JP2006108812A - マルチキャスト配信システム、通信端末装置およびデータ再送方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ネットワークを介して符号語をマルチキャスト受信し、重み1復号法により前記受信した符号語を復号し、前記復号の結果、復元に失敗したデータブロックの中から、前記重み1復号法に係る重みが大きいデータブロックの再送を要求する再送方式3を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
図14において、ステップ0では、送信者は、配信データを4つのデータブロックA,B,C,Dに分割する。そして、データブロックA〜Dの中から選択したデータブロックの組ごとに、同組内の各データブロックの値のXOR演算を行い、送信データとなる符号語を生成する。図14の例では、5つの符号語X1,X2,X3,X4,X5が生成されている。符号語X1の値はデータブロックA,B,Cの各値のXOR演算結果であり、符号語X2の値はデータブロックA,Bの各値のXOR演算結果であり、符号語X3の値はデータブロックCの値に等しく、符号語X4の値はデータブロックA,B,Dの各値のXOR演算結果であり、符号語X5の値はデータブロックA,Cの各値のXOR演算結果である。
ステップ5では、新たな重み1の符号語が発見されないので、復号を終了する。
上記図14、図15の例では、連立一次方程式の全ての解が得られ、つまり全てのデータブロックA〜Dが復元される。
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチキャスト配信システムの構成を示すブロック図である。図1において、配信サーバ11は、排他的論理和(XOR)演算のみで構成される符号化法の一つであるFountain符号化法により配信データを符号化し、得られた符号語を格納したパケットをパケットネットワーク20を介してマルチキャスト送信する。受信端末12は、配信サーバ11からマルチキャスト送信されたパケットをパケットネットワーク20を介してマルチキャスト受信する。
図2は、図1に示す受信端末12が行う復号処理の流れを示すフローチャートである。
図2において、受信端末12は、マルチキャスト受信したパケットに格納されている符号語を重み1復号法により復号する(ステップS101、S102)。この復号の結果、復元に失敗したデータブロックが発生した場合(ステップS103がNO)、受信端末12は、配信サーバ11に対して再送要求を送信する。
本実施形態では、以下に示す3つの再送方式1〜3の中からいずれか一つを選択して配信サーバ11に対する再送要求を行う。
復元に失敗した全データブロックの再送を配信サーバ11に対して要求する。再送対象のデータブロックは、データブロックに付加されているシーケンス番号に基づいて判別する。受信端末12は、配信サーバ11に対して、再送対象のデータブロックを該当するシーケンス番号で指定して一つずつ要求する。この要求順序は、シーケンス番号に従ってもよく、或いはランダムであってもよい。配信サーバ11は、受信した再送要求に応じて再送対象のデータブロックを当該受信端末12にユニキャスト送信する。
受信エラーし損失した符号語の再送を配信サーバ11に対して要求する。再送対象の符号語は、符号語に付加されているシーケンス番号に基づいて判別する。受信端末12は、再送対象の符号語の再送要求リストを作成して配信サーバ11に送信する。該再送要求リストには、再送対象の符号語に該当するシーケンス番号を記載する。配信サーバ11は、受信した再送要求リストに基づき、再送対象の符号語を当該受信端末12にユニキャスト送信する。
復元に失敗したデータブロックの中から、重みが大きいデータブロックの再送を配信サーバ11に対して要求する。この重みが大きいデータブロックとは、符号化単位であるデータブロックの組ごとにそのXOR演算結果である符号語を対応付ける連立一次方程式において、未解答の方程式に含まれる割合が大きいデータブロックを指す。受信端末12は、配信サーバ11に対して、重みが大きいものから順番に、データブロックを要求する。一度の要求では、1パケットに格納できる個数分のデータブロックを要求することが効率的であり好ましい。配信サーバ11は、受信した再送要求に応じて再送対象のデータブロックを当該受信端末12にユニキャスト送信する。
復元に失敗したデータブロックの個数が閾値a以上である場合場合において(ステップS104がNO)、損失した符号語の個数Loss_numberが閾値b未満であるときは、再送方式2を選択し、配信サーバ11に対して再送要求を行う(ステップS107)。
