従来、記録再生装置で再生するテレビ番組や映画などのコンテンツを出力装置で出力させる記録再生システムが知られている。そして、このような記録再生システムにおいて、著作権保護技術であるHDCP(High-Bandwidth Digital Content Protection)を利用して、著作権保護システムを搭載したコンテンツを適宜出力させる例えば図1に示すような構成が知られている。この図1に示す記録再生システム600は、ケーブル700と、出力装置800と、記録再生装置900と、などを備えている。
ケーブル700は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格にそれぞれ対応した機器の出力装置800および記録再生装置900を、I2C(Inter-Integrated Circuit)通信により各種情報の送受信が可能な状態に接続する。ここで、出力装置800がDVI(Digital Visual Interface)規格に対応している場合、ケーブル700は、DVI規格の出力装置800と、HDMI規格の記録再生装置900と、をI2C通信が可能な状態に接続する。そして、ケーブル700は、記録再生装置900が出力装置800に接続されたことを自動的に検出する際に利用されるホットプラグライン710と、記録再生装置900で暗号化されたコンテンツの音声データや画像データ(以下、コンテンツデータと称す)などの送受信に利用されるTMDS(Transition Minimized Differential Signaling:商標登録)ライン720と、シリアルクロックやシリアルデータの送受信に利用されるDDC(Display Data Channel)ライン730と、などを備えている。ここで、シリアルデータとして送受信されるデータとしては、HDCPに基づく各装置800,900のAuthentication処理(以下、HDCP認証処理と称す)に利用されるKSV(Key Selection Vector)データ、このKSVデータに基づく所定の演算結果に関するHDCP演算データ、出力装置800の型式や各種設定値などに関するEDID(Extend Display Identification Data)などが例示できる。
出力装置800は、上述したようにHDMI規格に対応した例えばプロジェクタやテレビあるいはパーソナルコンピュータなどである。この出力装置800は、記録再生装置900から出力されるコンテンツデータを取得して適宜出力する。そして、出力装置800は、HDMIレシーバ810と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)820と、制御部830と、図示しない、音声出力部と、表示部と、などを備えている。
HDMIレシーバ810は、EEPROM820と、制御部830と、音声出力部と、表示部と、などに接続されている。また、HDMIレシーバ810は、TMDSライン720を介して記録再生装置900の後述するHDMIトランスミッタ940に、DDCライン730を介して記録再生装置900の後述するCPU960に、それぞれ適宜接続される。このHDMIレシーバ810は、HDMIトランスミッタ940から入力される暗号化されたコンテンツデータを適宜復号化して、コンテンツの音声を音声出力部から出力させたり、画像を表示部で表示させる。また、制御部830の制御により、CPU960から入力されるKSVデータに基づいてHDCP演算データを生成する。さらに、HDMIレシーバ810は、EEPROM820からEDIDを取得する。そして、HDCP演算データやEDIDさらには出力装置800のKSVデータなどを記録再生装置900のCPU960へ出力する。
EEPROM820は、EDIDを適宜読み出し可能に記憶している。
制御部830は、ホットプラグライン710を介して記録再生装置900に適宜接続され、HDMIレシーバ810の動作を適宜制御する。具体的には、制御部830は、出力装置800が記録再生装置900に接続されたことを検出すると、HDMIレシーバ810の動作を適宜制御して、KSVデータ、EDID、HDCP演算データなどを記録再生装置900へ出力させる。
記録再生装置900は、上述したようにHDMI規格に対応している。この記録再生装置900は、HDCP認証処理を適宜実施するとともに、この記録再生装置900に接続される出力装置800が不適切な機器か否かを判断するいわゆるRevocation処理(以下、リボケーション処理と称す)を適宜実施する。さらに、記録再生装置900は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)に記録されたり放送波を利用して送信されるコンテンツデータを出力装置800で適宜出力させる処理をする。そして、記録再生装置900は、データ信号受信部910と、デコーダ920と、画像処理部930と、HDMIトランスミッタ940と、記憶手段950と、CPU(Central Processing Unit)960と、などを備えている。
データ信号受信部910は、デコーダ920に接続されている。また、データ信号受信部910は、DVDに記録された各種データを読み出す図示しないDVDドライブと、図示しないアンテナが接続され放送波を利用して送信される各種データを取得する図示しないチューナ部と、などが接続されている。このデータ信号受信部910は、DVDドライブで読み出されたりチューナ部で取得された各種データに対応するデータ信号を適宜受信する。そして、この受信したデータ信号の各種データをデコーダ920へ送信する。
デコーダ920は、画像処理部930と、CPU960と、などに接続されている。このデコーダ920は、CPU960の制御により、データ信号受信部910から送信される各種データを取得する。ここで、デコーダ920でデータ信号受信部910から取得する各種データは、コンテンツデータや、リボケーション処理に利用されるSRM(System Renewability Message)ファイルなどである。また、SRMファイルは、バージョンを示すバージョン情報と、リボケーション処理に利用され不適切な機器に関する不適切機器情報と、DSA(Digital Signature Algorithm)で定義されSRMファイルの一部が書き換えられていなくかつ壊れていない正規なものか否かを認証する処理(以下、DSA認証処理と称す)に利用されるDSA認証情報と、などを備えている。そして、デコーダ920は、この受信したコンテンツデータを復調して画像処理部930へ送信する。また、著作権保護システムを搭載したコンテンツデータを受信すると、このコンテンツデータを復号化して画像処理部930へ送信する。さらに、デコーダ920は、受信したSRMファイルをCPU960へ送信する。
画像処理部930は、HDMIトランスミッタ940と、CPU960と、などに接続されている。この画像処理部930は、CPU960の制御により、デコーダ920からコンテンツデータを取得する。さらに、画像処理部930は、このコンテンツデータに対する信号処理、I(Interlace)/P(Progressive)変換処理、画質調整処理、スケーラ処理などを適宜実施する。そして、画像処理部930は、上述した各種処理が実施されたコンテンツデータをHDMIトランスミッタ940へ適宜送信する。
HDMIトランスミッタ940は、CPU960などに接続されている。また、HDMIトランスミッタ940は、ホットプラグライン710を介して出力装置800に、TMDSライン720を介してHDMIレシーバ810に、それぞれ適宜接続される。このHDMIトランスミッタ940は、記録再生装置900が出力装置800に接続されたことを検出すると、記録再生装置900のKSVデータをCPU960へ送信する。また、CPU960にて取得した出力装置800のKSVデータに基づいて、HDCP演算データを生成してCPU960へ送信する。さらに、HDMIトランスミッタ940は、画像処理部930で処理されたコンテンツデータを暗号化して出力装置800へ出力する。
