JP2006111986A - 製紙機械用加圧ロール - Google Patents

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健一 後藤
Motoyuki Fujii
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Abstract

【課題】 簡素な構成でニップ幅を自由に変更することができるようにした、製紙機械用加圧ロールを提供することを目的とする。
【解決手段】 弾性合成樹脂材で成形されたチューブ状のジャケット201と、該ジャケット201の各端部が密着して結合固定され、ロール軸部を構成する一対のヘッド202,203とから構成し、該ジャケット201と該ヘッド202,203とにより形成される流体室210に流体を供給し、該ジャケット210を加圧変形させる流体圧供給装置211を接続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、製紙機械のプレス脱水装置及びカレンダ処理装置に用いて好適の加圧ロールに関するものである。
紙シートの処理工程には、複数の円筒体又はこれに代わる円筒外周面を有する回転体(以下、単にロールともいう)を平行に配置し、その軸端を通じてロール間に荷重をかけて、ロールニップを形成し、このニップ間に紙シートを通過させる手法がある。この手法を用いたものに、例えば紙シートを脱水するプレス脱水処理や、平滑,光沢等その紙シートの表面状態を改善するカレンダ処理がある。
そして、このような処理に用いるロール(加圧ロールともいう)の構造としては、例えば、図8〜図10に示されるように、加圧シューを設けたものがある。
図8及び図9はこの種の加圧ロールを用いたカレンダ処理装置にかかる第1例として特許文献1に記載のシューカレンダ装置を示すもので、図8はその横断面図、図9はその下半部の縦断面図である。
図8,図9に示すように、このシューカレンダ装置は、金属ロール10を配置した上半部と、固定ビーム1,ジャケット2等を配置した下半部とから構成されている。下半部は据付用の支持脚11に略円筒状の外周面を有する固定ビーム1が回転自在に軸支されており、さらにこの固定ビーム1の外周には、円筒の中心軸に平行に適宜の間隔で配設されたガイド部材8を介して、チューブ上のジャケット2が装着されている。このジャケット2は、ガイド部材8によって固定ビーム1の周面との間隔をおいて回転可能に支持され、さらに気密性を保つために両端部をクランプディスク9によって密着して支持されている。金属ロール10の外周面は、走行する紙シート15を挟持した状態で、下半部のジャケット2の外周面と対向接触している。
金属ロール10とジャケット2との圧接触部分には、加圧シュー3が配置されており、ジャケット2の加圧は、加圧シュー3に加圧油を作用させ、ジャケット2を内側から外側に加圧することによるジャケット2の変形を利用して行う。
このように、ジャケット2を変形させて金属ロール10と接触させることにより、ニップ幅(ニップ部分の周方向の長さ)を拡大することができ、紙シート15に局部的に過大な圧力が加わることを防止しながら紙嵩を減らすことなく、所望のカレンダ処理を実現することができる。
また、固定ビーム1内には、潤滑油供給路4,5と潤滑油回収路6,7とが設けられている。一方の潤滑油供給路4は、加圧シュー3の下部に接続されて加圧シュー3に加圧力を作用させており、もう一方の潤滑油供給路5は、固定ビーム1の側面に開口し、ジャケット2の内面に潤滑油を供給している。ここで、ジャケット2の材質は、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂の少なくとも1種類以上で構成される弾性合成樹脂材である。
図10は従来のカレンダ処理装置にかかる第2例として、特許文献2に記載のシューカレンダ装置の基本構成を示す横断面図である。図10に示すように、第2例のシューカレンダ装置も基本的には第1例と同様の装置構成であり、回転駆動する金属ロール20に回転可能なチューブ状のジャケット21を加圧して、紙シート22のカレンダ処理を行うものであるが、この装置では、ジャケット21の内側に3つのシューがそなえられている。
すなわち、ジャケット21の内側に設けた加圧シュー23によりジャケット21をその内面から半径方向外側に押圧して加圧ロール24を金属ロール20に対して加圧することにより、紙シート22をカレンダ処理する。加圧ロール24内部には固定支持台25を設け、同固定支持台25には凹型に加工した加圧シュー23とこれに周方向でバランスする配置としてそれぞれ120°間隔離れてサポート用シュー26,27を配置している。また、ジャケット21は、サポート用シュー27に対向してその外側から駆動ロール28で支持され、駆動ロール28の回転力を与えられて回転可能に構成されている。さらに、もう一つのサポート用シュー26に対向して、ジャケット21の外側にはその表面に当接してドクターブレード29が配設される。なお、駆動ロール28は駆動モータ30で駆動されてジャケット21を回転駆動する構成となっている。また、金属ロール20は駆動モータ31により回転駆動される。
