JP2006108635A - 半導体発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子の表面にナノメートルサイズのメサ+円柱+円錐部を有する凸構造を形成し、発光効率特性を改善する。
【解決手段】半導体発光素子の光取り出し面に複数の凸構造が形成された半導体発光装置であって、凸構造20は、光取り出し面から順に、屈折率勾配構造を成す円錐状のメサ部21、回折格子構造を成す円柱部22、屈折率勾配構造を成す円錐部23の3つの構造を有し、凸構造20の間隔が、発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍以下の範囲であり、円柱部22の円相当平均直径はメサ部21の下底部の円相当平均直径の1/3から9/10倍の範囲である。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオードや半導体レーザ等の半導体発光装置に係わり、特に光取り出し部分の改良をはかった半導体発光装置及びその製造方法に関する。
半導体発光素子を構成する化合物半導体は屈折率が非常に高く、この種の半導体を用いた発光素子は、表面及び界面での反射による光の損失の問題が生じている。このため、素子内部で発生した光を外部に効率良く取り出すことが困難である。例えば、ガリウムリン(GaP)などの化合物の屈折率は3.2〜3.5程度もあり、全反射のため光の19%程度しか取り出すことができない。
その対策として一般に、半導体発光素子の表面に反射防止膜として屈折率1.5程度の単層膜を形成することが行われている。しかしながら、この種の発光素子では発光表面と単層膜の屈折率差が比較的大きいことから、充分であるとはいえない。
光の取り出し効率を上げるために、発光素子の表面にナノメートルサイズの規則的構造(凹凸)を形成して高透過することが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。凹凸がナノメートルサイズであることから、光は凹凸領域を屈折率が半導体表面から空気まで滑らかに変化する層と感じるようになる。そのため、反射は無くなり光は完全に透過することになる。しかしながら、この構造は凹凸領域の形状によって光取り出し効率が大きく変わり、十分な効果が得られていないのが現状である。
また、上記の反射防止効果がある規則的構造は、ナノメートルサイズのため最新のエキシマレーザーを用いた光リソグラフィでさえ限界に近い値であるため、電子ビームによる描画・エッチング等で作製しなければならない。このため、製造コストは高く、生産性も悪く実用的ではない。さらに、規則的構造をナノメートルサイズで作製しなくてはならないことから、プロセスに対する余裕度が低い。
なお、発光素子の表面にナノメートルサイズの構造を形成するために、ミクロ相分離構造を自己組織的に形成する樹脂組成物を用いて形成し、表面に形成されたミクロ相分離構造の少なくとも一方の相を選択的に除去し、残りをエッチングマスクに用いて表面をエッチングする方法がある(例えば、特許文献1参照)。さらに、発光表面を粗面化する技術として、塩酸,硫酸,過酸化水素,若しくはこれらの混合液で表面処理をして、粗面化する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。ミクロンサイズの凹凸を形成することにより、凹凸での光の多重散乱を利用して光を多く取り出す方法である。
しかしながら、これらの方法は、基板の結晶性の影響を受け、露出面方位により粗面化できる面とできない面が発生する。このため、常に光取り出し面が粗面化できるとは限らず、光取り出し効率の向上には制約があった。また、凹凸の形状によって光取り出し効率が大きく変化し、如何なる形状が望ましいか分かっていないのが現状であった。
特開2003−258296号公報 特開2000−299494号公報 Applied Physics Letters,142,vol78,2001,Jpn.J.Appl.Phys.,L735,vol39,2000
このように従来、光取り出し効率の向上をはかるために半導体発光素子の表面に微細な凹凸構造を形成する方法が検討されているが、凹凸構造の最適形状が分からず十分な効果は得られていないのが現状である。また、発光素子の表面に微細な凹凸構造を再現性良く形成するのは極めて困難であった。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、発光素子の光取り出し面に適切な凹凸構造を形成することにより、素子内部で発生した光を高効率で外部に取り出すことができ、発光効率の向上をはかり得る半導体発光装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記の半導体発光装置を安い製造コストで、且つ高い生産性をもって実現する半導体発光装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
即ち、本発明の一態様は、半導体発光素子の光取り出し面に複数の凸構造が形成された半導体発光装置であって、前記凸構造は、前記光取り出し面から順に、屈折率勾配構造を成す円錐状のメサ部、回折格子構造を成す円柱部、屈折率勾配構造を成す円錐部の3つの構造を有し、前記凸構造の間隔が、発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍以下の範囲であり、前記円柱部の円相当平均直径は該メサ部の下底部の円相当平均直径の1/3から9/10倍の範囲であり、前記凸構造の平均高さは発光波長の0.6から1.5倍の範囲であり、前記メサ部の上頂部の円相当平均直径は前記円柱部の円相当平均直径と同等であり、前記円柱部の平均高さは発光波長の3/10から1倍の範囲である該メサ部の下底部の円相当平均直径は発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍の範囲であり、前記メサ部の平均高さは発光波長の1/10から1/5の範囲であり、前記円錐部の下底部の円相当平均直径は前記円柱部の円相当平均直径と同等であり、前記円錐部の平均高さは発光波長の1/10から1倍の範囲であることを特徴とする。
なお、ここで基板の屈折率とは、発光素子を構成する半導体基板の屈折率のことであり、外部媒質の屈折率とは、半導体素子の外側に存在する発光素子の封止材料のことであり、封止をしない場合は空気などの屈折率である。
また、本発明の別の一態様は、上記の半導体発光素子の製造方法であって、前記光取り出し面上に円形パターンを周期的に配列したマスクを形成する工程と、前記マスクを用いて反応性イオンエッチング法により、前記光取り出し面を成す光放射側最外層又は無機光透過性層を選択的にエッチングすることによって、前記凸構造の円柱部を形成する工程を有することを特徴とする。
さらに必要に応じて、前記マスクを除去した後に、不活性ガスを用いた物理エッチング法により前記光放射側最外層又は無機光透過性層をエッチングすることによって、前記円柱部の底部に前記メサ部を形成すると共に該円柱部の頂部に前記円錐部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。なお、不活性ガスを用いた物理エッチング法としては、He,Ar,Neを用いたスパッタリングやイオンミリングなどがある。
本発明によれば、半導体発光素子の光取り出し面に形成する複数の凸構造を、屈折率勾配構造(メサ部),回折格子構造(円柱部),及び屈折率勾配構造(円錐部)の3つの構造を有するものとし、各々の構造を最適化することにより、素子内部で発生した光を高効率で外部に取り出すことができ、発光効率の向上をはかることができる。より具体的には本発明の凸構造は、ナノメートルサイズの凸構造と比較して、屈折率勾配効果により反射を抑えられるだけでなく、回折格子構造を有するため、より広角入射の光を外部に取り出すことが可能になる。
また本発明では、マスクを用いた反応性イオンエッチングと不活性ガスを用いた物理エッチングの2段階エッチング方法を採用することにより、上記の凸構造を有する半導体発光装置を安い製造コストで、且つ高い生産性をもって実現することができる。
発明の実施形態を説明する前に、本発明の原理について説明する。
本発明者らは、半導体発光素子における光取り出し効率を高めるために鋭意研究及び種々の実験を行った結果、光取り出し面に凸構造を形成し、この凸構造を最適化することにより、光取り出し効率が大幅に向上することを見出した。
図1は、本発明に係わる半導体発光装置の基本構成を示す図である。発光層13を有する面発光型の半導体発光素子基板10の光取り出し面側に、後述する3段構成の凸構造20が形成されている。
光取り出し面は、発光素子基板10の光放射側最外層表面で一般に電流拡散層であり、この電流拡散層に凸構造20を形成することになる。電流拡散層上には部分的に電極が形成されているが、電極の形成されていない面が光取り出し面であり、この部分に凸構造20を形成することになる。また、電流拡散層上に該層と屈折率が同等の無機光透過性層を形成し、この無機光透過性層に凸構造20を形成してもよい。工程の簡便さや光取り出し効率の高さから、電流拡散層の電極を形成していない露出表面に直接、凸構造部20を形成した方がよい。
凸構造20は、図2に示すように、底辺部から頂点に向かって順に、屈折率勾配構造を成すメサ部21、回折格子構造を成す円柱部22、屈折率勾配構造を成す円錐部23の3つの構造を備えている。
凸構造20を構成する凸構造間隔Hは、発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍以下の範囲である。ここで、外部媒質の屈折率<基板屈折率である。凸構造20の円柱部22の円相当平均直径Cは、凸構造20のメサ部21の下底部の円相当平均直径の1/3から9/10倍の範囲である。さらに、凸構造20の平均高さBは、発光波長の0.6から1.5倍の範囲である。
また、凸構造20を構成する3つの部分21,22,23の大きさ、高さは以下の通りである。
(円柱部)
円柱部22の平均高さEは、発光波長の3/10から1倍の範囲である。
(メサ部)
メサ部21の下底部の円相当平均直径Aは、発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍の範囲である。メサ部21の上頂部の円相当平均直径Cは、円柱部の円相当平均直径Cと同等である。メサ部21の平均高さDは、発光波長の1/10から1/5の範囲である。
(円錐部)
円錐部23の底辺部の円相当平均直径Fは円柱部22の上頂部と同等である。円錐部23の平均高さGは、発光波長の1/10から1倍の範囲である。
