JP2006111226A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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JP2006111226A JP2004303330A JP2004303330A JP2006111226A JP 2006111226 A JP2006111226 A JP 2006111226A JP 2004303330 A JP2004303330 A JP 2004303330A JP 2004303330 A JP2004303330 A JP 2004303330A JP 2006111226 A JP2006111226 A JP 2006111226A
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裕史 高田
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Abstract

【課題】 運転者の個々のカーブ走行における技量による操舵特性の相違に基づいて、運転特性に則した運転技量判定を実施でき、運転技量に合致した最適な舵角比制御を行うことができる車両用操舵制御装置を提供する。
【解決手段】 運転者技量判定回路25は、走行履歴記憶装置24に記憶された特定の走行位置を複数回走行した場合の複数回分の走行履歴における操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一意であるほど、運転者の運転技量が高いと判定し、舵角比設定装置26は、判定された運転者の技量が高いほど、道路線形が示す曲率半径に応じて設定される舵角比の最大値と最小値との差異が大きくなるように、舵角比を設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者の操舵量に対する操向輪の転舵量の比である舵角比を任意に設定する舵角比設定手段を備えた車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
従来の車両用操舵制御装置としては、走行中の操舵角とその時に車両に発生しているヨーレートのパターンから、あらかじめ設定されたドライバ技量判定用マップを参照して運転者の運転技量を推定し、その推定情報に基づいて、操舵ゲインを設定するものが知られている。これにより、運転技量の低いドライバには、走行性や操縦安定性の確保された制御を提供し、運転技量の高いドライバには、操縦感覚に合致した制御を提供しようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−199156号公報
しかしながら、連続したカーブを走行する場合など、状況変化の多い環境を走行する場合には、熟練したドライバは状況変化に適宜対応した操舵を行うことが可能であるが、一般的なドライバは、個々の状況変化に対する応答精度において、熟練したドライバに劣る傾向がある。すなわち、一般的なドライバは、熟練したドライバに対し、個々のカーブにおける操舵の特徴が曖昧となるため、あらかじめ設定されたマップを用いて運転技量を判定する上記従来技術では、運転技量の推定が不正確であるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、運転者の個々のカーブ走行における技量による操舵特性の相違に基づいて、運転特性に則した運転技量判定を実施でき、運転技量に合致した最適な舵角比制御を行うことができる車両用操舵制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
ステアリング操作手段の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記操舵角に対する操向輪の転舵角の比である舵角比の特性を任意に設定する舵角比設定手段と、
を備えた車両用操舵制御装置において、
車両の運動状態を検出する車両運動検出手段と、
前記車両運動と前記操舵角との組み合わせから、運転者の個々のカーブ走行における技量による操舵特性の相違に基づいて、運転技量を判定する運転者技量判定手段と、
を備え、
前記舵角比設定手段は、前記運転技量に応じて、舵角比を設定することを特徴とする。
本発明によれば、運転者の個々のカーブ走行における技量による操舵特性の相違に基づいて運転技量を判定するため、運転特性に則した運転技量を判定できるとともに、運転技量に合致した最適な舵角比制御を行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用運転支援装置を示す図である。
走行位置検出手段10は、車両の走行位置を検出する。車両運動検出手段11は、車両の運動状態を検出する。操舵角検出手段12は、ステアリングホイール(ステアリング操作手段)の操舵角を検出する。
走行履歴管理手段13は、過去の走行における操舵角に対するヨーレートの組み合わせを、走行位置と走行環境とに関連させて走行履歴記憶手段14に記憶させる。
運転者技量判定手段15は、走行履歴記憶手段14に記憶された車両運動と操舵角の組み合わせから、運転者が個々のカーブ走行における技量による操舵特性の相違に基づいて、運転技量を判定する。
舵角比設定手段16は、判定された運転者の運転技量に応じて、操舵角に対する操向輪の転舵角の比である舵角比を設定する。具体的には、判定された運転者の技量が高いほど、道路線形が示す曲率半径に応じて設定される舵角比の最大値と最小値との差異が大きくなるように、舵角比を設定する。
走行環境検出手段17は、車両が走行しているときの路面状況、気象状況または昼夜状況の少なくとも1つを車両の走行環境として検出する。
以下に、本発明の車両用運転支援装置を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明する。
図2は、実施例1に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。
実施例1の車両用操舵制御装置は、ナビゲーション装置20、ヨーレートセンサ21、操舵角センサ22、走行履歴管理回路23、走行履歴記憶装置24、運転者技量判定回路25および舵角比設定装置26を備えている。
