JP2006110594A - 難加工材料の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Ti系材料やW系材料を、割れや不均一な加工が起こることなく加工できる難加工材料の加工方法を提供する。
【解決手段】 Ti系材料またはW系材料を加工材とし、この加工材を加工工具にて加工する難加工材料の加工方法であって、加工材と接触する加工工具を150〜600℃に加熱し、加工材の温度も加工工具と同様の温度として加工を行う。加工材自体を加熱するのではなく、加工工具を所定温度に加熱しておき、常温の加工材が加工工具に導入されても、加工工具との接触により加工材を速やかに温間加工域にまで昇温して、割れや不均一加工などの加工不良を抑制する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、Ti系材料やW系材料などの難加工材料の加工方法に関するものである。特に、加工材に割れや不均一加工などの不良が生じにくい難加工材料の加工方法に関するものである。
従来より、ねじの成形には、ヘッダーと呼ばれる加工機が広く用いられている。このヘッダーを用いた成形では、まず用意した線材を所定の長さに切断し、続いて切断された線材の端部を予備成形し、さらに予備成形された線材を仕上成形してねじの頭部を形成している。そして、頭部が形成されたねじブランクに、転造によりねじ山を成形してねじとしている。
一方、近年、ねじに求められる機械的特性の要求が高まり、より軽量で高強度のねじが求められている。そのため、高強度の難加工材料を成形してねじを製造する技術が要望されている。
難加工材料であるマグネシウム材を用いてねじを製造する技術として特許文献1に記載のものがある。この技術は、ねじ加工の際に塑性加工が可能な程度に素材を加熱することが行われている。例えば、特許文献1には、マグネシウム基合金素材を超塑性現象が発現する温度、或いは塑性加工性が大きくなる温度に加熱してねじ加工する技術が記載されている。
その他、タングステンの線材を切断する技術として、(1)砥石で切断する、(2)メタルソーで切断する、(3)冷間にて線材にせん断応力を加えて切断する、といった技術が知られている。
特開2001-269746号公報
しかし、マグネシウム材に限らず、広く他の難加工材料、例えばTi系材料などでも塑性加工によりねじを得ることが求められている。
また、線材を加熱しても塑性加工する際に加工を行うダイスなどが常温であると、そのダイスに接触した線材が冷却され、所定の温間域で加工することができず、その結果、加工材に割れや不均一な加工が生じると言う問題もあった。
一方、タングステン線材の切断技術に関しては、砥石やメタルソーによる切断では切断代が必要で、材料ロスが多い。特に、細線を切断する場合、メタルソーでは刃ピッチにより形成される凹部に線材がはまり込み、切断できないこともある。さらに、冷間でもせん断では線材に割れが発生し、適切な切断を行なうことができない。
そこで、本発明の主目的は、Ti系材料やW系材料を、割れや不均一な加工が起こることなく加工できる難加工材料の加工方法を提供することにある。
本発明は、Ti系材料またはW系材料を加工材とし、この加工材を加工工具にて加工する難加工材料の加工方法であって、加工材と接触する加工工具を150〜600℃に加熱し、加工材の温度も加工工具と同様の温度として加工を行うことを特徴とする。
本発明では、加工材自体を加熱するのではなく、加工工具を所定温度に加熱しておき、常温の加工材が加工工具に導入されても、加工工具との接触により加工材を速やかに温間加工域にまで昇温して、割れや不均一加工などの加工不良を抑制する。
以下、本発明をより詳しく説明する。
まず、本発明方法における加工材は、Ti系材料またはW系材料とする。Ti系材料はTiまたはその合金であり、W系材料はWまたはその合金である。TiにはJISに規定する純Tiがある。Ti合金としては、より具体的には耐食合金(例えばJIS11〜23種)、α合金、Near α合金、α+β合金、β合金などがある。また、β合金に属する超弾塑性型チタン合金「ゴムメタル(登録商標)」も挙げられる。ゴムメタルは、Ti3(Ta,Nb,V)+(Zr,Hf,O)を基本組成とする合金である。一方、Wでは純度99.96%あるいは99.99%以上のタングステン材料や、W合金ではW-(1.6-2.1)%ThO2合金、W-(0.9-1.2)%CeO2合金、W-3%R(Rは希土類元素)などが挙げられる(この%は全て質量%)。