ここで、凸構造の間隔とは、凸構造の円錐部の頂点間距離と定義する。円柱部22及び円錐部23の底面の円相当平均直径Fは、2×(面積/π)0.5 で定義される。円柱部22及び円錐部23の定義は、円柱,円錐の底面の円形度係数が、0.6以上1以下の範囲内に規定されるものとする。円形度係数は、4π×面積/(周囲長)2 で定義され、この係数が0.6未満の場合、円柱,円錐の底面が殆ど円と見なすことはできず、円柱部又は円錐部とはいえない。ここで本発明では、円形度係数が0.6以上を実質的な円と見なし、この場合の円柱部又は円錐部の円相当平均直径とは、実質的な円の面積から、該円を真円に換算したときの直径を意味するものとする。
なお、本発明においては、光として可視光のみならず、紫外光についても、適用することができる。従って、上記の発光波長としては、300nm以上800nm以下の範囲とすることが適切であり、メサ部21の下底部の円相当平均直径の範囲は、300/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)nm以上800nm以下の範囲となる。
本発明において、微細な凹凸を施す表面を、発光素子を構成する半導体層の光放射側最外層表面としたのは、発光素子からの光放射を効率的に外部に取り出すためには、光伝達経路を構成する複数の物質の接合界面において屈折率が大きく異なっている(例えば1.5以上異なっている)界面で、光の伝達損失が大きくなるため、その界面を構成する表面に微細な凹凸を設けるものである。この界面としては、発光素子を構成する半導体層と空気層との界面、或いは、発光素子を保護するためのプラスチックなどの保護膜を形成している場合には、半導体層と保護膜との界面などが挙げられる。
次に、本発明の凸構造20における凸構造の間隔、3つの部分21,22,23に関する寸法規定、更には製造方法の説明を行う。
[凸構造間隔]
凸構造の間隔については、図15のような回折格子を考えると、スカラー理論による回折格子の式は、以下のように与えられる。
Figure 2006108635
ここで、n0 ,nsub ,θi ,θm ,λ,dはそれぞれ、外部媒質の屈折率,基板の屈折率(3.2で計算),入射角度,出射角度,波長,回折格子の間隔である。1次以上の回折が起こるためにはn0 <nsub (外部媒質の屈折率<基板屈折率)であり、mは回折次数であり、光取り出し向上に関係するのはm=−1である。ここでは、簡単のためにn0 =1(空気)、λ=600nmで計算した。(1)式から求めた−1次光の回折可能な入射角度の計算結果を下記の(表1)に示す。
Figure 2006108635
この(表1)から、凸構造の間隔が100nmでは、回折は起こらないことが分かる。そのため、光取り出し向上は屈折率勾配効果分のみである。格子間隔が150,200nmでは広角入射で回折が起こり、200nmでは39°以上と広い範囲で回折が起こることが分かる。このことから、浅い角度の入射では屈折率勾配効果によって光取り出しが向上し、広角入射では回折効果より光取り出しが向上する。そのため、大幅な光取り出し向上が実現すると考えられる。(1)式から外部媒質が空気の場合、格子間隔が発光波長の1/(1+屈折率)より大きければ回折は起こる。更に格子間隔が大きくなると、−1次の回折角は浅い角度になり、波長と同程度の600nmでは回折する角度は38°内と狭くなる。しかし、600nmにおいても全反射角(19°)より広角の光を回折することから光取り出し向上は実現する。しかし、波長よりも大きいと−1次の回折角は更に浅い角度になり、光取り出しはあまり向上しないし、散乱の効果が出てきてしまいそれほど光取り出しは向上しなくなる。そのため、凸構造の間隔は1倍以下が望ましい。
[円柱部]
円柱部22の円相当平均直径は、メサ部21の下底部の円相当平均直径の1/3から4/5倍の範囲であり、メサ部21の上頂部の円相当平均直径Cと一致する。そうすることにより、メサ部21と円柱部22の界面での反射は起こらない。
凹凸の大きさと間隔に関しての回折は、空間内に屈折率の濃淡(n1、n0)がある場合の散乱(回折)強度Is は、以下の式のように与えられる。
Figure 2006108635
(3)式のn0 2は微小角のみに関係があり、0と取り扱ってよい。よって(3)式を(2)式に代入すると以下のようになる。
Figure 2006108635
積分の中身は凹凸の形状、大きさの因子であり、これを解くとどの角度にどの程度の光が出るか分かる。〈η2 av は凹凸の密度因子であり、この値が最大のとき散乱(回折)Is は最大となる。GaPの体積分率をφA 、空間の体積分率をφB とすると、〈η2 av は以下のように与えられる。
Figure 2006108635
よって、Is はφA =φB =0.5で最大となる。
これより、φA とφB の積によって回折効率が決まることが分かる。円相当平均直径は、メサ部21の下底部の円相当平均直径の0.7倍付近に極大があり、ここから離れること回折の効果が小さくなる。
また、メサ部21の上頂部の円相当平均直径Cは、下底部の9/10倍よりも大きいときや、1/3倍よりも小さい場合には、最適化された間隔に比べ回折の効果が1/5以下になってしまう。そのため、上頂部の円相当平均直径Cは、下底部の1/3から9/10倍の範囲が望ましい。これは以下のような理論から、決定される。
円柱部22の平均高さEは、文献(Journal of Optical Society Of America,1385,vol72,No10,October,1982)を参照すると、光の波長の3/10以上が好ましいと見積もられる。これより小さいと、回折効果が殆どなくなってしまう。また、平均高さEは、1倍以下程度が望ましい。それ以上になってしまうと、逆に回折効率が落ちてしまうからである。
[メサ部]
光の散乱を生じる表面構造において、表面構造体の大きさが大きい物ほど光に対して影響が大きく、その効果は大きさの2乗に比例する。そのため、メサ部21の下底部の円相当平均直径Aは、発光素子の発光光の波長の1/20以上であることが好ましい。円相当平均直径Aが、これより小さいとレイリー散乱領域を外れてしまい、凹凸の効果が急速に失われてしまう。より好ましい範囲は、光の波長の1/10程度以上である。メサ部は1/(外部屈折率+基板屈折率)より大きいとしているが、外部屈折率1.5、基板屈折率3.5の場合では、1/(1.5+3.5)=1/5となり、散乱が起こる領域に入っている。また、円相当平均直径Aが大きく光の波長以上になると、光が凹凸そのものの形を認識するようになるため、屈折率勾配の効果が失われてしまい好ましくない。さらに、円相当平均直径Aは、光が凹凸の形を認識しない大きさである光の波長と同程度以下が望ましい。
メサ部21の平均高さDは光の波長の1/10以上が良い。これより小さいと、屈折率が非常に短い距離で変化することになり、屈折率勾配として効果がなくなってしまう。一方、平均高さDが高いと、特に広角で入射した光は円柱部22にまで届かず、反射して基板内に戻ってしまうため、円柱部22において回折効果を起こせなくなってしまう。そのため、平均高さDは、光の波長の1/5以下程度が望ましい。
メサ部21の上頂部の円相当平均直径Cは、下底部の9/10倍よりも大きいと、屈折率勾配の効果が殆どなくなってしまい、反射が起こってしまう。一方、1/3倍よりも小さい場合には、円柱部22の間隔が開きすぎてしまうため回折の効果が弱くなくなってしまう。そのため、上頂部の円相当平均直径Cは、下底部の1/3から9/10の範囲が望ましい。
[円錐部]
円錐部23の底面の円相当平均直径Fは円柱部22の円相当平均直径と一致する。そうすることにより、円柱部22と円錐部23の界面での反射は起こらない。
円錐部23の平均高さGは光の波長の1/10以上が良い。これより小さいと、屈折率が非常に短い距離で変化することになり、屈折率勾配としての効果がなくなってしまう。一方、平均高さGがあまりに高いと、屈折率勾配の効果がなくなってしまう。そのため、平均高さGは1倍以下程度が望ましい。
(製造方法)
まず、上記の必要なパターンの大きさを作製する方法として、通常の光リソグラフィ露光装置や電子線描画装置を利用できる。また、本発明者らが開発したブロックコポリマーを用いたミクロ相分離構造を利用する方法がある(特開2001−151834号公報:以下特許文献3と記す)。その他に、ポリマービーズやシリカビーズ等をマスクとして作製する方法もある(Applied Physics Letters,2174,vol63,1993)。
発光素子を構成する半導体層の光放射側最外層又は該層上に形成された無機光透過性層の表面に上述のマスクを形成して反応性イオンエッチング(RIE)により円柱状のパターンを形成する。その後、円柱状パターンに対してAr,He,Ne,Xe,O2 ,N2 ,CF4 ,CHF3 ,SF4 など、材料に対して化学的に不活性なガスを用いて円柱状パターンを物理的エッチングする。円柱状パターンに物理的エッチングを行うと、円柱の上面と円柱の無い下面がエッチングされ、自己的にメサ部、円錐部が形成される。このような2段階エッチング方法を採用することで、前記3つの構造部を作製することが可能である。
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
[発光素子の構成]
本発明の発光素子は、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)などの半導体発光素子である。
図3は、本発明の一実施形態に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図である。
図中11はn型のGaP基板であり、この基板11上にn型InAlPクラッド層12、InGaP活性層13、p型InAlPクラッド層14などを含むヘテロ構造部が形成され、その上にp型のGaP電流拡散層15が形成されている。電流拡散層15上の一部にはp側電極16が形成され、基板11の裏面側にはn側電極17が形成されている。そして活性層13における発光光は、電流拡散層15の電極16を形成していない面から取り出すようになっている。
ここまでの基本構成は従来素子と実質的に同じであるが、これに加えて本実施形態では、電流拡散層15の電極を形成していない露出表面に微小な凹凸が形成されている。そして、この表面の凹凸が前述の凸構造20を有する表面となっている。また、図4に示すように、電流拡散層15の電極を形成していない露出表面に該層15と屈折率が同等の無機光透過性層18を形成し、この無機光透過性層18の表面に微小凹凸を形成するようにしてもよい。工程の簡便さや光取り出し効率の高さから、電流拡散層15の電極を形成していない露出表面に直接、微小凹凸を形成した方がよい。
[発光素子の製造方法]
次に、このような発光素子の製造方法について説明する。
最初に、本発明者らが開発したブロックコポリマーを用いたミクロ相分離構造を利用する方法を述べておく(特許文献3参照)。
まず、図5(a)に示すように、n−GaP基板11上に活性層13をクラッド層12,14で挟んだダブルへテロ構造部を形成した後に、その上に電流拡散層15をエピタキシャル成長させ、電流拡散層15上の一部にp側電極16を、基板11の裏面側にn側電極17を形成する。ここまでの工程は従来と同じである。