ナビゲーション装置20は、図1の走行位置検出手段10に対応する。また、ヨーレートセンサ21は車両運動検出手段11に、操舵角センサ22は操舵角検出手段12に対応する。さらに、走行履歴管理回路23は走行履歴管理手段13に、走行履歴記憶装置24は走行履歴記憶手段14に、運転者技量判定回路25は運転者技量判定手段15に、舵角比設定装置26は舵角比設定手段16にそれぞれ対応する。
ナビゲーション装置20は、構成としてGPS、地図データ保持装置を備えたものであり、実施例1の場合、車両の走行している位置の緯度、および、経度を出力可能なものとする。また、ヨーレートセンサ21は、車両のヨーレートを検出する。
次に、作用を説明する。
[舵角比設定制御処理]
図3は、実施例1の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、イグニッションスイッチのオンからオフまで、所定の制御周期毎に実行される。
ステップS100では、ナビゲーション装置20において、車両が走行している地理上の位置を検出し、ステップS101へ移行する。
ステップS101では、操舵角センサ22によって、運転者がステアリングホイールを回転させた角度である操舵角を検出し、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、ヨーレートセンサ21によって、車両のヨーレートを検出し、ステップS103へ移行する。
ステップS103では、走行履歴管理回路23において、ステップS100からステップS102で検出した車両の走行位置と、その時の操舵角と、車両に生じているヨーレートとを関連付け、走行履歴記憶装置24に保存し、ステップS104へ移行する。この際、実施例1では、車両がカーブを走行している場合に特化し、図4に示すように、操舵角またはヨーレートの値がゼロから増加(減少)し、再びゼロになるまでの区間をカーブ走行の区間とし、その区間の車両位置を示す緯度および経度と、操舵角、ヨーレートの時系列変化の履歴を走行履歴として走行履歴記憶装置24に保存する。なお、実施例1においては、車両位置および操舵角、ヨーレートの履歴の収集は、特定のカーブ区間のみではなく、走行経路における全てのカーブ区間に対して収集する。
ステップS104では、走行履歴管理回路23において、走行履歴記憶装置24を参照することで車両走行の回数をカウントし、走行回数がN回に達しているか否かを判定する。YESの場合にはステップS105へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。実施例1における走行回数は、車両が既定の出発地を出発してから既定の目的地に到達するまでの回数を1回とする。なお、実施例1においては、車両が既定の出発地を出発してから既定の目的地に到達するまでの判断を、ステップS100においてナビゲーション装置20にて検出した車両の位置によって行うが、簡易的には、イグニションスイッチのオン/オフを検出することによって、車両が既定の出発地を出発してから既定の目的地に到達するまでの判断を実施してもよい。
ステップS105では、運転者技量判定回路25において、運転者の運転技量を判定し、ステップS106へ移行する。運転技量の判定は、走行履歴記憶装置24に記憶された走行履歴に基づいて、以下の3段階の処理を経て行われる。
まず、第1段階では、ステップS103で検出して走行履歴記憶装置24に記憶された特定のカーブにおける走行履歴に基づいて、運転者の技量判定を行う。実施例1の場合、ステップS104の説明に記したように、車両が走行する経路は予め既定されており、従って、その経路上に存在するカーブの数もM個と予め既定可能である。一般に、カーブの走行において運転技量が熟練するほど、特定のカーブにおいて運転者がステアリングホイールを操舵する操舵角と、車両に発生するヨーレートに、ばらつきが小さくなる傾向がある。そこで、実施例1では、運転者技量判定回路25において、走行履歴記憶装置24に記憶されたM個のカーブから、任意に一つのカーブを検索し、そのカーブに関連して記憶されている操舵角とヨーレートの時系列変化におけるそれぞれの極大値の組(ζsijyij),(i=1,2,…N、jは1〜Mの任意の値)を抽出する。さらに、抽出された操舵角とヨーレートのN組の極大値について分散(σsjyj)を算出する。本分散の値が小さいほど、運転者の運転技量は熟練している。
続いて、第2段階では、ステップS103で検出して走行履歴記憶装置24に記憶された操舵角とヨーレートの時系列変化に基づいて、運転者の技量判定を行う。一般に、カーブの走行において運転技量が熟練するほど、運転者がステアリングホイールを操舵した操舵角の極大値と、車両に発生するヨーレートの極大値の組み合わせが同一であれば、同一のカーブを走行している確率が高くなる傾向がある。そこで、実施例1では、運転者技量判定回路25において、走行履歴記憶装置24に記憶されたM個のカーブのそれぞれについて、カーブに関連して記憶されている操舵角とヨーレートの時系列変化におけるそれぞれの極大値の組(ζsijyij),(i=1,2,…,N,j=1,2,…,M)を抽出して、カーブごとに平均値(avζsjsjavζyj)を算出する。
Figure 2006111226
さらに、それぞれのカーブの平均値(avζsj,avζyj)間についてマハラノビスの距離dkl,(k,l=1,2,…,M)を算出し、距離の全組み合わせについて和算する。本和の値が大きいほど、運転者の運転技量は高い。
Figure 2006111226
第3段階では、第1段階および第2段階で算出した各値に基づき、運転者の運転技量を総合的に判定する。例えば、操舵角の分散の逆数と距離の和の組(1/σsj ,D)を図5に示すマップに、ヨーレートの分散の逆数と距離の和の組(1/σyj ,D)を図6に示すマップに参照することで、運転者の運転技量を判定する。操舵角による判定とヨーレートによる判定が異なる場合には、判定結果の悪い方を選択して判定する。
ステップS106では、ステップS105で判定した運転者の運転技量に基づき、舵角比設定装置26において、舵角比を設定し、リターンへ移行する。ここで、舵角比の設定は、例えば、図7に示す舵角比設定マップを参照し、ステップS105で判定した運転者の運転技量に合致した舵角比に設定する。図7に示すように、舵角比は、判定された運転者の技量が高いほど、道路線形が示す曲率半径Rに応じて設定される舵角比の最大値と最小値との差異が大きくなるように、舵角比を設定する。
[従来技術]