記憶手段950は、CPU960に接続されている。この記憶手段950は、CPU960で取得したSRMファイルや出力装置800のEDID、あるいはCPU960で生成された各種情報などを適宜読み出し可能に記憶する。また、記憶手段950は、記録再生装置900全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。
CPU960は、DDCライン730を介して出力装置800のHDMIレシーバ810に適宜接続される。このCPU960は、出力装置800および記録再生装置900のHDCP認証処理や、リボケーション処理などを適宜実施して、コンテンツデータを出力装置800へ出力させる制御をする。そして、CPU960は、DSA認証処理手段961と、SRM登録手段962と、機器認証処理手段963と、リボケーション処理手段964と、記録制御手段965と、出力制御手段966と、などを備えている。
DSA認証処理手段961は、SRMファイルに対するDSA認証処理を適宜実施する。具体的には、DSA認証処理手段961は、SRM登録手段962の制御で取得されたSRMファイルのDSA認証情報に基づいて、このSRMファイルが正規なファイルか否かを判断する。そして、DSA認証処理手段961は、SRMファイルが正規なものか否かに関するDSA認証結果情報を生成して、SRM登録手段962へ送信する。
SRM登録手段962は、デコーダ920から取得したSRMファイルを記憶手段950に登録する処理をする。具体的には、SRM登録手段962は、デコーダ920からSRMファイルを取得すると、DSA認証処理手段961に、このSRMファイルのDSA認証処理を実施させる。そして、DSA認証処理手段961で生成されたDSA認証結果情報を取得して、SRMファイルが正規なものであることを認識した場合、このSRMファイルを記憶手段950に記憶させる。また、SRMファイルが正規なものでない、すなわち不正なものであることを認識した場合、このSRMファイルを記憶手段950に記憶させない。
機器認証処理手段963は、出力装置800および記録再生装置900をHDCP認証処理を実施する。具体的には、機器認証処理手段963は、HDMIトランスミッタ940から記録再生装置900のKSVデータを取得して、出力装置800へ出力する。また、出力装置800から入力されるKSVデータを取得して、HDMIトランスミッタ940へ送信する。さらに、機器認証処理手段963は、HDMIトランスミッタ940および出力装置800からのHDCP演算データをそれぞれ取得すると、これら取得したHDCP演算データに基づいて所定の処理を実施し、各装置800,900を認証する。そして、機器認証処理手段963は、各装置800,900を認証できた場合、その旨の認証情報をリボケーション処理手段964へ送信する。また、各装置800,900を認証できない場合、その旨の不認証情報を出力制御手段966へ送信する。
リボケーション処理手段964は、出力装置800が不適切な機器か否かを判断するリボケーション処理を実施する。具体的には、リボケーション処理手段964は、機器認証処理手段963から認証信号を取得して各装置800,900が認証できたことを認識すると、記憶手段950からSRMファイルを取得する。さらに、このSRMファイルに出力装置800のKSVデータに対応する不適切機器情報が存在することを認識すると、出力装置800が不適切な機器であると判断する。そして、リボケーション処理手段964は、不適切な機器を検出した旨の不適切機器検出情報を出力制御手段966へ送信する。また、出力装置800のKSVデータに対応する不適切機器情報が存在しないことを認識すると、出力装置800が適切な機器であると判断する。そして、適切な機器を検出した旨の適切機器検出情報を出力制御手段966へ送信する。
記録制御手段965は、例えば放送波を利用して送信されるコンテンツデータをDVDに適宜記憶させる制御をする。具体的には、記録制御手段965は、例えば図示しない入力部の入力操作に基づくコンテンツデータをDVDに記憶させる旨の操作信号を取得すると、この記憶が要求されたコンテンツデータを取得する。そして、DVDドライブなどを適宜制御して、このコンテンツデータをDVDに記憶させる制御をする。
出力制御手段966は、データ信号受信部910で受信したコンテンツデータの出力装置800への出力を適宜制御する。具体的には、出力制御手段966は、リボケーション処理手段964からの適切機器検出情報を取得すると、著作権保護システムを搭載していないコンテンツデータに加え、出力が規制されたコンテンツデータを出力装置800へ出力できると判断する。そして、HDMIトランスミッタ940に、出力が規制されているか否かにかかわらずコンテンツデータを出力装置800へ出力させる制御をする。また、SRM登録手段962でSRMファイルが一度も登録されていないことを認識した場合も、出力が規制されているか否かにかかわらずコンテンツデータを出力させる制御をする。さらに、出力制御手段966は、機器認証処理手段963からの不認証情報またはリボケーション処理手段964からの不適切機器検出情報を取得すると、出力が規制されているか否かにかかわらずコンテンツデータを出力装置800へ出力できないと判断する。そして、出力が規制されているか否かにかかわらずコンテンツデータを出力させない制御をする。
以下、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の記憶状態認識装置および処理実施装置を有する記録再生装置を備えた記録再生システムを例示して説明する。図2は、記録再生システムの概略構成を示すブロック図である。図3は、SRMファイルの概略構成を示す模式図である。図4は、記録再生装置を構成するCPUの概略構成を示すブロック図である。なお、以下において、従来の記録再生システム600と同一の構成要件については、同一の符号を付しその説明を省略または簡略化する。また、従来の記録再生システム600と略同一の構成要件については、同一名称を付しその説明を簡略化する。
〔記録再生システムの構成〕
図2において、100は記録再生システムである。この記録再生システム100は、HDCPを利用して、著作権保護システムを搭載したテレビ番組や映画などのコンテンツを適宜出力させる。そして、記録再生システム100は、ネットワークとしてのケーブル700と、外部機器としての出力装置800と、記録再生装置200と、などを備えている。なお、出力装置800としては、図1に示す従来の記録再生システム600における構成を用い、説明を省略する。
記録再生装置200は、HDMI規格に対応している。この記録再生装置200は、HDCP認証処理を適宜実施する。また、例えば図3に示すような外部機器情報としてのSRMファイル300に基づいて、この記録再生装置200に接続される出力装置800に対するリボケーション処理を適宜実施する。さらに、記録再生装置200は、例えばDVDに記録されたり放送波により送信されるコンテンツデータを出力装置800で適宜出力させる処理をする。そして、記録再生装置200は、データ信号受信部210と、デコーダ220と、画像処理部230と、接続機器特定情報受信手段および接続機器対応処理手段としてのHDMIトランスミッタ240と、第1の記憶手段250と、第2の記憶手段260と、CPU270と、などを備えている。
ここで、SRMファイル300は、DVDに記録される場合には、所定の形式で記録されている。なお、ここでは、SRMファイル300がDVDに記録されている構成について例示するが、これに限らず例えば放送波を利用して送信される構成としてもよい。そして、SRMファイル300は、ID(Identification)フィールド310と、第1の予約済みフィールド320と、バージョンフィールド330と、第2の予約済みフィールド340と、VRL(Vector Revocation List)長さ情報フィールド350と、VRL本体フィールド360と、DSA認証情報フィールド370と、などを備えている。
