JP2006110547A - 荷電濾過膜とその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜選択性を犠牲にすることなく分離速度を向上させることができるように濾過膜の特性を改善すること。
【解決手段】荷電濾過膜を調製する方法であって、反応性の荷電した化合物で共有結合的に修飾される非荷電セルロース膜、及び、該非荷電膜の表面の水酸基を荷電化合物の反応性基と反応させて、荷電化合物を該非荷電膜と共有結合させることを含んでなり、該荷電化合物はポアの内腔に突出し、メンブレンポアサイズは分布は、該非荷電膜のメンブレンポアサイズに対して狭く、荷電膜及び同様な荷電を有するタンパク質溶質のために、溶質ふるい性は、該非荷電膜に対して少なくとも1.5倍低下しており、該タンパク質溶質及び溶媒を含んでなる溶液に関して、該非荷電膜と対比して、膜透過性が実質的に該溶媒について同じである、方法。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、荷電濾過膜と、溶媒、低分子量溶質又はタンパク質混合物からタンパク質を分離するためのそれらの用途に関する。電荷を生じさせるための膜の修飾には、ポア内の電荷を変更し、ポアのサイズを変更するメンブレンポアの修飾が含まれる。従って、タンパク質は、サイズ並びに正味のタンパク質電荷及び膜電荷に基づいて混合物中の他の溶質から分離される。
(発明の背景)
タンパク質の分離に有用な濾過膜は工業用又は研究室規模の精密濾過(MF)又は限外濾過(UF)のための合成の(多くはポリマーの)選択的障壁である(Leos J. Zeman及びAndrew L.Zydney, "Microfiltration and Ultrafiltration:Principles andApplications" 1996, Marcel Dekker, Inc., p.3を参照)。これらのプロセスにおいて、特定の供給流成分、例えばタンパク質は膜のポアを通過して透過物中に入る一方、他の通常はより大きいタンパク質又は成分は、膜により未透過物中に保持される(Zeman及びZydney,上掲, p.3.)。
タンパク質限外濾過は、タンパク質溶液の濃縮及び精製に使用される圧力駆動式膜プロセスである(Robert van Reis 及び Andrew L. Zydney, "Protein Ultrafiltration",Encyclopedia of Bioprocess Technology:Fermentation, Biocatalysis, andBioseparation, M.C. Flickinger 及び S. W. Drew.編, John Wiley & Sons, Inc.(1999), p.2197)。UF膜は典型的には10〜500オングストロームの間の平均ポアサイズを有しており、これは逆浸透膜と精密濾過膜の平均ポアサイズの間である。限外濾過は、付与された圧力推進力に応じて、膜を通過する異なる成分の濾過速度の差異に基づき溶質を分離する(R.van Reis 及び A.L. Zydney, 上掲, p.2197)。溶質濾過速度、ひいては膜選択性は、熱力学的相互作用と流体力学的相互作用の両方により決定される(R.van Reis 及び A.L. Zydney, 上掲, p.2197)。限外濾過は、タンパク質濃縮、バッファー交換及び脱塩、タンパク質精製、ウイルス排除、及び清澄化の後処理プロセスに頻繁に使用されている(R.van Reis 及び A.L. Zydney, 上掲, p.2197)。
また、タンパク質精製は高性能平行流濾過法(HPTFF)を使用して達成され、所望のタンパク質は相対濾過速度に依存して未透過物か透過物のいずれかに集められる(R. van Reis及び A.L. Zydney, 上掲, p.2197)。HPTFFは半透膜を使用して類似のサイズのタンパク質を分離するのに有用である(例えば、R. vanReisら, Biotech. Bioeng. 56:71-82(1997)及びR. van Reisら, J. Memb. Sci. 159:133-142(1999))。HPTFFは、汚れを最小にし、かつ濃度分極の効果を利用するために、透過物流動と装置の流体力学を制御することにより高選択性を達成する(R.van Reisら, J. Memb. Sci. 159:133-142(1999))。
これらの高度な濾過方法が有用であるにもかかわらず、膜選択性を犠牲にすることなく分離速度を向上させることができるように濾過膜の特性を改善することが必要とされている。このような改善により分離コストが減少し、価値のあるタンパク質の収率が増加する。
上記の目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
(項目1)共有結合した荷電化合物を含む濾過膜であって、溶質に対する膜ふるいが荷電化合物を欠く同じ膜に対して少なくとも1.5倍改善され、膜透過性が荷電化合物を欠く膜と実質的に同じであり、濾過膜がセルロースポリマーを含んでなる濾過膜。
(項目2)膜のポアサイズ分布が荷電化合物を欠く膜と比較して縮小される項目1に記載の濾過膜。
(項目3)化合物が結合手を含んでなる項目1に記載の濾過膜。
