JP2006118674A - 伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 伝動ベルトを構成するブロックのサドル部と首部とを別体化することにより、伝動ベルトの耐久性を向上させる。
【解決手段】 環状の帯状体10と、サドル部11,12および首部6を有するブロック1とからなる伝動ベルトにおいて、前記ブロック1が、少なくとも、前記サドル部11,12を形成する部材21と前記首部6を形成する部材22とを含む複数の部材を組み合わせて構成されるとともに、前記サドル部11,12の一方の端部25,26が、前記首部6を形成する部材21に接することによって規定され、さらに前記サドル部11,12の他方の端部29、30から前記一方の端部までの部分が、前記帯状体10の内周面に倣った平坦面に形成されている。
【選択図】 図1A
【解決手段】 環状の帯状体10と、サドル部11,12および首部6を有するブロック1とからなる伝動ベルトにおいて、前記ブロック1が、少なくとも、前記サドル部11,12を形成する部材21と前記首部6を形成する部材22とを含む複数の部材を組み合わせて構成されるとともに、前記サドル部11,12の一方の端部25,26が、前記首部6を形成する部材21に接することによって規定され、さらに前記サドル部11,12の他方の端部29、30から前記一方の端部までの部分が、前記帯状体10の内周面に倣った平坦面に形成されている。
【選択図】 図1A
Description
この発明は、環状の帯状体とブロックとからなる伝動ベルトに関するものである。
一般に、2つの回転部材同士の間で動力の伝達をおこなう場合に用いる伝動装置には、摩擦伝動装置、歯車伝動装置、巻き掛け伝動装置などがある。このうち、伝動ベルトとプーリを用いた巻き掛け伝導装置であるベルト伝動装置は、例えば、車両用の無段変速機に用いられている。そのような無段変速機に用いられるベルト伝動装置を構成している伝動ベルトは、例えばブロックあるいはエレメントと称される多数の板片を互いに対面させて環状に配列するとともに、それらの板片をフープと称される帯状の環状体で環状に結束されることによって無端(環状)のベルトとして構成されている。
上記のような伝動ベルトおよびその伝動ベルトを構成するブロックの一例が特許文献1ないし3に記載されている。このうち特許文献1に記載されている「伝導ベルト」を構成する金属ブロックは、ブロックの形状・寸法を高精度にかつ容易に製作するため、金属ブロックを、ブロックの下サドル部(サドル部)と首部とが一体となっている主片と、ブロックの頭部(頂部)である従片との二つの分割片に分けて加工製作し、それらの分割片が溶接により接合され一体化されている。
そして、特許文献2に記載されている「無段変速機のVベルト」を構成する金属ブロック体(ブロック)は、上記の特許文献1に記載されているブロックと同様に、ブロックの受け面(サドル部)と柄部(首部)とが一体となっている本体と、ブロックの頂部である傘体との二つの部分にブロックが分割されていて、傘体に設けられたあり溝に本体の柄部(首部)が圧入されて一体化されている。
これらの特許文献1および特許文献2に記載されているブロックは、サドル部と首部とのコーナ部において、コーナ部を円弧状に窪ませたR部が設けられている。
また、特許文献3には、ブロックの凹入部(溝部)を中心に上下に分けられる頭部(頂部)と(サドル部を含む)本体部とを有し、それらの頭部(頂部)と本体部との境界で所定の角度に折り曲げられた「無段変速機用低騒音ベルト」を構成するブロックが記載されている。
特開昭63−280946号公報
実開平6−25639号公報
特開平9−329199号公報
上記の特許文献1および特許文献2に記載されている構成のブロックのように、サドル部と首部とのコーナ部にR部が設けられている場合に、フープの板幅を広くすると、コーナ部のR部とその部分に載せられるフープの内周面とが干渉し、あるいはフープに曲げ荷重が作用してフープに応力集中が生じ、フープの強度を低下させてしまう可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、伝動ベルトを構成するブロックのサドル部と首部とを別体化することにより、サドル部と首部とのコーナ部にR部がない形状とすることで、フープに生じる応力を低減させて、伝動ベルトの耐久性を向上させることを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、環状の帯状体と、その帯状体の内周面を接触させて載せるサドル部およびそのサドル部の一方の端部を規定するとともにサドル部から前記帯状体の厚さ方向に延出した首部を有するブロックとからなる伝動ベルトにおいて、前記ブロックが、少なくとも、前記サドル部を形成する部材と前記首部を形成する部材とを含む複数の部材を組み合わせて構成されるとともに、前記サドル部の一方の端部が、前記首部を形成する部材に接することによって規定され、さらに前記サドル部の他方の端部から前記一方の端部までの部分が、前記帯状体の内周面に倣った平坦面に形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ブロックが、前記平坦面と前記首部における前記一方の端部に接する部分の面とのなす角が直角になるように形成されていることを特徴とするものである。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記サドル部を形成する第1部材に設けられた嵌合部と、前記首部を形成する第2部材に設けられた嵌合部とを嵌め合わすことによって前記第1部材と前記第2部材とが結合されて前記一方の端部が規定されるとともに、前記第1部材と前記第2部材との嵌合部が接合されて一体化されていることを特徴とするものである。