IDフィールド310は、例えば4bitsの長さを有している。このIDフィールド310には、HDCPのIDを示すID情報が格納される。第1の予約済みフィールド320は、例えば12bitsの長さを有している。バージョンフィールド330は、例えば16bitsの長さを有している。このバージョンフィールド330には、SRMファイル300のバージョンを示す外部機器関連情報であるバージョン情報が格納される。第2の予約済みフィールド340は、例えば8bitsの長さを有している。VRL長さ情報フィールド350は、例えば24bitsの長さを有している。このVRL長さ情報フィールド350には、VRL長さ情報フィールド350、VRL本体フィールド360、および、DSA認証情報フィールド370のそれぞれの長さを合計した値を示すVRL長さ情報が格納される。VRL本体フィールド360は、このVRL本体フィールド360に格納される外部機器特定情報としての不適切機器情報の数に5byteを乗じた値の長さを有している。このVRL本体フィールド360には、5byteのデータ長を有し不適切な機器の接続機器特定情報としてのKSVデータに関する少なくとも1つの不適切機器情報が格納される。DSA認証情報フィールド370は、例えば320bitsの長さを有している。このDSA認証情報フィールド370には、DSAで定義されSRMファイル300の一部が書き換えられていなくかつ壊れていない正規なファイルか否かを判断する処理、すなわちDSA認証処理に用いられるDSA認証情報が格納される。ここで、SRMファイル300の書き換えは、例えばバージョンフィールド330のバージョン情報やVRL本体フィールド360の不適切機器情報の書き換えなど例示できる。
データ信号受信部210は、デコーダ220と、図示しない、DVDドライブと、チューナ部と、などに接続されている。このデータ信号受信部210は、DVDドライブやチューナ部からコンテンツデータやSRMファイル600などの各種データに対応するデータ信号を適宜受信して、このデータ信号の各種データをデコーダ220へ送信する。なお、ここでは、データ信号受信部210にて、DVDドライブやチューナ部からのデータ信号を受信する構成について例示するが、これに限らず例えばHD(Hard Disk)ドライブからのHDの各種データに対応するデータ信号や、DV(Digital Video)出力機器からのDVフォーマットの各種データに対応するデータ信号などを受信する構成としてもよい。
デコーダ220は、画像処理部230と、CPU270と、などに接続されている。このデコーダ220は、データ信号受信部210から送信されるコンテンツデータを復調して画像処理部230へ送信する。また、著作権保護システムを搭載したコンテンツデータを復号化して画像処理部230へ送信する。さらに、デコーダ220は、受信したSRMファイル600をCPU270へ送信する。
画像処理部230は、HDMIトランスミッタ240と、CPU270と、などに接続されている。この画像処理部230は、デコーダ220からのコンテンツデータに対する信号処理、I/P変換処理、画質調整処理、スケーラ処理などを適宜実施して、HDMIトランスミッタ240へ適宜送信する。
HDMIトランスミッタ240は、CPU270などに接続されている。また、HDMIトランスミッタ240は、ホットプラグライン710やTMDSライン720を介して出力装置800に適宜接続される。このHDMIトランスミッタ240は、記録再生装置200が出力装置800に接続されたことを検出すると、記録再生装置200固有の鍵データに基づいてKSVデータを生成してCPU270へ送信する。また、CPU270にて取得した出力装置800のKSVデータに基づいて、HDCP演算データを生成してCPU270へ送信する。さらに、HDMIトランスミッタ240は、画像処理部230で処理されたコンテンツデータを暗号化して出力装置800へ出力する。
第1の記憶手段250は、CPU270に接続されている。また、この第1の記憶手段250は、第2の記憶手段260よりも大きい記憶容量を有している。第1の記憶手段250は、CPU270により正式登録すると判断されたSRMファイル300を適宜読み出し可能に記憶する。この第1の記憶手段250としては、HDなどの磁気ディスク、DVDなどの光ディスク、メモリカードなど、各種記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成が例示できる。なお、ここでは、記録再生装置200に第1の記憶手段250を設ける構成について例示するが、これに限らず例えばコンテンツデータを読み出し可能に記憶するHDドライブなど、記録再生装置200に予め設けられている記憶手段を第1の記憶手段として利用する構成としてもよい。
第2の記憶手段260は、CPU270に接続されている。この第2の記憶手段260は、第1の記憶手段250とは異なる記憶手段である。第2の記憶手段260は、出力装置800のEDIDや、CPU270で生成されるSRMファイル300の取得履歴に関するSRM取得履歴情報などの各種情報を適宜読み出し可能に記憶する。また、第2の記憶手段260は、記録再生装置200全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。この第2の記憶手段260としては、第1の記憶手段250と同様の構成が例示できる。なお、ここでは、第2の記憶手段260に上述した各種情報を記憶させる構成について例示するが、これに限らずSRM取得履歴情報以外の各種情報を第1の記憶手段250に適宜記憶させる構成としてもよい。
ここで、SRM取得履歴情報は、CPU270にてSRMファイル300が正式登録される毎に生成される。すなわち、SRM取得履歴情報は、CPU270にてSRMファイル300を正式登録させた回数と同数のものが第2の記憶手段260に記憶される。そして、SRM取得履歴情報は、少なくとも1つの機器対応情報としての暗号バージョン情報が1つのデータ構造として関連付けられて構成されている。暗号バージョン情報は、CPU270により正式登録されたSRMファイル300のバージョン情報に対応する情報である。具体的には、暗号バージョン情報は、SRMファイル300のバージョンフィールド330に格納されたバージョン情報を暗号化した情報である。なお、暗号バージョン情報の代わりに、暗号化していないバージョン情報を適用する構成としてもよい。また、例えばSRMファイル300における各1byteのデータを全部加えたものに基づいてSRMファイル300の正当性を判断する、いわゆるサムチェックを実施するためのサムチェック情報を適用する構成としてもよい。さらに、SRMファイル300を正式登録させた日時に関する取得日時情報を暗号バージョン情報に関連付ける構成としてもよい。また、最後に正式登録したSRMファイル300に対応する暗号バージョン情報のみを第2の記憶手段260に記憶させる構成としてもよい。
CPU270は、図示しない各種入出力ポート、デコーダ220が接続されるデコーダポート、画像処理部230が接続される画像処理ポート、HDMIトランスミッタ240が接続されるトランスミッタポート、第1の記憶手段250が接続される第1の記憶ポート、第2の記憶手段260が接続される第2の記憶ポートなどを有する。そして、CPU270は、各種プログラムとして、図4に示すように、記憶情報関連判断手段および取得情報関連判断手段としてのDSA認証処理手段271と、登録状態検出手段272と、SRM登録手段273と、機器認証処理手段274と、処理制御手段としてのリボケーション処理手段275と、記録制御手段276と、処理制御手段としての出力制御手段277と、計時手段278と、などを備えている。