操舵量に対する転舵量の割合(以後、「舵角比」と称する)を変化させる車両用操舵制御装置の開発がなされている。昨今、車両の運転をより容易なもの、また、車両走行上の安定性を向上させる事を目的として、車両に備え付けられた各種センサにより、車両周囲の環境情報や、車両の状態情報、運転者の状態情報を収集し、それら情報に基づいて、舵角比を変化させる技術が開発されている。
例えば、特開平11-310146号公報に記載の車両用操舵制御装置では、車両周囲の環境情報としてナビゲーション装置等を用いてカーブの状態を検知し、その状態に応じて操舵ゲインを設定している。これにより、カーブの状態に応じて舵角比を好適に設定することが可能となり、カーブ走行時におけるハンドル操作性の向上を図るものである。
一方で、走行性や操縦安定性を考慮したとき、カーブ走行における操舵ゲインの設定は、カーブの状態のみならず、ドライバの技量によっても変化させる必要があると言われている。そこで、このような考え方に基づき、特開平6-199156号公報に記載の自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置では、走行中の操舵角とその時に車両に発生しているヨーレートのパターンから、あらかじめ設定されたドライバ技量判定用マップを参照して運転者の運転技量を推定し、その推定情報に基づいて、操舵ゲインを設定している。これにより、運転技量の低いドライバには、走行性や操縦安定性の確保された制御を提供し、運転技量の高いドライバには、操縦感覚に合致した制御を提供しようとするものである。
[従来技術の問題]
昨今のドライバの運転行動研究により、ドライバの操舵行動の技量差において以下のような特徴があることが判っている。すなわち、状況変化の少ない安定した環境においては、運転初心者の操舵は常に修正的であり不安定な操舵を行うが、一般的な運転技量を持つドライバは熟練したドライバと比較しても、さほど相違のない操舵を行う。一方、連続したカーブを走行する場合など、状況変化の多い環境を走行する場合には、熟練したドライバは、状況変化に適宜対応した操舵を行うことが可能であるが、一般的なドライバは、個々の状況変化に対する応答の精度において、熟練したドライバに劣る傾向がある。
例えば、図18(a)および図18(b)は、それぞれ熟練したドライバと一般的なドライバが、曲率の異なる連続した4つのカーブを含むコースを5回ずつ走行した時のデータであり、横軸に操舵角、縦軸にヨーレートをプロットしたものである。熟練したドライバと一般ドライバは、操舵角とヨーレートのグラフにおいてほぼ同様の領域を占めているが、図18(a)に示した熟練したドライバのデータは個々のカーブにおける操舵の特徴が顕在しているのに対して、図18(b)に示した一般ドライバのデータは個々のカーブにおける操舵の特徴が曖昧である。このことは、特開平6-199156号公報に記載の自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置に記載の方法を用いた場合に、分類できない運転技量の差が存在することを示している。
[運転技量に応じた舵角比変更作用]
これに対し、実施例1の車両用操舵制御装置では、走行履歴管理手段としての走行履歴管理回路23を設けることによって、日常的に走行する環境においてカーブ区間を抽出し、そのカーブ区間において運転者がステアリングホイールを操舵したときの角度である操舵角と、そのときに車両に発生しているヨーレートを関連付けて記憶するようにしたので、カーブ区間ごとに走行履歴を管理することが可能となった。
また、運転者技量判定手段としての運転者技量判定回路25を設け、運転者技量判定回路25において、走行履歴管理回路23によって管理された走行履歴から、個々のカーブ区間の操舵角とヨーレートの極大値の分散(σsjyj)と平均値(avζsjsjavζyj)、およびカーブ区間の平均値の距離Dを算出するようにしたので、運転が熟練するほどカーブごとの操舵のばらつきが少なく、かつ、カーブごとに操舵の仕方を変化させるという、運転者の操舵の技量に応じた特徴に基づく運転者の技量判定を実施することが可能となった。
さらに、舵角比設定手段としての舵角比設定装置26において、判定された運転技量が高いほど、道路線形が示す曲率半径Rに応じて設定される舵角比の最大値と最小値との差異が大きくなるように設定するため、運転技量が高いほど曲率半径Rの変化に対する舵角比変化が大きく、運転技量が低いほど曲率半径Rの変化に対する舵角比変化が緩やかとなる。よって、運転技量の低いドライバには、走行性や操縦安定性の確保された舵角比制御を提供でき、運転技量の高いドライバには操縦感覚に合致した舵角比制御を提供できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ22と、操舵角に対する操向輪の転舵角の比である舵角比の特性を任意に設定する舵角比設定装置26と、を備えた車両用操舵制御装置において、車両の運動状態(ヨーレート)を検出する車両運動検出手段(ヨーレートセンサ21)と、車両運動と操舵角との組み合わせから、運転者の個々のカーブ走行における技量による操舵特性の相違に基づいて、運転技量を判定する運転者技量判定回路25と、を備え、舵角比設定装置26は、運転技量に応じて、舵角比を設定するため、運転特性に則した運転技量を判定できるとともに、運転技量に合致した最適な舵角比制御を行うことができる。
(2) 車両運動検出手段は、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ21であるため、操舵角とヨーレートから簡便に運転者の運転技量が推定可能となる。
(3) 車両の走行位置を検出する走行位置検出手段(ナビゲーション装置20)と、過去の走行における操舵角に対するヨーレートの組み合わせを、走行位置に関連させて走行履歴記憶装置24に記憶する走行履歴管理回路23と、を備え、運転者技量判定回路25は、記憶された特定の走行位置を複数回走行した場合の複数回分の走行履歴における操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一意であるほど、運転者の運転技量が高いと判定するため、熟練したドライバほど同一のカーブにおいてはばらつきの少ない操舵を行うという運転特性に則した運転技量の判定が可能となる。
(4) 走行位置検出手段は、ナビゲーション装置20であるため、新たな装置を開発することなく、既存の装置を用いて走行位置の検出を簡便に実現できる。
