JP2006113156A - Fsc駆動液晶表示装置及びfsc駆動液晶表示装置を用いた携帯用機器 - Google Patents

Fsc駆動液晶表示装置及びfsc駆動液晶表示装置を用いた携帯用機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 FSC駆動液晶表示装置では特に階調表示における白つぶれ黒つぶれが生じやすかった。
【解決手段】 FSC駆動液晶表示装置において、階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、前記液晶表示部に階調を表示させる際には、所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、FSC駆動液晶表示装置及びFSC駆動液晶表示装置を用いた携帯用機器の階調表示法に関する。
近来携帯電話機等の電池を電源とする携帯機器にもカラー表示が出来る液晶表示装置が用いられるようになっている。
このような機器で問題になるのは電池寿命と安価化で、カラーフィルターを用いるカラー液晶表示装置では、カラーフィルターでバックライト光の約2/3が吸収されてしまうため電池寿命を延ばすための低消費電力化が困難であるという問題が解決出来なかった。また液晶表示部に階調表示させるための階調電圧発生回路は素子数が多いため安価化の阻害要因となっておりかつ消費電力が大きいという問題があった。
そこでフィールドシーケンシャルカラー(以下FSCと略記する)方式のカラー液晶表示方式が考えられた。この技術は特許文献1で述べられているように、異なる波長の複数の光を所定の周期で順次発光する光源の発光タイミングに同期して液晶に駆動電圧を印加することでカラー表示を行うものであるが、カラーフィルターを用いなくて済むため電力消費が少ない点、画素をカラーフィルターの色毎に分割しなくて済むため高精細化が可能な点、が大きな利点となっており、携帯機器に適したカラー液晶表示装置の方式として認知されつつある。
またカラー表示においては液晶表示部での各色の階調の組み合わせによって多数の色を表現するため階調表示が重要な要素となっている。階調表示のためには例えば図8に示すような階調電圧発生回路とスイッチ回路が設けられていた。
図8は従来の階調電圧発生回路とスイッチ回路を示す図である。
図8は8階調表示する液晶表示部の階調電圧を作成する回路及びスイッチの例で、VDDとGNDの間に直列に接続された抵抗R1〜R8で8種の階調電圧を発生し、各抵抗R1〜R8の接続点の電圧を差動アンプOP1〜OP7で低インピーダンス化してバスライン67に供給し、スイッチ素子SW1〜SWMが階調電圧のバスライン67から所望の階調電圧を選択して液晶表示部に送っていた。
このように従来は階調数の階調電圧を作成し液晶表示部に送っていた。
なお以下の図において、同様の部材には同様の番号を付している。
図9はFSC駆動とカラーフィルターを備えたカラー液晶表示装置の駆動(以下NML駆動と略記する)との違いを示した図である。
図9において、tLが1つのフィールドの周期で、2つのフィールドで1フレームを構成している。一般に1つのフレームを構成する2つのフィールド間で液晶への印加電圧の極性を反転させて液晶に直流電圧が印加されないよう構成している。
図9は赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の光を順次発光するタイプのFSC駆動の例で、1つのフィールド周期tLは3つのサブフィールド、すなわち赤のサブフィールドtR,緑のサブフィールドtG,青のサブフィールドtB、に分割されている。さらに該サブフィールドは液晶表示装置に表示データを書き込む書込期間twrと、液晶表示部が応答するのを待つ応答待期間twaと、前記光源の当該色を発光させる点灯期間tliとに図示のように分割されている。
FSC駆動においては、赤サブフィールドtRの書込期間twr中にゲート選択信号が各ゲート線を選択してTFT液晶装置に赤の表示データを書込み、液晶が該データに応答
する時間である応答待期間twa待ってから点灯期間tliで赤のバックライトRを図示のタイミングで点灯させる。同様に緑サブフィールドtGの書込期間twr中にゲート選択信号が各ゲート線を選択してTFT液晶装置に緑の表示データを書込み、液晶が該データに応答する時間である応答待期間twa待ってから点灯期間tliで緑のバックライトGを図示のタイミングで点灯させ、青サブフィールドtBの書込期間twr中にゲート選択信号が各ゲート線を選択してTFT液晶装置に青の表示データを書込み、液晶が該データに応答する時間である応答待期間twa待ってから点灯期間tliで青のバックライトBを図示のタイミングで点灯させる。