DSA認証処理手段271は、第1の記憶手段250に正式登録されたSRMファイル300や、SRM登録手段273で仮取得されたSRMファイル300に対するDSA認証処理を適宜実施する。具体的には、DSA認証処理手段271は、登録状態検出手段272の制御により、第1の記憶手段250に記憶されたSRMファイル300を取得する。そして、このSRMファイル300のDSA認証情報フィールド370に格納されたDSA認証情報に基づいて、SRMファイル300のDSA認証処理を実施する。また、DSA認証処理手段271は、SRM登録手段273で仮取得されたSRMファイル300のDSA認証処理情報に基づいて、SRMファイル300のDSA認証処理を実施する。そして、DSA認証処理手段271は、SRMファイルが正規なものか否かに関するDSA認証結果情報を生成して、登録状態検出手段272やSRM登録手段273へ送信する。
登録状態検出手段272は、SRMファイル300の登録状態を認識する。そして、登録状態検出手段272は、機器情報記憶判断手段としても機能する不正SRM検出手段272Aと、対応判断手段としても機能する入替SRM検出手段272Bと、対応情報記憶判断手段としても機能するSRM消去検出手段272Cと、などを備えている。
なお、不正SRM検出手段272A、入替SRM検出手段272B、および、SRM消去検出手段272Cにて、本発明の情報認識手段が構成されている。また、DSA認証処理手段271、各検出手段272A,272B,272C、仮取得処理手段273A、および、正式登録処理手段273Bにて、本発明の記憶状態認識装置が構成されている。さらに、第1の記憶手段250、第2の記憶手段260、DSA認証処理手段271、各検出手段272A,272B,272C、および、各処理手段273A,273Bにて、本発明の記憶処理装置が構成されている。また、HDMIトランスミッタ240、各記憶手段250,260、DSA認証処理手段271、各検出手段272A,272B,272C、各処理手段273A,273B、リボケーション処理手段275、および、出力制御手段277にて、本発明の処理実施装置が構成されている。ここで、本発明の情報認識手段としては、不正SRM検出手段272Aのみを備えた構成、入替SRM検出手段272Bのみを備えた構成、不正SRM検出手段272AおよびSRM消去検出手段272Cのみを備えた構成としてもよい。また、本発明の記憶状態認識装置としては、DSA認証処理手段271を備えない構成としてもよい。
不正SRM検出手段272Aは、第1の記憶手段250のSRMファイル300が不正なものか否かを検出する。具体的には、不正SRM検出手段272Aは、第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在しているか否かを判断する。そして、存在していると判断すると、DSA認証処理手段271にこのSRMファイル300のDSA認証処理を実施させる。さらに、不正SRM検出手段272Aは、DSA認証処理手段271からのDSA認証処理情報に基づいて、第1の記憶手段250のSRMファイル300が不正なものか否かを検出する。
入替SRM検出手段272Bは、第1の記憶手段250のSRMファイル300が正式登録されたものから例えば古いものに入れ替えられたか否かを検出する。具体的には、入替SRM検出手段272Bは、不正SRM検出手段272Aで第1の記憶手段250のSRMファイルが正規なものであると検出された場合、このSRMファイル300のバージョン情報を取得する。さらに、第2の記憶手段260に記憶されたSRM取得履歴情報から最新の暗号バージョン情報を取得して、この暗号バージョン情報をバージョン情報に復号化する。そして、この復号化したバージョン情報およびSRMファイル300のバージョン情報が一致していないことを認識すると、第1の記憶手段250のSRMファイル300が例えば古いバージョンのものに入れ替えられたと認識する。また、入替SRM検出手段272Bは、SRMファイル300のバージョン情報および最新の暗号バージョン情報を復号化したバージョン情報が一致していることを認識すると、第1の記憶手段250のSRMファイル300が正式登録されたものであると認識する。なお、以下において、入替SRM検出手段272Bにて、第1の記憶手段250に正式登録されたSRMファイル300が記憶されていると認識した状態を、SRMファイル300が正規登録されていると認識した状態と適宜称して説明する。
SRM消去検出手段272Cは、第1の記憶手段250のSRMファイル300が正式登録された後に例えば故意に消去されたか否かを検出する。具体的には、SRM消去検出手段272Cは、不正SRM検出手段272Aで第1の記憶手段250にSRMファイルが存在していないと判断された場合、第2の記憶手段260にSRM取得履歴情報が記憶されているか否か、すなわち第2の記憶手段260にSRMファイル300の取得履歴が存在するか否かを判断する。そして、取得履歴が存在すると判断すると、記録再生装置200に登録されていたSRMファイル300が消去されたと認識する。また、SRM消去検出手段272Cは、取得履歴が存在しないと判断すると、SRMファイル300が記録再生装置200に正式登録されたことがないと認識する。すなわち、SRM消去検出手段272Cは、SRMファイル300の正式登録未実施を検出する。
なお、以下において、第1の記憶手段250のSRMファイル300が古いものに入れ替えられたり消去された状態を、SRMファイル300が改竄された状態と適宜称して説明する。
SRM登録手段273は、データ信号受信部210で受信したデータ信号に含まれるSRMファイル300を適宜正式登録する処理をする。そして、SRM登録手段273は、バージョン認識手段としても機能する外部機器情報取得手段としての仮取得処理手段273Aと、記憶制御手段としての正式登録処理手段273Bと、を備えている。
仮取得処理手段273Aは、SRMファイル300を適宜仮取得する処理をする。具体的には、仮取得処理手段273Aは、デコーダ220で取得したデータにSRMファイル300が存在すること、すなわちデータ信号受信部210で受信したデータ信号にSRMファイル300が存在することを認識すると、入替SRM検出手段272BでSRMファイル300の正規登録を検出しているか否かを判断する。さらに、正規登録を検出していると判断すると、データ信号のSRMファイル300が正規登録されたSRMファイル300よりも新しい場合のみ、正式登録させる必要があると認識する。そして、仮取得処理手段273Aは、データ信号のSRMファイル300のバージョン情報およびSRM取得履歴情報の最新の暗号バージョン情報に基づいて、データ信号のSRMファイル300が第1の記憶手段250に正規登録されているものよりも新しいことを認識すると、このSRMファイル300を仮取得する。
また、仮取得処理手段273Aは、SRMファイル300の正規登録を検出していないと判断すると、不正SRM検出手段272Aで第1の記憶手段250から不正なSRMファイル300を検出しているか否かを判断する。さらに、不正なSRMファイル300を検出していると判断すると、データ信号のSRMファイル300が最後に正規登録されていたSRMファイル300ものよりも古くない場合、すなわち最後に正規登録されていたSRMファイル300と同じ、または、最後に正規登録されていたSRMファイル300よりも新しい場合、正式登録させる必要があると認識する。そして、仮取得処理手段273Aは、データ信号のSRMファイル300のバージョン情報およびSRM取得履歴情報の最新の暗号バージョン情報に基づいて、データ信号のSRMファイル300が最後に正規登録されていたものよりも古くないことを認識すると、このSRMファイル300を仮取得する。
