水を行なう場所から、どのように離れた地点でも浄化が行なえるよう、取水ポンプには水中ポンプを採用した。
請求項3に記載の発明は、上記目的に加え、水中ポンプと浄水器の負担が軽減されるよう、水中ポンプの吸込口は、複数重のフィルタ部で覆われる構成とした。
請求項4に記載の発明は、上記目的に加え、より優れた水質の水が得られるよう、出水部の上流側に、滅菌を終えた処理水をろ過するマイクロろ過装置を設けた構成とした。
請求項5に記載の発明は、上記目的に加え、フィルタカートリッジの寿命に配慮しながら、飲料水と生活用水といった利用状況に合わせて、水質の切換えが行なえるよう、マイクロろ過装置には、フィルタハウジングの内部にフィルタカートリッジを交換可能に収めて構成される複数のマイクロろ過器と、各マイクロろ過器の流入部を滅菌器の薬液注入部から下流側の流路部分に並列に接続する接続部とを有し、各マイクロろ過器の流出部にそれぞれ独立して出水部が設けられる構成を採用して、出水部から出水される処理水の水質が、フィルタカートリッジの有・無により切り換えられるようにした。
請求項6に記載の発明は、上記目的に加え、非常電源や水中ポンプが故障したとき、応急的に処理水が確保されるよう、流路に、逆流防止用の逆止弁をバイパスするように設けたバイパス路、該バイパス路に介装された手動操作式ポンプ、同バイパス路に設けた流路切換え用の切換手段を有してなる手動式ポンプ装置を組み付けた。
請求項1に記載の発明によれば、たとえ浄水器がごみや濁度成分などで詰まっても、浄水器の浄水能力が有る間は、出水部から一定な出水流量が確保できる。
それ故、災害時の救済に大きく貢献できる。
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加え、水源地からは、吐出圧が加わった原水が圧送されるから、浄化ユニットが配置される地点が、水源地からどのように離れていても、十分な取水量が確保できる。
請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加え、複数重のフィルタ部により、水中ポンプの吸込口へ吸い込まれる異物が減少するので、水中ポンプと浄水器の負担が軽減できる。
請求項4に記載の発明によれば、上記効果に加え、マイクロろ過装置の追加により、より優れた水質の水が確保できる。しかも、マイクロろ過装置は、滅菌を終えた処理水をろ過するよう出水部の上流側に設けてあるので、たとえ浄化ユニットの運転が停止してマイクロろ過装置に長時間、処理水が滞留することがあっても、滞留した処理水は滅菌処理された水なので、滞留した水が雑菌の影響を受けることはなく、衛生上に優れた出水が約束できる。
請求項5に記載の発明によれば、上記効果に加え、容易に寿命の有るマイクロろ過器のフィルタカートリッジの寿命をできる限り長く利用しつつ、飲料水に適した水や、飲料水よりも水質が低く生活用水に適した水を得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、上記効果に加え、たとえ水中ポンプの故障や非常用電源の停電などにより、水中ポンプによる取水ができなくなったとしても、現地で手動操作式ポンプを手動操作することにより、原水の取水、該原水の浄化ができ、応急的に必要な水の確保ができる。しかも、手動ポンプは、逆流防止用の逆止弁をバイパスさせてあるので、手動ポンプの切り換えは、浄水器の二次側に有る逆流防止用の逆止弁が流路切り替え弁として機能するようになり、切換えに必要な弁などは最小限に抑えられ、コスト的に安価ですむ。
[一実施形態]
以下、本発明を図1〜図7に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は緊急用浄化装置の全体の概略を示している。図1に示されるように緊急用浄化装置1は、取水ポンプとしての水中ポンプ2と、地上に配置される浄化ユニット30とを組み合わせた構成が用いてある。