(5) 舵角比設定装置26は、判定された運転者の技量が高いほど、道路線形が示す曲率半径Rに応じて設定される舵角比の最大値と最小値との差異が大きくなるように、舵角比を設定するため、運転者の技量に合致した舵角比を提供できる。
まず、構成を説明する。
図8は、実施例2に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。この図において、基本構成は図2として示した実施例1のブロック構成図と同一であり、同符号を付して重複した説明は省略する。
この車両用操舵制御装置は、ナビゲーション装置30、走行履歴管理回路32および運転者技量判定回路34を備えている。また、ナビゲーション装置30は、道路線形検出回路31を備えている。走行履歴管理回路32は、線形類似度判定回路33を備えている。
ナビゲーション装置30は、図1の走行位置検出手段10に対応し、走行履歴管理回路32は、走行履歴管理手段13に対応する。運転者技量判定回路34は、運転者技量判定手段15に対応する。
道路線形検出回路31は、車両前方の道路線形を検出する。線形類似度判定回路33は、カーブの線形を分類し、それぞれの線形に一意な番号を道路線形番号として付与したマップを道路線形マップとして保持する。そして、道路線形検出回路31により検出されたカーブの線形を、道路線形マップに参照し、もっとも当てはまる道路線形の道路線形番号を走行履歴に付与し、走行履歴記憶装置24に保存する。
次に、作用を説明する。
[舵角比設定制御作用]
図9は、実施例2の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この図において、基本的な処理の流れは図3に示す実施例1の処理の流れと同一であり、同符号を付して重複した説明は省略する。
ステップS200では、ナビゲーション装置30の道路線形検出回路31において、車両前方の道路線形を検出し、ステップS101へ移行する。具体的には、図10に示すように、カーブの曲率半径、カーブの中心角、走行車線の幅、カーブの開始ラインおよびカーブの終了ラインを算出する。
ステップS201では、走行履歴管理回路32において、ステップS100からステップS102で検出した車両の走行位置および道路線形と、その時の操舵角と、車両に生じているヨーレートとを関連付け、走行履歴記憶装置24に保存し、ステップS202へ移行する。この際、実施例2では、車両がカーブを走行している場合に特化し、ステップS200の処理においてカーブ走行の区間を検出した場合に、その区間の車両位置を示す緯度および経度と、操舵角と、ヨーレートの時系列変化の履歴とを走行履歴として走行履歴記憶装置24に保存する。
さらに、実施例2においては、走行履歴管理回路32の線形類似度判定回路33おいて、図11に示すように、カーブの線形を分類し、それぞれの線形に一意な番号を道路線形番号として付与したマップを道路線形マップとして保持しており、本処理においては、ステップS200で算出した車両が走行しているカーブの線形を前記道路線形マップに参照し、もっとも当てはまる道路線形の道路線形番号を、前記走行履歴に付与して走行履歴記憶装置24に保存する。
ステップS202では、走行履歴管理回路32において、走行履歴記憶装置24を参照することで運転技量の判定を行うか否かを判定する。具体的には、まず、走行履歴記憶装置24に記憶させた走行履歴において、同じ前記道路線形番号を持つ走行履歴の数をカウントする。カウント数において上位M'種類の道路線形番号を持つ走行履歴の数が全てN'個以上であればYESとしてステップS203へ移行し、N'個に満たない場合にはNOとしてリターンへ移行する。
ステップS203では、運転者技量判定回路34において、運転者の運転技量を判定し、ステップS106へ移行する。運転技量の判定は、走行履歴記憶装置24に記憶された走行履歴に基づいて、以下の3段階の処理を経て行われる。
まず、第1段階では、ステップS201で検出して走行履歴記憶装置24に記憶された走行履歴に基づいて、運転者の技量判定を行う。一般に、カーブの走行において運転技量が熟練するほど、特定のカーブにおいて運転者がステアリングホイールを操舵する操舵角と、車両に発生するヨーレートに、ばらつきが小さくなる傾向がある。そこで、実施例2では、運転者技量判定回路25において、走行履歴記憶装置24に記憶されていて、走行履歴のカウント数において上位M'種類の道路線形番号の中から、任意に一つの道路線形番号について、その道路線形番号を持つ走行履歴に関連して記憶されている操舵角とヨーレートの時系列変化におけるそれぞれの極大値の組(ζsi'j'yi'j'),(i'=1,2,…N',j'は1〜M'の任意の値)を抽出する。さらに、抽出された操舵角とヨーレートのN'組の極大値について分散(σsj'yj')を算出する。本分散の値が小さいほど、運転者の運転技量は高い。
続いて、第2段階では、ステップS201で検出して走行履歴記憶装置24に記憶された操舵角とヨーレートの時系列変化に基づいて、運転者の技量判定を行う。一般に、カーブの走行において運転技量が熟練するほど、運転者がステアリングホイールを操舵した操舵角の極大値と、車両に発生するヨーレートの極大値の組み合わせが同一であれば、同一のカーブを走行している確率が高くなる傾向がある。そこで、実施例2では、運転者技量判定回路25において、走行履歴記憶装置24に記憶されていて、走行履歴のカウント数において上位M'種類の道路線形番号の中から、任意に一つの道路線形番号について、その道路線形番号を持つ走行履歴に関連して記憶されている操舵角とヨーレートの時系列変化におけるそれぞれの極大値の組(ζsi'j'yi'j'),(i'=1,2,…,N',j'=1,2,…,M')を抽出して、カーブごとに平均値(avζsj',avζyj')を、算出する。
Figure 2006111226
さらに、それぞれのカーブの平均値(avζsj',avζyj')間についてマハラノビスの距離dk'l',(k',l'=1,2,…,M')を算出し、距離の全組み合わせについて和算する。本和の値が大きいほど、運転者の運転技量は高い。
Figure 2006111226
第3段階では、第1段階、および、第2段階で算出した各値に基づき、運転者の運転技量を総合的に判定する。例えば、操舵角の分散と距離の和の組(σsj' ,D' )を図5に示すマップに、ヨーレートの分散と平均値の組(σyj' ,D' )を図6に示すマップに参照することで、運転者の運転技量を判定する。操舵角による判定とヨーレートによる判定が異なる場合には、判定結果の悪い方を選択して判定する。運転者の技量が判定されたならば、ステップS106に進む。
