JP2006118406A - 廃熱回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のスターリングエンジンを多段化して、1台では回収しきれない熱量を、他のスターリングエンジンで有効に回収できる廃熱回収装置を提供する。
【解決手段】ディスプレーサピストン11A、11B、11Cとパワーピストン12A、12B、12Cとをクランクシャフト13A、13B、13Cに連結したスターリングエンジン10A、10B、10Cを複数個備え、それぞれのスターリングエンジンを多段に組み合わせ、廃熱などの熱源ガスを一方のスターリングエンジンから他方のスターリングエンジンに向けて順に通過させて加熱源として利用する廃熱回収装置であって、いずれか一つのスターリングエンジンにおけるディスプレーサピストンの行程容積とパワーピストンの行程容積との容積比を、他のスターリングエンジンにおけるディスプレーサピストンの行程容積とパワーピストンの行程容積との容積比と異ならせたことを特徴とする廃熱回収装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃熱やバイオマスなどの熱源を有効に活用する廃熱回収装置に関する。
廃熱やバイオマスなどの熱源を有効に活用することは、環境問題及びエネルギー問題の解決に繋がる。スターリングエンジンは熱源を選ばず、温度差があれば運転できるという特徴を持つことから、それらの有効活用方法として適していると考えられる。
しかし、工場等からの廃熱は化石燃料の燃焼と比べて一般的に温度が低い。また、バイオマスの燃焼は化石燃料のように安定した燃焼が困難である。廃熱などのように限られた熱量、温度の熱源を有効に利用するためには、スターリングエンジンを運転する温度レベルが重要になる。熱源の熱量を無駄なく利用するには、スターリングエンジンへの入熱量を増加させればよいが、1台のスターリングエンジンでは回収しきれない熱量が生じる場合も少なくない。
そこで本発明は、限られた熱源を最大限に活用するために、複数のスターリングエンジンを多段化することで、1台のスターリングエンジンでは回収しきれない熱量を、他のスターリングエンジンで有効に回収することができる廃熱回収装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の廃熱回収装置は、ディスプレーサピストンとパワーピストンとをクランクシャフトに連結したスターリングエンジンを複数個備え、それぞれの前記スターリングエンジンを多段に組み合わせ、廃熱などの熱源ガスを一方の前記スターリングエンジンから他方の前記スターリングエンジンに向けて順に通過させて加熱源として利用する廃熱回収装置であって、いずれか一つの前記スターリングエンジンにおける前記ディスプレーサピストンの行程容積と前記パワーピストンの行程容積との容積比を、他の前記スターリングエンジンにおける前記ディスプレーサピストンの行程容積と前記パワーピストンの行程容積との容積比と異ならせたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の廃熱回収装置において、前記ディスプレーサピストンのストローク又は前記パワーピストンのストロークを異ならせることで前記行程容積を異ならせたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の廃熱回収装置において、前記スターリングエンジンにおける前記容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の廃熱回収装置において、前記熱源ガスに対して最上流に位置する前記スターリングエンジンにおける前記容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載の廃熱回収装置において、N段の前記スターリングエンジンで得られる加算発電出力が、(N−1)段の前記スターリングエンジンで得られる加算発電出力よりも高くなるように、それぞれの前記スターリングエンジンにおける前記容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1に記載の廃熱回収装置において、隣り合う前記スターリングエンジンにおける前記クランクシャフト同士を、カップリングによって連結したことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載の廃熱回収装置において、それぞれの前記スターリングエンジンを直列に併設し、前記クランクシャフトからそれぞれの冷却部及びそれぞれの加熱部までの距離を同一としたことを特徴とする。
