JP2006112437A - 軸流タービン - Google Patents

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裕之 川岸
Sakae Kawasaki
榮 川崎
Naoki Shibukawa
直紀 渋川
Mitsuko Toi
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Abstract

【課題】動翼の翼列間に発生する二次流れに伴って発生する二次流れ渦を抑制し、翼効率の向上を図った軸流タービンを提供する。
【解決手段】本発明に係る軸流タービンは、ノズル34と動翼23を組み合せた段落36をタービン軸24の軸方向に沿って複数段配置した軸流タービンにおいて、上記動翼23の翼素断面中心線Iは、タービン軸24の中心を通る回転中心基準線Rに対し、そのルート部26bの翼素断面中心点から傾斜させた直線と、そのチップ部26aの翼素断面中心点から傾斜させた直線と、中間部を上記タービン軸24の上流側に向う凸状の湾曲線とを組み合せて構成したものである。
【選択図】 図7

Description

本発明は、軸流タービンに係り、特に翼列内で成長する二次流渦を抑制し、翼効率の向上を図った軸流タービンに関する。
一般に、軸流タービン、例えば蒸気タービン、ガスタービンは、図14に示すように、作動流体(以下主流Fと記す)の流れに沿って多数の段落1を備えており、一つの段落1にノズル(静翼)2と動翼3を組み合せた構成になっている。
ノズル2は、ダイヤフラム外輪4とダイヤフラム内輪5とで支持され、タービン軸6に対し、周方向に環状列に配置されており、また動翼3は環状列に配置されたノズル2に対応させてタービン軸6の植込部7に植設されている。
また、動翼3は、そのチップ(翼頂部)にシュラウド8とシールフィン9とをそれぞれ備え、運転中に発生する振動をシュラウド8で抑制するとともに、主流Fの通り抜けをシールフィン9で防止するようになっている。
このような構成を備える軸流タービンにおいて、ノズル2に流入した主流Fは、膨張により速度エネルギを高め、その速度エネルギを動翼3に与えて回転させ、その回転力を利用してタービン軸6から回転トルクを発生させるようになっている。
主流の持つ限られたエネルギからより多くの回転トルクを発生させるには、翼列間を通過する主流Fを、如何に効果的に流すかが重要である。ところが、翼列間は、限られた湾曲状の流路になっており、ここを流れる主流Fの挙動も複雑になっている。このため、従来の軸流タービンでは、主流Fの流れに損失が出ており、この損失のために翼効率を向上させることができない要因の一つになっていた。
翼効率の向上を阻害させる一つに、主流Fの二次流れの発生に伴う二次流れ渦がある。
二次流れとは、主流Fが翼列間で形成する流路を通過する際、翼高の中間部分で翼形状に沿って効果的に流れるものの、チップ部(翼頂部)やルート部(翼根元部)で、その中間部分を流れる主流Fに交差する方向に流れることをいう。この主流Fの交差流れは、一方の翼の腹側の圧力が他方の隣りの翼の背側の圧力よりも高くなっていることに起因している。
主流Fが二次流れを発生させると、渦を伴うが、この渦は、図15に示すように発生し、やがて成長する。すなわち、入口境界層10a,10bを伴った主流Fa,Fbは、翼11a,11b,11cで形成する流路12a,12bに流入するとき、前縁13a,13bに衝突して渦14a,14bを発生する。
渦14a,14bは、腹側馬蹄型渦15a,15bと背側馬蹄型渦16a,16b,16cとのそれぞれに分かれる。背側馬蹄型渦16a,16b,16cのそれぞれは、負圧になっている翼11a,11b,11cの背側17a,17b,17cに沿って流れる間に流路12a,12bの境界層を巻き込んで次第に成長しながら後縁18a,18b,18cに流れる。
一方、腹側馬蹄型渦15a,15bは、正圧になっている翼11a,11b,11cの腹側19a,19b,19cと負圧になっている隣りの翼11b,11cの背側17b,17cとの圧力差により二次流れ20a,20bとともに、隣りの翼11b,11cの背側17b,17cに向って流れるとき、流路12a,12bの境界層を巻き込んで大きく成長し、流路渦21a,21bとなってやがて背側馬蹄型渦16a,16b,16cに合流する。
このように、主流Fa,Fbの翼11a,11bの前縁13a,13bでの衝突により発生する渦14a,14bは、腹側馬蹄型渦15a,15bと背側馬蹄型渦16a,16b,16cとのそれぞれに分かれ、腹側馬蹄型渦15a,15bが大きく成長して流路渦21a,21bとなり、また背側馬蹄型渦16a,16b,16cが背側17a,17b,17cに沿って流れる間に大きく成長することを総称して二次流れ渦と称している。