復元に失敗したデータブロックの個数が閾値a以上である場合場合において(ステップS104がNO)、損失した符号語の個数Loss_numberが閾値b以上閾値c以下であるときは、再送方式3を選択し、配信サーバ11に対して再送要求を行う(ステップS108)。
図3の例では、送信者Sの配信サーバ11は配信データを3つのデータブロックA,B,Cに分割する。そして、データブロックA〜Cの中から選択したデータブロックの組ごとに、同組内の各データブロックの値のXOR演算を行い、送信データとなる5つの符号語X1,X2,X3,X4,X5を生成する。符号語X1の値はデータブロックA,B,Cの各値のXOR演算結果であり、符号語X2の値はデータブロックA,Bの各値のXOR演算結果であり、符号語X3の値はデータブロックCの値に等しく、符号語X4の値はデータブロックA,Bの各値のXOR演算結果であり、符号語X5の値はデータブロックA,Cの各値のXOR演算結果である。
本実施形態では、計算機シミュレーションに基づいて閾値a,b,cを求める。
・配信データ
・マルチキャスト符号化方式(データブロック数KとXOR演算の選び方(choose_XOR_func))
・マルチキャスト復号方式(重み1復号方式)
・マルチキャスト配信符号語数(send_packet)
・消失確率(p)
・受信者数(receiver_number)
・シミュレーション回数(trial_number)
計算機シミュレーションは、以下の測定をシミュレーション回数(trial_number)分繰り返すことにより行う。
上記のパラメータ(シミュレーション回数は除く)を用いてマルチキャスト配信を行ったとき、データの復元に失敗した受信者がいたとする(当該受信者がいない場合は1回分のシミュレーションは終了)。データの復元に失敗したそれぞれの受信者に対して、上記した再送方式1,2,3をそれぞれ用い、以下の4つの測定項目1〜4を組として測定を行う。
・測定項目1;受信者がマルチキャストで復元できていないデータブロックの数(未復元のデータブロック数)
・測定項目2;マルチキャスト配信で損失した符号語の数(損失符号語数)
・測定項目3;使用した再送方式
・測定項目4;当該再送方式によりデータ復元に要した再送回数
データの復元に失敗した全ての受信者に対して上記の測定が終了したときに、シミュレーションは1回分終了する。
上記シミュレーションにより得られた測定結果を用いて、上記閾値a,b,cを求める。なお、全てのシミュレーションにおいて、データの復号に失敗した受信者が唯一人も発生しなかった場合は、再送方式3のみを使用するようにする。
先ず、各々の閾値a,b,cに関して、以下に示すパラメータεa,εb,εcを定める。
・パラメータ決定のε近傍εa、εb、εc≧0
上記パラメータεは、再送方式を選択する際に、送信者の再送量(回数)と受信者の計算量とのトレードオフの関係を定めるパラメータである。例えば「再送量の違いがε程度であるならば、計算量の少ない方の再送方式を使用した方がよい」というような判断を行うための基準を与えるパラメータである。
また、パラメータεは、誤差の許容範囲を定めるパラメータとしても機能する。例えば「なるべく再送方式3を用いるようにするが、ε程度のシミュレーション誤差が加味されたとしても他の再送方式の方がよいと判断されるのであれば、該よい方の再送方式を使用した方がよい」というような判断を行うための基準を与えるパラメータである。
再送方式1に関して、復元に失敗したデータブロック数をパラメータとした平均再送回数を求める。この平均再送回数は、図4の最下段の行に示される平均値に対応している。
また、再送方式2と再送方式3に関して、再送方式2及び3を各々のパラメータ(復元に失敗したデータブロック数(未復元のデータブロック数)と損失した符号語数(損失符号語数))に基づいて再送回数が最小となる再送方式を選択することにより最適に使い分けた場合に、復元に失敗したデータブロック数をパラメータとした平均再送回数を求める。例えば、図5及び図6の結果から、図7に示されるテーブルが作成される。具体的には、図5および図6の各結果を比べて最小値の要素を図7のテーブルの要素とし、平均を再計算する。
閾値bの求め方は、上記した閾値aの求め方と基本的には同じである。
