JP2006111136A - ランフラットタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させ、かつ、タイヤの軽量化を図るランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】 本発明に係るランフラットタイヤ1は、カーカス層12のタイヤ径方向内側に配置され、タイヤ幅方向断面において三日月状のゴムストックからなるサイドウォール補強層13と、一方向にのみ配列されたスチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されたスチールベルト補強層14と、互いに交差する3つの軸方向に沿って配列されるコード15X,15Y,15Zを互いに織り合わせた3軸織物15Aにゴム成分が含浸されることによって構成されたコード補強層15と、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けられるコードにゴム成分が含浸されることによって構成された周方向補強層16とを備えることを要旨とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明に係るランフラットタイヤ1は、カーカス層12のタイヤ径方向内側に配置され、タイヤ幅方向断面において三日月状のゴムストックからなるサイドウォール補強層13と、一方向にのみ配列されたスチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されたスチールベルト補強層14と、互いに交差する3つの軸方向に沿って配列されるコード15X,15Y,15Zを互いに織り合わせた3軸織物15Aにゴム成分が含浸されることによって構成されたコード補強層15と、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けられるコードにゴム成分が含浸されることによって構成された周方向補強層16とを備えることを要旨とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させ、かつ、タイヤの軽量化を図るランフラットタイヤに関する。
従来、スチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されたベルト層(スチールベルト補強層)と、タイヤ幅方向断面において三日月状のゴムストックからなり、サイドウォールを補強するサイドウォール補強層とを備えるランフラットタイヤが知られている。
このランフラットタイヤに横力が加わると、ベルト層が曲げられてタイヤ赤道線側に向かって圧縮力が働く。この圧縮力により、ベルト層にバックリング(波状変形)が発生して、ランフラットタイヤと路面との接地面が、当該路面から周期的に浮き上がってしまう。
このバックリングを抑制する手法として、例えば、上述したスチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されたベルト層を複数重ね合わせた手法が開示されている(例えば、特許文献1)。これにより、バックリングが抑制されるため、操縦安定性が向上される。
また、ウィンター用ランフラットタイヤにおいても、スチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されたベルト層を複数重ね合わせることによって、氷上・雪上での操縦安定性が確保される。
特開2001−199203号公報(第2−3頁、第3図)
しかしながら、上述したランフラットタイヤでは、トレッド部の剛性を効率よく高めて操縦安定性を向上させる反面、スチールコードを含むベルト層が複数重ね合わせられているため、タイヤ重量が増加する問題については、さらに改善の余地があった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させ、かつ、タイヤの軽量化を図るランフラットタイヤを提供することを目的とする。
上述した状況に基づいて、発明者らは、ランフラットタイヤに発生するバックリングと、パンク状態でも一定の距離を走行可能なランフラット耐久性、操縦安定性等について分析した。この結果、バックリングが発生することに着目したランフラットタイヤでは、ランフラット耐久性及び操縦安定性等の向上ついて不十分であった。そのため、タイヤショルダー側への引っ張り力による引っ張り変形に着目し、3軸織物を含むコード補強層を備えるランフラットタイヤにすることにより、ランフラット耐久性及び操縦安定性等が向上することが判明した。
そこで、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、カーカス層(カーカス層12)のタイヤ径方向内側に配置され、タイヤ幅方向断面において三日月状のゴムストックからなり、サイドウォール(サイドウォール17S)を補強するサイドウォール補強層(サイドウォール補強層13)と、カーカス層のタイヤ径方向外側に配置され、一方向にのみ配列されたスチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されたスチールベルト補強層(スチールベルト補強層14)と、スチールベルト補強層のタイヤ径方向外側に配置され、互いに交差する3つの軸方向に沿って配列されるコード(コード15X,15Y,15Z)を互いに織り合わせた3軸織物(3軸織物15A)にゴム成分が含浸されることによって構成されたコード補強層(コード補強層15)と、コード補強層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けられるコードにゴム成分が含浸されることによって構成された周方向補強層(周方向補強層16)とを備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、3軸織物を含むコード補強層が用いられていることにより、ベルト層に発生するバックリングを、タイヤショルダー側への引っ張り力による引っ張り変形によって抑制することができ、ランフラットタイヤと路面との接地面が、当該路面から浮き上がってしまうことを防止することができるため、ランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させることができる。