このうちの水中ポンプ2は、図2に示されるように例えば下部に水中モータ3を配置し、同水中モータ3の上部に多段ポンプ部4を直列に組み付けて細長に形成されている。多段ポンプ部4は、下部(水中モータ3側)外周面に吸込口5(図2中に破線でしか図示せず)を有し、上部に吐出口体9(吐出口を形成するもの)を有している。そして、吸込口5が複数重のフィルタ部10で覆ってある。具体的には、例えばフィルタ部10は、吸込口5を囲う環状のスクリーン部材11(ストレーナー)と、水中モータ3から多段ポンプ部4までの周囲を覆う袋状のネット部材12(プレフィルタ)とが用いられている。スクリーン部材11は、小孔群11aを有し、ネット部材12は、小孔群11aより、粗い格子状の開口群12aを有して形成されていて、水中ポンプ2へ吸い込まれる木の葉など大小の異物が合理的に取り除けるようにしている。また水中ポンプ2の吐出口体9には、長尺なホース部材、例えばチャッキングユニット14aが端部に付いた耐圧ホース14が接続される構成となっている。これにより、水中ポンプ2は、災害時、図1に示されるように貯水槽、学校のプール、池など現地の臨時の水源地13において、支え具、例えばロープ15を用いて、耐圧ホース14を接続したまま吊り下げて、水源地13の貯溜水に浸漬させれば、同水源地13から原水が取水されるようにしている。
一方、浄化ユニット30は、図1に示されるように水中ポンプ2で出水された原水を受け入れる流入口31と、処理を終えた水を出水するための出水部32と、これら間をむすぶ流路33と、同流路33に介装された各機器、例えば浄水器40、自動運転ユニット50、滅菌器60、マイクロろ過装置70とを有している。
この浄化ユニット30の全体の詳細が図3に示され、同装置の各部の詳細が図4〜図6に示されている。
図3〜図6を参照して浄化ユニット30の各部を説明すると、図3〜図6中、16は可搬台車である。可搬台車16は、例えば左右に並ぶ一対の矩形枠形の安全柵17の下部間に各種のベース部材18を掛け渡し、安全柵17の前後端間に一対の手摺部材20を掛けし、ベース部材18の下部に複数のキャスター21を組み付けて構成される。
この可搬台車16に浄化ユニット30の各機器が搭載されている。各機器について説明すると、図3中31aは、可搬台車16のベース部材18の左側の最前部(一端部)に配置されたニップル部材31aを示し、32aはベース部材18の左側の最前部(一端部)に配置された複数の蛇口32a(ここでは例えば2つ)を示している。ニップル部材31aには、耐圧ホース14の他端部が、ホース端に付いているチャッキングユニット14aを用いて着脱される。なお、ニップル部材31aは、浄化ユニット30の流入口31を形成する部品であり、各蛇口32aは、浄化ユニット30の出水部32を形成する部品である。可搬台車16の左側部には、前部(手前側)から順に、浄水器40、自動運転ユニット50が設置されている。また可搬台車16の右側には、手前部(手前側)から順に、マイクロろ過装置70、滅菌器60が設置されている。そして、ニップル部材31aには、浄水器40、自動運転ユニット50、滅菌器60、マイクロろ過装置70の順で接続されている。マイクロろ過装置70は、最終の蛇口32aに接続され、各機器をニップル部材31aと蛇口32aとの間に形成される流路33に介装させてある。
このうち、浄水器40は、例えば図4および図5に示されるように前部に流入部41aを有し後部に流出部41bを有するハウジング41と、同ハウジング41内に交換自在に収めた、ろ材、例えば不織布フィルタ42a、活性炭フィルタ42bとを備えて構成されている。そして、浄水器25の流入部41aが、ニップル部材31aに接続され、水中ポンプ2から圧送される原水に含まれるごみなどの有機物や濁度成分が、不織布フィルタ42a、活性炭フィルタ42bを通過する間に除去されるようにしてある(浄水)。