次いで、図5(a)に示す構造の発光素子基板10に対し、図5(b)に示すように、ミクロ相分離構造組成物であるブロックコポリマーを溶剤に溶解した溶液をスピンコートで塗布した後、プリベークして溶剤を気化することにより、マスク材料層31を形成する。続いて窒素雰囲気中でアニールを行い、ブロックコポリマーの相分離を行う。
次いで、相分離したブロックコポリマー付き基板をエッチングガス流通下でRIEすることにより相分離した膜のブロックコポリマーをエッチングする。このとき、ブロックコポリマーを構成する複数のポリマーフラグメントのエッチング速度の差によりいずれかのポリマーフラグメントの相が選択的にエッチングされるため、図5(c)に示すように、微小なパターン32が残る。
次いで、図5(d)に示すように、エッチング除去されずに残ったポリマーフラグメントのパターン32をマスクにして、所要のエッチングガスによりRIEすると、電流拡散層15の表面に微細な凹凸パターンが形成される。使用するガスは、Cl2 のみではなく、BCl3 ,N2 を添加してもエッチングできる。この後、O2 アッシャーにより残ったポリマーフラグメントを除去することにより円柱形状の凹凸パターンが形成される。
次いで、不活性ガス、例えばArガスやHeガスでスパッタリングすると、図5(e)に示すように、円柱の上底部と下底部がスパッタエッチングされ、前記図1及び図2に示す円錐+円柱+メサ部を有する凸構造20が得られる。
また、ポリマービーズとしてPS微粒子をマスクとして用いた製造方法についても述べておく。
図6(a)に示すように、発光素子基板10は図5(a)と同じである。直径が200nmのPS粒子を単分散させた水溶液中に、図6(a)に示す構造の発光素子基板10を浸漬する。その後、基板10を徐々に引き上げる。引き上げの際に、基板表面と水溶液の表面と空気中の界面が存在する、いわゆるメニスカスラインが存在するため、それに沿ってPS粒子は基板表面に吸い寄せられ、基板表面にPS粒子が単分子層で配列される。その結果、図6(b)に示すようにPS微粒子のパターン33が形成される。
次いで、図6(c)に示すように、PS微粒子のパターン33をマスクにして、所要のエッチングガスによりRIEすると、電流拡散層15の表面に微細な凹凸パターンが形成される。この後、O2 アッシャーにより残ったPS微粒子を除去することにより円柱形状の凹凸パターンが形成される。続いて、図6(d)に示すように、不活性ガスでスパッタリングすると、円柱の上底部と下底部がスパッタエッチングされ、前記図1及び図2に示す円錐+円柱+メサ部を有する凸構造20が得られる。
さらに、電子ビーム描画による製造方法について述べておく。
図7(a)に示すように、発光素子基板10は図5(a)と同じである。この方法ではまず、図7(b)に示すように、発光素子基板10上に電子線用レジストを形成し、パターンジェネレーターを装備した50kVの加速電圧を持つ電子線露光装置を用い、直径150nmの円形パターンを周期的に配置したレジストパターン35を発生させる。次いで、図7(c)に示すように、このレジストパターン35を用いて、所要のエッチングガスによりRIEすると、電流拡散層15の表面に微細な凹凸パターンが形成される。この後、O2 アッシャーにより残ったレジストを除去することにより円柱形状の凹凸パターンが形成される。続いて、図7(d)に示すように、不活性ガスでスパッタリングすると、円柱の上底部と下底部がスパッタエッチングされ、前記図1及び図2に示す円錐+円柱+メサ部を有する凸構造20が得られる。
本方法で、電子ビームの代わりにF2 ,ArF,KrFなどのエキシマレーザー光やi線,g線などの水銀灯の輝線を光源に用いた光リソグラフィ法を用いても全く同様の結果が得られる。
なお、以下の方法に限定されるわけではないが、ブロックコポリマーのミクロ相分離構造を利用したエッチング方法について更に詳しく述べておく。
[ミクロ相分離構造形成性樹脂組成物]
ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーの薄膜を形成してミクロ相分離(ブロックコポリマーの分子内での相分離)させた後、1つのポリマー相を選択的に除去し、これによりナノメートルサイズのパターンを有する多孔質膜を形成する。得られた多孔質膜は下地をエッチングしてパターンを転写するためのマスクとして用いることができる。ミクロ相分離構造から1つのポリマー相を選択的に除去するには、2つのポリマー相の間での、ドライエッチング速度の差、エネルギー線に対する分解性の差、又は熱分解性の差を利用する。いずれの方法でも、リソグラフィ技術を用いる必要がないので、スループットが高く、コストを低減することができる。
[ミクロ相分離構造形成組成物薄膜の形成]
ミクロ相構造形成性樹脂組成物からなる薄膜を形成するには、発光素子表面に上記樹脂組成物の均一溶液を塗布することが好ましい。均一溶液を用いれば、製膜時の履歴が残ることを防ぐことができる。溶液中に比較的大きな粒子径のミセルなどが生成して塗布液が不均一であると、不規則な相分離構造が混入して規則的なパターン形成が困難であり、規則的なパターンを形成するのに時間がかかるため好ましくない。
ミクロ相構造形成性樹脂組成物であるブロックコポリマーを溶解する溶媒は、ブロックコポリマーを構成する2種のポリマーに対して良溶媒であることが望ましい。ポリマー鎖どうしの斥力は2種のポリマー鎖の溶解度パラメーターの差の2乗に比例する。そこで、2種のポリマーに対する良溶媒を用いれば、2種のポリマー鎖の溶解度パラメーターの差が小さくなり、系の自由エネルギーが小さくなって相分離に有利になる。
ブロックコポリマーの薄膜を作製する場合には、均一溶液を調製できるように、150℃以上の例えば、エチルセロソルブアセテート(ECA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルラクテート(EL)などの高沸点を有する溶媒を用いることが好ましい。
形成したミクロ相分離構造形成性組成物薄膜の膜厚は、狙いとする表面凹凸の円相当平均直径の同程度ないし3倍の範囲が好ましい。この膜厚がこの範囲をはずれた場合、所望の平均直径を有する凸構造を得ることが難しい。
[ミクロ相分離構造の形成]
ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーのミクロ相分離構造は、以下のような方法により作製できる。例えば、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーを適当な溶媒に溶解して塗布溶液を調製し、この塗布溶液を基板上に塗布し乾燥して膜を形成する。この膜をポリマーのガラス転移温度以上の温度でアニールすることによって、良好な相分離構造を形成することができる。コポリマーを溶融状態にし、ガラス転移温度以上相転移温度以下の温度でアニールしてミクロ相分離させた後、室温でミクロ相分離構造を固定してもよい。コポリマーの溶液をゆっくりとキャストさせることでミクロ相分離構造を形成することもできる。コポリマーを溶融し、ホットプレス法、射出成形法、トランスファー成形法などの方法によって、所望の形状に成形した後、アニールしてミクロ相分離構造を形成することもできる。
このようにして形成したミクロ相分離構造を利用してナノメートルサイズの構造体を形成する手段については、特許文献3に詳細に記載されており、本発明においてもこの手段を採用することができる。
また、パターントランスファー法も有効な方法である。詳しくは、特許文献3に記載されており、本発明においてもこの手段を採用することができる。具体的には、該化合物半導体の基板上にエッチング耐性の異なる層(パターントランスファー層)を塗布し、さらに本発明のブロックコポリマー層を塗布する。このとき、パターントランスファー層には、SOG(スピンオングラス)を始め、特許文献3に示したような材料を用いることができる。
ブロックコポリマー層をドライ若しくはウエットでエッチングし、ブロックコポリマーの1つの相のみを選択的に除去し、凹凸パターンを形成する。次いで、この有機物であるポリマーのパターンをマスクにして、パターントランスファー層をエッチングする。例えば、フッ素系,塩素系,若しくは臭素系ガスを用いると、有機物をマスクにしてSOGなどのパターントランスファー層をエッチングすることができる。
このようにして、ブロックコポリマーのミクロ相分離パターンを、パターントランスファー層に転写することが可能である。次いで、このパターンが転写されたパターントランスファー層をマスクにして、基板をエッチングする。
このような方法は、炭素系ポリマー材料とエッチング選択比をとることができない金属を含む化合物等のエッチングに有効である。また、パターントランスファー層を複数用いることで、エッチング耐性の異なる材料を積層させ、アスペクト比が高いパターンを得ることも可能である。
(実施例)
次に、本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明する。実施例1から17まではブロックコポリマーのミクロ相分離構造を用いた凹凸の作製方法を、実施例18から21はPS又はシリカ粒子を用いた応答の作製方法を、実施例22は電子ビーム描画による凹凸の作製方法について述べてある。
(実施例1)
図3は、本発明の第1の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図である。
n−GaP基板11上に、InGaAlP活性層13をn−InAlPクラッド層12及びp−InAlPクラッド層14で挟んだダブルへテロ構造が形成され、その上にp−GaP電流拡散層15が形成されている。p−GaP電流拡散層15上の一部にp側電極16が形成され、n−GaP基板11の下面の一部にn側電極17が形成され、これにより発光波長650nmの発光ダイオードが構成されている。
ここで、基板11としては、GaPの代わりにGaAsを用いることが可能であり、電流拡散層15としては、GaPの代わりにInAlP或いはInGaAlPを用いることが可能である。基板をp型とし、全体の導電型を逆にしても良いのは勿論のことである。
電流拡散層15の電極16を形成していない面には、本実施例の特徴とする凸構造20が形成されている。この凸構造20は、前記図1及び図2に示したように、屈折率勾配構造を成すメサ部21、回折格子構造を成す円柱部22、屈折率勾配構造を成す円錐部23の3つの構造を有し、メサ部21の下底部となる凹凸の底辺部の円相当平均直径は160nm、上頂部の円相当平均直径は100nm、平均高さは80nm、円柱部22の下底部及び上頂部の円相当平均直径はメサ部21の下底部と同じで80nm、平均高さは250nm、円錐部23の下底部の円相当平均直径はメサ部21の下底部と同じで80nm、平均高さは80nm、凸構造の間隔は180nmとなっている。
次に、本実施例の発光ダイオードの製造方法について説明する。