以上説明したように、実施例2によれば、走行履歴管理回路32に線形類似度判定回路33を設け、走行している環境における道路線形が、線形類似度判定回路33に所持した道路線形のテンプレートに合致している場合には、車両の操舵角、ヨーレート等の走行履歴を検出して保存するようにしたので、実施例1の効果に加え、日常的に走行する環境のみならず、任意の環境における走行履歴に基づく運転者の運転技量の判定と、その判定に基づく舵角比の提供が可能となった。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(5)に加え、以下の効果が得られる。
(6) ナビゲーション装置30は、車両の走行する位置における道路線形を検出する道路線形検出回路31を備え、運転者技量判定回路34は、記憶された走行位置の道路線形が道路線形検出回路31により検出された場合に、互いに類似した道路線形である複数の走行位置を走行した場合の複数回分の走行履歴に対する操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一意であるほど、運転者の運転技量が高いと判定するため、熟練したドライバほど同一の線形を持つカーブにおいてはばらつきの少ない操舵を行うという運転特性に則した運転技量の判定が可能となる。
(7) 運転者技量判定回路47は、記憶された操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一致する複数の組み合わせを任意に選択した場合に、その組み合わせに関連付けて記憶された走行位置が、特定の走行位置、または特定の走行位置と類似した道路線形である走行位置、である確率が高いほど、運転者の運転技量が高いと判定するため、熟練したドライバほど走行位置、または道路線形に則した操舵を行うという運転特性に則した運転技量の判定が可能となる。
図12は、実施例3に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。この図において、基本構成は図2として示した実施例1のブロック構成図および図8として示した実施例2のブロック構成図と同一であり、同符号を付して重複した説明は省略する。
この車両用操舵制御装置には、走行環境検出回路40、走行履歴管理回路45、運転者技量判定回路47を備えている。また、走行環境検出回路40は、路面状況検出装置41、雨滴センサ42、照度センサ43および温度センサ44を備えている。さらに、走行履歴管理回路45は、記憶条件保持回路46を備えている。
走行環境検出回路40は、図1の走行環境検出手段17に対応し、走行履歴管理回路45は走行履歴管理手段13に対応する。運転者技量判定回路47は運転者技量判定手段15に対応する。
路面状況検出装置41は、路面の凍結等、路面状況を検出する。雨滴センサ42は、降雨の有無を検出する。照度センサ43は、周囲の明るさを検出する。温度センサ44は、周囲の温度を検出する。
走行環境検出回路40は、路面状況検出装置41と、雨滴センサ42と、照度センサ43と、温度センサ44の検出結果から、車両の走行している環境に関する状況を総合的に検出する。
次に、作用を説明する。
[舵角比設定制御処理]
図13は、実施例3の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この図において、基本的な処理の流れは図3に示す実施例1の処理の流れ、および図9に示す実施例2の処理の流れと同一であり、同符号を付して重複した説明は省略する。
ステップS300では、走行環境検出回路40において、車両の走行している環境に関する状況を検出し、ステップ301へ移行する。走行環境検出回路40は、路面状況検出装置41、雨滴センサ42、照度センサ43および温度センサ44の検出結果に基づき、路面が凍結していたり、雨にぬれていたりすることによって、路面に対するタイヤのグリップが落ちている状況や、周囲の明るさを、これらセンサ類を用いて総合的に検出する。実施例3における走行環境検出回路40おいては、路面状況を{乾燥,ウエット,凍結}の3種類のいずれかに分類し、また、周囲の明るさを{昼,夕方,夜}の3種類のいずれかに分類して出力するものとする。
ステップS301では、走行履歴管理回路45において、ステップS100からステップS102で検出した車両の走行位置と、その時の操舵角、車両に生じているヨーレートと、ステップS200で検出した道路線形と、さらに、ステップS300で検出した路面状況と周囲の明るさとを関連付け、走行履歴記憶装置24に保存し、ステップS302へ移行する。この際、実施例3では、車両がカーブを走行している場合に特化し、ステップS200の処理においてカーブ走行の区間を検出した場合に、その区間の車両位置を示す緯度および経度と、操舵角、ヨーレートの時系列変化と、その時々の路面状況と周囲の明るさを走行履歴として計測する。
一方、走行履歴管理回路45には、記憶条件保持回路46が備わっているが、ここには、前記走行履歴を走行履歴記憶装置24に記憶するか否かを判断するための条件が記憶条件として保持されている。記憶条件は、例えば図14に示すように、道路線形と周囲の明るさと路面状況に関する条件が複数個(例えば、M''個)列挙されており、前記走行履歴が前記記憶条件を満たしている場合には、前記走行履歴を走行履歴記憶装置24に記憶する。
ステップS302では、走行履歴管理回路45において、走行履歴記憶装置24を参照し、M''個の記憶条件のそれぞれについて、走行履歴がN''個に達しているか否かを判定する。走行履歴がN''個に達していればステップS303へ移行し、走行履歴がN''個に達していなければ、リターンへ移行する。
ステップS303では、運転者技量判定回路25において、運転者の運転技量を判定し、ステップS106へ移行する。運転技量の判定は、走行履歴記憶装置24に記憶された走行履歴に基づいて、以下の3段階の処理を経て行われる。