(項目4)結合手が本質的にN、O、S及びPからなる群から選択されるヘテロ原子を含んでなる項目3に記載の濾過膜。
(項目5)結合手が、本質的に1〜20の炭素原子のアルキル鎖、1〜20の炭素原子の分枝アルキル鎖、環状構造体、炭水化物、糖類、デキストラン及びアミノ酸からなる群から選択される項目3に記載の濾過膜。
(項目6)電荷が正である項目1に記載の濾過膜。
(項目7)化合物が本質的にアミンと第4級アンモニウムイオンからなる群から選択される荷電部分を含んでなる項目6に記載の濾過膜。
(項目8)電荷が負である項目1に記載の濾過膜。
(項目9)化合物が本質的に酸、スルホン酸及びカルボン酸からなる群から選択される荷電部分を含んでなる項目1に記載の濾過膜。
(項目10)膜が、本質的にセルロース、複合再生セルロース(CRC)、二酢酸セルロース及び三酢酸セルロース、ニトロセルロース、及び二酢酸セルロース/ニトロセルロースの混合物からなる群から選択される項目1に記載の濾過膜。
(項目11)共有結合した荷電化合物がエーテル結合により結合される項目10に記載の濾過膜。
(項目12)項目1に記載の荷電濾過膜の調製方法であって、膜を反応性の荷電化合物と接触させ;
膜の表面反応性基を荷電化合物の反応性基と反応させて、荷電化合物を膜に共有結合させる工程を含んでなる方法。
(項目13)項目1に記載の荷電濾過膜の調製方法であって、膜を反応性基を含む第1の化合物と接触させる工程;
膜の表面反応性基を第1の化合物の反応性基と反応させて、第1の化合物を膜に共有結合させる工程;
結合した第1の化合物を、荷電基を含む第2の化合物と反応させ、荷電基を第1の化合物に共有結合させる工程を含んでなる方法。
(項目14)緩衝水溶液中のタンパク質混合物の少なくとも1つのタンパク質から所望のタンパク質を分離する方法であって、所望のタンパク質が正味電荷を有し、それから分離されるタンパク質が中性か、又は所望のタンパク質の正味電荷と反対の正味電荷を有するように溶液のpHを変更する工程、タンパク質混合物を項目1に記載の荷電濾過膜と接触させる工程であって、所望のタンパク質と膜は類似の正味電荷を有する、工程;
膜の上流に所望のタンパク質を保持し、中性又は反対に荷電したタンパク質を膜を通過させて濾過することにより、中性タンパク質と反対に荷電したタンパク質から所望のタンパク質を分離する工程;
所望のタンパク質が混合物の選択された数のタンパク質から分離されるまで、変更、接触及び分離工程を繰り返す工程を含んでなる方法。
(項目15)緩衝水溶液中のタンパク質混合物の少なくとも1つのタンパク質から所望のタンパク質を分離する方法であって、所望のタンパク質が中性であり、それから分離されるタンパク質が濾過膜の正味電荷と同一の正味電荷を有するように溶液のpHを変更する工程、タンパク質混合物を項目1に記載の荷電濾過膜と接触させる工程;
膜の上流に荷電タンパク質を保持し、所望のタンパク質を膜を通して濾過することにより、荷電タンパク質から所望のタンパク質を分離する工程;
所望のタンパク質が混合物の選択された数のタンパク質から分離されるまで、変更、接触及び分離工程を繰り返す工程を含んでなる方法。
(発明の概要)
本発明は、正又は負のいずれかの正味電荷を有する濾過膜に関し、さらに荷電した膜の製造方法と、それらを使用して、溶質又は溶質の混合物(例えば塩類、バッファー溶質、又はタンパク質)から、タンパク質を分離する方法に関する。タンパク質類は、一部は、タンパク質サイズ、また一部はタンパク質の正味電荷に基づいて分離される。荷電した膜は膜と同じ電荷極性を有するタンパク質と反発し、それによって膜の上流側にこのようなタンパク質を保持する。タンパク質が中性の電荷を有しているか、又は膜と反対の極性を有し、平均ポア径よりも小さい場合には、タンパク質は膜のポアを通過する。ふるい係数として測定される本発明の荷電した膜のふるい特性は、非荷電の膜に対して劇的に改善される一方、透過性は犠牲になっていない。
従来のタンパク質濾過法は溶質ふるい性と膜透過率との間のバランスをとっていた。理論的には、透過性を高くすれば速やかな分離が可能になるが、所望のタンパク質を選択的に保持するためのふるい性は低い。しかし、従来の濾過膜を使用して、当業者は選択性を得るために透過性を犠牲にし、それによって分離速度やタンパク質回収率については制限を設けていた。これに対して、本発明の荷電した膜は、高透過性を提供し、それによって分離を速くし、一方で所望のタンパク質のより選択的な分離とより高い収率のためにふるい性が低下する。
一態様において、本発明は、荷電化合物又は電荷を有するように化学的に修飾可能な化合物で共有結合的に修飾された濾過膜に関する。濾過膜は任意の膜であり得、限定するものではないが、セルロース、二酢酸セルロース及び三酢酸セルロース、ニトロセルロース、ならびに二酢酸セルロース/ニトロセルロースの混合物を含む任意の膜であってよい。濾過膜は種々の供給源から入手可能であり、限定するものではないが、Millipore Corp., Bedford, MA, 及びPall Filtron Corp., Northborough,MA.を含む。好ましくは、濾過膜は誘導体化化合物との反応に利用される水酸基を膜表面に有している。好ましくは、水酸基は第1級アルコール部分、例えばセルロースマトリックスのものである。好ましくは膜はセルロース、より好ましくは膜はコンポジット再生セルロース(CRC)である(例えば、セルロース性膜について記載した米国特許第5,522,991号を参照)。セルロース膜は先天的に低汚染特性で、親水性であり、荷電化合物との反応のための(セルロースのグルコース部分に由来する)第1級アルコール基の利用が可能であり、アルカリ性条件下で安定であるといった利点を有する。CRC膜は機械的強度に関するさらなる利点を有する。