またさらに、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記第1部材と前記第2部材との嵌合部が溶接により一体化されていることを特徴とするものである。
さらにまた、請求項5の発明は、請求項4の発明において、互いに直角をなす前記平坦面と前記首部における前記一方の端部に接する部分の面との接触箇所は溶接されていないことを特徴とするものである。
そして、請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記複数の部材のうち少なくとも一つの部材が、他の部材よりも相対的に比重の軽い素材によって形成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、環状の帯状体より環状に結束されて伝動ベルトを構成するブロックが、サドル部を形成する部材と首部を形成する部材との少なくとも二つの部材が組み合わされることによって構成される。その場合、サドル部の一方の端部が、首部を形成する部材と接することによってサドル部と首部とのコーナ部が形成される。そして、サドル部の一方の端部すなわち前記コーナ部の頂角部もしくはそれに相当する位置からサドル部の他方の端部までの部分が、前記帯状体の内周面に倣った平坦面に、すなわちサドル部と前記帯状体との接触部に空隙がほとんど生じないように形成される。このように、サドル部を形成する部材と首部を形成する部材とに別体化されて形成されることで、そのコーナ部にR部がない形状に形成することができ、R部と前記帯状体の内周面との干渉により前記帯状体に生じる応力を低減することができる。また、サドル部の平坦面を前記帯状体との接触部の幅方向において拡幅することができ、それに併せて前記帯状体の幅寸法を拡幅することができる。その結果、前記帯状体の強度を確保することができ、伝動ベルトとしての耐久性を向上することができる。
また、請求項2の発明によれば、サドル部と首部とのコーナ部が直角になるように形成される。そのため、そのコーナ部にR部がない形状に形成することができ、R部と前記帯状体の内周面との干渉により前記帯状体に生じる応力を低減することができる。また、サドル部の平坦面を前記帯状体との接触部の幅方向において可及的に拡幅することができ、それに併せて前記帯状体の幅寸法を可及的に拡幅することができる。その結果、前記帯状体の強度を確保することができ、伝動ベルトとしての耐久性を向上することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、サドル部を形成する第1部材と首部を形成する第2部材とが嵌め合わされ、さらにその嵌合部が接合されて前記第1部材と第2部材とが一体化されることによってブロックが構成される。そのため、ブロックを構成する複数の部材である第1部材と第2部材とを確実に一体化することができ、ブロックの耐久性を確保することができる。
またさらに、請求項4の発明によれば、サドル部を形成する第1部材と首部を形成する第2部材とが嵌め合わされ、さらにその嵌合部が溶接により接合されて前記第1部材と第2部材とが一体化されることによってブロックが構成される。そのため、ブロックを構成する複数の部材である第1部材と第2部材とをより確実に一体化することができ、ブロックの耐久性を確保することができる。
さらにまた、請求項5の発明によれば、直角に形成させるサドル部と首部とのコーナ部を除いた第1部材と第2部材との嵌合部が溶接により接合される。そのため、コーナ部で発生する応力集中を緩和することができ、ブロックの耐久性を確保することができる。
そして、請求項6の発明によれば、ブロックを構成する複数の部材のうち少なくとも一つの部材が、例えば樹脂材料あるいはアルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属などの相対的に比重の軽い素材によって形成される。そのため、前記複数の部材全てが鋼製の部材によってブロックが構成される場合と比較して、ブロックを軽量化することができる。
つぎに、この発明を図面を参照して具体的に説明する。図1A,1Bにこの発明に係る伝動ベルトVを構成するブロックの第1の構成例を示してある。また、ここでの伝動ベルトVは、ベルト式無段変速機の駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられて、それらのプーリの間で動力を伝達するベルトの例を示している。なお、図1Aは、その伝動ベルトVに用いられるブロック1を構成する複数の部材が組み合わされた状態を示す図であり、図1Bは、それらの複数の部材が組み合わされる前の状態を示す図である。ここに示すブロック1は、例えば金属製の板片状の部材からなり、左右の両側面がテーパ状の傾斜面とされた基体部分である板部2を有し、そのテーパ状に傾斜した左右両側面が、ベルト式無段変速機の駆動プーリあるいは従動プーリであるプーリ3のベルト巻き掛け溝に摩擦接触してトルクを伝達する摩擦面4,5とされている。
その板部2の幅方向(図1Aのx方向)における中央部に、図での上方に延びた首部6が形成されている。その首部6の上端部には、板部2の幅方向での両側に傘状に(図1Aのy方向に)延びた頂部7が首部6と一体に形成されている。したがって板部2の図での上側のエッジ部分と頂部7の図での下側のエッジ部分との間に、図での左右方向に開いたスリット部(溝部)8,9が形成されている。このスリット部8,9は、互いに密着して環状に配列されたブロック1を環状に結束する環状の帯状体であるフープ10を挿入して巻き掛けるための部分であり、したがって板部2の図での上側のエッジ部分が、フープ10の内周面を接触させて載せるサドル部11,12となっている。したがって、上記の首部6は、サドル部11,12からフープ10の厚さ方向(図1A,1Bにおいて矢印Tで示す方向)に延出するように形成されている、と言うことができる。
