JP2006118785A - 熱交換器 - Google Patents

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正一郎 臼井
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Abstract

【課題】 優れた熱交換効率を維持しながら、小型軽量でかつ生産性の高いEGRガス冷却装置用などの熱交換器を提供する。
【解決手段】 断面矩形で立方体形の枠体からなるシェル内に、九十九状に成形したコルゲート板を内装することにより、該コルゲート板によって遮られて交互に隣接する二つの流体流路を形成し、該一方の流路に被冷却媒体を、隣接する他の流路に冷却媒体を通流せしめ、相互の流体間において熱交換させる熱交換器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種熱媒体流体に使用可能であるが、好ましくはEGRガス冷却装置の熱交換器に係り、詳しくはEGRガス冷却装置におけるプレートタイプ熱交換器において、優れた熱交換性能を維持しながら、部品点数を極力省略して、その構造の簡略化を図ると共に、小型軽量化と高度の生産性を可能とする熱交換器に関する。
ディーゼルエンジンの排気系から排気ガスの一部を取り出して再びエンジンの吸気系に戻し、混合気に加える方法は、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)と称され、NOx(窒素酸化物)の発生を抑制し、ポンプ損失の低減や燃焼ガスの温度低下に伴う冷却液への放熱損失の低減、作動ガス量・組成変化による比熱比の増大と、それに伴うサイクル効率の向上など、多くの効果が得られるところから、ディーゼルエンジンの排気ガスの浄化や、熱効率を改善するための有効な方法として広く採り入れられている。
ところが、EGRガスの温度が上昇し、EGRガス量が増大すると、その熱作用によってEGRバルブの耐久性が劣化し、早期に破損する惧れが生ずるため、その防止策として冷却系を設けて水冷構造とする必要に迫られたり、吸気温度の上昇に伴い充填効率が低下して燃費が低下するという現象を招来する。このような事態を回避するためにエンジンの冷却液、カーエアコン用冷媒または冷却風などによってEGRガスを冷却する装置が用いられ、とりわけ、気体であるEGRガスをエンジン冷却水で冷却する気−液熱交換タイプのEGRガス冷却装置が多数提案されている。例えば、ガスを通す内管の外側に液体を通す外管を配設し、ガスと液体間で熱交換を行う交換器において、内管内に金属コルゲート板がフィンとして挿入されている2重管式熱交換器(例えば、特許文献1参照)、内側に被冷却媒体を流通させる内管と、該内管の外周を離間して囲むように設けられた外管と、前記内管の内部に配設された熱応力緩和機能を有する放熱フィンとから構成された2重管式熱交換器(例えば、特許文献2参照)、内側に被冷却媒体を流通させる内管と、該内管の外周を離間して囲むように設けられた外管と、前記内管の内部に配設されたクロスフィンとから構成された2重管式熱交換器(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
更に最近の傾向として、図10に示すように冷却ジャケットを兼ねるシェル31の内側にチューブシート34−1、34−2を介して複数の伝熱管32が配設され、EGRガス入口側g1のボンネット34−1から導入された高温のEGRガスが、該伝熱管32を通流してEGRガス出口側g2のボンネット34−2に至る間に、シェル31内における冷却媒体流路36の冷却水c1、c2に熱交換される構造の、所謂シェルアンドチューブタイプの多管式熱交換器(例えば、特許文献4参照)や、図11に示すように天板41と底板42間に配置される複数の平板43の間に、プレートフィンとしての波板a44や波板b45を固着し、EGRガス入口g1からEGRガス流路46を通流して同出口g2へと流下する高温のEGRガスを、該EGRガス流路46に対して直交状態で形成された冷却水流路47を通流する冷却水と、上記プレートフィンによる伝熱効果とによって熱交換するプレートタイプの熱交換器(例えば、特許文献5参照)などが汎用されている。
特開平11−23181号公報(第1〜6頁、図1〜2) 特開2000−111277号公報(第1〜12頁、図1〜12) 特開2003−21478号公報(第1〜8頁、図1〜7) 特開平9−89491号公報(第1〜5頁、図1) 特開平10−89880号公報(第1〜7頁、図1)
