JP2006114101A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006114101A JP2006114101A JP2004298927A JP2004298927A JP2006114101A JP 2006114101 A JP2006114101 A JP 2006114101A JP 2004298927 A JP2004298927 A JP 2004298927A JP 2004298927 A JP2004298927 A JP 2004298927A JP 2006114101 A JP2006114101 A JP 2006114101A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- layer
- recording medium
- chemical formula
- magnetic recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Lubricants (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
【課題】 長期間にわたる保存信頼性を向上させることができると共に、高い走行安定性も得ることができる磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 磁気テープ10は、非磁性支持体11の上に、磁性層12,保護層13および潤滑層14をこの順に備えている。潤滑層14は、潤滑剤としてC8 F17−C10H20−COO−CH(COOH)CH2 COOHを0.3質量%未満の範囲内で含んでいる。これにより、走行安定性および保存信頼性が改善される。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁気テープ10は、非磁性支持体11の上に、磁性層12,保護層13および潤滑層14をこの順に備えている。潤滑層14は、潤滑剤としてC8 F17−C10H20−COO−CH(COOH)CH2 COOHを0.3質量%未満の範囲内で含んでいる。これにより、走行安定性および保存信頼性が改善される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、非磁性支持体に磁性層および潤滑層が設けられた磁気記録媒体に関する。
近年、記録媒体で扱われる情報量の増加は著しく、以前より想定されていた記録容量を遥かに上回る勢いで増大している。また、ここ数年のブロードバンド化の普及により、更に加速しているのが現状である。これに対応する磁気記録媒体としては、非磁性支持体の上に、強磁性材料を直接蒸着させて磁性層を形成した、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案されている。
この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、塗布型の磁気記録媒体に比較して、保磁力Hc、残留磁化Mr、および角型比Sなどに優れ、短波長での電磁変換特性にも優れている。また、強磁性材料を直接蒸着させるので、磁性層の厚みを極めて薄くすることができ、例えば、カセット内での体積記録密度を増加させることができる。また、磁性層の表面が極めて平滑となるので、磁気ヘッドと磁気記録媒体との隙間(スペーシング)が低減し、電磁変換特性がより向上する。
ところが、その一方で、磁性層の表面が平滑化することにより、磁気ヘッドを搭載しているドラムあるいはガイドローラーなどの摺動部との摩擦係数が大きくなり、いわゆる張り付きなどが起こり走行安定性が低下してしまうという問題があった。
また、磁性層が極めて薄い蒸着膜よりなるので、腐食しやすいという問題もあった。
そこで、磁性層の上に潤滑層を形成することにより、これらの改善が図られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特公平08−16979号公報
特開2003−277336号公報
しかしながら、ホームアーカイバルが浸透しつつある現在においては、データの長期保存が求められており、従来の磁気記録媒体では十分に対応することができなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、長期間にわたる保存信頼性を向上させることができると共に、高い走行安定性も得ることができる磁気記録媒体を提供することにある。
本発明による磁気記録媒体は、非磁性支持体に磁性層が設けられ、その上に潤滑層が設けられたものであって、潤滑層は、化1に示した化合物を0.3質量%未満の範囲内で含むものである。
本発明の磁気記録媒体によれば、化1に示した化合物を0.3質量%未満の範囲内で含む潤滑層を設けるようにしたので、耐食性を向上させることができ、長期間にわたる保存信頼性を向上させることができると共に、高い走行安定性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る磁気記録媒体である磁気テープ10の断面構造を表すものである。この磁気テープ10は、例えば、VTRなどに用いられるものであり、、例えば、ベースフィルムとしての非磁性支持体11の一面に、磁性層12,保護層13および潤滑層14が非磁性支持体11の側からこの順に積層されている。また、非磁性支持体11の他面には、バックコート層15が形成されている。なお、磁気テープ10は、図示しないリールに巻かれて図示しないカセットに組み込まれている。