また、コード補強層のタイヤ径方向外側に周方向補強層が配置されていることにより、3軸方向に織られた繊維などにおいて発生するフレッティング(摩擦)を抑制することができるため、コード補強層の耐久性をさらに向上させることができる。
また、コード補強層及び周方向補強層が用いられていることにより、上述したようにランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させるとともに、従来複数(2層以上)重ね合わせたスチールベルト補強層を減らすことができ、タイヤの軽量化を図ることができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、コード補強層の幅が、スチールベルト補強層の幅よりも狭いことを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、3軸織物に含浸されるゴム成分の弾性率は、スチールベルト補強層に用いられるスチールコード又は周方向補強層に用いられるコードに含浸されるゴム成分と比較して、20%以上高いことを要旨とする。
かかる特徴によれば、3軸織物に含浸されるゴム成分の弾性率は、スチールベルト補強層に用いられるスチールコード又は周方向補強層に用いられるコードに含浸されるゴム成分と比較して、20%以上高いことにより、より効果的に操縦安定性を向上させることができ、さらに乗り心地性を向上させることができる。
本発明によれば、ランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させ、かつ、タイヤの軽量化を図るランフラットタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係るランフラットタイヤの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(ランフラットタイヤの構成)
図1は、本実施形態に係るランフラットタイヤ1の一部分解斜視図である。図1に示すように、ランフラットタイヤ1は、ホイールのリム部(不図示)に接触するビードコア11a及びビードフィラー11bを含む1対のビード部11を有している。具体的には、ビード部11を構成するビードコア11aには、スチールコードなどが用いられる。
図1は、本実施形態に係るランフラットタイヤ1の一部分解斜視図である。図1に示すように、ランフラットタイヤ1は、ホイールのリム部(不図示)に接触するビードコア11a及びビードフィラー11bを含む1対のビード部11を有している。具体的には、ビード部11を構成するビードコア11aには、スチールコードなどが用いられる。
また、ランフラットタイヤ1は、当該ランフラットタイヤ1の骨格となるカーカス層12を有している。また、カーカス層12の径方向内側には、サイドウォール17Sを補強するサイドウォール補強層13が配置されている。
また、カーカス層12のタイヤ径方向外側には、3層のベルト層(スチールベルト補強層14、コード補強層15及び周方向補強層16)が配置されている。
また、周方向補強層16のタイヤ径方向外側には、路面と接地するトレッド部17が配置されている。
次に、図2を参照して、上述したサイドウォール補強層13、スチールベルト補強層14、コード補強層15及び周方向補強層16について簡単に説明する。図2は、ランフラットタイヤ1のタイヤ幅方向の断面図である。
図2に示すように、カーカス層12のタイヤ径方向内側に配置されているサイドウォール補強層12は、タイヤ幅方向断面において三日月状のゴムストックによって構成されている。
また、カーカス層12のタイヤ径方向外側に配置されているスチールベルト層14は、一方向にのみ配列されたスチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されている。
また、カーカス層12のタイヤ径方向外側に配置されているコード補強層15は、互いに交差する3つの軸方向に沿って配列されるコードを互いに織り合わせた3軸織物にゴム成分が含浸されることによって構成されている。
また、コード補強層15のタイヤ径方向外側に配置されている周方向補強層16は、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けられるコードにゴム成分が含浸されることによって構成されている。
次に、図3を参照して、上述したコード補強層15を構成する3軸織物15Aについて簡単に説明する。図3は、ランフラットタイヤ1におけるコード補強層15の拡大平面図である。
図3に示すように、コード補強層15を構成する3軸織物15Aは、同一平面内で、X軸に沿って配列されたコード15Xと、Y軸に沿って配列されたコード15Yと、Z軸に沿って配列されたコード15Zとを互いに織り合わせたものである。各コード(15X、15Y及び15Z)は、その交差部において、上下にかつ互い違いに順次交差している。
ここで、3軸織物15Aに含浸されるゴム成分の弾性率は、スチールベルト補強層14に用いられるスチールコード又は周方向補強層16に用いられるコードに含浸されるゴム成分と比較して、20%以上高いことが好ましい。
また、Y軸及びZ軸は、X軸に対して60°以下の角度をなすように構成されていることが好ましい。また、コード補強層15は、X軸がタイヤ周方向に沿うように配置されることが好ましい。