まず、第1段階では、ステップS301において走行履歴記憶装置24に記憶された走行履歴に基づいて、運転者の技量判定を行う。一般に、運転技量が熟練するほど、特定の道路線形、および、走行環境においては、運転者がステアリングホイールを操舵する操舵角と、車両に発生するヨーレートに、ばらつきが小さくなる傾向がある。そこで、実施例3では、運転者技量判定回路47において、複数の記憶条件から任意に一つの記憶条件を選択し、その記憶条件を満たす走行履歴記憶装置24に記憶された走行履歴として記憶されている操舵角とヨーレートの時系列変化におけるそれぞれの極大値の組(ζsi''j''yi''j''),(i''=1,2,…N'',j''は1〜M''の任意の値)を抽出する。さらに、抽出された操舵角とヨーレートのN''組の極大値について分散(σsj''yj'')を算出する。本分散の値が小さいほど、運転者の運転技量は高い。
続いて、第2段階では、ステップS301で検出して走行履歴記憶装置24に記憶された操舵角とヨーレートの時系列変化に基づいて、運転者の技量判定を行う。一般に、運転技量が熟練するほど、運転者がステアリングホイールを操舵した操舵角の極大値と、車両に発生するヨーレートの極大値の組み合わせが同一であれば、同一の道路線形、および、同一の走行環境を走行している確率が高くなる傾向がある。そこで実施例3では、運転者技量判定回路47において、M''個の記憶条件の中から、任意に一つの記憶条件を選択し、その記憶条件を満たして走行履歴記憶装置24に記憶されている走行履歴の操舵角とヨーレートの時系列変化におけるそれぞれの極大値の組(ζsi''j''yi''j''),(i''=1,2,…,N'',j''=1,2,…,M'')を抽出して、カーブごとに平均値(avζsj",avζyj")を算出する。
Figure 2006111226
さらに、それぞれのカーブの平均値間(avζsj",avζyj")についてマハラノビスの距離dk"l"(k'',l''=1,2,…,M'')を算出し、距離の全組み合わせについて和算する。本和の値が大きいほど、運転者の運転技量は高い。
Figure 2006111226
第3段階では、第1段階および第2段階で算出した各値に基づき、運転者の運転技量を総合的に判定する。例えば、操舵角の分散と距離の和の組(σsj'' ,D'')を図5に示すマップに、ヨーレートの分散と距離の和の組(σyj'' ,D'')を図6に示すマップに参照することで、運転者の運転技量を判定する。操舵角による判定とヨーレートによる判定が異なる場合には、判定結果の悪い方を選択して判定する。運転者の技量が判定されたならば、ステップS106へ移行する。
以上説明したように、実施例3によれば、路面状況検出装置41、雨滴センサ42、照度センサ43および温度センサ44を備えた、走行環境検出手段としての走行環境検出回路40によって、走行している路面の状態と周囲の明るさを検出し、また、記憶条件保持回路46を備えた走行履歴管理手段としての走行履歴管理回路45において、先述の走行環境の状態と道路線形が所定の条件を満たしているか否かの判定を行い、条件を満たしていれば、操舵角およびヨーレートの時系列データを走行履歴として記憶するようにし、さらに、運転者技量判定回路47において、条件ごとに記憶された走行履歴から、個々の条件に対応する操舵角とヨーレートの極大値の分散(σsj''yj'')と平均値(avζsj",avζyj")および条件間の平均値の距離Dを算出するようにしたので、実施例1および実施例2の効果に加え、運転が熟練するほど運転環境が同一条件であった場合の操舵のばらつきが少なく、かつ、条件によって操舵の仕方を変化させるという、運転者の操舵の技量に応じた特徴に基づく運転者の技量判定を実施することが可能となった。これにより、より運転者の運転技量に合致した舵角比を提供することが可能となった。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(5)、実施例2の効果(6),(7)に加え、下記の効果が得られる。
(8) 路面状況検出装置41、雨滴センサ42、照度センサ43および温度センサ44を備え、車両が走行している時の路面状況、気象状況または昼夜状況を車両の走行環境として検出する走行環境検出回路40を備え、走行履歴管理回路45は、過去の走行における操舵角に対するヨーレートの組み合わせを、走行位置と走行環境とに関連させて走行履歴記憶装置24に記憶させ、運転者技量判定回路47は、記憶された特定の走行位置とその時の走行環境、または特定の走行経路に類似した道路線形である走行位置とその時の走行環境を、複数回走行した場合の走行履歴における操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一意であるほど、運転者の操舵技量が高いと判定するため、走行環境の状況も考慮した上で、熟練したドライバほど状況に即した操舵を行い、かつ、熟練したドライバほど同一の状況においてはばらつきの少ない操舵を行うという運転特性に則した運転技量の判定が可能となる。
図15は、実施例4に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。この図において、基本構成は図2として示した実施例1のブロック構成図、および、図8として示した実施例2のブロック構成図と同一であり、同符号を付して重複した説明は省略する。
この車両用操舵制御装置は、走行履歴管理回路50、運転者技量判定回路51を備えている。運転者技量判定回路51は、線形類似度判定回路52を備えている。走行履歴管理回路50は、図1の走行履歴管理手段13に対応する。運転者技量判定回路51は運転者技量判定手段15に対応する。
線形類似度判定回路52は、走行履歴記憶装置24に走行履歴として記憶されているカーブ区間における、カーブの曲率半径、カーブの中心角および走行車線の幅について、類似の有無を判定する。
次に、作用を説明する。
[舵角比設定制御処理]
図16は、実施例4の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この図において、基本的な処理の流れは図3に示す実施例1の処理の流れ、および、図9に示す実施例2の処理の流れと同一であり、同符号を付して重複した説明は省略する。
ステップS400では、走行履歴管理回路50において、ステップS100からステップS102で検出した車両の走行位置、および、道路線形と、その時の操舵角、および、車両に生じているヨーレートを関連付け、走行履歴記憶装置24に保存し、ステップS401へ移行する。この際、実施例4では、車両がカーブを走行している場合に特化し、ステップS200の処理においてカーブ走行の区間を検出した場合に、その区間の車両位置を示す緯度、および、経度と、操舵角、ヨーレートの時系列変化の履歴を走行履歴として走行履歴記憶装置24に保存する。なお、実施例4においては、車両位置、および、道路線形と、操舵角、ヨーレートの履歴の収集は、特定のカーブ区間のみではなく、走行経路における全てのカーブ区間に対して収集する。