上記各従来技術において、特許文献1〜3に開示されている2重管タイプのEGRガス冷却装置の場合は、コルゲートフィンやクロスフィンを内装させることによって、ガスの流れを細流化してフィンに対する接触面積の増大を図る点においては、それなりの成果が期待されるものの、EGRガス流路を構成するパイプの内面は、長さ方向の全長に渡ってその内周面が平滑となっているものが多く、パイプの中心付近における熱伝達が不十分となり、その上ガス流がEGRガス配管に沿ってストレートに流れるため、ガス流の乱流化が不十分となり、伝熱面の境界層が十分に薄くならず、伝熱性能が若干不足するという問題が残されていた。
ところでディーゼルエンジンの排気再循環(EGR)を効率化するためのEGRガス冷却装置は、ディーゼルエンジン搭載の自動車のエンジンルームなど、限定された空間に取付けられるものであるため、その冷却系における主要な構成要素となる熱交換器も、構造上簡略で小型軽量であることが望ましく、かつ過酷な運転条件にも十分に対応できるだけの耐久性が要求されるが、上記各従来技術においては、熱交換効率の向上という主要な技術的課題に対してはそれぞれ優れた成果を達成しているものの、装置の小型軽量化や生産性の向上、さらには品質の安定的確保などについては未解決な課題が残されていた。本発明は斯かる課題を解決することを所期の目的とし、簡略な構造であるにも拘らず、熱交換器として本来の機能を、十分に発揮することのできるEGRガス冷却装置用熱交換器にも使用可能な熱交換器を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明は、断面矩形で立方体形の枠体に、九十九状に成形したコルゲート板を内装することにより、該コルゲート板によって遮られて交互に隣接する二つの流体流路を形成し、該一方の流路に被冷却媒体を、隣接する他の流路に冷却媒体を通流せしめ、相互の流体間において熱交換させることを特徴的構成要件とする熱交換器を要旨とするものである。
また、本発明による上記熱交換器は、前記枠体を形成する上板並びに対応する底板であって、長手方向の両端部の近傍における両側面にかけて、上記コルゲート板の開放面に連なる流体出入口用窓が形成され、上記枠体の両端部の開放面には、それぞれ盲蓋が取付けられることを特徴とするものである。
さらに、本発明による上記熱交換器は、前記流体出入口用窓が、上記枠体における上板の両端部の近傍にのみ形成され、該枠体の両端部の開放面には、それぞれ流体導入排出口用のボンネットが接続されることを特徴とするものである。
上記本発明による熱交換器において、前記流体出入口用窓が、上記枠体における上板の一端部の近傍と、上記底板の両端部に形成され、該枠体の一方の端部には流体導入口用のボンネットが接続されると共に、反対側の端部の開放面には盲蓋が取付けられることを特徴とするものである。
上記本発明による熱交換器において、前記流体出入口用窓が、上記枠体における上板の一端部の近傍と、上記底板における反対側の一端部にのみ形成され、該枠体の両端部には、それぞれ異なる流体を導入するためのボンネットが接続されることを特徴とするものである。
また本発明による熱交換器は、上記コルゲート板が金属製薄板からなるプレート材によって形成され、前記シェル本体への内装後の固定手段が、ろう接若しくは溶接による溶着であることを好ましい態様とするものである。
本発明に係る上記熱交換器は、断面矩形で立方体形の枠体(シェル本体)と、該枠体内に挿入されて固定されることにより内装され、二つの流体流路を確保する、九十九形状に成形されたコルゲート板によって形成される。即ち、本発明による熱交換器は、基本的に外殻を兼ねる枠体と、該枠体内に内装されるコルゲート板という二つの部品によって構成され、実用に際しては該コルゲート板の両端を閉じる盲板、若しくは流体の導入排出口となるボンネットが付随されるだけである。従って、接合箇所も原則的にはシェル本体とコルゲート板のみであり、ボンネットや盲板の取付けはボルト締めによって容易に代行が可能である。このように部品点数を極端に省略することにより、構造が簡略となり、小型軽量化に加えてその生産性が著しく向上し、断面矩形で立方体形の枠体によってシェル本体の強度が確保される上に、該シェル内に挿入して固定されるコルゲート板による補強効果が付加して、その剛性がより一層増加するため、熱交換器全体を構成する素材を薄肉化することが可能となり、過酷な運転条件に十分に対応し得る熱交換器を、更なる軽量化を図りつつ安価に提供することができる。