一方、従来のプレス脱水装置としてシュープレス装置があるが、このシュープレス装置も基本的な構造はシューカレンダ装置と同様であり、金属ロールに対して加圧ロール内部に設けた加圧シューを摺動しながら押圧して加圧することにより紙シートを脱水処理する構成となっている。
すなわち、シューカレンダ装置及びシュープレス装置のどちらの装置においても加圧ロールのジャケットの内側には凹曲面を有する加圧シューが存在し、その加圧シューをその内面から半径方向外側に摺動しながら押圧して加圧ロールを金属ロールに対して加圧することにより、紙シートにそれぞれの処理をするものである。また、加圧ロール内部には潤滑及び冷却を目的とした潤滑油が供給されている。
特許第2800908号公報 特開2003−213590号公報
しかしながら、図8〜図10のような構成の従来の加圧シューを用いた加圧ロールは、ニップ幅を大きくとれるものの、チューブ状のジャケット内部に設けた加圧シューに加圧油を作用させ、ジャケットを内側から外側に押圧することによるジャケットの変形を利用して紙シートへの加圧処理を行っており、このような加圧原理を利用するためには、加圧ロール内部に、ジャケットを押し上げるための加圧シュー及び加圧シューを支持しその反力に抗するだけの強度を有する固定ビームを設けることが必要となる。また、加圧シューを作動させる作動油並びに加圧シューとジャケットとの間の潤滑及びジャケットの冷却を目的とした多量の潤滑油を必要とし、固定ビームにはこれら作動油及び潤滑油を供給・回収するための潤滑油供給路及び潤滑油回収路を設けることも必要となる。
このため、従来の加圧シューを用いた加圧ロールは、多くの構成部品とそれを作動させる複雑な機構が必要となり、コスト・重量が大きくなる傾向にある。また、多量の油を必要とするため、これら油の維持・管理の課題がある。さらに、何らかの原因により油が装置外部へ流出した時の環境への影響等も無視できない課題である。
また、従来の加圧シューを用いた加圧ロールのプレス脱水処理,カレンダ処理においては、凹曲面を有する加圧シューを押圧することによるジャケットの変形を利用して加圧処理を行っているため、ニップ幅は加圧シューの凹曲面に沿う長さに制限され、自由にニップ幅を変えることができない。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成でニップ幅を自由に変更することができるようにした、製紙機械用加圧ロールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の製紙機械用加圧ロールは、紙シートの加圧処理に用いるロールであって、弾性合成樹脂材で成形されたチューブ状のジャケットと、該ジャケットの各端部が密着して結合固定され、ロール軸部を構成する一対のヘッドとから構成され、該ジャケットと該ヘッドとにより形成される流体室に流体を供給し、該ジャケットを加圧変形させる流体圧供給装置が接続されていることを特徴としている。
請求項2記載の本発明の製紙機械用加圧ロールは、請求項1記載の製紙機械用加圧ロールにおいて、該一対のヘッドは該流体室内部で互いに連結され、該一対のヘッドの少なくとも一方は、駆動モータと接続させることを特徴としている。
請求項3記載の本発明の製紙機械用加圧ロールは、請求項1又は2記載の製紙機械用加圧ロールにおいて、該流体室内部には、該流体室内部を軸方向に分割する隔壁が設けられていることを特徴としている。
請求項4記載の本発明の製紙機械用加圧ロールは、請求項1〜3の何れか1項に記載の製紙機械用加圧ロールにおいて、該ジャケットは、高張力弾性合成樹脂材により成形されていることを特徴としている。なお、高張力弾性合成樹脂材は、4500kN/m以上の耐力のあるフッ素樹脂系又はウレタン系樹脂系の高張力弾性合成樹脂材が好ましい。
請求項5記載の本発明の製紙機械用加圧ロールは、請求項1〜4の何れか1項に記載の製紙機械用加圧ロールにおいて、プレス脱水装置またはカレンダ処理装置に用いられていることを特徴としている。
請求項6記載の本発明の紙処理装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の製紙機械用加圧ロールを2つ、対向するように配置したことを特徴としている。
請求項1記載の本発明の製紙機械用加圧ロールによれば、チューブ状のジャケットに弾性合成樹脂材を使用し、このジャケットとヘッドとにより閉空間である流体室を形成して、この流体室に流体(気体もしくは液体)を供給して加圧することにより、ジャケット形状を変形させるので、簡素な構成により加圧ロールを形成することができる。