カラーフィルターを備えたカラー液晶表示装置の駆動であるNML駆動では、図9のNML駆動で示したように、1フィールド期間tLにわたって各ゲート線を選択し、該期間中図示したように白色のバックライトを点灯させている。また1つの画素は赤、緑、青のカラーフィルターを設けた部分に3分割されているため、各画素の画素容量は1/3になっている。
一方FSC駆動される液晶表示装置の場合は、1画素は分割されず、1フィールドは通常3原色に対応して3つのサブフィールドに時間的に分割され、さらに1つのサブフィールド期間の中で約1/3の期間のみが表示データの書込に使われている。従って、ゲート線群は1つのサブフィールド期間で順次選択され1フィールドでは3回順次選択されるため、液晶の各行を選択する時間はおよそ1/9となっている。その結果液晶の画素容量を充電するための単位時間当たり電流量は、画素容量が3倍で選択時間が1/9であるから、NML駆動の場合の27倍必要ということになり、大きめの電圧を印加しても画素容量を充電しきれず液晶の応答が遅くなってしまうという問題があった。
図10はFSC駆動とカラーフィルターを備えたカラー液晶表示装置の駆動との液晶応答の違いを示した図である。
図10は赤のデータが1、緑のデータが0、青のデータが1の場合を示したものであるが、図示したようにNML駆動では選択されてから比較的速やかに液晶の応答が安定し、安定期間が長いのに対し、FSC駆動においては液晶の応答が安定するまでに時間が掛かり、次のサブフィールドで表示データが書き換えられる時点で安定状態に達していないということもあり得る。従ってFSC駆動においては1つ前のサブフィールドで書き込まれたデータの影響を受けやすいという特有の問題がある。このような状態は、NML駆動においては画像が変わらない限り同じデータが書き込まれるのに対し、FSC駆動においては静止画であってもサブフィールド毎に異なる表示データを書き込む必要があるという固有の問題も大きく影響している。
多階調を表示する液晶表示装置においては、液晶に多くの階調を表示させる際に、白レベル或いは黒レベルで光透過率特性が飽和してしまい、異なる階調電圧を与えても光透過率が同じになってしまうといういわゆる白つぶれ黒つぶれ問題がある。
このような問題を解決するため、0〜15階調の階調表示をする際に、0,2,5,8,11,13,14,15階調の階調電圧を作成し、該階調の表示時は該電圧を液晶に印加し、他の階調の表示時はフレームレートコントロール駆動(以下FRC駆動と略記する)を用いて表示させることにより階調電圧発生回路を簡素化するという提案がある(例えば特許文献2参照)。
しかしFSC駆動においては直前のフィールドもしくはフレームでの液晶の表示状態によって液晶の応答特性が変わってしまい一義的に液晶の印加電圧対光透過率特性が定義出来ないため、このような技術を用いても白つぶれもしくは黒つぶれが生じてしまい階調表示が出来なくなってしまうという固有の問題がある。
また、白つぶれ黒つぶれを防ぐため、階調電圧のうち最も低い電圧を液晶の光透過率が変化し始める電圧より大きくして白つぶれ黒つぶれを防ぎ、かつ該階調電圧の中で階調電
圧による階調表示とFRC駆動による階調表示の双方を用いて階調電圧発生回路を簡素化するという提案がある(例えば特許文献3参照)。
しかしFSC駆動においては直前のフィールドもしくはフレームでの液晶の表示状態によって液晶の応答特性が変わってしまうため、「液晶の光透過率が変化し始める電圧」の定義が困難であり、またFSC駆動のように直前のフィールドもしくはフレームでの液晶の表示状態によって液晶の応答特性が変わってしまう駆動法に対しては白つぶれ黒つぶれを防ぐ対策としては有効でなかった。また階調表示のための帯域が小さくなってしまうという問題もあった。
以上述べたように、FSC駆動においては1つ前のサブフィールドで書き込まれた表示データの影響が次のサブフィールドで書き込まれたデータの表示状態に大きな影響を与えるという固有の問題があるため、従来手法のように液晶の印加電圧対光透過率特性を一義的に定義した階調表示法では白つぶれ黒つぶれが防げないという問題が生じていた。
特開平5−19257号公報 特公平7−119908号公報 特開平8−95003号公報
解決しようとする課題は、FSC駆動液晶表示装置では特に階調表示における白つぶれ黒つぶれが生じやすかったことある。
そこで本発明の目的は白つぶれ黒つぶれのない、滑らかな階調表示を実現することである。