このブロック1は、環状に配列された状態でフープ10によって結束され、その状態で駆動側および従動側のそれぞれのプーリ3に巻き掛けられる。したがってプーリ3に巻き掛けられた状態では、各ブロック1が、プーリ3の中心に対して扇状に拡がり、かつ互いに密着する必要があるので、各ブロック1の図での下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。すなわち、板部2の一方の面(例えば図1Aの(b)における左側面)における前記サドル部11,12より所定寸法下がった部分から下側の部分が削り落とされた状態で次第に薄肉化されている。したがって各ブロック1が扇形に拡がって接触する場合、その板厚の変化する境界部分で接触する。そして、その境界部分のエッジがロッキングエッジ13となっている。
また、各ブロック1には、相対的な位置を決めるための凸部14と凹部15とが形成されている。すなわち、前述した首部6の延長位置(あるいは頂部7の中心部)には、一方の面側(図の例では、前記ロッキングエッジ13のある面側)に凸となる断面円形のディンプル14が形成されている。このディンプル14とは反対側の面に、隣接するブロック1におけるディンプル14を緩く嵌合(挿入)させる有底円筒状のホール15が形成されている。したがってこれらのディンプル14とホール15とが嵌合することにより、ブロック1同士の図1Aの(a)での、左右方向および上下方向の相対位置を決めるようになっている。
このような構成のブロック1では、ディンプル14とホール15とによって図での上下方向の位置が規制され、これに対してフープ10の張力によってサドル部11,12に図での下向きの荷重が作用する。そのため、ディンプル14あるいはホール15とサドル部11,12との間の寸法にばらつきがあった場合には、首部6を引っ張る方向の荷重が作用する。その場合、サドル部11,12が首部6の基端部から直角方向に延びているから、首部6とサドル部11,12との間に曲げモーメントが作用する。その曲げモーメントは、首部6とサドル部11,12との境界部となっているコーナ部で最大となる。そのため、従来は、コーナ部を円弧状に窪ませていわゆるR部が設けられていた。コーナ部にそのようなR部が設けられると、R部とその部分に載せられるフープ10の内周面との干渉や、その部分でフープ10に曲げ応力が発生することを回避するために、フープ10の板幅が制限されてしまう。
そこでこの発明に係る伝動ベルトVを構成するブロック1は、ブロック1のサドル部11,12と首部6とを別体化し、サドル部11,12と首部6とのコーナ部にR部がない形状とすることで、フープ10の板幅を拡幅しても、R部とフープ10の内周面とが干渉してフープ10に応力が発生することを回避できるため、フープ10の強度を向上させて、伝動ベルトVの耐久性を向上させることができるように構成されている。
すなわち、図1A,1Bにおいて、ブロック1は、サドル部11,12を形成する第1部材21と、首部6を形成する第2部材22との複数の部材が組み合わされて一体となるように構成されている。すなわち、第1部材21と第2部材22とがそれぞれ別々に形成されていて、それら第1部材21と第2部材22とのそれぞれに設けられた嵌合部23,24を互いに嵌め合わせて一体化し、第1部材21と第2部材22とを組み合わすことによって、ブロック1が形成されている。
また、第1部材21と第2部材22とが接する部分のなす角、すなわち首部6におけるサドル部11と接する部分の側面6aおよびサドル部12と接する部分の側面6bと、サドル部11,12とのなす角がそれぞれ直角になるように形成されている。このとき、首部6の側面6a,6bとサドル部11,12とのコーナー部に生じる応力集中は、上記のようにブロック1がサドル部11,12を形成する第1部材21と首部6を形成する第2部材22とに別体化されて形成されることによって緩和される。
ブロック1について具体的に説明すると、ブロック1は、板部2を基体部分として、摩擦面4,5、およびサドル部11,12を形成している第1部材21と、首部6および頂部7を基体部分として、ディンプル14およびホール15を形成している第2部材22とがそれぞれ別々に形成されている。そして、第1部材21の幅方向(図での左右方向)での中央部には、第2部材22の嵌合部24と嵌め合わされる凹状の嵌合部23が設けられている。この嵌合部23は、第1部材21に形成されているサドル部11の一方の端部25と、サドル部12の一方の端部26との間の板部2の部分をくり抜いた状態で設けられている。
一方、第2部材22の首部6における頭部7と反対側(図での下側)の端部には、上記の第1部材21の嵌合部23と嵌め合わされる凸状の嵌合部24が設けられている。この嵌合部24は、首部6がその前記端部の方向に延出されて、上記の第1部材21の凹部、すなわち嵌合部23が設けられる板部2をくり抜いた部分に嵌め込まれる形状とされている。
これらの嵌合部23,24は、いわゆる「ありつぎ」もしくは「あり差し」と称される継ぎ手構造であって、嵌合部24には、鳩尾状の凸部であるいわゆる“あり”部27が形成されている。そして嵌合部23には、上記の“あり”部27に嵌り合う凹部であるいわゆる“あり溝”部28が形成されている。このように嵌合部23,24をいわゆる「ありつぎ」構造とすることによって、第1部材21と第2部材22とが確実に組み合わされるとともに、前述したように、サドル部11,12の曲げモーメントが作用する場合においても、第1部材21と第2部材22とが互いに外れることがないように、それら複数の部材を一体化することができる。