また、この加圧ロールと対向接触するロールとの間に形成されるニップについて、流体室内部の圧力を調整することにより、ニップ圧を任意に変更することができる。
さらに、加圧ロールと対向接触するロールとのロール中心間距離を可変させることにより、ニップ幅を任意に変更することが可能となり目的に合わせたニップ幅が選択できる。
請求項2記載の本発明の製紙機械用加圧ロールによれば、加圧ロールは単独で駆動することができ、対向接触するロールと加圧ロールとがニップ開放状態でも同期回転することが可能である。
例えば、カレンダ処理装置の場合、通常、加圧ロールと加圧ロールに対向接触する金属ロールとを同期回転させてから紙を通し、その後両ロールをニップ係合させることが必要になり、しかも、金属ロールは加熱されている。このため、加圧ロールを金属ロールによって駆動する従動方式では、同期回転の際に加圧ロールを金属ロールに接触させることが必要となり、加圧ロールのジャケットが金属ロールの熱を受けて熱劣化してしまう。これに対し、本加圧ロールをカレンダ処理装置に適用すれば、加圧ロールをニップ開放状態に保持させて同期回転させることができるため、高温に加熱された金属ロールとジャケットとが紙のない状態で接触することをさけて、金属ロールによるジャケットの加熱を抑え、ジャケットの熱劣化の抑制を図ることができる。
さらに加圧ロールがニップ状態になったら、前記駆動モータをドゥルーピング制御することで紙シートを安定して通過させることも可能である。
請求項3記載の本発明の製紙機械用加圧ロールによれば、流体室内部を独立した圧力室に分割することができるので、ニップ圧を紙シートの幅方向に制御することができ、紙シートの状態に応じた調整が可能となり、紙幅方向の平滑性,光沢性の不均一を解消できる。
請求項4記載の本発明の製紙機械用加圧ロールによれば、紙シートの加圧処理をより効果的に行うことができる。
請求項6記載の本発明の紙処理装置によれば、チューブ状のジャケット同士を対向接触させることにより、ジャケットを損傷する曲げ変形を生じることなくニップ幅を延長することができるようになる。また、低ニップ圧の領域を広い区間に渡って形成し、紙シートの嵩密度を維持したまま同紙シートに加圧処理を施すことができるので、嵩高紙などの加圧処理に有効となる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図3は本発明の第1実施形態に係る製紙機械用加圧ロールをそなえた紙シートの加圧装置の基本構成を示すもので、図1はその横断面図,図2はその縦断面図,図3はその作動手順を示す図である。なお、図1〜図3及び後述する図4〜図6中では、ジャケット201及びこれの延長により構成される部分についてのみ、断面にハッチを付している。
図1及び図2に示すように、本実施形態において、加圧ロール200は、弾性合成樹脂材を使用したチューブ状のジャケット201と、ジャケット201の各端部が密着して結合固定され、ロール軸部を構成する左右一対のヘッド202,203とをそなえて構成される。
ジャケット201と右ヘッド202,左ヘッド203との結合にはピン204が用いられ、ジャケット201が、適当な張力状態で各ヘッド202,203に圧接されている。つまり、各ヘッド202,203の外周には、複数のピン204が等間隔に円形に配置されて、ジャケット201に形成された穴に嵌入するとともに、各ヘッド202,203側の嵌入穴に嵌着され、これによりジャケット201が各ヘッド202,203に係止されている。なお、各ヘッド202,203はそれぞれ独立したベアリング205に支持されている。
また、加圧流体供給路206と圧縮機207とからなる流体圧供給装置211をそなえ、加圧ロール200は加圧流体供給路206を経て圧縮機207と接続されており、ジャケット201と右ヘッド202,左ヘッド203とにより、気密性が保持されるように形成された加圧ロール200内部の閉空間である流体室210の内部圧力Pが、圧縮機207により制御されている。この加圧流体供給路206には例えば圧力調整弁(図示略)が設けられ、流体室210の内部圧力Pが設定圧を保持するように、圧縮機207から気体(例えば空気)が適宜供給されるようになっている。
加圧ロール200と紙シート101を介して相対する位置には金属ロール100が配置されている。これらの加圧ロール200と金属ロール100との間に発生するニップ圧Npは流体室210の内部圧力Pと相関しており、内部圧力Pは、所望のニップ圧Npが生じるように設定される。
また、金属ロール100は駆動モータ102により駆動されて回転する。一方、加圧ロール200は、紙シート101を介して金属ロール100に従動して回転する構成としても良いし、図2に二点鎖線で示すように、駆動モータ208,209により右ヘッド202,左ヘッド203がそれぞれ回転駆動され、ジャケット201が各ヘッド202,203に従動して回転する構成しても良い。なお、この場合は駆動モータ208,209は同期して回転させることになる。