また、本発明による熱交換器は、伝熱性に優れる金属製薄板によって成形されたコルゲート板が、被冷却媒体であるEGRガスなどと、冷却媒体である冷却水などという二つの流体の流路を形成し、該金属製薄板によって遮られた隣接する流路間を通流するそれぞれの流体が、相互に熱交換され、高温のEGRガスなどの被冷却媒体を効率よく冷却することができる。なお、二つの流体流路を形成する本発明によるコルゲート板を、予めその溝が深くなるように加工したり、溝そのものの数を増やしたり、溝を波型に形成したりすることにより、流路間における二つの流体の接触面積を増やしたり、その流速を調整することにより熱交換効率の向上を図ることも可能であり、流体出入口用窓と、ボンネット並びに盲蓋の取付け方法を変更することにより、流体の流路を様々に変更して所望の熱交換効率を図ることも可能である。このように本発明による熱交換器は、熱交換器としての初期の性能を十分に維持しつつ、その部品点数がほぼ極限にまで省略され、簡略な構造であるためにその加工が極めて容易であり、該熱交換器の小型軽量化が低コストで実現され、省エネルギー面においても多大な貢献が期待できる。
以下、本発明の実施の形態について添付した図面に基づいて更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る熱交換器本体を説明するための斜視図、図2は図1の平面図、図3は同じく図1の正面図、図4は本発明に係る熱交換時本体の組み込み状態の一例を示し、(a)は組込み前のコルゲート板単体の斜視図、(b)はコルゲート板内装前の枠体単体を示す斜視図、(c)はコルゲート板組込み後の熱交換器本体の斜視図、図5は本発明の第1実施例の熱交換器組込み状態を示し、(a)はコルゲート板内装前の枠体単体の斜視図、(b)は組込み前のコルゲート板単体の斜視図、(c)はコルゲート板内装後の正面図、図6は本発明に係る上記第1実施例における二つの流体の流れ方向を模式的に示す側面図、図7は本発明に係る第2実施例における二つの流体の流れを模式的に示す側面図、図8は本発明に係る第3実施例における二つの流体の流れを模式的に示す側面図、図9は本発明に係る第4実施例における二つの流体の流れを模式的に示す側面図である。
[実施例]
以下本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれによって拘束されるものではなく、本発明の主旨の範囲内において自由に設計変更が可能である。
本発明によるEGRガス冷却装置用などの熱交換器は、図1に示すように断面矩形で立方体形の枠体2からなるシェル内に、九十九状に成形した金属製薄板からなるコルゲート板3を内装することによって、該コルゲート板3により遮られて交互に隣接する二つの流体流路6および7が形成され、第1の流体に仮定される例えば被冷却媒体であるEGRガスを第1の流体流路6に、第2の流体に仮定される冷却媒体の冷却水流路を隣接する第2の流体流路7にそれぞれ通流せしめ、該コルゲート板3を介して相互の流体間において熱交換させることが基本的構成要件である。
コルゲート板3によってシェル内に形成された二つの流路への流体の導入方法は、枠体2を形成する上板2−1および/または対応する底板2−2の長手方向両端部の近傍であって、両側面部2−3、2−4にかけて、上記コルゲート板3のそれぞれの開放面3−1に連通する流体出入口用の窓4−1〜4−4を形成し、該窓4−1〜4−4を介してそれぞれの流体を導入するか、前記枠体2の長手方向の両端部若しくは一方の端部に、別体のボンネットを接続することによって導入することもでき、その導入方法を変更することによって二つの流体の流路を任意に制御することが可能である。なお、本発明による上記コルゲート板3は、板厚が0.1〜0.5mm程度の金属製薄板にプレス加工を施すことによって、断面コの字型で開放面3−1と底面3−2が交互に連なる九十九形状に成形された所謂コルゲート板であり、材質、板厚を含めその長さやピッチ等は設計上自由に変更が可能であり、該コルゲート板のシェル内への固定手段は特に限定しないが、ろう接や溶接による溶着が好ましく採用される。
一方、本発明による熱交換器本体1の組込み方法は図4に示す通りであり、図4(b)に示すように、予め上板2−1の長手方向両端部の近傍に流体出入口用の窓4−1および4−2が形成された金属製枠体2を用意し、同図(a)に示すような別体のコルゲート板3を、前記枠体2の長手方向開放部から挿入し、該コルゲート板3の底面3−2に、予め塗布しておいたろう材によってろう接することにより一体として固定し、同図(c)並びに前記図1〜3に示すような例えばEGRガス冷却装置用の熱交換器が構成される。