また、上記の加工材の形状は、特に限定されない。例えば、線材や板材が挙げられる。本発明では、加工工具との接触により加工材が加熱されるため、この接触により速やかに加工材全体がほぼ均一に昇温できるような形状・サイズであることが好ましい。線材であれば、その径が10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下の細径線であれば、加工工具との接触により内部までほぼ均一に加熱することが可能である。板材であれば、その幅や加工工具の加熱能力にもよるが、厚さ5mm以下が好適である。
本発明方法における加工には、切断加工や各種塑性加工が含まれる。
例えば、加工が切断加工で、加工工具が加工対象を保持する第1保持ダイスと、この第1保持ダイスで保持された加工対象を第1保持ダイスとのせん断にて切断するカッタとを有する場合が挙げられる。その場合、この加工工具のうち、少なくとも第1保持ダイスを加熱することが好ましい。第1保持ダイスを所定温度に加熱しておけば、加工材が第1保持ダイスに接触することで、第1保持ダイスとほぼ同様の温度にまで昇温される。
塑性加工では、代表的には鍛造加工が挙げられる。より具体的には、ねじやボルト(以下単にねじという)の頭部を成形するヘッダ加工が挙げられる。その際、加工工具は、線状の加工材を保持する第1保持ダイスと、この加工材を第1保持ダイスとのせん断により所定長さに切断するカッタと、所定長さに切断された加工材の端部を突出させて保持する第2保持ダイスと、第2保持ダイスから突出された加工材を加圧して膨出部を予備成形する第1パンチと、予備成形された加工材をさらに加圧してねじの頭部を仕上成形する第2パンチとを有するものが好適に利用される。そして、この加工工具のうち、少なくとも第1保持ダイスおよび第2保持ダイスを加熱することが望ましい。第1・第2保持ダイスを所定温度に加熱しておけば、加工材が保持ダイスに接触することで、保持ダイスとほぼ同様の温度にまで昇温される。
その他、ねじの頭部が成形されたブランクにねじ山を成形する転造加工にも本発明方法が好適に利用できる。例えば、加工工具は、前記ブランクにねじ山を成形する転造ダイスを有し、この転造ダイスを加熱することが望ましい。転造ダイスを加熱することで、ねじブランクが転造ダイスと接触することで、速やかな加熱が可能となる。
これらの加工工具の加熱には、適宜な加熱手段を用いる。代表的には電熱式のヒータが好適に利用できる。例えば、上記の各ダイスを保持するダイスホルダーにヒータの挿入孔を形成し、そこに電熱式カートリッジヒータを挿入する構成が挙げられる。この構成によれば、ヒータの点検・出し入れが容易でメンテナンスの面から好ましい。
特に、ねじの頭部の加工において、線材を所定長さに切断する際に用いる第1保持ダイスと、所定長さに切断された線材を予備加工或いは仕上げ加工する際に用いる第2保持ダイスとを一つのダイスホルダーで保持し、このダイスホルダーに加熱手段を設けることが好ましい。この構成によれば、両保持ダイスでダイスホルダー及び加熱手段を共有することができ、部品点数を減らすことができる。
もちろん、切断加工時に加工材を保持する保持ダイスや、ねじやボルトの頭部の加工で加工材を保持する第1・第2保持ダイス以外の部材を加熱するように構成しても良い。例えば、ヘッダ加工で予備成形を行う第1パンチ、その仕上成形を行う第2パンチを加熱することが考えられる。その際、第1パンチ、第2パンチは、共通するパンチホルダーに保持し、そのパンチホルダーにヒータなどの加熱手段を設けることで両パンチの加熱を行うことができる。この構成によれば、第1・第2パンチでパンチホルダーとヒータを共用できるため、部品点数を低減することができる。
さらに、加熱手段の温度を確認できるように温度センサも併設することが好ましい。温度センサには、サーミスタや熱電対などが利用できる。この温度センサも、ダイスホルダーにセンサ挿入孔を形成し、そこに挿入しておくことが好ましい。
その他、ダイスホルダーやパンチホルダーなどのホルダーに加熱手段を具える場合、ホルダーの外周の少なくとも一部、特に、ホルダーにおいて鍛造装置本体との接触部分に、断熱材を配置することが好ましい。この断熱材により、加熱状態の維持による熱効率の向上、及びホルダーが取付けられる鍛造装置本体への熱影響の緩和が期待できる。より好ましくは、ホルダーの外周を囲むように断熱材を配置する。