非磁性支持体11は、例えば、ポリエステル類,ポリアミド類あるいはポリイミド類などの高分子材料により構成されている。ポリエステル類としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはポリエチレンナフタレート(PEN)が挙げられる。なお、非磁性支持体11の一面には、図示しないが、例えばアクリル酸エステルを主成分とする水溶性ラテックスを分散させた粒子分散液が塗布されることにより、表面突起が形成されていることが好ましい。この表面突起は、非磁性支持体11と磁性層12との密着性を向上させると共に、磁気テープ10の摩擦係数を低減するものである。
磁性層12は、磁性材料を含んで構成されている。磁性材料としては、例えば、鉄(Fe),コバルトあるいはニッケル(Ni)などの強磁性単体金属、またはコバルト−ニッケル系合金,鉄−コバルト系合金,鉄−ニッケル系合金,コバルト−白金(Pt)系合金,コバルト−ケイ素(Si)系合金,コバルト−ニッケル−白金系合金,鉄−コバルト−ニッケル系合金,鉄−ニッケル−ホウ素(B)系合金,鉄−コバルト−ホウ素系合金,鉄−コバルト−ニッケル−ホウ素系合金,コバルト−クロム(Cr)系合金,コバルト−クロム−ホウ素系合金,コバルト−クロム−ケイ素系合金あるいはコバルト−白金−ケイ素系合金などの強磁性合金が挙げられる。
磁性層12は、これらの磁性材料を用いて真空斜法蒸着により、酸素ガスを導入しながら形成されたものが好ましい。媒体ノイズを低減することができるからである。
磁性層12の厚みは、異方性磁気抵抗効果型ヘッド(AMRヘッド)あるいは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)で再生する場合には、80nm以下が好ましく、50nm以下の範囲内であればより好ましい。また、耐食性を向上させるには、20nm以上が好ましく、30nm以上であればより好ましい。
保護層13は、グラファイト、ダイヤモンド状炭素(DLC;Diamond-Like Carbon )、ダイヤモンド、または酸化クロム(CrO2 )あるいは酸化アルミニウム(Al2 O3 )などの酸化物あるいはセラミックス、または銅あるいはクロムなどの金属あるいはそれらの合金などにより構成されている。特に、DLCにより構成するようにすれば、薄膜強度を向上させることができるので好ましい。
保護層13の厚みは、5nm以上10nm以下の範囲内であることが好ましい。厚すぎると、例えば磁気ヘッドとのスペーシングが大きくなり、電磁変換特性が悪化してしまい、薄すぎると、磁化劣化が大きくなってしまうからである。
潤滑層14は、潤滑剤である化2に示した化合物(11−パーフルオロオクチルウンデカン酸−1,2−ジカルボキシエチル)と、これを溶解する溶剤とを含んで構成されている。化2に示した化合物は、磁性層12の腐食を抑制する効果が高く、これにより磁気テープ10では、長期間にわたってデータを保存することができるようになっている。潤滑層14には、化2に示した化合物に加えて他の潤滑剤を混合してもよいが、化2に示した化合物を潤滑剤として単独で用いた方がより高い効果が得られるので好ましい。溶剤としては、例えば、2−プロパノールなどの有機溶剤が挙げられる。
化2に示した化合物の含有量は、潤滑層14を構成する成分全体に対して0.3質量%未満であることが好ましい。多すぎると、高い走行安定性が得られないからである。
なお、潤滑層14は、図示しないが、非磁性支持体11の一面側に加えて他面側、例えばバックコート層15の表面にも設けるようにしてもよい。磁気テープ10は図示しないリールに巻かれた状態において非磁性支持体11の一面側と他面側とが接触するので、保護層13の上に設けた潤滑層14が走行により薄くなってきた場合に、バックコート層15の表面に設けた潤滑層14により潤滑剤を補うことができるからである。また、非磁性支持体11の他面側にも潤滑層14を設けることにより、磁気テープ10の走行をより円滑とすることができるからである。
バックコート層15は、非磁性支持体11を保護すると共に、走行安定性および繰り返し使用に対する耐久性を高めるためのものであり、例えば炭素材料あるいは炭酸カルシウムなどの非磁性顔料に、ポリウレタンなどの結着剤および必要に応じて硬化剤などの添加剤を混合したものにより構成されている。炭素材料としては、例えば、カーボンブラックが挙げられ、炭素材料を用いれば、帯電防止効果あるいは摩擦低減効果も得られる。
この磁気テープ10は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、非磁性支持体11の一面に、例えば上述した粒子分散液を塗布することにより、図示しない表面突起を形成する。
次に、この突起を形成した非磁性支持体11の一面に、例えば、図2に示した連続巻取式斜方蒸着装置20を用いて、斜方蒸着により磁性層12を形成する。例えば、非磁性支持体11を供給リール21から供給し、ドラム22を介して巻き取りリール23で巻き取りながら、坩堝24内の磁性材料24Aに電子銃25から電子ビーム25Aを照射して蒸気を発生させると共に、蒸気の入射角をマスク26により制御する。また、酸素導入管27から蒸着雰囲気に酸素ガスを局所的に導入して、磁性層12に酸素を添加することが好ましい。