この二次流れ渦は、流路12a,12bの壁面22近くを通過する主流Fa,Fbの流線を乱し、翼11a,11b,11cの翼効率を低下させる大きな原因になっている。このため、二次流れ渦を如何にして抑制するかは、翼効率を従来よりも飛躍的に向上させる課題になっていた。
この二次流れの渦の抑制を、ノズルに適用した技術として、例えば文献「TheEffect of Nozzle Lean on Turbrine Efficiency」(ASME paper PWR. Vol.13)や特許第2038293号で公表されており、実機適用での好結果を得ている。
しかし、動翼2については、上述ノズル2と同様に、主流Fの二次流れに伴う二次流れ渦が発生しているにも拘らず、その開発の進展があまり見受けられていない。動翼3は、ノズル2から与えられた速度エネルギにより回転し、その回転力をタービン軸6に伝えるだけなので、その強度および振動対策に開発の力点が置かれ、翼効率の向上に力点を置いていないと考えられる。
しかし、発電プラントの熱効率の向上を目指して研究が進められている今日、動翼3の翼効率向上も軸流タービンの全体の段落効率を飛躍的に向上させる上で大切なことである。
本発明は、このような背景技術の下になされたもので、動翼の翼列間に発生する二次流れに伴って発生する二次流れ渦を抑制し、翼効率の向上を図った軸流タービンを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、動翼の翼効率の向上とともに、ノズルの翼効率もより一層向上させた軸流タービンを提供することにある。
本発明に係る軸流タービンは、上記目的を達成するために、請求項1に記載したように、ノズルと動翼を組み合せた段落をタービン軸の軸方向に沿って複数段配置した軸流タービンにおいて、上記動翼の翼素断面中心線は、タービン軸の中心を通る回転中心基準線に対し、そのルート部の翼素断面中心点から傾斜させた直線と、そのチップ部の翼素断面中心点から傾斜させた直線と、中間部を上記タービン軸の上流側に向う凸状の湾曲線とを組み合せて構成したものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上記目的を達成するために、請求項2に記載したように、翼素断面中心線は、ルート部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をβrとし、そのチップ部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をβtとするとき、各傾斜角度βr,βtを、0°<βr,βt≦20°の範囲に設定したものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上記目的を達成するために、請求項3に記載したように、請求項1または2記載の軸流タービンにおいて、上記翼素断面中心線の直線部は、上記タービンの子午面上および軸横断面上のそれぞれで上記回転中心基準線に対して傾斜しており、上記翼素断面中心線の上記湾曲線は上記軸横断面上で上記動翼の腹側に向かう凸形状を有するものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上記目的を達成するために、請求項4に記載したように、翼素断面中心線は、タービン軸の横断方向から観察したとき、ルート部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をδrとし、そのチップ部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をδtとするとき、各傾斜角度δr,δtを、0°<δr,δt≦20°の範囲に設定したものである。
また、本発明に係る軸流タービンは、上記目的を達成するために、請求項5に記載したように、請求項1ないし5のいずれかに記載の軸流タービンにおいて、上記ノズルを上記動翼の翼素断面中心線と同一形状に形成させて上記動翼の上流側に配置したものである。