本発明のFSC駆動液晶表示装置は、複数のカラー光を順次繰り返し発光する光源と、該光源の発光光の透過を制御する液晶表示部とを有し、1つのフィールドを複数のサブフィールドに分け、該複数のサブフィールドの少なくとも一部の期間において前記複数のカラー光のうちの特定のカラー光を発光させるとともに、前記特定のカラー光に対応した画像を前記液晶表示部に表示してカラー表示を行う表示装置であって、前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は、1つ前のサブフィールドでの表示状態に応じて複数の特性を示し、前記複数の特性は印加電圧の所定の電圧値を超える範囲でほぼ同様の特性を示し、該電圧値を超えない範囲で異なる特性を示し、前記液晶表示部に階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、前記液晶表示部に階調を表示させる際には、前記所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させることを特徴とする。
また、本発明のFSC駆動液晶表示装置は、前記所定の電圧値を超えない1つの電圧は、前記所定の電圧値を超えない範囲で液晶の透過率が極大値を取る電圧であることを特徴とする。
また、本発明のFSC駆動液晶表示装置は、前記フィールドは少なくとも前記光源の発光色数のサブフィールドに分割され、さらに該サブフィールドは前記液晶表示装置に表示
データを書き込む書込期間と、液晶表示部が応答するのを待つ応答待期間と、前記光源の当該色を発光させる点灯期間とに分割されており、前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は前記点灯期間における特性であることを特徴とする。
また、本発明のFSC駆動液晶表示装置は、前記階調電圧発生回路の異なる電圧を各フィールド毎に印加することによって表示する階調は階調1から階調8のうちの階調2と階調3であることを特徴とする。
また、本発明のFSC駆動液晶表示装置は、複数のカラー光を順次繰り返し発光する光源と、該光源の発光光の透過を制御する液晶表示部とを有し、1つのフィールドを複数のサブフィールドに分け、該複数のサブフィールドの少なくとも一部の期間において前記複数のカラー光のうちの特定のカラー光を発光させるとともに、前記特定のカラー光に対応した画像を前記液晶表示部に表示してカラー表示を行う表示装置であって、
前記液晶表示部の各画素は印加電圧がゼロの状態で白表示となるよう構成され、前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は、1つ前のサブフィールドでの表示状態に応じて複数の特性を示し、前記複数の特性は印加電圧の所定の電圧値を超える範囲でほぼ同様の特性を示し、該電圧値を超えない範囲で異なる特性を示し、前記液晶表示部に階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、前記液晶表示部に階調を表示させる際には、前記所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち黒に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調でも前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち白に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させることを特徴とする。
また、本発明のFSC駆動液晶表示装置は、複数のカラー光を順次繰り返し発光する光源と、該光源の発光光の透過を制御する液晶表示部とを有し、1つのフィールドを複数のサブフィールドに分け、該複数のサブフィールドの少なくとも一部の期間において前記複数のカラー光のうちの特定のカラー光を発光させるとともに、前記特定のカラー光に対応した画像を前記液晶表示部に表示してカラー表示を行う表示装置であって、
前記液晶表示部の各画素は印加電圧がゼロの状態で黒表示となるよう構成され、前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は、1つ前のサブフィールドでの表示状態に応じて複数の特性を示し、前記複数の特性は印加電圧の所定の電圧値を超える範囲でほぼ同様の特性を示し、該電圧を超えない範囲で異なる特性を示し、前記液晶表示部に階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、前記液晶表示部に階調を表示させる際には、前記所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち白に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調でも前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち黒に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させることを特徴とする。