本発明によれば、特に上流側におけるスターリングエンジンの入熱量を低下させることで、下流側におけるスターリングエンジンの入熱量を高めることができ、それぞれのスターリングエンジンの発電効率を適切に調整することができ、結果としてトータルの発電出力を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態による廃熱回収装置は、いずれか一つのスターリングエンジンにおけるディスプレーサピストンの行程容積とパワーピストンの行程容積との容積比を、他のスターリングエンジンにおけるディスプレーサピストンの行程容積とパワーピストンの行程容積との容積比と異ならせたものである。本実施の形態によれば、それぞれのスターリングエンジンの容積比を異ならせることで、それぞれのスターリングエンジンの入熱量を調整することができ、トータルの発電出力を高めることができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による廃熱回収装置において、ディスプレーサピストンのストローク又はパワーピストンのストロークを異ならせることで行程容積を異ならせたものである。本実施の形態によれば、行程容積の変更をストロークによって行うことで、それぞれのスターリングエンジンの設計を容易に行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による廃熱回収装置において、スターリングエンジンにおける容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたものである。本実施の形態によれば、一つのスターリングエンジンにおける発電出力を低下させることで、このスターリングエンジンでの入熱量を少なくし、その低下分だけ他のスターリングエンジンの入熱量を高めることができ、熱源ガスの低下に伴う、特に下流側に配置したスターリングエンジンでの発電出力を高めることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態による廃熱回収装置において、熱源ガスに対して最上流に位置するスターリングエンジンにおける容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたものである。本実施の形態によれば、熱源ガスに対して最上流側のスターリングエンジンでの入熱量を低下させることで、下流側に配置するスターリングエンジンでの十分な入熱量を確保することができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態による廃熱回収装置において、N段のスターリングエンジンで得られる加算発電出力が、(N−1)段のスターリングエンジンで得られる加算発電出力よりも高くなるように、それぞれのスターリングエンジンにおける容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたものである。本実施の形態によれば、個々のスターリングエンジンでの入熱量を適切に調整することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1の実施の形態による廃熱回収装置において、隣り合うスターリングエンジンにおけるクランクシャフト同士を、カップリングによって連結したものである。本実施の形態によれば、それぞれのクランクシャフトを単一のクランクシャフトで構成していないので、それぞれのスターリングエンジンの行程容積の変更を容易に行うことができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1の実施の形態による廃熱回収装置において、それぞれのスターリングエンジンを直列に併設し、クランクシャフトからそれぞれの冷却部及びそれぞれの加熱部までの距離を同一としたものである。本実施の形態によれば、クランクシャフトからの冷却部及び加熱部までの距離を同一とすることで、それぞれの冷却部の連接や加熱部の連接を容易に行うことができる。
以下本発明の一実施例による廃熱回収装置について説明する。
図1は本実施例による廃熱回収装置の構成を示す断面図、図2は同装置の熱交換器の構成を示す要部断面図、図3は図2における加熱部を示す要部断面図、図4は図2における再生熱交換器を示す要部断面図、図5は図2における冷却部を示す要部断面図、図6は同装置のピストン駆動機構の構成を示す要部断面図である。
