JP2006118052A - マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板2の外周に設けられた複数のマグネトロン蒸発源3より蒸発した金属原子又はイオンを、基板2に付着させて基板2に薄膜を形成するようにしたマグネトロンスパッタ装置において、隣合うマグネトロン蒸発源3の中間位置に、マグネトロン蒸発源3の外側磁極4の極性と同一の極性を持った補助磁極9が配置され、各々のマグネトロン蒸発源3の外側磁極4の極性がすべて同一とされることにより、各マグネトロン蒸発源3の外側磁極4と該外側磁極4に隣接する前記補助磁極9との中間付近で反発し合う磁場を生じさせると共に、各マグネトロン蒸発源3の内側磁極5と該内側磁極5に隣接する前記補助磁極9とを相互に結ぶ磁力線を生じさせる。
【選択図】 図7
Description
また、従来では、マグネトロン蒸発源34の外側磁極32同士をつなぐ磁力線38によってのみ基板36を取り囲む磁場を形成するため、マグネトロン蒸発源34の数や配置によって磁場形状、強度が左右された。逆にプラズマを基板36の周囲に十分閉じ込めるのに必要な所望の磁場形状、強度を得るためには、マグネトロン蒸発源34の数や配置が制約を受けることになる。例えば、隣接するマグネトロン蒸発源34がある距離以内に配置されなければ、所望の磁場が得られないので、大きな基板36を処理する大型の装置では、多数のマグネトロン蒸発源34を並べなければならなくなった。
隣合うマグネトロン蒸発源3の中間位置に、マグネトロン蒸発源3の外側磁極4の極性と同一の極性を持った補助磁極9が配置され、各々のマグネトロン蒸発源3の外側磁極4の極性がすべて同一とされることにより、各マグネトロン蒸発源3の外側磁極4と該外側磁極4に隣接する前記補助磁極9との中間付近で反発し合う磁場を生じさせると共に、各マグネトロン蒸発源3の内側磁極5と該内側磁極5に隣接する前記補助磁極9とを相互に結ぶ磁力線を生じさせている点にある。
基板2の外周に、1個のマグネトロン蒸発源3が設けられると共に、1又は複数個の補助磁極9が、隣合う補助磁極9同士の極性が同一となりかつ隣合うマグネトロン蒸発源3の外側磁極4と補助磁極9との極性が同一となるように設けられ、前記マグネトロン蒸発源3の外側磁極4と該外側磁極4に隣接する前記補助磁極9との中間付近及び隣接する前記補助磁極9間の中間付近で反発し合う磁場を生じさせると共に、前記マグネトロン蒸発源3の内側磁極5と該内側磁極5に隣接する前記補助磁極9とを相互に結ぶ磁力線を生じさせている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、基板2の外周に複数個のマグネトロン蒸発源3が設けられ、マグネトロン蒸発源3より蒸発した金属原子又はイオンを、基板2に付着させて基板2に薄膜を形成するようにしたマグネトロンスパッタ装置において、
隣合うマグネトロン蒸発源3の間に、1又は複数個の補助磁極9が、隣合う補助磁極9同士の極性が同一となりかつ隣合うマグネトロン蒸発源3の外側磁極4と補助磁極9との極性とが同一となるように設けられ、各々のマグネトロン蒸発源3の外側磁極4の極性がすべて同一とされることにより、各マグネトロン蒸発源3の外側磁極4と該外側磁極4に隣接する前記補助磁極9との中間付近及び隣接する前記補助磁極9間の中間付近で反発し合う磁場を生じさせると共に、各マグネトロン蒸発源3の内側磁極5と該内側磁極5に隣接する前記補助磁極9とを相互に結ぶ磁力線を生じさせている点にある。
従って、マグネトロン蒸発源3自体から補助磁極9へ漏洩する磁力線が増大し、基板2を取り囲む形状の磁場の強度を増大させることができる。
従って、マグネトロン蒸発源3の配置を固定したままでも、補助磁極9によって、全体の閉じ込め磁場の形状、強度を変更することができ、配置される基板2のサイズ等に応じて最適な磁場形状に設定できる。
従って、補助磁極9のコイル電流を変化させることにより閉じ込め磁場を調整し、配置される基板2のサイズ等に応じた最適な磁場を形成することができる。 また、本発明の他の技術的手段は、前記補助磁極9が基板2を格納した真空チャンバ1の大気側に配置されている点にある。
図1は本発明の代表的な実施の形態として、非平衡(不平衡)型マグネトロンスパッタ蒸発源マグネトロン4式を搭載した、マグネトロンスパッタ装置を示している。
図1において、真空チャンバ1内の中央部に基板(被蒸着物)2が設けられ、真空チャンバ1内に基板2の外周を取り囲むように4個のマグネトロン蒸発源3が設けられている。各マグネトロン蒸発源3は互いに同一の構成であって、リング状の外側磁極4と外側磁極4の中央に内嵌配置された内側磁極5とソース材料により構成されたターゲット6とを備えている。前記各マグネトロン蒸発源3は、マグネトロンを形成する外側磁極4の強度が内側磁極5の強度よりも強い非平衡型(不平衡)のマグネトロン蒸発源により構成されている。
また、マグネトロンスパッタ蒸発源3として、マグネトロンを形成する外側磁極4の強度が内側磁極5の強度よりも強い、非平衡(不平衡)型マグネトロン蒸発源を使用することで、マグネトロン蒸発源3自体から補助磁極9へ漏洩する磁力線が増大し、基板2を取り囲む形状の磁場の強度を増大させることができる。