以上の説明のとおり、本発明に係る軸流タービンは、動翼の翼素断面中心線を、そのチップ部およびルート部で回転中心基準線に対し傾斜させた直線に、その中間部で主流の上流側に向って凸状の湾曲線にそれぞれ構成し、これら直線および湾曲線を連続的に接続し、動翼のチップ部およびルート部のそれぞれに向う押圧力を発生させたので、より一層二次流れおよび二次流れ渦の発生を抑制することができる。その際、タービン軸の横断方向から観察した場合、動翼の翼素断面中心線を、上述と同様に、そのチップ部およびルート部で回転中心基準線に対し傾斜させた直線に、その中間部で腹側に向って凸状の湾曲線にそれぞれ構成し、これら直線および湾曲線を連続的に接続し、腹側方向からチップ部およびルート部のそれぞれに向う押圧力を発生させたので、二次流れおよび二次流れ渦を確実に抑制することができる。
また、本発明に係る軸流タービンは、ノズルの形状を、動翼の翼素断面中心線に合せるように形成し、ノズルとの動翼との間隙を適正値に設定したので、混合損失と非定常流れ損失との合流損失を低くすることができ、翼効率の高い軸流タービンを実現することができる。
以下、本発明に係る軸流タービンの一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る軸流タービンの第1実施形態を示す概略図である。なお、図1は、軸流タービンのうち、段落の一部を構成する動翼を示している。
本実施形態に係る動翼23は、タービン軸24の植込部25に植設され、そのタービン軸24の周方向に沿って環状列に配置されている。
動翼23は、チップ部26aの翼素断面中心点Aとルート部26bの翼素断面中心点Bとを結ぶ翼素断面中心線(慣性主軸)Iを、タービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対し、角度αで傾斜させるようになっている。つまり、主流Fの流れに対し、翼素断面中心線Iは、タービン軸24の後流側に向って傾くように形成されている。
また、動翼23の翼素断面中心線Iは、タービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対し、その傾斜角度αを、0<α≦15°の範囲に設定される。
本実施形態に係る動翼23は、翼素断面中心線Iの傾斜角度αを、タービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対し、0<α≦15°の範囲に設定すると、図2に示すように、チップ部26aの入口流路翼列線Tiがルート部26bの入口流路翼列線Riよりもタービン軸24の後流側に向って傾斜するため、図1に示すベクトルVのように、主流Fの流れに対してチップ部26aへ押し付ける押圧力が発生する。
したがって、本実施形態では、チップ部26aに対し、主流FがベクトルVの押圧力を発生させるので、図15で示した背側馬蹄型渦16a,16bおよび流路渦21a,21bを抑制することができる。
さらに、図3を参照して腹側と背側との圧力差低減効果を説明する。
図3は、図15で示した腹側19aから背側17bに向って発生する圧力勾配(二次流れ20a)を従来と比較して示すグラフである。図15に示す従来の圧力勾配と比較すると、腹側の静圧分布は、ほぼ同一値になっているが、背側の静圧分布は、従来に比較して本実施形態の方が高くなり、腹側と背側の圧力差は本実施形態の方が著しく少なくなって低減されている。この圧力差低減効果は、動翼23の翼素断面中心線Iを、従来に較べて主流Fの流れの後流側に傾斜させたために、主流Fの流れに対してチップ部26aにベクトルVの押圧力が発生し、この押圧力によりチップ部26aの主流の負荷分担が従来に較べて低減していることに起因するものと考えられる。
このように、腹側と背側との圧力差が小さくなる場合、図16で示すように、圧力差が大きいために二次流れ28が強くなり、前縁27で発生した背側馬蹄型渦や流路渦の合流渦29が他方の隣りの動翼23の背側30で大きく成長する従来に対し、本実施形態では、図4に示すように、圧力差が小さいために二次流れ28も弱くなり、合流渦29も相対的に小さくなる。このため、主流Fはその流線の乱れを少なくするので、翼効率を従来よりも向上させることができる。
次に、動翼23の翼素断面中心線Iの傾斜角度αを、0°<α≦15°の範囲に変化させた場合の翼効率ηiの比(ηi/η)を示している。
図5から、傾斜角度αが0°〜15°の範囲で翼効率比1.0を超え、従来よりも優れた翼効率であることが認められる。
さらに、図6を参照して動翼23の圧力損失を説明する。図6は、動翼出口における翼高の方向に沿った圧力損失分布を、従来と比較して示すグラフである。従来の動翼の圧力損失と比較すると、本実施形態による圧力損失分布Aでは、動翼の中間部分およびルート部26bでほぼ近似しているが、そのチップ部26aでその変動が著しく小さくなっている。通常、動翼の圧力損失は、二次流れの影響を受けるため、そのルート部26bおよびチップ部26aで大きくなるものであるが、本実施形態では、動翼23の翼素断面中心線Iを、主流Fの流れの後流側に向って傾斜させ主流Fに対し動翼23から傾斜状の押圧力Vを発生させているので、図6で示すように、チップ部26aの圧力損失を低くさせていることがわかる。