さらに、仮取得処理手段273Aは、不正なSRMファイル300を検出していないと判断すると、入替SRM検出手段272BやSRM消去検出手段272CでSRMファイル300の改竄を検出しているか否かを判断する。さらに、SRMファイル300の改竄を検出していると判断すると、データ信号のSRMファイル300が最後に正規登録されていたSRMファイル300よりも古くない場合、正式登録させる必要があると認識する。そして、上述したような不正なSRMファイル300を検出していると判断した場合と同様に、データ信号のSRMファイル300を適宜仮取得する。また、仮取得処理手段273Aは、SRMファイル300の改竄を検出していないと判断すると、SRM消去検出手段272CでSRMファイル300の正式登録未実施が検出されているため、データ信号のSRMファイル300のバージョンにかかわらず正式登録させる必要があると認識する。そして、仮取得処理手段273Aは、データ信号のSRMファイル300を仮取得する。
正式登録処理手段273Bは、仮取得処理手段273Aで仮取得されたSRMファイル300を第1の記憶手段250に正式登録する処理をする。具体的には、正式登録処理手段273Bは、DSA認証処理手段271に仮取得処理手段273Aで仮取得されたSRMファイル300のDSA認証処理を実施させる。そして、正式登録処理手段273Bは、DSA認証処理手段271からのDSA認証処理情報に基づいて、仮取得されたSRMファイル300が正規なものでないことを認識すると、このSRMファイル300を削除する。また、正式登録処理手段273Bは、仮取得されたSRMファイル300が正規なものであることを認識すると、第1の記憶手段250にSRMファイル300が記憶されている場合、この記憶されているSRMファイル300を削除するとともに、仮取得されたSRMファイル300を第1の記憶手段250に記憶させる。すなわち、正式登録処理手段273Bは、SRMファイル300を正式登録する処理をする。さらに、この正式登録したSRMファイル300のバージョン情報を暗号化して、暗号バージョン情報を生成する。そして、この暗号バージョン情報をSRM取得履歴情報として第2の記憶手段260に記憶させる。
機器認証処理手段274は、記録再生装置200および出力装置800のHDCP認証処理を実施する。そして、機器認証処理手段274は、各装置200,800を認証できた場合、その旨の認証信号をリボケーション処理手段275へ送信する。また、機器認証処理手段274は、各装置200,800を認証できない場合、その旨の不認証信号を出力制御手段277へ送信する。
リボケーション処理手段275は、出力装置800が不適切な機器か否かを判断するリボケーション処理を適宜実施する。具体的には、リボケーション処理手段275は、SRMファイル300の正規登録を検出していることを認識すると、この正規登録されたSRMファイル300に基づいてリボケーション処理を実施する。そして、このリボケーション処理の結果に基づいて、不適切な機器を検出した旨の不適切機器検出情報、または、適切な機器を検出した旨の適切機器検出情報を出力制御手段277へ送信する。
また、リボケーション処理手段275は、第1の記憶手段250から不正なSRMファイル300を検出していることや第1の記憶手段250のSRMファイル300の改竄を検出していることを認識すると、リボケーション処理を実施しない。さらに、リボケーション処理手段275は、SRMファイル300の正式登録未実施を検出していることを認識した場合もリボケーション処理を実施しない。
記録制御手段276は、例えば放送波を利用して送信されるコンテンツデータをDVDに適宜記憶させる制御をする。
出力制御手段277は、データ信号受信部210で受信したコンテンツデータの出力装置800への出力を適宜制御する。具体的には、出力制御手段277は、リボケーション処理手段275からの適切機器検出情報を取得すると、HDMIトランスミッタ240に、著作権保護システムが搭載されているか否かにかかわらずコンテンツデータを出力装置800へ出力させる制御をする。また、出力制御手段277は、SRMファイル300の正式登録未実施を検出していることを認識した場合も、出力が規制されているか否かにかかわらずコンテンツデータを出力させる制御をする。さらに、出力制御手段277は、機器認証処理手段274からの不認証信号またはリボケーション処理手段275からの不適切機器検出情報を取得すると、出力が規制されているか否かにかかわらずコンテンツデータを出力させない制御をする。また、出力制御手段277は、登録状態検出手段272で不正なSRMファイル300を検出していることやSRMファイル300の改竄を検出していることを認識すると、出力が規制されていないコンテンツデータを出力させ、規制されているコンテンツデータを出力させない制御をする。
計時手段278は、例えば内部クロックなどの基準パルスに基づいて現在日時を計時する。そして、この計時した現在日時に関する現在日時情報を適宜出力する。
〔記録再生システムの動作〕
次に、記録再生システム100の動作を図面を参照して説明する。
(電源オン時におけるSRMファイルの登録状態検出処理)
まず、記録再生システム100の動作として、電源オン時におけるSRMファイル300の登録状態検出処理について図5に基づいて説明する。図5は、電源オン時におけるSRMファイル300の登録状態検出処理を示すフローチャートである。
まず、利用者は、記録再生装置200の図示しない電源スイッチをオンする入力操作を実施する。そして、記録再生装置200のCPU270は、図5に示すように、電源がオンされた旨を認識すると(ステップS101)、不正SRM検出手段272Aにて、各記憶手段250,260の初期動作が完了したか否かを判断する(ステップS102)。この後、不正SRM検出手段272Aは、各記憶手段250,260の初期動作が完了したことを認識すると、第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在しているか否かを判断する(ステップS103)。
このステップS103において、不正SRM検出手段272Aは、第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在していると判断した場合、DSA認証処理手段271を制御して、このSRMファイル300のDSA認証処理を実施させる。この後、不正SRM検出手段272Aは、このDSA認証処理により第1の記憶手段250のSRMファイル300が正規なファイルと認証されたか否かを判断する(ステップS104)。このステップS104において、正規なファイルでないと認証されたと判断した場合、第1の記憶手段250のSRMファイル300が不正なものであることを検出して(ステップS105)、登録状態検出処理を終了する。
一方、ステップS104において、登録状態検出手段272は、不正SRM検出手段272Aで第1の記憶手段250のSRMファイル300が正規なファイルであると認証されたと判断した場合、入替SRM検出手段272Bにて、このSRMファイル300のバージョンが第2の記憶手段260に記憶されたSRM取得履歴情報の最新のバージョンと一致しているか否かを判断する(ステップS106)。このステップS106において、最新のバージョンと一致していると判断した場合、第1の記憶手段250のSRMファイル300が正規登録されていることを検出して(ステップS107)、登録状態検出処理を終了する。一方、ステップS106において、入替SRM検出手段272Bは、最新のバージョンと一致していないと判断した場合、このSRMファイル300が例えば故意に入れ替えられたものであることを検出して(ステップS108)、登録状態検出処理を終了する。
