JP2006120342A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷変動への追従性の良い燃料電池システムを提供する。
【解決手段】水素流路または空気流路と、冷却水流路11を設けたセパレータ34を有する燃料電池1において、冷却水流路11の下流側の冷却水流路の溝底を弾性部材14で構成し、弾性部材14の背面に圧力調整部15を設ける。そして冷却水流路11を流れる冷却水の流量が少ない場合に、圧力調整部15の圧力を高くし、弾性部材14によって冷却水流路11の冷却水流路断面積を小さくする。
【選択図】図3b

Description

本発明は負荷変動に対して追従性の良い燃料電池に関するものである。
燃料電池システムは、燃料が有する化学エネルギを直接電気エネルギに変換する装置であり、電解質膜を挟んで設けられた一対の電極のうち陽極に水素を含有する燃料ガスを供給するとともに、他方の陰極に酸素を含有する酸素剤ガスを供給し、これら一対の電極の電解質膜側の表面で生じる下記の電気化学反応を利用して電極から電気エネルギを取り出すものである。
陽極(アノード)反応:H2→2H++2e- 式(1)
陰極(カソード)反応:2H++2e-+(1/2)O2→H2O 式(2)
陽極に供給する燃料ガスは、水素貯蔵装置から直接供給する方法、水素を含有する燃料を改質して改質した水素含有ガスを供給する方法が知られている。水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリン等が考えられる。陰極に供給する燃料ガスとしては、一般的に空気が利用されている。
こうした燃料電池スタックを高負荷運転する場合には、カソード流路の上流から下流側に向かうにしたがって、温度が上昇するように温度分布をつけると、下流域でのフラッディングが抑制され性能が向上することが公知となっている。
しかしながら、車載用として燃料電池を使用する場合のように、低負荷運転から高負荷運転に急激に負荷を変動させた場合には、単位セル内の温度分布がその負荷変動に応じた適正な状態にすぐにはならないので、負荷変動させた瞬間からしばらくの間は負荷変動に応じた出力を出すことができない。
そこで例えば、低負荷から高負荷に急激に負荷が増加した場合には、冷却水の流量を少なくし燃料電池の反応熱が冷却水によって燃料電池外部に持ち出される量を少なくして、ガス流路の下流側での温度をできるだけ早く上昇させるようにする。また、高負荷から低負荷に急激に負荷が減少した場合は低負荷時の生成水量が少ないことから燃料電池の冷却が遅くなると下流側で燃料電池の熱によって膜が乾燥状態になってしまうため、冷却水の流量を増やし、素早く燃料電池を冷却することが必要である。そこで、燃料電池の運転状況および燃料電池入り出の温度差に応じて冷却水流量をコントロールするものが特許文献1に開示されている。
特開2003−267065号公報
しかし、上記の発明では、冷却水の流量を少なくした場合に冷却水の流量を少なくすると、単位セル間に分配される冷却水の流量にばらつきが生じ、単位セル間で温度をばらつきが生じ、燃料電池を劣化させる恐れがあるので、冷却水の流量を少なくすることができず、負荷変動に対して燃料電池の負荷追従性を良くすることができない、といった問題点がある。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、単位セル間での温度のばらつきを防止し、燃料電池の劣化を防止し、燃料電池の負荷追従性を良くすることを目的とする。
本発明では、水素または酸化剤が流れるガス流路と、ガス流路を設けた面の背面に冷却水が流れる冷却水流路を設けたセパレータを有する燃料電池と、冷却水流路に冷却水を供給し、燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、冷却水流路を流れる冷却水の流量が少ない場合に冷却水の冷却水流れ方向の冷却水流路断面積を小さくする冷却水流路断面積制御手段を備える。
本発明によると、冷却水の流量が少ない場合に、冷却水流路の流路断面積を小さくすることができるので、冷却水流路の流路抵抗が大きくなる。そのため冷却水流路の圧力が高くなり、冷却水が少ない場合でも燃料電池に流れる冷却水を均一に流すことができ、燃料電池の劣化を防止することができる。そのため、例えば燃料電池の負荷が急激に増えた場合でも、より少ない冷却水を燃料電池に均一に供給できるので、負荷変化に対して燃料電池の負荷追従性を良くすることができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムについて図1の概略図を用いて説明する。
この実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1と、水素供給マニホールド2を介して燃料電池1に水素を供給する水素ボンベ3と、空気供給マニホールド4を介して燃料電池1に空気を供給するコンプレッサ5を備える。また、燃料電池1を冷却する冷却水を循環させる冷却水循環部(燃料電池冷却手段)6と、後述する冷却水流路11の冷却水流路断面積を変更する冷却水流路断面積変更部(冷却水流路断面積制御手段)7を備える。
ここで燃料電池1について図2の概略図を用いて説明する。燃料電池1は単位セル30を積層して構成される。単位セル30は電解質膜31の両面にガス拡散層32、33を設け、その外側にセパレータ34、35を備える。ガス拡散層32、33はカーボンに白金などの触媒を担持させている。ここではガス拡散層32とセパレータ34をアノード36とし、ガス拡散層33とセパレータ35をカソード37とする。
次にセパレータ34について図3a、bを用いて説明する。図3aは単位セル積層方向から見た正面図であり、図3bは図3aのA−A断面図である。
