JP2006117588A - 生薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属による肝細胞の酸化傷害防止用、肝細胞発癌抑制用、又は発癌物質代謝酵素活性の増大用生薬組成物の提供。
【解決手段】田七、杜仲及び黄精を必須成分として含む生薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は田七、杜仲及び黄精を必須成分として含む生薬組成物の新規な用途に関するものである。より詳細には、本発明は金属による肝損傷の防止、腫瘍性肝障害の抑制、及び腫瘍誘発防止のための上記生薬組成物の使用に関するものである。
鉄は細胞の機能に必須な種々の蛋白に結合する共通因子であるため、鉄が細胞及び有機生理学において果たす役割は重要なものである。しかしながら、腸内吸収の遺伝的な欠損や栄養分の非経口投与の反復などの種々の病理的要因により、鉄が生体内、特に肝臓に蓄積する場合がある。多量の遊離鉄は、強い肝臓毒素となるだけでなく、慢性的なアルコール摂取やウイルス性肝炎、肝毒性の非生体物質などが存在する場合、線維形成の促進要因となることが知られている。鉄のような金属触媒の過剰な状態では、鉄が脂質過酸化の誘導物質となるだけでなく、多数のフリーラジカル種の強力な発生元となるため、酸化ストレスが一般的に見られる。同様に、ウィルソン病などの銅蓄積症に見られるように、銅も強力な酸化ストレスの原因となる。生理的及び病理的過程においては、フリーラジカルのバランスの恒常性は、内因性及び外因性の抗酸化保護細胞と組織が、損傷作用をもたらす可能性のある反応酸素種の生成と相互に作用し合うという、複雑なシステムにより保たれる。特に、肝臓における鉄過剰の状態が肝細胞損傷、炎症カスケードの活性化、線維化、及び肝細胞癌に関連するという明確な根拠が示されている(非特許文献1)。身体の重要な遷移金属である銅と鉄は、バクテリア中及びチャイニーズハムスター(トランスジェニック株)肺細胞中で突然変異誘発性を持つことから、どちらもDNA損傷と腫瘍形成の誘発に関与している可能性があるとされている(非特許文献2)。総体的には、鉄過剰の症状がない個体の場合でも、体内の鉄量の増加と組織及び内臓の発癌リスクの増加との間には直接的な関連性があることが、臨床の分野で証明されている。これは、鉄又は銅による触媒活性が、細胞膜の脂質過酸化、蛋白質酸化、サイト特異的なフェントン型(Fenton−type)の化学反応を生じさせるDNA損傷などを伴い、生体分子を強烈に攻撃する反応性酸素種を生じさせることを考えれば、驚くには値しない。本発明者らはこれまでに、インビトロ法及びインビボ法で行った実験的研究のどちらにおいても、虚血再灌流モデルの肝細胞損傷と肝臓微小循環に対して、
Figure 2006117588

(以下YHKとも言う)が強力な保護効果をもたらすことを証明してきた(非特許文献3及び4)。
今日、発癌性に生体異物が関与している可能性が考えられており、ヒト及び齧歯動物での実験が行われている。実際、発癌物質が体内に吸収され、高感受性の組織に広がり、代謝によりDNAと反応する更に進んだ化学種となり、解毒化を受け、排泄されるなどの全過程において、DNAが損傷を受ける可能性がある。ヒトを取り巻く環境中では多くの遺伝毒性の発癌物質が自然発生しており、それらには複素環アミン系突然変異誘導物質の大きなグループが含まれている。例えば、食物由来の物質である2−アミノ−3,8−ジメチルイミダゾ[4,5−f]キノキサリン(MeIQx)は、摂取量の多い治療では明白な肝細胞の発癌を引き起こす可能性があり、またラットの肝臓においてDNA付加物の形成を生じさせる。臨床治療では、ヒトのMeIQx日常摂取量は0.2〜2.6μg/被験者であると予測され、この物質は調理した肉を食べた後の健康なボランティアの尿から回収され定量化されている。しかし、より重要な点は、MeIQx−DNA付加物がヒトの腎臓及び結腸組織で発見されていることである(非特許文献5)。このような発癌性をもつ物質の検出と除去の重要性に加え、計り知れない量の生体異物に継続的に晒される状態においては、栄養学的な補助措置が理想的な対策となる。これまでにも天然化合物が提案されてきたが、実験的検証によって証明された特性を持つ物は希少である。本発明者らはこれまでに、肝細胞損傷や虚血再灌流モデルにおける肝臓微小循環に対する効果を検証してきた。特に、実験的にテストされている様々な生薬とは異なり、臨床の分野では、この組成物YHKが、2〜3週間の間にHCVに関連する肝疾患患者の大部分のALT値を有意に下げることが証明された(非特許文献6)。更に、同じテーマについて行った、実験的臨床研究でもMaruyama scoreが下がることが証明されており、この研究には賞が与えられている(非特許文献7)。様々な生体外毒性の肝発癌物質を投与してから数日間で単一の肝細胞が胎盤グルタチオン S−トランスフェラーゼ(single placental glutathione S-transferase-positive(GST−P)cells)を発現するため、癌の発生から進行のすべての過程を研究するにはラットの肝臓は理想的なモデルである。このようなGST−P単体細胞の他の個体群は、GST−P病巣を形成し、発癌プロモーターの数と処置の規模を更に増加させて最終的にGST−P腫瘍に進行する。したがって、すべての肝臓の活性病巣が腫瘍を形成するとは限らないが、GST−P病巣の数及びサイズはそれ以後の癌のリスクの定量的指標として使用することができる。2つの事象の間には90%以上の相関関係があり、並行して行われた長期研究により肝細胞癌の発生率と関連付けられている。
肝細胞癌腫(HCC)は、世界でも最も多い癌であり、アフラトキシンB1,B型及びC型肝炎ウィルス、飲酒などの環境要因に関係することが多い。肝臓の腫瘍に促進的に作用する物質は、一般的に酵素誘発、栄養過多及び/又は過形成による肝臓の肥大、DNA合成の増加及び/又はアプトーシス活性の減少(不変細胞よりも新生物発生前により明確となる)、前癌性病変の優先的成長促進の原因となる。多様な薬理学的特性を含む果物、野菜、ビタミン類及び数種類のハーブは、癌に対する化学予防物質の豊富な源であることがわかっている。これらの物質は、発癌の多段階プロセスにおいて、発生、進行、悪化のいずれかの段階における治療で用いられる可能性がある。これらの多くの作用は発癌物質代謝酵素の作用を促進する能力と関連しており、毒性と結び付くことで、それらの有効限界濃度を減少させる。肝臓の薬物代謝システムは、混合機能型オキシダーゼ、又はチトクロームP450、チトクロームb5及びNADPH−チトクロームP450レダクターゼなどのI相酵素、及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、スルファターゼ及びUDP−グルクロニルトランスフェラーゼなどのII相酵素を含むモノオキシゲナーゼから成っている。また、化学予防物質は、抗酸化剤として機能し、有毒物から生成された酸化物の増加に対抗する。I相酵素の中でも、CYP 1A1は多環式芳香族炭化水素の代謝に主として関与しており、また、CYP 1A2は複素環化合物アミンとアフラトキシンB1を優先的に代謝する。これらのイソ型は、環境発癌物質の活性化に対して非常に重要な役割を果たす。CYP 1A2は通常肝臓内で発現する。肝臓におけるCYP 1A1の発現レベルは、CYP 1A2よりも大幅に低く、CYP 1Aの誘導物質は毒性、発癌性に対する明確な潜在的能力を持つ可能性がある。GSTは複合作用イソ酵素のスーパーファミリーに属し、3つの主なクラスα、μ及びπに分類される。GSTαには、真菌マイコトキシンであるアフラトキシンB1の反応中間物であるアフラトキシンB−8,9−エポキシドに対する高い触媒効果があることが示唆されている。その一方、GSTμイソ酵素はグルタチオンと発癌物質4−ニトロキノリン−1−オキシド(アセト)の結合を形成するのに最も効果的で、そのためGSTπ代謝産物は、アフラトキシンBや4−ニトロキノリン−1−オキシドを含むベンゾ[a]ピレンの最終的な発癌性代謝物である7β,8α−ジヒドロキシ−9α,10α−オキシ−7,8,10−テトラヒドロベンゾ[a]ピレンと優先的に結合する。チトクロームP450を含むI相酵素は、親油性化合物をより極性の高い生成物に代謝するだけでなく、特定の状況下では、高反応性求電子試薬の生成を招くこともある。したがってII相及びI相酵素間のバランスは、環境化学物質に対する細胞感受性を決定付ける重要なものになる場合が多い。
米国特許第6,586,017号明細書 特開2000−139405号公報 特開平11−289995号 Pietrangelo A, J Hepatol 1998; 28(suppl 1):8-13 Ma Y et al., Pathol Int. 1997 Apr;47(4):203-8 Marotta F, Rouge A, Harada M, Anzulovic H, Ideo GM, Yanaihara N, Princess G, Ideo G, Biomed Res 2001; 22:167-174 Marotta F, Bertuccelli J, Albergati F, Harada M, Safran P, Yanaihara N, Ideo G, Biomed Res 2001; 22:221-227 Totsuka, Y et al., Carcinogenesis 1996; 17:1029-1034 Sha S, Harada M, Yanaihara N, IASL-APASL Joint meeting 2000, New Insights of Hepatology in the 21st century. June 2-7, 2000 Fukuoka, Japan Harada M, Marotta F, Sha SH, Minelli E. YHK, First JSH Single Topic Conference"Therapy of viral hepatitis and prevention of hepatocellular carcinoma"November 14-15. 2002, Yamanashi, Japan
本発明は、細胞膜と核DNAの酸化損傷を引き起こすことでも知られている鉄、銅、バナジウム等の金属による肝細胞の酸化損傷に対する保護効果を有する組成物を提供することを目的とする。本願では金属による肝細胞の酸化損傷に対するYHKの効果をインビトロ検査によって検証した。
また、本発明は、化学的肝細胞発癌の初期段階における保護効果を有する組成物を提供することを目的とする。
更に、本発明は、前癌性物質の生物活性化と最終的な発癌物質の解毒化が主に肝臓の薬物代謝酵素によって行われ、これが特定の栄養素によって影響されることがあることに鑑み、これらの酵素と肝臓の抗酸化物質に対する保護効果を有する組成物を提供することを目的とする。
本発明は下記の通りである。
(1)田七、杜仲及び黄精を必須成分として含む、金属による肝細胞の酸化傷害防止用、肝細胞発癌抑制用、又は発癌物質代謝酵素活性の増強用生薬組成物。
(2)更に甘草、高麗人参及び蜂蜜からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記(1)記載の生薬組成物。
(3)更に甘草及び高麗人参を含有する上記(1)記載の生薬組成物。
(4)金属による肝細胞の酸化傷害防止用生薬組成物であって、前記金属が鉄、銅及びバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の生薬組成物。
(5)前記金属が鉄である上記(4)に記載の生薬組成物。
(6)前記金属による肝細胞の酸化傷害が脂質過酸化、及び/又はリソソーム変質である上記(4)又は(5)に記載の生薬組成物。
(7)肝細胞発癌抑制用生薬組成物である、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の生薬組成物。
(8)発癌物質代謝酵素活性の増強用生薬組成物である、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の生薬組成物。
(9)前記発癌物質代謝酵素がチトクロームP450(CYP)イソ型、I型、及びII相酵素である上記(8)記載の生薬組成物。
(10)前記発癌物質代謝酵素が、グルタチオン過酸化酵素、グルタチオン・レダクターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、カタラーゼ、グルタチオン S−トランスフェラーゼ、又はキノンレダクターゼである上記(8)記載の生薬組成物。
発明を実施するための形態
本発明に係る生薬組成物は田七、杜仲及び黄精を必須成分として含む。本発明に係る生薬組成物は、更に甘草、高麗人参及び蜂蜜からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有すことが好ましく、甘草及び高麗人参を含有することがより好ましい。
このような生薬組成物としては
Figure 2006117588