上記のように構成された第1部材21の嵌合部23と第2部材22の嵌合部24とが嵌め合わされた状態では、第1部材21のサドル部11,12のそれぞれの端部25,26が、第2部材22の首部6と接することになり、首部6とサドル部11あるいはサドル部12との間には、前述のようなR部が設けられていないコーナ部が形成されることになる。すなわち、第1部材21のサドル部11,12のそれぞれの端部25,26が、第2部材22の首部6と接することにより、サドル部11の他方の端部29に対する一方の端部として端部25が規定され、またサドル部12の他方の端部30に対する一方の端部として端部26が規定される。
そして、それらの端部25,29で区画されるサドル部11、および端部26,30で区画されるサドル部12のフープ10との接触面(すなわちサドル面)、すなわち、サドル部11の端部29から端部25までの部分および端部30から端部26までの部分が、フープ10の内周面の形状に倣った平坦面11a,12aにそれぞれ形成されている。言い換えると、サドル部11,12のサドル面が、フープ10の内周面と接触する際に隙間が限りなく小さくなるような平坦面11a,12aに形成されている。したがって、首部6における端部25と接する部分の側面6aおよび端部26と接する部分の側面6bと、サドル部11,12のサドル面すなわち平坦面11a,12aとが、それぞれ直角に交わっているコーナ部が形成される。
したがって、フープ10の板幅Wfを、最大で、サドル部11,12の端部25,29、あるいは端部26,30で区画される部分の幅寸法Wsまで拡幅することができる。別の言い方をすると、フープ10の板幅Wfを、サドル部11,12の端部25,29、あるいは端部26,30で区画される部分の幅寸法Wsまで拡幅した場合でも、フープ10に異状な曲げ応力が作用することがない。すなわち、フープ10の板幅Wfをサドル部11,12の幅寸法Wsまで拡幅した場合でも、フープ10の内周面は、その板幅方向においてサドル部11,12の平坦面11a,12aと隙間が限りなく小さくなるように接触している状態となるため、フープ10に異常な曲げ応力が生じることはない。そのため、フープ10に生じる応力を低減することができるとともに、フープ10の板幅Wfを可及的に拡幅することができ、フープ10の強度を向上させることができる。その結果、フープ10の板幅Wfを拡幅できる分だけフープ10の板厚を薄くできるため、フープ10に生じる曲げ応力を低下させることができ、これらブロック1とフープ10とによって構成される伝動ベルトV本体としての耐久性を向上させることができる。
また、上述したようなブロック1は、主にプレス加工、あるいは金属焼結加工などによって一括して大量に加工されるのが一般的であるが、その場合、上述したこの発明に係る伝動ベルトVを構成するブロック1のような、サドル部11,12と首部6とのコーナー部にR部を設けない形状のブロック1を、仮に一体で成形するとすれば、プレス加工後の抜型の問題や、プレス型あるいは金型の欠けや摩耗などの製造上の問題が生じる。しかしながら、この発明のようにブロック1のサドル部11,12と首部6とを別体化することにより、上記のような製造上の問題を軽減することができ、さらにスリット部(溝部)8,9の加工を容易にすることができる。
また、上記の図1A,1Bに示す第1の構成例において、第1部材21の嵌合部23と第2部材22の嵌合部24との嵌め合わせ面は、例えば、接着あるいは圧入などの適宜の方法で接合することによって、第1部材21と第2部材22とを一体化することができる。そのため、複数の部材が組み合わされて構成されるブロック1の強度を確保することができる。
さらに、第1部材21の嵌合部23と第2部材22の嵌合部24との嵌め合わせ面を溶接することもできる。このように嵌合部23,24の嵌め合わせ面を溶接して第1部材21と第2部材22とを一体化することによって、複数の部材が組み合わされて構成されるブロック1の強度をより確実に確保することができる。
またさらに、上記のように嵌合部23,24の嵌め合わせ面を溶接して第1部材21と第2部材22とを一体化する場合、平坦面11a,12aと首部6における端部25,26にそれぞれ接する側面6a,6bとの接触箇所(すなわち端部25,26)、言い換えると、側面6a,6bと平坦面11a,12aとがそれぞれ直角に交わっているコーナ部は溶接されない。具体的には、図1A,1Bにおいて範囲S1(一点鎖線で囲まれた部分)で示す、前記接触箇所(すなわち端部25,26)あるいはコーナ部を含まない範囲の嵌合部23,24の嵌め合わせ面のみが溶接される。そのため、コーナ部で発生する応力集中を緩和することができ、ブロック1の耐久性を確保することができる。
そして、上記の図1A,1Bに示す第1の構成例において、例えば、サドル部11,12を形成している第1部材21が鋼製の場合、首部6および頂部7を形成している第2部材22を、例えば樹脂、あるいは例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属などの、鋼よりも比重の軽い材料によって形成することができる。そうすることによって、第1部材21および第2部材22を共に鋼製とした場合と比較して、ブロック1を軽量化することができる。そしてブロック1が軽量化されることによって、伝動ベルトVが駆動される際にフープ10の作用する遠心力が低減され、フープ10にかかる張力を低減することができる。