更に、補助磁極9を永久磁石により形成し、その位置が基板3方向に対して可変とすることで、マグネトロン蒸発源3の配置を固定したままでも、全体の閉じ込め磁場の形状、強度を変更することができ、配置される基板2のサイズ等に応じて最適な磁場形状に設定できる。
図3は他の実施の形態を示し、基板3の外周に2個のマグネトロン蒸発源3が設けられ、マグネトロン蒸発源3は基板2を中心とした径方向に対応するように配置され、隣合うマグネトロン蒸発源3の間に3個の補助磁極9(補助磁極9a、補助磁極9b、補助磁極9a)が等間隔をおいて配置され、各マグネトロン蒸発源3と各補助磁極9とによって基板2の外周を取り囲んでいる。前記補助磁極9のうちマグネトロン蒸発源3に隣接する補助磁極9aは、マグネトロン蒸発源3の外側磁極4と相異なる極性であり、また中央側の補助磁極9bは、マグネトロン蒸発源3に隣接する補助磁極9aと異なる極性となっている。従って、各マグネトロン蒸発源3の外側磁極4及び各補助磁極9を順次結ぶように磁束を生じさせて該磁束で基板2の外周を取り囲むようになっている。各マグネトロン蒸発源3及び各補助磁極9により、基板2を取り囲む形状の磁力線11が形成される。その他の点は前記実施の形態と同様の構成である。
図4は他の実施の形態を示し、基板2の外周に、1個のマグネトロン蒸発源3が設けられと共に、奇数個の補助磁極9が設けられ、1個のマグネトロン蒸発源3と奇数個の補助磁極9とによって基板2の外周を取り囲んでいる。前記補助磁極9のうちマグネトロン蒸発源3に隣接する補助磁極9aは、マグネトロン蒸発源3の外側磁極4と相異なる極性であり、また補助磁極9のうち隣合う補助磁極9aと補助磁極9bとの極性が相異なっている。従って、マグネトロン蒸発源3及び異なる極性を持った補助磁極9a、9bを交互に配置することで、各マグネトロン蒸発源3の外側磁極4及び各補助磁極9を順次結ぶように磁束11を生じさせて該磁束11で基板2の外周を取り囲むようになっており、やはり閉じ込め磁場を形成している。その他の点は前記実施の形態と同様の構成である。
図7は本発明の代表的な他の実施の形態として、非平衡(不平衡)型マグネトロンスパッタ蒸発源マグネトロン4式を搭載した、マグネトロンスパッタ装置を示している。
図7において、真空チャンバ1内の中央部に基板(被蒸着物)2が設けられ、真空チャンバ1内に基板2の外周を取り囲むように4個のマグネトロン蒸発源3が設けられている。各マグネトロン蒸発源3は互いに同一の構成であって、リング状の外側磁極4と外側磁極4の中央に内嵌配置された内側磁極5とソース材料により構成されたターゲット6とを備えている。前記各マグネトロン蒸発源3は、マグネトロンを形成する外側磁極4の強度が内側磁極5の強度よりも強い非平衡型(不平衡)のマグネトロン蒸発源により構成されている。
また、マグネトロンスパッタ蒸発源3として、マグネトロンを形成する外側磁極4の強度が内側磁極5の強度よりも強い、非平衡(不平衡)型マグネトロン蒸発源を使用することで、マグネトロン蒸発源3自体から補助磁極9へ漏洩する磁力線が増大し、基板2を取り囲む形状の磁場の強度を増大させることができる。
更に、補助磁極9を永久磁石により形成し、その位置が基板3方向に対して可変とすることで、マグネトロン蒸発源3の配置を固定したままでも、全体の閉じ込め磁場の形状、強度を変更することができ、配置される基板2のサイズ等に応じて最適な磁場形状に設定できる。
図10は他の実施の形態を示し、基板2の外周に、1個のマグネトロン蒸発源3が設けられと共に、複数個の補助磁極9が設けられ、1個のマグネトロン蒸発源3と複数個の補助磁極9とによって基板2の外周を取り囲んでいる。前記補助磁極9のうちマグネトロン蒸発源3に隣接する補助磁極9は、マグネトロン蒸発源3の外側磁極4と同一の極性であり、また隣合う補助磁極9同士の極性も同一になっている。従って、マグネトロン蒸発源3及び同一の極性を持った補助磁極9を配置することで、各マグネトロン蒸発源3の外側磁極4及び各補助磁極9の中間付近で反発し合う磁場が生じるが、この部分は磁力線が集中しているため、ミラー効果によって、グロー放電により発生したプラズマ(電子及びアルゴンイオン)を基板2の周囲に閉じ込めることができる。また、隣接するマグネトロン蒸発源3と補助磁極9の磁場が反発し合うために、蒸発源3前方の磁場はより基板2方向に膨らみ、また、蒸発源3の内側磁極5と補助磁極9を結ぶ磁力線も生じるため、プラズマが基板2方向に広がり、基板2位置で高密度のプラズマが得られる。その他の点は前記実施の形態と同様の構成である。
尚、補助磁極4を、真空チャンバ1の大気側に配置された永久磁石またはコイルと、これに対応する位置で真空チャンバ1内に配置される磁性体とから構成することで、真空チャンバ1の外部の永久磁石又はコイルで発生した磁力線のロスを少なくしつつ、真空チャンバ1の内部に導入することができ、装置の簡素化を図ると共に、閉じ込め磁場の強度低下を防ぐことができる。
2 基板
3 マグネトロン蒸発源
4 外側磁極
5 内側磁極
9 補助磁極
Claims (7)