ステップS401では、走行履歴記憶装置24を参照することで車両走行の回数をカウントし、走行回数がN(4)回に達しているか否かを判定する。実施例4における走行回数は、車両が既定の出発地を出発してから既定の目的地に到達するまでの走行を1回とする。車両が目的地に到達した時点で走行回数がN(4)回に達していればYESとしてステップS402へ移行し、走行回数がN(4)回に達していなければNOとしてリターンへ移行する。
ステップS402では、運転者技量判定回路51において、運転者の運転技量の判定を実施するために必要となる道路線形の形状を、走行履歴記憶装置24を参照することで選択し、ステップS403へ移行する。通常、出発地から目的地に到達するまでの経路には、複数のカーブが含まれている。そこで、実施例4においては、運転技量の判定を実施する道路線形をカーブとし、経路上に存在する複数のカーブ区間からM(4)個のカーブ区間を選択する。この際、選択されたカーブ区間の道路線形が極度には類似していない方が望ましい。そこで、運転者技量判定回路51の線形類似度判定回路51によって道路線形が類似していないカーブ区間を選択することとする。なお、線形類似度判定回路51における道路線形の類似の判定は、ステップS200で算出して走行履歴記憶装置24に走行履歴として記録されているカーブ区間における、カーブの曲率半径、カーブの中心角、走行車線の幅について、類似の有無を判定するものとする。
ステップS403では、運転者技量判定回路51において、ステップS402で選択したM(4)個のカーブ区間をN(4)回走行した走行履歴に基づいて、運転者の運転者技量を判定し、ステップS403へ移行する。実施例4においては、以下の処理を経て、運転者の技量を判定する。
まず、各カーブ区間における操舵角とヨーレートの時系列データについて、極大値の組(ζsi (4) j (4)yi (4) j (4)),(i(4)=1,2,…N(4),j(4)=1,2,…M(4))を算出する。続いて、求めた操舵角とヨーレートの極大値の組、全N(4)×M(4)個のデータに対して、クラスター分析を実施する。特に、実施例4においては、公知のクラスター分析手法であるISODATAを用いる。ISODATAは教師無し分類手法のひとつであり、類似したデータの集合であるクラスを構築する過程において、暫定的に構築したクラスの分割と結合を繰り返すことによって、最終的に、最適なクラスの集合を発見的に構成する手法である。実施例4ではISODATAを適用し、実施例4で用意した全N(4)×M(4)個のデータをクラスター分析した上で、構築されたクラスの数を求める。一般に、運転技量が熟練するほど、個々の道路線形に即した、操舵角とヨーレートによって運転する傾向があり、すなわち、走行経路にM(4)個のカーブ区間が存在したならば、熟練したドライバにおいてはM(4)個に近いクラスが構成されることになる。そこで、実施例4においては、運転者技量判定回路51に図17に示す技量判定マップを保持し、構成されたクラスの数を本技量判定マップに参照することによって、運転者の運転技量を判定する。運転者の技量が判定されたならば、ステップS106に進む。
以上説明したように、実施例4によれば、線形類似度判定回路52を備えた運転者技量判定手段としての運転者技量判定回路51において、類似しない道路線形を複数個選択し、選択された道路線形における操舵角とヨーレートをクラスター分析して、生成されたクラスの数によって運転者の技量を判定するようにしたので、実施例1〜実施例3の効果に加え、より簡便かつ正確に運転者の運転技量の判定が可能となった。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(5)に加え、以下の効果が得られる。
(9) 運転者技量判定回路51は、記憶された特定の走行位置、または特定の走行経路に類似した道路線形である走行位置を、複数回走行した場合の走行履歴における操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせをクラスター分析した際に生成される複数個のクラスのうち、同一クラスに分類された操舵角の極大値およびヨーレートの極大値それぞれの類似度が高く、かつ、異なるクラスに分類された操舵角の極大値およびヨーレートの極大値それぞれの非類似度が高いほど、運転者の運転技量が高いと判定するため、実施例1〜3に対し、より簡便かつ正確な運転技量の判定が可能となる。
(他の実施例)
以上、本発明の実施の形態を、実施例1〜4に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例3では、走行環境検出手段として、路面状況検出装置41、雨滴センサ42、照度センサ43および温度センサ44を備えた走行環境検出回路40を設けた例を示したが、走行環境検出手段は、路面状況、気象状況または昼夜状況の少なくとも1つを走行環境として検出すれば良い。
本発明の実施の形態に係る車両用運転支援装置を示す図である。 実施例1に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。 実施例1の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1におけるカーブ区間の決定方法を説明する説明図である。 実施例1における運転技量の決定方法を説明する説明図である。 実施例1における運転技量の決定方法を説明する説明図である。 実施例1における舵角比の決定方法を説明する説明図である。 実施例2に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。 実施例2の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2におけるカーブの線形を説明する説明図である。 実施例2における線形類似度判定回路に収められた情報を説明する説明図である。 実施例3に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。 実施例3の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3における走行履歴記憶装置に収められた情報を説明する説明図である。 実施例4に係る車両用操舵制御装置のブロック構成図である。 実施例4の舵角比設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4における運転技量の決定方法を説明する説明図である。 運転者の技量による操舵行動の相違を説明する説明図である。