図1に示すように、本実施例による廃熱回収装置は、3機のスターリングエンジン10A、10B、10Cを直列に併設している。それぞれのスターリングエンジン10A、10B、10Cは、それぞれの加熱部31A、31B、31Cを熱源ガス流路1内に設置する。このとき、スターリングエンジン10Aの加熱部31Aを熱源ガス流路1の最上流側に、スターリングエンジン10Bの加熱部31Bをスターリングエンジン10Aの加熱部31Aよりも下流側に、スターリングエンジン10Cの加熱部31Cをスターリングエンジン10Bの加熱部31Bよりも下流側に配置している。また、それぞれのスターリングエンジン10A、10B、10Cは、ディスプレーサピストン11A、11B、11Cとパワーピストン12A、12B、12Cとを有している。ディスプレーサピストン11A、11B、11C及びパワーピストン12A、12B、12Cは、それぞれクランクシャフト13A、13B、13Cに連結されている。また、クランクシャフト13Aとクランクシャフト13Bとは、カップリング14Aにより、クランクシャフト13Bとクランクシャフト13Cとは、カップリング14Bにより接続され、クランクシャフト13Cの他端側は、カップリング14Cを介してフライホイール15のシャフト13Dと接続されている。
これら3機のスターリングエンジン10A、10B、10Cは、それぞれのディスプレーサピストン11A、11B、11Cとパワーピストン12A、12B、12Cとの行程容積が異なる他は、同一構成なので、以下の説明においては、スターリングエンジン10Aについて説明する。
図2に示すように、ディスプレーサピストン11Aの一端側には加熱部31Aが、ディスプレーサピストン11Aの他端側には冷却部32が配置されている。また、加熱部31Aと冷却部32との間には、再生熱交換器33が配置されている。なお、ディスプレーサピストン11Aの一端側の空間は膨張空間34、ディスプレーサピストン11Aの他端側の空間は圧縮空間35となる。熱交換器30は、加熱部31A、冷却部32、及び再生熱交換器33によって構成されている。
図3に示すように、加熱部31Aは、加熱ヘッド36と内管37で構成されている。加熱ヘッド36は中央に窪みを有し、この窪みを構成する円筒部には、内管37の入るΦ10mmの穴38が20本空いている。内管37には、外径Φ8mm、内径Φ4mmのパイプを用いている。膨張空間34から流れ出る作動ガスは、穴38と内管37の隙間を上昇し、上端で折り返して内管37の内側を通り再生熱交換器33へ流れる。この構造により、溶接部分をなくし、伝熱面積を増加させることで高い伝熱特性が期待できる。
図4に示すように、再生熱交換器33は、同心円状に径の異なる円管39、40を配置し、各円管39、40の隙間には黄銅金網のマトリックス材41を詰めている。内管37から流れ出る作動ガスは、マトリックス材41を通り抜け、冷却部32へと流れる。
図5に示すように、冷却部32は、シリンダ42の同心円状に内径Φ105mmのクーラ管43と内径・外径がそれぞれΦ95mm及びΦ102mmのクーラ内管44を配置してある。再生熱交換器33から流れ出る作動ガスは、クーラ管43とクーラ内管44の間を通り、下端で折り返し、クーラ内管44とシリンダ42の間を通って圧縮空間35に流れる。この構造で、加熱部31Aと同様に溶接部分をなくし、広い伝熱面積を確保でき、高い伝熱特性を期待できる。冷却水は、クーラ管43に設けられた深さ15mm、幅5mmのフィン45の隙間を階段状に流れる。なお、圧縮空間35で冷却された作動流体は、上記の流れと反対の方向に流れて膨張空間34に至る。
図6に示すように、ピストン駆動機構における出力取り出し機構にはスコッチヨーク機構を用いている。ディスプレーサピストン11Aを連接するディスプレーサヨークボード16と、パワーピストン12Aを連接するパワーピストンヨークボード17とは、ディスプレーサピストン11A及びパワーピストン12Aの中心から所定距離ずらした位置に、それぞれ1つずつ配置している。なお、ディスプレーサピストン11A及びパワーピストン12Aの中心からディスプレーサヨークボード16までの距離と、ディスプレーサピストン11A及びパワーピストン12Aの中心からパワーピストンヨークボード17までの距離は、等しくすることが好ましい。ディスプレーサヨークボード16の一端及びパワーピストンヨークボード17の一端にはそれぞれベアリング19が設けられている。そして、それぞれのベアリング19の内周に設けたクランクピン20によってディスプレーサヨークボード16の一端及びパワーピストンヨークボード17の一端はクランクディスク18に回動自在に取り付けられている。ここで、ディスプレーサヨークボード16のベアリング19は、ディスプレーサヨークボード16の回転半径だけ離した位置に、パワーピストンヨークボード17のベアリング19は、パワーピストンヨークボード17の中心線からクランクシャフト13Aでの回転半径だけ離した位置にそれぞれ設けるとともに、ディスプレーサピストン11Aとパワーピストン12Aとの位相を90度ずらしている。このように、ディスプレーサヨークボード16とパワーピストンヨークボード17とを、ディスプレーサピストン11A及びパワーピストン12Aの中心から所定距離ずらした位置に、それぞれ1つずつ配置することで、ピストン駆動機構を小型化し、部品点数を削減することができる。