(以下YHKとも言う)が知られている(株式会社 協通事業(東京)から入手可能)。YHKは田七、杜仲、黄精のほかに、必要に応じて甘草及び/又は蜂蜜を含有する生薬である。田七、杜仲及び黄精を含む生薬組成物、並びにYHKは米国特許第6,586,017号明細書(2003年7月)(特許文献1)に記載されている。
田七は三七人参とも呼ばれ、中国原産のサンシチニンジン Panax pseudo-ginseng Wall. の根を用いている。この生薬は脂質代謝異常を改善し、高血圧や痛みを抑制することが知られている。
本発明の生薬組成物において、田七は10〜90重量%、好ましくは30〜90重量%の量で用いられる。
杜仲は一般的には、トチュウ科の落葉高木トチュウ Eucommiae ulmoidesの樹皮の乾燥物からなる。この生薬は高血圧や高血中脂質濃度を低減させることが知られている。本発明においては、杜仲とは、トチュウの樹皮だけではなく、若葉、実及び/又は木部の乾燥物をも指すものとする。
本発明の生薬組成物において、杜仲は10〜90重量%、好ましくは10〜70重量%又は40〜90重量%の量で用いられる。
田七及び杜仲を含む生薬組成物に田七杜仲精が知られている。これは本発明者等が初めて開発したもので、田七及び杜仲を主成分とした生薬混合物を熱湯抽出することによって得たものである(特開2000−139405号公報(特許文献2)及び特開平11−289995号(特許文献3))。田七杜仲精は、主成分である田七及び杜仲のほかに、好ましくは高麗人参、蜂蜜などを含む。
黄精は、Polygonati Rhizoma又はSiberian Solomonseal Rhizomeとも称され、Polygonatum 属の起源植物の根茎を乾燥したものである。黄精は栄養状態の改善、健康増進に有用な伝統的な生薬である。
本発明の生薬組成物において、黄精は20重量%以下、好ましくは4〜20重量%、より好ましくは6〜12重量%の量で用いられる。
黄精の起源植物としては、ナルコユリ(Polygonatum falcatum A. Gray)、Polygonatum multiflorum、Polygonatum odoratum、Polygonatum odoratum (Mill.) Druce、Polygonatum cyrtonema Hua、Polygonatum sibiricum Redoute、Polygonatum sibiricum Delar. ex Redoute、Polygonatum kingianum Coll. et Hemsl.、Polygonatum stenophyllum Maxim.、Polygonatum involucratum Maxim.、Polygonatum macropodium Turez.、Polygonatum cirrhifolium (Wall.) Royle、Polygonatum prattii Baker、Polygonatum punctatum Royle ex Kunth、Polygonatum zanlanscianense Pamp.、Polygonatum curvistylum Hua、Polygonatum tessellatum Wang et Tang、Polygonatum roseum (Ledeb.) Kunth、P. verticillatum (L.) All.、P. curvistylum Hua、P. erythrocarpum Hua、P. filipes Merr.、P. lasianthum Maxim.等が挙げられる。
黄精は、慢性肝炎患者の症状や肝機能の改善に有効であり、更に黄精のアルコール抽出物がマウスの四塩化炭素誘発肝障害に対し、予防効果を示すことがわかっている。黄精は、B型肝炎ウイルス等に対する抗ウイルス効果を有するが、服用を中止すると元に戻ってしまうばかりでなく、特に、日本人の場合には、黄精のみの服用では、胃の不快感が大きいという問題があり、また、人体に吸収されにくいという問題もあった。
甘草はマメ科の Glycyrrhiza 属植物であるGlycyrrhiza glabra Linn の根及び走茎を乾燥したものであり、"glycyrrhiza", "licorice", "liquorice", "glycyrrhiza radix"等とも称される。
本発明の生薬組成物において、甘草は0〜15重量%、好ましくは4〜15%、より好ましくは6〜11重量%の量で用いられる。
甘草の主成分であるグリチルリチンを含む製剤は、二重盲検法により、血清トランスアミナーゼ値を上昇させ、肝障害に伴う諸症状を改善することが認められている。また、四塩化炭素による実験肝炎の抑制や肝細胞障害の抑制など、グリチルリチンには肝細胞膜の保護や肝保護作用などが認められている(Y.Ishii Japan J.pharmaco 120, 71(1971),岡部進:応用薬理 7 ,87,(1973))。このように、甘草には、黄精と比較すれば小さいながらも、B型肝炎ウィルス等に対する抗ウィルス効果を有するものであるが、上述のような黄精と同様の問題があった。
本発明の生薬組成物において、高麗人参は0〜20重量%、好ましくは5〜20重量%の量で用いられる。
本発明の生薬組成物において、蜂蜜は0〜30重量%の量で用いられる。
本発明の生薬組成物は、人体に吸収されやすく、短期間で服用の効果が現れ、服用を中止した後もその効果が持続するという優れた協奏的効果を示す 。
次に、本発明の生薬組成物の製法について説明する。
田七及び杜仲は、例えば、杜仲(樹皮・若葉・実・木部)の乾燥物及び田七の乾燥物を細片にして60℃〜100℃の熱水で、又は室温乃至100℃のエタノール若しくは水とエタノールとの混合液(100:0〜0:100)で、0.5時間〜2時間熱湯抽出し(抽出工程)、濾過、精製、濃縮の各工程を経て得られる。
同様にして黄精エキスも、黄精の乾燥物を細片にして熱湯抽出して得られた液体を濃縮することにより得られる。黄精の粉末はこの黄精エキスを熱風乾燥することにより得られる。
得られた両抽出エキスに任意成分として、甘草エキス、高麗人参エキス、蜂蜜等を加えて混合する(混合工程)。混合物を熱風乾燥する(乾燥工程)ことにより、粉末状又は粉末顆粒状の本発明の生薬組成物が得られる。また、得られた混合物に乳化剤を添加して成形し、熱風乾燥することにより、錠剤が得られる。このようにして、粉末、顆粒、錠剤又は液体(ドリンク)として本発明の生薬組成物が得られる。
乳化剤としては、蜂蜜、植物油、キシリトール等が用いられる。乳化剤の重量比は、0〜20重量%が望ましい。
上記生薬成分エキスの混合粉末及び乳化剤から熱風乾燥して得られる錠剤は、0.1〜0.5g/錠剤、特に0.25g/錠剤が適当である。
ヒトにおいて、本発明の生薬組成物の摂取量はおおよそ1日あたり0.1〜2g/Kg、好ましくは0.1〜0.25g/Kgである。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
肝細胞は金属イオンにより酸化損傷を受け、乳酸脱水酵素(LDH)やβ−ガラクトシダーゼを漏出(放出)する。肝細胞の酸化損傷としては、脂質過酸化、及び/又はリソソーム変質が挙げられる。
本発明の生薬組成物は肝細胞をかかる損傷から保護する効果を有する。この効果は、本発明の組成物が有するDPPHラジカル排除作用によるものと考えられる。
本発明において、金属とは鉄、銅及びバナジウム等が挙げられる。