セパレータ34は水素ボンベ3から水素流路(ガス流路、図示せず)に水素を供給する水素供給マニホールド2と、単位セル30で使用されなかった水素を含む排出ガスを単位セル30から排出する水素排出マニホールド8と、コンプレッサ5から空気流路(ガス流路、図示せず)に空気を供給する空気供給マニホールド4と、単位セル30で使用されなかった空気を含む排出ガスを単位セル30から排出する空気排出マニホールド9を備える。また、後述する圧力調整部14に空気を供給する圧力調整部マニホールド10を備える。また、単位セル30を冷却する冷却水が流れる冷却水流路11と、冷却水流路11に冷却水を供給する冷却水供給マニホールド12と、冷却水を冷却水流路11から排出する冷却水排出マニホールド13を備える。
冷却水流路11の下流部は、冷却水流路11の溝底が弾性部材14で構成され、弾性部材14で構成された溝底の背面側に空間15を設ける。つまり空間15と冷却水流路11を弾性部材14で隔離している。この空間15内の圧力を調整することで、冷却水流路11の下流部の冷却水流路断面積を制御する(以下、この空間15を圧力調整部15とする)。この圧力調整部15は圧力調整部マニホールド10と連通しており、後述する冷却水流路変更部7によって圧力調整部15内の圧力が制御される。なお、圧力調整部15は、弾性部材12の背面側にだけ設けられ、圧力調整部マニホールド10以外とは連通していない。なお、圧力調整部マニホールド10はコンプレッサ5と接続していない端部は、閉塞されている。つまり、一方が閉塞された圧力調整部マニホールド10を介して圧力調整部15に空気が供給、排出される。弾性部材12が変形した場合でも圧力調整部15に冷却水が流れないようにセパレータ11と弾性部材12の間にはシール部材を設ける。
次に圧力調整部15に圧力調整部マニホールド10を介して空気を導入、排出させて冷却水流路11の冷却水流路断面積を変更する冷却水流路変更部7について説明する。冷却水流路変更部7は、コンプレッサ5と圧力調整部マニホールド10を接続する空気導入路40と、空気導入路40から分岐し、燃料電池1の外部と圧力調整部マニホールド10を接続する空気排出路41を備える。空気導入路40には空気排出路41と分岐するよりも上流側に圧力制御弁42を備え、空気排出路41にはバルブ43を備える。また、圧力調整部マニホールド10の上流に圧力調整部15の圧力を検出する圧力センサ44を備える。
冷却水流路変更部7は以上の構成によって、圧力制御弁42を開き、バルブ43を閉じてコンプレッサ5からセパレータ34の圧力調整部15に空気を導入し、圧力調整部15の圧力を高くすることができる。また、圧力制御弁42と閉じ、バルブ43を開いて空気排出路41から圧力調整部15内の空気を外部へ排出させて、圧力調整部15の圧力を低くすることができる。弾性部材14は圧力調整部15の圧力と冷却水流路11の圧力によって変形し、冷却水流路11の冷却水流路断面積、つまり流路抵抗を変更することができる。
なお、この実施形態では空気排出路41を空気導入路40から分岐させたが、圧力調整部マニホールド10の一方を閉塞させずに空気排出路41と接続、つまり圧力調整部マニホールド10の一方が空気導入路40と接続し、もう一方が空気排出路41と接続するようにしてもよい。
次に燃料電池1を冷却する冷却水循環部6について説明する。冷却水循環部6は、冷却水を蓄える冷却水タンク20と、冷却水タンク20内の冷却水を冷却水供給マニホールド12を介して冷却水流路11に循環させるポンプ21と、冷却水排出マニホールド13を介して冷却水流路11から排出された冷却水を冷却するラジエータ22を備える。冷却水タンク20内の冷却水はポンプによって燃料電池1の冷却水流路11を通り、燃料電池1を冷却する。そして温度の高くなった冷却水はラジエータ22によって冷却され、再び冷却水タンク20内に戻される。また、燃料電池1に供給する冷却水の温度を検出する温度センサ23と、燃料電池1から排出された冷却水温度を検出する温度センサ24と、燃料電池1から排出された冷却水の圧力を検出する圧力センサ25を備える。
また、温度センサ23、24、圧力センサ25、44によって検出した温度、圧力から水素流量制御弁16、燃料電池1内の圧力を調整する調圧弁17、18、ポンプ21、圧力制御弁42、バルブ43などを制御するコントローラ100を備える。
以上の構成によって、圧力調整部15の圧力を変化させて弾性部材14を変形させ、冷却水流路1の下流部の冷却水流路断面積を変更することができ、燃料電池1の冷却性能を制御することができる。
次に圧力調整部15の圧力と、冷却水流路11の圧力、すなわち冷却水流路11の水圧の圧力差による弾性部材14の様子を図4、図5を用いて説明する。図4は圧力調整部15の圧力が冷却水流路11の圧力よりも小さい場合であり、図5は圧力調整部15の圧力が冷却水流路11の圧力よりも大きい場合である。また、圧力調整部15の圧力と冷却水流路11の圧力差と冷却水流路11の断面積との関係を図6に示す。なお、図6において圧力調整部15の圧力が高い場合を正とする。
バルブ43が閉じ、圧力調整弁42が開くと、コンプレッサ5によって圧力調整部15内に空気が供給され、圧力調整部15内の圧力が高くなる。そして冷却水流路11を流れる冷却水の圧力よりも圧力調整部15の圧力が高くなり、その圧力差が所定圧よりも高くなると、弾性部材14は図4に示すように冷却水流路11の内部へ凸形状となるように変形する。これによって冷却水流路11の下流部の冷却水流路断面積が小さくなり、冷却水流路11の流路抵抗が大きくなる。冷却水流路11を流れる冷却水の流量が少ない場合には、単位セル30内の複数の冷却水流路11に均一に冷却水を流すことが困難であるが、冷却水流路11の流路抵抗を大きくすることで、冷却水流路11内の圧力を高くし、複数の冷却水流路11に均一に冷却水を流すことができる。