また、ステップS103において、登録状態検出手段272は、不正SRM検出手段272Aで第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在していないと判断した場合、SRM消去検出手段272Cにて、第2の記憶手段260にSRMファイル300の取得履歴が存在するか否かを判断する(ステップS109)。このステップS109において、取得履歴が存在すると判断した場合、第1の記憶手段250に記憶されていたSRMファイル300が例えば故意に消去されたことを検出して(ステップS110)、登録状態検出処理を終了する。一方、ステップS109において、SRM消去検出手段272Cは、取得履歴が存在しないと判断した場合、SRMファイル300の正規登録未実施を検出して(ステップ111)、登録状態検出処理を終了する。
(SRMファイルの登録処理)
次に、記録再生システム100の動作として、SRMファイル300の正式登録処理について図6に基づいて説明する。図6は、SRMファイル300の正式登録処理を示すフローチャートである。
まず、利用者は、例えば記録再生装置200のDVDドライブにDVDを装着する。そして、記録再生装置200は、図6に示すように、データ信号受信部210でDVDからデータ信号を受信すると(ステップS201)、CPU270のSRM登録手段273の仮取得処理手段273Aにて、データ信号受信部210で受信したデータ信号にSRMファイル300が存在するか否かを判断する(ステップS202)。ここで、記録再生装置200は、SRMファイル300が放送波を利用して配信される場合、ステップS201においてチューナ部からのデータ信号を受信する。そして、ステップS202において、SRMファイル300が存在しないと判断した場合、正式登録処理を終了する。一方、ステップS202において、仮取得処理手段273Aは、SRMファイル300が存在すると判断した場合、SRMファイル300の正規登録を検出しているか否かを判断する(ステップS203)。
このステップS203において、正規登録を検出していると判断した場合、データ信号に存在するSRMファイル300が第1の記憶手段250に正規登録されているものよりも新しいか否かを判断する(ステップS204)。そして、ステップS204において、正規登録されているものよりも新しくないと判断した場合、正式登録処理を終了する。一方、ステップS204において、仮取得処理手段273Aは、正規登録されているものよりも新しいと判断した場合、このデータ信号のSRMファイル300を仮取得する(ステップS205)。
また、ステップS203において、仮取得処理手段273Aは、正規登録を検出してないと判断した場合、第1の記憶手段250から不正なSRMファイル300を検出しているか否かを判断する(ステップS206)。このステップS206において、不正なSRMファイル300を検出していると判断した場合、データ信号のSRMファイル300が最後に正規登録されていたものよりも古いか否かを判断する(ステップS207)。そして、ステップS207において、最後に正規登録されていたものよりも古くない、すなわち最後に正規登録されていたものと同じまたは最後に正規登録されていたものよりも新しいと判断した場合、ステップS205の処理を実施する。一方、ステップS207において、仮取得処理手段273Aは、最後に正規登録されていたものよりも古いと判断した場合、正式登録処理を終了する。また、ステップS206において、不正なSRMファイル300を検出していないと判断した場合、SRMファイル300の改竄を検出しているか否かを判断する(ステップS208)。このステップS208において、SRMファイル300の改竄を検出していると判断した場合、ステップS207の処理を実施する。一方、ステップS208において、仮取得処理手段273Aは、SRMファイル300の改竄を検出していないと判断した場合、SRMファイル300の正式登録未実施を検出していると認識して、ステップS205の処理を実施する。
そして、SRM登録手段273は、仮取得処理手段273AでステップS205の処理を実施してデータ信号のSRMファイル300を仮取得すると、正式登録処理手段273Bにて、DSA認証処理手段271にこの仮取得したSRMファイル300のDSA認証処理を実施させる。この後、正式登録処理手段273Bは、仮取得したSRMファイル300が正規なファイルと認証されたか否かを判断する(ステップS209)。このステップS209において、正規なファイルでないと認証されたと判断した場合、この仮取得したSRMファイル300を削除して(ステップS210)、正式登録処理を終了する。一方、ステップS209において、正式登録処理手段273Bは、正規なファイルであると認証されたと判断した場合、この仮取得したSRMファイル300を第1の記憶手段250に正式登録する(ステップS211)。そして、正式登録処理手段273Bは、このSRMファイル300のバージョン情報に基づいて、この正式登録したSRMファイル300に関する暗号バージョン情報を生成し、SRM取得履歴情報として第2の記憶手段260へ記憶させる処理、すなわちSRM取得履歴情報の更新処理を実施して(ステップS212)、正式登録処理を終了する。
〔記録再生システムの作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、記録再生装置200のCPU270は、SRM登録手段273の仮取得処理手段273Aにて、例えばDVDに記録されたSRMファイル300を適宜仮取得する。さらに、SRM登録手段273は、正式登録処理手段273Bにて、この仮取得されたSRMファイル300を第1の記憶手段250に記憶させるとともに、このSRMファイル300のバージョン情報を暗号化した暗号バージョン情報をSRM取得履歴情報として第2の記憶手段260に記憶させる。そして、CPU270は、登録状態検出手段272にて、第1の記憶手段250に記憶されたSRMファイル300の記憶状態、および、第2の記憶手段260に記憶されたSRM取得履歴情報の暗号バージョン情報に基づいて、第1の記憶手段250に記憶されているSRMファイル300が正規登録されたものか否か、すなわち正式登録処理手段273Bにて正式登録されたものか否かを認識する。
このため、CPU270は、例えば不適切な出力装置800でコンテンツを出力させるために正式登録されたSRMファイル300が古いSRMファイル300に入れ替えられたとしても、第2の記憶手段260の暗号バージョン情報に基づいて、第1の記憶手段250のSRMファイル300が入れ替えられたことを認識できる。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300の記憶状態を適切に認識できる。
また、DSA認証処理手段271は、第1の記憶手段250に正式登録されたSRMファイル300の例えば一部が書き換えられたか不正なものか否かを判断する処理、すなわちDSA認証処理を適宜実施する。そして、登録状態検出手段272は、不正SRM検出手段272Aにて、DSA認証処理手段271からのDSA認証処理情報に基づいて、第1の記憶手段250のSRMファイル300が不正なものか否かを判断する。このため、CPU270は、正式登録されたSRMファイル300の例えば不適切機器情報のみが書き換えられたとしても、DSA認証処理情報に基づいて、不適切機器情報が書き換えられたことを認識できる。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300の記憶状態をより適切に認識できる。