加工工具の加熱温度は加工材の再結晶温度以下とする。より具体的には150〜600℃とする。150℃未満では、割れや不均一加工を抑制することが難しく、600℃を超えると加工工具の寿命を低下させる。より好ましい加工工具の温度は、150〜400℃とする。特にW系材料の場合、400℃を超えると酸化が激しいため、400℃以下とすることが望ましい。さらに好ましい温度域は150〜250℃である。この温度域であれば、割れや不均一な加工を抑制できると共に、加工工具の劣化が比較的少ない。
本発明によれば、次の効果を奏することができる。
(1)加工工具を加熱し、その加工工具に加工材を接触させることにより加熱することで、加工時に加工材が温度低下することなく加工を行うことができる。そのため、Ti系材料やW系材料などの難加工材料であっても割れや不均一な加工を生じることなく加工を行うことができる。
(2)加工工具の加熱温度を特定することで、割れや不均一な加工を生じることなく難加工材料の加工を可能にしながら、加工工具の劣化も抑制することができる。
(3)線径が10mm以下の線材を加工材とすることで、加工材が加工工具に接触することにより、速やかに均一に加熱される。それにより、ばらつきの少ない加工を確実に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(試験例1:ゴムメタル(登録商標)のヘッダ加工)
ゴムメタルの線材からねじブランク(頭部が成形されており、軸部にねじ山が設けられていない状態の中間製品)を成形するヘッダ加工をヘッダ装置で行って、その際の加工工具の温度を変え、加工結果の評価を行った。
ゴムメタル線材を用意し、この線材を所定の長さに切断し、続いて切断された線材の一端を予備成形し、さらに仕上成形してねじの頭部を成形する。このヘッダ加工は図1の手順に従ってなされる。
まず、図1(A)に示すように、ダイスホルダー11に第1保持ダイス10を保持し、送りロール16で線材を第1保持ダイス10のダイス孔に通して供給する。ダイス孔を通った線材1は、第1保持ダイス10の端面から露出して、その端部がストッパ17に当接され、第1保持ダイス10からストッパ17までの所定の長さが規定される。その状態でカッタ18を図の下方に可動させ、第1保持ダイス10とカッタ18とのせん断により線材1を所定の長さに切断する。
次に、カッタの先端に設けられている保持機構(図示せず)で切断された線材を保持して搬送し、図1(B)に示すように、第2保持ダイス15のダイス孔の正面に線材1を位置させる。このダイス孔の後端側からはノックアウトピン19が挿入・後退可能に配されている。一方、ダイス孔の前方側には予備成形を行う第1パンチ20Aがパンチホルダー21内に配されている。
続いて、図1(C)に示すように、第1パンチ20Aを第2保持ダイス15側に駆動すると、第1パンチ20Aに押されて線材1とノックアウトピン19が後退する。その後、ノックアウトピンは、その背後側に位置するストッパ(図示せず)に当接して停止され、線材1は、その一部が第2保持ダイス15から露出した状態に保持される。その状態で、さらに第1パンチ20Aを第2保持ダイス15側に駆動すると、第2保持ダイス15から露出する線材1が圧縮されて円錐台状に予備成形される。
次に、図1(D)に示すように、予備成形された線材1を第2パンチ20Bを用いて仕上成形する。第2パンチ20Bは、第2保持ダイス15に対向してパンチホルダー21内に配され、第2保持ダイス15側に圧縮可能に構成されている。この仕上成形により、ねじの頭部が形成される。
そして、図1(E)に示すように、第2パンチ20Bを後退させると共に、ノックアウトピン19を第2保持ダイス15のダイス孔内により深く挿入して仕上成形の終了したねじブランク100を第2保持ダイス15のダイス孔より取り出す。
このような工程で行われるヘッダ加工において、加工工具の加熱は、ダイスホルダーあるいはパンチホルダーにヒータを設けることで行う。図2はダイスホルダーの概略構成図、図3はパンチホルダーの概略構成図である。
図2に示すように、このダイスホルダー11は、線材の切断に用いる第1保持ダイス10と、予備成形または仕上成形時に線材を保持する第2保持ダイス15の両方が水平方向に並列して保持されている。