- 基板(2)の外周に複数のマグネトロン蒸発源(3)が設けられ、マグネトロン蒸発源(3)より蒸発した金属原子又はイオンを、基板(2)に付着させて基板(2)に薄膜を形成するようにしたマグネトロンスパッタ装置において、
隣合うマグネトロン蒸発源(3)の中間位置に、マグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)の極性と同一の極性を持った補助磁極(9)が配置され、各々のマグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)の極性がすべて同一とされることにより、各マグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)と該外側磁極(4)に隣接する前記補助磁極(9)との中間付近で反発し合う磁場を生じさせると共に、各マグネトロン蒸発源(3)の内側磁極(5)と該内側磁極(5)に隣接する前記補助磁極(9)とを相互に結ぶ磁力線を生じさせていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。 - マグネトロン蒸発源(3)より蒸発した金属原子又はイオンを、基板(2)に付着させて基板(2)に薄膜を形成するようにしたマグネトロンスパッタ装置において、
基板(2)の外周に、1個のマグネトロン蒸発源(3)が設けられると共に、1又は複数個の補助磁極(9)が、隣合う補助磁極(9)同士の極性が同一となりかつ隣合うマグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)と補助磁極(9)との極性が同一となるように設けられ、前記マグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)と該外側磁極(4)に隣接する前記補助磁極(9)との中間付近及び隣接する前記補助磁極(9)間の中間付近で反発し合う磁場を生じさせると共に、前記マグネトロン蒸発源(3)の内側磁極(5)と該内側磁極(5)に隣接する前記補助磁極(9)とを相互に結ぶ磁力線を生じさせていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。 - 基板(2)の外周に複数個のマグネトロン蒸発源(3)が設けられ、マグネトロン蒸発源(3)より蒸発した金属原子のイオンを、基板(2)に衝突させて基板(2)に薄膜を形成するようにしたマグネトロンスパッタ装置において、
隣合うマグネトロン蒸発源(3)の間に、1又は複数個の補助磁極(9)が、隣合う補助磁極(9)同士の極性が同一となりかつ隣合うマグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)と補助磁極(9)との極性とが同一となるように設けられ、各々のマグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)の極性がすべて同一とされることにより、各マグネトロン蒸発源(3)の外側磁極(4)と該外側磁極(4)に隣接する前記補助磁極(9)との中間付近及び隣接する前記補助磁極(9)間の中間付近で反発し合う磁場を生じさせると共に、各マグネトロン蒸発源(3)の内側磁極(5)と該内側磁極(5)に隣接する前記補助磁極(9)とを相互に結ぶ磁力線を生じさせていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。 - 前記マグネトロン蒸発源(3)が、マグネトロンを形成する外側磁極(4)の強度が内側磁極(5)の強度よりも強い非平衡型のマグネトロン蒸発源であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネトロンスパッタ装置。
- 前記補助磁極(9)が、永久磁石により構成されると共に、基板(2)に対して接離する方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネトロンスパッタ装置。
- 前記補助磁極(9)がコイルにより形成され、コイル電流を変化させることにより磁場形状、強度を変化させることができるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネトロンスパッタ装置。
- 前記補助磁極(9)が基板(2)を格納した真空チャンバ(1)の大気側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネトロンスパッタ装置。
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Cited By (1)
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JP2013095937A (ja) * | 2011-10-28 | 2013-05-20 | Kobe Steel Ltd | 成膜装置及び成膜方法 |
-
2005
- 2005-12-14 JP JP2005361024A patent/JP4219925B2/ja not_active Expired - Lifetime
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