また、本発明の生薬組成物は、ジエチルニトロソアミン(DEN)等の発癌物質により誘発された肝細胞発癌を抑制又は防止する。本発明の生薬組成物は、肝細胞発癌現象の初期段階を防ぐことができ、それは新生物発生前細胞及び腫瘍細胞の安定したマーカーであるGST−Pの実験により示される。
更に、本発明の生薬組成物は、発癌物質代謝酵素活性を増大させる効果を有する。発癌物質代謝酵素としては、チトクロームP450(CYP)イソ型、I相酵素、及びII相酵素が挙げられる。より具体的には、発癌物質代謝酵素としては、グルタチオン過酸化酵素、グルタチオン・レダクターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、カタラーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、又はキノンレダクターゼが挙げられる。
本発明の生薬組成物は、これらの酵素活性を促進することにより、過酸化物と水酸基の細胞毒性、遺伝毒性から細胞、組織を保護し、化学発癌の発生段階を調整する抗発癌作用を有している。
肝細胞及びリソソーム分画におけるYHKの金属イオンによる損傷に対する保護効果についてのインビトロ試験
(1)実験の要約
ウィスターラットからコラゲナーゼ潅流法で肝細胞を単離し、そのまま、及びα−リノレン酸(LNA)−ウシ血清アルブミン(BSA)で培養した。その後、肝細胞を段階的に希釈したYHK(株式会社 協通事業、東京)のサンプル(100μg/mlと200μg/ml)で、またジメチルスルホキシドで溶解したシリビン(100μg/ml)のそれぞれで10分間培養した後、金属塩を加えた(鉄、銅、バナジウム)。リソソーム分画を作製し、β−ガラクトシダーゼ活性及び乳酸脱水素酵素漏出の測定によるリソソーム脆弱性試験、また親水性と親油性のフリー・ラジカル・ジェネレーターの存在下での酸化損傷試験を行った。
DPPHによる消化作用についても検査した。抗脂質過酸化及びMDA形成の50%阻害濃度(IC50)により表されるように、YHKとシリビンの両方が、金属イオンの誘発に対して顕著な保護効果を示した。ただし、Fe誘起の過酸化ダメージに関しては、シリビンよりもYHKの方がより効果的であった(p<0.05)。濃度に関わらず、両方の試験化合物が、リソソーム分画のLDHとβ−ガラクトシダーゼの濃度を大幅に減少させた。2つのパーオキシド・ラジカル・ジェネレーターからの攻撃を受けた未処置のリソソーム分画と比較した場合、YHKとシリビンの両者が強い保護効果をもたらした。両方の化合物に、明らかに顕著なDPPHラジカル排除作用が認められた。これらのデータは、臨床診療におけるこの新しい天然物の臨床応用の可能性を支持するものである。
(2)材料と方法
肝細胞の分離と培養:体重180〜210gのオスのウィスターラットに、標準餌と水を自由に摂取させた。肝細胞は、Wolkoff et al(J Clin Invest 1987; 79:1259-1268)によるコラゲナーゼ灌流法を用いて分離した。簡潔に述べると、肝臓をタイプIVのコラゲナーゼ(Sigma Chemical, St.Louis, MO, USA)で灌流し、分離した肝細胞を、5%熱不活化ウシ胎仔血清、CaCl2.5mM、ウシインスリン5μg/mL(Sigma)、ペニシリン100U/mL、及びストレプトマイシン0.1mg/mLを含む Waymouth's 752/1(Gibco, Grand Island, NY, USA)培養液で懸濁した。分離した細胞はパーコール密度勾配で更に分画化し、98%を超える生存率(トリパンブルーで確定)を得た。3mL中約1.5×10の細胞又は10mL中約5.0×10の細胞を、それぞれ直径60mmと100mmのLux培養皿で37℃に保たれた一酸化炭素5%空気95%の雰囲気で培養機に入れ別々に培養した。9時間培養後、肝細胞の単層を1.0mMα−リノレン酸(LNA)−ウシ血清アルブミン(BSA)を含む培養液で更に12時間培養した。培養により、加えたLNAの70%以上が培養細胞に吸収された。コントロール肝細胞は、LNAを含まない培養液で培養し、細胞蛋白量はLowry et al(J Biol Chem 1951; 193:265-275)の方法で測定した。
YHKのサンプルの調製:YHKは田七55重量%、杜仲25重量%、黄精10重量%、甘草5重量%、朝鮮人参3重量%、及び蜂蜜2重量%の熱水抽出物から調製した。
肝細胞培養試験:肝細胞はハンクス液で2回洗浄し、段階的に希釈した(100μg/ml及び200μg/ml)上記YHKのサンプル(田七、杜仲、黄精、甘草、高麗人参、協通事業、東京)を入れた60−mm(1.5×10細胞/シャーレ)、又はジメチルスルホキシドに溶かしたシリビン(100μg/ml)で10分間更に培養してから、それぞれ100μM食塩水で溶解した金属塩を加えた。6時間培養後、培養液を分離した。培養液中のマロニルジアルデヒド(MDA)は、Uchiyama and Miharaの方法(Anal Biochem 1978; 86:271-278)を幾分変更して測定した。簡潔に述べると、12mlのガラス管に入れた0.1mlの培養液に対し、1%ホスファチジン酸3ml及び0.67%チオバルビツール酸1mlを加え、100℃で45分加熱した。氷水で冷却した後、n−ブタノール4mlを加え、得られた混合物を攪拌後遠心分離し、ブタノール層を取り出した。ブタノール層の蛍光強度は、励起波長515nm、放出波長553nmにて分析した。培養液中の脂肪酸の自己酸化生成物は、0.3nmol以下で、ブランクとして使用した。ジメチルスルホキシド20μlを、試験化合物の非存在下金属イオンのみのコントロール培養も含め、2000μlの培養液で希釈した。最終的に、濃度1%のジメチルスルホキシドは、基礎培養の肝細胞における脂質過酸化に対し明確な影響はなかった。
LNA−BSA複合体の調製:ウシの血清アルブミンにLNAをSugihara et al. の方法にて(J Pharmacol Exp Ther 1995; 274:187-293)吸着した。0.1 N NaOH10mlに1mmolのLNAを溶解し、この溶液に脂肪酸/アルブミンのモル比が4である完全Williams培養液E、1mM BSA240mlを連続的に加えた。得られた脂肪酸−BSA複合体は、0.2μmミリポア(Millipore:商標)フィルターを通し滅菌した。
リソソーム分画の作製:0.3Mショ糖9倍量で肝臓をホモジネート後、450×gで10分間遠心分離した。上清を更に3500×gで10分間遠心分離し、リソソームを含む上清を10000×gで10分間遠心分離した。沈渣を洗浄して10000×gで10分間遠心分離し、ショ糖緩衝液で15mg/mlの蛋白質濃度になるよう再度懸濁した。得られたリソソーム濃縮分画は、4℃、ホモジネート用緩衝液中で、6時間までは安定であることがわかった。
リソソーム脆弱性試験:試験化合物を用いてこの分画を培養し、それぞれの金属イオン及びβガラクトシダーゼ活性を Olsson et al.の方法(Anal Cell Pathol 1990; 2:179-188)に従い、4−メチルウンベリフェリル−β−ガラクトシダーゼを基質として測定した。結果をβ−ガラクトシダーゼの総放出量のパーセンテージで表した。乳酸脱水素酵素の漏出についても、Hillaire et al. の方法(Hepatology 1995; 22:82-87)に従い、培養基で測定した。