以上のように、本実施例の装置によれば、熱量や温度レベルが異なる多様な熱源に対応して適切なスターリングエンジンを組み合わせて使用することが可能である。
次に、図7に示すように熱源に対して複数のスターリングエンジンを直列に並べ、1台目で温度低下した熱量を2台目で回収するような多段化した廃熱回収装置の最適設計について以下に説明する。
スターリングエンジンを多段化して熱源の熱量を1段ずつ回収していくと、熱源の熱量は下流に行くに従い減少する。一方、ディスプレーサ型スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサピストンとパワーピストンの行程容積の大きさや比を変化させることで、入熱量や出力を調整できる。したがって、熱源の変化に合わせて各段の行程容積を変化させた出力特性の異なるそれらのスターリングエンジンを多段に組み合わせることで、熱源を有効に利用でき、組み合わせを変更することで多種熱源に対応できる。
このような多段式スターリングエンジンでは、熱源の熱量を最大限に活用するため、各エンジンの運転温度レベルが重要になる。そこで、多段式スターリングエンジンの運転温度レベルと性能の簡易予測計算を行う。図7に示すように、熱源の条件として、質量流量m、温度T0及び比熱cを設定する。この熱源の値を用い、エンジン出口温度T1をパラメータとして、次式によりスターリングエンジンへの有効熱入力Qinを算出する。
次に、膨脹空間の温度低下を考慮したカルノー効率ηcarに、熱損失及び圧力損失の影響を補正するためのカルノー係数kcarを乗じて、図示熱効率ηindを求める。
ここで、TCは圧縮空間ガス温度、ΔTはエンジン出口温度に対する膨脹空間の温度低下であり、両者ともエンジンや熱源の条件に合わせて設定する。
次に機械効率ηm及び発電機効率ηgをそれぞれ設定し、次式により発電出力Wgを求める。
式(1)から(3)により、出口温度T1に応じたエンジン出力の試算が可能になる。そして、1段目におけるスターリングエンジンの出口温度T1を2段目におけるスターリングエンジンの入口温度、2段目におけるスターリングエンジンの出口温度T2を3段目におけるスターリングエンジンの入口温度とし、各段にて同様の計算を行うことで、多段式エンジンの性能を予測することが可能となる。
次に、質量流量m=0.0035kg/s、温度T0=400℃の廃熱を想定し、3段構成におけるスターリングエンジンの出力試算を行った結果について説明する。
図8は2段目におけるスターリングエンジン出口温度T2を240℃とした場合の1段目におけるスターリングエンジン出口温度T1と発電出力との関係を示す特性図、図9は2段目におけるスターリングエンジン出口温度T2を300℃とした場合の1段目におけるスターリングエンジン出口温度T1と発電出力との関係を示す特性図である。
計算は、2段目におけるスターリングエンジン出口温度T2を160℃から10℃ごとに340℃まで固定し、それぞれのT2に対し1段目及び3段目におけるスターリングエンジン出口温度をパラメータとして行った。なお、カルノー係数kcar、機械効率ηm及び発電機効率ηgはそれぞれ0.7、0.7及び0.8、膨脹空間の温度低下ΔTは50Kとした。また、1段、2段及び3段目におけるスターリングエンジンの圧縮空間ガス温度TCは、それぞれ60℃、50℃、40℃とした。図中の実線は1段目におけるスターリングエンジンの出力、破線は1段目と2段目におけるスターリングエンジンの合計出力、その他の線は1段目から3段目におけるスターリングエンジンの合計出力を表している。
図8ではT1=320℃、T3=160℃付近で最大出力96Wが得られている。一方図9ではT1=360℃、T2=200℃付近で最大出力91Wが得られている。エンジン出口温度をパラメータとしたマトリックス計算を行った結果、エンジン出口温度がそれぞれT1=320℃、T2=240℃及びT3=160℃の時に最大出力が得られ、1から3段エンジンの出力はそれぞれ43W、33W及び20Wとなった。このような計算を行うことで、多段式エンジンの出力並びに最適な運転条件を試算することができる。
図10は、同様の熱源を想定した場合、1から4段構成におけるスターリングエンジンの最高出力をまとめたグラフである。