バルブ43を開き、圧力調整弁42を閉じると、圧力調整部15が空気排出路41を介して外部と連通することで、圧力調整部15は大気圧となり、冷却水流路11を流れる冷却水の水圧よりも圧力調整部15の圧力が低くなり、その圧力差が所定圧よりも低くなると、弾性部材14は図5に示すように圧力調整部15の内部へ凸形状となるように変形する。これによって冷却水流路11の下流部の冷却水流路断面積が大きくなり、流路抵抗が小さくなる。そのため冷却水流路11の多くの冷却水を流すことができ、燃料電池1を素早く冷却することができる。
次にこの実施形態の冷却水流路11の断面積制御について図7のフローチャートを用いて説明する。なお、通常時にはバルブ43を開き、圧力制御弁42を閉じて圧力調整部15の圧力を大気圧とする。
ステップS100では、図示しない負荷検出手段によって燃料電池1に要求された負荷r2を検出し、現在の負荷r1との時間あたりの負荷変動率Rを算出する。
ステップS101では、負荷変動率Rが規定値(第1所定値)R1よりも大きいかどうか判断する。そして負荷変動率Rが規定値R1よりも大きい場合にはステップS102へ進み、負荷変動率Rが規定値R1よりも小さい場合にはステップS108へ進む。規定値R1は燃料電池1の負荷が低負荷から高負荷へ変化した場合に、燃料電池1に負荷の増加に伴い生成された水の増加によってフラッディングが生じる可能性のある負荷変動率である。
ステップS102では、燃料電池1の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池1の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池1の上流での冷却水温度を検出する。そして燃料電池1の下流と上流の温度差ΔT、つまり燃料電池1での熱交換により高くなった冷却水の温度差ΔTを算出する。温度差ΔTが大きくなると、燃料電池1と冷却水との熱交換量が多い、すなわち燃料電池1の温度が高くなっている状態を示す(ステップS102が温度検出手段を構成する)。
ステップS103では、ステップS102で算出したΔTが規定温度差T1よりも大きいかどうか判断する。そして温度差ΔTが規定温度差T1よりも小さい、すなわち負荷変動率Rが規定値R1よりも大きく、かつ温度差ΔTが規定温度差T1よりも小さい場合には、燃料電池1の温度が低いと判断しステップS104へ進み、温度差ΔTが規定温度差T1よりも大きい、すなわち負荷変動率Rが規定値R1よりも大きく、かつ温度差ΔTが規定温度差T1よりも大きい場合には、燃料電池1の温度が高くなっていると判断しステップS107へ進む。規定温度差T1は、負荷変動率Rが規定値R1よりも大きくなった場合に、負荷変動率Rにフラッディングを生じずに運転をすることが可能か否かを判断する温度差である。つまり、温度差ΔTが規定温度差T1よりも大きい場合には、燃料電池1の温度が高いので冷却水の流量を後述するQ2としても燃料電池1にフラッディングを生じずに、燃料電池1に要求された負荷変動に応じて発電を行うことができる。
ステップS104では、燃料電池1の温度が低く、燃料電池1に要求された負荷変動に応じて発電を行うと、フラッディングを生じると判断されたので、ポンプ21を制御して冷却水の流量QをQ1に減少する。またバルブ43を閉じ、圧力制御弁42を開き、コンプレッサ5から圧力調整部15に空気を供給する。そして圧力センサ44と圧力センサ25との圧力差ΔPを算出し、圧力差ΔPが所定の圧力差P1となるように圧力調整部15を昇圧し、弾性部材14を冷却水流路11側へ凸形状となるように変形させる。これにより冷却水流路11の冷却水流路断面積を小さくなり、冷却水流路11の流路抵抗を大きくなる。流量Q1と圧力差P1は負荷変動率Rによって予め設定される流量と圧力差であり、燃料電池1の温度を素早く上昇させ、フラッディングが生ずることがなく、かつ複数の単位セル30の冷却水流路11に冷却水を均一に流すことができる流量と圧力差である。なお、圧力差ΔPが圧力差P1となった場合には、圧力制御弁42を閉じて、圧力差ΔPを圧力差P1に保つ(コンプレッサ5と圧力調整弁42が圧力制御手段を構成する)。
この制御により、燃料電池1へ供給される冷却水の流量を減少することで、燃料電池1の温度を高くし、温度の高くなった燃料電池1の熱により負荷変動に応じて増加する生成水のフラッディングを防止することができる。また、冷却水流路11の流路抵抗を大きくすることで、冷却水流路11の圧力を高くし、冷却水の流量が減少しても各単位セル30に均一に冷却水を流すことができ、単位セル30の温度を均一にすることができる。そのため燃料電池1の劣化を防止することができる。
ステップS105では、燃料電池1の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池1の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池1の上流での冷却水温度を検出する。そして、燃料電池1の下流と上流の温度差ΔT、つまり燃料電池1での熱交換により高くなった冷却水の温度差ΔTを算出する。
ステップS106では、ステップS105で算出したΔTと規定温度差T2を比較する。そして温度差ΔTが規定温度差T2よりも大きくなるとステップS107へ進む。規定温度差T2は冷却水の流量を後述するQ2とした場合に、フラッディングを生じない温度まで燃料電池1が十分に温められ、かつ燃料電池1の温度が高くなり過ぎるのを防止、すなわち燃料電池1の過昇温による劣化を防止する温度差である。つまりステップS103とステップS106の規定温度差T1、T2は、冷却水の流量を後述するQ2とする場合に、燃料電池1がフラッディングを生じない所定温度(第1所定温度)となることを示す。