再送方式2、3に関して、損失した符号語数をパラメータとした平均再送回数をそれぞれ求める。これらの平均再送回数は、それぞれ図5、図6の最右列に示される平均値に対応している。次いで、これらの2つの平均再送回数を比較し、再送方式2の平均再送回数が再送方式3の平均再送回数よりεb未満であることを満足する「損失した符号語数」の中で、最大の符号語数を閾値bに選択する。例えば、「εb=0.1」である場合、図5および図6に基づいた図9に示されるように、閾値bは「6」となる。但し、「損失した符号語数」が7以上であって再送方式2の平均再送回数が再送方式3の平均再送回数よりεb未満であることを満足する「損失した符号語数」は存在していないとする。
再送方式1、3に関して、損失した符号語数をパラメータとした平均再送回数をそれぞれ求める。これらの平均再送回数は、それぞれ図4、図6の最右列に示される平均値に対応している。次いで、これらの2つの平均再送回数を比較し、再送方式1の平均再送回数が再送方式3の平均再送回数よりεc以下であることを満足する「損失した符号語数」の中で、最大の符号語数を閾値cに選択する。なお、当該条件に合致する閾値cが閾値bより小さければ、閾値cとして閾値bの値を用いる。例えば、図5および図6に基づいた図10に示されるように、閾値cは「send_packet −1」となる。但し、「損失した符号語数」が「send_packet −2」以下であって再送方式1の平均再送回数が再送方式3の平均再送回数よりεc以下であることを満足する「損失した符号語数」は存在していないとする。
なお、シミュレーション回数(trial_number)を十分大きくすることにより、閾値a,b,cを最適化することができる。
また、ε近傍εa、εbは、シミュレーション回数に合わせて適切な値に定める。なお、ε近傍εcは、再送回数または受信側での計算量のいずれを重要視するかに基づいて適切な値を定める。但し、ε近傍εa、εb、εcとして適当な値を定めることが困難な場合には、全ての値を「0」に設定してもよい。
また、マルチキャスト配信符号語数(send_packet)と消失確率(p)は実環境に対して誤差が小さいものを選択する。
例えば、上述した実施形態では、閾値a,b,cに基づいて再送方式1,2,3を選択するようにしたが、復元に失敗したデータブロック数および損失した符号語数の組ごとに、使用する再送方式が定義された再送方式選択関数もしくは再送方式選択テーブルを予め準備し、受信端末12が該関数もしくはテーブルに基づいて再送方式1,2,3を選択するようにしてもよい。この場合の受信端末12が行う復号処理の流れを図12に示す。
Claims (15)
- 配信データを所定数のデータブロックに分割し、任意に選択されたデータブロックの組ごとに排他的論理和演算して生成した符号語をマルチキャスト形式で送信する送信装置を備えるマルチキャスト配信システムにおいて、
前記送信された符号語をネットワークを介して受信し、重み1復号法により前記受信した符号語を復号する通信端末装置を備え、
前記通信端末装置は、
前記復号の結果、復元に失敗したデータブロックの中から、前記重み1復号法に係る重みが大きいデータブロックの再送を前記送信装置に要求する第1の再送要求手段を備えたことを特徴とするマルチキャスト配信システム。 - 復元に失敗した全データブロックの再送を前記送信装置に要求する第2の再送要求手段と、
損失した符号語の再送を前記送信装置に要求する第3の再送要求手段と、
復元に失敗したデータブロックの割合および損失した符号語の割合に基づき、前記第1から第3の再送要求手段の中からいずれか一つを選択する再送方式選択手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のマルチキャスト配信システム。 - 前記再送方式選択手段は、
前記第2の再送要求手段を選択するために満たすべき条件として、復元に失敗したデータブロックの割合の上限を規定する第1の閾値を有することを特徴とする請求項2に記載のマルチキャスト配信システム。 - 前記再送方式選択手段は、
損失した符号語の割合の高位範囲を規定する第2の閾値と、損失した符号語の割合の下位範囲を規定する第3の閾値とを有し、
前記第1の閾値による前記第2の再送要求手段に係る選択条件が満たされなかった場合において、
前記第2の閾値が満たされたときは前記第2の再送要求手段を選択し、
前記第3の閾値が満たされたときは前記第3の再送要求手段を選択し、
前記第2及び第3の双方の閾値ともに満たされなかったときは前記第1の再送要求手段を選択することを特徴とする請求項3に記載のマルチキャスト配信システム。 - 前記再送方式選択手段は、