リソソームの酸化損傷試験:リソソーム懸濁液を試験化合物の存在下で培養し、酸性ホスファターゼ及びリソソームからのβ−N−アセチルグルコサミニダーゼの放出量の測定を行った。培養は、水相と脂質相のそれぞれにおける熱溶血反応後にパーオキシドラジカルを生成するアゾ化合物である50mM 2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(AAPH)又は1mM 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリト)(AMVN)の存在下で行った。試験化合物の細胞傷害への効果は、コントロールのパーセンテージで算定した。さらにYHK及びシリビンの、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルに対するクエンチング活性は、分光測定法により測定した。1mlの試験溶液及び予め化合物を添加したリソソーム懸濁液を、0.25mM DPPHエタノール溶液2ml及び1.0M酢酸緩衝液(pH5.5)2mlで45分間37℃で培養した。その後、517nmで吸光度を測定した。この実験では、前もってリソソーム懸濁液を1mMの試験化合物の存在下で30分間培養し、12000×gで10分間遠心分離した。沈殿物は、0.15M KCl−5mMトリス緩衝液(pH7.4)で洗浄し、遠心分離を行い、0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)に再度懸濁した。
統計的解析
全ての試験を3回繰り返した。分散分析によって有意性を確認し、有意性のレベルはDuncanの多重範囲検定を用いて決定した。テキスト中のデータは平均値(標準偏差)で示してあり、<0.05という確率値は、実験グループ間において統計的に有意な差があることを示すために設定した。
(3)結果
金属誘起脂質過酸化:培養中のMDA蓄積では金属触媒の追加後6時間経過するまでは、培養時間に伴った経時変化(増加)が見られた。Fe、Cu、及びVイオン存在下のMDA濃度は、健常肝細胞ではそれぞれ2.8、2.7、及び2.4nmol/mg蛋白質/6時間であり、LNA含有の肝細胞ではそれぞれ8.8、6.2、及び10.7nmol/mg蛋白質/6時間であった。これらのデータは Furuno et al.(J Toxicol Environm Health 1996; 48:121-129)の結論と合致するものである。シリビン及びYHKのいずれも培養液におけるMDA生成を同様の範囲で大幅に減少させた(p<0.05)。表1と表2にあるように、YHKとシリビンの両者に、すべての誘起金属イオンに対する強力な保護効果があることがわかった。これは、脂質過酸化に対する50%抑制濃度(IC50)に現れている。Cu及びV誘起の肝細胞に比べると、Fe誘起の脂質過酸化は、健常及びLNA含有のいずれにおいても、両試験化合物により、有意に抑制された(p<0.05)。また、健常及びLNA含有のいずれの肝細胞においても、両化合物体濃度に関係なく、Cu及びV誘起の脂質過酸化に同程度の顕著な抑制効果を示した。モル比では、健常及びLNA含有両肝細胞において、YHKのFe誘起酸化傷害に対する保護効果はシリビンと同程度であった。ただし、高い濃度のYHKは更に効果的であった(p<0.05)。シリビンの場合は濃度を上げても、効果の増強は認められなかった。
リソソーム脆弱性試験:図1及び図2に示すように、金属イオン存在下で、リソソーム分画のLHD漏出とβ−ガラクトシダーゼ放出に大幅な増加が見られた(p<0.01)。両試験化合物は、濃度に関係なく、リソソーム分画の培養液中のLHD濃度を大幅に減少した(p<0.05)。シリビン及び高濃度のYHKは、リソソームからのβ−ガラクトシダーゼ放出を大幅に減少させた(p<0.05、図2)。
リソソーム酸化ストレス試験:未処置のリソソーム分画が2種のパーオキシドラジカル・ジェネレーターから攻撃を受けた場合と比較すると、YHK及びシリビンの両者が有意の保護効果をもたらした(p<0.01、表3)。特に、親水性及び親油性のフリー・ラジカル間において、このような保護効果が非常に高かった。親油性のジェネレーターに対するYHKの保護効果は、シリビンよりも大幅に優れていた(p<0.05)。両化合物に、同等の有意なDPPHラジカル排除活性が見られた(p<0.01、図3)。
(4)考察
鉄、銅、バナジウムを含む金属がレドックス循環を経る一方で、カドミウム、水銀、ニッケル、鉛は、グルタチオン及び蛋白質に結合したスルフヒドリル基を減少させ、スーパーオキシドイオン、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルなどの反応酸素種を生成する結果となることが確認されている。特に、蛋白質に対する酸化傷害の最も重要なメカニズムは、金属触媒酸化である。金属触媒酸化は、酵素活性の喪失や蛋白質構造の変性などを招く可能性がある。この過程には、Hの生成や、NADH、NADPH、アスコルビン酸などのような適切な電子ドナーによるFe又はCuの低減が関係している。Fe及びCuイオンは蛋白質上の特異的な金属結合部位と結び付き、Hと反応してOHを生成する。この結果生成される高度反応酸素種が、アミノ酸残基を攻撃する。フリー・ラジカル生成と酸化物傷害が、肝臓傷害の病因や金属蓄積症における線維症の要因となっていることを示唆する証拠が出てきている。いくつかの抗酸化剤は、酸化物から受けるストレスに関連する組織傷害を緩和する可能性があるが、フェノール化合物などの合成類似物にはその毒性が懸念されるものも含まれる。また、これまでに成された臨床レポートは非常に不十分なものである。本発明の生薬組成物は、このインビトロ試験において金属イオン誘起脂質過酸化に対し、シリビンよりもはるかに優れた保護効果を示した。実験的に研究された無数の薬草療法とは異なり、このフィトセラピー組成物がHCVに関連する慢性肝疾患患者の大部分のALTレベルを3週間以内に大幅に下げたこと(非特許文献6)、また同研究対象について行った受賞暦のあるパイロット試験においてMaruyama scoreが減少したことは、非常に興味深い発見事項である(非特許文献7)。フリー・ラジカルによって変質した膜脂質及び鉄過剰の肝臓中の蛋白質は、肝ミクロソーム酵素活性、電子伝達、呼吸機能とリソソーム活性の傷害を引き起こすことが証明されている。AAPHとAMVNは、それぞれ水相と脂質相における熱ホモリシスの後にラジカルを生成するアゾ化合物であり、我々の所見では、YHKがLDH及びβ−ガラクトシダーゼ放出の緩和を伴ってリソソームが完成するのを有意に保護することを確認した。これは、DPPHの効果的なラジカル排除作用、及びフリー・ラジカルの新油性のジェネレーターに対抗するシリビンよりも強力な作用の結果だと思われる。特に、金属誘起傷害においては、酸化ストレスによる損傷は低分子量のレドックス活性鉄及びリソソーム破壊物を多量に含むリソソーム画分に優先的に集中し、その後不安定な鉄が核に移動する。これは、近年実証されているとおり、酸化によるDNA損傷が発生する重要な中間段階となる可能性がある(Kurz et al. Biochem J. 2003; 11 in press)。金属誘起のリソソーム変質が肝臓の発ガンメカニズムにおいて擁護されていることを示す先般のデータから考えると、これらの発見事項は興味深い
Figure 2006117588