また、伝動ベルトVが駆動される場合、ブロック1の重心が高い、すなわちブロック1の重心が頂部7に近いと、あるいはブロック1の重心がフープ10の外周面方向にあると、プーリ3の出口付近、すなわちブロック1がプーリ3から回転方向に離れる箇所において、ブロック1が回転方向における前後方向に倒れるいわゆるピッチングが発生し、フープ10に通常より大きな荷重が作用する場合がある。その場合、上記のように、鋼製の第1部材21に対して、第2部材22を鋼よりも比重の軽い材料によって形成することによって、ブロック1の重心を低く、すなわちブロック1の重心を頂部7から遠い側に、あるいはブロック1の重心をフープ10の内周面方向にすることができ、上記のようなピッチングの発生を回避もしくは低減することができる。
さらに、上記のように第2部材22を樹脂やアルミニウム合金などの相対的に比重の軽い素材で形成した場合、例えば、それらの樹脂やアルミニウム合金が、鋼製のフープ10よりも柔らかい素材であることによって、ブロック1の頂部7や首部6がフープ10に接触した際に、フープ10が受ける衝撃を低下させることができる。
図2は、この発明に係る伝動ベルトVを構成するブロック1の第2の構成例を示すものであって、図1Aの(a)と同様に、そのブロック1を構成する複数の部材が組み合わされた状態を示している。また前述の図1A,1Bに示す構成と同様の部分には、図1A,1Bに付した符号と同様の符号を付してその説明を省略する。
図2において、ブロック1は、サドル部11,12を形成する第1部材31と、首部6を形成する第2部材32との複数の部材が組み合わされて一体となるように構成されていて、第1部材31に設けられた嵌合部33と、第2部材32に設けられた嵌合部34とを互いに嵌め合わすことよって第1部材31と第2部材32とが組み合わされて、ブロック1が形成されている。すなわち、前述の図1A,1Bに示すブロック1の第1の構成例における嵌合部23,24の嵌め合い構造が、いわゆる“あり溝”を利用した「ありつぎ」構造であるのに対して、この図2に示すブロック1の第2の構成例は、第1の構成例に対して“あり溝”の形状を変えた変形例である。
具体的には、第2部材32の首部6における頭部7と反対側(図での下側)の端部に設けられた嵌合部34には、第1部材31の嵌合部33に設けられる凹部35と嵌め合わされる、ほぼ円形状の凸部36が設けられている。この凸部36は、半円以上の円弧もしくはそれに類似する形状に形成されていて、嵌合部33と嵌合部34とが互い嵌合された状態で、サドル部11,12に曲げモーメントが作用した場合においても、第1部材31とと第2部材32とが互いに外れることのないように、係止部36a,36bが形成されている。そのため、サドル部11,12に曲げモーメントが作用した場合においても、第1部材31と第2部材32とが互いに外れることがないように、それら複数の部材を一体化することができる。
一方、第1部材31の幅方向(図2でのx方向)での中央部には、嵌合部33として、上記の第2部材32の嵌合部34の凸部36と嵌め合わされる凹部35が設けられている。この嵌合部33および凹部35は、第1部材31に形成されているサドル部11の一方の端部37と、サドル部12の一方の端部38との間の板部2の部分をくり抜いた状態で設けられている。したがって、上記の嵌合部34および凸部36は、この板部2をくり抜いた部分にはめ込まれる形状に形成されている。
この第2の構成例においても、上記の第1の構成例と同様に、第1部材31の嵌合部33と第2部材32の嵌合部34とが嵌め合わされた状態では、第1部材31のサドル部11,12のそれぞれの端部37,38が、第2部材32の首部6と接することになり、首部6とサドル部11あるいはサドル部12との間には、前述のようなR部が設けられていないコーナ部が形成されることになる。すなわち、第1部材31のサドル部11,12のそれぞれの端部37,38が、第2部材32の首部6と接することにより、サドル部11の他方の端部39に対する一方の端部として端部37が規定され、またサドル部12の他方の端部40に対する一方の端部として端部38が規定される。
そして、上記の第1の構成例と同様に、それらの端部37,39で区画されるサドル部11、および端部38,40で区画されるサドル部12のフープ10との接触面(サドル面)が、フープ10の内周面の形状に倣った平坦面11a,12aに、すなわち、サドル部11,12のサドル面が、フープ10の内周面と接触する際に隙間が限りなく小さくなるような平坦面11a,12aに形成されている。したがって、首部6における端部37と接する部分の側面6aおよび端部38と接する部分の側面6bと、サドル部11,12のサドル面すなわち平坦面11a,12aとが、それぞれ直角に交わっているコーナ部が形成される。
したがって、この第2の構成例においても、上記の第1の構成例の場合と同様の理由により、フープ10に生じる応力を低減することができるとともに、フープ10の板幅Wfを可及的に拡幅することができ、フープ10の強度を向上させることができる。その結果、フープ10の板幅Wfを拡幅できる分だけフープ10の板厚を薄くできるため、フープ10に生じる曲げ応力を低下させることができ、これらブロック1とフープ10とによって構成される伝動ベルトV本体としての耐久性を向上させることができる。
また、上記の第1の構成例の場合と同様に、第1部材31の嵌合部33と第2部材32の嵌合部34との嵌め合わせ面は、例えば、接着あるいは圧入などの適宜の方法で接合することによって、第1部材31と第2部材32とを一体化することができる。そのため、複数の部材が組み合わされて構成されるブロック1の強度を確保することができる。
さらに、第1部材31の嵌合部33と第2部材32の嵌合部34との嵌め合わせ面を溶接することもできる。このように嵌合部33,34の嵌め合わせ面を溶接して第1部材31と第2部材32とを一体化することによって、複数の部材が組み合わされて構成されるブロック1の強度をより確実に確保することができる。