一実施態様では、膜は正味電荷(正又は負)を有するように修飾されたセルロース膜、好ましくはCRC膜であり、ふるい性能に対する透過性が高められている。例えば、所定の膜透過性に対して、膜及び未透過タンパク質が同様の電荷極性(正又は負)を有している場合、ふるい係数は膜の上流側に保持されたタンパク質に対して少なくとも1.5倍減少している。
他の実施態様では、本発明は複数の第1級アルコール基が荷電化合物に共有結合している膜、好ましくはCRC膜に関する。好ましくは、荷電化合物は溶質又はタンパク質の混合物からタンパク質を分離するために使用される条件下でその電荷を保持する。
他の実施態様では、荷電化合物は正に荷電している。正荷電はタンパク質分離の条件下でその電荷を保持する任意の化合物から生じ得る。例えば、電荷は、限定するものではないが、アミン、第4級アミン等から生じる。化合物がアミンである場合、好ましくは、アミンはタンパク質分離の条件下でその電荷極性を維持可能なアミンを得るために共有結合される2又は3の低級アルキル基を有する。好ましくは、低級アルキル基は1〜8の炭素原子を有する。より好ましくは、アルキル基はメチル、エチル及びプロピル基である。例えば、正に荷電した化合物のアミン部分はトリアルキアミン又はジアルキルアミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチル等であり得る。
他の実施態様では、荷電化合物は負に荷電している。負電荷はタンパク質分離の条件下でその電荷を保持する任意の化合物から生じ得る。例えば、電荷は、限定するものではないが、酸、例えばカルボン酸、スルホン酸、カルボキシメチルスルホナート、スルホン酸メチル等から生じる。
さらに他の実施態様では、荷電化合物は膜の反応性基に共有結合した部分と荷電した部分との間に結合手を有する。膜がCRC膜である場合、結合手が、リンカーが反応するセルロースマトリックスの第1級アルコール基と荷電した部分とを分離する。結合手は、膜表面から荷電した部分が突出するのを可能にする。荷電化合物がメンブレンポアの表面を修飾する場合、結合手は化合物をポアの内腔内へ突出するのを可能にし、それによってポアサイズを変化させる。より大きなメンブレンポアはサイズが小さくなり、より小さなポアは満たされ、さらに小さなポアは立体障害及び/又は静電的反発により化合物が通過できなくなる。従って、膜のポアサイズ分布が狭くなり、改善されたタンパク質分離がもたらされる。
他の実施態様では、結合手は1から20(20を含む)の炭素原子を有するアルキル鎖を有する。アルキル鎖は分枝していてもよく、分枝部は第1の荷電部分を第2(又は付加的な)の荷電部分に結合させてもよい。結合手は、それ自体が、膜の荷電に使用される反応条件に対して不活性であり、タンパク質分離の条件に対して不活性である原子又は分子部分の任意の鎖であり得る。結合手の長さは所望されるポアサイズの変更に従って選択される。好ましくは、結合手の長さにより、反応性の荷電化合物が通過し、いくつかのポア内で反応し、それによってポアサイズ分布を狭くすることを可能にする。結合手には、限定するものではないが、炭水化物、デキストラン、糖類、(荷電した又は非荷電のアミノ酸側鎖を有する)ペプチド、ポリマー(例えばポリビニル誘導体、ポリエーテル誘導体等)、及び類似の鎖が含まれる。濾過膜が親水性であり、水性反応条件が使用されて膜に荷電化合物を結合させる場合、結合手は好ましくは親水性であり、(膜との反応のための)その反応形態の荷電化合物は反応水溶液に可溶性である。
従って、本発明は、1から20、好ましくは1から10、より好ましくは1から7の長さの炭素原子を有するアルキル鎖である結合手を含んでいてよい。あるいは、結合手は、1から15、好ましくは1から10、より好ましくは1から5の糖類部分を含む炭水化物又はデキストラン鎖であってもよい。結合手は1から25、好ましくは1から15、より好ましくは1から10のアミノ酸のペプチドであってもよい。さらに、結合手は、反応条件及び分離条件に対して不活性な1から25の繰り返し単位からなる任意のポリマーであってもよい。結合手は分枝していてもよく、その場合、各分枝部は反応性基に結合する主分枝部(結合手)の長さより短い。各分枝部は荷電部分で終端していてよく、各荷電部分の電荷は同じ極性(正又は負のいずれか)である。
一実施態様では、反応性の荷電化合物は、一般式X-L-Yを有し、ここでXは膜の反応性基と反応する反応性基であり、Lは結合手であり、Yは荷電基である。従って、膜がCRC膜であり、膜の反応性基が第1級アルコール基である場合、反応性の荷電化合物のXは、水性条件下で第1級アルコール基との反応を促進する部分である。このように、Xは好ましくは第1級アルコール基による求核攻撃を受けやすい脱離基であり、セルロース性炭水化物マトリックスと荷電化合物の結合手との間にエーテル結合を形成する。よって、有用な反応性の荷電化合物はハロゲン化アルキルであり、反応性基は、限定するものではないが、塩化物、臭化物又はヨウ化物を含むハロゲン化物である。
