JP2006111833A - ポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塩素等のハロゲン物質を含有することなくポリプロピレンに難燃特性を付与する。
【解決手段】 難燃剤成分として、硫酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム及びジシアンジアミドを主な原料として混入し、難燃特性を有したノンハロゲン系のポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質及びその製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、難燃剤成分として、硫酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム及びジシアンジアミドを主な原料として混入し、難燃特性を有したノンハロゲン系のポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質及びその製造方法に関する。
熱可塑性プラスチックは、線状構造であるため、加熱すると軟化して加工できるようになり、冷やすと固化する樹脂であり、これを繰りかえすことができ、機械特性、柔軟性、加工性、電気絶縁性に優れている。特にポリプロピレンは、ポリエチレンより軟化温度が高く、浴槽、洗面器、バケツ及び日用品などに使用されることが多い、産業上大変重要なものである。
従来、ポリプロピレンに対し難燃の加工の取り組みが多く行われるようになったが、高度な難燃性を実現するために、熱可塑性プラスチック成形体にハロゲン化物(例えば、塩素に代表されるハロゲン系添加型難燃剤、ハロゲン系反応型難燃剤等)を配合する、あるいは上記ハロゲン化物と酸化アンチモンを併用して配合する、または金属酸化物を配合する等の処理が施されてきた。
この様な熱可塑性プラスチックは、高度な難燃特性(例えばUL94準拠の燃焼試験に準じた規格値であるUL94−V−2等)を達成することができる。
しかしながら、近年、ハロゲン化材料及び金属酸化物は環境に対する悪影響のため、環境保護の立場から、地球環境に優しい製品の開発が叫ばれるようになっている。熱可塑性プラスチック成形体もその例外ではなく、この様な観点からすれば、従来の様なハロゲン化物を用いた熱可塑性プラスチック成形体は、燃焼時に有害なハロゲンガスを発生するため好ましくない。また、酸化アンチモンは重金属化合物であり、燃焼時に発生する煙は有毒であることから、安全な化合物とは言えない。また、金属酸化物も使用を避けるべきである。
従って、機械的特性(弾性率、強度、耐衝撃性等)及び難燃性を全て満足しながら、且つ燃焼時に有害ガスを発生しない熱可塑性プラスチックの開発が望まれている。
従来技術として、ハロゲン化物を用いずにプラスチックの難燃化を図った例としては、例えばシラン変性ポリオレフィンにノボラック型フェノール樹脂架橋体からなる短繊維を配合し、これを加水架橋する方法(特開昭54−105149)が報告されている。この方法によれば、燃焼時に有害ガスを発生することはないものの、繊維長が10mm程度の短繊維を用いているので、機械的強度が不十分となる可能性がある。
また、特公昭62−55550に記載の樹脂組成物は、フェノール樹脂組成物の難燃性を更に高めることを目的としてなされたものであり、難燃剤として水酸化アルミニウムを用いている。具体的にはレゾール型フェノール樹脂に、水酸化アルミニウムと石膏を配合した樹脂組成物であるが、この樹脂組成物は、樹脂に対する水酸化アルミニウムと石膏の配合量が多すぎるため、樹脂の流動性が悪いと指摘されている。また、難燃性を高めるために難燃添加剤として三酸化アンチモンを用いることが推奨されており、燃焼時に有害ガスを発生する恐れが残っている。
また、特開平2−18031には、ガラス短繊維と水酸化アルミニウムをレゾール系フェノール樹脂と混合し、発泡硬化させることにより、繊維強化フェノール樹脂発泡体を製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法で得られた発泡体は機械的強度が著しく小さいため、十分な剛性を満たすことができないと指摘されている。
さらに、特開平8−27355には、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末を配合したフェノール樹脂が開示されているが、水酸化マグネシウムを合成樹脂に使用する場合の大きな問題点として、満足し得る難燃性を得るためには多量の配合が必要であり、そのため樹脂本来の特性が著しく損なわれてしまうことが指摘されている。また、水酸化マグネシウムは本来酸溶解性であるため、樹脂複合体の耐酸性は極めて悪いものとなってしまう。
従来、難燃剤として既知のものとしては、カルボン酸とアミドによりセルロース系材料に難燃特性を持たせたもの(例えば特開平8−333579号)や難燃性硬化性組成物(例えば特開2004−115797号)など、一定の物質又は基質を難燃剤の添加物として製造時に混入することにより、難燃性を与える非常に多くの特許又は製剤がある。
また、耐火特性を持たせた塗料(特開2004−107665号)は、製品表面に塗料の塗膜を形成させ、絶縁層を形成する耐火性塗料として報告されている。
そこで、高度な難燃性を有し、且つ、塩素などのハロゲン物質を含まず燃焼時に有害ガスを発生しない様な、安価で、機械的特性に優れた熱可塑性プラスチック、特にポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質が求められている。
本発明では、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン形成時に混入させる粉末状物質であり、硫酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム及びジシアンジアミドを配合したことを特徴とするポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質とする。
前記難燃性付与物質は、硫酸アンモニウム40Wt%、タングステン酸ナトリウム10Wt%及びジシアンジアミド50Wt%であることを特徴とする。