またさらに、上記のように嵌合部33,34の嵌め合わせ面を溶接して第1部材31と第2部材32とを一体化する場合、平坦面11a,12aと首部6における端部37,38にそれぞれ接する側面6a,6bとの接触箇所(すなわち端部37,38)、言い換えると、側面6a,6bと平坦面11a,12aとがそれぞれ直角に交わっているコーナ部は溶接されない。具体的には、図2において範囲S2(一点鎖線で囲まれた部分)で示す、前記接触箇所(すなわち端部37,38)あるいはコーナ部を含まない範囲の嵌合部33,34の嵌め合わせ面のみが溶接される。そのため、コーナ部で発生する応力集中を緩和することができ、ブロック1の耐久性を確保することができる。
そして、上記の第1の構成例の場合と同様に、例えば、第1部材31が鋼製の場合、第2部材32を、例えば樹脂、あるいは例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属などの、鋼よりも比重の軽い材料によって形成することができる。その結果、第1部材31および第2部材32を共に鋼製とした場合と比較して、ブロック1を軽量化することができ、伝動ベルトVが駆動される際にフープ10に作用する遠心力を低減し、フープ10にかかる張力を低減することができる。
また、上記のように、鋼製の第1部材31に対して、第2部材32を鋼よりも比重の軽い材料によって形成することによって、ブロック1の重心を低く、すなわちブロック1の重心を頂部7から遠い側に、あるいはブロック1の重心をフープ10の内周面方向にすることができ、ピッチングの発生を回避もしくは低減することができる。
さらに、上記のように、第2部材32を樹脂やアルミニウム合金などの相対的に比重の軽い素材で形成することで、例えばそれらの樹脂やアルミニウム合金が鋼製のフープ10よりも柔らかい素材であることによって、ブロック1の頂部7や首部6がフープ10に接触した際に、フープ10が受ける衝撃を低下させることができる。
図3は、この発明に係る伝動ベルトVを構成するブロック1の第3の構成例を示すものであって、図1Aの(a)あるいは図2と同様に、そのブロック1を構成する複数の部材が組み合わされた状態を示している。また図2と同様、前述の図1A,1Bに示す構成と同様の部分には、図1A,1Bに付した符号と同様の符号を付してその説明を省略する。
図3において、ブロック1は、サドル部11,12を形成する第1部材41と、首部6を形成する第2部材42との複数の部材が組み合わされて一体となるように構成されていて、第1部材41に設けられた嵌合部43と、第2部材42に設けられた嵌合部44とを互いに嵌め合わすことよって第1部材41と第2部材42とが組み合わされて、ブロック1が形成されている。この第3の構成例における嵌合部43と嵌合部44との嵌合は、例えば金属の塑性変形性もしくは金属の流動性を利用して、凸状の嵌合部44を凹状の嵌合部43へ圧入し、嵌合部43と嵌合部44とを一体化するものである。
すなわち、第2部材42の嵌合部44には、先端が二股状の形状に形成された凸部46が設けられいる。また、第1部材41の嵌合部43には、凸部46が挿入される凹部45が設けられている。そしてこの凹部45には、凸部46が挿入される際に、凸部46の先端の二股部分を押し広げるように変形させる楔部45aがその中央部分に形成されている。
したがって、例えば金属の塑性変形性を利用できるような所定の材質の金属により嵌合部44の凸部46を形成することによって、嵌合部43の凹部45に、嵌合部44の凸部46が所定の圧力により圧入されると、凸部46の先端の二股部分が、凹部45の楔部45aにくい込みながら二股部分が押し広げられて凹部45の空隙に添うように変形させられ、嵌合部43と嵌合部44とが嵌合される。また、例えば金属の流動性を利用できるような所定の材質の金属により嵌合部44の凸部46を形成し、その金属の流動性を利用できるような適宜の所定条件の下で、嵌合部43の凹部45に嵌合部44の凸部46を圧入することによっても、嵌合部43と嵌合部44とを嵌合させることができる。このような構成および方法により嵌合部43と嵌合部44とを嵌合させることにより、サドル部11,12に曲げモーメントが作用した場合においても、第1部材41と第2部材42とが互いに外れることがないように、それら複数の部材を一体化することができる。
この第3の構成例においても、上記の第1,第2の構成例と同様に、第1部材41の嵌合部43と第2部材42の嵌合部44とが嵌め合わされた状態では、第1部材41のサドル部11,12のそれぞれの端部47,48が、第2部材42の首部6と接することになり、首部6とサドル部11あるいはサドル部12との間のコーナ部には、前述のようなR部が設けられないことになる。すなわち、第1部材41のサドル部11,12のそれぞれの端部47,48が、第2部材42の首部6と接することにより、サドル部11の他方の端部49に対する一方の端部として端部47が規定され、またサドル部12の他方の端部50に対する一方の端部として端部48が規定される。
そして、上記の第1,第2の構成例と同様に、それらの端部47,49で区画されるサドル部11、および端部48,50で区画されるサドル部12のフープ10との接触面(サドル面)が、フープ10の内周面の形状に倣った平坦面11a,12aに、すなわち、サドル部11,12のサドル面が、フープ10の内周面と接触する際に隙間が限りなく小さくなるような平坦面11a,12aに形成されている。したがって、首部6における端部47と接する部分の側面6aおよび端部48と接する部分の側面6bと、サドル部11,12のサドル面すなわち平坦面11a,12aとが、それぞれ直角に交わっているコーナ部が形成される。この第3の構成例においても、端部47,48が、平坦面11a,12aと首部6における端部47,48にそれぞれ接する側面6a,6bとの接触箇所であると言うことができる。