自動運転ユニット50は、例えば図4および図6に示されるように保護カバー50a内に、センサーモジュール51と制御ユニット52とを収めて構成される。具体的には、例えばセンサーモジュール51は、一端部に流入口部52aを有し、他端部に流出口部52bを有したパイプ状部材51aに、上流側から、逆止弁53、圧力・流量センサー部55(流量センサーと圧力センサーとを一つにまとめたもの:本願の流量センサー、圧力センサーに相当)を内蔵させて構成される。なお、54は、センサーモジュール51の上流側のパイプ部分に組み付けられたアキュームレータを示す。そして、流入口部52aは浄水器40の流出部41bに接続され、圧力・流量センサー部55により、浄水器40から流出する二次側(下流側)の処理水の流量や圧力が検出されたり、逆止弁53により、二次側から浄水器40への逆流を阻止したりする構造にしてある。制御ユニット52は、例えば水中ポンプ2の水中モータ3とつながるインバータ56を有している(図4だけに一部図示)。また制御ユニット52は、例えばマイクロマイクロコンピュータで構成される制御部58を有している。この制御部58には、圧力・流量センサー部55から出力される圧力信号により、浄水器40から二次側の圧力が予め定められた一定の圧力に保たれるよう、水中モータ3の運転回転数をインバータ制御する機能が設定されている。つまり、水中ポンプ3の運転能力は、制御部58により、浄水器40において一定の処理流量が保たれるよう制御される。また制御部58には、圧力・流量センサー部55から出力される流量信号にしたがい、水中ポンプ3の起動・停止を制御する機能も設定されている。こうした設定により、水中ポンプ3が、浄水器40から下流側の流量情報や圧力情報により、自動で運転されるようにしている。
滅菌器60は、例えば図4および図5に示されるように注入モジュール61、滅菌用の薬液(例えば次亜塩素酸ナトリウムなど)が貯留された薬液タンク62、例えばダイヤフラムポンプで形成された薬液注入ポンプ63、制御部64から、一つのユニットに構成してある。例えば注入モジュール61は、一端部に流入口部62aを有し、他端部に流出口部62bを有したパイプ状部材61aに、上流側から、流量センサー部65、ヒータ部65a、薬液注入部66を組み付けて構成される。そして、流入口部62aが、配管部材67を通じて、自動運転ユニット50の流出口部52bに接続してある。薬液注入ポンプ63は、薬液タンク62内に収まるように組み付けてある。そして、同ポンプ63の吸込部63aが、ホース部材68a(図5だけに図示)を介して、薬液タンク62に接続される。また薬液注入ポンプ63の吐出部63bは、ホース部材68b(図5だけに図示)を介して、注入モジュール61の薬液注入部66に接続されていて、薬液注入ポンプ63の運転により、薬液タンク62内の薬液が、浄水器40から流出する二次側の処理水に対して注入されるようにしている。制御部64は、薬液タンク62の表面に実装された電装部64a(例えばマイクロコンピュータで構成されるもの)から構成される。この電装部64aには、流量センサー部65で検出される処理水の流量に応じ薬液注入ポンプ63の運転を制御して、適正な量の薬液を処理水に注入させる機能が設定されている。この注入される薬液で、処理水に含まれる一般細菌などが滅菌されるようにしている。
蛇口32aの直上流に配置されているマイクロろ過装置70は、図3〜図5に示されるように複数、例えば二つのマイクロろ過器71,71を滅菌器60の流出口部62bに接続した構造が用いられている。すなわち、マイクロろ過器71は、いずれも図5に示されるように縦置きされる縦長のフィルタハウジング72内に、フィルタカートリッジとして精密ろ過膜、例えばMFフィルタ(例えば0.1μ程度のポリプロピレン製精密中空糸膜)73を収容した構造が用いられる。具体的には、フィルタハウジング72は、有底縦筒形の本体部74と、同本体部74の開口部に脱着自在に取り付けられたキャップ75とを有して構成され、このうちの本体部74内にMFフィルタ73が内蔵させてある。キャップ75には、MFフィルタ73に処理水を通過させるための流入口部76a、流出口部76bが設けられている。これら二つのマイクロろ過器71,71が、スタンド部材76(図4および図5に一部しか図示せず)により、可搬台車16の幅方向に並べて、該台車26上に設置してある。各マイクロろ過器71,71の流入口部76aは、並列に組まれた配管部材78(本願の接続部に相当)を介して、滅菌器60の流出口部62bに接続されている。この最終段に配置されたMFフィルタ73により、滅菌処理を終えた処理水に含まれる微少な色度成分や有機物が取り除かれるようにしている。