さらなる他の態様では、本発明は本発明の荷電した膜を製造する方法に関し、該方法は荷電化合物の荷電した部分が膜に共有結合するように、反応性の荷電化合物を膜の複数の反応性部分と反応させることを含む。反応後、膜の正味電荷は正又は負である。好ましくは、反応性の荷電化合物は複数のメンブレンポアを通過し、ポアサイズ分布を変更する。好ましくは、ポアサイズ分布は狭くされる。
一実施態様では、本発明の方法は、膜への共有結合中に非荷電であり、その後電荷(正又は負のいずれか)を生じて、膜に正味電荷を生じさせるように反応する反応性の荷電化合物を含む。反応性の荷電化合物は、結合手が膜に共有結合した後に、結合手(又は分枝部)の末端に付加され得る。荷電基が正である場合、荷電基はアミン、第4級アミン(例えばジアルキル又はトリアルキル等)であり得る。荷電基が負である場合、荷電基は酸(例えばスルホン酸、カルボン酸、カルボキシメチルスルホニル基等)であり得る。荷電基は本発明のタンパク質分離方法の条件下でその電荷を維持する部分として選択される。
他の態様では、本発明は、本発明の荷電膜を使用して溶質又は溶質混合物(例えば塩類、バッファー溶質又はタンパク質類)からタンパク質を分離するための膜濾過法に関する。好ましくは、前記方法は、(1)反応性の荷電化合物と反応して、荷電した基に対して結合手を介して結合されている荷電したセルロース膜(好ましくはCRC膜)に溶質混合物内のタンパク質を接触させ、ここで保持されるタンパク質が分離条件下で膜の電荷極性と同じ正味電荷を有しており、(2)混合物中の少なくとも1つの他の溶質又はタンパク質から前記タンパク質を分離することを含み、ここで他のタンパク質が異なる正味電荷を有しているか又は中性である。
本発明の一実施態様では、膜と混合物中のタンパク質を接触させる前に、混合物のpHを変更して、所望のタンパク質の正味電荷が膜と同じ電荷極性になるようにする。同時に、pH変化により、所望のタンパク質から分離する少なくとも1つの溶質に中性又は膜と反対の電荷が提供される。接触及び分離工程中、中性溶質は荷電膜を通過して透過物中に入る一方、所望の荷電したタンパク質は膜の上流側に保持される。本発明のこの実施態様は、タンパク質混合物から溶質を連続的に除去するために繰り返され得る。
本発明の一実施態様では、濾過方法は限外濾過法(一般的に、van Reis 及び Zydney, 「Protein Ultrafiltration」, 上掲, p.2197を参照)である。本発明の他の実施態様では、濾過方法は高性能平行流濾過法(一般的には、R.van Reisら, J. Memb. Sci. 159:133-142(1999)を参照)である。
本発明のこれら目的のまた他の目的、利点及び特徴は、以下により十分に示す組成物、方法及び用途の詳細を読むことにより、当業者には明らかになるであろう。本明細書中で引用される各文献は、引用の内容に関連した主題事項の説明に特に注意して、その全体が参考として本明細書中に援用される。
本濾過膜とそれらを製造し使用する方法を記載する前に、この発明は、記載された物質の特定の組成物及び方法は当然に変形可能であるので、それらに限定されるものではないものと理解される。また、本明細書中で使用される用語は特定の実施態様を記載する目的のためのみのものであって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施態様の記載
定義
「セルロース膜」とは微多孔膜上のセルロースポリマーを意味し、ここでセルロースはD-グルコースの繰り返し単位である。グルコースモノマーの第1級アルコール基は、荷電化合物が共有結合する反応性種を膜に提供する。
「CRC膜」とは、微孔性基質にセルロースをキャスティングし、平均ポアサイズを制御し、セルロースシート中の欠陥数を制限することにより調製されるコンポジット再生セルロース膜を意味する。CRC膜は、セルロース膜よりも強い機械的強度を持つと同時に、タンパク質分離に有用なセルロースの親水性及び低汚染特性を保持しているため、本発明の実施に好ましいものである。
「荷電化合物」とは濾過膜に結合した化合物を意味し、ここで化合物はタンパク質の混合物からタンパク質を分離するために使用される条件下で正又は負の電荷を有する部分を含む。本発明によれば、荷電化合物は、荷電化合物が膜の表面から突出するように、膜と荷電部分との間に結合手をさらに有しうる。荷電化合物がポアの内腔中にポア表面から突出する場合、荷電化合物は有効ポアサイズを変化させ、膜のポアサイズ分布を変化させる。
「反応性の荷電化合物」とは、膜に結合する前の荷電化合物を意味し、反応性の荷電化合物は、膜-反応性荷電化合物の反応を促進する反応性部分をなお保持している。例えば、荷電化合物がCRC膜に共有結合するプロピルトリメチルアンモニウムイオンである場合、反応性の荷電化合物はブロモプロピルトリメチルアンモニウムブロミドであってよい。共有結合はセルロースマトリックスの第1級アルコールによるアルキル臭素の求核置換に関与している(例えば図2Aを参照)。