板厚1.5mmのSUS304オーステナイト系ステンレス鋼を用い、図5(a)に示すように全幅82mm、全高37mm、全長(有効冷却距離)215mmで、長手方向両端部が開放した枠体2aを用意して、該枠体2aの上板2a−1の両端部近傍にほぼ両側面部2a−3、2a−4にまたがる幅の流体出入口用窓4a−1および4a−2を形成し、同時に対応する底板2a−2の対象部分に同寸法の流体出入口用窓4a−3および4a−4を形成した。また、本実施例においては上記枠体2aの両端部に、別体のボンネット若しくは盲蓋を接続するための同一素材からなるフランジ部5−1および5−2が溶着され、該フランジ部5−1および5−2には複数のボルト穴11が設けられている。一方、上記枠体2aと同一の素材からなる板厚0.2mm薄板にプレス加工を施し、同図(b)に示すような別体のコルゲート板3aを形成し、該コルゲート板3aの底面3a−2に予めろう材を塗布した後、上記枠体2a内に挿入し、少なくとも該底面3a−2に相当する部分を、好ましくは全体を加熱することによってろう接して、該枠体2a内に一体として固定することにより、同図(c)に示すように本発明における相互に隣接する二つの流体流路が形成された。
次いで上記枠体2aの両端部に上記フランジ部5−1および5−2を介して、盲蓋9−1および9−2接続してその開放部を閉鎖すると共に、上記流体出入口用窓4a−1にEGRガスなどの被冷却媒体導入口G1を取付け、同じく4a−2にEGRガスなどの被冷却媒体排出口G2を取付けた。一方、対応する底板2a−2に形成された流体出入口用窓4a−4には冷却水などの冷却媒体導入口C1を、同じく4a−3には冷却媒体排出口C2をそれぞれ取付けることにより、本発明に係るEGRガス冷却装置としての熱交換器を構成し、冷却装置の系内に組み込みEGRガス冷却試験に供した結果、EGRガスと冷却水は、図6に示すように隣接する流路内を長手方向に交差するように通流する間に、効果的に熱交換され、所定の温度域にまでに冷却されて再循環されることが確認された。
図7に示すように枠体2bの上板2b−1における両端部の近傍にのみ、流体出入口用窓4b−1および4b−2を形成し、枠体2bの両端部にはフランジ部5a−1および5a−2を介して、ボンネット8−1および8−2が接続され、該ボンネット8−1にはEGRガスなどの被冷却媒体導入口G1、他方のボンネット8−2には被冷却媒体排出口G2が形成され、上記流体出入口用窓4b−2には冷却水などの冷却媒体導入口C1を、同じく4b−1には冷却媒体排出口C2を取付けることにより、本発明にかかる第2実施例のEGRガス冷却装置としての熱交換器を構成し、実施例1と同一の条件によってEGRガス冷却試験に供した結果、図7に示すようにボンネット8−1を介して熱交換器本体1bに導入された高温のEGRガスは、他方のボンネット8−1を経由してEGRガスなどの被冷却媒体排出口G2に排出される際には、上記冷却媒体導入口C1から導入されて同排出口C2から排出される冷却媒体に熱交換され、所定の温度域にまでに冷却されて再循環されることが確認された。
図8に示すように枠体2cの上流側フランジ部5b−1には、ボンネット8a−1が取付けられてEGRガスなどの被冷却媒体導入口G1が形成され、他方、下流側のフランジ部5b−2には盲蓋9c−2が取付けられてその開放部を閉塞し、該枠体2cの上板2c−1における下流側の端部の近傍にのみ、流体出口用窓4c−2を形成して被冷却媒体排出口G2が取付けられ、底板2c−2の両端部近傍には流体出入口用窓4c−3および4c−4を形成して、該流体出入口用窓4c−4には冷却水などの冷却媒体導入口C1が、流体出入口用窓4c−3には冷却媒体排出口C2をそれぞれ取付けることにより、本発明にかかる第3実施例のEGRガス冷却装置としての熱交換器を構成し、実施例1と同一の条件によってEGRガス冷却試験に供した結果、図8に示すようにボンネット8a−1を介して熱交換器本体1cに導入された高温のEGRガスは、上板2c−1における下流側端部に形成された流体出入口用窓4c−2を経由して被冷却媒体排出口G2に排出される際には、上記冷却媒体導入口C1から導入されて同排出口C2から排出される冷却媒体に熱交換され、所定の温度域にまでに冷却されて再循環されることが確認された。