さらに、登録状態検出手段272は、入替SRM検出手段272Bにて、第1の記憶手段250のSRMファイル300のバージョン情報と、第2の記憶手段260の最新のSRM取得履歴情報と、を取得する。そして、入替SRM検出手段272Bは、第1の記憶手段250のバージョン情報と、第2の記憶手段260の暗号バージョン情報を復号化したバージョン情報と、が一致しない場合、すなわち第2の記憶手段260の暗号バージョン情報が第1の記憶手段250のSRMファイル300に対応していない場合、第1の記憶手段250のSRMファイル300が例えば古いバージョンのものに入れ替えられたと判断する。このため、CPU270は、第1の記憶手段250のバージョン情報および第2の記憶手段260の暗号バージョン情報を復号化したバージョン情報が一致するか否かを判断するだけの簡単な構成で、正式登録されたSRMファイル300が入れ替えられたことを認識できる。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300の記憶状態を容易にかつ適切に認識できる。
また、登録状態検出手段272は、不正SRM検出手段272Aで第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在しないことを認識すると、SRM消去検出手段272Cにて、第2の記憶手段260にSRM取得履歴情報が存在するか否か、すなわちSRMファイル300の取得履歴が存在するか否かを判断する。そして、SRM消去検出手段272Cは、取得履歴が存在すると判断した場合に第1の記憶手段250のSRMファイル300が故意に消去されたと認識し、取得履歴が存在しないと判断した場合に第1の記憶手段250にSRMファイル300が正式登録されたことがないと判断する。このため、CPU270は、第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在しない場合、正式登録されたSRMファイル300が消去されたのか、あるいは、SRMファイル300が正式登録されたことがないのかを確実に識別できる。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300の記憶状態をさらに適切に認識できる。
そして、SRM登録手段273は、登録状態検出手段272でSRMファイル300の正規登録を検出していないことを認識すると、DVDから取得したSRMファイル300を第1の記憶手段250に正式登録する処理、および、このSRMファイル300のバージョン情報に対応する暗号バージョン情報を第2の記憶手段260に記憶させる処理を適宜実施する。このため、CPU270は、第1の記憶手段250に正式登録されたSRMファイル300が記憶されていない場合、例えばDVDからSRMファイル300を取得して正式登録させることができる。したがって、記録再生装置200は、例えば正式登録されたSRMファイル300が古いバージョンのものに入れ替えられたとしても、この入れ替えられたSRMファイル300に代えてDVDのSRMファイル300を正式登録できる。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300を適切に更新できる。
さらに、DSA認証処理手段271は、仮取得処理手段273Aで仮取得したSRMファイル300のDSA認証処理を適宜実施する。そして、正式登録処理手段273Bは、DSA認証処理手段271からのDSA認証処理情報に基づいて、仮取得されたSRMファイル300が正規なものであることを認識すると、このSRMファイル300の正式登録処理などを実施する。このため、CPU270は、例えばDVDに記録されたSRMファイル300の一部が書き換えられている場合、この書き換えられたSRMファイル300を正式登録することがない。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300をより適切に更新できる。
また、仮取得処理手段273Aは、SRMファイル300の正規登録を検出していることを認識すると、データ信号のSRMファイル300のバージョン情報と、正規登録されたSRMファイル300の暗号バージョン情報と、に基づいて、データ信号のSRMファイル300が正規登録されているSRMファイル300よりも新しいか否かを判断する。そして、正式登録処理手段273Bは、データ信号のSRMファイル300の方が新しいと判断した場合、このSRMファイル300を正規登録されているSRMファイル300に代えて適宜正式登録する。一方、正規登録されているSRMファイル300の方が新しいと判断した場合、データ信号のSRMファイル300を正式登録しない。このため、正式登録処理手段273Bは、データ信号のSRMファイル300を常時正式登録させる構成のように、正式登録されているSRMファイル300の方が新しい場合の際に正式登録処理を実施することがない。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300をさらに適切に更新できる。
そして、仮取得処理手段273Aは、不正なSRMファイル300を検出していることや、SRMファイル300の改竄を検出していることを認識すると、データ信号のSRMファイル300が最後に正規登録されていたSRMファイル300よりも古いか否かを判断する。さらに、正式登録処理手段273Bは、データ信号のSRMファイル300の方が古くないと判断した場合、このSRMファイル300を正規登録されているSRMファイル300に代えて適宜正式登録する。このため、正式登録処理手段273Bは、例えば故意に古いバージョンのSRMファイル300を正式登録させるために正規登録されていたSRMファイル300が古いものに改竄されたとしても、従前に正式登録されたSRMファイル300よりも古いものを正式登録することがない。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300をさらに適切に更新できる。
また、一般的にデータ量が少ないバージョン情報および暗号バージョン情報に基づいて、正式登録されたSRMファイル300が入れ替えられたか否かの判断処理、データ信号のSRMファイル300が正規登録されているSRMファイル300よりも新しいか否の判断処理、データ信号のSRMファイル300が最後に正規登録されていたSRMファイル300よりも古いか否かの判断処理を実施する構成としている。このため、各判断処理時における入替SRM検出手段272Bや仮取得処理手段273Aの処理負荷を低減できる。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300の記憶状態認識処理や、SRMファイル300の更新処理をより適切にできる。
さらに、記録再生装置200に、第1の記憶手段250に正規登録されたSRMファイル300に基づいて、HDCPのリボケーション処理を実施するリボケーション処理手段275を設けている。このため、記録再生装置200は、適切に更新されたSRMファイル300に基づいてリボケーション処理を実施することができる。したがって、リボケーション処理を適切に実施できる記録再生装置200を提供できる。
そして、記録再生装置200に、第1の記憶手段250および第2の記憶手段260を設けている。このため、例えば記録再生装置200と、各記憶手段250,260と、を別体とする構成と比べて、記録再生装置200の取り扱いを容易にできる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
すなわち、不正SRM検出手段272Aに、正式登録されたSRMファイル300が不正なものか否かを検出する機能を設けた構成について例示したが、このような機能を設けない構成としてもよい。このような構成の場合、不正SRM検出手段272Aは、ステップS103でSRMファイル300が存在していると判断した場合、ステップS106の処理を実施する。また、仮取得処理手段273Aは、ステップS203でSRMファイル300の正規登録を検出していないと判断した場合、ステップS208の処理を実施する。このため、ステップS104,S105,S206の処理を省略できる。したがって、SRMファイル300の登録状態検出処理や登録処理の際の不正SRM検出手段272Aや仮取得処理手段273Aの処理負荷を低減できる。さらに、不正SRM検出手段272Aの構成を簡略にできる。