図7は、本発明に係る軸流タービンの第2実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部品と同一部分には、同一符号を付している。
本実施形態に係る動翼23は、翼素断面中心線Iを、子午面で観察した場合、チップ部26aの翼素断面中心点Aおよびルート部26bの翼素断面中心点Bのそれぞれにおいて、タービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対し、傾斜角度βt,βrの直線I,Iにし、その中間部を前縁27に向って凸状の湾曲線Iにし、その湾曲線Iを直線I,Iのそれぞれに連続的に接続する構成にしたものである。
また、翼素断面中心線Iのうち、直線I,Iのそれぞれは、回転中心基準線Rに対する傾斜角度βt,βrを、0°<βt,βr≦20°の範囲に設定される。
本実施形態に係る動翼23は、翼素断面中心線Iのうち、直線I,Iのそれぞれのタービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対する傾斜角度βt,βrを、0°<βt,βr≦20°の範囲に設定すると、第1実施形態と同様に、主流Fの流れに対してチップ部26aおよびルート部26bのそれぞれにベクトルV,Vの押圧力が発生する。
したがって、本実施形態では、チップ部26aおよびルート部26bのそれぞれにベクトルV,Vの押圧力が発生するから、二次流れを抑制して一方の動翼の腹側と他方の隣りの動翼の背側との圧力勾配を小さくすることができ、これに伴って二次流れ渦の発生も、従来に較べ比較的低く抑制することができる。
次に、動翼23の翼素断面中心線Iのうち、直線I,Iの傾斜角度βt,βrのそれぞれを、0°<βt,βr≦20°の範囲に変化させた場合の翼効率ηiに与える影響度合を説明する。図8は、動翼23の翼素断面中心線Iのうち、直線I,Iにした場合の傾斜角度βt,βrと翼効率ηiとの関係を示すグラフであり、縦軸に、従来の翼効率ηに対する本実施形態における翼効率ηiの比(ηi/η)を示している。
図8から、傾斜角度βt,βrが0°〜20°の範囲で翼効率比1.0を超え、従来よりも優れた翼効率であることが認められる。
また、動翼23の圧力損失を、従来と比較すると、図6に示すように、本実施形態による圧力損失分布Bでは、チップ部26aおよびルート部26bでもその変動が低くなっている。これは、チップ部26aおよびルート部26bのそれぞれに向うベクトルV,Vの押圧力の影響を受けたためと考えられる。
図9は、本発明に係る軸流タービンの第3実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。また、図面中、左図と右図とは構成部品の位置関係を対応させたもので、左図は第2実施形態と同様に子午面から観察した動翼23であり、右図は、タービン軸24の横断方向から観察した動翼23を示している。
本実施形態に係る動翼23は、右図に示すように、翼素断面中心線Iを、チップ部26aの翼素断面中心点Aおよびルート部26bの翼素断面中心点Bのそれぞれにおいて、タービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対し、傾斜角度δt,δrの直線I,Iにし、その中間部を腹側31に向って凸状の湾曲線Iにし、その湾曲線Iを直線I,Iのそれぞれに連続的に接続する構成にしたものである。
また、翼素断面中心線Iのうち、直線I,Iのそれぞれは、回転中心基準線Rに対する傾斜角度δt,δrを、0°<δt,δr≦20°の範囲に設定される。
本実施形態に係る動翼23は、左図で示した子午面から観察した翼素断面中心線Iのうち、直線I,Iを前縁27に向わせたものと、右図で示したタービン軸24の横断方向から観察した直線I,Iを腹側31に向わせたものとを組み合せることにより、チップ部26aおよびルート部26bに向ってベクトルV,Vの押圧力が発生し、また、腹側31方向からチップ部26aおよびルート部26bに向ってベクトルV,Vの押圧力が発生し、これら押圧力が相乗されて二次流れおよび二次流渦を従来よりも大幅に抑制することができる。
また、本実施形態ではタービン軸24の横断方向から観察した翼素断面中心線Iののうち、直線I,Iのタービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対する傾斜角度δt,δrを、0°<δt,δr≦20°の範囲に設定すると、図10に示すように、従来の翼効率ηに対する翼効率ηiの翼効率比(ηi/η)を向上させることができる。