図9に示すように枠体2dの上流側フランジ部5c−1には、ボンネット8b−1が取付けられてEGRガスなどの被冷却媒体導入口G1が形成され、該枠体2dの上板2c−1における下流側の端部の近傍にのみ、流体出入口用窓4c−2を形成して被冷却媒体排出口G2が取付けられ、一方、枠体2dの下流側フランジ部5c−2にもボンネット8b−2が取付けられて冷却水などの冷却媒体導入口C1が形成され、該枠体2dの底板2c−2における上流側端部の近傍にのみ、流体出入口用窓4d−3を形成して、該流体出入口用窓4c−3には冷却媒体排出口C2を取付けることにより、本発明にかかる第4実施例のEGRガス冷却装置としての熱交換器を構成し、実施例1と同一の条件によってEGRガス冷却試験に供した結果、図9に示すようにボンネット8b−1を介して熱交換器本体1dに導入された高温のEGRガスは、上板2c−1における下流側端部に形成された流体出入口用窓4d−2を経由して被冷却媒体排出口G2に排出される際には、上記冷却媒体導入口C1から導入されて同排出口C2から排出される冷却媒体に熱交換され、所定の温度域にまでに冷却されて再循環されることが確認された。なお、盲板やボンネットは溶接やろう付けしてもよく、又、フランジ部はなくてもよい。
上記各実施例に示すように本発明における二つの流体、即ち被冷却媒体であるEGRガスと冷却媒体の冷却水流路は、それぞれの導入口と排出口を変更することによって、任意にコントロールすることが可能である。従って設計上最適な流体流路を容易に選択することができ、熱交換器そのものが有する性能を最大限に導き出すことができると共に、エンジンルームの限られた空間に合理的に配設することが可能となる。なお、上記各実施例においては、枠体の上板および底板に形成する流体出入口用窓を、実施例ごとに変更して形成したが、本発明に係る上記枠体において、流体出入口用窓は実施例1に示すように上板および底板の両端部に予め形成しておき、流体流路の変更はそれぞれの出入口に流体導入口、流体排出口並びに盲蓋を取付けることによって容易に可能となることは言うまでもない。
上記各実施例からも明らかなように、本発明に係るEGRガス冷却装置用などの熱交換器は、基本的に外殻を兼ねる枠体と、該枠体内に内装されるコルゲート板という二つの部品によって構成され、実用に際しては、必要に応じて選択的に採用されるコルゲート板の開放部や流体出入口用窓を閉じる盲板、若しくは流体の導入排出口やボンネットが付随されるだけである。従って、接合箇所も原則的にはシェル本体とコルゲート板のみであり、流体導入排出口、ボンネットおよび盲板の取付けは、ボルト締めによって容易に代行が可能である。このように部品点数を極端に省略することにより、構造が簡略となり、小型軽量化に加えてその生産性が著しく向上し、断面矩形で立方体形の枠体によってシェル本体の強度が確保される上に、該シェル内に挿入して固定されるコルゲート板による補強効果が付加して、その剛性がより一層増加するため、熱交換器全体を構成する素材を薄肉化することが可能となり、過酷な運転条件に十分に対応し得る熱交換器を、更なる軽量化を図りつつ安価に提供することができる。
また、本発明による熱交換器は、伝熱性に優れる金属製薄板によって成形されたコルゲート板が、被冷却媒体であるEGRガスと、冷却媒体である冷却水という二つの流体の流路を形成し、該金属製薄板によって遮られて隣接する流路間を通流するそれぞれの流体が、相互に熱交換され、高温のEGRガスを効率よく冷却することができる。なお、二つの流体流路を形成する本発明によるコルゲート板を、予めその溝が深くなるように加工したり、溝そのものの数を増やしたり、溝を波型に形成したりすることにより、流路間における二つの流体の接触面積を増やしたり、その流速を調整することにより熱交換効率の向上を図ることも可能であり、流体出入口用窓と、ボンネット並びに盲蓋の取付け方法を変更することにより、流体の流路を様々に変更して所望の熱交換効率を図ることも可能である。このように本発明による熱交換器は、熱交換器としての初期の性能を十分に維持しつつ、その部品点数がほぼ極限にまで省略され、簡略な構造であるためにその加工が極めて容易であり、該EGR冷却装置の小型軽量化が低コストで実現されるところから、当該技術分野における熱交換器として幅広く採用されることが期待される。