まず、前記図5(a)に示すように、n−GaP基板11上にn−InAlPクラッド層12,InGaAlP活性層13,p−InAlPクラッド層14及びp−GaP電流拡散層15を有機金属化学気相成長法(MOCVD法)で連続して成長形成する。続いて、電流拡散層15上にp側電極16を形成し、基板11の下面にn側電極17を形成し、各々の電極16,17を所望パターンに加工する。これにより、発光素子基板10が作製される。
次いで、図5(b)に示すように、発光素子基板10上に、ブロックコポリマーを溶剤に溶解した溶液をスピンコートで回転数2500rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化した。これにより、電流拡散層15の電極16を形成していない面にブロックコポリマー膜31が形成される。ここで、ブロックコポリマー膜31はポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)で構成されている。PSの分子量は154800であり、PMMAの分子量は392300でありMw/Mnは1.08である。続いて、窒素雰囲気中で、210℃,4時間のアニールを行い、ブロックコポリマー膜31のPSとPMMAの相分離を行った。
次いで、相分離したプロックコポリマー付基板を、CF4 流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100WでRIEすることにより、相分離した膜のPSとPMMAをエッチングした。このとき、PSとPMMAのエッチング速度差により、PMMAが選択的にエッチングされ、図5(c)に示すように、PSのパターン32が残ることになる。
次いで、図5(d)に示すように、PSのパターン32をマスクにして、Cl2 流量50sccm、圧力0.266Pa(2mTorr)、パワー300Wで約60秒だけRIEすると、電流拡散層15に微細な円柱状パターンが形成された。使用するガスはCl2 のみでなく、BCl3 ガスを添加してもエッチングできる。この後、O2 アッシャーにより残ったPSを除去した。
次いで、図5(e)に示すように、ArガスでAr流量50sccm、圧力0.65Pa(5mTorr)、パワー300Wで60秒だけスパッタリングすることにより、円柱の底辺部と頂上部がスパッタリングされ、メサ部と円錐部が形成された。
この結果、化合物半導体の基板の電極、配線パターン以外の表面に、メサ部の下底部の平均直径は160nm、メサ部の上頂部の平均直径は100nm、メサ部の平均高さ70nmであり、円柱部の平均直径は100nm、平均高さ250nmであり、円錐部の平均直径は100nm、平均高さ80nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較したところ、30%の輝度向上が見られた。
(実施例2)
また、実施例1と同様の方法で作製し相分離したブロックコポリマー付き基板を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー100WでRIEすることにより、相分離したPSとPMMAをエッチングする。O2 エッチングしたものはCF4 と比較して基板を削ることはできないが、その代わりPMMAを選択的にエッチングすることができる。その後、実施例1と同様のプロセスを行うと、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
メサ部21の下底部の平均直径は160nm、上頂部の平均直径は100nm、平均高さは70nmであり、円柱部22の平均直径は100nm、平均高さは250nmであり、円錐部23の平均直径は100nm、平均高さは80nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較したところ、30%の輝度向上が見られた。
(実施例3)
実施例1で用いた発光素子形成基板10の最上層である電流拡散層15上にPS:315000、PMMA:785000の分子量を持つブロックコポリマーを溶剤に溶かした液をスピンコート法で3000rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し150nmの膜厚を得た。次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径110nm程度のPSのドットパターンを形成した。
この相分離したプロックコポリマー付きGaP基板を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー100Wの条件下でRIEすることにより、相分離したPSとPMMAをエッチングする。O2 エッチングしたものはGaP基板を削ることはできないが、その代わりPMMAを選択的にエッチングすることができる。PSとPMMAのエッチング速度比は1:4であることから、PMMAが選択的にエッチングされ、PSのパターンが残ることになり、その厚さは約130nmであった。
次いで、このPSのパターンをマスクにして、容量結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)を用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで150秒間を行うと、直径100nm、高さ450nmの微細な円柱状パターンが形成された。その後、O2 アッシャーにより残ったPSを除去した。この後、実施例1と同様に、Arスパッタリングすると、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、GaPの発光層表面に、メサ部の下底部の平均直径は170nm、上頂部の平均直径は110nm、平均高さは80nmであり、円柱部22の平均直径は110nm、平均高さは350nmであり、円錐部23の平均直径は110nm、平均高さは120nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較したところ、60%の輝度向上が見られた。
(実施例4)
また、実施例3と同様の方法で作製し相分離したブロックコポリマー付き基板を、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100WでRIEすることにより、相分離したPSとPMMAをエッチングした。PSとPMMAのエッチング速度比は1:4であることから、PMMAが選択的にエッチングされ、PSのパターンが残ることになる。その後、実施例3と同様のプロセスを行った。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすると、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、化合物半導体発光層表面に、メサ部21の下底部の平均直径は160nm、上頂部の平均直径は100nm、平均高さは100nmであり、円柱部22の平均直径は100nm、平均高さは300nmであり、円錐部23の平均直径は100nm、平均高さは120nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。このプロセスでは、BCl3 /Cl2 のRIEで一括してPMMAの除去、化合物半導体発光層表面に凹凸が形成できた。
これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較したところ、55%の輝度向上が見られた。
(実施例5)
また、ブロックコポリマーとして、ポリスチレン(PS)−ポリイソプレン(PI)を用いた。PSの分子量は450000、PIの分子量は1230000、Mw/Mnは1.07であった。実施例3と同様の方法で相分離したブロックコポリマー付き基板を作製した。オゾンで相分離したPS−PIブロックコポリマーのうち、PIを選択的にオゾン酸化除去した。
このPSのパターンをマスクにして、容量結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)を用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで160秒間を行うと、円柱状パターンが形成された。その後、O2 アッシャーにより残ったPSを除去した。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすることにより、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、GaPの発光層表面に、メサ部21の下底部の平均直径は170nm、上頂部の平均直径は100nm、平均高さは100nmであり、円柱部22の平均直径は100nm、平均高さは400nmであり、円錐部23の平均直径は100nm、平均高さは120nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較したところ、80%の輝度向上が見られた。
本実施例方法は、PIのモノマーが水を吸いにくいことから、重合時に高分子量のものがPMMAに比べ重合しやすい。このため、パターンを大きくすることが容易である。本方法ではブロックコポリマーの作るパターンの大きさと同じ程度の厚みの膜にしなければならない。このため、大きなパターンであれば、化合物半導体に転写するパターンの高さを高くすることができる。また、PIの代わりにポリブタジエン(PB)を用いてもほぼ同じ構造が得られた。
(実施例6)
図8は、本発明の第6の実施例に係わる発光ダイオードの製造工程を示す断面図である。なお、前記図5と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
図8(a)に示すように、実施例1と同様の構造の発光素子基板10を用意した。最上層の電流拡散層15はInGaAlPである。
次いで、図8(b)に示すように、3層用レジスト36(日産化学ARCXHRiC−11)を塗布し、500nm厚の膜を形成した。これをオーブン内で300℃で1分間ベークを行った。続いて、この上にスピンオングラス(SOG)37(東京応化OCD T−7)を110nmスピンコートし、ホットプレート上で200℃,60秒、さらに300℃,60秒間ベークした。さらに、実施例3と同じブロックコポリマーを溶剤に溶解した溶液38をスピンコートで基板に回転数2500rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化した。次に、窒素雰囲気中で、210℃,4時間のアニ−ルを行い、ブロックコポリマーのPSとPMMAの相分離を行った。