「結合手」とは、濾過膜の表面上の反応性基と反応する又は反応した部分と荷電部分との間の荷電化合物分子の部分を意味する。好ましくは、結合手は原子又は分子サブユニットの鎖であり、この鎖は膜に荷電化合物を共有結合させる際に使用される反応条件に対して不活性であり、さらにタンパク質分離中に使用される水性条件に対して不活性である。結合手には、限定するものではないが、1から20の炭素原子のアルキル鎖、1から15の糖類部分の炭水化物鎖(例えばリボース及びデオキシリボースを含む)、1から15の糖類部分のデキストラン鎖、1から25のアミノ酸のアミノ酸鎖、及び1から25の繰り返し単位の他のポリマー(例えば、膜自体の製造に使用されるもの)が含まれる。荷電化合物が結合手としてアミノ酸鎖を含み、荷電部分がその鎖の末端アミノ酸である場合、末端アミノ酸の側鎖は好ましくは荷電した側鎖である。
「ふるい性」とは、透過物(膜の下流)中の特定の溶質の濃度の、供給溶液(膜の上流)中の同じ溶質の濃度に対する比を意味する(Zeman及びZydney, 上掲,p.308)。一般的に、高ふるい値であると溶質が容易に膜を通過することを示唆し、低ふるい値は、溶質が多くが膜に保持されていることを示唆する。膜の上流に溶質を保持することが望まれる場合は、ふるい係数を低減することが好ましい。
「透過性」とは、膜全域で正味の圧力降下により濾過速度を割ったものを意味する。よって、透過性は膜抵抗の逆数である。膜透過性は、主としてポアサイズ分布、空隙率(ポア密度)、膜厚、及び溶媒粘度により決定される。一般的に、透過性が増加すると、ふるい性も増加する。ふるい性が膜に荷電化合物を添加することにより改善される場合、そのふるい性の改善は、その荷電膜と実質的に同じ透過性(同じ透過率の50%以内、好ましくは30%以内、より好ましくは10%以内)を有するが荷電化合物を欠く膜に対する改善である。よって、荷電溶質、例えばタンパク質が同じ荷電膜により保持されるために、改善がふるい性の低減である場合、そのふるい性は同等の透過性又は実質的に同じ透過性での低減である。従って、濾過速度は維持され、膜の選択性が改善される。
「正味の電荷」とは、膜又はタンパク質電荷を指す場合には、主に正又は負である電荷を意味するが、特記しない限りは、膜又はタンパク質上の正電荷の数 対 負電荷の数についての特定の値は参照しない。同様に、「類似の荷電」及び「同一の荷電」とは、所定の正又は負の電荷を有するタンパク質が、所定の正又は負のいずれかの電荷を有する膜又は他のタンパク質に関連している状況を意味する。
「タンパク質混合物」とは、pH及びイオン強度の所定の分離条件下における、異なったサイズ及び正味電荷の様々なタンパク質を意味する。本発明の分離方法によれば、関心あるタンパク質の正味電荷が既知であるか、又はpH条件の変更により、正味の正電荷もしくは正味の負電荷を有するように操作された場合、タンパク質は、関心あるタンパク質と同じ電荷(すなわち、正味の正電荷又は正味の負電荷のいずれか)を有する本発明の膜を、タンパク質混合物を通過させることにより、異なる電荷を有するか又は中性のタンパク質から分離されうる。例えば、本発明は、所望のタンパク質が正味電荷を有し、それから分離されるタンパク質が中性であるか、又は所望のタンパク質の正味電荷と反対の正味電荷を有するように溶液のpHを変更して、バッファー水溶液中のタンパク質混合物の少なくとも1つのタンパク質から所望のタンパク質を分離する方法を考慮する。次に、タンパク質混合物を本発明の荷電セルロース濾過膜と接触させ、ここで、所望のタンパク質及び膜が同様の正味電荷を有する。膜の上流に所望のタンパク質を保持し、中性又は反対に荷電したタンパク質を膜を通過させて濾過することにより、所望のタンパク質は中性タンパク質及び反対に荷電したタンパク質から分離される。このプロセスは、所望のタンパク質が混合物の選択された数のタンパク質から分離されるまで繰り返される。
あるいは、本発明は、所望のタンパク質が中性であり、それから分離されるタンパク質が荷電膜と同一の正味電荷を有するように溶液のpHを変更することにより、バッファー水溶液中のタンパク質混合物の少なくとも1つのタンパク質から所望のタンパク質を分離する方法を考える。次に、タンパク質混合物を本発明の荷電セルロース濾過膜と接触させる。膜の上流に荷電タンパク質を保持し、所望のタンパク質を膜を通過させて濾過することにより、所望のタンパク質は荷電タンパク質から分離される。このプロセスは、所望のタンパク質が混合物の選択された数のタンパク質から分離されるまで繰り返される。
「ポアサイズ分布」とは、基本的には、ある理論半径rに近い、実質半径Rを有するポアの数を意味し、確率密度関数として表される(Zeman, L.J. 及び Zydney, A.L., 上掲, p.299-301)。実際のポア半径の標準偏差が増加すると、ポアサイズ分布が増加する。ポアサイズ分布の縮小は、ポアの標準偏差がその理論値より減少することから生じる。例えば、荷電膜のより大きなポアへの荷電化合物の添加により、そのより大きなポアのうちのいくつかのサイズが低減する場合、このことが達成される。図3にはこのようなポアサイズの低減が図示されている。液液ポア侵入(liquid-liquidpore intrusion)の原理はポアサイズ分布の測定に有用である(R. van Reis 及び A.L.Zydney, 上掲, p.2201を参照)。この原理によれば、2つの高度に非混和性の液体、例えば硫酸塩溶液とポリ(エチレングリコール)溶液を、平衡分配に達するように、混合して接触させる。試験される膜を、その液体のうちの一つでプライミングし、全てのポアを満たす。供給流路から液抜きを行った後、第2の流体をシステムに導入する。ついで、第1の流体を第2の流体によりポアから排出させ、流速を膜圧の関数として測定する。得られたデータにより、ポアサイズ分布に関する情報が提供され、名目の分画分子量に相関させることができる(R.van Reis 及び A.L. Zydney, 上掲, p.2201を参照)。