ステップS107では、燃料電池1の温度が高く、燃料電池1がフラッディングを生じないと判断されたので、バルブ43を開き、圧力調整部15と外部を空気排出路41によって連通させ、圧力調整部15を大気圧とする。またポンプ21を制御して冷却水の流量Qを流量Q2とする。なお、流量Q2は負荷r2によって予め設定される流量であり、燃料電池1にフラッディング、ドライアウトを生じさせない温度に保つことのできる流量である。
この制御では圧力調整部15を大気圧とすることで、弾性部材14を圧力調整部15側へ凸形状となるように変形させる。これにより冷却水流路11の冷却水流路断面積を大きく、つまり流路抵抗を小さくすることで、ポンプ21の負荷を低減し、燃料電池システムのシステム効率を良くすることができる。
一方、ステップS101において負荷変動率Rが規定値R1よりも小さいと判断した場合には、ステップS108において負荷変動率Rが規定値(第2所定値)R2よりも小さいかどうか判断する。そして、負荷変動率Rが規定値R2よりも小さい場合にはステップS109へ進む。なお規定値R2は負の値であり、燃料電池1の負荷が高負荷から低負荷へ変化した場合である。また規定値R2は現在の冷却水の流量では、燃料電池1に負荷の減少に伴う生成水の減少によってドライアウトが生じる可能性のある負荷変動率である。負荷変動率Rが規定値R2よりも大きい場合、つまり負荷変動率Rが小さい場合(R2<R<R1)にはステップS115へ進む。
ステップS109では、燃料電池1の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池1の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池1の上流での冷却水温度を検出する。そして、燃料電池1の下流と上流の温度差ΔTを算出する。
ステップS110では、ステップS109で算出したΔTが規定温度差T3よりも小さいかどうか判断する。そして温度差ΔTが規定温度差T3よりも大きい、すなわち負荷変動率Rが規定値R2よりも小さく、かつ温度差ΔTが規定温度差T3よりも大きい場合には、燃料電池1の温度が高くなっていると判断しステップS111へ進み、温度差ΔTが規定温度差T3よりも小さい、すなわち負荷変動率Rが規定値R2よりも小さく、かつ温度差ΔTが規定温度差T3よりも小さい場合には、燃料電池1の温度が低いと判断しステップS114へ進む。規定温度差T3は、負荷変動率Rが規定値R2よりも小さい場合に、燃料電池1がドライアウトを生じずに運転をすることが可能か否かを判断する温度差である。つまり、温度差ΔTが規定温度差T3よりも低い場合には、冷却水の流量を後述するQ3としても燃料電池1にドライアウトを生じずに、燃料電池1に要求された負荷変動に応じて発電を行うことができる。
ステップS111では、燃料電池1の温度が高く、燃料電池1に要求された負荷変動に応じて発電を行うと、ドライアウトを生じると判断されたので、ポンプ21を制御して冷却水の流量QをQ3に増加させる。また、バルブ43を開き、圧力制御弁42を閉じ、圧力調整部15を大気圧とする。これによって弾性部材14を圧力調整部15側へ凸形状となるように変形させる。これにより冷却水流路11の冷却水流路断面積、つまり流路抵抗を小さくすることができる。冷却水の流量を増やすことで、燃料電池1を素早く冷却することができ、燃料電池1の水素流路、空気流路のドライアウトを防止することができる。また、流路抵抗を小さくすることで、ポンプ21の負荷を低減し、燃料電池システムのシステム効率を良くすることができる。流量Q3は負荷変動率Rによって予め設定され、燃料電池1にドライアウトを生じさせない流量である。
ステップS112では、燃料電池1の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池1の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池1の上流での冷却水温度を検出する。そして、燃料電池1の下流と上流の温度差ΔTを算出する。
ステップS113では、ステップS110で算出したΔTと規定温度差T4を比較する。そして温度差ΔTが規定温度差T4よりも小さくなるとステップS114へ進む。規定温度差T4は冷却水の流量を後述するQ4とした場合に、ドライアウトを生じない温度まで燃料電池1が十分に冷却され、かつ燃料電池1の温度が低くなり過ぎるのを防止する温度差である。つまりステップS110とステップS113の規定温度差T3、T4は、冷却水の流量をQ4とする場合に、燃料電池1がドライアウトを生じない所定温度(第2所定温度)となることを示す。
ステップS114では、燃料電池1の温度が低く、燃料電池1に要求された変動に応じて発電を行っても、ドライアウトを生じないと判断されたので、ポンプ21を制御して冷却水の流量QをQ4に減少させる。またバルブ43を閉じ、圧力制御弁42を開き、コンプレッサ5から圧力調整部15に空気を供給する。そして圧力センサ44と圧力センサ25との圧力差ΔPを算出し、圧力差ΔPが所定の圧力差P2となるように圧力調整部15を昇圧し、弾性部材14を冷却水流路11側へ凸形状となるように変形させ、冷却水流路11の冷却水流路断面積を小さくし、冷却水流路11の流路抵抗を大きくする。流量Q4と圧力差P2は負荷変動率Rによって予め設定される流量と圧力差であり、ドライアウトを生じさせずに複数の単位セル30の冷却水流路11に冷却水を均一に流すことができる流量と圧力差である。なお、圧力差ΔPが圧力差P2となった場合には、圧力制御弁42を閉じて、圧力差ΔPを圧力差P2に保つ。
この制御では、冷却水の流量が少ない場合には冷却水流路11の流路抵抗を大きくすることで、冷却水流路11の圧力を高くし、各単位セル30に冷却水を均一に流すことができ、燃料電池1の温度を均一にし、燃料電池1の劣化を防止することができる。