スターリングエンジンの段数を増やすことで出力の向上を見込めることが確認できる。しかし、スターリングエンジンの段数を増やすごとにエンジン1台ごとの出力は減少していき、エンジン寸法や製作コストに見合った出力の上昇は見込まれなくなる。したがって、スターリングエンジンの段数の決定は出力の向上とエンジン寸法及び製作コストを考慮して行う必要がある。
図10で示す最高出力の値を目標として図1に示す3段式スターリングエンジンの各寸法及び条件について下記に説明する。
まず、加熱部31Aの内管37の適正本数について図11を用いて説明する。
図11は、加熱部のヒータ本数と発電出力との関係を示す特性図である。
3段式スターリングエンジンの適切な熱量レベルを計算条件として、簡略的な伝熱計算を行い、膨張空間作動ガス温度を算出した。そして、その値を用いて等温モデルにより出力を求めた。それによると、ヒータ管本数が10本以上になると出力の変化はほとんどなくなり、13本をピークになだらかに減少していく。このような結果並びにエンジン寸法の制限から、伝熱面積を多く確保できるよう管本数を20本とした。
次に、スターリングエンジンの回転数について図12を用いて説明する。
図12は、1から3段目におけるそれぞれのスターリングエンジンの回転数と発電出力との関係を示す特性図である。
図12に示すように、回転数が増加するに従い、各スターリングエンジンの出力も上昇している。しかし、この計算は機械効率及び発電機効率を一定として行った結果である。実際の機械効率は、回転数の増加に伴い低下する。したがって、実際の発電出力はある回転数で最大値を持つ。発電出力が前章により求められた各エンジンの最高出力値である43W、33W及び20Wとなる1000rpm付近を目標回転数とした。
以上の結果、図1に示す3段式スターリングエンジンでは、1段目におけるスターリングエンジンの発電出力を43W、2段目におけるスターリングエンジンの発電出力を33W、3段目におけるスターリングエンジンの発電出力を20W、各段における加算発電出力を96Wとなるように設計した。なお、3段のスターリングエンジンの回転数は同じであり、1000rpmとした。なお、前述の通り、質量流量m=0.0035kg/s、温度T0=400℃の廃熱を想定し、1段目におけるスターリングエンジン出口温度T1=320℃、2段目におけるスターリングエンジン出口温度T2を240℃、3段目におけるスターリングエンジン出口温度T3=160℃とした。
上記の条件によれば、1段目におけるスターリングエンジンの膨張空間ガス温度は270℃、圧縮空間ガス温度は60℃、2段目におけるスターリングエンジンの膨張空間ガス温度は190℃、圧縮空間ガス温度は50℃、3段目におけるスターリングエンジンの膨張空間ガス温度は110℃、圧縮空間ガス温度は40℃となる。
従って、ディスプレーサピストンとパワーピストンのそれぞれのピストン直径を84mmとした場合、1段目におけるスターリングエンジンのディスプレーサピストンのストロークは52mm、パワーピストンのストロークは48mm、2段目におけるスターリングエンジンのディスプレーサピストンのストロークは54mm、パワーピストンのストロークは44mm、3段目におけるスターリングエンジンのディスプレーサピストンのストロークは46mm、パワーピストンのストロークは46mmとなる。
以上のように、本実施例によれば、それぞれのスターリングエンジンの容積比を異ならせることで、特に上流側におけるスターリングエンジンの入熱量を制限することで、下流側におけるスターリングエンジンの入熱量を高めることができ、それぞれのスターリングエンジンの出力を適切に調整することができ、結果としてトータルの発電出力を高めることができる。
また、本実施例のように、ディスプレーサピストンのストローク又はパワーピストンのストロークを異ならせて行程容積を異ならせることで、それぞれのスターリングエンジンの設計を容易に行うことができる。
また、本実施例のように、スターリングエンジンにおける容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比とすることで、一つのスターリングエンジンにおける発電出力を低下させることで、このスターリングエンジンでの入熱量を少なくし、その低下分だけ他のスターリングエンジンの入熱量を高めることができ、熱源ガスの低下に伴う、特に下流側に配置したスターリングエンジンでの発電出力を高めることができる。
特に、本実施例のように、熱源ガスに対して最上流に位置するスターリングエンジンにおける容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比とすることで、下流側に配置するスターリングエンジンでの十分な入熱量を確保することができる。