さらに、移動装置(図示略)が、金属ロール100と右ヘッド202,左ヘッド203とにそれぞれ配設され、金属ロール100と加圧ロール200とを、互いの軸心線を平行状態にして、離隔した状態と接近した状態とに移動させるように構成されている。
また、弾性合成樹脂材は、4500kN/m以上の耐力のあるフッ素樹脂系又はウレタン系樹脂系の高張力弾性合成樹脂材が好ましい。図7は、加圧ロール外径,ニップ圧及びジャケット張力との関係を示すグラフであり、図7に示すように、ある一定のニップ圧を与える場合には、加圧ロール外径にほぼ比例するようにジャケット張力が発生することになり、また、ロール外径が一定なら、ニップ圧にほぼ比例したジャケット張力が発生する。このような特性から、ニップ圧1400kN/mを与えることを想定した場合には、図7の二点鎖線で示すような特性線を推定することができ、加圧処理に有効な加圧ロール外径1500mmを満たしつつ、ニップ圧1400kN/mを満たすためには、図7におけるロール外径1500mmの線上で二点鎖線の特性線を上回るだけの張力に耐えられなくてはならず、例えば、4500kN/m程度以上の耐張力を有する弾性合成樹脂材を使用しなくてはならないのである。
本発明の第1実施形態としての加圧ロールはこのように構成されているので、以下のような作用・効果がある。
チューブ状のジャケット201に弾性合成樹脂材を使用し、このジャケット201と右ヘッド202,左ヘッド203とにより閉空間である流体室210を形成して、この流体室210から気体を供給して加圧することにより、ジャケット201形状を変形させるので、簡素な構成により加圧ロール200を形成することができる。
また、弾性合成樹脂材は、4500kN/m以上の耐力のある高張力弾性合成樹脂材とするので、簡素な構成であっても、加圧処理に有効な加圧ロール外径1500mm及びニップ圧(カレンダ処理の場合は5〜350kN/m,プレス脱水処理の場合は100〜1400kN/m)を満たすことができる。
そして、本実施形態の加圧装置の作動はまず、図3(a)に示すように流体室210内部にはジャケット201を張らせる程度の圧力Pをかける。その後、図3(b)に示すように金属ロール100と加圧ロール200とを近づけて対向接触させる。このとき、加圧ロール200と金属ロール100とのロール中心間距離を移動装置により変化させ、押込み量Δhを制御することによってニップ幅Lを任意に変化させることができる。その後、図3(c)及び図2に示すように流体室210内部に圧縮機207により加圧流体供給路206を介して圧力Pが加えられ、流体室210内部の圧力Pが高まるとジャケット201の内面側を押し、金属ロール100との間に紙シート加圧処理領域を形成する。流体室210の内部圧力Pを制御することで、本加圧装置はニップ圧Npを任意に変化させることができる。
また、加圧ロール200を金属ロールに従動して回転する構造と、加圧ロール200単独で駆動されて回転する構造とをどちらも取り得るように構成することができるので、例えばプレス脱水処理の場合は従動回転させ、カレンダ処理の場合は単独で駆動回転させるというように、各加圧処理に適した駆動システムの使い分けを行うことができる。
つまり、カレンダ処理装置の場合、通常、加圧ロール200に対向接触する金属ロール100は加熱されており、加圧ロール200を金属ロール100によって駆動する従動方式では、同期回転の際に加圧ロール200を金属ロール100に接触させることが必要となり、加圧ロール200のジャケット201が金属ロール100の熱を受けて熱劣化してしまう。これに対し、加圧ロール200を単独で駆動する構成とすれば、加圧ロール200をニップ開放状態に保持した状態で、加圧ロール200と金属ロール100とを同期回転させることができ、その後、紙シート101を通し、さらに、両ロール200,100をニップ係合させるようにして、高温に加熱された金属ロール100とジャケット201とが紙シート101のない状態で接触することをさけ、金属ロール100によるジャケット201の加熱を抑え、ジャケット201の熱劣化の抑制を図ることができる。
さらに、ジャケット201がニップ状態になったら、駆動モータ208,209をドゥルーピング制御することで紙シート101を安定して通過させることも可能である。
なお、図2に示すように、金属ロール100のロール面長Dは加圧ロール200の右ヘッド202,左ヘッド203の内側の間の距離Cよりも短くとる。紙シートの幅Eは用途に合わせて、金属ロール100のロール面長Dより短くも長くもとることがあるものとする。また、金属ロール100は必要に応じて加熱して使用することも可能である。