そして、入替SRM検出手段272Bに、第1の記憶手段250のSRMファイル300が例えば古いバージョンのものに入れ替えられたか否かを判断する機能を設けた構成について例示したが、このような機能を設けない構成としてもよい。このような構成の場合、登録状態検出手段272は、ステップS104で第1の記憶手段250のSRMファイル300が正規なファイルであると判断すると、入替SRM検出手段272BにてステップS107の処理を実施し、SRMファイル300の正規登録を検出する。このため、ステップS106,S108の処理を省略できる。したがって、SRMファイル300の登録状態検出処理の際の入替SRM検出手段272Bの処理負荷を低減できる。さらに、入替SRM検出手段272Bの構成を簡略にできる。
さらに、SRM消去検出手段272Cに、第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在しない場合、第2の記憶手段260のSRM取得履歴情報に基づいて、SRMファイル300が消去されたのか、あるいは、SRMファイル300が正式登録されたことがないのかを判断する機能を設けた構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、SRM消去検出手段272Cにて、第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在しない場合、SRMファイル300の消去、および、SRMファイル300の正規登録未実施のうちのいずれか一方を検出する構成としてもよい。このような構成の場合、登録状態検出手段272は、ステップS103で第1の記憶手段250にSRMファイル300が存在しないと判断すると、SRM消去検出手段272Cにて、ステップS110またはステップS111の処理を実施する。このため、ステップS109の処理と、ステップS110またはステップS111の処理と、を省略できる。したがって、SRMファイル300の登録状態検出処理の際のSRM消去検出手段272Cの処理負荷を低減できる。さらに、SRM消去検出手段272Cの構成を簡略にできる。
また、正式登録処理手段273Bに、仮取得処理手段273Aで仮取得されたSRMファイル300が不正なものか否かを検出する機能を設けた構成について例示したが、これに限らず仮取得されたものが不正なものか否かにかかわらず正式登録する構成としてもよい。このような構成の場合、SRM登録手段273は、仮取得処理手段273AでステップS205においてSRMファイル300を仮取得した後に、正式登録処理手段273BにてステップS211の処理を実施する。このため、ステップS209,S210の処理を省略できる。したがって、SRMファイル300の登録処理の際の正式登録処理手段273Bの処理負荷を低減できる。さらに、正式登録処理手段273Bの構成を簡略にできる。
そして、仮取得処理手段273Aに、データ信号のSRMファイル300が正規登録されているSRMファイル300よりも新しいか否かを判断する機能を設けた構成について例示したが、これに限らず正規登録のものよりも新しいか否かにかかわらずデータ信号のSRMファイル300を適宜仮取得する構成としてもよい。このような構成の場合、仮取得処理手段273Aは、ステップS203でSRMファイル300の正規登録が検出されていると判断した場合、ステップS205の処理を実施する。このため、ステップS204の処理を省略できる。したがって、SRMファイル300の登録処理の際の仮取得処理手段273Aの処理負荷を低減できる。さらに、仮取得処理手段273Aの構成を簡略にできる。
また、仮取得処理手段273Aに、不正なSRMファイル300やSRMファイル300の改竄を検出した際に、データ信号のSRMファイル300が最後に正規登録されていたものよりも古いか否かを判断する機能を設けた構成について例示したが、これに限らず最後に正規登録されていたものより古いか否かにかかわらずデータ信号のSRMファイル300を適宜仮取得する構成としてもよい。このような構成の場合、仮取得処理手段273Aは、ステップS203でSRMファイル300の正規登録を検出していないと判断した場合、すなわち不正なSRMファイル300やSRMファイル300の改竄あるいはSRMファイル300の正規登録未実施を検出していると判断した場合、ステップS205の処理を実施する。このため、ステップS206ないしステップS208の処理を省略できる。したがって、SRMファイル300の登録処理の際の仮取得処理手段273Aの処理負荷を低減できる。さらに、仮取得処理手段273Aの構成を簡略にできる。
そして、記録再生装置200に、各記憶手段250,260を設けた構成について例示したが、記録再生装置200および各記憶手段250,260を別体として構成してもよい。このような構成にすれば、記録再生装置200の構成を簡略にできる。
さらに、本発明の記憶状態認識装置を記録再生装置200に設けた構成について例示したが、これに限らずDSA認証処理手段271、登録状態検出手段272、および、SRM登録手段273を独立させた構成としてもよい。そして、各手段271,272,273、および、各記憶手段250,260を独立させた記録処理装置としてもよい。また、記録再生装置200と、この記録再生装置200にSRM300を単独であるいはコンテンツデータとともに適宜配信する配信装置と、を備えた記憶状態認識システムとしてもよい。
さらに、本発明の記憶状態認識装置および処理実施装置を、リボケーション処理を実施する記録再生装置200に適用した構成について例示したが、これに限らず各種情報の記憶状態を認識し、この記憶状態を認識した各種情報に基づく処理をする例えば以下に示すような各種機器に適用してもよい。すなわち、DVD、HD、ブルーレイディスク、メモリなどの記録媒体に映像や楽曲などのコンテンツの再生のみを実施する再生装置、記録のみを実施する記録装置に適用してもよい。また、テレビジョン装置などに接続して追加機能を提供するいわゆるセットトップボックス、D−VHS方式に対応する記録装置や記録再生装置、AV(Audio Visual)アンプ、DV方式やDVDレコーダ方式などのデジタル式のVTR(Videotape Recorder)一体型カメラであるいわゆるカムコーダに適用するなどしてもよい。さらに、テレビチューナ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、移動体の移動を支援するナビゲーション装置、ストレージサーバに適用してもよい。
そして、上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記実施の形態では、記録再生装置200のCPU270は、SRM登録手段273にて、SRMファイル300を適宜仮取得して、第1の記憶手段250に記憶させるとともに、このSRMファイル300のバージョン情報を暗号化した暗号バージョン情報をSRM取得履歴情報として第2の記憶手段260に記憶させる。そして、CPU270は、登録状態検出手段272にて、第1の記憶手段250のSRMファイル300の記憶状態、および、第2の記憶手段260のSRM取得履歴情報の暗号バージョン情報に基づいて、第1の記憶手段250に記憶されているSRMファイル300が正式登録処理手段273Bにて正式登録されたものか否かを認識する。
このため、CPU270は、利用者により例えば不適切な出力装置800でコンテンツを出力させるために、第1の記憶手段250に正式登録されたSRMファイル300が古いSRMファイル300に入れ替えられたとしても、第2の記憶手段260の暗号バージョン情報に基づいて、第1の記憶手段250のSRMファイル300が入れ替えられたことを認識できる。したがって、記録再生装置200は、SRMファイル300の記憶状態を適切に認識できる。