また、本発明の携帯用機器は、上記したFSC駆動液晶表示装置を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、白つぶれ黒つぶれのない階調表示が可能なFSC駆動液晶表示装置が得られ、また階調回路が簡素化されて安価化が可能になり、さらに消費電力も削減することが出来る。また本発明によるFSC駆動液晶表示装置を用いれば同様の効果がある携帯機器を実現出来る。
本発明のFSC駆動液晶表示装置は、複数のカラー光を順次繰り返し発光する光源と、該光源の発光光の透過を制御する液晶表示部とを有し、1つのフィールドを複数のサブフィールドに分け、該複数のサブフィールドの少なくとも一部の期間において前記複数のカラー光のうちの特定のカラー光を発光させるとともに、前記特定のカラー光に対応した画像を前記液晶表示部に表示してカラー表示を行う表示装置であって、前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は、1つ前のサブフィールドでの表示状態に応じて複数の特性を示し、前記複数の特性は印加電圧の所定の電圧値を超える範囲でほぼ同様の特性を示し、該電圧値を超えない範囲で異なる特性を示し、前記液晶表示部に階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、前記液晶表示部に階調を表示させる際には、前記所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させる。
図11は本発明で用いるFSC駆動液晶表示装置の斜視図の例で、ガラス或いはプラスチック材より成る上基板70と下基板72の間に液晶物質が狭持され液晶表示部74を構成している。液晶表示部74の下部には導光板76が設けられ、導光板76の側面には発光素子である赤色発光ダイオード(R LED)82,88,緑色発光ダイオード(G LED)80,86、青色発光ダイオード(B LED)78,84が設けられ、これら発光ダイオード群78〜88と導光板76とが光源90を構成している。光源90は赤、緑、青のカラー光を順次繰り返し発光し、液晶表示部74が光源90の発光光の透過を制御してFSC駆動液晶表示装置を構成している。
図1は本発明で用いるTFT液晶装置の電極構成図の例である。
図1において、上側透明基板70上には各画素43,53,63毎にトランジスタ42,52,62、キャパシタ44,54,64がそれぞれ設けられ、トランジスタ42,52,62とキャパシタ44,54,64のそれぞれの接続点が液晶画素46,56,66の電極に接続されている。キャパシタ44,54,64と液晶画素46,56,66の他方の電極は対向基板である下側透明基板72上に形成されGND電位が与えられている共通電極に接続されている。
トランジスタ42,52,62のゲート電極は各行毎に選択信号線群50のうちの1本に接続されて各行のトランジスタ42,52,62が順次走査すなわち選択され、選択されたトランジスタ42,52,62は導通状態になって、ソース電極に接続されたデータ電極群48のうちの1本の表示データをそれぞれキャパシタ44,54,64に取り込む。画素43,53,63はキャパシタ44,54,64に取り込まれた電圧に従って駆動される。一行分の複数の画素のそれぞれのトランジスタのゲート電極は、選択信号線群50のうちの同じ一本に接続されおり、該それぞれのトランジスタによってそれぞれの液晶画素及びキャパシタに表示情報が書き込まれ、キャパシタによって表示情報は保持されている。このように本発明で用いる液晶表示部は画素にデータが書き込まれると少なくとも一定の時間表示状態を保持することが出来る。
カラーフィルターを用いた液晶表示装置の通常の駆動では一番目のゲート線が選択されてから次に選択されるまでが1フィールド、FSC駆動では1フィールド間に光源色の数、ここでは3回ゲート線が選択される。
図示していないが、駆動用のICは上側透明基板70上にCOG実装しても良いし、フィルム上に実装した駆動用ICをデータ電極群48及び選択信号線群50に接続しても良い。