また、前記難燃性付与物質は、45℃に保たれた水溶液に硫酸アンモニウム加え溶解し、以下同様に、前記水溶液を60℃に加熱しタングステン酸ナトリウムを加え、前記水溶液を75℃に加熱しジシアンジアミドを加え溶解し、乾燥工程を経て難燃成分を取り出し、難燃性付与物質が10〜50μmの平均粒径を有する粉末状とすることを特徴とする。
本発明による粉末状難燃性付与物を混入させたポリプロピレンによれば、ポリプロピレンに難燃特性を有すことが可能となり、且つ、難燃性付与物にハロゲン、特に塩素を含まないため、仮に空気中で前記ポリプロピレンが熱量を発する、いわゆる燃焼しても、難燃性付与物を原因とするダイオキシンに代表される塩素の結合した特に有害な燃焼ガスの発生を回避することが可能である。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリプロピレン用粉末状難燃性付与物は、図1に示されるように、配合材料を次の比率(重量比)で添加し生成した物質である。
水に添加する順に、硫酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム及びジシアンジアミドであり、計100Wt%の各材料を規定の配合順序、配合温度により配合する。
粉末状難燃剤成分の水溶液に対する濃度は5.0Wt%から40Wt%、好適には40Wt%とする。40Wt%を超える難燃剤成分の含有量では、水溶液に対する溶解度を超え、結晶となって析出する可能性を有すが、後述する乾燥工程を経ることとなるため、水溶液中の成分濃度を飽和近傍まで高く保つことで、粉末状に精製する効率を高めるためである。
本発明による粉末状難燃剤の製造方法における工程の概略は、以下のとおりである。
まず、硫酸アンモニウム(Ammonium sulfate)は、分子式(NHSO、水100gへの溶解度75g、融点280℃、分子量132.14、常温で無色又は白色の結晶性粉末である。この硫酸アンモニウム粉末40Wt%を、45℃に保たれた水溶液に加え撹拌し、やがて硫酸アンモニウムが溶解し、無色透明の溶液となる。
前記水溶液が無色透明になったことを確認し、前記水溶液を60℃に加熱し、タングステン酸(Tungstic Acid)のナトリウム塩であるタングステン酸ナトリウム10Wt%を加え溶解するまで撹拌する。タングステン酸ナトリウムは、分子式NaWO、であり、高耐酸性及び高耐食性が得られるものと想到される。
続いて、前記水溶液を75℃に加熱し、ジシアンジアミド(Dicyandiamide)50Wt%を加え、一定の温度に保ち添加したジシアンジアミドが溶解するまで撹拌し、水溶液を得る。ジシアンジアミドは、分子式HNC(NH)NHCN、水100gへの溶解度4.13g、融点211℃、分子量84.0804、常温で白色結晶性の粉末である。水への溶解度は低いが、アンモニア水には可溶である。
以上の工程を経て得られた水溶液は無色透明であるが、75℃から常温に徐冷すると溶解していた成分が析出する。最良の形態は、水溶液の温度を75℃の成分析出のない温度に保ち、乾燥工程に入る。
この水溶液を、次いで、20〜100℃で乾燥する。これは乾燥室中で行うことができる。しかし、好ましくは、高温空気流中において、例えば、熱風受熱連続乾燥装置である坂本技研社製のスプレー・ドライヤー中で、75℃の温度を保った水溶液を特殊ノズル(噴射式)又は高速回転円盤(遠心式)で微粒化し、単位体積当りの表面積を増大しながら、連続して熱風を接触させ瞬間的に乾燥を行い、濃縮、ろ過、粉砕、分級、乾燥という多くの工程を一挙に省略し、液状より直ちに粒状や粉末の乾燥製品を得ることが望ましい。従って、難燃成分の変質が極めて少なくなる。
この方法により精製された粉末状難燃性付与物質は、10〜50μmの平均粒度となる。驚くべきことに、本発明による粉末状難燃性付与物質はその粒径が小さいほど難燃特性高まるため、この場合好適には10μmの平均粒度が最も望ましい。
粉末状難燃性付与物質のポリプロピレンに対する割合は5.0Wt%から40Wt%、好適には20Wt%とする。40Wt%を超える粉末状難燃剤成分の含有量では、ポリプロピレンの十分な強度が確保できない可能性を有し、5.0Wt%に満たない含有量では、ポリプロピレンに対する難燃性付与物質としての難燃性能を示さないためである。
本発明は、以上の構成材料を必須成分とするものであるが、これらの他に、難燃性、成形性及び機械的特性を著しく損なわない範囲において、無機充填剤(例えば炭酸カルシウム等)、着色剤(例えば酸化チタン等)、内部離型剤(例えばステアリン酸亜鉛等)、熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂等)、別の熱可塑性樹脂(例えば粉末ポリエチレン等)等を含有してもよい。ただし、これらの材料はすべてハロゲンを含有しないことが必須条件である。
本発明を、このように好適な様式で述べたが、特許請求の範囲の思想及び範囲から逸脱することなく、本発明は、いくつかの変更及び改変をすることができるということは、明らかである。
本発明の実施における粉末状難燃性付与物の配合材料の重量比を示す表である。 本発明における粉末状難燃性付与物の投入順序及び製造工程を示す図である。

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂であるポリプロピレン形成時に混入させる粉末状物質であり、硫酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム及びジシアンジアミドを配合したことを特徴とするポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質。
  2. 前記難燃性付与物質は、硫酸アンモニウム40Wt%、タングステン酸ナトリウム10Wt%及びジシアンジアミド50Wt%であることを特徴とする請求項1のポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質の製造方法。
  3. 前記難燃性付与物質は、45℃に保たれた水溶液に硫酸アンモニウム加え溶解し、以下同様に、前記水溶液を60℃に加熱しタングステン酸ナトリウムを加え、前記水溶液を75℃に加熱しジシアンジアミドを加え溶解し、乾燥工程を経て難燃成分を取り出し、難燃性付与物質が10〜50μmの平均粒径を有する粉末状とすることを特徴とする請求項1か請求項2のいずれかに記載のポリプロピレン用粉末状難燃性付与物質の製造方法。
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