数値は、脂質過酸化を50%抑制する濃度を表す(IC50,μM)。IC50は、
濃度−作用曲線から算出した。
§ p<0.05 vs CuSO4及びVCl3・
* p<0.05 vs シリビン
Figure 2006117588

数値は、脂質過酸化を50%抑制する濃度を表す(IC50,μM)。IC50は、
濃度−作用曲線から算出した。
§ p<0.05 vs CuSO4及びVCl3・
* p<0.05 vs シリビン
Figure 2006117588

* p<0.01 vs DMSO(コントロール化合物)
§ p<0.05 vs.シリビン
YHKによる腫瘍性肝障害の初期段階における抑制効果
(1)実験の要約
Sprague Dawleyラットを用い、ジエチルニトロソアミン(DEN)誘発肝発癌に対するYHKの効果を検証することを目的とした。ラットは無作為に3つのグループに分け、15週間飼育した。グループ1には通常の食餌を与え、健康管理を行った。グループ2及び3(各20匹)では、DEN法で肝臓のpreneoplastic fociを発生させた。ただし、グループ3のラットには、50mg/kg/dayのYHKを併用した。新生物発生前の病巣の定量分析として、免疫組織化学的染色法と画像解析を用いてグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST−P)陽性病巣の胎盤型を計測した。コントロールグループと比較すると、DENを使用した治療では体重の大幅な減少と肝臓重量の増加が見られたが、YHK併用グループでは、体重の減少と肝臓重量の増加は防止された。DENのみで治療したラットと比較すると、YHK投与グループではGST−P陽性病巣の数、サイズ、体積が大幅に減少した。さらに、YHKの併用により、肝細胞癌腫の発生率、数、サイズ、体積が大幅に減少した。この組成物の抗炎症、抗線維化、及び抗酸化作用が、この保護効果を説明するものである可能性が高い。YHKは、ラットにおけるDEN誘発腫瘍性肝障害による肝発癌を防いだことから、機能性食品として幅広い臨床応用の可能性があると結論付けた。
(2)材料と方法
Sprague Dawleyラットを、気温23度、湿度60%/10%の環境(気温、換気、湿度、照明サイクル)制御された動物施設で、12時間ごとの明/暗サイクルで飼育した。脱イオン水を自由に摂取させ、非栄養食物繊維を適宜与えた。環境に慣れるよう15週間飼育した。
YHKのサンプルの調製:YHKは実施例1と同様に調製した。
実験プロトコル:60匹のラットを無作為に20匹ずつの3グループに分け、実験終了時まで次のように扱った。グループ1には通常の固形飼料を与え、健康コントロールグループとした。グループ2には標準の固形飼料を与え、グループ3には標準の固形飼料に1日摂取量が50mg/kgとなるようにYHKを加えたものを与え、肝発癌モデルとした。したがって、Solt and Farber(Nature 1976; 263:701-703)方法を改変し、これらのラットにジエチルニトロソアミン(DEN)(食塩水中200mg/kg/bw)を腹膜内に1度注射した。標準の食餌と粉末にしたYHKの適正な混合物は毎日用意し、餌入れを各日確認して残りを掃除してから計測して補充した。
病理組織学的分析及びグルタチオン S−トランスフェラーゼ胎盤型(GST−P)の染色と計数:15週間の研究期間の終了時に、ラットを屠殺し、外部の病理を検証するため肉眼による検査を行った。その後肝臓を摘出して計量した後、それぞれのラットの肝臓各裂片から5mmの厚さの切片を切り取り、冷アセトン(0−4℃)にすばやく入れて6時間置いた。切片を取り出してパラフィン中に包埋し、GST−Pの免疫組織化学検査を行った。GST−P陽性病巣(0.01mm以上の面積の細胞損傷と定義した)は、Hsu et al.(J. Histochem. Cytochem 1981; 29:577-580)の方法に従い、ストレプタビジン−ピオチン−ペルオキシダーゼ複合体(ABC)を使用した免疫組織化学法で測定した。簡潔に述べると、キシレンで脱パラフィン処理し、過酸化水素で冷却、正常血清でブロックした後、正常ヤギ血清、抗ウサギGST−P抗体(1:2000)、ビオチン標識ヤギ抗ウサギIgG(1:400)、及びABCで肝組織切片を順次処理した。ペルオキシダーゼの結合部位を示すため、ジアミノベンジジン法を使用した。病巣の定量測定には次のことを考慮した。GST陽性病巣/cmの数、切片中病巣が占めた範囲の割合、GST−P陽性病巣と>0.2mmの結節の直径(下記文献による方法に従い画像解析機を使用(Pugh et al. Cancer Res 1983; 43:1261-1268., Campbell et al. Cancer Res 1982; 42:465-472))。Squire and Levittによる条件、及びInstitute of Laboratory Animal Resourcesのガイドラインにある詳細に従って肝臓の病変を診断した。
統計分析
結果は平均値±標準偏差で表し、統計分析はWindows (登録商標) XP用のSPSSプログラムを使用して行った。グループ間の相違については、一次元配置分散分析を利用して査定し、その後ペアワイズ比較とTukey系統群誤差率のためにDunntte検定を行った。すべてのケースにおいて、統計的有意性の最低レベルはP<0.05とした。
(3)結果
体重及び肝臓重量
すべてのラットは、解剖時まで良好な健康状態を維持した。コントロールグループと比較すると、DENによる処理では、体重の大幅な有意の減少(p<0.05)と肝臓重量の増加(p<0.05)が見られた(表4)。YHKの経口摂取により、ラットのDEN誘発の体重減少と肝臓重量の増加が有意に(p<0.05)抑制されることが証明された。
Figure 2006117588

* p<0.05 vs YHK併用摂取したラット及び vs 健康コントロールのラット
§p<0.05 vs DEN投与のみのラット

GST陽性肝細胞病巣の測定
GST−P陽性病巣の頻度定量分析の結果を、表5にまとめた。二次元測定では、YHKを投与したラット(グループ3)のGST−P陽性病巣はグループ2と比較すると大幅に少なかった。1cmあたりの病巣数、平均体積、及びGST−P陽性病巣の柔組織の百分率として表した体積などの容量測定にこの統計分析を適用したところ、同様の結果が得られた。
Figure 2006117588

* p<0.05 vs DEN投与のみのラット

腫瘍の発生:未処置ラットには肝腫瘍は見られなかったが、DEN投与ラット(グループ2及び3)には腫瘍の肝細胞性の基原が認められた(表6)。グループ3における腫瘍の発生率は、グループ2よりも大幅に有意に低かった(p<0.01)。腫瘍の多重性及び腫瘍の総数は、グループ2に比べてグループ3の方が大幅に低く(p<0.05)、容量測定の計算でも同様だった。
Figure 2006117588