なお、図1に示した表示部を90度もしくは270度回転して使うことは設計上の問題である。その場合は行が縦方向の線となり、列が横方向の線となる。
図2は本発明によるFSC駆動液晶表示装置のフレームとフィールドの関係を示した図である。
図2(a)に示すように、1つのフレームすなわち奇数フレームもしくは偶数フレームは奇数フィールドと偶数フィールドの2つのフィールドから成り、1つのフレームの周期は1/30秒以下と設定している。
図2(b)に示すように、1つのフィールドは赤サブフィールドtR,緑サブフィールドtG,青サブフィールドtBに分割され、さらに各サブフィールドtR,tG,tBは、液晶表示装置に表示データを書き込む書込期間twrと、液晶表示部が応答するのを待つ応答待期間twaと、前記光源の当該色を発光させる点灯期間tliとに図示のように分割されている。
図3は本発明によるFSC駆動液晶表示装置の印加電圧対光透過率特性の例を示した図で、液晶表示部の各画素は印加電圧がゼロの状態で白表示となるよう構成されたいわゆるノーマリー白の例である。液晶表示部の各画素は印加電圧がゼロの状態で黒表示となるようノーマリー黒に構成された場合は、グラフが印加電圧ゼロで光透過率がゼロになるX軸対象のグラフとなる。以下においては液晶表示部がノーマリー白で構成されていることを前提に説明する。
図3において、FSC駆動液晶の特性は1つ前のサブフィールドの表示状態により図示のように変わってしまう。例えば、白表示から黒表示、黒表示から白表示とするときに、どちらか一方に飽和領域が存在するようになる。このとき、飽和領域をどちらも存在しないような領域のみで階調表示しようとすると帯域が小さくなってしまうという問題がある。
特性12は1つ前のサブフィールドの表示が白だった場合であり、この場合は印加電圧が小さい範囲では白状態を維持してしまう。一方1つ前のサブフィールドの表示が黒だった場合は特性14に示すように白状態を表示すべき電圧を印加しても十分に光透過率が大きく成らず、また小さな印加電圧でも光透過率が下がり始める。
点線で示した特性16,18は1つ前のサブフィールドの表示が中間調だった場合で、このような場合は特性12と特性14の間の特性を示し、このような特性は階調数分存在する。
ここで注目すべきは、印加電圧が所定の電圧Vaを越えると1つ前のサブフィールドの表示に関わらず特性がほぼ同等となることである。
なお図3及び後記する液晶の印加電圧対光透過率特性は点灯期間tliの時点での特性を示している。FSC駆動液晶表示装置の場合は表示データ書込後の応答が遅くなってしまう傾向があるためこのような定義が必要となる。
また、図3はノーマリー白液晶の特性を例示したもので、ノーマリー黒液晶の場合は印加電圧の上昇と共に光透過率が上昇する曲線となる。本発明はこのような液晶のタイプに限定されるものではなく、双方のタイプの液晶に有効である。
図4は本発明による階調の表示法を示した図である。
図4は8階調を表示する場合の階調の表示法を示した印加電圧対光透過率特性図であり、図の特性12,14はそれぞれ図3に示した、1つ前のサブフィールドの表示が白だった場合、1つ前のサブフィールドの表示が黒だった場合の特性である。
階調は白から順に階調1〜8としており、階調1、階調4,5,6,7,8に関しては階調を表示させる電圧V1,V4,V5,V6,V7,V8を連続的に印加することによって階調を表示させている。V4,V5,V6,V7,V8は「所定の電圧」Vaを超える電圧である。ここで「階調電圧を連続的に印加する」というのは複数フレームにわたって特定のサブフィールドの書込期間で同じ階調電圧を印加することを意味する。
また電圧V1(もしくは0V)の印加によって液晶は白レベルとなり、電圧V8の印加によって液晶は黒レベルとなる。階調2〜7が中間調である。
電圧V1(もしくは0V)を印加した時液晶の透過率は極大値を取っている。なおノーマリー黒の液晶を用いた時は電圧V1(もしくは0V)の印加で液晶の透過率は極小値を取る。
階調2に関しては所定の電圧Vaを超えない電圧V1と所定の電圧Vaを超える電圧V4とを交互に印加することによって、1つ前のサブフィールドの表示が白だった場合は黒点で示した27と28の中間である白点20の光透過率、1つ前のサブフィールドの表示が黒だった場合は黒点で示した29と28の中間である白点24の光透過率とすることが出来る。