符号の説明
10 走行位置検出手段
11 車両運動検出手段
12 操舵角検出手段
13 走行履歴管理手段
14 走行履歴記憶手段
15 運転者技量判定手段
16 舵角比設定手段
17 走行環境検出手段
20 ナビゲーション装置
21 ヨーレートセンサ
22 操舵角センサ
23 走行履歴管理回路
24 走行履歴記憶装置
25 運転者技量判定回路
26 舵角比設定装置

Claims (9)

  1. ステアリング操作手段の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角に対する操向輪の転舵角の比である舵角比の特性を任意に設定する舵角比設定手段と、
    を備えた車両用操舵制御装置において、
    車両の運動状態を検出する車両運動検出手段と、
    前記車両運動と前記操舵角との組み合わせから、運転者の個々のカーブ走行における技量による操舵特性の相違に基づいて、運転技量を判定する運転者技量判定手段と、
    を備え、
    前記舵角比設定手段は、前記運転技量に応じて、舵角比を設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記車両運動検出手段は、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサであることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
    車両の走行位置を検出する走行位置検出手段と、
    過去の走行における前記操舵角に対する前記ヨーレートの組み合わせを、前記走行位置に関連させて走行履歴記憶手段に記憶する走行履歴管理手段と、
    を備え、
    前記運転者技量判定手段は、記憶された特定の走行位置を複数回走行した場合の複数回分の走行履歴における操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一意であるほど、運転者の運転技量が高いと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記走行位置検出手段は、車両の走行する位置における道路線形を検出する道路線形検出手段を備え、
    前記走行履歴管理手段は、過去の走行における前記操舵角に対する前記ヨーレートの組み合わせを、前記走行位置と前記道路線形とに関連させて走行履歴記憶手段に記憶させ、
    前記運転者技量判定手段は、記憶された走行位置の道路線形が前記道路線形検出手段により検出された場合に、互いに類似した道路線形である複数の走行位置を走行した場合の複数回分の走行履歴に対する操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一意であるほど、運転者の運転技量が高いと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記走行位置検出手段は、ナビゲーション装置であることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記舵角比設定手段は、判定された運転者の運転技量が高いほど、前記道路線形が示す曲率半径に応じて設定される舵角比の最大値と最小値との差異が大きくなるように、前記舵角比を設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記運転者技量判定手段は、記憶された操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一致する複数の組み合わせを任意に選択した場合に、その組み合わせに関連付けて記憶された走行位置が、特定の走行位置または特定の走行位置と類似した道路線形である走行位置、である確率が高いほど、運転者の運転技量が高いと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  8. 請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    車両が走行している時の路面状況、気象状況または昼夜状況の少なくとも1つを車両の走行環境として検出する走行環境検出手段を備え、
    前記走行履歴管理手段は、過去の走行における前記操舵角に対する前記ヨーレートの組み合わせを、前記走行位置と前記走行環境とに関連させて前記走行履歴記憶手段に記憶させ、
    前記運転者技量判定手段は、記憶された特定の走行位置とその時の走行環境、または特定の走行経路に類似した道路線形である走行位置とその時の走行環境を、複数回走行した場合の走行履歴における操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせが一意であるほど、運転者の操舵技量が高いと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  9. 請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記運転者技量判定手段は、記憶された特定の走行位置、または特定の走行経路に類似した道路線形である走行位置を、複数回走行した場合の走行履歴における操舵角の極大値と、その時のヨーレートの極大値との組み合わせをクラスター分析した際に生成される複数個のクラスのうち、同一クラスに分類された操舵角の極大値およびヨーレートの極大値それぞれの類似度が高く、かつ、異なるクラスに分類された操舵角の極大値およびヨーレートの極大値それぞれの非類似度が高いほど、運転者の運転技量が高いと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
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