ステップS108で負荷変動率Rが既定値R2よりも小さい、すなわち負荷変動率Rが小さいと判断されると、ステップS115では、ステップS100で要求された負荷r2に応じて冷却水の流量を制御する。なお、要求された負荷r2が小さく、冷却水の流量が少ない場合には、バルブ43を閉じ、圧力制御弁42を制御し、コンプレッサ5にから圧力調整部15に空気を供給する。そして圧力センサ44と圧力センサ25との圧力差ΔPを算出し、圧力差ΔPが所定の圧力差となるように圧力調整部15を昇圧し、弾性部材14を冷却水流路11側へ凸形状となるように変形させ、冷却水流路11の冷却水流路断面積を小さくし、冷却水流路11の流路抵抗を大きくし、冷却水の流量が少ない場合でも各単位セル30に冷却水が均一に流す。
この制御では、負荷変動率Rが小さいので、負荷変動率R、つまり要求された負荷R2に応じて冷却水の流量を変えるだけで、負荷変動に追従して燃料電池1の温度を制御できる。
以上の制御により、冷却水流路11の冷却水の流量が少ない場合には、圧力調整部15にコンプレッサ5から空気を供給し、冷却水流路11の流路抵抗を大きくすることで、冷却水を各単位セル30に均一に流すことができ、燃料電池1の温度を均一にすることができ、燃料電池1の劣化を防止することができる。そのため低負荷から高負荷への負荷変動率Rが大きい場合に、燃料電池1の劣化を防止し、さらに冷却水の流量を少なくすることができ、燃料電池1の温度を素早く制御し、負荷変動に素早く追従することができる。
また、低負荷から高負荷への負荷変動率Rが大きい場合に、冷却水流路11の流路抵抗を小さくすることで、ポンプ21の負荷を低減し、燃料電池システムのシステム効率を良くすることができる。
なお、この実施形態では圧力調整部15にコンプレッサ5から空気を導入したが、図8に示すように、水素ボンベ3から水素を圧力調整部15に導入してもよい。このとき圧力調整部15から排出された水素は、水素供給マニホールド2を介して、アノード36に供給される。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
ここで、低負荷から高負荷へ或る負荷変動率で変動した場合(本発明のステップ103からステップS104)の時間経過に対する燃料電池の出力応答を図9に示す。なお、本発明を用いない場合の燃料電池1の出力を破線で示し、本発明を用いた場合の燃料電池1の出力を実線太線で示す。
時間t1において、燃料電池1に要求された負荷が増加すると、燃料電池1の発電反応による生成水が増加するので、生成水によるフラッディングを防止するために冷却水の流量を減らし、燃料電池1の温度を上昇させる。
しかし、本発明を用いない場合には、冷却水の流量が少なくなると各単位セル30を流れる冷却水にばらつきがでるために、燃料電池1の一部が過昇温になり、燃料電池1を劣化させないように冷却水の流量をあまり少なくすることができない。そのため、燃料電池1の温度を素早く高くすることができない。そのため、時間t3において燃料電池1の出力が要求される出力となる。
一方、本発明を用いた場合には、負荷変動率に応じて冷却水流路11の冷却水流路断面積を小さくし、流路抵抗を大きくする。これによって冷却水流路11の圧力が高くなり、冷却水の流量を少なくした場合でも、各単位セル30に冷却水を均一に流すことができる。そのため燃料電池1の劣化を防ぎ、さらに冷却水の流量をより少なくすることができるので、燃料電池1の温度を素早く高くすることができる。その結果時間t3よりも短い時間t2において、燃料電池1の出力が要求された出力となる。
この実施形態では、負荷変動率Rが規定値R1よりも大きく、かつ温度差ΔTが規定温度差T1よりも小さい場合には、冷却水の流量Qを流量Q1に減らし、燃料電池1のフラッディングを防止する。さらに圧力調整部15の圧力を高くすることで冷却水流路11の冷却水流路断面積を小さくし、流路抵抗を小さくすることで各単位セル30の冷却水流路11に冷却水を均一に流すことができ、燃料電池1の劣化を防止することができる。そのため冷却水流路11に流す冷却水をより少なくすることができ、燃料電池1の温度を素早く制御することができ、負荷変動に追従した燃料電池1の発電を行うことができる。
さらに、温度差ΔTが所定温度差T1よりも小さくなると、圧力調整部15を大気圧とし、冷却水の流路を増やすことで、ポンプ21の負荷を低減し、燃料電池システムの効率を良くすることができる。
また、負荷変動率Rが規定値R2よりも小さく、かつ温度差ΔTが規定温度差T2よりも大きい場合には、冷却水の流量Qを流量Q3に増やし、圧力調整部15を大気圧とすることで、流路抵抗を小さくし、冷却水をより多く流すことができる。そのため素早く燃料電池1を冷却することができ、燃料電池1のドライアウトを防止することができる。
冷却水流路11の下流部に弾性部材を介して圧力調整部15を設け、圧力調整部15の圧力を変更することによって、冷却水流路11の冷却水流路断面積を変更することができる。そのため簡単な構成で負荷変動に追従した燃料電池1の発電を行うことができる。
次に本発明の第2実形態の燃料電池システムを図10に示す。この実施形態は第1実施形態の冷却水流路の冷却水流路断面積を変更する冷却水流路変更部7を設けずに、燃料電池50の水素供給マニホールド冷却水流路の冷却水流路断面積を変更する。なお、圧力センサ44を空気供給マニホールド64の上流に設ける。
次にこの実施形態の単位セル60を図11、図12を用いて説明する。この実施形態は、第1実施形態と単位セル60の構成が異なっており、ここでは燃料電池50の構成ついて説明する。図11は隣接する単位セル60を単位セル積層方向から見た正面図であり、図12は図11のA−A断面概略図の一部である。なお、ここでは電解質膜などは省略し、隣接する単位セル60のセパレータ61とセパレータ62のみを示す。