また階調3に関しては所定の電圧Vaを超えない電圧V1と所定の電圧Vaを超える電圧V5とを交互に印加することによって、1つ前のサブフィールドの表示が白だった場合は黒点で示した27と30の中間である白点22の光透過率、1つ前のサブフィールドの表示が黒だった場合は黒点で示した29と30の中間である白点26の光透過率とすることが出来る。なお1つ前のサブフィールドの表示が中間調だった場合は、階調2では白点20から24の間の光透過率、階調3では白点22から26の間の光透過率となる。
このように、本発明の実施例においては印加電圧が小さい方から順に階調1から8、そのうちの中間調は階調2から7とし、階調2,3という連続した複数の階調をFRC駆動法で表示している。液晶の特性、階調数によってはさらに多くの連続した中間調をFRC駆動法で表示しても良い。
このようにして階調を表示することによって、1つ前のサブフィールドの表示によって光の透過率は変動するものの、白つぶれ黒つぶれは防ぐことが出来、階調の違いによる色の違いを表示することが出来る。
また、階調表示の帯域を維持しながら、所定の数の階調表示を行うことが出来る。
なお、図4におけるV1は駆動回路構成上必要な場合があるので0Vとは異なる電圧としたが、制約のない場合は0Vとしても問題はない。
なお、図4から明らかなように、印加電圧に対して飽和特性を示してしまい白つぶれ黒つぶれを生じるのは1つ前のサブフィールドでの表示状態が白もしくは白に近い階調であった場合である。従って、例えばV2,V3の階調電圧を用意し、1つ前のサブフィールドでの表示状態が黒もしくは黒に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値Vaを超えない範囲の中間調でも前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が白もしくは白に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値Vaを超えない範囲の中間調では前記階調電圧発生回路の異なる電圧を交互に印加することによって階調を表示させるという方式も効果がある。
図5は本発明による階調表示法を示した表である。
図5に示すように、奇数フレームと偶数フレームの奇数フィールドにおいては正の電圧を、偶数フィールドにおいては負の電圧を印加することによって液晶への印加電圧の交流化を行っている。階調1、階調4,5,6,7,8に関してはそれぞれ電圧V1,V4,V5,V6,V7,V8を偶数フレーム奇数フレームにわたって連続的に印加している。
階調2に関しては奇数フレームでは電圧V1を、偶数フレームでは電圧V4を印加することにより図4で示した白点20から24の間の光透過率とし、階調3に関しては奇数フレームでは電圧V1を、偶数フレームでは電圧V5を印加することにより図4で示した白点22から26の間の光透過率として階調を表示している。
このように本発明においては1つ前のサブフィールドの表示状態によって印加電圧対光透過率特性は変化するものの、白つぶれ黒つぶれになる危険性のある領域の階調を異なる電圧を交互に印加することによって表示させたため連続的な階調を表示させることが出来た。
図6は本発明によって得られる各階調の光透過率を示した図で、図6(a)は1つ前のサブフィールドの表示が白だった場合、図6(b)は1つ前のサブフィールドの表示が黒だった場合を示している。
図6(a),(b)は図4に示した特性を1つ前のサブフィールドの表示が白だった場合と黒だった場合についてそれぞれ抜き出したものであるが、図6(a),(b)に示すように各階調1〜8で、特に階調2と3で白つぶれ黒つぶれの問題が生じないよう階調間で光透過率を変えることが出来ている。
図7は本発明で用いる階調電圧発生回路とスイッチ回路を示す図である。
本発明では階調2は電圧V1とV4を交互に印加することにより、階調3は電圧V1とV5を交互に印加することにより得られるため、階調表示のための電圧V2とV3を作成する必要はない。
そのためVDDとGNDの間に直列に接続される抵抗はR1,R10,R5〜8となっており、抵抗R10が図8に示した従来図のR2,3,4を加えた値となっており、抵抗分割によって階調電圧V1,V4,5,6,7,8を作っている。差動アンプOP1,OP4,OP5,OP6,OP7は前記階調電圧のうち高インピーダンスの電圧を低インピーダンス化するため設けられている。抵抗R1,R10,R5〜8、作動アンプOP1,OP4〜OP7で階調電圧発生回路69を形成している。低インピーダンスの階調電圧V1,V4〜V8は階調電圧のバスライン68に供給され、スイッチ素子SW11〜SW1Mが階調電圧のバスライン68から所望の階調電圧を選択して液晶表示部74のデータ電極群48に送っている。
図8と比較すると明らかなように本発明で用いる階調電圧発生回路69では消費電力が大きい差動アンプOP2及びOP3を省略することが出来ており、低消費電力化の効果がある。