また各マイクロろ過器71,71の流出部75bには、それぞれ独立して、蛇口32aが接続されていて、それぞれ個別の蛇口32a,32aで、マイクロろ過器71,71の寿命がくるまで、独立して、給水が行なえるようにしている。と同時に、フィルタハウジング72にMFフィルタ73を収めて使用するか、図7に示されるようにフィルタハウジング72からMFフィルタ73を取外して使用するかにより、すなわちMFフィルタ73の有・無の選択により、処理水の水質が選択、つまり飲料水に適した水質や、飲料水ほどの品質を必要としない生活用水(手洗いなど)に適した水質の水に切り換えられるようにしている。なお、79は配管部材78に設けた点検用の圧力計を示す。
一方、図3、図4および図6中80は、手動式ポンプ装置である。手動式ポンプ装置80は、図4および図6に示されるように逆止弁53をバイパスさせるように、流路33に組み付けてある。すなわち、浄水器40から上流側、詳しくは逆止弁53までの流路部分には、分岐部材、例えばT形配管部81が組み込んであり、同部分に上方へ立ち上がる分岐部82を形成している。この分岐部82には、流路切換え用弁として例えばボール弁85(常時が「閉」器本願の切換手段に相当)を介装した直立配管86、手動操作式ポンプとしての例えば手押しポンプ87、継ぎ部材88、耐圧ホース89が順に接続される。最終のホース端は、圧力・流量センサー部55から下流側の流路33部分、例えば配管部材67に形成したT形配管部90に接続されている。つまり、浄化ユニット30に、手押しポンプ87が介装されたバイパス路87aを組み付けている。この構造により、水中ポンプ3を用いた浄化給水が期待できないときは、ボール弁85を開けて、手押しポンプ87を繰り返し操作することにより、逆止弁53を切換え用弁として活用して、水源地13から原水が汲み上げられるようにしている。
なお、図1中95は、災害時に使用される非常用電源、例えばエンジン駆動式発電機であり、同発電機95から、インバータ56を通じて、給水運転に必要な水中ポンプ2の電力が供給されたり、滅菌器60の作動に必要な電力が供給されるようにしている。
つぎに、このように構成された緊急用浄化装置1の作用について説明する。
今、地震などの災害が起こり、臨時の措置として、図2に示されるように水槽を水源地13として、水槽に貯溜された貯溜水を飲用水として供給するが決まったとする。
このときには、図2に示されるように水中ポンプ2を、耐圧ホース14とつないだまま、水槽の水底に配置する。また浄化ユニット30を給水に適した場所へ運んで設置する。なお、このときボール弁85は「閉」にしてある。
この後、非常電源、ここでは例えばエンジン式発電機95から、浄化ユニット30の各部(インバータ56や各種制御機器など)へ給電する。その後、蛇口32a,32aを利用したとする。すると、水中の水中ポンプ2は、圧力・流量センサー部55からの流量信号を受けて行なわれる制御部58の制御により、運転が開始される。
これにより、水槽内の貯溜水は、水中モータ3で駆動される多段ポンプ部4(自吸は不要)により、ネット部材12、スクリーン部材11を通じて、吸込口5へ吸い込まれる。このとき、ネット部材12、スクリーン部材11により、吸い込まれる原水には、木の葉などの大きなごみや異物が取り除かれる。
大きな異物が除去された原水は、ポンプ部4を経るうちに徐々に加圧される。そして、最終段まで加圧された原水が、吐出口体9から、耐圧ホース14、ニップル部材31aを通じて、地上に置かれている浄化ユニット30の浄水器40へ圧送される。
このとき原水は、ポンプ吸込水でなく、ポンプ吐出水で、浄化ユニット30へ供給されるので、取水地と浄化ユニット30と間の距離が、どのように離れていても、十分な供給量が浄化ユニット30へ供給される。