なお、各コード(13X、13Y及び13Z)の材料としては、何れの材料を用いてもよいが、重量や強度の面で、有機繊維(例えば、芳香族ポリアミド繊維、脂肪酸ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゼンオキサゾール繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維又は炭素繊維)、無機繊維(例えば、ガラス繊維)、又は、金属繊維(例えば、スチールワイヤー)が用いられることが好ましく、また、これらを織り合わせたものを用いてもよい。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の比較例及び実施例に係るランフラットタイヤを用いて行った試験結果について説明する。
まず、通常のランフラットタイヤを用いて行った試験について説明する。表1は、比較例1及び実施例1に係る通常のランフラットタイヤのタイヤサイズ、ベルト構造を示すものである。
表1に示すように、比較例1に係るランフラットタイヤのサイズは、“215/45ZR17”である。すなわち、タイヤ幅が約215mmであり、扁平率(タイヤ幅に対するタイヤ断面高さの比)が約45%であり、リム径が17インチである。また、比較例1に係るランフラットタイヤは、スチールコードによって構成されているベルト層を2層有している。
実施例1に係るランフラットタイヤのサイズは、“215/45ZR17”である。すなわち、上述した比較例1に係るランフラットタイヤと同一である。また、実施例1に係るランフラットタイヤは、スチールコードによって構成されているベルト層を2層と、互いに交差する3つの軸方向に沿って配列するコードを互いに織り合わせた3軸織物にゴム成分が含浸されることによって構成されているコード補強層とを2層有している。
次に、上述した比較例1及び実施例1に係るランフラットタイヤがパンク状態でも一定の距離を走行可能なランフラット耐久性について説明する。表2は、比較例1及び実施例1に係るランフラットタイヤのランフラット耐久性の試験結果を示すものである。
<ランフラット耐久性>
荷重425kg、内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1及び実施例1に係るランフラットタイヤを室内に設置されたランフラットドラムにて、一定の速度で転動させ、比較例1に係るランフラットタイヤが走行可能な距離の指数を“100”とし、実施例1に係るランフラットタイヤの走行可能な距離を相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、パンク状態における走行可能な距離が長く、いわゆるランフラット耐久性に優れている。
荷重425kg、内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1及び実施例1に係るランフラットタイヤを室内に設置されたランフラットドラムにて、一定の速度で転動させ、比較例1に係るランフラットタイヤが走行可能な距離の指数を“100”とし、実施例1に係るランフラットタイヤの走行可能な距離を相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、パンク状態における走行可能な距離が長く、いわゆるランフラット耐久性に優れている。
この結果、実施例1に係るランフラットタイヤの走行可能な距離の指数が“280”であった。すなわち、本発明が適用された実施例1に係るランフラットタイヤは、比較例1に係るランフラットタイヤに比べ、パンク状態における走行可能な距離が長く、ランフラット耐久性に優れていると評価した。
次に、ウィンター用ランフラットタイヤを用いて行った試験について説明する。表3は、比較例1、比較例2及び実施例1に係るウィンター用ランフラットタイヤのタイヤサイズ、ベルト構造を示すものである。
表3に示すように、比較例1に係るランフラットタイヤのサイズは、“245/40R18”である。すなわち、タイヤ幅が約245mmであり、扁平率(タイヤ幅に対するタイヤ断面高さの比)が約40%であり、リム径が18インチである。また、比較例1に係るランフラットタイヤは、スチールコードによって構成されているベルト層を2層有している。
比較例2に係るランフラットタイヤのサイズは、“245/40R18”である。すなわち、上述した比較例1に係るランフラットタイヤと同一である。また、比較例2に係るランフラットタイヤは、スチールコードによって構成されているベルト層を3層有している。
実施例1に係るランフラットタイヤのサイズは、“245/40R18”である。すなわち、上述した比較例1及び比較例2に係るランフラットタイヤと同一である。また、実施例1に係るランフラットタイヤは、スチールコードによって構成されているベルト層を2層と、互いに交差する3つの軸方向に沿って配列するコードを互いに織り合わせた3軸織物にゴム成分が含浸されることによって構成されているコード補強層とを2層有している。
次に、上述した比較例1、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤのランフラット耐久性、雪上操縦性、氷上旋回性、タイヤ重量、内圧時縦バネについて説明する。表2は、比較例1及び実施例1に係るランフラットタイヤのランフラット耐久性、雪上操縦性、氷上旋回性、タイヤ重量、内圧時縦バネの試験結果を示すものである。
<ランフラット耐久性>
荷重530kg、内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤを室内に設置されたランフラットドラムにて、一定の速度で転動させ、比較例1に係るランフラットタイヤが走行可能な距離の指数を“100”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの走行可能な距離を相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、パンク状態における走行可能な距離が長く、いわゆるランフラット耐久性に優れている。