また階調電圧のバスライン68は6本と、従来技術の図8のバスライン67の8本に比べ少なくなっており、それに従ってスイッチ素子SW11〜SW1Mも素子数が削減出来る。このように抵抗、差動アンプ、スイッチ素子の素子数削減とバスライン68の引き回し面積の削減が液晶駆動用ICのチップ面積の縮小を可能とし、液晶表示装置全体の安価化の効果をもたらしている。
なお図7では簡単のため階調電圧の極性反転手段は省略しているが、例えば負極性にする時は電圧VDDを負極性にすることで容易に実現出来る。
以上述べたように、本発明によれば、白つぶれ黒つぶれのない階調表示が可能なFSC駆動液晶表示装置が得られ、また階調回路が簡素化されて安価化が可能になり、さらに消費電力も削減することが出来る。また本発明によるFSC駆動液晶表示装置を用いれば同様の効果がある携帯機器を実現出来る。
本発明で用いるTFT液晶装置の電極構成図の例である。 本発明によるFSC駆動液晶表示装置のフレームとフィールドの関係を示した図である。 本発明によるFSC駆動液晶表示装置の印加電圧対光透過率特性の例を示した図である。 本発明による階調の表示法を示した図である。 本発明による階調表示法を示した表である。 本発明によって得られる各階調の光透過率を示した図である。 本発明で用いる階調電圧発生回路とスイッチ回路を示す図である。 従来の階調電圧発生回路とスイッチ回路を示す図である。 FSC駆動とカラーフィルターを備えたカラー液晶表示装置の駆動との違いを示した図である。 FSC駆動とカラーフィルターを備えたカラー液晶表示装置の駆動との液晶応答の違いを示した図である。 本発明で用いるFSC駆動液晶表示装置の斜視図の例である。
符号の説明
90 光源
74 液晶表示部
69 階調電圧発生回路
tL フィールド
tR,tG,tB サブフィールド
twr 書込期間
twa 応答待期間
tli 点灯期間

Claims (7)

  1. 複数のカラー光を順次繰り返し発光する光源と、該光源の発光光の透過を制御する液晶表示部とを有し、1つのフィールドを複数のサブフィールドに分け、該複数のサブフィールドの少なくとも一部の期間において前記複数のカラー光のうちの特定のカラー光を発光させるとともに、前記特定のカラー光に対応した画像を前記液晶表示部に表示してカラー表示を行う表示装置であって、
    前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は、1つ前のサブフィールドでの表示状態に応じて複数の特性を示し、
    前記複数の特性は印加電圧の所定の電圧値を超える範囲でほぼ同様の特性を示し、該電圧値を超えない範囲で異なる特性を示し、
    前記液晶表示部に階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、
    前記液晶表示部に階調を表示させる際には、
    前記所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、
    前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させることを特徴とするFSC駆動液晶表示装置。
  2. 前記所定の電圧値を超えない1つの電圧は、前記所定の電圧値を超えない範囲で液晶の透過率が極大値を取る電圧であることを特徴とする請求項1記載のFSC駆動液晶表示装置。
  3. 前記フィールドは少なくとも前記光源の発光色数のサブフィールドに分割され、さらに該サブフィールドは前記液晶表示装置に表示データを書き込む書込期間と、液晶表示部が応答するのを待つ応答待期間と、前記光源の当該色を発光させる点灯期間とに分割されており、
    前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は前記点灯期間における特性であることを特徴とする請求項1記載のFSC駆動液晶表示装置。
  4. 前記階調電圧発生回路の異なる電圧を各フィールド毎に印加することによって表示する階調は階調1から階調8のうちの階調2と階調3であることを特徴とする請求項1記載のFSC駆動液晶表示装置。
  5. 複数のカラー光を順次繰り返し発光する光源と、該光源の発光光の透過を制御する液晶表示部とを有し、1つのフィールドを複数のサブフィールドに分け、該複数のサブフィールドの少なくとも一部の期間において前記複数のカラー光のうちの特定のカラー光を発光させるとともに、前記特定のカラー光に対応した画像を前記液晶表示部に表示してカラー表示を行う表示装置であって、