* p<0.05 vs DEN投与のみのラット
(4)考察
肝細胞癌(HCC)は一般的になりつつある破壊的な疾病であり、再発する可能性が高いため外科手術による摘出の成功率を制限する要因となっており、この癌の管理向上は遅れている。C型及びB型肝炎、及び一部の分野におけるアフラトキシンはHCCの主な原因となっており、また発癌に対するゼノバイオティックスの広範な関与が懸念されている。とくに、多数の複素環アミン突然変異誘発原など、我々の環境で自然に発生する遺伝毒性の発癌物質は数多く存在する。遺伝毒性発癌物質は一次細胞において不可逆的なDNA損傷を誘発し、これら一次細胞は自立的成長能に達するまでプロモーター物質の存在のもとでクローン増殖するので、このような条件を実験的に真似るため現在では多くの化学物質が用いられている。従来は、化学的肝細胞癌の発症は3つ以上の段階(即ち、開始、プロモーション、進行)を経る多段階進行で、各段階に宿主の生化学、内分泌学、免疫学、微小環境学などの調整システムが関与していると考えられていた。実践的には、体内に発癌物質が吸収され、高感受性の組織に分布し、DNAと反応してさらに進んだ種に到達させる代謝、解毒化、排出の全工程を経る間にDNAが損傷される可能性がある。このような状況では、癌を含む様々な疾病の予防において栄養が大きな役割を果たしていることが証明されていることを考えると、栄養学的な予防法が理想的な対策だといえる。したがって今日、1980年代初期から日本で「機能性食品」と呼ばれる特定の栄養素の有効性を支持する文献が増えつつある。この実験では、数種類の肝臓損傷の実験モデルにおいて肝臓保護の可能性を示したYHKを採用した長期治療での使用に制限があると考えられるその他の天然治療薬とは異なり、この組成物は通常食に安全に組み込むことができ、長期研究においてHCV関連の硬変患者のトランスアミナーゼを大幅に下げる効果があることが証明されている(Buetler et al. Biochem Biophys Res Comm 1992; 188:597-603; Aceto et al. Carcinogenesis 1990; 11:2267-2269)。本実験では、この組成物を既存の化学的肝臓毒素と同時に経口摂取した場合、発癌現象の初期段階を防ぐことができることが示された。ラットの肝細胞癌の全過程における蛋白質とmRNAのレベルで永続的な新生物発生前細胞及び腫瘍細胞の安定したマーカであるGST−Pの実験により示されている。総体的には、GSTは二量体蛋白質のファミリー(Alpha、Mu、Pi、Theta、Sigma、Kappa、及びZetaで標識)で、疎水性分子の細胞内輸送と毒性化合物の代謝の両方で重要な役割を担っている。健常なラットの肝臓ではGST−P蛋白質が見つかることはほとんどないが、使用する発癌物質の種類に関係なく、過形成の結節及び肝細胞癌腫で発現し検出されるようになる。GST陽性細胞は、一般的に高DNA複製及びGST−P陽性単一細胞の成長によって特徴付けられ、GST−P陽性肝病巣はそのような複製と細胞の死滅によって決定される拮抗との間の結果であると考えられている。しかし、上記にあるように、数々の化学物質及び/又は食物毒素が進行性の細胞損傷を引き起こす腫瘍プロモーターとして作用することがある。特に、我々の研究ではGST−P陽性の病巣と顕性HCCの数、大きさ、体積が、YHKの並行摂取によって大幅に減少されることが証明された。特に後者の減少は著しかった。一般的に、化学予防物質の効果の根底にあるメカニズムの多くは、脂質過酸化とDNA付加物形成の抑制と、それらの中のI相及びII相酵素の変調である。YHKが肝細胞の発癌に対して重大な保護効果を与えるメカニズムは未だ不明であるが、総合的に見ると、この化合物が示した範囲の作用(即ち、抗酸化、抗炎症、抗線維化)が、新生物発生前の病巣形成の防止作用を説明している。一方、この組成物の安全性は、慢性肝疾患においてHCC進行のより良い抑制を達成し、機能性食品として大規模な臨床応用への可能性を秘めている。これは、「自称」天然保護化合物の多くが発癌過程を悪化させないまでも、同様の作用をもたらせなかったことを考えると(Barbisan et al. Cancer Sci 2003; 94:188-192; Low-Baselli et al. Carcinogenesis 2000; 21:1869-1877)、特に興味深いものである。
肝臓における発癌物質代謝酵素活性に対するYHKの有益な効果
(1)実験の要約
この実験では、ラットの防御システムにおいて、解毒化や肝抗酸化に関するI相とII相の代謝酵素の抗酸化作用に対する、YHKの併用摂取による効果を検証した。4週間にわたり、ウィスターラットにYHKを投与した。投与期間の終わりには、適切な基質で肝臓ミクロソームと細胞質ゾルをインキュベーションすることで異なるチトクロームP450(CYP)イソ型及びII相酵素の活性を測定した。通常の食餌を与えたコントロールグループと比較すると、YHK(2%、w/v)を4週間併用摂取させた雄ラットでは、肝臓におけるグルタチオン過酸化酵素活性とカタラーゼ活性が大幅に増加した(P<0.05−0.001)。すべてのYHK投与グループでは、CYP 1A2活性が、明確に増加した(P<0.05)。CYP 1A1活性は、すべてのグループで大幅に増加した。これらの変化と同時に、ラットへのYHKの投与は、I相とII相の代謝酵素の活性に顕著な促進効果を与えた。通常食餌のコントロールグループと比較し、グルタチオンS−トランスフェラーゼ活性が、1.6倍(肝臓では1.8倍)(P<0.05−0.01)となった。YHKによるこのような解毒化酵素の誘導は、この化合物が化学発癌物質やその他の形の求電子毒性に対する保護作用を持つ可能性を示している。これらの結果の重要な点は、対象となる様々な内臓における腫瘍の誘発に対し、YHKが癌の予防効果を有していることである。
(2)材料と方法
YHKのサンプルの調製:YHKは実施例1と同様に調製した。
実験動物はステンレススチール材のワイヤーメッシュのケージで飼育し、飼育環境(温度、換気、湿度、照明のサイクル)の制御下で食餌(市販の齧歯動物用食餌)を自由に与えた。実験動物が環境に慣れるよう、実験を行う前に5日間飼食した。
実験のプロトコル:抗酸化、I相及びII相の代謝酵素に対するYHKの併用摂取の効果を研究するため、ラットをコントロールグループと実験グループの2つに分けた。各グループ20匹ずつとした。実験動物には、通常の食餌(コントロールグループ)、又はYHK(2%)の食餌(実験グループ)を与えた。実験グループの食餌は、最終的なYHKの濃度が2%となるように、YHKと通常の食餌を混ぜて作成した。この食餌での規制飼育を4週間継続した。アドリアマイシン及び/又はシスプラチナムに加えた際に癌に対する有意な化学予防効果が確認された以前の研究に基づいて、今回のYHKの投与量を決定した。4週間後、実験動物を頚部脱臼により屠殺した。直ちに肝臓全体を摘出し、冷0.9%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで冷0.85%塩化ナトリウムで灌流し、Potter型のテフロン(登録商標)ガラスホモジナイザーを使用して、1.17%塩化カリウムを含む冷0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)でホモジナイズした。日立冷却遠心分離機(形式 CR15B)を使用して、800gで15分間、4℃でホモジェネートの一部を遠心分離して核破片を取り除いた。得られた一定部分を12,000rpmで30分間、4℃で遠心分離し、酵素源として使用する後糸粒体(postmitochondrial)の上澄みを得た。また、残りのサンプルは分画遠心沈殿法による、肝臓ミクロソームと細胞質ゾルの抽出に使用した。すなわち、冷却遠心分離機(OM 3593 IEC Co. Ltd. USA)を使用して、ホモジェネートを15分間、4℃で遠心分離した。上澄みを分離用超遠心機(20PR−52D;日立,東京)を使用し、105 000×gで60分間、4℃で遠心分離した。ミクロソームの沈殿物はホモジェナイザー内で均質化液剤に懸濁し、さらに遠心分離した。浮遊脂質層を取り除き、適当に希釈にして上澄み(細胞質ゾル分画)を酵素の測定に使用した。酵素の測定は上記に述べた方法(Robson et al, Br J Clin Pharmacol 1987; 24:293-300)で行い、残りの上澄みは20%wvグリセロールを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.4)に−80℃で分析まで保管した。Lowry et al.の方法(J Biol Chem 1951; 193:265-275)によって、ミクロソーム蛋白質含量を測定した。P450の含量は、Omura & Satoの方法(J. Boil. Chem. 1964; 239:2370-2379)によって測定した。
肝臓抗酸化剤の測定
Mohandas et al.の方法(Cancer Res. 1984; 44:5086-5091)に従いグルタチオン過酸化酵素活性を測定した。反応混合物は、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)1.44ml、0.5mM EDTA 0.1ml、1.0mM アジ化ナトリウム 0.1ml、グルタチオン還元酵素(1.0EU/ml)0.05ml、1.0mM GSH 0.1ml、0.1mM NADPH 0.1ml、0.019M 過酸化水素 0.1ml、腎PMS(10%w/v)0.025ml、肝PMS(10%w/v)0.05mlの合計2.0mlで調製した。酵素活性は、モル吸光係数6.22×10M/cmを使用し、nmol NADPH oxidized/min/mg蛋白質として計算した。カタラーゼ活性は、Claiborneの方法(Claiborne, A.: Catalase activity. In: CRC Hand Book of Methods for Oxygen Radical Research. Ed.: R.A.Green Wald. CRC Press, Boca Raton, FL, 1985 pp. 283-284)で算定し、Ansar et al.(1999)の方法でさらに修正した。すなわち、測定用混合物は0.05M リン酸緩衝液(pH7.0)1.0ml、0.019M過酸化水素0.975ml、腎及び肝PMS(10%w/v)0.025mlで作成した。カタラーゼ活性は、240nmでの吸光度の減少として測定された過酸化水素の分解率により計算した。
細胞質ゾルI相及びII相酵素