続いて、磁性層12の上に、例えば、化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition )法あるいは物理蒸着(PVD ; Physical Vapor Deposition)法により保護層13を形成する。
更に、非磁性支持体11の他面に、例えばグラビア法により、バックコート層15を形成する。
そののち、上述した潤滑剤を溶剤に溶解した溶液を、保護層13の表面と、必要に応じてバックコート層15の表面とに塗布し、潤滑層14を形成する。これにより、図1に示した磁気テープ10が完成する。
このように本実施の形態では、化2に示した化合物を0.3質量%未満の範囲内で含む潤滑層12を設けるようにしたので、耐食性を向上させることができ、長期間にわたる保存信頼性を向上させることができると共に、高い走行安定性を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1−1〜1−5)
図1に示した磁気テープ10を作製した。まず、非磁性支持体11として、厚みが6.3μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、その一面にアクリル酸エステルを主成分とする水溶性ラテックスを分散させた粒子分散液を塗布し、密度が約3000万個/mm2 の表面突起を形成した。次いで、この非磁性支持体11の一面に、図2に示した連続巻取式斜方蒸着装置20を用い、酸素を導入したコバルトよりなる厚み50nmの磁性層12を成膜した。
図1に示した磁気テープ10を作製した。まず、非磁性支持体11として、厚みが6.3μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、その一面にアクリル酸エステルを主成分とする水溶性ラテックスを分散させた粒子分散液を塗布し、密度が約3000万個/mm2 の表面突起を形成した。次いで、この非磁性支持体11の一面に、図2に示した連続巻取式斜方蒸着装置20を用い、酸素を導入したコバルトよりなる厚み50nmの磁性層12を成膜した。
続いて、磁性層12の上にCVD法によりDLCよりなる保護層13を形成した。更に、非磁性支持体11の他面に、カーボンブラックを結合剤としてのポリウレタン樹脂に分散した塗料を塗布し、厚み0.5μmのバックコート層15を形成した。
そののち、化2に示した化合物を溶剤である2−プロパノールに溶解した溶液を、保護層13の表面およびバックコート層15の表面に塗布して、潤滑層14を形成し、磁気テープ10を得た。その際、実施例1−1〜1−5で、化2に示した化合物の含有量を、0.25質量%,0.2質量%,0.15質量%,0.1質量%,または0.05質量%と変化させた。
実施例1−1〜1−5に対する比較例1−1として、化2に示した化合物の含有量を0.3質量%としたことを除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして磁気テープを作製した。また、比較例1−2,1−3として、化2に示した化合物に代えて化3に示した化合物(3−パーフルオロオクタデシル−3−カルボキシプロピオン酸)を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして磁気テープを作製した。その際、化3に示した化合物の含有量は、0.1質量%、または0.3質量%とした。
実施例1−1〜1−5,および比較例1−1〜1−3の磁気テープ10について、保存信頼性および走行安定性を調べた。その際、磁気テープの幅は、8mmとした。得られた結果を表1に示す。なお、保存信頼性としては、温度35℃,湿度70%,硫化水素(H2 S)2ppmおよび塩化水素(HCl)1ppmを含む雰囲気の環境下で、3日間放置した際の磁化劣化率を測定した。また、走行安定性としては、恒温槽内の雰囲気を温度25℃相対湿度50%に制御し、ショートシャトルによるブロックエラーレートの測定を行った。表1では、シャトル回数が1万パス以上のものを○、1万パス未満のものを×として表した。
表1から分かるように、化2に示した化合物を用いた実施例1−1〜1−5によれば、化3に示した化合物を用いた比較例1−2,1−3よりも磁化劣化率を低くすることができた。また、化2に示した化合物の含有量を0.3質量%未満とした実施例1−1〜1−5によれば、十分な走行安定性を得ることができた。これに対して含有量を0.3質量%とした比較例1−1では、走行安定性が低く不十分であった。
すなわち、化2に示した化合物を含む潤滑層14を備えるようにすれば、腐食性ガスの存在下においても長期間保存された際の保存信頼性を向上させることができ、また、潤滑層14における化2に示した化合物の含有量を0.3質量%未満となるようにすれば、走行安定性を十分に高くすることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、磁気テープ10の積層構造について一例を挙げて説明したが、全ての層を備えていなくてもよく、他の層を更に備えていてもよい。
また、上記実施の形態および実施例では、磁気テープ10を構成する各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などについて具体的に例を挙げて説明したが、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