したがって、この第3の構成例においても、上記の第1,第2の構成例の場合と同様の理由により、フープ10に生じる応力を低減することができるとともに、フープ10の板幅Wfを可及的に拡幅することができ、フープ10の強度を向上させることができる。その結果、フープ10の板幅Wfを拡幅できる分だけフープ10の板厚を薄くできるため、フープ10に生じる曲げ応力を低下させることができ、これらブロック1とフープ10とによって構成される伝動ベルトV本体としての耐久性を向上させることができる。
図4,5は、この発明に係る伝動ベルトVを構成するブロック1のその他の例を示す図である。すなわち、上記の第1,第2の構成例におけるブロック1における各第1部材21,31の各嵌合部23,33が、その嵌合の際に凹側となるような形状に形成され、各第2部材22,32の各嵌合部24,34が、その嵌合の際に凸側となるような形状に形成されているのに対して、図4に示す構成例は、サドル部11,12を形成する各第1部材51,61の各嵌合部53,63が、その嵌合の際に凸側(凸部55,56)となるような形状に形成され、首部6を形成する各第2部材52,62の各嵌合部54,64が、その嵌合の際に凹側(凸部56,66)となるような形状に形成されている。なお、図4の(a)は上記の第1の構成例における各嵌合部23,24の形状を応用した例であり、図4の(b)は上記の第2の構成例における各嵌合部33,34の形状を応用した例である。
そのため、これらその他の構成例においても、上記の第1,第2,第3の構成例と同様に、各第1部材51,61の各嵌合部53,63と各第2部材52,62の各嵌合部54,64とが嵌め合わされた状態では、各第1部材51,61のサドル部11,12のそれぞれの各端部57,58,67,68が、各第2部材52,62の首部6とそれぞれ接することになり、首部6とサドル部11あるいはサドル部12との間のコーナ部には、前述のようなR部が設けられないことになる。すなわち、各第1部材51,61のサドル部11,12のそれぞれの各端部57,58,67,68が、各第2部材52,62の首部6とそれぞれ接することにより、サドル部11の他方の各端部59,69に対する一方の端部として各端部57,67が規定され、またサドル部12の他方の各端部60,70に対する一方の端部として各端部58,68が規定される。
そして、上記の第1,第2,第3の構成例と同様に、それらの各端部57,59,67,69で区画されるサドル部11、および各端部58,60,68,70で区画されるサドル部12のフープ10との接触面(サドル面)が、フープ10の内周面の形状に倣った平坦面11a,12aに、すなわち、サドル部11,12のサドル面が、フープ10の内周面と接触する際に隙間が限りなく小さくなるような平坦面11a,12aに形成されている。したがって、首部6における各端部57,67と接する部分の側面6aおよび各端部58,68と接する部分の側面6bと、サドル部11,12のサドル面すなわち平坦面11a,12aとが、それぞれ直角に交わっているコーナ部が形成される。
したがって、このように構成された場合であっても、上記の第1ないし第3の構成例の場合と同様の理由により、ブロック1とフープ10とによって構成される伝動ベルトV本体としての耐久性を向上させることができる。
また、上記の第1,第2の構成例の場合と同様に、各第1部材51,61の各嵌合部53,63と各第2部材52,62の各嵌合部54,64との嵌め合わせ面は、例えば、接着あるいは圧入などの適宜の方法で接合することによって、各第1部材51,61と各第2部材52,62とを一体化することができる。そのため、複数の部材が組み合わされて構成されるブロック1の強度を確保することができる。
さらに、各第1部材51,61の各嵌合部53,63と各第2部材52,62の各嵌合部54,64との嵌め合わせ面を溶接することもできる。このように各嵌合部53,54および各嵌合部63,64の嵌め合わせ面を溶接して各第1部材51,61と各第2部材52,62とを一体化することによって、複数の部材が組み合わされて構成されるブロック1の強度をより確実に確保することができる。
またさらに、上記のように各嵌合部53,54および各嵌合部63,64の嵌め合わせ面を溶接して各第1部材51,61と各第2部材52,62とをそれぞれ一体化する場合、平坦面11a,12aと首部6における各端部57,58,67,68にそれぞれ接する側面6a,6bとの接触箇所(すなわち各端部57,58,67,68)、言い換えると、側面6a,6bと平坦面11a,12aとがそれぞれ直角に交わっているコーナ部は溶接されない。具体的には、図4において範囲S3,S4(一点鎖線で囲まれた部分)で示す、前記接触箇所(すなわち各端部57,58,67,68)あるいはコーナ部を含まない範囲の各嵌合部53,63と各嵌合部54,64との各嵌め合わせ面のみが溶接される。そのため、コーナ部で発生する応力集中を緩和することができ、ブロック1の耐久性を確保することができる。
そして、上記の第1,第2の構成例の場合と同様に、例えば、各第1部材51,61が鋼製の場合、各第2部材52,62を、例えば樹脂、あるいは例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属などの、鋼よりも比重の軽い材料によって形成することができる。その結果、各第1部材51,61および各第2部材52,62を共に鋼製とした場合と比較して、ブロック1を軽量化することができ、伝動ベルトVが駆動される際にフープ10に作用する遠心力を低減し、フープ10にかかる張力を低減することができる。