単位セル60のセパレータ61はコンプレッサ5から空気流路63に空気を供給する空気供給マニホールド64と、単位セル60で使用されなかった空気を含む排出ガスを単位セル60から排出する空気排出マニホールド65と、水素ボンベ3からセパレータ62の水素流路66に水素を供給する水素供給マニホールド67と、単位セル60で使用されなかった水素を含む排出ガスを単位セル60から排出する水素排出マニホールド68を備える。また、単位セル60を冷却する冷却水が流れる冷却水流路69と、冷却水流路69に冷却水を供給する冷却水供給マニホールド70と、冷却水を冷却水流路69から排出する冷却水排出マニホールド71を備える。
隣接する単位セル60のセパレータ61とセパレータ62の間には冷却水が流れる冷却水流路69が形成される。
セパレータ61は金属セパレータであり、空気流路63の溝底63aが薄く、弾性変形し易く成型される。なお、セパレータ61は金属セパレータ61以外でも良く。溝底63aが弾性変形できればよい。また、セパレータ61は、空気流路63の下流(図中、斜線部で示す領域B)の厚さを他の空気流路63よりも薄くし、弾性変形し易いようにする。なお、領域Bは厚さを変更する以外でも弾性変形し易いようにすれば良い。なお、セパレータ62についてはセパレータ61と同様の形状とする。
この構成によって冷却水流路69と空気流路63の圧力によって空気流路63の下流の冷却水流路断面積、つまり流路抵抗を変更することができる。
次にこの実施形態の冷却水制御動作について図13のフローチャートを用いて説明する。
ステップS200では、図示しない負荷検出手段によって燃料電池50に要求された負荷r2を検出し、現在の負荷r1との時間あたりの負荷変動率Rを算出する。
ステップS201では、負荷変動率Rが規定値(第1所定値)R1よりも大きいかどうか判断する。そして負荷変動率Rが規定値R1よりも大きい場合にはステップS202へ進み、負荷変動率Rが規定値R1よりも小さい場合にはステップS208へ進む。規定値R1は燃料電池50の負荷が低負荷から高負荷へ変化した場合に、燃料電池50に負荷の増加に伴い生成された水の増加によってフラッディングが生じる可能性のある負荷変動率である。
ステップS202では、燃料電池50の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池50の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池50の上流での冷却水温度を検出する。そして燃料電池50の下流と上流の温度差ΔT、つまり燃料電池50での熱交換により高くなった冷却水の温度差ΔTを算出する。温度差ΔTが大きくなると、燃料電池50と冷却水との熱交換量が多い、すなわち燃料電池50の温度が高くなっている状態を示す(ステップS202が温度検出手段を構成する)。
ステップS203では、ステップS202で算出したΔTが規定温度差T1よりも大きいかどうか判断する。そして温度差ΔTが規定温度差T1よりも小さい、すなわち負荷変動率Rが規定値R1よりも大きく、かつ温度差ΔTが規定温度差T1よりも小さい場合には、燃料電池50の温度が低いと判断しステップS204へ進み、温度差ΔTが規定温度差T1よりも大きい、すなわち負荷変動率Rが規定値R1よりも大きく、かつ温度差ΔTが規定温度差T1よりも大きい場合には、燃料電池50の温度が高くなっていると判断しステップS207へ進む。規定温度差T1は、負荷変動率Rが規定値R1よりも大きくなった場合に、負荷変動率Rにフラッディングを生じずに運転をすることが可能か否かを判断する温度差である。つまり、温度差ΔTが規定温度差T1よりも大きい場合には、冷却水の流量を後述するQ2としても燃料電池50にフラッディングを生じずに、燃料電池50に要求された負荷変動に応じて発電を行うことができる。
ステップS204では、燃料電池50の温度が低く、燃料電池50に要求された負荷変動に応じて発電を行うと、フラッディングを生じると判断されたので、ポンプ21を制御して冷却水の流量QをQ1に減少する。また、圧力センサ44と圧力センサ25との圧力差ΔPを算出し、圧力差ΔPが所定の圧力差P1となるように調圧弁18によって空気流路63の圧力を制御する。空気流路63を流れる空気流量が多くなり、冷却水流路69を流れる流量が少なくなったので、空気流路63と冷却水流路69の圧力差によって、空気流路63の溝底63aは冷却水流路69側へ凸形状となり、冷却水流路69の冷却水流路断面積が小さくなる、つまり流路抵抗が大きくなる。流量Q1と圧力差P1は負荷変動率Rによって予め設定される流量と圧力差であり、燃料電池50の温度を素早く上昇させ、フラッディングが生ずることがなく、かつ複数の単位セル30の冷却水流路11に冷却水を均一に流すことができる流量と圧力差である。なお、圧力差ΔPが圧力差P1となった場合には、調圧弁18によって、圧力差ΔPを圧力差P1に保つ(コンプレッサ5と調圧弁18がガス流路圧力制御手段を構成する)。
この制御により、燃料電池50へ供給される冷却水の流量を減少することで、燃料電池50の温度を高くし、温度の高くなった燃料電池50の熱により負荷変動に応じて増加する生成水のフラッディングを防止することができる。また、冷却水流路69の流路抵抗を大きくすることで、冷却水流路69の圧力を高くし、冷却水の流量が減少しても各単位セル60に均一に冷却水を流すことができ、単位セル60の温度を均一にすることができる。そのため燃料電池50の劣化を防止することができる。
ステップS205では、燃料電池50の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池50の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池50の上流での冷却水温度を検出する。そして、燃料電池50の下流と上流の温度差ΔT、つまり燃料電池50での熱交換により高くなった冷却水の温度差ΔTを算出する。