CYP 1A1/CYP 1A2の活性の測定。CYP 1A1及びCYP 1A2の活性は、Tassaneeyakul et al.の方法(J. Pharmacol. Exp. Ther. 1993; 265:401-407)に従い、フェナセチンを特異的基質プローブとして使用して測定した。フェナセチン−O−デエチラーゼの高親和性成分(CYP 1A2)の活性を測定するため、肝臓マイクロソーム(0.5mg mL−1)をフェナセチン5mlと30分間インキュベートした。1Mの水酸化ナトリウムを加えることにより、反応を停止した。代謝産物、パラセタモールの形成については、特異的HPLC法(Tassaneeyakul et al、上掲)で検証した。ラット肝臓マイクロソームで報告されたCYP 1A1のおおよそのミカエリス定数Kmである、濃度300lmフェナセチンを使用して低親和性アイソザイムCYP1A1の活性を測定した。インキュベーションの手順とHPLCの手順は、CYP 1A2と同様に行った。間細胞内のグルタチオン−S−トランスフェラーゼ活性は、分光光度(340nm)法(Habig et al. J. Biol. Chem. 1974; 249:7130-7139)により測定し、Iqbal et al. の方法(Redox Report, 1996; 2:385-391)により修正した。手順は、モデル基質1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン(CDNB)を持つグルタチオンの酵素触媒濃縮を基本とした。すなわち、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)1.825ml、1.0mM還元グルタチオン0.1ml、1.0mM CDNB0.05ml、腎臓及び肝臓PMS(10%w/v)それぞれ0.025ml及び0.01mlから成る総量2.0mlの反応混合液を使用した。340nmで吸光度の変化を記録し、酵素活性はモル吸光係数9.6×10M/cmを使用してnmol生成CDNB結合蛋白質/min/mgを計算した。
統計分析
有意性は、変動の分析によって確定し、有意性のレベルはDuncanの多重範囲検定を用いて決定した。データは平均値(標準偏差)で表し、<0.05の確率値を実験グループ間の有意義を示すものと判断した。
(3)結果
この研究で用いたYHKの摂取量では、コントロール飼育(データ表示なし)中、体重の減少や食・給水の減退などの毒性の徴候は見られなかった。
ラット肝組織中の抗酸化酵素活性に対するYHKの併用効果を査定し、結果を表7に示す。生後4週ラットの食餌に30日間、2%YHKを加えたところ、正常な体重増加があり、YHK摂取に対する耐容が確認された。YHKを併用摂取させた結果、通常食餌のコントロールグループに比べると、グルタチオン過酸化酵素とカタラーゼの活性がそれぞれ118%と87%まで有意(P<0.05〜0.001)に増加した。グルタチオン過酸化酵素活性の増加は、カタラーゼ活性に見られた増加より大きかった(表8)。
グルタチオン−S−トランスフェラーゼなどのII相代謝酵素に対するYHK併用摂取の効果を表9に示す。通常食餌のラットと比較すると、グルタチオン−S−トランスフェラーゼの活性は、YHKの併用摂取により約1.6倍に促進された(P<0.05〜0.001)。
グルタチオン−S−トランスフェラーゼ活性
YHK摂取グループのラットでは、細胞質内のグルタチオン−S−トランスフェラーゼの活性に有意(P<0.05)な増加が見られた。P450の含量はYHK摂取グループの雄ラットで大幅に増加した(2.66±0.55nmol.mg MS pro−1)のに対し、コントロールグループでは変化はほとんどなく(1.08±1.04nmol.mg MS pro−1)、両者の差は有意であった。(P<0.01)。特に、YHKの摂取によってCYP 1Aは有意(p<0.05)に増加した。この結果は、健常状態の肝臓ミクロソーマルの毒物代謝酵素は、ラットの雌雄の性差によって相違があることを示している。しかしながら、どちらの性別においても、YHKの効果は明確であった(表7)。
(4)考察
多種の化学発癌物質による腫瘍の誘発に対し実験動物を抗酸化食餌で保護するという、化学発癌物質に対する保護メカニズムでは、解毒酵素の抗酸化の依存性誘発が介入する場合がある。現在、数種類のヒト癌の発生、進行、悪化の段階に、栄養が重要かつ原因的な役割を果たしていることが証明されつつある。食物には、化学発癌物質の影響を中和することができる化学物質が多く含まれている。化学発癌物質の活性及び不活性に関連する酵素システムの変調が、1つのメカニズムとして考えられる。ヒトが晒されている数多くの遺伝毒性をもつ環境化学物質や天然製品は、その突然変異誘発性や発癌性効果を明示するには、代謝活性化を必要とする。この生物活性化は、DNAやその他の細胞高分子を攻撃する反応中間物を上昇させるチトクロームP450(CYP)を含むI相酵素のいくつかが主な原因となる(Smith et al. Annu. N.Y. Acad. Sci. 768: 82±90)。自然界の物質や合成薬による生物活性酵素の抑制及び/又は解毒酵素の誘導は、今後も有望な化学予防方法となる。
癌の防止には、様々な異なるメカニズムがある。これには、最終的な発癌物質の発生量を削減する、代謝性中毒化の減少及び/又は解毒化の促進などが含まれる。また、(発癌物質の)発生後の段階では、発生後/新生物発生前の細胞の成長の低下が腫瘍の進行度を抑制させることもある。
肝臓の薬物代謝酵素、特にチトクロームP450やスルホントランスフェラーゼなどの作用は、成長ホルモンの性関連分泌パターンを通して調節されている。いくつかの研究では、薬物代謝酵素に対する、性に関係した効果が報告されている(Kobayashi et al. J Toxicol Sci 2000; 25: 213-222)。ただし、我々の研究では、YHK長期投与ラットの肝臓薬物代謝酵素活性において、対象ラットの性別の違いによる影響は認められなかった。
ROSは、健常な代謝経路によって、または化学発癌物質への暴露の結果として生物学的システムで広く生成されている。ROSに関する研究は進んでおり、これは膜の機能不全、蛋白質の不活性化、DNA損傷、そして最終的に発癌現象への多様な進行段階を助長する(Sun, Free Radical Bio. Med. 1990, 8, 583-599; Perchellet & Perchellet, Free Radical Biol. Med. 1989, 7, 377-408)。抗酸化物質や、グルタチオン S−トランスフェラーゼペキノンレダクターゼ、とりわけ小さな非酵素性の水溶性生体分子などのII相酵素の包括的な作用は、酸化物質の悪影響や前癌性物質の反応性代謝に対して保護効果をもたらす(Sun, 上掲; Perchellet & Perchellet, 上掲)。Reiners et al.(Carcinogenesis, 1991, 12, 2337-2343)では、7,12−ジメチルベンズ(a)アントラセン−12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテートで処理した皮膚と皮膚癌において、抗酸化酵素の枯渇レベルが化学的に誘発されたことが示されている。発癌物質及び/又は発癌プロモーターへの暴露後に、これらの酵素が枯渇することも知られている(Sun, 上掲; Perchellet & Perchellet, 上掲)。一方、癌の化学予防研究では、化学予防剤の投与後に、実験動物の様々な内臓において抗酸化酵素レベルが向上したことを証明している(Wattenberg, Carcinogenasis, 1990, 12, 115-117)。
YHK投与ラットの様々な臓器中のグルタチオン過酸化酵素、グルタチオン・レダクターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、カタラーゼや、グルタチオン S−トランスフェラーゼやキノンレダクターゼなどのII相酵素などの抗酸化酵素の活性を大幅に増進することは、クルクミンに見られる癌の化学予防効果に貢献している可能性を示唆している。これらの結果が示すように、ラットにYHKを投与することで、グルタチオン結合した酵素(抗炎症と抗癌作用をもたらす可能性のある脂質過酸化の求電子生成物の解毒に関与するとされている)を誘導する結果となった。
主要な抗酸化酵素カタラーゼは、基質Hの細胞内濃度の低い細胞では、触媒作用の活性は低い。このような状態では、グルタチオン過酸化酵素は細胞及び/又は組織からの過酸化物の解毒に主要な役割を果たす(Raes et al. Free Radical Biol. Med. 1987, 3, 3-7)。細胞システム中の細胞毒性/遺伝毒性の生成において、過酸化物がOと比較し明確な影響をもつとの報告もある(Sun, 上掲; Perchellet & Perchellet, 上掲)。さらに、Haber-Weiss-like-Fenton反応(Perchellet & Perchellet, 上掲)を介して過酸化水素から生成された高反応性の水酸基は、高分子、特にDNAを損傷して病的な変質を招くことがわかっている(Sun, 上掲; Perchellet & Perchellet, 上掲)。このような事実を考えると、YHK投与ラットの肝臓に見られたグルタチオン過酸化物とカタラーゼの活性促進は、この投与によって過酸化物と水酸基の細胞毒性/遺伝毒性から細胞/組織を保護できることを示唆している。
結果として生じるヒドロキノンはメルカプツール酸経路を通して結合及び分泌される可能性があるため、DT−ジアホラーゼとしても知られるキノンレダクターゼを触媒とするキノンなどの、多環式芳香族炭化水素の代謝生成物からの2電子還元が、解毒化の経路になるとされている。求電子特性に加え、これらのキノンは脱プリン付加物を形成するDNAに共有結合された酸化物として広く知られており、癌の発生において決定的な役割を果たす(Cavalieri et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1997, 94, 10937-10942)。ミクロソームNADPH−チトクロームP−450を介したキノンの1電子還元生成物であるセミキノンは、酸素分子と合わさって中毒又は反応を起こす場合があり、Oを形成し原種キノンを再生成する。これは、再還元に使用されることになり、その結果、無益なレドックス循環を行うことになる。そのようなレドックス循環の最終的な結果として、細胞還元当量の不均衡な消費から酸化ストレスが発生し、O、H、及びOHのような反応酸素種が生成される(Sun, 上掲; Perchellet & Perchellet, 上掲)。グルタチオン S−トランスフェラーゼなどのII相酵素は、排出について、還元グルタチオンと、多環式芳香族炭化水素のヒドロキノンとエポキシ化合物の両方との結合に触媒作用を及ぼすだけでなく、細胞/組織からの解毒について有機ヒドロパーオキシドに対する低活性度を示す(Ketterer, B., K.H. Tan, D.J. Meyer & B. Coles: Glutathione transferases a possible role in the detoxification of DNA and lipid hydroperoxides. In: T.J. Mantle, C.B. Pickett, & J.D. Hayes (eds.), Glutathione S-Transferase and Carcinogenesis, pp. 149-163. New York: Taylor and Francis, 1987)。YHK投与ラットの肝臓においてグルタチオン−S−トランスフェラーゼとキノン・レダクターゼの活性が増進したことは、癌の化学予防効果に関連するこの組成物の重要な役割を示していると推測することができる。
結論として、YHKは、活性化及び解毒化の過程を触媒する酵素システムに働きかけることで、化学発癌の発生段階を調整する抗発癌作用を有している。突然変異誘発性及び発癌性の過程、また化学的誘発癌発症の最終的なリスクは、I相の発癌性物質活性化酵素とII相の解毒化酵素の微妙なバランスにかかっていると認識することもできる。
Figure 2006117588