荷重530kg、内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤを室内に設置されたランフラットドラムにて、一定の速度で転動させ、比較例1に係るランフラットタイヤが走行可能な距離の指数を“100”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの走行可能な距離を相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、パンク状態における走行可能な距離が長く、いわゆるランフラット耐久性に優れている。
この結果、比較例2に係るランフラットタイヤの走行可能な距離の指数が“170”であり、実施例1に係るランフラットタイヤの走行可能な距離の指数が“180”であった。すなわち、本発明が適用された実施例1に係るランフラットタイヤは、比較例1及び比較例2に係るランフラットタイヤに比べ、パンク状態における走行可能な距離が長く、ランフラット耐久性に優れていると評価した。
<雪上操縦性>
荷重が4名乗車相当、後輪の右側以外の内圧230Pa、後輪の右側のみ内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤを標準リム(8JJ×18)に組み、テスト用車輌(4292cc)に装着して、雪上のテストコースにおいて、比較例1に係るランフラットタイヤの操縦性(ハンドル操作性能)の指数を“0”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの操縦性をプロドライバーにて相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、雪上操縦性に優れている。
荷重が4名乗車相当、後輪の右側以外の内圧230Pa、後輪の右側のみ内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤを標準リム(8JJ×18)に組み、テスト用車輌(4292cc)に装着して、雪上のテストコースにおいて、比較例1に係るランフラットタイヤの操縦性(ハンドル操作性能)の指数を“0”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの操縦性をプロドライバーにて相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、雪上操縦性に優れている。
この結果、比較例2に係るランフラットタイヤの操縦性の指数が“+2”であり、実施例1に係るランフラットタイヤの操縦性の指数が“+2.5”であった。すなわち、本発明が適用された実施例1に係るランフラットタイヤは、比較例1及び比較例2に係るランフラットタイヤに比べ、雪上操縦性に優れていると評価した。
<氷上旋回性>
荷重が4名乗車相当、後輪の右側以外の内圧230Pa、後輪の右側のみ内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤを標準リム(8JJ×18)に組み、テスト用車輌(4292cc)に装着して、氷上のテストコースにおいて、比較例1に係るランフラットタイヤの旋回性(直進から旋回する能力)の指数を“0”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの旋回性をプロドライバーにて相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、氷上旋回性に優れている。
荷重が4名乗車相当、後輪の右側以外の内圧230Pa、後輪の右側のみ内圧0Pa(いわゆる、パンク状態)の条件で、比較例1、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤを標準リム(8JJ×18)に組み、テスト用車輌(4292cc)に装着して、氷上のテストコースにおいて、比較例1に係るランフラットタイヤの旋回性(直進から旋回する能力)の指数を“0”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの旋回性をプロドライバーにて相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、氷上旋回性に優れている。
この結果、比較例2に係るランフラットタイヤの旋回性の指数が“+2”であり、実施例1に係るランフラットタイヤの旋回性の指数が“+2.5”であった。すなわち、本発明が適用された実施例1に係るランフラットタイヤは、比較例1及び比較例2に係るランフラットタイヤに比べ、氷上旋回性に優れていると評価した。
<タイヤ重量>
比較例1に係るランフラットタイヤの転がり抵抗の指数を“100”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの転がり抵抗を相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、タイヤ重量が大きい。
比較例1に係るランフラットタイヤの転がり抵抗の指数を“100”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの転がり抵抗を相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、タイヤ重量が大きい。