次の実施例は、本発明の組成物を如何にして製造するか、本発明の方法を如何にして実施するかについての完全な開示と説明を当業者に提供するように提供されるもので、発明者が自分の発明と考えているものの範囲を限定することを意図するものではない。使用される数字(例えば量、温度等)に関して正確さを保証するため努力したが、幾分の実験誤差及び偏差は考慮されるべきである。特記しない限りは、温度は摂氏温度であり、化学反応は大気圧で実施した。
実施例1:荷電濾過膜の調製
例証目的のために、この実施例は荷電したCRC膜とそれを製造する方法を開示する。生成した膜が荷電され、未透過物中に所望のタンパク質を選択的に保持し、透過物と共に非荷電又は反対に荷電したタンパク質を通過させるように、電荷を当業者に知られている化学的方法により膜に加えることができると理解される。生成荷電膜は、非荷電膜と比較して所定の透過性に対してふるい係数が低いか、又は所定のふるい係数に対して透過性が高いといった特徴を有する。
CRC膜が、その親水性並びに逆圧に対する機械的な安定性のために好ましい。塩基性条件下で安定であるため、完全で速やかなクリーニングと保管が可能になる。CRC膜は親水性であるために、タンパク質の汚れを最小にし、膜のクリーニングを簡単にする。膜は、好ましくは水溶液中で反応性の荷電化合物と反応される。可燃性の有機化合物は避けられ、水溶性化合物はより容易にかつ完全に、製薬的用途における使用が意図されている荷電CRC膜から除去されるために、水性反応条件が有利である。CRC膜はMillipore, Corp.から得た(Bedford MA. 300kD MW膜をPLCMKと称した。1000kD MW膜をPLCXKと称した)。
セルロースのD-グルコース部分の第1級アルコール基を誘導体化のために標的とされるが、これはセルロースマトリックスの完全性を損なうことなく反応可能であるからである。第1級アルコール(R-OH)はハロゲン化アルキル(R'-X、ここでXは例えばBrである)と反応して、エーテル(R-O-R')を生成する。この実施例では、CRC膜は0.1NのNaOH中、2モルの3-ブロモプロピルトリメチルアンモニウムブロミドと、室温で終夜反応させた(図2Aに図示)。反応した膜を蒸留水で洗浄し、タンパク質濾過に使用するか、又は0.1NのNaOHに周囲温度で保管した。膜はこれらの条件下で少なくとも6ヶ月安定である。
第4級アンモニウムイオンは、約2〜10のpHの水溶液中で正荷電を有している。このpH範囲は、ほとんどのタンパク質が構造的に無傷であるか、又は活性状態まで回復可能なpH範囲に相当しており、荷電化合物の荷電部分として第4級アミンを有用なものとする。ハロゲン化物、例えば臭化物、塩化物及びヨウ化物は、第1級アルコールの酸素による求核攻撃のための良好な脱離基であるために、有用な反応性部分である。しかしながら、当業者によく知られている他のアニオン性基も反応を容易にするために使用してもよいことは理解される。
セルロースの第1級アルコールとハロゲン化アルキルを直接反応させることは、これが一工程反応であるために有利である。また、この方法は、後続の工程中に十分に反応しないか、又は添加された求核原子を除去又は不活性化するために付加的な反応を必要とする強い求核部分を用いて膜を誘導体化する必要を回避できるという利点を有する。本方法の他の利点は、多くのハロゲン化アルキルが市販されていることである。よって、本発明の荷電膜を調製する方法は、迅速で簡便であり、よって時間やコストを節約できる。
負に荷電した膜を同様な方法を使用して作製した。反応性の化合物は0.1NのNaOH中、2モルの3-ブロモプロパンスルホン酸であった。反応を図2Bに図示し、反応条件を3-ブロモプロピルトリメチルアンモニウムブロミドについて上述したものと同様のものとした。スルホン酸部分は多くのタンパク質の分離に有用なpH範囲において負に荷電したままである。
正又は負に荷電したCRC膜が均一に誘導体化されていることを証明するために、膜を試験された膜と反対の電荷を有する染料で染色した。CRC-O-プロピルトリメチルアンモニウムブロミド膜を蒸留水で広範囲にわたってすすぎ、水性ポンソー赤色溶液に浸した。負に荷電した染料は正に荷電した膜を均一に染色したが、3-ブロモプロピルトリメチルアンモニウムブロミドを含有しない0.1NのNaOHにさらした対照膜は染色しなかった。同様に、CRC-O-プロパンスルホン酸膜を蒸留水で広範囲にわたってすすぎ、メチレンブルー水溶液に浸した。正に荷電した染料は負に荷電した膜を染色したが、3-ブロモプロパンスルホン酸が不在の0.1NのNaOHにさらした対照膜は染色しなかった。よって、この実施例において、膜はハロゲン化アルキルにより均一にまた広範囲にわたって誘導体化されていた。