この相分離したプロックコポリマー付基板を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100WでRIEすることにより、相分離した膜のPSとPMMAをエッチングした。このとき、PSとPMMAのエッチング速度差により、PMMAが選択的にエッチングされ、PSのパターンが残る。このPSのパターンをマスクにして、CF4 流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー=100WでSOGをエッチングした。さらに、O2 流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー=100WでRIEすると、下層のレジスト膜がエッチングされ、高さ500nmの柱状のパターンを得ることができた。図8(c)に示すようなマスクパターン39が形成される。
次いで、図8(d)に示すように、BCl3 /N2 =23:7sccm、圧力0.200Pa(1.5mTorr)、パワー500Wで、電流拡散層15のエッチングを行った。最後に酸素でアッシングを行い、ポリマーを除去した。なお、SOGはその前のBCl3 /N2 エッチングで削られてなくなっており、問題にはならなかった。
その後、実施例1と同様にArスパッタリングすると、図8(e)に示すように、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、普通のエッチング方法では難しいInGaAlPのエッチングを行うことができた。エッチング後の形状は、メサ部21の下底部の平均直径は170nm、上頂部の平均直径は110nm、平均高さは150nmであり、円柱部22の平均直径は110nm、平均高さは350nmであり、円錐部23の平均直径は110nm、平均高さは100nm、凸構造の間隔は200nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
(実施例7)
図9は、本発明の第7の実施例に係わる発光ダイオードの製造工程を示す断面図である。なお、前記図5と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
図9(a)に示すように、実施例1と同様の発光素子基板10を用意した。次いで、図9(b)に示すように、光取り出し面であるp−GaP電流拡散層15の表面、n−GaP基板11の裏面に、実施例3と同様の方法でブロックコポリマー41,41’を形成した。
次いで、図9(c)に示すように、ブロックコポリマー付基板を、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径110nm程度のPSのドットパターン42,42’を形成した。
次いで、図9(d)に示すように、この相分離したプロックコポリマー付き基板両面を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー100Wの条件下でそれぞれRIEすることにより、相分離したPSとPMMAをエッチングした。PMMAが選択的にエッチングされ、PSのパターンが残ることになり、その厚さは両面共に約130nmであった。
このPSのパターンをマスクにして、容量結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)を用いて、p−GaP,n−GaP両面をそれぞれBCl3 /Cl2 =5/20sccm、0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで150秒間を行うと、直径100nm、高さ450nmの微細な円柱状パターンがp−GaP、n−GaP表面に形成された。その後、O2 アッシャーにより残ったPSを除去した。この後、実施例1と同様に、両面をそれぞれArスパッタリングすることにより、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸がp−GaP,n−GaP両表面に形成された。
この結果、p−GaP,n−GaPの各々の光取り出し面に、メサ部21の下底部の平均直径は180nm、上頂部の平均直径は100nm、平均高さは80nmであり、円柱部22の平均直径は100nm、平均高さは350nmであり、円錐部23の平均直径は100nm、平均高さは120nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較したところ、100%の輝度向上が見られた。また、本実施例の発光ダイオードは、表面だけでなく裏面からの発光もあるため、裏面にも凹凸を施すことで大幅な輝度向上が確認された。
(実施例8)
実施例6と同様の構造のInGaAlPが光取り出し面に成膜されている発光素子基板10に、スピンオングラス(SOG)(東京応化OCD T−7)を110nmスピンコートし、ホットプレート上で200℃,60秒、さらに300℃,60秒間ベークした。さらに、実施例3と同じブロックコポリマーを溶剤に溶解した溶液をスピンコートで基板に回転数2500rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化した。次いで、窒素雰囲気中で、210℃,4時間のアニ−ルを行い、ブロックコポリマーのPSとPMMAの相分離を行った。
この相分離したプロックコポリマー付基板を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー100WでRIEすることにより、相分離した膜のPSとPMMAをエッチングした。このとき、PSとPMMAのエッチング速度差により、PMMAが選択的にエッチングされ、PSのパターンが残る。次いで、このPSのパターンをマスクにして、CF4 流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100WでSOGをエッチングした。これにより、前記図8(c)に示すように、マスクパターン39が形成された。
次いで、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで3分間を行うと、前記図8(d)に示すように円柱状パターンが形成された。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすることにより、図8(e)に示すような、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、エッチング後の形状は、メサ部21の下底部の平均直径は170nm、上頂部の平均直径は100nm、平均高さは120nmであり、円柱部22の平均直径は100nm、平均高さは450nmであり、円錐部23の平均直径は100nm、平均高さは150nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
このサンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、輝度が120%向上していることが確認された。
(実施例9)
実施例1で用いた発光ダイオードであるGaP電流拡散層15の表面に、実施例7と同様にしてSOGを100nm形成した。さらに、実施例3と同じブロックコポリマーを溶剤に溶解した溶液をスピンコートにより回転数2500rpmで塗布した後、110℃、90秒でプリベークして溶剤を気化した。次に窒素雰囲気中で、210℃、4時間のアニ−ルを行い、ブロックコポリマーのPSとPMMAの相分離を行った。
この相分離したプロックコポリマー付基板を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー100WでRIEすることにより、相分離した膜のPSとPMMAをエッチングし、PSのパターンを形成した。このPSのパターンをマスクにして、CF4 流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー100WでSOGをエッチングした。
次に、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 /CF4 =5/20/5sccm、圧力0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで3分間を行うと、円柱状パターンが形成された。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすることにより、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、エッチング後の形状は、メサ部21の下底部の平均直径は180nm、上頂部の平均直径は110nm、平均高さは150nmであり、円柱部22の平均直径は110nm、平均高さは500nmであり、円錐部23の平均直径は110nm、平均高さは180nm、凸構造の間隔は190nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた
このサンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、輝度が150%向上していることが確認された。
(実施例10)
PS:300000、PMMA:420000の分子量を持ち、Mw/Mn=1.07のブロックコポリマーと分子量15000のPMMAホモポリマーを重量比で、6:4の割合で混合し、それぞれが3重量%のPGMEA溶液になるように調整した。この溶液をスピンコートで、実施例1で用いた発光ダイオードであるGaPの発光層15の表面に回転数2500rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化した。次いで、窒素雰囲気中で210℃,4時間のアニールを行い、ブロックコポリマーのPSとPMMAの相分離を行った。
この相分離したプロックコポリマー付基板を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下でRIEすることにより、相分離したPSとPMMAをエッチングする。O2 エッチングしたものはGaPを削ることはできないが、その代わりPMMAを選択的にエッチングすることができる。PSとPMMAのエッチング速度比は1:4であることから、PMMAが選択的にエッチングされ、PSのパターンが残ることになり、その厚さは約130nmであった。
このPSのパターンをマスクにして、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで150秒間を行うと、直径100nm、高さ450nmの微細な円柱状パターンが形成された。その後、O2 アッシャーにより残ったPSを除去した。この後、実施例1と同様に、Arスパッタリングすることにより、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、GaPの発光層表面に、メサ部21の下底部の平均直径は160nm、上頂部の平均直径は90nm、平均高さは100nmであり、円柱部22の平均直径は90nm、平均高さは350nmであり、円錐部23の平均直径は90nm、平均高さは110nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較したところ、70%の輝度向上が見られた。