ステップS206では、ステップS205で算出したΔTと規定温度差T2を比較する。そして温度差ΔTが規定温度差T2よりも大きくなるとステップS207へ進む。規定温度差T2は冷却水の流量を後述するQ2とした場合に、フラッディングを生じない温度まで燃料電池50が十分に温められ、かつ燃料電池50の温度が高くなり過ぎるのを防止、すなわち燃料電池50の過昇温による劣化を防止する温度差である。つまりステップS103とステップS106の規定温度差T1、T2は、冷却水の流量を後述するQ2とする場合に、燃料電池1がフラッディングを生じない所定温度(第1所定温度)となることを示す。
ステップS207では、燃料電池50の温度が高く、燃料電池50がフラッディングを生じないと判断されたので、ポンプ21を制御して冷却水の流量Qを流量Q2とする。なお、流量Q2は負荷r2によって予め設定される流量であり、燃料電池50にフラッディング、ドライアウトを生じさせない温度に保つことのできる流量である。
一方、ステップS201において負荷変動率Rが規定値R1よりも小さいと判断した場合には、ステップS208において負荷変動率Rが規定値(第2所定値)R2よりも小さいかどうか判断する。そして、負荷変動率Rが規定値R2よりも小さい場合にはステップS209へ進む。なお規定値R2は負の値であり、燃料電池50の負荷が高負荷から低負荷へ変化した場合である。また規定値R2は現在の冷却水の流量では、燃料電池50に負荷の減少に伴う生成水の減少によってドライアウトが生じる可能性のある負荷変動率である。負荷変動率Rが規定値R2よりも大きい場合、つまり負荷変動率Rが小さい場合(R2<R<R1)にはステップS215へ進む。
ステップS209では、燃料電池50の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池50の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池50の上流での冷却水温度を検出する。そして、燃料電池50の下流と上流の温度差ΔTを算出する。
ステップS210では、ステップS209で算出したΔTが規定温度差T3よりも小さいかどうか判断する。そして温度差ΔTが規定温度差T3よりも大きい、すなわち負荷変動率Rが規定値R2よりも小さく、かつ温度差ΔTが規定温度差T3よりも大きい場合には、燃料電池50の温度が高くなっていると判断しステップS211へ進み、温度差ΔTが規定温度差T3よりも小さい、すなわち負荷変動率Rが規定値R2よりも小さく、かつ温度差ΔTが規定温度差T3よりも小さい場合には、燃料電池50の温度が低いと判断しステップS214へ進む。規定温度差T3は、負荷変動率Rが規定値R2よりも小さい場合に、燃料電池50がドライアウトを生じずに運転をすることが可能か否かを判断する温度差である。つまり、温度差ΔTが規定温度差T3よりも低い場合には、冷却水の流量を後述するQ3としても燃料電池50にドライアウトを生じずに、燃料電池50に要求された負荷変動に応じて発電を行うことができる。
ステップS211では、燃料電池50の温度が高く、燃料電池50に要求された負荷変動に応じて発電を行うと、ドライアウトを生じると判断されたので、ポンプ21を制御して冷却水の流量QをQ3に増加させる。これによって溝底63aを空気流路63側へ凸形状となるように変形させる。これにより冷却水流路63の冷却水流路断面積を大きく、つまり流路抵抗を小さくすることができる。冷却水の流量を増やすことで、燃料電池50を素早く冷却することができ、燃料電池50の水素流路、空気流路のドライアウトを防止することができる。また、流路抵抗を小さくすることで、ポンプ21の負荷を低減し、燃料電池システムのシステム効率を良くすることができる。流量Q3は負荷変動率Rによって予め設定され、燃料電池50にドライアウトを生じさせない流量である。
ステップS212では、燃料電池50の下流側に設けた温度センサ24によって燃料電池50の下流での冷却水温度を検出し、上流側に設けた温度センサ23によって燃料電池50の上流での冷却水温度を検出する。そして、燃料電池50の下流と上流の温度差ΔTを算出する。
ステップS213では、ステップS210で算出したΔTと規定温度差T4を比較する。そして温度差ΔTが規定温度差T4よりも小さくなるとステップS214へ進む。規定温度差T4は冷却水の流量を後述するQ4とした場合に、ドライアウトを生じない温度まで燃料電池50が十分に冷却され、かつ燃料電池50の温度が低くなり過ぎるのを防止する温度差である。つまりステップS210とステップS213の規定温度差T3、T4は、冷却水の流量をQ4とする場合に、燃料電池1がドライアウトを生じない所定温度(第2所定温度)となることを示す。
ステップS214では、燃料電池50の温度が低く、燃料電池50に要求された変動に応じて発電を行っても、ドライアウトを生じないと判断されたので、ポンプ21を制御して冷却水の流量QをQ4に減少させる。また、圧力センサ44と圧力センサ25との圧力差ΔPを算出し、圧力差ΔPが所定の圧力差P1となるように調圧弁18によって空気流路63の圧力を制御する。溝底63aを冷却水流路69側へ凸形状となるように変形させ、冷却水流路69の冷却水流路断面積を小さくし、冷却水流路69の流路抵抗を大きくする。流量Q4と圧力差P2は負荷変動率Rによって予め設定される流量と圧力差であり、ドライアウトを生じさせずに複数の単位セル60の冷却水流路11に冷却水を均一に流すことができる流量と圧力差である。なお、圧力差ΔPが圧力差P2となった場合には、調圧弁18によって圧力差ΔPを圧力差P2に保つ。
この制御では、冷却水の流量が少ない場合には冷却水流路69の流路抵抗を大きくすることで、冷却水流路69の圧力を高くし、各単位セル60に冷却水を均一に流すことができ、燃料電池50の温度を均一にし、燃料電池50の劣化を防止することができる。