実施例2:膜のポアサイズ分布の修飾
立体的要因、例えばサイズ及び結合手の長さ、及び静電的要因、例えば電荷反発が許容する場合、反応性の荷電化合物がメンブレンポアに侵入する。よって、本発明において、所定の反応性の荷電化合物の侵入を許容する程十分に大きなメンブレンポアは、荷電化合物により誘導体化され、ポア内腔のサイズは減少する。図3には、ポア壁に共有結合して内腔内に突出しているプロピルトリメチルアンモニウムイオンを有するメンブレンポアの図が示されている。
結合手の長さが、荷電化合物が内腔内に突出し、その有効直径を低減させる度合いを制御する。電荷により、同様に荷電したタンパク質が除去される正に荷電した領域が生成される。よって、誘導化された膜と同じ全体の電荷を有する所望のタンパク質が、膜の表面並びに膜のポアによってはじかれ、よって所望のタンパク質の保持性を改善する。中性タンパク質は透過物と共に荷電したメンブレンポアを通過する傾向にあり、膜の表面又はポアに吸引もそれからはじかれもしていない。
実施例3:荷電したCRC膜を使用するタンパク質の分離方法
従来の膜を使用すると、ふるい性の改善のためには透過性が犠牲となるか、又は透過性の改善のためにはふるい性が犠牲になる。一般的に、膜の透過性が増加すると、ふるい係数が増加する。このために、保持されるタンパク質の多くが高度に透過性の膜を通過し、濾過プロセスを速くするが選択性を低下させ(高ふるい係数)、精製された所望のタンパク質の収率が低下し、あまり完全な分離がなされないことになる。図4は市販の限外濾過(UF)膜が透過性の改善のためにふるい性を犠牲にすることを実証するグラフである。図4のUF膜を標準化された混合デキストラン試験法を使用して試験した(例えば、Zeman及びZydney,上掲, p.183-88を参照)。試験した膜はPall Filtron社(セルロース、OmegaTM(親水性修飾されたポリスルホン)、AlphaTM(低汚染性に修飾されたポリエーテルスルホン)、及びNovaTM(ポリエーテルスルホン))及びMillipore社(再生セルロース(RC)、ScreenAを有するBiomaxTM、ScreenBを有するBiomaxTM、及びPES(ポリエーテルスルホン))からのものであった。
本発明の荷電膜は、非荷電膜と比較した場合に、所定の透過性に対してふるい係数を減少させる。非荷電膜の電荷修飾により、透過性に対してふるい性が犠牲になる(又はその逆)問題が解決する。本発明の膜は非荷電の対照膜と比較した場合に、所定の透過性に対するふるい性が劇的に改善されている。
図5は300kD又は1000kDのMW分画を持つ非荷電又は荷電膜に対する透過物流束(mL/min、x軸)とふるい性(y軸)との関係を示す。膜透過性に比例する因子である流束(Zeman 及び Zydney, 上掲,p.16)が増加すると、ふるい性が増加する。しかしながら、従来の膜の場合とは異なり、電荷が加えられた場合には、ふるい係数は所定の流束値に対して減少する。8mL/minと比較的高流束である場合(図5の「a」を参照)、1000kDのCRC荷電膜(CRC1000+)又は300kDCRC荷電膜(CRC300+)は、非荷電対照膜よりも約10倍低いふるい係数を有している。5mL/minと低流束である場合(図5の「b」を参照)、ふるい係数は1000kD及び300kDCRC荷電膜の双方に対して約100倍低減している。この実施例では、CRC膜の表面とポアに添加された荷電化合物はプロピルトリメチルアンモニウムイオンであった。膜は実施例1に開示されたようにして調製した。タンパク質は、CRC+膜と同様に正に荷電させる条件下でのrhuMAbHER2であった。ふるい係数は供給溶液中のrhuMAb HER2濃度(ng/mL)(既知)を、透過物中のrhuMAb HER2濃度(エライザで測定)で割ることにより算定した。
図5の「b」点におけるデータが再度算出され、プロットされて、図6に透過性とふるい性との関係が示される。これらのデータはまた所定の透過性に対し、ふるい性が、電荷が加えられた場合の300kD及び1000kDMW分画CRC膜の双方に対して100倍低減していることを示している。よって最適な透過性は、膜のふるい係数を(害するよりは)大きく改善し、所望のタンパク質の分離性と収率を改善することを可能にしながら、迅速な分離を可能にするように選択されうる。膜特性におけるこれらの劇的で意外な改善は膜の表面とポアへの荷電化合物の付加の結果としてもたらされる。
本発明に係るタンパク質混合物の分離。 それぞれ異なるpIを有するタンパク質の混合物を、本発明の荷電膜を使用して分離した。最初の実施例では、2つのタンパク質を分離した。所望のタンパク質であるrhuMAbHER2はpI8.9を有する。ウシ血清アルブミン(BSA)は不純物でpI4.8を有する。タンパク質をpH4.5のバッファーで混合してrhuMAb HER2を正に荷電させ、BSAを中性にした。本発明の正に荷電した膜、例えばCRC-O-プロピルトリメチルアンモニウム膜を分離のために使用した。タンパク質とバッファーを正に荷電した膜と接触させた。2つのタンパク質のうち、BSAは膜の正の表面又はポアにはじかれなかったため、BSAだけが膜を貫通て透過物中に入った。所望のタンパク質rhuMAb HER2は正に荷電した膜の上流に保持された。