更に、上記実施の形態および実施例では、磁性層12を真空斜法蒸着により形成する場合について一例を挙げて説明したが、スパッタリング法などの他の物理蒸着法により形成されたものであってもよいし、塗布により形成したものであってもよい。
ビデオテープレコーダあるいはデータストレージなどのデータを記録する分野において広く適用することができる。
10…磁気テープ、11…非磁性支持体、12…磁性層、13…保護層、14…潤滑層、15…バックコート層。
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004298927A JP2006114101A (ja) | 2004-10-13 | 2004-10-13 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004298927A JP2006114101A (ja) | 2004-10-13 | 2004-10-13 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006114101A true JP2006114101A (ja) | 2006-04-27 |
Family
ID=36382510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004298927A Pending JP2006114101A (ja) | 2004-10-13 | 2004-10-13 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006114101A (ja) |
-
2004
- 2004-10-13 JP JP2004298927A patent/JP2006114101A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6725074B2 (ja) | 磁気記録媒体およびカートリッジ | |
JP6531764B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
WO2019159465A1 (ja) | 磁気記録テープとその製造方法、磁気記録テープカートリッジ | |
JP6610822B1 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP6825573B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
CN104240728A (zh) | 磁记录介质 | |
JP3852476B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2003208710A (ja) | 磁気記録媒体 | |
US20230402063A1 (en) | Magnetic recording medium, magnetic recording cartridge, and recording/reproducing apparatus | |
US20230410845A1 (en) | Magnetic recording medium, magnetic recording cartridge, and recording/reproducing apparatus | |
JP6733798B1 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2006114101A (ja) | 磁気記録媒体 | |
WO2023013144A1 (ja) | 磁気記録媒体および磁気記録媒体カートリッジ | |
JP7247858B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2004192711A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2003085724A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP4325369B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2005243086A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2005018958A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2006134370A (ja) | 金属薄膜型磁気記録媒体 | |
JP2005174519A (ja) | 磁気記録媒体及びその製造方法 | |
JP2005149609A (ja) | 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法 | |
JP2001291228A (ja) | 磁気記録媒体及びクリーニングテープ、並びに磁気ディスク装置 | |
JPS61105729A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JP2003132521A (ja) | 磁気テープ |