ステップS208で負荷変動率Rが既定値R2よりも小さい、すなわち負荷変動率Rが小さいと判断されると、ステップS215では、ステップS200で要求された負荷r2に応じて冷却水の流量を制御する。なお、要求された負荷r2が小さく、冷却水の流量が少ない場合には、圧力センサ44と圧力センサ25との圧力差ΔPを算出し、圧力差ΔPが所定の圧力差となるように調圧弁18によって、溝底63aを冷却水流路69側へ凸形状となるように変形させ、冷却水流路69の冷却水流路断面積を小さくし、冷却水流路69の流路抵抗を大きくし、冷却水の流量が少ない場合でも各単位セル60に冷却水が均一に流す。
この制御では、負荷変動率Rが小さいので、負荷変動率R、つまり要求された負荷R2に応じて冷却水の流量を変えるだけで、負荷変動に追従して燃料電池50の温度を制御できる。なお、空気流路63に加えて、水素流路66の圧力を変更して冷却水流路69の圧力を変更しても良い。
以上の制御により、冷却水流路変更部7を設けずに、燃料電池50の冷却水流路の冷却水流路断面積を変更する。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
この実施形態では、空気流路63と冷却水流路69の圧力を変更することで、冷却水流路69の流路抵抗を変更することができ、簡易な構成で第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
負荷変動が大きい燃料電池自動車などに利用することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略図である。 本発明の第1実施形態の単位セルの概略図である。 本発明の第1実施形態のセパレータの概略図であり、積層方向正面図である。 A−A断面図である。 本発明の圧力調整部と冷却水流路の様子を示す図である。 本発明の圧力調整部と冷却水流路の様子を示す図である。 本発明の圧力調整部と冷却水流路の圧力差と冷却水流路断面積の関係を示す図である。 本発明の第1実施形態の冷却水流路断面積制御を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の燃料電池システムで他の実施形態を示す概略図である。 本発明を用いた場合の低負荷から高負荷へ急激に変動した場合の時間経過に対する燃料電池の出力応答を示す図である。 本発明の第2実施形態の燃料電池システムの概略図である。 本発明の第2実施形態の単位セルの単位セル積層方向正面図である。 図11のA−A断面図である。 本発明の第2実施形態の冷却水路断面積制御を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
3 水素ボンベ
5 コンプレッサ
6 冷却水循環部(燃料電池冷却手段)
7 冷却水流路断面積変更部(冷却水断面積制御手段)
11 冷却水流路
14 弾性部材
15 空間(圧力調整部)
17 調圧弁
18 調圧弁
21 ポンプ
23 温度センサ
24 温度センサ
25 圧力センサ
30 単位セル
34 セパレータ
35 セパレータ
42 圧力制御弁
43 バルブ
44 圧力センサ
50 燃料電池
60 単位セル
61 セパレータ
62 セパレータ
63 空気流路
66 水素流路
69 冷却水流路

Claims (6)

  1. 水素または酸化剤が流れるガス流路と、前記ガス流路を設けた面の背面に冷却水が流れる冷却水流路を設けたセパレータを有する燃料電池と、
    前記冷却水流路に前記冷却水を供給し、前記燃料電池を冷却する燃料電池冷却手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記冷却水流路を流れる前記冷却水の流量が少ない場合に前記冷却水の冷却水流れ方向の前記冷却水流路断面積を小さくする冷却水流路断面積制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記冷却水流路断面積制御手段は、前記燃料電の負荷が低負荷から高負荷へ変動し、かつその負荷変動率が第1所定値よりも小さい場合に、前記冷却水流路断面積を小さくし、
    前記燃料電池の温度が第1所定温度よりも高くなると前記冷却水流路断面積を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記冷却水流路断面積制御手段は、前記燃料電の負荷が高負荷から低負荷へ変動し、かつその負荷変動率が第2所定値よりも大きい場合に、前記冷却水流路断面積を大きくし、
    前記燃料電池の温度が第2所定温度よりも低くなると前記冷却水流路断面積を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記セパレータは、前記冷却水流路の下流側の溝底を弾性部材で構成し、
    前記弾性部材で構成した前記冷却水流路の溝底の背面に、前記ガス流路と隔離した空間を備え、
    前記冷却水流路断面積制御手段は、前記空間の圧力を制御する圧力制御手段を備え、
    前記空間と前記冷却水流路の圧力差によって前記弾性部材を変形させ、前記冷却水流路断面積を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記セパレータは、少なくとも前記冷却水流路の下流側の溝底を弾性部材で構成し、
    前記冷却水流路断面積制御手段は、前記ガス流路の圧力を制御するガス流路圧力制御手段を備え、
    前記ガス流路と前記冷却水流路の圧力差によって前記弾性部材を変形させ、前記冷却水流路断面積を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記セパレータは金属セパレータであり、
    前記弾性部材は、前記金属セパレータを薄くした前記冷却水流路の溝底であることを特徴とする請求項4または5に記載の燃料電池システム。
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