浄化ユニット30では、水中ポンプ2からの原水が、まず、浄水器40へ供給される。そして、この原水が、浄水器40を通過する間に、浄水器40のろ材(不織布フィルタ42a,活性炭フィルタ42b)により、原水に含まれるごみや有機物や濁度成分が取り除かれる。同浄水器40で処理された処理水は、一部はアキュームレータ54に蓄えられ、大部分は自動運転ユニット50のセンサーモジュール51を通じて、滅菌器60の注入モジュール61へ送られる。そして、処理水が、注入モジュール61を通過する間に、該処理水へ、薬液注入部66から薬液タンク62内の薬液が注入される。これにより、処理水は、該処理水に含まれる一般細菌などが滅菌され、若干の飲用に耐える、主に生活用水(手洗いや洗浄水など)に適した水質に浄化される。
続いて、処理水は、それぞれマイクロろ過器71,71へ導かれる。そして、最終段となる個別のMFフィルタ73にて、処理水に残存する微少な色度成分や微少な有機物が取り除かれる。これにより、処理水は、飲用水に適した水質に浄化される。そして、この水質の水が、各蛇口32a,32aから個別に出水される。
ここで、こうした出水が続き、浄水器40が、ごみや濁度成分により詰まりが生じたとする。
このままでは、浄水器40は、浄水性能に余裕があるにもかかわらず、流通抵抗の増大により、浄水器40の二次側の処理流量が低下する挙動を示すようになる。
このとき、圧力・流量センサー部55により、浄水器40から二次側の圧力が、先に詰まりにより低下した状況を検出したとする。すると、制御部58は、例えば予め設定された設定圧力値と検出した圧力値との差にしたがい水中ポンプ2の運転周波数を可変するインバータ56の制御により、水中ポンプ2の運転回転数を高める。このインバータ制御により、浄水器40から二次側の処理流量は回復する。こうした水中ポンプ2の運転回転数の制御(インバータ制御)により、浄水器40から二次側の圧力は一定に保たれる。これにより、たとえ浄水器40が詰まり始めても、浄水能力が有る間は、浄水器40から二次側からの浄水流量の低下は抑えられる。
それ故、蛇口32a,32aからは、どのような詰まり状況でも浄水能力が確保されている間は、一定な出水流量が約束できる。特に取水ポンプは、水中ポンプ2を採用して、吐出圧力下で、浄化ユニット30へ原水を圧送するようにしたので、水源地13から浄化ユニット30までが、どのような距離で離れていても、十分な取水量が約束できる。しかも、水中ポンプ2の吸込口5は、複数重のフィルタ部10により、吸い込まれる異物を初期段階でかなり減少させているので、水中ポンプ2と浄水器40の負担が大幅に軽減できる。
また蛇口32a,32の上流にマイクロろ過装置70を設けたことにより、飲料水に適するといった優れた水質の水が確保できる。特にマイクロろ過装置70は、蛇口32a,32aの上流側に配置するというレイアウトを採用したことで、たとえ浄化ユニット30の運転が停止してマイクロろ過装置70の内部に長時間、処理水が滞留しても、滞留した処理水は滅菌処理された水となる。このため、滞留した水が雑菌の影響を受けることはなく、衛生上に優れた出水が約束できる。
しかも、マイクロろ過装置70は、フィルタハウジング72内に脱着可能にMFフィルタ73を収めるマイクロろ過器71を活用して、飲料水に好適な水質を得るときは、MFフィルタ73を組み付け、飲料水ほど水質が必要でない生活用水のときは、図7に示されるようにフィルタハウジング72内からMFフィルタ73を抜き取って使用するようにしたので、寿命に限りがあるMFフィルタ73をできる限り長く利用しながら、必要な水質の水を出水することができる。特に複数のマイクロろ過器71に個別に蛇口32a(出水部)を設けたことにより、MFフィルタ73を十分に寿命がくるまで使用できる。
そのうえ、浄化ユニット30には手押しポンプ87が装備されているので、たとえ水中ポンプ2の故障や非常用電源の停電(故障による)などにより、水中ポンプ2による取水ができなくなったときには、手押しポンプ87の手動操作で、水源地13から取水、さらには浄化ができ、応急的に必要な水の確保ができる。しかも、手押しポンプ87は、自動運転に必要な逆流防止用の逆止弁52をバイパスさせて設けてあるので、浄水器40の二次側の逆止弁53は、そのまま手押しポンプ87を使用するときの流路切り替え弁として利用することができ、手押しポンプ87の切換えは、入・出側の2種類の弁を必要とせず、入り側のボール弁85(切換弁)だけでよく、切換え必要な弁などは最小限に抑えられる。このため、コスト的に安価ですむ。