ブロックコポリマーにPMMAホモポリマーを添加すると、相分離構造の規則性がある程度高まったため、回折効率が向上し、実施例3と比較して輝度が向上したと考えられる。
(実施例11)
相分離ポリマーとして、PS(ポリスチレン)−PI(ポリイソプレン)ジブロックコポリマー(分子量(Mw)PS:23万、PI:40万 Mw/Mn=1.06)を用い、低分子量ホモポリマー(分子量Mw:2000、Mw/Mn:1.45)としてPIポリマーを用いた例を示す。即ち、実施例9と同様にしてPS−PIジブロックポリマーにPIの低分子量ホモポリマーを添加し、PGEMEAに溶解させ溶液化した。
実施例9と同様にして、発光素子基板10のGaP電流拡散層15上にPS−PIジブロックコポリマーとPIホモポリマーの混合物を薄膜化し、熱アニールによってミクロ相分離構造を作製した後、オゾン酸化法によって、PIを除去し、基板上にPSのエッチングマスクを作製した。この後、実施例9と同様にして、発光素子を作製した。その結果、なにも発光面を加工しなかったサンプルに比べ、約100%の輝度の向上が見られた。
(実施例12)
PSが24万、PMMAが73万、Mw/Mnは1.08のブロックコポリマーに、Mw=15000のPMMAと、分子量9000のPSのホモポリマーを添加したサンプルを発光素子基板の電流拡散層上に薄膜化した。PS−PMMAブロックコポリマーとPMMAホモポリマーとPSホモポリマーの混合率と、その結果得られたミクロ相分離パターンのPSの直径は、以下の(表2)の通りである。
Figure 2006108635
この結果、PSの球状パターンはPSの添加によって、大きくなることが分かる。本発明で用いられるパターン形成方法は、膜厚はPSの球の直径と同じ程度に設定する必要がある。このため、得られた直径とほぼ同じ膜厚になるように、ポリマーの濃度及びスピンコートの回転数を調整して、電極を作製したGaP電流拡散層15上にポリマー薄膜を塗布した。これを同様の方法でアニールし膜中に相分離構造を発生させた。この相分離したプロックコポリマー付基板を、O2 =30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー=100WでRIEすることにより、相分離したポリマー膜中のPMMAを除去した。残ったPSのパターンをマスクにして、Cl2 =50sccm、0.266Pa(2mTorr)、パワー=300WでRIE行うと電流拡散層上に微細なパターンが形成された。この後、O2 アッシャーにより残ったPSを除去した。
続いて、ArガスでAr=50sccm、0.65Pa(5mTorr)、パワー=300Wで60secスパッタリングすると、円柱の底辺部と頂上部がスパッタリングされ、メサ部と円錐部が形成された。
この結果、光取り出し面を成す電流拡散層の電極、配線パターン以外の表面に、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。これを素子加工し、表面加工を行っていない発光ダイオードと比較した輝度の向上は、以下の(表3)の通りであった。
Figure 2006108635
このように、ブロックコポリマーの多数相、少数相ともホモポリマー添加することで、ブロックコポリマーの相分離パターンを大きくすることが可能であり、またこの結果、化合物半導体をエッチングするマスクとなるPSの高さを高くできることで、化合物半導体を深くまでエッチングすることができる。この方法は分子量を高くすることが難しいときや、ロット間でのばらつきと低減するのに効果がある。
(実施例13)
図10は、本発明の第13の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図である。本実施例の発光ダイオードは、紫外光(UV光)を発光するものである。
まず、以下のように、エッチングマスクとして、SiNxのパターンを単結晶Al2 3 基板51上に形成する。単結晶Al2 3 基板51上にプラズマCVD法でSiNxを200nm成膜し、その上にPS:315000、PMMA:785000の分子量、Mw/Mn=1.06のブロックコポリマーをPGMEAに溶かした液をスピンコート法で3000rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し150nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で180℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径110nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した。この相分離したプロックコポリマー付き単結晶Al2 3 基板を、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下でRIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングした。この結果、凝集した0.1μm程度の大きさのポリスチレンが0.1μm程度の間隔で残り,SiNxパターン形成用のマスクとなる。
この試料に対し、Ar/CHF3 =185/15sccm,圧力40mTorr,パワー100Wの条件で6.5分間エッチングを行い、エッチングマスクとしてのSiNxパターンを形成した。次いで、SiNxパターンをエッチングマスクとして用い、単結晶Al2 3 基板51を、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、圧力5mTorr、パワー100Wの条件で20分間エッチングを行った。続いて、ArガスでAr=50sccm、圧力0.65Pa(5mTorr)、パワー300Wで5分間スパッタリングすると、円柱の底辺部と頂上部がスパッタリングされ、メサ部と円錐部が形成された。
これにより、単結晶Al2 3 基板51の表面に、メサ部の下底部の平均直径は120nm、上頂部の平均直径は80nm、平均高さ90nmであり、円柱部の平均直径は80nm、平均高さは250nmであり、円錐部の平均直径は80nm、平均高さは100nm、凸構造の間隔は170nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸(凸構造60)が形成できた。
次いで、CVDプロセスで単結晶Al2 3 基板51の凹凸加工した表面上に、n−Al0.4 Ga0.6 N(コンタクト層)52、n−Al0.35Ga0.65N(クラッド層)53、n−Al0.28Ga0.72N/n−Al0.24Ga0.76N(SL活性層)54、p−Al0.4 Ga0.6 N/p−Al0.3 Ga0.7 N(SLクラッド層)55、p−GaN(コンタクト層)56を順次成長形成した。続いて、コンタクト層56からクラッド層53までを選択的に除去してコンタクト層52の一部を露出させた。そして、コンタクト層56上にp側電極57を、コンタクト層52上にn側電極58を形成した後、チップに切断し、発光素子とした。
作製した素子の構成は図10に示す通りであり、活性層54における発光光は基板51を通して基板裏面側から取り出されることになる。本実施例の発光素子と凸構造を作製しなかった発光素子とで、紫外光(λ=300nm)の発光強度を比較した。その結果、凸構造を付けたものの輝度は、凹凸加工しなかったものに比べ約40%向上していた。このように、本実施例により得られた構造は、UV光でも効果があることが確認された。
(実施例14)
実施例13で単結晶Al2 3 基板51の表面に凸構造60を作製した紫外光を発光する発光ダイオード(UV−LED)に対し、基板51の裏面に蛍光体を載せることで、白色光を出すようにした。用いた蛍光体は、以下の(表4)の通りである。
Figure 2006108635
この蛍光体をLEDの発光面(図10では基板51の裏面)上に薄膜化し、エポキシ樹脂で封止した。同様の蛍光体を使い、LED表面に凸構造を付けなかったLEDと白色光の輝度を比較した。この結果、凹凸を付けたLEDの輝度の方が、約30%上回った。この結果、本実施例により得られた構造は、蛍光体を用いた白色LEDでも効果があることが確認された。
(実施例15)
図11は、本発明の第15の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図である。なお、図10と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。本実施例の発光ダイオードも実施例13と同様に、紫外光(UV光)を発光するものである。
単結晶Al2 3 基板51上に、CVDプロセスでn−Al0.4 Ga0.6 N(コンタクト層)52、n−Al0.35Ga0.65N(クラッド層)53、n−Al0.28Ga0.72N/n−Al0.24Ga0.76N(SL活性層)54、p−Al0.4 Ga0.6 N/p−Al0.3 Ga0.7 N(SLクラッド層)55、p−GaN(コンタクト層)56を順次成長形成した。続いて、コンタクト層56からクラッド層53までを選択的に除去してコンタクト層52の一部を露出させた。そして、コンタクト層56上にp側電極を形成し、コンタクト層52上にn側電極58を形成し、発光ダイオード(UV−LED)を作製した。
次いで、CVDプロセスによって積層したのとは反対の面にSiNxのパターンを形成する。単結晶Al2 3 基板11の裏面にプラズマCVD法でSiNxを200nm成膜し、その上にPS:315000、PMMA:785000の分子量、Mw/Mn=1.06のブロックコポリマーをPGMEAに溶かした液をスピンコート法で3000rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化し150nmの膜厚を得た。
次いで、窒素雰囲気中で180℃,4時間のアニールを行い、PSとPMMAの相分離を行い、直径110nm程度のポリスチレンのドットパターンを形成した。この相分離したプロックコポリマー付き単結晶Al2 3 基板51を、O2 =30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー=100Wの条件下でRIEすることにより、相分離したPS−PMMAのうちPMMAを選択的にエッチングした。この結果、凝集した0.1μm程度の大きさのポリスチレンが0.1μm程度の間隔で残り,SiNxパターン形成用のマスクとなる。