なお、加圧ロール200を駆動するモータは2つそなえるように説明したが、1つのモータだけをそなえて、両ヘッドを外部で連結する部材を付加し、その連結部材を駆動する構成としてもよい。例えば、両ヘッドの軸心と平行にカウンタ軸を設けて、このカウンタ軸と両ヘッドとをギヤもしくはベルト等で連結して駆動させるようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、図面により、本発明の第2実施形態について説明する。ここで、第1実施形態と同様の部材には、同一の符号を付けて説明する。
図4は本実施形態に係る加圧ロールを有する紙シートの加圧装置の基本構成を示す縦断面図である。
本実施形態は第1実施形態における右ヘッド202,左ヘッド203を、連結軸301により加圧ロール内部で繋ぎ、ヘッドを一体型構造としたものである。その他の構成は第1実施形態とほぼ同一のものである。
本発明の第2実施形態としての加圧ロールはこのように構成されているので、以下のような作用・効果がある。
本実施形態において、加圧ロール300は右ヘッド202と左ヘッド203とを連結軸301により連結したので、一方のヘッド(例えば左ヘッド202)を駆動モータ302に接続させることで、1つの駆動モータ302により加圧ロール300を回転駆動させることができ、駆動システムの構成が簡単となる。また、右ヘッド202と左ヘッド203とが確実に同期して回転するという利点がある。
〔第3実施形態〕
次に、図面により、本発明の第3実施形態について説明する。ここで、第2実施形態と同様の部材には、同一の符号を付けて説明する。
図5は本実施形態に係る加圧ロールを有する紙シートの加圧装置の基本構成を示す縦断面図である。すなわち、本実施形態は第2実施形態における流体室210内部を隔壁401,402でそれぞれ独立した圧力室210a,210b,210cに分割したものである。
例えば図5(a)に示すように、流体室210内部をジャケット201と同様の弾性合成樹脂材で形成された隔壁401により仕切ったものである。ここで、隔壁401の一端はジャケット201に接続され、他端は連結軸301部分に気密性を保持するように例えばピン等で結合され、これにより流体室210内部は個々の圧力室210a,210b,210cに気密に分割されている。
もしくは、図5(b)に示すように、連結軸301の一部を隔壁402としたもので金属製の隔壁402としてもよい。ここで、隔壁402は、ジャケット201との隙間を伸縮性シール材403等で気密性を保ったままジャケット201の半径方向への変形を拘束しないで圧力を保持されたものである。
分割された圧力室210a,210b,210c内の圧力P1,P2は各々の加圧流体供給路404,405を介して接続される圧縮機406,407より供給され、圧縮機406,407の圧力を調整することにより各々の室210a,210b,210cの圧力は適宜設定される。
なお、隔壁401,402はそれぞれ、ジャケット201,連結軸301と一体に形成してもよいし、隔壁401,402を単独で形成した後、それぞれジャケット201,連結軸301に固着してもよい。
本発明の第3実施形態としての加圧ロールはこのように構成されているので、以下のような作用・効果がある。
流体室210内部を隔壁401又は402で独立した複数の圧力室210a,210b,210cに分割することにより各々の圧力を適宜設定できるため、紙シート101の状態に応じてニップ圧Npを紙シート101の幅方向に微調整することが可能であり、紙シート101の状態に応じた調整が可能となり、紙幅方向の平滑性,光沢性の不均一を解消できて、紙シート101の品質を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図面により、本発明の第4実施形態について説明する。ここで、第1実施形態と同様の部材には、同一の符号を付けて説明する。
図6は本実施形態に係る紙シートの加圧装置の基本構成を示す横断面図である。本実施形態は前記第1実施形態における金属ロール100をジャケット201をそなえた加圧ロールと代えたものであり、回転可能な弾性合成樹脂材で成形されたジャケット201同士を相対する位置に配置し対向接触させることによりジャケット201外周面に紙シート加圧処理領域を形成するものである。
本発明の第4実施形態としての加圧装置はこのように構成されているので、以下のような作用・効果がある。
ジャケット201同士を対向接触させるので、ジャケット201とジャケット201との間に形成される加圧処理領域においてジャケットの変形の曲率を小さくすることができ、第1実施形態〜第3実施形態のものよりニップ幅Lを長く取ることができる。これにより、低ニップ圧Npの領域が広い区間に渡って形成され、紙シート101の嵩密度を維持したまま同紙シートに加圧処理を施すことができるため、嵩高紙などの加圧処理に有効となる。