また、そのダイスホルダー11にはヒータ孔11aとセンサ孔が形成されている。そのヒータ孔11aには電熱式のカートリッジヒータ12が挿入され、センサ孔には温度センサ13が挿入されて、温度センサ13の測定結果に基づいてヒータ12への供給電力を制御できるように構成されている。このように、一つのダイスホルダー11に第1・第2保持ダイス10,15を保持させ、これらのダイス10,15を共通するヒータ12で温度制御可能とすることで、部品点数を削減することができる。
さらに、このダイスホルダー11は、図示しない鍛造装置本体に固定される。そのため、ダイスホルダー11において鍛造装置本体との接触面(図2では左右、紙面奥の3面)には、断熱材14を配置し、ダイスホルダー11の加熱温度の保持による熱効率の向上と、装置本体の保護とを図る。
一方、図3に示すように、パンチホルダー21は、予備成形を行う第1パンチ20Aと、仕上成形を行う第2パンチ20Bの2つのパンチが保持されている。予備成形から仕上成形に移行する際、このパンチホルダー21自体を図示しない駆動機構により上昇させ、第1パンチ20Aが第2保持ダイス15に対向した状態から第2パンチ20Bが第2保持ダイス15に対向した状態に移行させる。
このパンチホルダー21にもヒータ孔21aとセンサ孔も形成されている。そのヒータ孔21aには電熱式のカートリッジヒータ22が挿入され、センサ孔には温度センサ23が挿入されて、温度センサ23の測定結果に基づいてヒータ22への供給電力を制御できるように構成されている。このように、一つのパンチホルダー21に第1・第2パンチ20A,20Bを保持させ、これらのパンチを共通するヒータ22で温度制御可能とすることで、部品点数を削減することができる。
また、このパンチホルダー21も、図示しない鍛造装置本体に固定されるため、熱効率の向上と、装置本体への熱流出の防止とを図るべく、パンチホルダー21において鍛造装置本体との接触面(図3では紙面奥の1面)に断熱材24を配置している。
以上のようにねじブランクの加工を行った際の加工条件は次の通りである。
加工対象:ゴムメタル(Ti3(Ta,Nb,V)+(Zr,Hf,O))、直径4.4mm
加工方法:上記ヘッダーのダイスホルダー及びパンチホルダーを加熱して第1・第2保持ダイス、第1・第2パンチを所定の温度に設定してヘッダー加工を行う。
設定温度:25℃、100℃、150℃、200℃、250℃の5通り。
加工製品:十字穴付なべ小ねじ、M5。
評価方法:図4(A)に示す予備成形段階および図4(B)に示す仕上成形段階の各々で顕微鏡による外観検査を行い、割れや偏った成形になっていないかどうかを調べる。また、複数の試料における予備成形段階での頭部の高さH1と外径D1、仕上成形段階での頭部の高さH2と外径D2の最大値と最小値を測定した。その際、仕上成形段階での頭部の高さH2と外径D2の最大値が規格値(3.15mm≦H2≦3.45mm、8.4mm≦D2≦9.0mm)を満たすかどうかを調べた。
その結果を表1に示すと共に、各温度における予備成形段階と仕上成形段階の頭部の形状を図5の顕微鏡写真に示す。
Figure 2006110594
この表と図に示す結果から明らかなように、加工工具の温度が25℃と100℃の場合、予備成形時あるいは仕上成形時に割れが生じたり偏った成形になっていたりする。つまり、ゴムメタルは、その超弾塑性のため、冷間で加工を行ってもスプリングバックにより良好な加工が行えないことがわかる。一方、加工工具の温度を150℃以上とした場合は、このような割れや偏りがなく、良好な加工が可能であることがわかる。なお、加工する際の線材の温度を接触温度計により計測したところ、実質的にヒータの制御温度(加工工具の加熱温度)と同様であった。
続いて、得られたねじブランクを用いて、転造ダイスを具える転造装置にて転造加工を行った。ここでは、転造ダイスを加熱可能な加熱手段を設け、この加熱手段により、転造ダイスを介してねじブランクを加熱可能とした。
図6は、本例に用いた転造装置において、転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。ここで用いる転造ダイスは、スライド可能な可動ダイス30Aと、固定ダイス30Bとをそれぞれ対向させて配置させており、いずれのダイス30A、30Bも、ヒータ孔31が設けられ、このヒータ孔31に電熱式のカートリッジヒータ32を挿入している。また、固定ダイス30Bには、温度が調整できるように、別途設けた孔に温度センサ33を同様に挿入している。