この試料に対し、Ar/CHF3 =185/15sccm,40mTorr,100Wの条件で6.5分間エッチングを行い、エッチングマスクとしてのSiNxパターンを形成した。次いで、SiNxパターンをエッチングマスクとして単結晶Al2 3 基板51を、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、圧力5mTorr、パワー100Wの条件で20minエッチングを行った。続いて、ArガスでAr流量50sccm、圧力0.65Pa(5mTorr)、パワー300Wで5分間スパッタリングすると、円柱の底辺部と頂上部がスパッタリングされ、メサ部と円錐部が形成された。
これにより、単結晶Al2 3 基板51の裏面に、メサ部の下底部の平均直径は110nm、上頂部の平均直径は80nm、平均高さ90nmであり、円柱部の平均直径は80nm、平均高さは250nmであり、円錐部の平均直径は80nm、平均高さは100nm、凸構造の間隔は170nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸(凸構造60)が形成できた。
作製した素子の構成は図11に示す通りである。本実施例の発光素子と凸構造を作製しなかった発光素子とで、紫外光(λ=300nm)の発光強度を比較した。その結果、凸構造を付けたものの輝度は、凹凸加工しなかったものに比べ約50%向上していた。このように、本実施例により得られた構造は、UV光でも効果があることが確認された。
(実施例16)
実施例15で単結晶Al2 3 基板51の裏面に凸構造60を作製したUV−LEDに対し、基板51の裏面に蛍光体を載せることで、白色光を出すようにした。用いた蛍光体は、先の(表4)の通りである。
この蛍光体をLEDの発光面(図11では基板51の裏面)上に薄膜化し、エポキシ樹脂で封止した。同様の蛍光体を使い、LED表面に凸構造をつけなかったLEDと白色光の輝度を比較した。この結果、凹凸をつけたLEDの輝度の方が、約35%上回った。
(実施例17)
図12は、本発明の第17の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図である。
n型GaN基板61上に、n型GaNバッファ層62、n型GaNクラッド層63、InGaN/GaNからなるMQW活性層64、p型AlGaNキャップ層65、p型GaNコンタクト層66が成長形成され、コンタクト層66上の一部にp側電極67が形成され、基板61の裏面にn側電極68が形成されている。この発光ダイオードの発光波長は400nmであった。また、コンタクト層66の電極67を形成していない面には、本実施例の特徴とする凸構造70が形成されている。
次に、本実施例の発光ダイオードの製造方法について説明する。
まず、図13(a)に示すように、n−GaN基板61上にn−GaNバッファ層62、n−GaNクラッド層63をMOCVD法により成長形成し、その上に、InGaN/GaNからなるMQW活性層64を成長形成する。さらにその上に、p−AlGaNキャップ層65、p−GaNコンタクト層66をMOCVD法により成長形成する。そして、コンタクト層66上にp側電極67を形成し、基板61の裏面にn側電極68を形成し、各々の電極67,68を所望パターンに加工する。これにより、発光素子基板60が作製される。
次いで、図13(b)に示すように、発光素子基板60上に、実施例9と同様にしてSOG膜71を100nm形成し、さらにブロックコポリマーを溶剤に溶解した溶液72をスピンコートにより回転数2500rpmで塗布した後、110℃,90秒でプリベークして溶剤を気化した。次いで、窒素雰囲気中で、210℃,4時間のアニ−ルを行い、ブロックコポリマーのPSとPMMAの相分離を行った。
次いで、図13(c)に示すように、相分離したプロックコポリマー付基板を、O2 流量30sccm、圧力13.3Pa(100mTorr)、パワー100WでRIEすることにより、相分離した膜のPSとPMMAをエッチングし、PSのパターン73を形成した。その後、PSのパターン73をマスクにして、CF4 流量30sccm、圧力1.33Pa(10mTorr)、パワー=100WでSOGをエッチングした。
次いで、図13(d)に示すように、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20/sccm、圧力0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで3分間を行うと、円柱状パターンが形成された。
次いで、図13(e)に示すように、ArガスでAr=50sccm、圧力0.65Pa(5mTorr)、パワー300Wで2分間スパッタリングすると、円柱の底辺部と頂上部がスパッタリングされ、メサ部と円錐部が形成された。この結果、エッチング後の形状は、メサ部の下底部の平均直径は140nm、上頂部の平均直径は100nm、平均高さ100nmであり、円柱部の平均直径は100nm、平均高さは400nmであり、円錐部の平均直径は100nm、平均高さは100nm、凸構造の間隔は180nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
この実施例サンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、実施例サンプルの方で輝度が80%向上していることが確認された。
(実施例18)
直径が200nmのPS粒子(密度1.05)を単分散させた水溶液中に、実施例1で用いた発光ダイオードであるGaPの発光層表面を備えた発光素子基板10を浸漬する。その後、基板を温度25℃,湿度40%の条件下で10μm/secの速度で引き上げる。引き上げの際に、基板表面と水溶液の表面と空気中の界面が存在、いわゆるメニスカスラインに沿ってPS粒子は基板表面に吸い寄せられ、基板表面にPS粒子が単分子層で配列された(図6(b))。
このPS粒子付基板を、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、圧力0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで2分間を行うと、円柱状パターンが形成された(図6(c))。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすると、図6(d)に示すような、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、エッチング後の形状は、メサ部の下底部の平均直径は200nm、上頂部の平均直径は150nm、平均高さは100nmであり、円柱部の平均直径は150nm、平均高さは300nmであり、円錐部の平均直径は150nm、平均高さは120nm、凸構造の間隔は220nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
この実施例サンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、実施例サンプルの方で輝度が60%向上していることが確認された。
(実施例19)
直径が500nmのPS粒子(密度1.05)を単分散させた水溶液中に、実施例1で用いた発光ダイオードであるGaPの光取り出し面を備えた発光素子基板を浸漬する。その後、実施例18と同様に引き上げることにより基板表面にPS粒子が単分子層で配列された。
このPS粒子付基板を、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで3分間を行うと、円柱状パターンが形成された。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすると、図に示すような、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、エッチング後の形状は、メサ部の下底部の平均直径は500nm、上頂部の平均直径は350nm、平均高さ150nmであり、円柱部の平均直径は350nm、平均高さは450nmであり、円錐部の平均直径は350nm、平均高さは150nm、凸構造の間隔は550nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
この実施例サンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、実施例サンプルの方で輝度が30%向上していることが確認された。本実施例のようにPS粒子を用いると、ブロックコポリマーでは実現するのが難しいと思われる大きさの凸構造も形成することが容易に可能である。
(実施例20)
直径が200nmのシリカ粒子(密度2.0)を単分散させた水溶液中に、実施例1で用いた発光ダイオードであるGaPの光取り出し面を備えた発光素子基板を浸漬する。その後、実施例18と同様に引き上げることにより基板表面にシリカ粒子が単分子層で配列された(図6(b))。
このシリカ粒子付基板を、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、圧力0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wで3分間を行うと、円柱状パターンが形成された(図6(c))。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすると、図6(d)に示すような、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、エッチング後の形状は、メサ部の下底部の平均直径は200nm、上頂部の平均直径は150nm、平均高さは150nmであり、円柱部の平均直径は150nm、平均高さは450nmであり、円錐部の平均直径は150nm、平均高さは150nm、凸構造の間隔は220nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
この実施例サンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、実施例サンプルの方で輝度が130%向上していることが確認された。このように、シリカ粒子は塩素系エッチングに対して耐性が強く、PS粒子よりも選択比が大きくとれるため、より高い凹凸形状が形成できる。
(実施例21)
図14は、本発明の第21の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図である。なお、図13と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
図14(a)に示すように、実施例17と同様の素子形成基板60を用意する。次いで、図14(b)に示すように、直径が300nmのシリカ粒子(密度2.0)を単分散させた水溶液中に、素子形成基板60の表面(GaNコンタクト層)を浸漬する。その後、実施例18と同様に引き上げることにより基板表面にシリカ粒子75が単分子層で配列された。