本発明に係る熱交換器本体を説明するための斜視図である。 上記図1における熱交換器本体の平面図である。 同じく上記図1における熱交換器本体の正面図である。 本発明に係る熱交換時本体の組み込み状態の一例を示し、(a)は組込み前のコルゲート板単体の斜視図、(b)はコルゲート板内装前の枠体単体を示す斜視図、(c)はコルゲート板組込み後の熱交換器本体の斜視図である。 本発明に係る第1実施例の熱交換器本体の組込み状態を示し、(a)はコルゲート板内装前の枠体単体の斜視図、(b)は組込み前のコルゲート板単体の斜視図、(c)はコルゲート板内装後の正面図である。 本発明に係る上記第1実施例における二つの流体の流れ方向を模式的に示す側面図である。 本発明に係る第2実施例における二つの流体の流れを模式的に示す側面図である。 本発明に係る第3実施例における二つの流体の流れを模式的に示す側面図である。 本発明に係る第4実施例における二つの流体の流れを模式的に示す側面図である。 従来のシェルアンドチューブタイプの多管式熱交換器の一例を示す一部破断平面図である。 従来のプレートタイプ熱交換器の一例を示す部分斜視図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c、1d 交換器本体
2、2a、2b、2c、2d 枠体
2−1、2a−1、2b−1、2c−1、2d−1 上板
2−2、2a−2、2b−2、2c−2、2d−2 底板
2−3、2a−3 側面部
2−4、2a−4 側面部
3、3a コルゲート板
3−1、3a−1 開放面
3−2、3a−2 底面
4−1、4a−1、4b−1 流体出入口用窓
4−2、4a−2、4b−2、4c−2、4d−2 流体出入口用窓
4a−3、4c−3、4d−3 流体出入口用窓
4a−4、4c−4 流体出入口用窓
4、4a、4b、4c、17 内周側ベント部
5−1、5a−1、5b−1、5c−1 フランジ部
5−2、5a−2、5b−2、5c−2 フランジ部
6 第1の流体流路
7 第2の流体流路
8−1、8a−1、8b−1 ボンネット
8−2、8b−2 ボンネット
9−1、9−2、9c−2 盲蓋
10−1、10a−1、10b−1、10c−1 管板
10−2、10a−2、10b−2、10c−2 管板
11 ボルト穴
G1 被冷却媒体導入口
G2 被冷却媒体排出口
C1 冷却媒体導入口
C2 冷却媒体排出口
30 多管式熱交換器本体
31 シェル
32 伝熱管
33 チューブシート
34−1、34−2 ボンネット
35 EGRガス流路
36 冷却媒体流路
40 プレート式EGRガス冷却装置
41 天板
42 底板
43 平板
44 波板a
45 波板b
46 EGRガス流路
47 冷却水流路

Claims (6)

  1. 断面矩形で立方体形の枠体内に、九十九状に成形したコルゲート板を内装することにより、該コルゲート板によって遮られて交互に隣接する二つの流体流路を形成し、該一方の流路に被冷却媒体を、隣接する他の流路に冷却媒体を通流せしめ、相互の流体間において熱交換させることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記枠体を形成する上板並びに対応する底板であって、長手方向の両端部の近傍における両側面にかけて、上記コルゲート板の開放面に連なる流体出入口用窓が形成され、上記枠体の両端部の開放面には、それぞれ盲蓋が取付けられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記流体出入口用窓が、上記枠体における上板の両端部の近傍にのみ形成され、該枠体の両端部の開放面には、それぞれ流体導入排出口用のボンネットが接続されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記流体出入口用窓が、上記枠体における上板の一端部の近傍と、上記底板の両端部の近傍に形成され、該枠体の一方の端部には流体導入口用のボンネットが接続されると共に、反対側の端部の開放面には盲蓋が取付けられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  5. 前記流体出入口用窓が、上記枠体における上板の一端部の近傍と、上記底板における反対側の一端部の近傍にのみ形成され、該枠体の両端部には、それぞれ異なる流体を導入するためのボンネットが接続されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  6. 上記コルゲート板が金属製薄板からなるプレート材によって形成され、前記シェル本体への内装後の固定手段が、ろう接若しくは溶接による溶着であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱交換器。

JP2004306617A 2004-10-21 2004-10-21 熱交換器 Pending JP2006118785A (ja)

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