また、動翼23の圧力損失を、従来と比較すると、図6に示すように、本実施形態による圧力損失分布Cでは、チップ部26aおよびルート部26bでもその変動が著しく低くなっている。これは、チップ部26aおよびルート部26bに向うベクトルV,Vの押圧力と、腹側31方向からチップ部26aおよびルート部26bに向うベクトルV,Vの押圧力との相乗効果の影響を受けたためと考えられる。
図11は、本発明に係る軸流タービンの第4実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部品と同一部分には同一符号を付す。
本実施形態は、動翼23の翼素断面中心線Iを、タービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線に対して傾斜角αだけタービン軸24の後流側に傾斜させたことに伴い、ダイヤフラム外輪32およびダイヤフラム内輪33で支持されるノズル34の後縁35を、そのチップ部26aからルート部26bに向って直線状にタービン軸24の後流側に傾斜させたものである。
一般に、ノズル34と動翼23を組み合せた軸流タービンの段落36では、ノズル34の後縁35の厚さによる不均一な速度分布を備えた後流(ウェーク)が発生する。このため、ノズル34の後流側に配置する動翼23には、後流の発生に伴う付加的な損失が発生する。この損失は、混合損失と非定常流れ損失に分類される。
この混合損失は、図12に示すように、主流Fと後縁35の厚みによる速度欠損との混合に起因し、図11に示すように、ノズル34と動翼23との間が大きくなるに従って両者の混合が進行するため、その損失を増加させる。
また、非定常流れ損失は、主流Fの動翼23への流入角および流入速度がノズル34の後縁35からの後流により周期的に変動するために生じており、ノズル34と動翼23との間が大きくなるに従ってその変動の大きさが緩和されるため、その損失を減少させる。
したがって、ノズル34と動翼23との間隙は、図12に示すように、混合損失と非定常流れ損失との和である合計損失が最小となる適正値が存在する。
軸流タービンの段落36を設計する場合、従来、ノズル34の後縁35と動翼23との間隙は、動翼23の翼素断面中心線Iが翼高方向に向って各翼素の中央を通るようになっているため、この翼素断面中心線Iに合せるように適正値を設定していた。
しかし、従来の間隙適正値をそのまま採用すると、本実施形態では、ノズル34の後縁35と動翼23との間隙、特にチップ部の間隙が大きくなり過ぎる。このため、本実施形態では、図11に示すように、動翼23の翼素断面中心線Iに合せるように、ノズル34の前縁37および後縁35をタービン軸24の後流側に向って傾斜されたものである。
したがって、本実施形態では、動翼23の翼素断面中心線Iに合せるように、ノズル34の前縁37および後縁35を、そのチップ部26aからルート部26bにかけてタービン軸24の後流側に向って傾斜させたので、ノズル34の後縁35と動翼23との間隙値を図12に示す適正値に保つことができ、従来の合計損失を低く抑えることができる。
図13は、本発明に係る軸流タービンの第5実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部品と同一部分には同一符号を付す。
本実施形態は、動翼23の翼素断面中心線Iを、子午面で観察した場合、チップ部26aの翼素断面中心点Aおよびルート部26bの翼素断面中心点Bのそれぞれにおいて、タービン軸24の中心Oを通る回転中心基準線Rに対し、傾斜角度βt,βrの直線I,Iのそれぞれに連続的に接続する構成にしたことに伴い、ノズル34の前縁37および後縁35の形状も、直線I,I、湾曲線Iを組み合せた動翼23の翼素断面中心線Iの形状に合せたものである。
本実施形態は、ノズル34の前縁37および後縁35の形状を、動翼23の翼素断面中心線Iの形状に合せたので、ノズル34の後縁35と動翼23との間隙を図12に示す適正値に設定することができる。
したがって、本実施形態では、ノズル34の後縁35と動翼23との間隙を適正値に設定したので、図12に示す合計損失を低く抑えることができる。