また、上記のように、鋼製の各第1部材51,61に対して、各第2部材52,62を鋼よりも比重の軽い材料によって形成することによって、ブロック1の重心を低く、すなわちブロック1の重心を頂部7から遠い側に、あるいはブロック1の重心をフープ10の内周面方向にすることができ、ピッチングの発生を回避もしくは低減することができる。
さらに、上記のように、各第2部材52,62を樹脂やアルミニウム合金などの相対的に比重の軽い素材で形成することで、例えばそれらの樹脂やアルミニウム合金が鋼製のフープ10よりも柔らかい素材であることによって、ブロック1の頂部7や首部6がフープ10に接触した際に、フープ10が受ける衝撃を低下させることができる。
また、上述したようなブロック1は、そのサドル部11,12の曲げモーメントが作用する他に、伝動ベルトVの回転方向での前後方向の荷重も作用する。図5に示す構成例は、サドル部11,12を形成する第1部材71の嵌合部73と、首部6を形成する第2部材72の嵌合部74とのブロック1の厚さ方向の断面形状を工夫することにより、上記の前後方向の荷重に対抗できるように構成された例である。すなわち、図5は、ブロック1に第1部材71の嵌合部73と第2部材72の嵌合部74との、嵌め合い部分のブロック1の厚さ方向における断面を示す図であって、図5の(a)は、第1部材71の嵌合部73に第2部材72の嵌合部74が嵌め合わされようとしている状態を示していて、図5の(b)は、それらが嵌め合わされた状態を示している。
すなわち、この図5に示す構成例においては、第1部材71の嵌合部73と第2部材72の嵌合部74とのブロック1の厚さ方向(図5での上下方向)における断面が、嵌合部73と嵌合部74とが互いに嵌め合わされた際の前後方向(図5での上下方向)において、互いに段差を持った形状に形成されている。このような構成とすることで、ブロック1に前後方向の荷重が作用する場合に、第1部材71の嵌合部73と第2部材72の嵌合部74とにそれぞれ設けられた段差部分が互いに係合し、その前後方向の荷重に対抗してブロック1の強度を確保することができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。すなわち。具体例では、この発明の伝動ベルトがベルト式無段変速機に使用されている例を示しているが、この発明の伝動ベルトは、ベルト式無段変速機に限らず、ベルトとプーリとによって構成される他の巻き掛け伝動装置の伝動ベルトに適用することができる。
1…ブロック、 2…板部、 6…首部、 6a,6b…側面、 8,9…スリット部(溝部)、 11,12…サドル部、 11a,12a…平坦面、 21,31,41,51,61,71…第1部材、 22,32,42,52,62,72…第2部材、 23,24,33,34,43,44,53,54,63,64…嵌合部、 25,26,37,38,57,47,48、58,67,68…一方の端部(接触箇所)、 29,30,39,40,49,50…他方の端部。
Claims (6)
- 環状の帯状体と、その帯状体の内周面を接触させて載せるサドル部およびそのサドル部の一方の端部を規定するとともにサドル部から前記帯状体の厚さ方向に延出した首部を有するブロックとからなる伝動ベルトにおいて、
前記ブロックが、少なくとも、前記サドル部を形成する部材と前記首部を形成する部材とを含む複数の部材を組み合わせて構成されるとともに、前記サドル部の一方の端部が、前記首部を形成する部材に接することによって規定され、さらに前記サドル部の他方の端部から前記一方の端部までの部分が、前記帯状体の内周面に倣った平坦面に形成されていることを特徴とする伝動ベルト。 - 前記ブロックが、前記平坦面と前記首部における前記一方の端部に接する部分の面とのなす角が直角になるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
- 前記サドル部を形成する第1部材に設けられた嵌合部と、前記首部を形成する第2部材に設けられた嵌合部とを嵌め合わすことによって前記第1部材と前記第2部材とが結合されて前記一方の端部が規定されるとともに、前記第1部材と前記第2部材との嵌合部が接合されて一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の伝動ベルト。
- 前記第1部材と前記第2部材との嵌合部が溶接により一体化されていることを特徴とする請求項3に記載の伝動ベルト。
- 互いに直角をなす前記平坦面と前記首部における前記一方の端部に接する部分の面との接触箇所は溶接されていないことを特徴とする請求項4に記載の伝動ベルト。
- 前記複数の部材のうち少なくとも一つの部材が、他の部材よりも相対的に比重の軽い素材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
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JP2009150423A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-09 | Toyota Motor Corp | 伝動ベルトおよび伝動ベルトの組み付け方法 |
-
2004
- 2004-10-25 JP JP2004309748A patent/JP2006118674A/ja active Pending
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