この結果、比較例2に係るランフラットタイヤの転がり抵抗の指数が“108”であり、実施例1に係るランフラットタイヤの転がり抵抗の指数が“107”であった。すなわち、本発明が適用された実施例1に係るランフラットタイヤは、比較例2に係るランフラットタイヤに比べ、タイヤ重量が小さいと評価した。
<内圧時縦バネ>
比較例1に係るランフラットタイヤの内圧時における縦バネ(タイヤ縦方向の弾力性)の指数を“100”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの内圧時における縦バネを相対値で評価した。なお、指数が小さいほど、乗り心地性が良好である。
比較例1に係るランフラットタイヤの内圧時における縦バネ(タイヤ縦方向の弾力性)の指数を“100”とし、比較例2及び実施例1に係るランフラットタイヤの内圧時における縦バネを相対値で評価した。なお、指数が小さいほど、乗り心地性が良好である。
この結果、比較例2に係るランフラットタイヤの縦バネの指数が“114”であり、実施例1に係るランフラットタイヤの縦バネの指数が“104”であった。すなわち、本発明が適用された実施例1に係るランフラットタイヤは、比較例2に係るランフラットタイヤに比べ、乗り心地性が良好であると評価した。
(ランフラットタイヤの作用・効果)
以上説明した本実施形態に係るランフラットタイヤ1によれば、3軸織物15Aを含むコード補強層15が用いられていることにより、ベルト層(スチールベルト補強層14、コード補強層15及び周方向補強層16)に発生するバックリングを、タイヤショルダー側への引っ張り力による引っ張り変形によって抑制することができ、ランフラットタイヤ1と路面との接地面が、当該路面から浮き上がってしまうことを防止することができるため、ランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させることができる。
以上説明した本実施形態に係るランフラットタイヤ1によれば、3軸織物15Aを含むコード補強層15が用いられていることにより、ベルト層(スチールベルト補強層14、コード補強層15及び周方向補強層16)に発生するバックリングを、タイヤショルダー側への引っ張り力による引っ張り変形によって抑制することができ、ランフラットタイヤ1と路面との接地面が、当該路面から浮き上がってしまうことを防止することができるため、ランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させることができる。
また、コード補強層15のタイヤ径方向外側に周方向補強層16が配置されていることにより、3軸方向に織られた繊維などにおいて発生するフレッティング(摩擦)を抑制することができるため、コード補強層15の耐久性をさらに向上させることができる。
また、コード補強層15及び周方向補強層16が用いられていることにより、上述したようにランフラット耐久性及び操縦安定性を向上させるとともに、従来複数(2層以上)重ね合わせたスチールベルト補強層を減らすことができ、タイヤの軽量化を図ることができる。
また、3軸織物15Aに含浸されるゴム成分の弾性率は、スチールベルト補強層に用いられるコード又は周方向補強層に用いられるスチールコードに含浸されるゴム成分と比較して、20%以上高いことにより、より効果的に操縦安定性を向上させることができ、さらに乗り心地性を向上させることができる。
1…ランフラットタイヤ、11…ビード部、11a…ビードコア、11b…ビードフィラー、12…カーカス層、13…サイドウォール補強層、14…スチールベルト補強層、15…コード補強層、15A…3軸織物、15X,15Y,15Z…コード、16…周方向補強層、17…トレッド部、17S…サイドウォール
Claims (3)
- カーカス層のタイヤ径方向内側に配置され、タイヤ幅方向断面において三日月状のゴムストックからなり、サイドウォールを補強するサイドウォール補強層と、
前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置され、一方向にのみ配列されたスチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成されたスチールベルト補強層と、
前記スチールベルト補強層のタイヤ径方向外側に配置され、互いに交差する3つの軸方向に沿って配列されるコードを互いに織り合わせた3軸織物にゴム成分が含浸されることによって構成されたコード補強層と、
前記コード補強層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けられるコードにゴム成分が含浸されることによって構成された周方向補強層とを備えるランフラットタイヤ。 - 前記コード補強層の幅は、前記スチールベルト補強層の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載のランフラットタイヤ。
- 前記3軸織物に含浸される前記ゴム成分の弾性率は、前記スチールベルト補強層に用いられる前記スチールコード又は前記周方向補強層に用いられる前記コードに含浸される前記ゴム成分と比較して、20%以上高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のランフラットタイヤ。
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Cited By (1)
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CN105813856A (zh) * | 2013-10-28 | 2016-07-27 | 株式会社普利司通 | 缺气保用子午线轮胎 |
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2004
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