また、本実施例のように、3段のスターリングエンジンで得られる加算発電出力が、2段のスターリングエンジンで得られる加算発電出力よりも高くなるように、それぞれのスターリングエンジンにおける容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比とすることで、個々のスターリングエンジンでの入熱量を適切に調整することができる。
また、本実施例のように、隣り合うスターリングエンジンにおけるクランクシャフト同士を、カップリングによって連結することで、それぞれのスターリングエンジンの行程容積の変更を容易に行うことができる。
また、本実施例のように、それぞれのスターリングエンジンを直列に併設し、クランクシャフトからそれぞれの冷却部及びそれぞれの加熱部までの距離を同一とすることで、それぞれの冷却部の連接や加熱部の連接を容易に行うことができる。
本発明の廃熱回収装置は、廃熱やバイオマスなどの熱源ガスを活用した発電装置や動力装置として利用することができる。
本発明の一実施例による廃熱回収装置の構成を示す断面図 同装置の熱交換器の構成を示す要部断面図 図2における加熱部を示す要部断面図 図2における再生熱交換器を示す要部断面図 図2における冷却部を示す要部断面図 同装置のピストン駆動機構の構成を示す要部断面図 熱源に対して複数のスターリングエンジンを直列に並べた場合のモデル図 2段目におけるスターリングエンジン出口温度T2を240℃とした場合の1段目におけるスターリングエンジン出口温度T1と発電出力との関係を示す特性図 2段目におけるスターリングエンジン出口温度T2を300℃とした場合の1段目におけるスターリングエンジン出口温度T1と発電出力との関係を示す特性図 1から4段構成におけるスターリングエンジンの最高出力をまとめたグラフ 加熱部のヒータ本数と発電出力との関係を示す特性図 1から3段目におけるそれぞれのスターリングエンジンの回転数と発電出力との関係を示す特性図
符号の説明
10A、10B、10C スターリングエンジン
11A、11B、11C ディスプレーサピストン
12A、12B、12C パワーピストン
13A、13B、13C クランクシャフト
14A、14B、14C カップリング
30 熱交換器
31A、31B、31C 加熱部
32 冷却部
33 再生熱交換器
34 膨張空間
35 圧縮空間

Claims (7)

  1. ディスプレーサピストンとパワーピストンとをクランクシャフトに連結したスターリングエンジンを複数個備え、それぞれの前記スターリングエンジンを多段に組み合わせ、廃熱などの熱源ガスを一方の前記スターリングエンジンから他方の前記スターリングエンジンに向けて順に通過させて加熱源として利用する廃熱回収装置であって、
    いずれか一つの前記スターリングエンジンにおける前記ディスプレーサピストンの行程容積と前記パワーピストンの行程容積との容積比を、他の前記スターリングエンジンにおける前記ディスプレーサピストンの行程容積と前記パワーピストンの行程容積との容積比と異ならせたことを特徴とする廃熱回収装置。
  2. 前記ディスプレーサピストンのストローク又は前記パワーピストンのストロークを異ならせることで前記行程容積を異ならせたことを特徴とする請求項1に記載の廃熱回収装置。
  3. 前記スターリングエンジンにおける前記容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたことを特徴とする請求項1に記載の廃熱回収装置。
  4. 前記熱源ガスに対して最上流に位置する前記スターリングエンジンにおける前記容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたことを特徴とする請求項1に記載の廃熱回収装置。
  5. N段の前記スターリングエンジンで得られる加算発電出力が、(N−1)段の前記スターリングエンジンで得られる加算発電出力よりも高くなるように、それぞれの前記スターリングエンジンにおける前記容積比を、所定のエンジン入口温度に対して当該スターリングエンジンで得られる最高発電出力よりも低い発電出力となる容積比としたことを特徴とする請求項1に記載の廃熱回収装置。
  6. 隣り合う前記スターリングエンジンにおける前記クランクシャフト同士を、カップリングによって連結したことを特徴とする請求項1に記載の廃熱回収装置。
  7. それぞれの前記スターリングエンジンを直列に併設し、前記クランクシャフトからそれぞれの冷却部及びそれぞれの加熱部までの距離を同一としたことを特徴とする請求項1に記載の廃熱回収装置。
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