これら可動ダイス30A及び固定ダイス30Bは、図示しない転造装置本体に固定される。そのため、熱効率の向上と、装置本体の保護とを図るべく、可動ダイス30A及び固定ダイス30Bにおいて転造装置本体との接触面(図6において、可動ダイス30Aは左、紙面手前と奥の3面、固定ダイス30Bは右、紙面手前と奥の3面)に断熱材34をそれぞれ配置している。なお、図示していないが、各ダイス30A、30Bの対向面には、ねじブランクの軸部にねじ山を成形するための溝が形成されており、この対向面間にねじブランクの軸部を配置し、可動ダイス30Aをスライドさせることで転造を行う。
更に、本例では、ねじブランクを予備加熱するために、ねじブランクを転造ダイスに移行させるシュートレールにも、加熱手段を具える転造装置を利用した。図7は、本例で用いた転造装置において、シュートレール及び転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。シュートレール40は、ヘッド鍛造工程において得られたねじブランク100を整列させて、順次転造ダイス側に移行するための部材であり、ねじブランク100の軸部101を挟持する。このシュートレール40は、支持部材41にて固定されている。また、可動ダイス30Aと固定ダイス30B間には、ねじブランク100を移送させるロッド42を具える。本例では、このシュートレール4Oの外側に電熱式のカートリッジヒータ43を配置すると共に、温度調整が可能なように温度センサ44を配置した。
上記転造装置を用いて、ヒータ32の出力を変化させて転造ダイスの加熱温度を変化させてねじブランクの温度を変化させ、種々の温度条件でねじブランクに転造加工を行い、転造加工が可能であるかを調べた。その結果、転造ダイスの加熱温度を150℃以上とした場合には、良好に加工が行えると共に、転造ダイスなどの加工工具の寿命の点でも問題がなかった。なお、転造加工ではヘッダ加工に比べて加工度が低いためか、150℃未満の温度域でも加工が行えた。
(試験例2:タングステン線材の切断)
次に、タングステン線材の切断を行った。この切断には、上述したヘッダ装置における第1保持ダイスとカッタとを用いて行う。試験条件は次の通りである。
加工材:W99.96質量%、直径0.9mmのワイヤ。
加工方法:上記ヘッダ装置のダイスホルダーを加熱して第1保持ダイスを所定の温度に設定して切断加工を行う。
設定温度:25℃、100℃、150℃、200℃、250℃の5通り。
加工製品:直径0.9mm、長さ5mmの短線材。
評価方法:設定温度毎の切断面状態を側面(径方向)と端面(軸方向)から顕微鏡にて観察し、線材の割れの有無や切断面の荒れを検証する。
その結果を表2に、切断面の顕微鏡写真を図8に示す。これらの結果から明らかなように、150℃以上に加熱した場合に、線材の軸方向への割れが生じず、切断面も軸方向に対してほぼ直角の適正な面であることがわかる。
Figure 2006110594
(試験例3:βチタン合金のヘッダ加工)
次に、ヘッダ装置を用いてβチタン合金のヘッダ加工を行った。ヘッダ装置の構成や加工工程は試験例1と同様なので説明を省略する。但し、本例での予備成形および仕上成形時の形状は、図9に示すように、試験例1の場合よりも扁平な形状となっている。試験条件は次の通りである。
加工対象:βチタン合金(15%V-3%Cr-3%Sn-3%Al-残部Ti)、直径1.15mm
加工方法:試験例1で述べたヘッダーのダイスホルダー及びパンチホルダーを加熱して第1・第2保持ダイス、第1・第2パンチを所定の温度に設定してヘッダー加工を行う。
設定温度:25℃、200℃の2通り。
加工製品:精密機器用十字穴付0番小ねじ、M1.4。
評価方法:図9(A)に示す予備成形段階および図9(B)に示す仕上成形段階の各々で顕微鏡による外観検査を行い、割れや偏った成形になっていないかどうかを調べる。また、複数の試料における予備成形段階での頭部の高さH1と外径D1、仕上成形段階での頭部の高さH2と外径D2の最大値と最小値を測定した。その際、仕上成形段階での頭部の高さH2と外径D2の最大値が規格値(0.45mm≦H2≦0.55mm、1.90mm≦D2≦2.05mm)を満たすかどうかを調べた。
その結果を表3及び図10に示す。これらの試験結果から明らかなように、第1保持ダイスの加熱温度が25℃の場合は仕上成形時に割れが生じているのに対し、同加熱温度を200℃とした場合には、そのような割れが生じず、良好な加工結果であることがわかる。