本発明に係る軸流タービンの第1実施形態を示す概略図。 第1実施形態に係る動翼をチップ部から観察した平面展開概略図。 第1実施形態に係る動翼の腹側・背側に発生する圧力分布と従来とを比較したグラフ。 第1実施形態に係る動翼の二次流れの挙動を説明する図。 第1実施形態に係る動翼の翼素断面中心線を、タービン軸の中心を通る回転中心基準線に対し傾斜させた場合の傾斜角度と翼効率比との関係を示すグラフ。 第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態における動翼の圧力損失分布を従来と比較して示すグラフ。 本発明に係る軸流タービンの第2実施形態を示す概略図。 第2実施形態に係る動翼の翼素断面中心線を、ルート部およびチップ部でタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対し、傾斜させて直線にし、その中間部を主流の上流側に向って凸状の湾曲線に構成し、これら直線および湾曲線を組み合せたときの、その直線の傾斜角度と翼効率比との関係を示すグラフ。 本発明に係る軸流タービンの第3実施形態を示す概略図。 第2実施形態に係る動翼をタービン軸の横断方向から観察したとき、その翼素断面中心線を、ルート部およびチップ部でタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対し、傾斜させて直線にし、その中間部を腹側に向って凸状の湾曲線に構成し、これら直線および湾曲線を組み合せたときの、その直線の傾斜角度と翼効率比との関係を示すグラフ。 本発明に係る軸流タービンの第4実施形態を示す概略図。 ノズルと動翼との間隙に伴って発生する損失を説明する図。 本発明に係る軸流タービンの第5実施形態を示す概略図。 従来の軸流タービンの実施形態を示す概略図。 二次流れおよび二次流れ渦の発生・挙動を説明する図。 従来の動翼の二次流れの挙動を説明する図。
符号の説明
1 段落
2 ノズル(静翼)
3 動翼
4 ダイヤフラム外輪
5 ダイヤフラム内輪
6 タービン軸
7 植込部
8 シュラウド
9 シールフィン
10a,10b 入口境界層
11a,11b,11c 翼
12a,12b 流路
13a,13b 前縁
14a,14b 渦
15a,15b 腹側馬蹄型渦
16a,16b,16c 背側馬蹄型渦
17a,17b,17c 背側
18a,18b,18c 後縁
19a,19b,19c 腹側
20a,20b 二次流れ
21a,21b 流路渦
22 壁面
23 動翼
24 タービン軸
25 植込部
26a チップ部
26b ルート部
27 前縁
28 二次流れ
29 合流渦
30 背側
31 腹側
32 ダイヤフラム外輪
33 ダイヤフラム内輪
34 ノズル
35 後縁
36 段落
37 前縁

Claims (5)

  1. ノズルと動翼を組み合せた段落をタービン軸の軸方向に沿って複数段配置した軸流タービンにおいて、上記動翼の翼素断面中心線は、タービン軸の中心を通る回転中心基準線に対し、そのルート部の翼素断面中心点から傾斜させた直線と、そのチップ部の翼素断面中心点から傾斜させた直線と、中間部を上記タービン軸の上流側に向う凸状の湾曲線とを組み合せて構成したことを特徴とする軸流タービン。
  2. 翼素断面中心線は、ルート部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をβrとし、そのチップ部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をβtとするとき、各傾斜角度βr,βtを、0°<βr,βt≦20°の範囲に設定したことを特徴とする請求項1記載の軸流タービン。
  3. 請求項1または2記載の軸流タービンにおいて、上記翼素断面中心線の直線部は、上記タービンの子午面上および軸横断面上のそれぞれで上記回転中心基準線に対して傾斜しており、上記翼素断面中心線の上記湾曲線は上記軸横断面上で上記動翼の腹側に向かう凸形状を有することを特徴とする軸流タービン。
  4. 翼素断面中心線は、タービン軸の横断方向から観察したとき、ルート部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をδrとし、そのチップ部の翼素断面中心点から傾斜させた直線のタービン軸の中心を通る回転中心基準線に対する傾斜角度をδtとするとき、各傾斜角度δr,δtを、0°<δr,δt≦20°の範囲に設定したことを特徴とする請求項3記載の軸流タービン。
  5. 請求項1ないし5のいずれかに記載の軸流タービンにおいて、上記ノズルを上記動翼の翼素断面中心線と同一形状に形成させて上記動翼の上流側に配置したことを特徴とする軸流タービン。
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