次いで、図14(c)に示すように、シリカ粒子付基板をICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20sccm、圧力0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wの条件で3分間エッチングを行うと、円柱状パターンが形成された。その後、実施例1と同様にArスパッタリングすることにより、図14(d)に示すように、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成された。
この結果、エッチング後の形状は、メサ部の下底部の平均直径は300nm、上頂部の平均直径は170nm、平均高さは220nmであり、円柱部の平均直径は170nm、平均高さは500nmであり、円錐部の平均直径は170nm、平均高さは200nm、凸構造の間隔は250nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
この実施例サンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、実施例サンプルの方で輝度が90%向上していることが確認された。このように本実施例では、GaNをより深くエッチングできたことにより輝度が上昇した。
(実施例22)(EB描画)
実施例1で用いた発光ダイオードであるGaPの発光層表面を備えた発光素子基板10上に、電子線用レジスト(フジフィルム製:FEP−301)を形成した。そして、パターンジェネレーターを装備した50kVの加速電圧を持つ電子線露光装置で150nmの円形状パターンを発生させた(図7(b))。
このレジストパターン付基板を、ICPを用いて、BCl3 /Cl2 =5/20/sccm、圧力0.266Pa(2mTorr)、入射電力/バイアス電力=100/100Wの条件で3分間エッチングを行うと、円柱状パターンが形成された(図7(c))。
続いて、ArガスでAr=50sccm、圧力0.65Pa(5mTorr)、パワー300Wで2分間スパッタリングすると、円柱の底辺部と頂上部がスパッタリングされ、図7(d)に示すようなメサ部と円錐部が形成された。
この結果、エッチング後の形状は、メサ部の下底部の平均直径は200nm、上頂部の平均直径は150nm、平均高さは100nmであり、円柱部の平均直径は150nm、平均高さは400nmであり、円錐部の平均直径は150nm、平均高さは100nm、凸構造の間隔は220nmである、円錐+円柱+メサ部を有する微小な凹凸が形成できた。
この実施例サンプルとパターンを付けなかったサンプルの発光効率を比較したところ、実施例サンプルの方で輝度が100%向上していることが確認された。
なお、本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。また、実施例を適宜組み合わせて実施することも可能である。
本発明に係わる半導体発光装置の基本構成を示す断面図。 図1における凸構造を拡大して示す図。 本発明の一実施形態に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図。 本発明の他の実施形態に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図。 図3の発光ダイオードの製造工程(ブロックコポリマーを用いたミクロ相分離構造を利用)を示す断面図。 図3の発光ダイオードの製造工程(PS微粒子利用)を示す断面図。 図3の発光ダイオードの製造工程(電子ビーム描画利用)を示す断面図。 第6の実施例に係わる発光ダイオードの製造工程を示す断面図。 第7の実施例に係わる発光ダイオードの製造工程を示す断面図。 第13の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図。 第15の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図。 第17の実施例に係わる発光ダイオードの素子構造を示す断面図。 第17の実施例に係わる発光ダイオードの製造工程を示す断面図。 第21の実施例に係わる発光ダイオードの製造工程を示す断面図。 本発明の原理を説明するためのもので、凸型の回折格子の構造を示す断面図。
符号の説明
11…n−GaP基板
12…n−InAlPクラッド層
13…InGaAlP活性層
14…p−InAlPクラッド層
15…p−GaP電流拡散層
16,57,67…p側電極
17,58,68…n側電極
20,60,70…凸構造
21…メサ部
22…円柱部
23…円錐部
31…マスク材料層
32…ポリマーフラグメントパターン
33…PS粒子パターン
35…レジストパターン
36…3層用レジスト
37,71…SOG膜
38,72…ブロックコポリマー溶液
41…ブロックコポリマー
42…ドットパターン
51…Al2 3 基板
52…n−AlGaNコンタクト層
63…n−AlGaNクラッド層
54…n−AlGaN/n−AlGaN活性層
55…p−AlGaN/p−AlGaNクラッド層
56…p−GaNコンタクト層
61…n−GaN基板
62…n−GaNバッファ層
63…n−GaNクラッド層
64…MQW活性層
65…p−AlGaNキャップ層
66…p−GaNコンタクト層
73…PSパターン
75…シリカ粒子パターン

Claims (12)

  1. 半導体発光素子の光取り出し面に複数の凸構造が形成された半導体発光装置であって、
    前記凸構造は、前記光取り出し面から順に、屈折率勾配構造を成す円錐状のメサ部、回折格子構造を成す円柱部、屈折率勾配構造を成す円錐部の3つの構造を有し、
    前記凸構造の間隔が、発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍以下の範囲であり、前記円柱部の円相当平均直径は前記メサ部の下底部の円相当平均直径の1/3から9/10倍の範囲であることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記メサ部の上頂部の円相当平均直径は前記円柱部の円相当平均直径と同等であり、該メサ部の下底部の円相当平均直径は発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍の範囲であり、前記メサ部の平均高さは発光波長の1/10から1/5の範囲であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
  3. 前記円錐部の下底部の円相当平均直径は前記円柱部の円相当平均直径と同等であり、前記円錐部の平均高さは発光波長の1/10から1倍の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発光装置。
  4. 前記凸構造の平均高さは発光波長の0.6から1.5倍の範囲であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の半導体発光装置。
  5. 前記円柱部の平均高さは発光波長の3/10から1倍の範囲であることを特徴とする請求項1から1〜4の何れかに記載の半導体発光装置。
  6. 半導体発光素子の光取り出し面に複数の凸構造が形成された半導体発光装置であって、
    前記凸構造は、前記光取り出し面から順に、屈折率勾配構造を成す円錐状のメサ部、回折格子構造を成す円柱部、屈折率勾配構造を成す円錐部の3つの構造を有し、
    前記凸構造の間隔は、発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍以下の範囲であり、該凸構造の平均高さは発光波長の0.6から1.5倍の範囲であり、
    前記円柱部の円相当平均直径は前記メサ部の下底部の円相当平均直径の1/3から9/10倍の範囲であり、該円柱部の平均高さは発光波長の3/10から1倍の範囲であり、
    前記メサ部の上頂部の円相当平均直径は前記円柱部の円相当平均直径と同等であり、該メサ部の下底部の円相当平均直径は発光波長の1/(外部媒質の屈折率+基板の屈折率)より大きく1倍の範囲であり、前記メサ部の平均高さは発光波長の1/10から1/5の範囲であり、
    前記円錐部の下底部の円相当平均直径は前記円柱部の円相当平均直径と同等であり、該円錐部の平均高さは発光波長の1/10から1倍の範囲であることを特徴とする半導体発光装置。
  7. 前記発光素子は発光ダイオードであり、前記光取り出し面の一部に電極が形成され、前記光取り出し面の前記電極が形成されていない部分に前記凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の半導体発光装置の製造方法であって、
    前記光取り出し面上に円形パターンを周期的に配列したマスクを形成する工程と、
    前記マスクを用いて反応性イオンエッチング法により、前記光取り出し面を成す光放射側最外層又は無機光透過性層を選択的にエッチングすることによって、前記凸構造の円柱部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1〜7の何れかに記載の半導体発光装置の製造方法であって、
    前記光取り出し面上に円形パターンを周期的に配列したマスクを形成する工程と、
    前記マスクを用いて反応性イオンエッチング法により、前記光取り出し面を成す光放射側最外層又は無機光透過性層を選択的にエッチングすることによって、前記凸構造の円柱部を形成する工程と、
    不活性ガスを用いた物理エッチング法により前記光放射側最外層又は無機光透過性層をエッチングすることによって、前記円柱部の底部に前記メサ部を形成すると共に該円柱部の頂部に前記円錐部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
  10. 前記マスクを形成する工程として、前記光取り出し面上にレジストを形成した後、前記レジストに電子ビームや光を用いたリソグラフィ法により前記円形パターンを描画することを特徴とする請求項8又は9記載の半導体発光装置の製造方法。
  11. 前記マスクを形成する工程として、前記光取り出し面上に、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーを含有し、ミクロ相分離構造を自己組織的に形成する樹脂組成物からなる薄膜を形成した後、前記薄膜のミクロ相分離構造の少なくとも一方の相を選択的に除去することを特徴とする請求項8又は9記載の半導体発光装置の製造方法。
  12. 前記マスクを形成する工程として、前記光取り出し面上にポリマービーズ又はシリカビーズを単一粒子層に並べたものを形成することを特徴とする請求項8又は9記載の半導体発光装置の製造方法。
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