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば一実施形態では、浄水器の二次側に、自動運転ユニット、滅菌器の順で配置した例を挙げたが、これに限らず、滅菌器、自動運転ユニットの順で配置しても構わない。また一実施形態では、非常電源を構成するエンジン駆動式発電機は、可搬台車とは、別に据え付けたが、これに限らず、エンジン駆動式発電機を可搬台車に搭載してもよい。
は本発明の一実施形態に係る緊急用浄化装置を概略的に示す図。 同装置の取水ポンプを、水源地に据え付ける状態と共に示す断面図。 同装置の浄化ユニットの全体を示す斜視図。 同装置の図3中のA矢視方向から見た平面図。 同装置の図3中B−B線から見た側面図。 同装置の図3中C−C線から見た側面図。 MFフィルタを抜き出したマイクロろ過器を用いて出水するときを示す側面図。
符号の説明
1…水中ポンプ、11,12…スクリーン部材,ネット部材(フィルタ部)、30…浄化ユニット、31…流入口、32a…蛇口(出水部)、33…流路、40…浄水器、53…逆止弁、55…圧力・流量センサ部(圧力センサ、流量センサ)、58…制御部(制御手段)、60…滅菌器、70…マイクロろ過装置、71…マイクロろ過器、72…フィルタハウジング、73…MFフィルタ(フィルタカートリッジ)、78…配管部材(接続部)、85…ボール弁(切換手段)、87…手押しポンプ(手動操作式ポンプ)、87a…バイパス路。

Claims (6)

  1. 水源地から原水を取水する取水ポンプと、同取水ポンプで取水された原水を浄化する浄化ユニットとを有し、
    前記浄化ユニットが、
    前記取水ポンプからの吐出水が流入する流入口と、処理を終えた水を出水するための出水部との間を連通する流路と、
    前記流路に設けられ、前記流入口からの原水を浄水する浄水器と、
    前記浄水器の二次側に設けられ前記浄水器への逆流を阻止する逆止弁と
    前記浄水器から二次側の流路部分の流量を検出する流量センサーと、
    前記浄水器から二次側の流路部分の圧力を検出する圧力センサーと、
    前記流量センサーの流量信号にしたがい前記取水ポンプの起動・停止を制御し、前記圧力センサーの圧力信号にしたがい前記取水ポンプの運転能力を前記浄水器から二次側の圧力が一定となるように制御する制御手段と、
    前記浄水器で処理された処理水へ薬液を注入して滅菌する滅菌器と
    を有して構成される
    ことを特徴とする緊急用浄化装置。
  2. 前記取水ポンプは、水源地の原水に浸漬して使用される水中ポンプであることを特徴とする請求項1に記載の緊急用浄化装置。
  3. 前記水中ポンプの吸込口は、複数重のフィルタ部で覆われていることを特徴とする請求項2に記載の緊急用浄化装置。
  4. 前記出水部の上流側には、滅菌を終えた処理水をろ過するマイクロろ過装置が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ一つに記載の緊急用浄化装置。
  5. 前記マイクロろ過装置は、流入・出部を有するフィルタハウジングの内部にフィルタカートリッジを交換可能に収めて構成される複数のマイクロろ過器と、各マイクロろ過器の流入部が前記滅菌器の薬液注入部から下流側の流路部分に並列に接続される接続部とを有し、各マイクロろ過器の流出部にそれぞれ独立して前記出水部が設けられ、前記出水部から出水される処理水の水質が、前記フィルタカートリッジの有・無により切り換え可能な構成にしてあることを特徴とする請求項4に記載の緊急用浄化装置。
  6. 前記流路には、前記逆止弁をバイパスするように前記流路から分岐するバイパス路と、このバイパス路に介装された手動操作式ポンプと、前記バイパス路に設けられ前記手動操作式ポンプへ処理水を導くための流路切換えを行なう切換手段とを有してなる手動式ポンプ装置が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の緊急用浄化装置。
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