この実施例では、pI4.8を有するBSA等のタンパク質を保持するために関連した方法が有用であるが、pI8.1を有する所望の生成タンパク質、例えばFab(例えば抗VEGF Fab)は膜を通過され、この実施例ではそれぞれ68kDと45kDである2つの同様なサイズのタンパク質が分離される。分離はpH8のバッファーを使用することで実施され、それによってFabは中性になる。pH8のバッファー中でBSA及びFabタンパク質の混合物が本発明のCRC-O-プロパンスルホン酸膜(pH8で負に荷電)と接触され、より高いpIのタンパク質(Fab、pI8.1)が膜を通過して透過物中に入り、低pIの負に荷電したタンパク質(BSA、pI4.8)が負に荷電した膜の上流に保持される。
選択的なタンパク質保持及び除去のための同様の方法が続けられるが、pH勾配が上述した段階的なpH変化に対して好ましい。
上記の明細書文書は、当業者に本発明を実施できるようにするために十分であると考えられる。実施例は、本発明のある側面の一つの説明として意図されており、機能的に等価な任意の組成物又は方法がこの発明の範囲内にあるため、提供された実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。実際、本明細書中に示し記載したものに加えて、本発明を様々に変更することは、前記の記載から当業者にとっては明らかなものであり、添付の特許請求の範囲に入るものである。
分離溶液(未透過物及び透過物)の所定のpHにおける表面アミノ酸のpKa値に基づき、正味電荷を有するタンパク質を表す荷電球を示す図である。濾過膜は全体として正電荷を有することが図示されている。分離溶液の流れは膜を貫通して下流方向に向いており、未透過タンパク質は未透過物において膜と同じ電荷(正)を有する一方、正味の中性および負のタンパク質は透過物と共に膜を通過する。 反応性の荷電化合物、3-ブロモプロピルトリメチルアンモニウムブロミドと反応するセルロース膜の図である。-OH部分はCRCマトリックスの第1級アルコールを表す。第1級アルコールはこの図ではハロゲン化アルキルと反応して、セルロースマトリックスに荷電部分を連結させるエーテル共有結合を形成する。 第1級アルコールが反応性の荷電化合物、3-ブロモプロピルスルホナートと反応し、エーテル共有結合を形成したセルロース膜の同様の図である。図2A−2Bのこれらの実施例では、反応は塩基で触媒される。 3-ブロモプロピルトリメチルアンモニウムブロミドと反応した濾過膜のポアを示す図である。一つのポアが拡大されており、ポアの表面に結合した荷電した化合物がポアの内腔中に突出していることが示されている。表面修飾の結果として、ポアサイズは効果的に減少している。さらに、ポアの正荷電は、同様の電荷のタンパク質を反発し、タンパク質が混合物中の中性タンパク質に対して保持される可能性を増大させる。 10種の市販されている非電荷濾過膜についての膜透過性(x軸)とタンパク質ふるい性(y軸)との関係を示すグラフである。グラフには、透過性を増加させることがふるい性の増加に対応することが示されている。10kDの平均サイズを有する市販膜用の試験溶質は非荷電のデキストランであった。「F」及び「M」はそれぞれ膜の製造者Filtron及びMilliporeを意味する。 300kD又は1000kDのMW分画(カットオフ)を持つ非荷電および荷電膜に対する透過物流束(ml/min、x軸)とふるい性(y軸)との関係を示すグラフである。流束は膜透過性に比例している(Zeman及びZydney,上掲, p.16を参照)。流束が増加すると、ふるい性が増加する。しかしながら、従来の膜の場合とは異なり、電荷が膜に加えられると、同様に荷電したタンパク質のふるい係数は所定の流束値に対して減少する。 実線で示す300kDの平均ポアサイズを有する非荷電膜(白抜きダイヤ)と1000kDの平均ポアサイズを有する非荷電膜(白抜き円)の膜透過性(y軸)とふるい性(x軸)との関係を示すグラフである。300kDの平均ポアサイズを有する正に荷電した膜(黒のダイヤ)と1000kDの平均ポアサイズを有する正に荷電した膜(黒の円)は破線で示す。溶質タンパク質は正に荷電した組換えヒト抗HER2モノクローナル抗体(rhuMAbHER2)である。データは、膜が試験されるタンパク質と同じ電荷を有している場合、所定の透過性に対して、ふるい性が劇的に(この実施例では、およそ2桁)減少することを示している。

Claims (1)

  1. 荷電濾過膜を調製する方法であって、反応性の荷電した化合物で共有結合的に修飾される非荷電セルロース膜、及び、
    該非荷電膜の表面の水酸基を荷電化合物の反応性基と反応させて、荷電化合物を該非荷電膜と共有結合させることを含んでなり、
    該荷電化合物はポアの内腔に突出し、メンブレンポアサイズは分布は、該非荷電膜のメンブレンポアサイズに対して狭く、
    荷電膜及び同様な荷電を有するタンパク質溶質のために、溶質ふるい性は、該非荷電膜に対して少なくとも1.5倍低下しており、
    該タンパク質溶質及び溶媒を含んでなる溶液に関して、該非荷電膜と対比して、膜透過性が実質的に該溶媒について同じである前記方法。
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