    前記液晶表示部の各画素は印加電圧がゼロの状態で白表示となるよう構成され、
    前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は、1つ前のサブフィールドでの表示状態に応じて複数の特性を示し、
    前記複数の特性は印加電圧の所定の電圧値を超える範囲でほぼ同様の特性を示し、該電圧値を超えない範囲で異なる特性を示し、
    前記液晶表示部に階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、
    前記液晶表示部に階調を表示させる際には、
    前記所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加す
    ることによって階調を表示させ、
    前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち黒に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調でも前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、
    前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち白に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させることを特徴とするFSC駆動液晶表示装置。
  6. 複数のカラー光を順次繰り返し発光する光源と、該光源の発光光の透過を制御する液晶表示部とを有し、1つのフィールドを複数のサブフィールドに分け、該複数のサブフィールドの少なくとも一部の期間において前記複数のカラー光のうちの特定のカラー光を発光させるとともに、前記特定のカラー光に対応した画像を前記液晶表示部に表示してカラー表示を行う表示装置であって、
    前記液晶表示部の各画素は印加電圧がゼロの状態で黒表示となるよう構成され、
    前記液晶表示部の各画素の印加電圧対光透過率特性は、1つ前のサブフィールドでの表示状態に応じて複数の特性を示し、
    前記複数の特性は印加電圧の所定の電圧値を超える範囲でほぼ同様の特性を示し、該電圧値を超えない範囲で異なる特性を示し、
    前記液晶表示部に階調を表示させるための電圧を複数発生させる階調電圧発生回路を設け、
    前記液晶表示部に階調を表示させる際には、
    前記所定の電圧値を超える範囲では前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、
    前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち白に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調でも前記階調電圧発生回路の出力電圧を連続的に印加することによって階調を表示させ、
    前記1つ前のサブフィールドでの表示状態が全階調のうち黒に近い階調であった場合は、前記所定の電圧値を超えない範囲の中間調では、前記階調電圧発生回路の出力電圧のうち、前記所定の電圧値を超える1つの電圧と前記所定の電圧値を超えない1つの電圧を前記各サブフィールドに対し前記フィールド毎に印加することによって階調を表示させることを特徴とするFSC駆動液晶表示装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1に記載のFSC駆動液晶表示装置を用いた携帯用機器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008249815A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示素子、それを用いた投射型表示装置およびそれぞれの駆動方法
JP2010107579A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Seiko Epson Corp 駆動方法および電気光学装置
US8427515B2 (en) 2006-12-04 2013-04-23 Samusng Display Co., Ltd. Display device and method of driving the same

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