[その他]
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上記実施形態では、チューブ状のジャケットにフッ素樹脂系又はウレタン系樹脂系(ポリウレタン系樹脂)の高張力弾性合成樹脂材を使用したが、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂等の他の樹脂であっても、高張力を保持する条件を満たせば、これらの少なくとも1種類以上で構成される弾性合成樹脂材でよい。
また、第3実施形態(図5参照)では、隔壁により圧力室を3つに分割したが、分割する個数はこれに限るものではない。
また、上記実施形態では加圧ロールを加圧するために空気等の気体を流体室に供給しているが、液体(例えば水)を供給してもよい。
本発明の第1実施形態に係る加圧ロールを有する紙シートの加圧装置の基本構成を示す横断面図である。 本発明の第1実施形態に係る加圧ロールを有する紙シートの加圧装置の基本構成を示す縦断面図である。 (a),(b),(c)ともに、本発明の第1実施形態に係る加圧ロールを有する紙シートの加圧装置の作動手順を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る加圧ロールを有する紙シートの加圧装置の基本構成を示す横断面図である。 (a),(b)ともに、本発明の第3実施形態に係る加圧ロールを有する紙シートの加圧装置の基本構成を示す横断面図である。 本発明の第4実施形態に係る紙シートの加圧装置の基本構成を示す横断面図である。 本発明におけるジャケット引張耐力と加圧ロール外径との関係を示すグラフである。 従来(特許文献1記載)のシューカレンダ装置の要部を示す横断面図である。 従来(特許文献1記載)のシューカレンダ装置の本体下半部の縦断面図である。 従来(特許文献2記載)のシューカレンダ装置の要部を示す横断面図である。
符号の説明
1 固定ビーム
2 ジャケット
3 加圧シュー
4,5 潤滑油供給路
6,7 潤滑油回収路
8 ガイド部材
9 クランプディスク
10 金属ロール
11 支持脚
15 紙シート
20 金属ロール
21 ジャケット
22 紙シート
23 加圧シュー
24 加圧ロール
25 固定支持台
26,27 サポート用シュー
28 駆動ロール
29 ドクターブレード
30,31 駆動モータ
100 金属ロール
101 紙シート
102 駆動モータ
200 加圧ロール(第1実施形態)
201 ジャケット
202,203 ヘッド
204 ピン
205 ベアリング
206 加圧流体供給路
207 圧縮機
208,209 駆動モータ
210 流体室
211 流体圧供給装置
300 加圧ロール(第2実施形態)
301 連結軸
302 駆動モータ
400 加圧ロール(第3実施形態)
401,402 隔壁
403 伸縮性シール材
404,405 加圧流体供給路
406,407 圧縮機
408,409 流体圧供給装置
C ヘッドの内側の距離
D 金属ロールのロール面長
E 紙シートの幅
Np ニップ圧
L ニップ幅
Δh 押込み量

Claims (6)

  1. 紙シートの加圧処理に用いるロールであって、
    弾性合成樹脂材で成形されたチューブ状のジャケットと、
    該ジャケットの各端部が密着して結合固定され、ロール軸部を構成する一対のヘッドとから構成され、
    該ジャケットと該ヘッドとにより形成される流体室に流体を供給し、該ジャケットを加圧変形させる流体圧供給装置が接続されている
    ことを特徴とする、製紙機械用加圧ロール。
  2. 該一対のヘッドは該流体室内部で互いに連結され、
    該一対のヘッドの少なくとも一方は、駆動モータと接続させる
    ことを特徴とする、請求項1記載の製紙機械用加圧ロール。
  3. 該流体室内部には、該流体室内部を軸方向に分割する隔壁が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の製紙機械用加圧ロール。
  4. 該ジャケットは、高張力弾性合成樹脂材により成形されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の製紙機械用加圧ロール。
  5. プレス脱水装置またはカレンダ処理装置に用いられている
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の製紙機械用加圧ロール。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の製紙機械用加圧ロールを2つ、対向するように配置した
    ことを特徴とする、紙処理装置。
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