復元に失敗したデータブロックの個数および損失した符号語の個数の全組み合わせに対する前記再送要求手段の選択内容を表す関数もしくはテーブルを有することを特徴とする請求項2に記載のマルチキャスト配信システム。 - 配信データを所定数のデータブロックに分割し、任意に選択されたデータブロックの組ごとに排他的論理和演算して生成した符号語をマルチキャスト形式で送信する送信装置から、ネットワークを介して前記送信された符号語を受信する受信手段と、
重み1復号法により前記受信した符号語を復号する復号手段と、
前記復号の結果、復元に失敗したデータブロックの中から、前記重み1復号法に係る重みが大きいデータブロックの再送を前記送信装置に要求する第1の再送要求手段と、
を備えたことを特徴とする通信端末装置。 - 復元に失敗した全データブロックの再送を前記送信装置に要求する第2の再送要求手段と、
損失した符号語の再送を前記送信装置に要求する第3の再送要求手段と、
復元に失敗したデータブロックの割合および損失した符号語の割合に基づき、前記第1から第3の再送要求手段の中からいずれか一つを選択する再送方式選択手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の通信端末装置。 - 前記再送方式選択手段は、
前記第2の再送要求手段を選択するために満たすべき条件として、復元に失敗したデータブロックの割合の上限を規定する第1の閾値を有することを特徴とする請求項7に記載の通信端末装置。 - 前記再送方式選択手段は、
損失した符号語の割合の高位範囲を規定する第2の閾値と、損失した符号語の割合の下位範囲を規定する第3の閾値とを有し、
前記第1の閾値による前記第2の再送要求手段に係る選択条件が満たされなかった場合において、
前記第2の閾値が満たされたときは前記第2の再送要求手段を選択し、
前記第3の閾値が満たされたときは前記第3の再送要求手段を選択し、
前記第2及び第3の双方の閾値ともに満たされなかったときは前記第1の再送要求手段を選択することを特徴とする請求項8に記載の通信端末装置。 - 前記再送方式選択手段は、
復元に失敗したデータブロックの個数および損失した符号語の個数の全組み合わせに対する前記再送要求手段の選択内容を表す関数もしくはテーブルを有することを特徴とする請求項7に記載の通信端末装置。 - 配信データを所定数のデータブロックに分割し、任意に選択されたデータブロックの組ごとに排他的論理和演算して生成した符号語をマルチキャスト形式で送信する送信装置を備えるマルチキャスト配信システムにおけるデータ再送方法であって、
前記送信された符号語をネットワークを介して受信した通信端末装置が、
重み1復号法により前記受信した符号語を復号する過程と、
前記復号の結果、復元に失敗したデータブロックの中から、前記重み1復号法に係る重みが大きいデータブロックの再送を前記送信装置に要求する第1の再送要求過程と、
を含むことを特徴とするデータ再送方法。 - 前記通信端末装置が、
復元に失敗した全データブロックの再送を前記送信装置に要求する第2の再送要求過程と、
損失した符号語の再送を前記送信装置に要求する第3の再送要求過程と、
復元に失敗したデータブロックの割合および損失した符号語の割合に基づき、前記第1から第3の再送要求手段の中からいずれか一つを選択する再送方式選択過程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のデータ再送方法。 - 前記再送方式選択過程において、
前記第2の再送要求手段を選択するために満たすべき条件として、復元に失敗したデータブロックの割合の上限を規定する第1の閾値を有することを特徴とする請求項12に記載のデータ再送方法。 - 前記再送方式選択過程において、
損失した符号語の割合の高位範囲を規定する第2の閾値と、損失した符号語の割合の下位範囲を規定する第3の閾値とを有し、
前記第1の閾値による前記第2の再送要求手段に係る選択条件が満たされなかった場合において、
前記第2の閾値が満たされたときは前記第2の再送要求手段を選択し、
前記第3の閾値が満たされたときは前記第3の再送要求手段を選択し、
前記第2及び第3の双方の閾値ともに満たされなかったときは前記第1の再送要求手段を選択することを特徴とする請求項13に記載のデータ再送方法。 - 前記再送方式選択過程において、
復元に失敗したデータブロックの個数および損失した符号語の個数の全組み合わせに対する前記再送要求手段の選択内容を表す関数もしくはテーブルを有することを特徴とする請求項12に記載のデータ再送方法。
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