Figure 2006110594
本発明難加工材の加工方法は、難加工材からなる線材の切断や、ねじの頭部の成形、あるいはねじの転造を行う際に好適に利用することができる。
ヘッダ加工の手順を示す説明図である。 試験例1で用いたヘッダ装置において、第1・第2保持ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。 試験例1で用いたヘッダ装置において、パンチ部分を模式的に示す概略構成図である。 試験例1における加工対象の予備成形時の形状と、仕上成形時の形状を示す部分正面図である。 試験例1における試験結果を示す顕微鏡写真である。 試験例1で用いた転造装置において、転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。 試験例1で用いた転造装置において、シュートレール及び転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。 試験例2の試験結果を示す顕微鏡写真である。 試験例3における加工対象の予備成形時の形状と、仕上成形時の形状を示す部分正面図である。 試験例3における試験結果を示す顕微鏡写真である。
符号の説明
10 第1保持ダイス 11 ダイスホルダー 11a ヒータ孔
12 ヒータ 13 温度センサ 14 断熱材 15 第2保持ダイス
16 送りロール 17 ストッパ 18 カッタ 19 ノックアウトピン
20A 第1パンチ 20B 第2パンチ 21 パンチホルダー 21a ヒータ孔
22 ヒータ 23 温度センサ 24 断熱材
30A 可動ダイス 30B 固定ダイス 31 ヒータ孔 32 ヒータ
33 温度センサ 34 断熱材
40 シュートレール 41 支持部材 42 ロッド 43 ヒータ
44 温度センサ
1 線材 100 ねじブランク 101 軸部

Claims (7)

  1. Ti系材料またはW系材料を加工材とし、この加工材を加工工具にて加工する難加工材料の加工方法であって、
    加工材と接触する加工工具を150〜600℃に加熱し、加工材の温度も加工工具と同様の温度として加工を行うことを特徴とする難加工材料の加工方法。
  2. 加工が切断加工で、
    加工工具が加工対象を保持する第1保持ダイスと、この第1保持ダイスで保持された加工対象を第1保持ダイスとのせん断にて切断するカッタとを有し、
    この加工工具のうち、少なくとも第1保持ダイスを加熱することを特徴とする請求項1に記載の難加工材料の加工方法。
  3. 加工がねじやボルトの頭部を成形するヘッダ加工で、
    加工工具は、
    線状の加工材を保持する第1保持ダイスと、
    この加工材を第1保持ダイスとのせん断により所定長さに切断するカッタと、
    所定長さに切断された加工材の端部を突出させて保持する第2保持ダイスと、
    第2保持ダイスから突出された加工材を加圧して膨出部を予備成形する第1パンチと、
    予備成形された加工材をさらに加圧してねじまたはボルトの頭部を仕上成形する第2パンチとを有し、
    この加工工具のうち、少なくとも第1保持ダイスおよび第2保持ダイスを加熱することを特徴とする請求項1に記載の難加工材料の加工方法。
  4. さらに加工には、ねじやボルトの頭部が成形されたブランクにねじ山を成形する転造加工を含み、
    加工工具は、前記ブランクにねじ山を成形する転造ダイスを有し、
    この転造ダイスを加熱することを特徴とする請求項3に記載の難加工材料の加工方法。
  5. 加工工具の加熱温度が150〜400℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難加工材料の加工方法。
  6. 加工工具の加熱温度が150〜250℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難加工材料の加工方法。
  7. 加工材が線状で、その線径が10mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の難加工材料の加工方法。
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