P<0.01 vs ♂コントロール、P<0.05 vs ♀コントロール、P<0.05 vs ♀コントロール.
Figure 2006117588

データは、20匹の実験動物の平均±標準誤差を表す。統計的有意性は、
通常食餌のコントロールグループとYHK投与グループ間にスチューデントt検定を適用した。
A p<0.001.
B p<0.05.
Figure 2006117588

データは、20匹の実験動物の平均±標準誤差を表す。統計的有意性は、
通常食餌のコントロールグループとYHK投与グループ間にスチューデントt検定を適用した。
本発明の生薬組成物は、金属による肝損傷の防止、腫瘍性肝障害の抑制、及び腫瘍誘発防止のために使用することができる。
リソソーム脆弱性試験の結果を示すグラフであり、培養肝細胞における金属イオンの攻撃を受けた際のLHD放出に対するYHKとシリビンの効果を示す。 リソソーム脆弱性試験の結果を示すグラフであり、リソソーム分画における金属イオンにより誘起されるβ−ガラクトシダーゼ放出に対するYHKとシリビンの効果を示す。 リソソーム分画におけるYHKとシリビンのDPPHラジカル排除活性を示すグラフ。

Claims (10)

  1. 田七、杜仲及び黄精を必須成分として含む、金属による肝細胞の酸化傷害防止用、肝細胞発癌抑制用、又は発癌物質代謝酵素活性の増強用生薬組成物。
  2. 更に甘草、高麗人参及び蜂蜜からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載の生薬組成物。
  3. 更に甘草及び高麗人参を含有する請求項1記載の生薬組成物。
  4. 金属による肝細胞の酸化傷害防止用生薬組成物であって、前記金属が鉄、銅及びバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の生薬組成物。
  5. 前記金属が鉄である請求項4に記載の生薬組成物。
  6. 前記金属による肝細胞の酸化傷害が脂質過酸化、及び/又はリソソーム変質である請求項4又は5に記載の生薬組成物。
  7. 肝細胞発癌抑制用生薬組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生薬組成物。
  8. 発癌物質代謝酵素活性の増強用生薬組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の生薬組成物。
  9. 前記発癌物質代謝酵素がチトクロームP450(CYP)イソ型、I型、及びII相酵素である請求項8記載の生薬組成物。
  10. 前記発癌物質代謝酵素が、グルタチオン過酸化酵素、グルタチオン・レダクターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、カタラーゼ、グルタチオン S−トランスフェラーゼ、又はキノンレダクターゼである請求項8記載の生薬組成物。
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